JP5026732B2 - マイクロ波導入器、プラズマ発生装置及びプラズマ処理装置 - Google Patents

マイクロ波導入器、プラズマ発生装置及びプラズマ処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、マイクロ波導入器、プラズマ発生装置及びプラズマ処理装置に関し、特に、プラズマ発生室内部の金属汚染やパーティクルの発生を抑えることが可能なマイクロ波導入器、これを備えたプラズマ発生装置及びエッチング装置などのプラズマ処理装置に関する。
プラズマを利用したドライプロセスは、半導体製造装置、金属部品の表面硬化、プラスチック部品の表面活性化、無薬剤殺菌など、幅広い技術分野において活用されている。例えば、半導体装置や液晶表示ディスプレイなどの製造に際しては、アッシング、ドライエッチング、薄膜堆積あるいは表面改質などの各種のプラズマ処理が用いられている。プラズマを利用したドライプロセスは、低コストで、高速であり、薬剤を用いないために環境汚染を低減できる点でも有利である。
このようなプラズマ処理を行う装置の代表的なものして、周波数が300メガヘルツ〜30ギガヘルツのマイクロ波によりプラズマを励起する「マイクロ波励起型」のプラズマ処理装置がある。マイクロ波励起型のプラズマ源は、高周波プラズマ源などに比べてプラズマ電位が低いので、被処理物に与えるダメージの少ないレジスト・アッシング(resist ashing)や、バイアス電圧を印加した異方性エッチングなどに広く用いられている。
ところで、プラズマ発生装置においては、プラズマの均一性を上げることやプラズマの発生効率を上げることとともに、チャンバ内を清浄に保つことやコンタミネーション(汚染)の発生を防ぐことが極めて重要である。もし、パーティクルなどが発生し被処理物の表面に付着すると、被処理物上に形成される配線がショートしやすくなる等の障害を生じるからである。
チャンバ内を清浄に保つためには、チャンバ外からパーティクルなどを持ち込まないようにするとともに、チャンバ内でのパーティクルやコンタミネーションなどの発生を極力抑える必要がある。ところが、プラズマ発生装置においては、発生したプラズマが発生部の周辺にも広がり、チャンバ内壁などをスパッタリングしてパーティクルや金属汚染などを発生させる虞がある。そのため、プラズマの発生をチャンバ内壁から離れた特定の部分に限定させて、パーティクルや金属汚染などの発生を抑制することができる手段が必要となる。
特許文献1〜3には同軸線路によりチャンバの内部にマイクロ波を導入して、その先端に設けられた円板状の放射部からマイクロ波をチャンバ内のプラズマ発生部に放射させる技術が開示されている。このようにチャンバ内壁から離れた位置で、マイクロ波をチャンバ内に放射させることができれば、プラズマの発生を主にチャンバ内壁から離れた円板状の放射部付近とすることができるので、チャンバ内壁などがスパッタリングされるために発生するパーティクルや金属汚染などを抑制することができる。
図15は、このようなチャンバ内壁から離れた位置に放射部を備えるプラズマ処理装置を例示する模式図である。
プラズマ処理装置7は、減圧状態を保持できるチャンバ10を備えている。チャンバ10の底部には、チャンバ内を排気して減圧するための排気口6が設けられ、排気口6には図示しない真空ポンプなどの排気手段EXが接続されている。チャンバ10の天井部には、マイクロ波導入器1の同軸線路1aが貫通するように取り付けられ、同軸線路1aの先端部がチャンバ10内に突出するようになっている。チャンバ10内に突出した同軸線路1aの先端部には円板状の放射部1bが接続され、チャンバ10外の同軸線路1aの他端には図示しないマイクロ波発生手段、導波管、同軸変換器などが接続されている。円板状の放射部1bは、複数の導体板やストリップラインと誘電体とを組み合わせた複合構造を有している。チャンバ10の側壁には、エッチングガスなどのプロセスガスGをチャンバ10内に導入させるためのガス導入口5が設けられ、ガス導入口5には図示しないプロセスガス供給手段が接続されている。チャンバ10内の下方には、放射部1bに対向するように被処理物Wを載置するためのステージ16が設けられている。
次にプラズマ処理装置7の動作について説明する。最初に排気口6に接続されている図示しない排気手段EX(例えば、真空ポンプ)によりチャンバ10内が所定の圧力になるまで減圧される。次にガス導入口5からプロセスガスG(例えば、酸素、フッ素含有ガスなど)がチャンバ10内のプラズマ発生部に向けて導入される。図示しないマイクロ波発生手段により発生させたマイクロ波MWは、これも図示しない導波管、同軸変換器などを介して同軸線路1aに導かれる。同軸線路1aに導かれたマイクロ波MWは、放射部1b内に導入され、放射部1b表面からチャンバ10内に放射される。このようにしてチャンバ10内に放射されたマイクロ波MWにより、放射部1b付近にプラズマが発生する。この発生したプラズマによってチャンバ10内のプロセスガスGが分解あるいは活性化されてラジカルなどの活性種や分解種が生成される。そして、この生成された活性種や分解種によりステージ16上に載置されている被処理物Wに各種の処理が施される。
図15に表した構造によれば、主に放射部1b付近にプラズマを発生させることで、プラズマ発生位置をチャンバ10の内壁から引き離すことができ、チャンバ内壁がスパッタリングされることを低減することができる。その結果、チャンバ内壁がスパッタリングされることで発生するパーティクルや金属汚染を抑制することができる。
しかし、この場合、今度は、放射部1bにおいて誘電体を覆う導体(金属)がスパッタリングされパーティクルや金属汚染が発生してしまうという問題が生じた。また、従来のプラズマ発生装置1の構成では、プラズマ発生位置をチャンバ10の内壁から完全に引き離すことができず、チャンバ内壁のスパッタリングを完全に解消することは困難であった。そのため、磁場によるプラズマ位置の制御やチャンバ内壁を冷却液などで冷やす技術などの併用が必要であった。そして、そのような磁場発生装置や冷却装置を設けることとすれば、装置機構の複雑化、装置寸法の過大化、メンテナンスの負担の増大を招くという新たな問題を生じていた。
特開平9−102400号公報 特開平9−321031号公報 特開2004−200113号公報
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、装置機構の
複雑化などを招くことなく、パーティクルや金属汚染などの発生を抑えることのできるマ
イクロ波導入器、これを備えたプラズマ発生装置及びこれを備えたプラズマ処理装置を提
供する。
上記目的を達成するため、本発明の一態様によれば、
プラズマを発生させる空間を有するチャンバに取り付けられるマイクロ波導入器であって、
前記マイクロ波導入器は、前記チャンバの壁面から前記プラズマを発生させる空間に向けて突出した導波体と、前記導波体の先端に設けられ前記プラズマを発生させる空間にマイクロ波を放射させる放射部と、
を備え、
前記導波体は、内導体と、前記内導体の外側に設けられた外導体と、前記内導体と前記外導体との間に設けられマイクロ波を伝搬する内部充填部と、を有し、
前記内導体は、前記放射部を貫通せず前記放射部の内部に突出し、
前記内導体の突出寸法は、前記放射部の厚さ寸法の15%〜60%であり、
前記外導体は、前記放射部の内部に突出していないこと、を特徴とするマイクロ波導入器が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、
チャンバと、
前記チャンバに取り付けられた前記マイクロ波導入器と、
を備え、
前記マイクロ波導入器を介して導入されるマイクロ波により前記プラズマを発生させる空間においてプラズマを発生可能としたこと、を特徴とするプラズマ発生装置が提供される。
また、本発明のさらに他の一態様によれば、
前記のプラズマ発生装置を備え、
前記発生させた前記プラズマによって被処理物のプラズマ処理を実施可能としたことを特徴とするプラズマ処理装置が提供される。
以上詳述したように、本発明によれば、装置機構の複雑化などを招くことなくパーティ
クルや金属汚染などの発生を抑えることのできるマイクロ波導入器、これを備えたプラズ
マ発生装置及びこれを備えたプラズマ処理装置を提供することができ、産業上のメリット
は多大である。
以下、本発明の実施の形態について、具体例を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の具体例にかかるプラズマ処理装置の要部基本構成を説明する模式断面図である。
本実施形態のプラズマ処理装置700は、チャンバ300と、導波管200と、マイクロ波導入器100と、を有する。チャンバ300及び導波管200は、それぞれ中空構造を有する。チャンバ300の天井部には、導波管200が設けられている。チャンバ300の底部には、排気口405が設けられている。この排気口405を介して、図示しない排気手段EXによりチャンバ300内が所定の圧力になるまで減圧される。マイクロ波導入器100はチャンバ300の内部空間に突出して設けられており、チャンバ300の上面を介して導波管200と接続されている。マイクロ波導入器100は、導波体101と、放射部100eと、を有する。導波体101は、チャンバ300の天井部に対して略垂直方向に設けられている。そして、導波体101の上端は、導波管200と接続されている。放射部100eは、チャンバ300の天井部に対して略平行に設けられており、導波体101の下端と接続されている。放射部100eの主面に対して略垂直下方には、被処理物Wを載置するためのステージ400が設けられている。
ここで、「上端」及び「天井部」とは導波管200に近い方といい、「下端」及び「底部」とは排気口405に近い方をいう。
次に、マイクロ波導入器100の詳細構造について、説明する。
図2(a)は、図1の領域Xに含まれるマイクロ波導入器を表す模式断面図であり、図2(b)は、(a)のY−Y線の模式断面図である。
マイクロ波導入器100は、導波体101とこれに接続された円板状の放射部100eと、を備えている。導波体101は、内導体100aと、内導体100aの外側に設けられた外導体100bと、内導体100aと外導体100bとの間に設けられた内部充填部100cと、外導体100bの外側に設けられた外部被覆部100dと、からなる。一方、放射部100eは、単一材料からなる。
外部被覆部100d、内部充填部100c、放射部100eは誘電体からなり、例えば石英(SiO)、アルミナ(Al)、サファイヤ、窒化アルミ(AlN)、酸化イットリウム(Y)などのセラミックスにより構成されるがこれに限定されるものではなく、化学的に安定で耐熱性、耐食性に優れた絶縁材料であればよい。例えば、外部被覆膜100d及び内部充填部100cの材料としては、フッ素系樹脂を用いることもできる。ただし、フッ素系樹脂は、放射部100eには、適さない。
なお、各部の誘電体は単一材料でもよいがそれぞれの機能にあわせて適宜選択することができる。例えば、外部被覆部100dは特に耐プラズマ性や耐化学反応性を考慮することが必要となるので、例えば、アルミナ(Al)や酸化イットリウム(Y)などにすることが好ましい。また、内部充填部100cには固体の絶縁材料を必ずしも用いる必要はなく、空気等の気体、絶縁油などの液体、粒状体や粉状体のように気体層を含有するものなどを用いることもできる。ただし、場合によっては内導体100aと外導体100bとの間で放電を生じる虞があるので、前述のように固体の絶縁材料(誘電体)とすることが好ましい。内導体100aと外導体100bは、電気抵抗の低い金属などの導体からなり、線膨張率が誘電体に近い方が望ましい。例えば、アルミニウムやアルミニウム合金とすることができ、望ましくは銅、銅合金とすることができる。
マイクロ波導入器100は、プラズマを発生させる空間800に向けてチャンバ300の壁面からチャンバ300の内側(同図の下側)の減圧空間に向けて突出するように取り付けられる。このマイクロ波導入器100には、チャンバ300の外側から、導波管200を介してマイクロ波MWが導入される。図1に表した具体例の場合、内導体100a、外導体100b、外部被覆部100d、内部充填部100c、放射部100eは、それぞれ円形断面を有する。これら円形の直径は、内導体100aが最も小さく、内部充填部100c、外導体100b、外部被覆部100d、放射部100eの順に大きくなる。例えば、内導体100aの直径はφ4ミリメータ、内部充填部100cはφ10ミリメータ、外導体100bはφ14ミリメータ、外部被覆部100dがφ20ミリメータとすることができる。
チャンバ300の内部(同図の下側)の減圧状態を維持するために、外導体100bの上端側(導波管200側)には外導体100bよりも外径の大きいフランジ部110が設けられ、例えば、O(オー)リング320により気密を確保している。ただし、このフランジ部110やOリング320は本発明に必須の要素ではなく、他の方法により気密を確保してもよいし、気密を確保する部分の構成位置も適宜変更することができる。
内導体100aは、上端側が導波管200内に突出するように設けられ、下端側(導波管200から遠い側)が放射部100eを貫通せず放射部100eの内部に所定寸法(突出寸法H2)だけ突出するように設けられている。尚、突出寸法H2と放射部厚さ寸法H1の関係は後述する。内導体100aを囲むようにして外導体100bが設けられ、この内導体100aと外導体100bとの間が内部充填部100cとなる。なお、外導体100bの端部は、導波管200内にも放射部100e内にも突出していない。外導体100bの外側を覆うようにして外部被覆部100dが設けられている。放射部100eは内導体100aの下端側(導波管200から遠い側)のプラズマを発生させる空間800に設けられ、内導体100a、外導体100b、外部被覆部100d、内部充填部100cと接続されている。
本具体例のマイクロ波導入器100においては、内導体100aの中心軸と外導体100b、外部被覆部100d、内部充填部100c、放射部100eの中心軸とがほぼ一致している。内部充填部100cは、外導体100bと内導体100aとの間でマイクロ波を導波する役割を有する。外部被覆部100dは、外導体100bがスパッタリングされたり、プラズマによる反応生成物により浸食されたりするのを抑制し、マイクロ波導入器100を保護する役割を有する。なお、外部被覆部100dは、保護部材であるため、プラズマ発生位置を放射部Aの近傍に限定させるという観点からは必須の要件ではない。ただし、外導体100bの長寿命化や金属汚染防止により完全を期す観点からは、外部被覆部100dを設けたほうがよい。このような多重構造からなるマイクロ波導入器100は、例えば、内導体100aを中心としてその周りに、各部材をはめこんで作製してもよいし、セラミックスなどの誘電体を焼成、コーティングなどをして、作製してもよい。
次に、このマイクロ波導入器100の動作について説明する。
マイクロ波導入器100へのマイクロ波MWの導入は、以下のようにして行われる。
図2において、マイクロ波発生手段(図示しない)により発生させたマイクロ波MWは、矩形断面の導波管200によりTE(Transverse Electric)モードでマイクロ波導入器100部分に導かれる。マイクロ波導入器100部分に導かれたマイクロ波MWは、導波管200内に突出している内導体100aに導入され、内部充填部100cを伝搬するが、この際、TEモードからTEM(Transverse Electromagnetic)モードに同軸変換される。
マイクロ波導入器100内のマイクロ波MWの伝搬は、以下のようにして行われる。
導入されたマイクロ波MWが伝搬する内部充填部100cの外側には同軸の外導体100bがあるので、マイクロ波MWはTEMモードで放射部100eに伝搬する。その際、外導体100bはマイクロ波MWがチャンバ300の内部に向けて漏れ出さないようにするためのシールドとしての役割をも果たす。
図3は、マイクロ波MWがTEMモードで内部充填部100cを伝搬する様子を説明するための概念図である。図3(a)は図2(a)のY−Y線の模式断面図であり、図3(b)は図3(a)のZ−Z線の模式断面図である。
マイクロ波が内部充填部100cを伝搬すると、内導体100aから外導体100bの方向またはその逆方向に電界Eが発生する。また、磁界Mは、これら電界Eの方向に応じて内部充填部100cの中を円周方向に発生する。ここで、記号Pは、磁界Mを構成する磁力線が紙面に略垂直方向に手前から奥へ向かっていることを表し、記号Qは、磁力線が紙面に略垂直方向に奥から手前に向かっていることを表す。
内部充填部100cをTEMモードで伝搬するマイクロ波MWは、磁界M、電界Eを発生させるが外導体100bに阻まれ外部に漏れ出すことが抑制される。そのため、放射部100eに伝搬されるまでの間にマイクロ波MWがチャンバ300の内部に向けて漏れ出すことが抑制され、チャンバ300の内壁から離れた位置にある放射部付近Aにプラズマを発生させるようにすることができる。
ただし、この構成のみではプラズマ発生の位置をチャンバ300の内壁から完全に引き離すことができず、特に、マイクロ波導入器100がチャンバ300から突出している部分のチャンバ内壁部付近Bにプラズマが発生しやすい。そのため、この部分のチャンバ内壁がスパッタリングされて、パーティクルや金属汚染などが発生する虞があるので、後述する内導体100aの突出寸法H2と放射部厚さ寸法H1の関係を考慮する必要が生じる。
外導体100bと内導体100aとの間の内部充填部100cには固体の誘電体が充填されているので、外導体100bと内導体100aとの間で放電が起きることが防止される。そして、外導体100bの外側は誘電体からなる外部被覆部100dで覆われているので、導体である外導体100bがスパッタリングされたりプラズマによる反応生成物により浸食されたりすることが抑制される。
次に、内部充填部100cをTEMモードで伝搬したマイクロ波MWは、放射部100eに導入される。
ここで、本発明者は、検討の結果、前述した内導体100aの突出寸法H2と放射部厚さ寸法H1との関係をH1:H2=10ミリメータ:1.5〜6ミリメータ(突出寸法H2を放射部厚さ寸法H1の15%〜60%)とすれば、放射部付近Aに集中的にプラズマを発生させることができ、チャンバ内壁部付近Bにおけるプラズマの発生を防止できるとの知見を得た。そして、望ましくは内導体100aの突出寸法H2と放射部厚さ寸法H1との関係をH1:H2=10ミリメータ:2〜4ミリメータ(突出寸法H2を放射部厚さ寸法H1の20%〜40%)とすれば、チャンバ内壁部付近Bにおけるプラズマの発生を完全に防止できるとの知見を得た。
図4(a)は、内導体の突出寸法H2と電界強度比との関係を示すグラフ図であり、図4(b)は、図4(a)で用いる電界強度比を説明する模式図である。
ここで、図4(a)において、横軸は、突出寸法H2(ミリメータ)であり、縦軸が電界強度比(dB)である。電界強度比は、放射部付近Aの電界強度をチャンバ内壁部付近Bの電界強度で除した値(A/B)である。すなわち、図4(b)に表すように、放射部付近A及びチャンバ内壁部付近Bは、チャンバ300の上面から略垂直下方に、距離L、例えば、20ミリメータ程度離れたところを境に区別している。
この時の測定条件は、放射部厚さ寸法H1を10ミリメータ、放射部100eの直径寸法を101ミリメータ、内導体100aの直径寸法を4ミリメータ、外導体100bの外径14ミリメータ×内径10ミリメータ、外部被覆部100dの厚さ寸法3ミリメータ、チャンバ300の内壁から放射部100e上面までの寸法を53ミリメータ、外部被覆部100d・内部充填部100c・放射部100eの材質を石英、内導体100a・外導体100bの材質を銅、マイクロ波電源周波数を2.46ギガヘルツ、プロセスガスを酸素、チャンバ内圧力は15Paとした。
この電界強度比が大きくなるということは、総放射エネルギーが一定なので放射部付近Aに放射エネルギーが集中するようになること、逆の言い方をすればチャンバ内壁部付近Bにおける放射エネルギーが少なくなることを意味する。そして、この電界強度比を14dB以上とすれば、チャンバ内壁部付近Bにおける電界強度が放射部付近Aにおける電界強度の1/5以下となり、チャンバ内壁部付近Bにおけるプラズマの発生を防止できることが判明した。また、電界強度比を18dB以上とすればチャンバ内壁部付近Bにおける電界強度が放射部付近Aにおける電界強度の1/8以下となり、チャンバ内壁部付近Bにおけるプラズマの発生を完全に防止することができた。
同図からわかるように、突出寸法H2を1.5ミリメータ〜6ミリメータとすれば電界強度比をほぼ14dB以上とすることができ、特に2ミリメータ〜4ミリメータとすれば電界強度比をほぼ18dB以上とすることができる。そのため、突出寸法H2をこのような値とすれば、チャンバ内壁部付近Bにおけるプラズマの発生を防止することができる。そして、放射部厚さ寸法H1が変わっても、内導体100aの突出寸法H2と放射部厚さ寸法H1との寸法比率(H1:H2)を変えなければ、同様の効果があることも確認された。
また、マイクロ波電源周波数を変化させても電界強度比はほとんど影響を受けず、内導体100aの突出寸法H2と放射部厚さ寸法H1との寸法比率以外の各部寸法、各部材質を変えても電界強度比は大きな影響を受けないことも確認できた。ただし、チャンバ300の内壁から放射部100e上面までの寸法をあまり小さくすると、放射部100e付近に発生したプラズマがチャンバ内壁部付近Bに近づくことになるので、この寸法はスキンデプス寸法の10倍程度以上であることが望ましい。ここで、スキンデプス寸法とは、電磁波の浸透する深さを意味する。
この結果、チャンバ内壁部付近Bにおけるスパッタリングがなくなり、パーティクルや金属汚染などの発生を防止することができた。
図5は、本実施形態に係るマイクロ波導入器から得られる実験例を表す模式図である。
本実験例では、マイクロ導入器にマイクロ波を伝搬させたときの電界強度比分布をシミュレーションにより構造解析を行った。
ここで、導波体101の上端は、チャンバ300の上面に対して略垂直方向に接続されている。導波体101の下端は、チャンバ内壁と略平行に設けられた放射部100eの中央に接続されている。内導体100aの下端は、放射部100を貫通せずに放射部100eの内部に突出した構造を有する。構造解析は、例えば、株式会社エー・イー・ティ・ジャパン社製の「MW−Studio」を用いて行うことができる。電界強度比分布は、モノトーン色の濃淡で表し、電界強度比が高い程濃く、低いほど淡くなるように表示した。
放射部100eは、直径をφ101ミリメータとし、厚さを10ミリメータとする。内導体100aの突出寸法H2は、約2ミリメータとする。
図5から、電界強度は、放射部100eの端部が特に高く、導波体101の下端、導波体101の上端、の順に小さくなることが分かる。このように電界強度の高い放射部100eをチャンバ300の上面から離して設けることで、チャンバ300の内壁などがスパッタリングされるのを抑制することができる。
図6は、プラズマ電子密度と電界強度比との関係を示すグラフ図である。
ここで、横軸がプラズマ電子密度(cm−3)であり、縦軸が電界強度比(dB)である。プラズマ電子密度はチャンバ300内のプラズマ密度の平均値である。電界強度比は、図4と同様に、放射部付近Aにおける電界強度をチャンバ内壁部付近Bにおける電界強度で除した値(A/B)である。この時の測定条件は、図4の場合と同一である。
プラズマ電子密度は処理条件の変化などで変動する場合があるが、同図より、プラズマ電子密度が例えば、10×1011cm−3と高くなっても電界強度比は18dB以上とすることができ、チャンバ内壁部付近Bにおけるプラズマの発生、すなわち、パーティクルや金属汚染などの発生を防止できる。
このようにして、放射部100eに導入されたマイクロ波MWは表面波として放射部100eの表面を伝搬し、チャンバ300内の空間800に放射される。このようにして空間800に放射されたマイクロ波MWのエネルギーにより、プロセスガスのプラズマが形成される。こうして発生したプラズマ電子密度が、放射部100eを透過して供給されるマイクロ波MWを遮蔽できる密度(カットオフ密度)以上になると、マイクロ波MWは放射部100eの下面からチャンバ内の空間800に向けて一定距離(スキンデプス)だけ入る間に反射され、マイクロ波MWの定在波が形成される。
すると、マイクロ波MWの反射面がプラズマ励起面となって、このプラズマ励起面で安定したプラズマが励起されるようになる。このプラズマ励起面で励起された安定的なプラズマ中においては、イオンや電子がプロセスガスの分子と衝突することにより、励起された原子や分子、遊離原子やラジカルなどの励起活性種(プラズマ生成物)が発生される。これらプラズマ生成物は、空間800内を拡散して被処理物Wの表面に飛来し、エッチング、アッシング、薄膜堆積、表面改質、プラズマドーピングなどのプラズマ処理を行う。
以上説明したように、供給されたマイクロ波MWは、放射部100eの表面を表面波として伝搬し、プラズマの発生・維持に必要なエネルギーを与える。この時、発生する前述の定在波を共振させることができれば、それだけ大きなエネルギーを供給することができるので有利となる。ここで、通常は、共振させるためには放射部100eの直径寸法をマイクロ波MWの波長の整数倍とすることが望ましいとされる。例えば、マイクロ波電源周波数を2.46ギガヘルツとすれば、その波長は121.95ミリメータであるため、通常はこの値に近いことが望ましいとされる。
しかし、内導体100aの突出寸法H2と放射部厚さ寸法H1との関係を前述のものとする条件下では、放射部100eの直径寸法を121.95ミリメータとした場合、かえって共振周波数がずれるなどの問題が生じることが判明した。
本発明者は、検討の結果、放射部100eの直径寸法を100ミリメータ〜102ミリメータとすれば、放射部100e付近に発生する定在波を工業用マイクロ波電源周波数(2.46ギガヘルツプラスマイナス30メガヘルツ)で共振させることができるとの知見を得た。
すなわち、図7は、放射部100eの直径寸法と共振周波数との関係を示すグラフ図である。ここで、横軸は共振周波数(ギガヘルツ)であり、縦軸は、結合度(カップリング)である。放射部100eの直径寸法は、(a)φ111.2ミリメータ、(b)φ105ミリメータ、(c)φ101ミリメータ、(d)φ90ミリメータ、(e)φ80ミリメータ、(f)70ミリメータである。
この時の測定条件は、放射部厚さ寸法H1を10ミリメータ、内導体100aの突出寸法H2を2ミリメータ、内導体100aの直径寸法を4ミリメータ、外導体100bの外径14ミリメータ×内径10ミリメータ、外部被覆部100dの厚さ寸法3ミリメータ、チャンバ300の内壁から放射部100e上面までの寸法を53ミリメータ、外部被覆部100d・内部充填部100c・放射部100eの材質を石英、内導体100a・外導体100bの材質を銅、プロセスガスを酸素、チャンバ内圧力は15Paとすることができる。
同図縦軸のカップリングとはマイクロ波MWとプラズマとのカップリングを言うが、ここで重要なことはピークが現れるか否かと、そのピークがどこに現れるかである。すなわち、ピークが現れると言うことはその周波数で共振が起こっていることを示し、また、そのピークは導入する工業用マイクロ波電源周波数(2.46ギガヘルツプラスマイナス30メガヘルツ)に近いことが望ましいからである。
同図からわかるように、放射部100eの直径寸法を(c)φ101ミリメータとすれば、周波数2.46ギガヘルツ付近で共振していることがわかる。そして、直径をφ4ミリメータ大きくしただけでも((b)φ105ミリメータ)、共振周波数が2.4ギガヘルツと60メガヘルツもずれてしまい工業用マイクロ波電源周波数(2.46ギガヘルツプラスマイナス30メガヘルツ)のマイクロ波を導入したのでは共振しないことがわかる。
図8も、放射部100eの直径寸法と共振周波数との関係を示すグラフ図であるが、同図の場合は直径寸法101ミリメータ付近での詳細を表したグラフ図である。ここで、放射部100eの直径寸法は、(a)φ105ミリメータ、(b)φ104ミリメータ、(c)φ103ミリメータ、(d)φ102ミリメータ、(e)φ101ミリメータ、f)φ100ミリメータ、(g)φ95ミリメータである。
同図からわかるように、工業用マイクロ波電源周波数(2.46ギガヘルツプラスマイナス30メガヘルツ)に最も近い所で共振するのは直径が(e)φ101ミリメータのときである。また、直径を(f)φ100ミリメータとすれば共振周波数は2.48ギガヘルツ程度となり、直径を(d)φ102ミリメータとすれば共振周波数は2.44ギガヘルツ程度となる。そのため、直径をこれより大きくしたり小さくしたりすれば、工業用マイクロ波電源周波数(2.46ギガヘルツプラスマイナス30メガヘルツ)では共振が起こらないことがわかる。
前述のようにして一度決定した放射部100eの直径や厚さ寸法H1も、マイクロ波電源周波数の変更や変動、プラズマ処理条件の変更や変動などのため変更せざるを得ない場合も生じる。本発明においては、このような場合に対処すべく、放射部100eを着脱自在な構造とすることも可能である。
図9(a)は、放射部を着脱自在な構造とした場合の具体例を表す模式図であり、図9(b)は、(a)のY−Y線の模式断面図である
本具体例においては、外部被覆部100d側に雄ねじ部100gを、放射部100e側に雌ねじ部100fを設けている。
本発明においては、このような構成により放射部100eを着脱自在としているため、マイクロ波電源周波数の変更や変動、プラズマ処理条件の変更や変動などに合わせて最適な寸法を持つ放射部100eに簡単に交換することができる。なお、前述の構造は例示にすぎず、放射部100eを着脱自在とするものはすべて本発明に包含される。例えば、外部被覆部100d側に雌ねじ部100fを、放射部100e側に雄ねじ部100gを設けてもよいし、結合には摩擦力を使ったものでもよい。分離位置も図7に例示したものに限定されず適宜変更が可能である。
このような構成にしておけばメンテナンスなどの際の部品交換においても、最小限の部分の交換ですむため経済的でもある。
次に、本実施形態のマイクロ波導入器100を用いたプラズマ発生装置の他の具体例について説明する。
図10は、本発明の実施の形態にかかるプラズマ処理装置の要部基本構成を例示する斜視一部断面図である。
本具体例のプラズマ処理装置701は、減圧状態でプラズマ処理を実施可能としたものであり、チャンバ300と、これに取り付けられた複数のマイクロ波導入器100と、を有する。マイクロ波導入器100は、図1乃至図9に関して前述した本発明の実施の形態にかかるものである。これらマイクロ波導入器100は、例えば、図10に例示したように、チャンバ300の中心軸からみて同一円周上に等間隔に配置することができる。これらマイクロ波導入器100のそれぞれには、導波管201を介してマイクロ波MWが導入される。
本具体例の導波管201は、環状(ループ状)共振器となっている。
すなわち、図10において導入導波管220に矢印の方向から導入されたマイクロ波MWは、導入導波管220と導波管201(ループ状共振器)との間に設けられた結合部210(スロット)を介して導波管201(ループ状共振器)に導入される。導波管201(ループ状共振器)は、マイクロ波MWがループ状に伝搬しながら共振するように設計されている。そして、導波管201(ループ状共振器)内で共振したマイクロ波MWは、マイクロ波導入器100の内導体100aから内部充填部100cに導入される。
このような導波管201(ループ状共振器)を設ければ、導入導波管220から導入されたマイクロ波MWを共振させることができるので、それだけ強力なマイクロ波MWをマイクロ波導入器100に送ることができる。
一方、チャンバ300は、図示しない排気手段によりその内部を減圧状態に維持可能とされている。ステージ400の上に被処理物Wを載置し、図示しないガス導入系を介して、所定のプロセスガスを導入した状態で、マイクロ波MWをチャンバ300内に導入することによりプラズマを発生させる。このプラズマにより、プロセスガスが適宜分解あるいは活性化されてラジカルなどの活性種や分解種が生成され、これらが被処理物Wの表面に作用することでエッチング、アッシング、堆積、表面改質、ドーピングなどの各種プラズマ処理が行われる。
本発明によれば、このようなプラズマ処理装置701において、図1乃至図9に関して前述したマイクロ波導入器100を設けることにより、チャンバ内壁面から離れた位置にプラズマを発生させることができるため、パーティクルや金属汚染の発生が極めて少ない環境を得ることができる。
図11は、本実施形態のプラズマ処理装置の第2の具体例の要部基本構成を例示する模式断面図である。
本具体例のプラズマ処理装置710も、基本的な構成は前述した図10のプラズマ処理装置701と同様であるが、ステージ400に高周波電源410が接続されている点が異なる。高周波電源410によりステージ400に高周波バイアスをかけることができるので、活性種や分解種を被処理物Wの表面に引き込むことができる。そのため、活性種や分解種のチャンバ内壁面側への移動がますます少なくなり、パーティクルや金属汚染の発生をさらに抑えることができる。本具体例において、チャンバ300の天井部に、2つのマイクロ波導入器100が設けられた構造を有する。これにより、パーティクルや金属汚染の発生を抑制したまま、より短時間でプラズマ処理を行うことが可能となる。ただし、本発明はこれには限定されず、マイクロ波導入器が1つであっても、2つ以上であっても、本具体例と同様の効果が得られる。
図12は、本実施形態のプラズマ処理装置の第3の具体例の要部基本構成を例示する模式断面図である。
本具体例のプラズマ処理装置720も、基本的な構成は前述した図10のプラズマ処理装置701と同様であるが、チャンバ壁面内に冷却媒体を循環させる冷却手段330を設けた点が異なる。すなわち、本具体例のプラズマ処理装置720では、冷却手段330によりチャンバ内壁面の温度を下げることができる。そのため、チャンバ内壁面と活性種や分解種との反応が弱くなり、パーティクルや金属汚染の発生をさらに抑えることができる。ここで、本発明の効果により冷却手段330の冷却能力は、冷却手段330のみによりパーティクルや金属汚染の発生を抑える場合に比べて大幅に低いものでも足りる。そのため、冷却手段330を設ける場合でも、冷却手段330自体が簡略化、小型化できプラズマ処理装置の機構の複雑化や装置寸法の肥大化を抑えることができる。
図12では、冷却手段330をチャンバ天井部に設けた具体例を表したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、チャンバ側壁部や底部にも冷却手段330を設けたり、これらのいずれか同士を適宜組み合わせてもよい。また、冷却手段330を、チャンバ外壁面や内壁面に接触させるように設けてもよいし、冷却手段330として冷却媒体を循環させるものを設ける代わりに、例えば、冷風をチャンバの外壁面に吹きかけたり、ペルチェ素子などで冷却するようにしたものであってもよい。
図13は、本実施形態のプラズマ処理装置の第4の具体例の要部基本構成を例示する模式断面図である。
本具体例のプラズマ処理装置730の基本構造は、図1に関して前述したプラズマ処理装置700と同様であるが、ステージ400とチャンバ300の底部の間に加熱用ヒータ420が設けられた構造を有する。このように加熱ヒータを設けることで、プラズマ処理を促進させ、アッシング処理などをより高速で行うことが可能となる。
図14は、本実施形態のプラズマ処理装置の第5の具体例の要部基本構成を例示する模式断面図である。
本具体例のプラズマ処理装置740は、基本的な構成は前述した図1のプラズマ処理装置700と同様である。しかし、ステージ400の主面上に静電チャック430が設けられた構造を有する。また、図13と同様に、ステージ400とチャンバ300の底部の間には加熱用ヒータ420が設けられている。このように、ステージ400上に静電チャック430を設けることで、例えば、被処理物Wを吸着し固定した状態にでき、加熱用ヒータ420からの熱に対する熱接触もより向上させてプラズマ処理することが可能となる。
また、図10乃至図14に示した具体例の各要素を適宜組み合わせることでプラズマ処理装置を構成することもできる。例えば、前述の導波管201(ループ状共振器)、高周波電源410、冷却手段330などを適宜組み合わせてもよい。
以上具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
例えば、本発明は、減圧空間でプラズマを発生しプラズマ処理する減圧プラズマ発生装置及び減圧プラズマ処理装置には限定されず、大気圧空間でプラズマを発生しプラズマ処理をする大気圧プラズマ発生装置及び大気圧プラズマ処理装置に用いても、同様の作用効果が得られ、これらも本発明の範囲に包含される。
また、本発明において用いる導波管、チャンバやこれらに付設される要素は、図示した形状、サイズのものには限定されず、その断面形状、壁面厚、開口の形状やサイズ、材質などは本発明の範囲内において適宜変更して同様の作用効果が得られ、これらも本発明の範囲に包含される。
導波管、導入導波管も完全な方形である必要はない。
また、チャンバの形状やサイズ、あるいはその内部の配置関係についても、図示したものには限定されず、プラズマ処理の内容や条件などを考慮して適宜決定することができる。例えば、プラズマ発生部はプラズマ処理室の上面でなく、側面や下面に付設してもよく、または、これらを組み合わせてもよい。つまり、ひとつのチャンバに複数のプラズマ発生部を付設してもよい。このようにすれば、被処理物の形状やサイズに合わせて均一あるいは所定の密度分布を有する大面積のプラズマを形成することが可能となる。
さらにまた、上述した具体例においては、プラズマ発生装置及びプラズマ処理装置の要部構成のみ説明したが、本発明は、このようなプラズマ発生装置を有する全てのプラズマ処理装置を包含し、例えば、エッチング装置、アッシング装置、薄膜堆積装置、表面処理装置、プラズマドーピング装置などとして実現したプラズマ処理装置のいずれもが本発明の範囲に包含される。
本発明の具体例にかかるプラズマ処理装置の要部基本構成を説明する模式断面図である。 図2(a)は、図1の領域Xに含まれるマイクロ波導入器を表す模式断面図であり、図2(b)は、(a)のY−Y線の模式平面図である。 マイクロ波MWがTEMモードで内部充填部100cを伝搬する様子を説明するための概念図である。 図4(a)は、内導体の突出寸法H2と電界強度比との関係を示すグラフ図であり、図4(b)は、図4(a)で用いる電界強度比を説明する模式図である。 本実施形態に係るマイクロ波導入器から得られる実験例を表す模式図である。 プラズマ電子密度と電界強度比との関係を示すグラフ図である。 放射部100eの直径寸法と共振周波数との関係を示すグラフ図である。 放射部100eの直径寸法と共振周波数との関係を示すグラフ図である。 図9(a)は、放射部を着脱自在な構造とした場合の具体例を表す模式図であり、図9(b)は、(a)のY−Y線の模式断面図である。 本発明の実施の形態にかかるプラズマ処理装置の要部基本構成を例示する斜視一部断面図である。 本実施形態のプラズマ処理装置の第2の具体例の要部基本構成を例示する模式断面図である。 本実施形態のプラズマ処理装置の第3の具体例の要部基本構成を例示する模式断面図である。 本実施形態のプラズマ処理装置の第4の具体例の要部基本構成を例示する模式断面図である。 本実施形態のプラズマ処理装置の第5の具体例の要部基本構成を例示する模式断面図である。 チャンバ内壁から離れた位置に放射部を備えるプラズマ処理装置を例示する模式図である。
符号の説明
100 マイクロ波導入器、100a 内導体、100b 外導体、100c 内部充填部、100d 外部被覆部、100e 放射部、100f 雌ねじ部、100g 雄ねじ部、101 導波体、200 導波管、300 チャンバ、330 冷却手段、400 ステージ、405 排気口、410 高周波電源、420 加熱ヒータ、430 静電チャック、700、710、720、730 プラズマ処理装置、800 チャンバ空間、H1 放射部厚さ寸法、H2 内導体の突出寸法、MW マイクロ波、W 被処理物

Claims (8)

  1. プラズマを発生させる空間を有するチャンバに取り付けられるマイクロ波導入器であって、
    前記マイクロ波導入器は、前記チャンバの壁面から前記プラズマを発生させる空間に向けて突出した導波体と、前記導波体の先端に設けられ前記プラズマを発生させる空間にマイクロ波を放射させる放射部と、
    を備え、
    前記導波体は、内導体と、前記内導体の外側に設けられた外導体と、前記内導体と前記外導体との間に設けられマイクロ波を伝搬する内部充填部と、を有し、
    前記内導体は、前記放射部を貫通せず前記放射部の内部に突出し、
    前記内導体の突出寸法は、前記放射部の厚さ寸法の15%〜60%であり、
    前記外導体は、前記放射部の内部に突出していないこと、を特徴とするマイクロ波導入器。
  2. 前記導波体は、前記外導体の外側に設けられた外部被覆部をさらに有することを特徴とする請求項1記載のマイクロ波導入器。
  3. 前記放射部は、前記マイクロ波を共振させることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロ波導入器。
  4. 前記マイクロ波の周波数は、2.46ギガヘルツプラスマイナス30メガヘルツであり、
    前記放射部は、円板状でその直径寸法が100ミリメータ以上102ミリメータ以下であること、を特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載のマイクロ波導入器。
  5. チャンバと、
    前記チャンバに取り付けられた請求項1〜のいずれか1つに記載のマイクロ波導入器と、
    を備え、
    前記マイクロ波導入器を介して導入されるマイクロ波により前記プラズマを発生させる空間においてプラズマを発生可能としたこと、を特徴とするプラズマ発生装置。
  6. 前記チャンバの外側に設けられ、前記マイクロ波導入器にマイクロ波を導入する導波管をさらに備えたこと、を特徴とする請求項記載のプラズマ発生装置。
  7. 前記導波管が環状共振器であること、を特徴とする請求項記載のプラズマ発生装置。
  8. 請求項5〜7のいずれか1つに記載のプラズマ発生装置を備え、
    前記発生させた前記プラズマによって被処理物のプラズマ処理を実施可能としたことを特徴とするプラズマ処理装置。
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