JPH10199698A - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JPH10199698A
JPH10199698A JP9001973A JP197397A JPH10199698A JP H10199698 A JPH10199698 A JP H10199698A JP 9001973 A JP9001973 A JP 9001973A JP 197397 A JP197397 A JP 197397A JP H10199698 A JPH10199698 A JP H10199698A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空容器内において安定なプラズマを発生さ
せることができるプラズマ処理装置を提供する。 【解決手段】 誘電体で形成されたマイクロ波透過部材
10を介して真空容器2内にマイクロ波を導入し、この
マイクロ波を前記真空容器2内に導入された反応ガスに
照射してプラズマを発生させるようにしたプラズマ処理
装置である。そして、前記マイクロ波透過部材10の厚
さを前記誘電体内における前記マイクロ波の半波長の整
数倍とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ処理装置
に係わり、特に、真空容器内に導入されたマイクロ波に
よってプラズマを発生させるようにしたマイクロ波プラ
ズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造用シリコンウエハや液晶ディ
スプレイ用ガラス基板といった被処理物を処理するため
の装置の一つにマイクロ波プラズマ処理装置がある。図
6はこのマイクロ波プラズマ処理装置の処理室部分の概
略構成を示した縦断面図である。図6に示したようにマ
イクロ波プラズマ処理装置は、処理室1を内部に形成す
る真空容器2を備えており、この真空容器2の内部には
被処理物Wを載置するための処理台3が設けられてい
る。また、真空容器2の上部にはマイクロ波導入口4が
形成されており、このマイクロ波導入口4にはマイクロ
波導波管5の出口端が接続されている。このマイクロ波
導波管5の入口端は、マイクロ波(M.W.)を発生さ
せるマイクロ波発信器(図示せず)に接続されている。
また、マイクロ波導入口4は誘電体で形成されたマイク
ロ波透過部材6で気密に閉鎖されており、マイクロ波導
波管5内を伝播したマイクロ波はマイクロ波透過部材6
を通って真空容器2内に導入される。なお、マイクロ波
透過部材6を形成する誘電体としては、石英、テフロ
ン、アルミナ等を使用することができる。
【0003】ここで、マイクロ波透過部材6の厚さは、
真空容器3の内部と外部との圧力差から生じる応力、及
び被処理物Wの処理中に発生する熱による熱衝撃を主た
る要因として決定される。
【0004】このマイクロ波プラズマ処理装置によって
被処理物Wを処理する際には、真空排気された処理室1
内に被処理物Wを搬入して処理台3上に載置し、処理室
1内が所要の真空度に達した後に反応ガスを真空容器2
内に導入する。そして、処理室1内の真空度が安定した
ら、マイクロ波発信器を動作させてマイクロ波を発生さ
せ、このマイクロ波をマイクロ波導波管5を介して伝播
させる。マイクロ波導波管5を伝播したマイクロ波はマ
イクロ波導入口4を通過し、さらにマイクロ波透過部材
6内を伝播して真空容器2内に導入される。すると、真
空容器2内に供給された反応ガスはマイクロ波によって
プラズマ化され、この反応ガスのプラズマを利用して被
処理物Wの表面処理が行われる。
【0005】なお、上記従来のマイクロ波プラズマ処理
装置は、被処理物表面のレジストのアッシングや、被処
理物表面の薄膜のエッチング等に使用されるものであ
り、例えばアッシングを行う場合には反応ガスとして酸
素(O2 )、又は酸素にCF4、NF3 等のフッ素系ガ
スを添加したガスが使用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のよう
にマイクロ波透過部材6の厚さを真空容器2の内部と外
部との圧力差から生じる応力、及び被処理物Wの処理中
に発生する熱による熱衝撃を主たる要因として決定する
と、真空容器2内で発生したプラズマが不安定になって
しまうという問題があった。このようにプラズマが不安
定化してしまうと、被処理物Wのエッチングレートが変
化して制御性が悪化し、また、真空容器2内のプラズマ
の位置に偏りが発生してエッチングレートの面内均一性
が劣化してしまう。また、プラズマを安定化させること
ができたとしても、ガス種、圧力、マイクロ波電力とい
ったプロセス条件を変化させた場合のプラズマ安定領域
が狭くなるという問題があった。
【0007】以下、上述した従来のプラズマ処理装置に
おいてプラズマが不安定化する要因について考察する。
【0008】マイクロ波は電磁波として空間中又はマイ
クロ波透過部材6内を伝播するが、空間中とマイクロ波
透過部材6内とでは比誘電率及び比透磁率が異なるた
め、マイクロ波透過部材6の大気側(マイクロ波導波管
6側)の面及び真空側(処理室1側)の面の両面におい
てマイクロ波の反射が起こる。また、マイクロ波整合器
によって整合がとれると空洞共振器等を含むマイクロ波
導波路内に定在波が発生する。そして、マイクロ波透過
部材6の大気側の面又は真空側の面において反射した反
射波は入射波と干渉して増幅され又は減衰される。この
うち、マイクロ波透過部材6の大気側の面で起こる干渉
は、マイクロ波導波管5の長さを調節することによっ
て、反射波と入射波とで合成されたマイクロ波の入射を
最適化することができる。一方、マイクロ波透過部材6
の真空側の面での反射波による干渉は、マイクロ波の周
波数f、誘電体の比透磁率εs 及び比透磁率μs によっ
て決まる誘電体内部でのマイクロ波の波長λs と、マイ
クロ波透過部材6を形成する誘電体の厚さとの関係によ
って増幅されるか、又は減衰されるかが決まる。
【0009】反射波と入射波との干渉によってマイクロ
波が減衰されると、真空容器2内のプラズマに投入され
る実効電力(実効エネルギー)が減少して放電が不安定
となってプラズマが不安定化し、逆に、干渉によってマ
イクロ波が増幅されると、真空容器2内のプラズマに投
入される実効電力が増加してプラズマが安定化する。そ
して、誘電体からなるマイクロ波透過部材6の内部での
干渉によってマイクロ波を増幅させるために最適な誘電
体の厚さは、誘電体内部でのマイクロ波の波長λs の半
波長の整数倍である。
【0010】また、図5は、安定したプラズマを発生さ
せることができるマイクロ波電力の領域(安定領域)を
示しており、マイクロ波透過部材を形成する誘電体の厚
さを変えたときの、マイクロ波出力に対する反射波の大
きさを測定して得られた放電安定性の実測データであ
る。図5から分かるように、安定したプラズマが得られ
る誘電体の厚さにはある程度の幅があり、誘電体の厚さ
が半波長(λs /2)よりも僅かに薄く又は厚い場合で
もプラズマが安定するマイクロ波出力領域が存在する。
また、マイクロ波出力が高くなるほど、プラズマが安定
する誘電体の厚さの許容範囲が広くなる傾向がある。そ
して、誘電体の厚さがλs /2±λs /16の範囲であ
れば、マイクロ波出力をある程度変化させた場合でも安
定なプラズマを発生させることができることが図5から
読みとれる。
【0011】本発明は上記考察によって得られた知見に
基づいてなされたものであって、真空容器内において安
定なプラズマを発生させることができるプラズマ処理装
置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明によ
るプラズマ処理装置は、誘電体で形成されたマイクロ波
透過部材を介して真空容器内にマイクロ波を導入し、こ
のマイクロ波を前記真空容器内に導入された反応ガスに
照射してプラズマを発生させるようにしたプラズマ処理
装置において、前記マイクロ波透過部材の厚さを前記誘
電体内における前記マイクロ波の半波長の整数倍とした
ことを特徴とする。
【0013】請求項2記載の発明によるプラズマ処理装
置は、誘電体で形成されたマイクロ波透過部材を介して
真空容器内にマイクロ波を導入し、このマイクロ波を前
記真空容器内に導入された反応ガスに照射してプラズマ
を発生させるようにしたプラズマ処理装置において、前
記マイクロ波透過部材の厚さdを
【0014】
【数3】 としたことを特徴とする。
【0015】請求項3記載の発明によるプラズマ処理装
置は、前記マイクロ波透過部材は、同種類の誘電体によ
って多層構造に形成されていることを特徴とする。
【0016】請求項4記載の発明によるプラズマ処理装
置は、誘電体で形成されたマイクロ波透過部材を介して
真空容器内にマイクロ波を導入し、このマイクロ波を前
記真空容器内に導入された反応ガスに照射してプラズマ
を発生させるようにしたプラズマ処理装置において、前
記マイクロ波透過部材は、異種類の誘電体によって多層
構造に形成されており、前記異種類の誘電体からなる各
層の厚さを前記各誘電体内における前記マイクロ波の半
波長の整数倍としたことを特徴とする。
【0017】請求項5記載の発明によるプラズマ処理装
置は、誘電体で形成されたマイクロ波透過部材を介して
真空容器内にマイクロ波を導入し、このマイクロ波を前
記真空容器内に導入された反応ガスに照射してプラズマ
を発生させるようにしたプラズマ処理装置において、前
記マイクロ波透過部材は、異種類の誘電体によって多層
構造に形成されており、前記異種類の誘電体からなる各
層の厚さd1 、d2 …dn
【0018】
【数4】 としたことを特徴とする。
【0019】請求項6記載の発明によるプラズマ処理装
置は、被処理物を載置する処理台を前記真空容器の内部
に有し、前記処理台に直流電圧又は高周波電圧を印加す
るようにしたことを特徴とする。
【0020】請求項7記載の発明によるプラズマ処理装
置は、被処理物を載置する処理台を前記真空容器の内部
に有し、プラズマの発生領域を限定するために前記マイ
クロ波透過部材と前記処理台との間に金属メッシュ部材
を設けたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】第1実施形態 以下、本発明によるプラズマ処理装置の第1実施形態に
ついて図1を参照して説明する。なお、図6に示した従
来のプラズマ処理装置と同一部材には同一符号を付して
説明する。
【0022】図1は、本実施形態によるプラズマ処理装
置の処理室部分の概略構成を示した縦断面図である。図
1に示したように本実施形態によるプラズマ処理装置
は、処理室1を内部に形成する真空容器2を備えてお
り、この真空容器2の内部には被処理物Wを載置するた
めの処理台3が設けられている。また、真空容器2の上
部にはマイクロ波導入口4が形成されており、このマイ
クロ波導入口4にはマイクロ波導波管5の出口端が接続
されている。このマイクロ波導波管5の入口端は、マイ
クロ波(M.W.)を発生させるマイクロ波発信器(図
示せず)に接続されている。また、マイクロ波導入口4
は誘電体で形成されたマイクロ波透過部材10で気密に
閉鎖されており、マイクロ波導波管5内を伝播したマイ
クロ波はマイクロ波透過部材10を通って真空容器2内
に導入される。なお、マイクロ波透過部材10を形成す
る誘電体としては、石英、テフロン、アルミナ等を使用
することができる。
【0023】そして、本実施形態によるプラズマ処理装
置のマイクロ波透過部材10は、その厚さdが、マイク
ロ波透過部材10を形成する誘電体内におけるマイクロ
波の半波長の整数倍に設定されている。ここで、誘電体
内におけるマイクロ波の波長λs は次式によって求める
ことができる。
【0024】
【数5】 次に、本実施形態によるプラズマ処理装置の作用につい
て説明する。まず、真空排気された処理室1内に被処理
物Wを搬入して処理台3上に載置し、処理室1内が所要
の真空度に達した後に反応ガスを真空容器2内に導入す
る。そして、処理室1内の真空度が安定したら、マイク
ロ波発信器を動作させて例えば2.45GHzのマイク
ロ波を発生させ、このマイクロ波をマイクロ波導波管5
を介して伝播させる。マイクロ波導波管5を伝播したマ
イクロ波はマイクロ波導入口4を通過し、さらにマイク
ロ波透過部材10内を伝播して真空容器2内に導入され
る。すると、真空容器2内に供給された反応ガスはマイ
クロ波によってプラズマ化され、この反応ガスのプラズ
マを利用して被処理物Wの表面処理が行われる。なお、
このプラズマ処理装置は、被処理物表面のレジストのア
ッシングや、被処理物表面の薄膜のエッチング等に使用
することができ、例えばアッシングを行う場合には反応
ガスとして酸素(O2 )、又は酸素にCF4 、NF3
のフッ素系ガスを添加したガスが使用される。
【0025】そして、本実施形態によるプラズマ処理装
置においては、マイクロ波透過部材10の厚さが上記の
如く最適化されているので、マイクロ波透過部材10内
部での干渉によるマイクロ波の損失が大幅に低減され、
むしろ増幅されるので、真空容器2内にマイクロ波が効
率よく導入され、このため、真空容器2内に安定で効率
の良いプラズマを発生させることができる。
【0026】以上述べたように本実施形態によるプラズ
マ処理装置によれば、真空容器2の内部に安定なプラズ
マを発生させることができるので、例えば被処理物Wに
対してエッチング処理を施す場合、エッチングレート、
エッチング形状等が安定して制御性が向上し、しかも、
プラズマの位置に偏りがないのでエッチングの面内均一
性も向上し、さらに、ガス種、圧力、マイクロ波電力と
いったプロセス条件の変化に対するプラズマ安定領域が
広くなるといった優れた効果が得られる。また、被処理
物Wに対してアッシング処理を施す場合でも同様な効果
が得られることは言うまでもない。
【0027】なお、本実施形態によるプラズマ処理装置
のマイクロ波透過部材10は平板状に形成されている
が、本発明の適用範囲はこのような平板状のマイクロ波
透過部材に限定されるものではなく、要するに、マイク
ロ波透過部材の厚さを誘電体中でのマイクロ波の半波長
の整数倍とする点に特徴がある。また、後述する各実施
形態においても同様であって、マイクロ波透過部材の形
状ではなくその厚さを最適化する点に各実施形態の特徴
がある。
【0028】第2実施形態 次に、本発明によるプラズマ処理装置の第2実施形態に
ついて図1を参照して説明する。なお、本実施形態によ
るプラズマ処理装置は、上記第1実施形態のマイクロ波
透過部材の部分を変更したものであり、上記第1実施形
態と同一部材には同一符号を付して説明する。
【0029】図5を参照して既に述べたように、誘電体
の厚さがλs /2±λs /16の範囲であれば、マイク
ロ波出力をある程度変化させた場合でも安定なプラズマ
を発生させることができる。そこで、本実施形態による
マイクロ波透過部材10は、その厚さdを
【0030】
【数6】 に設定する。
【0031】そして、上記構成を備えた本実施形態によ
るプラズマ処理装置においても、上記第1実施形態と同
様に真空容器2の内部に安定なプラズマを発生させるこ
とができるので、例えば被処理物Wに対してエッチング
処理を施す場合、エッチングレート、エッチング形状等
が安定して制御性が向上し、しかも、プラズマの位置に
偏りがないのでエッチングの面内均一性も向上し、さら
に、ガス種、圧力、マイクロ波電力といったプロセス条
件の変化に対するプラズマ安定領域が広くなるといった
優れた効果が得られる。
【0032】第3実施形態 次に、本発明によるプラズマ処理装置の第3実施形態に
ついて図2を参照して説明する。なお、本実施形態は上
記第1実施形態のマイクロ波透過部材の部分を変更した
ものであり、上記第1実施形態と同一部材には同一符号
を付して説明する。
【0033】本実施形態によるプラズマ処理装置のマイ
クロ波透過部材10は、図2に示したように上層10a
及び下層10bによって二層構造に形成されており、上
層10a及び下層10bは共に同種類の誘電体によって
形成されている。そして、上層10aの厚さd1 と下層
10bの厚さd2 の総和であるマイクロ波透過部材10
の全体の厚さdが、誘電体内でのマイクロ波の半波長の
整数倍に設定されている。
【0034】以上述べたように本実施形態によるプラズ
マ処理装置によれば、マイクロ波透過部材10が同種類
の誘電体層10a、10bによって二層構造に形成さ
れ、マイクロ波透過部材10の全体の厚さdが誘電体内
でのマイクロ波の半波長の整数倍に設定されているの
で、上記第1実施形態と同様の効果が得られると共に、
処理室1に最も近い下層10bの誘電体が処理中に汚れ
たり、損傷した場合には、この下層10bの誘電体のみ
を交換すれば足り、マイクロ波透過部材10の全体を交
換する必要がなく、また、処理室1に面した下層10b
のみを耐熱性、耐食性に優れた誘電体で形成することも
できる。
【0035】なお、本実施形態においては上層10a及
び下層10bによる二層構造によってマイクロ波透過部
材10を形成したが、三層以上の誘電体層による多層構
造によってマイクロ波透過部材10を構成することもで
きる。
【0036】第4実施形態 次に、本発明によるプラズマ処理装置の第4実施形態に
ついて図2を参照して説明する。なお、本実施形態は上
記第1実施形態のマイクロ波透過部材の部分を変更した
ものであり、上記第1実施形態と同一部材には同一符号
を付して説明する。
【0037】本実施形態によるプラズマ処理装置のマイ
クロ波透過部材10は、上記第3実施形態と同様に、上
層10a及び下層10bによって二層構造に形成されて
おり、上層10a及び下層10bは共に同種類の誘電体
によって形成されている。そして、上層10aの厚さd
1 と下層10bの厚さd2 の総和であるマイクロ波透過
部材10の全体の厚さdが、
【0038】
【数7】 に設定されている。
【0039】以上述べたように本実施形態によるプラズ
マ処理装置によれば、マイクロ波透過部材10が同種類
の誘電体層10a、10bによって二層構造に形成さ
れ、マイクロ波透過部材10の全体の厚さdが上記の如
く最適化されているので、真空容器2の内部に安定なプ
ラズマを発生させることができ、上記第1実施形態と同
様の効果が得られると共に、真空容器2に最も近い下層
10bの誘電体が処理中に汚れたり、損傷した場合に
は、この下層10bの誘電体のみを交換すれば足り、マ
イクロ波透過部材10の全体を交換する必要がなく、ま
た、処理室1に面した下層10bのみを耐熱性、耐食性
に優れた誘電体で形成することもできる。
【0040】なお、本実施形態においては上層10a及
び下層10bによる二層構造によってマイクロ波透過部
材10を形成したが、三層以上の誘電体層による多層構
造によってマイクロ波透過部材10を構成することもで
きる。
【0041】第5実施形態 次に、本発明によるプラズマ処理装置の第5実施形態に
ついて図2を参照して説明する。なお、本実施形態は上
記第1実施形態のマイクロ波透過部材の部分を変更した
ものであり、上記第1実施形態と同一部材には同一符号
を付して説明する。
【0042】本実施形態によるプラズマ処理装置のマイ
クロ波透過部材10は、上記第3実施形態と同様に上層
10a及び下層10bからなる二層構造に形成されてい
るが、本実施形態の場合には、上層10a及び下層10
bが種類の異なる誘電体によって形成されている。そし
て、各層の厚さd1 、d2 は、それぞれ、各誘電体内に
おけるマイクロ波の半波長の整数倍に設定されている。
このため、上層10aにおいても、また下層10bにお
いてもマイクロ波の干渉による減衰が防止される。
【0043】以上述べたように本実施形態によるプラズ
マ処理装置によれば、マイクロ波透過部材10が異種類
の誘電体によって二層構造に形成され、各層の厚さ
1 、d2 が誘電体内でのマイクロ波の半波長の整数倍
に設定されているので、上記第1実施形態と同様の効果
が得られると共に、処理室1に最も近い下層10bの誘
電体が処理中に汚れたり、損傷した場合には、この下層
10bの誘電体のみを交換すれば足り、マイクロ波透過
部材10の全体を交換する必要がなく、また、処理室1
に面した下層10bのみを耐熱性、耐食性に優れた誘電
体で形成することもできる。
【0044】なお、本実施形態においては上層10a及
び下層10bによる二層構造によってマイクロ波透過部
材10を形成したが、三層以上の誘電体層による多層構
造によってマイクロ波透過部材10を構成することもで
きる。
【0045】第6実施形態 次に、本発明によるプラズマ処理装置の第5実施形態に
ついて図2を参照して説明する。なお、本実施形態は上
記第1実施形態のマイクロ波透過部材の部分を変更した
ものであり、上記第1実施形態と同一部材には同一符号
を付して説明する。
【0046】本実施形態によるプラズマ処理装置のマイ
クロ波透過部材10は、上記第5実施形態と同様に、異
なる種類の誘電体からなる上層10a及び下層10bに
よって二層構造に形成されている。そして、各層の厚さ
1 、d2 が次式のように設定されている。
【0047】
【数8】 以上述べたように本実施形態によるプラズマ処理装置に
よれば、マイクロ波透過部材10が異種類の誘電体によ
って二層構造に形成され、各層の厚さd1 、d2 が上記
の如く最適化されているので、上記第1実施形態と同様
の効果が得られると共に、処理室1に最も近い下層10
bの誘電体が処理中に汚れたり、損傷した場合には、こ
の下層10bの誘電体のみを交換すれば足り、マイクロ
波透過部材10の全体を交換する必要がなく、また、処
理室1に面した下層10bのみを耐熱性、耐食性に優れ
た誘電体で形成することもできる。
【0048】なお、本実施形態においては上層10a及
び下層10bによる二層構造によってマイクロ波透過部
材10を形成したが、三層以上の誘電体層による多層構
造によってマイクロ波透過部材10を構成することもで
きる。
【0049】第1乃至第6実施形態の第1変形例 上記第1乃至第5実施形態の第1変形例について図3を
参照して説明する。本変形例によるプラズマ処理装置
は、処理台3が真空容器2から電気的に絶縁状態になる
ように設けられており、さらに、この処理台3に対して
直流又は高周波電源7によって直流又は高周波電圧を印
加することができる。
【0050】このように処理台3に直流電圧又は高周波
電圧を印加することによって、プラズマと被処理物Wと
の間に電位(自己バイアス)が発生し、この電位によっ
て被処理物Wにエネルギーを持ったイオンが入射する。
このため、入射イオンによる被処理物Wのスパッタ作用
によってエッチング等の処理を効率的に行うことができ
る。
【0051】第1乃至第6実施形態の第2変形例 次に、上記第1乃至第5実施形態の第2変形例について
図4を参照して説明する。本変形例によるプラズマ処理
装置は、図4に示したようにマイクロ波透過部材10と
処理台3との間に金属メッシュ部材8が設けられてお
り、この金属メッシュ部材8によってプラズマの発生領
域が限定されている。つまり、このプラズマ処理装置に
おいては、マイクロ波透過部材10を透過したマイクロ
波が金属メッシュ部材8で遮断されるので、プラズマの
発生領域は金属メッシュ部材8の上方に限定される。そ
して、プラズマにおいて生成された活性種は金属メッシ
ュ部材8を透過してダウンフローし、ダウンフローした
活性種によって被処理物Wの表面処理が行われる。
【0052】このように本変形例によるプラズマ処理装
置によれば、プラズマが被処理物Wに接触することがな
いので、被処理物Wに対するダメージを防止しつつ最適
な処理(例えばアッシング)を行うことができる。
【0053】
【発明の効果】以上述べたように本発明によるプラズマ
処理装置によれば、誘電体で形成されたマイクロ波透過
部材の厚さを最適化して誘電体内での干渉によるマイク
ロ波の減衰を防止するようにしたので、真空容器の内部
で安定なプラズマを発生させることが可能であり、被処
理物の処理効率を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第2実施形態によるプラズマ
処理装置の概略構成を示した縦断面図。
【図2】本発明の第3乃至第6実施形態によるプラズマ
処理装置の概略構成を示した縦断面図。
【図3】本発明の第1乃至第6実施形態の第1変形例に
よるプラズマ処理装置の概略構成を示した縦断面図。
【図4】本発明の第1乃至第6実施形態の第2変形例に
よるプラズマ処理装置の概略構成を示した縦断面図。
【図5】マイクロ波透過部材を形成する誘電体の厚さと
放電安定性との関係を実測データに基づいて示したグラ
フ。
【図6】従来のプラズマ処理装置の概略構成を示した縦
断面図。
【符号の説明】
1 処理室 2 真空容器 3 処理台 4 マイクロ波導入口 5 マイクロ波導波管 7 直流又は高周波電源 8 金属メッシュ部材 10 マイクロ波透過部材 10a マイクロ波透過部材の上層 10b マイクロ波透過部材の下層 W 被処理物 d マイクロ波透過部材の厚さ d1 上層の厚さ d2 下層の厚さ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体で形成されたマイクロ波透過部材を
    介して真空容器内にマイクロ波を導入し、このマイクロ
    波を前記真空容器内に導入された反応ガスに照射してプ
    ラズマを発生させるようにしたプラズマ処理装置におい
    て、 前記マイクロ波透過部材の厚さを前記誘電体内における
    前記マイクロ波の半波長の整数倍としたことを特徴とす
    るプラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】誘電体で形成されたマイクロ波透過部材を
    介して真空容器内にマイクロ波を導入し、このマイクロ
    波を前記真空容器内に導入された反応ガスに照射してプ
    ラズマを発生させるようにしたプラズマ処理装置におい
    て、前記マイクロ波透過部材の厚さdを 【数1】 としたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】前記マイクロ波透過部材は、同種類の誘電
    体によって多層構造に形成されていることを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】誘電体で形成されたマイクロ波透過部材を
    介して真空容器内にマイクロ波を導入し、このマイクロ
    波を前記真空容器内に導入された反応ガスに照射してプ
    ラズマを発生させるようにしたプラズマ処理装置におい
    て、 前記マイクロ波透過部材は、異種類の誘電体によって多
    層構造に形成されており、 前記異種類の誘電体からなる各層の厚さを前記各誘電体
    内における前記マイクロ波の半波長の整数倍としたこと
    を特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】誘電体で形成されたマイクロ波透過部材を
    介して真空容器内にマイクロ波を導入し、このマイクロ
    波を前記真空容器内に導入された反応ガスに照射してプ
    ラズマを発生させるようにしたプラズマ処理装置におい
    て、 前記マイクロ波透過部材は、異種類の誘電体によって多
    層構造に形成されており、 前記異種類の誘電体からなる各層の厚さd1 、d2 …d
    n を 【数2】 としたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】被処理物を載置する処理台を前記真空容器
    の内部に有し、前記処理台に直流電圧又は高周波電圧を
    印加するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求
    項5のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】被処理物を載置する処理台を前記真空容器
    の内部に有し、プラズマの発生領域を限定するために前
    記マイクロ波透過部材と前記処理台との間に金属メッシ
    ュ部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項6
    のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
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