JPH05283194A - マイクロ波プラズマ発生装置 - Google Patents
マイクロ波プラズマ発生装置Info
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- JPH05283194A JPH05283194A JP4074800A JP7480092A JPH05283194A JP H05283194 A JPH05283194 A JP H05283194A JP 4074800 A JP4074800 A JP 4074800A JP 7480092 A JP7480092 A JP 7480092A JP H05283194 A JPH05283194 A JP H05283194A
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- discharge vessel
- waveguide
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 効率よくプラズマ密度を高くすることがで
き、保守等に手間を要しないマイクロ波プラズマ発生装
置を提供する。 【構成】 放電容器21に取着された導波管31の接続
管部32が曲管状で、他端に真空窓34が設けられ、そ
の内部が放電容器21内より低圧力に維持されるように
構成されていることにより、放電容器21に連通して同
じ雰囲気状態となっている接続管部32の内部では、放
電容器21内にプラズマが生成される状態であっても放
電容器21内より低圧力であるためプラズマが生成され
ず、導波管31内のマイクロ波の伝送が妨げられること
がなく、真空窓34はプラズマを直視しない位置に設け
られているので、放電容器21内のプラズマに晒された
り、プラズマの熱の影響を受けず、損傷を受けたり汚染
されたりすることがない。
き、保守等に手間を要しないマイクロ波プラズマ発生装
置を提供する。 【構成】 放電容器21に取着された導波管31の接続
管部32が曲管状で、他端に真空窓34が設けられ、そ
の内部が放電容器21内より低圧力に維持されるように
構成されていることにより、放電容器21に連通して同
じ雰囲気状態となっている接続管部32の内部では、放
電容器21内にプラズマが生成される状態であっても放
電容器21内より低圧力であるためプラズマが生成され
ず、導波管31内のマイクロ波の伝送が妨げられること
がなく、真空窓34はプラズマを直視しない位置に設け
られているので、放電容器21内のプラズマに晒された
り、プラズマの熱の影響を受けず、損傷を受けたり汚染
されたりすることがない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば種々の装置のイ
オン源として用いられているマイクロ波プラズマ発生装
置に関する。
オン源として用いられているマイクロ波プラズマ発生装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロ波プラズマ発生装置は、
核融合のための中性粒子入射加熱装置の負イオン源や、
半導体装置の製造に使用されるプラズマドライエッチン
グ装置、及びプラズマ気相成長装置等のイオン源に用い
られている。
核融合のための中性粒子入射加熱装置の負イオン源や、
半導体装置の製造に使用されるプラズマドライエッチン
グ装置、及びプラズマ気相成長装置等のイオン源に用い
られている。
【0003】以下、マイクロ波プラズマ発生装置の従来
例を図6及び図7を参照して説明する。図6は第1の例
の概略構成を示す断面図であり、図7は第2の例の概略
構成を示す要部断面図である。
例を図6及び図7を参照して説明する。図6は第1の例
の概略構成を示す断面図であり、図7は第2の例の概略
構成を示す要部断面図である。
【0004】先ず、第1の例を説明する。図1におい
て、1は放電容器であり、この放電容器1の上板2に形
成された開口3には導波管4の片端が取着されている。
また導波管4の他端は図示しないマイクロ波発生部に取
着されていて、放電容器1内にマイクロ波が導入される
ようなっている。さらに放電容器1内には、図示しない
ガス導入口からプラズマを形成する所定のガス、例えば
水素ガス(H2 )等が導入されるようになっている。
て、1は放電容器であり、この放電容器1の上板2に形
成された開口3には導波管4の片端が取着されている。
また導波管4の他端は図示しないマイクロ波発生部に取
着されていて、放電容器1内にマイクロ波が導入される
ようなっている。さらに放電容器1内には、図示しない
ガス導入口からプラズマを形成する所定のガス、例えば
水素ガス(H2 )等が導入されるようになっている。
【0005】そして放電容器1の上板2の開口3は、放
電容器1内に導入されるマイクロ波に対して透明な材
料、例えばアルミナセラミック等でなる真空窓5によっ
て気密に閉塞されている。これによって放電容器1内の
圧力状態が保持されることになる。
電容器1内に導入されるマイクロ波に対して透明な材
料、例えばアルミナセラミック等でなる真空窓5によっ
て気密に閉塞されている。これによって放電容器1内の
圧力状態が保持されることになる。
【0006】また、放電容器1は、その内部が中間部に
設けられた金属メッシュ6によって上下に仕切られてい
て、放電容器1内部の金属メッシュ6の上方側にプラズ
マ閉込め空間7が形成されるようになっている。さらに
放電容器1の上板2の外面及び側壁8上部の外面にはそ
れぞれ永久磁石9が列状に配着されていて、これらの永
久磁石9によってプラズマ閉込め空間7に効果的にプラ
ズマを閉じ込める磁界が形成されている。
設けられた金属メッシュ6によって上下に仕切られてい
て、放電容器1内部の金属メッシュ6の上方側にプラズ
マ閉込め空間7が形成されるようになっている。さらに
放電容器1の上板2の外面及び側壁8上部の外面にはそ
れぞれ永久磁石9が列状に配着されていて、これらの永
久磁石9によってプラズマ閉込め空間7に効果的にプラ
ズマを閉じ込める磁界が形成されている。
【0007】一方、放電容器1の底板10には、バルブ
11を介して真空ポンプ等の排気装置12が取着されて
いて、放電容器1は、その内部が、例えば10−3 To
rr台に減圧されるようになっている。
11を介して真空ポンプ等の排気装置12が取着されて
いて、放電容器1は、その内部が、例えば10−3 To
rr台に減圧されるようになっている。
【0008】上述のように構成された従来の第1の例の
マイクロ波プラズマ発生装置は、排気装置12によって
放電容器1内を所定の圧力となるように減圧しておき、
この状態を維持しながら放電容器1内に所定のガスが導
入される。その後、マイクロ波発生源から導波管4内を
伝搬してきたマイクロ波が、開口3を閉塞している真空
窓5を介して放電容器1内に導入される。
マイクロ波プラズマ発生装置は、排気装置12によって
放電容器1内を所定の圧力となるように減圧しておき、
この状態を維持しながら放電容器1内に所定のガスが導
入される。その後、マイクロ波発生源から導波管4内を
伝搬してきたマイクロ波が、開口3を閉塞している真空
窓5を介して放電容器1内に導入される。
【0009】これによりマイクロ波は、周波数に応じた
共鳴磁界でプラズマ電子と共鳴し、マイクロ波電界によ
り電子を高エネルギに加速し、この相互作用によって放
電容器1内に放電プラズマが生成する。この時生成した
放電プラズマは、プラズマ閉込め空間7に永久磁石9の
形成する磁界によって閉じ込められる。
共鳴磁界でプラズマ電子と共鳴し、マイクロ波電界によ
り電子を高エネルギに加速し、この相互作用によって放
電容器1内に放電プラズマが生成する。この時生成した
放電プラズマは、プラズマ閉込め空間7に永久磁石9の
形成する磁界によって閉じ込められる。
【0010】しかし、真空窓5は、プラズマ閉込め空間
7内に露出した状態で導波管4が接続された開口3を気
密に閉塞しており、そのためプラズマ閉込め空間7に閉
じ込められたプラズマに直接晒されることになる。それ
故、アルミナセラミック等の材料でなり、熱的、機械的
に弱い真空窓5は、プラズマによって損傷を受け易く寿
命が短いもので、交換の頻度が高いものとなり保守等に
手間を有するものであった。
7内に露出した状態で導波管4が接続された開口3を気
密に閉塞しており、そのためプラズマ閉込め空間7に閉
じ込められたプラズマに直接晒されることになる。それ
故、アルミナセラミック等の材料でなり、熱的、機械的
に弱い真空窓5は、プラズマによって損傷を受け易く寿
命が短いもので、交換の頻度が高いものとなり保守等に
手間を有するものであった。
【0011】また、プラズマによってプラズマ閉込め空
間7内に配置した金属試料等の表面をスパッタリングす
る場合や、試料表面に金属薄膜を気相成長で形成する場
合などでは、真空窓5が金属で汚染され、マイクロ波が
放電容器1内に導入され難くなって放電容器1内のプラ
ズマ密度をさらに高くすることができなかった。
間7内に配置した金属試料等の表面をスパッタリングす
る場合や、試料表面に金属薄膜を気相成長で形成する場
合などでは、真空窓5が金属で汚染され、マイクロ波が
放電容器1内に導入され難くなって放電容器1内のプラ
ズマ密度をさらに高くすることができなかった。
【0012】このため真空窓5が、プラズマ閉込め空間
7内に露出しないようにする構造がとられるようになっ
た。次ぎにそのような構造の第2の例について説明す
る。
7内に露出しないようにする構造がとられるようになっ
た。次ぎにそのような構造の第2の例について説明す
る。
【0013】図2において、真空窓13は、片端が放電
容器1の開口3に取着され、他端が図示しないマイクロ
波発生部に取着された導波管14の中間部に、導波管1
4のマイクロ波の伝送路を途中で遮断するように装着さ
れている。なお真空窓13は、第1の例と同様にマイク
ロ波に対して透明な材料で形成されている。
容器1の開口3に取着され、他端が図示しないマイクロ
波発生部に取着された導波管14の中間部に、導波管1
4のマイクロ波の伝送路を途中で遮断するように装着さ
れている。なお真空窓13は、第1の例と同様にマイク
ロ波に対して透明な材料で形成されている。
【0014】そして、マイクロ波発生部から導波管14
内を中間部まで伝搬してきたマイクロ波は、真空窓13
を透過して導波管14の片端部から開口3を経て放電容
器1内のプラズマ閉込め空間7に導入される。
内を中間部まで伝搬してきたマイクロ波は、真空窓13
を透過して導波管14の片端部から開口3を経て放電容
器1内のプラズマ閉込め空間7に導入される。
【0015】上述のように構成された従来の第2の例の
マイクロ波プラズマ発生装置は、第1の例と同様に減圧
された放電容器1内に所定のガスが導入される。そして
導波管14内を、真空窓13を透過し伝搬してきたマイ
クロ波が開口3から放電容器1内に導入されて、放電プ
ラズマが生成する。生成した放電プラズマは、プラズマ
閉込め空間7に永久磁石9の形成する磁界によって閉じ
込められる。
マイクロ波プラズマ発生装置は、第1の例と同様に減圧
された放電容器1内に所定のガスが導入される。そして
導波管14内を、真空窓13を透過し伝搬してきたマイ
クロ波が開口3から放電容器1内に導入されて、放電プ
ラズマが生成する。生成した放電プラズマは、プラズマ
閉込め空間7に永久磁石9の形成する磁界によって閉じ
込められる。
【0016】そして、真空窓13が、直接プラズマ閉込
め空間7内に露出せずにプラズマから離間して配置され
ているので、プラズマによる熱的、機械的な損傷や汚染
を受け難くなっているが、充分なものではなく保守等に
手間を有するものであった。
め空間7内に露出せずにプラズマから離間して配置され
ているので、プラズマによる熱的、機械的な損傷や汚染
を受け難くなっているが、充分なものではなく保守等に
手間を有するものであった。
【0017】しかしながら、導波管14の片端から真空
窓13が装着された中間部までの間は、その内部が開口
3によって放電容器1内と連通した状態となっているた
め、放電容器1と同じガス雰囲気となる。このため、放
電容器1内に生成するプラズマの密度をさらに高くしよ
うとして、放電容器1内のガス圧力やマイクロ波の電力
を増大させると、導波管14の片端から真空窓13が装
着された中間部までの間の片端部内部でもプラズマが生
成する虞がある。
窓13が装着された中間部までの間は、その内部が開口
3によって放電容器1内と連通した状態となっているた
め、放電容器1と同じガス雰囲気となる。このため、放
電容器1内に生成するプラズマの密度をさらに高くしよ
うとして、放電容器1内のガス圧力やマイクロ波の電力
を増大させると、導波管14の片端から真空窓13が装
着された中間部までの間の片端部内部でもプラズマが生
成する虞がある。
【0018】そして、プラズマが導波管14の片端部内
部に生成された場合には、導波管14内に生成されたプ
ラズマによってマイクロ波の伝送が妨げられ、放電容器
1内のプラズマ密度をより高くするためには、マイクロ
波発生部の電力をさらに大きくしなければならず、効率
よく放電容器1内に生成するプラズマの密度を高くする
ことができなくなる。
部に生成された場合には、導波管14内に生成されたプ
ラズマによってマイクロ波の伝送が妨げられ、放電容器
1内のプラズマ密度をより高くするためには、マイクロ
波発生部の電力をさらに大きくしなければならず、効率
よく放電容器1内に生成するプラズマの密度を高くする
ことができなくなる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の装
置では、効率よくプラズマ密度を高くすることが困難で
あり、また真空窓がプラズマによって熱的、機械的な損
傷や汚染を受け、保守等に手間を有するものである。本
発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、その
目的とするところは、効率よくプラズマ密度を高くする
ことができ、また真空窓がプラズマによる損傷や汚染を
受け難く、保守等に手間を要しないマイクロ波プラズマ
発生装置を提供することにある。
置では、効率よくプラズマ密度を高くすることが困難で
あり、また真空窓がプラズマによって熱的、機械的な損
傷や汚染を受け、保守等に手間を有するものである。本
発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、その
目的とするところは、効率よくプラズマ密度を高くする
ことができ、また真空窓がプラズマによる損傷や汚染を
受け難く、保守等に手間を要しないマイクロ波プラズマ
発生装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明のマイクロ波プラ
ズマ発生装置は、内部が減圧された放電容器と、この放
電容器内に区画された所定ガスのプラズマが形成される
プラズマ閉じ込め空間と、このプラズマ閉じ込め空間に
マイクロ波を導入するように放電容器に片端部が取着さ
れた導波管とを備えたマイクロ波プラズマ発生装置にお
いて、導波管は、放電容器に取着された片端部近傍内部
が放電容器内より低圧力に維持されていることを特徴と
するものであり、また、内部が減圧された放電容器と、
この放電容器内に区画された所定ガスのプラズマが形成
されるプラズマ閉じ込め空間と、このプラズマ閉じ込め
空間にマイクロ波を真空窓を介して導入するよう放電容
器に片端部が取着された導波管とを備えたマイクロ波プ
ラズマ発生装置において、真空窓が導波管の中間部に装
着されると共に、導波管は放電容器に取着された片端部
と真空窓が装着された中間部との間が空孔を有する管壁
で形成され、且つ空孔を有する管壁が放電容器内より低
圧力に維持された減圧容器内に配設されていることを特
徴とするものであり、さらに、内部が減圧された放電容
器と、この放電容器内に区画された所定ガスのプラズマ
が形成されるプラズマ閉じ込め空間と、このプラズマ閉
じ込め空間にマイクロ波を真空窓を介して導入するよう
放電容器に片端部が取着された導波管とを備えたマイク
ロ波プラズマ発生装置において、真空窓はプラズマ閉じ
込め空間に形成されるプラズマを直視しない位置に設け
られていることを特徴とするものである。
ズマ発生装置は、内部が減圧された放電容器と、この放
電容器内に区画された所定ガスのプラズマが形成される
プラズマ閉じ込め空間と、このプラズマ閉じ込め空間に
マイクロ波を導入するように放電容器に片端部が取着さ
れた導波管とを備えたマイクロ波プラズマ発生装置にお
いて、導波管は、放電容器に取着された片端部近傍内部
が放電容器内より低圧力に維持されていることを特徴と
するものであり、また、内部が減圧された放電容器と、
この放電容器内に区画された所定ガスのプラズマが形成
されるプラズマ閉じ込め空間と、このプラズマ閉じ込め
空間にマイクロ波を真空窓を介して導入するよう放電容
器に片端部が取着された導波管とを備えたマイクロ波プ
ラズマ発生装置において、真空窓が導波管の中間部に装
着されると共に、導波管は放電容器に取着された片端部
と真空窓が装着された中間部との間が空孔を有する管壁
で形成され、且つ空孔を有する管壁が放電容器内より低
圧力に維持された減圧容器内に配設されていることを特
徴とするものであり、さらに、内部が減圧された放電容
器と、この放電容器内に区画された所定ガスのプラズマ
が形成されるプラズマ閉じ込め空間と、このプラズマ閉
じ込め空間にマイクロ波を真空窓を介して導入するよう
放電容器に片端部が取着された導波管とを備えたマイク
ロ波プラズマ発生装置において、真空窓はプラズマ閉じ
込め空間に形成されるプラズマを直視しない位置に設け
られていることを特徴とするものである。
【0021】
【作用】上記のように構成されたマイクロ波プラズマ発
生装置は、導波管の放電容器に取着された片端部近傍内
部が放電容器内より低圧力に維持されている構成とした
ことにより、放電容器に連通して同じ雰囲気状態となっ
ている導波管の片端部の内部では、放電容器内にプラズ
マが生成される状態であっても放電容器内より低圧力で
あるためプラズマが生成されず、導波管内のマイクロ波
の伝送が妨げられることがない。また、導波管の途中に
装着される真空窓がプラズマを直視しない位置に設けら
れている構成としたことにより、放電容器内に生成され
たプラズマに真空窓が直接晒されたり、プラズマの熱が
当たることがなく、損傷を受けたり汚染されたりするこ
とがない。このため、効率よくプラズマ密度を高くする
ことができ、また真空窓がプラズマによる損傷や汚染を
受け難く、保守等に手間を必要としない。
生装置は、導波管の放電容器に取着された片端部近傍内
部が放電容器内より低圧力に維持されている構成とした
ことにより、放電容器に連通して同じ雰囲気状態となっ
ている導波管の片端部の内部では、放電容器内にプラズ
マが生成される状態であっても放電容器内より低圧力で
あるためプラズマが生成されず、導波管内のマイクロ波
の伝送が妨げられることがない。また、導波管の途中に
装着される真空窓がプラズマを直視しない位置に設けら
れている構成としたことにより、放電容器内に生成され
たプラズマに真空窓が直接晒されたり、プラズマの熱が
当たることがなく、損傷を受けたり汚染されたりするこ
とがない。このため、効率よくプラズマ密度を高くする
ことができ、また真空窓がプラズマによる損傷や汚染を
受け難く、保守等に手間を必要としない。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
する。
【0023】先ず、第1の実施例のマイクロ波プラズマ
発生装置を図1乃至図4により説明する。図1は概略構
成を示す断面図であり、図2は拡大して示す要部斜視図
であり、図3及び図4はそれぞれ導波管の接続管部の変
形例を示す斜視図である。
発生装置を図1乃至図4により説明する。図1は概略構
成を示す断面図であり、図2は拡大して示す要部斜視図
であり、図3及び図4はそれぞれ導波管の接続管部の変
形例を示す斜視図である。
【0024】図1及び図2において、放電容器21は略
円筒状に形成された気密容器で、図示しないガス導入口
からプラズマを形成する所定のガス、例えば水素ガス
(H2)等が導入されるようになっている。また放電容
器21は、内部が中間部に設けられた金属メッシュ22
によって上下に仕切られていて、放電容器21内部の金
属メッシュ22の上方側にプラズマ閉込め空間23が形
成されるようになっている。
円筒状に形成された気密容器で、図示しないガス導入口
からプラズマを形成する所定のガス、例えば水素ガス
(H2)等が導入されるようになっている。また放電容
器21は、内部が中間部に設けられた金属メッシュ22
によって上下に仕切られていて、放電容器21内部の金
属メッシュ22の上方側にプラズマ閉込め空間23が形
成されるようになっている。
【0025】さらに、放電容器21の上板24の外面及
び側壁25上部の外面には、それぞれ円環状の複数の永
久磁石26が配着されていて、これらの永久磁石26に
よってプラズマ閉込め空間23に、効果的にプラズマを
閉じ込める磁界が形成されている。
び側壁25上部の外面には、それぞれ円環状の複数の永
久磁石26が配着されていて、これらの永久磁石26に
よってプラズマ閉込め空間23に、効果的にプラズマを
閉じ込める磁界が形成されている。
【0026】一方、放電容器21の底板27には、バル
ブ28を介して真空ポンプ等の第1の排気装置29が取
着されており、これにより放電容器21の内部が、例え
ば10−3 Torr台に減圧されるようになっている。
ブ28を介して真空ポンプ等の第1の排気装置29が取
着されており、これにより放電容器21の内部が、例え
ば10−3 Torr台に減圧されるようになっている。
【0027】また、放電容器21は、その上板24に開
口30が形成されていて、この開口30には、導波管3
1の片端側を構成する矩形の断面形状を有する接続管部
32の片端が接続されている。接続管部32の他端に
は、導波管31の他端側を構成する同じく矩形の断面形
状を有する主管部33の片端が接続されており、主管部
33の他端は、例えば周波数が2.45GHzのマイク
ロ波を発生する図示しないマイクロ波発生部に接続され
ている。
口30が形成されていて、この開口30には、導波管3
1の片端側を構成する矩形の断面形状を有する接続管部
32の片端が接続されている。接続管部32の他端に
は、導波管31の他端側を構成する同じく矩形の断面形
状を有する主管部33の片端が接続されており、主管部
33の他端は、例えば周波数が2.45GHzのマイク
ロ波を発生する図示しないマイクロ波発生部に接続され
ている。
【0028】そして、導波管31の接続管部32の他端
と主管部33の片端との接続部位には、マイクロ波に対
して透明な材料、例えばアルミナセラミック等でなる真
空窓34が、その主面が導波管31のマイクロ波の伝送
路に交差するように装着されていて、これにより接続管
部32の伝送路と主管部33の伝送路とは気密に分断さ
れている。
と主管部33の片端との接続部位には、マイクロ波に対
して透明な材料、例えばアルミナセラミック等でなる真
空窓34が、その主面が導波管31のマイクロ波の伝送
路に交差するように装着されていて、これにより接続管
部32の伝送路と主管部33の伝送路とは気密に分断さ
れている。
【0029】一方、放電容器21に片端が接続された導
波管31の接続管部32は、中間部分が略直角に折り曲
げられた曲管状を有するもので、片端から他端が見通す
ことができないように形成されている。また接続管部3
2は管壁に直径が約1mm程度の多数の小孔35が穿設
されている。なお小孔35の孔径は、導波管31内を伝
送されるマイクロ波の伝送に実質的に影響を与えないよ
うに、波長の1/100以下程度の寸法に形成されてい
ればよい。
波管31の接続管部32は、中間部分が略直角に折り曲
げられた曲管状を有するもので、片端から他端が見通す
ことができないように形成されている。また接続管部3
2は管壁に直径が約1mm程度の多数の小孔35が穿設
されている。なお小孔35の孔径は、導波管31内を伝
送されるマイクロ波の伝送に実質的に影響を与えないよ
うに、波長の1/100以下程度の寸法に形成されてい
ればよい。
【0030】そして、マイクロ波発生部で発生したマイ
クロ波が、導波管31の主管部33及び接続管部32内
を伝搬し、途中真空窓34を透過して開口30から放電
容器21内に導入されようになっている。
クロ波が、導波管31の主管部33及び接続管部32内
を伝搬し、途中真空窓34を透過して開口30から放電
容器21内に導入されようになっている。
【0031】また、放電容器21の上板24の上面側に
は、この上板24を底板とするようにして低圧容器36
が設けられている。そして低圧容器36の内部に、その
側壁を他端部分が気密に貫通するようにして導波管31
の接続管部32が配設されている。さらに低圧容器36
の側壁には、バルブ37を間に設けて真空ポンプ等の第
2の排気装置38が取着されている。
は、この上板24を底板とするようにして低圧容器36
が設けられている。そして低圧容器36の内部に、その
側壁を他端部分が気密に貫通するようにして導波管31
の接続管部32が配設されている。さらに低圧容器36
の側壁には、バルブ37を間に設けて真空ポンプ等の第
2の排気装置38が取着されている。
【0032】この第2の排気装置38によって低圧容器
36の内部が排気され、この内部と管壁に形成された小
孔35を介して連通している接続管部32の内部が、放
電容器21の内部より低圧の減圧された状態になるよう
になっている。
36の内部が排気され、この内部と管壁に形成された小
孔35を介して連通している接続管部32の内部が、放
電容器21の内部より低圧の減圧された状態になるよう
になっている。
【0033】このように構成された本実施例では、第1
の排気装置29によって放電容器21内を10−3 To
rr台の所定の圧力となるように減圧しておき、この状
態を維持しながらプラズマを形成する水素ガスが放電容
器21内に導入される。同時に第2の排気装置38によ
って低圧容器36内を排気し、これに小孔35を介して
連通している接続管部32内が放電容器21内よりも低
圧の状態に維持されている。
の排気装置29によって放電容器21内を10−3 To
rr台の所定の圧力となるように減圧しておき、この状
態を維持しながらプラズマを形成する水素ガスが放電容
器21内に導入される。同時に第2の排気装置38によ
って低圧容器36内を排気し、これに小孔35を介して
連通している接続管部32内が放電容器21内よりも低
圧の状態に維持されている。
【0034】その後、マイクロ波発生源から導波管31
の主管部33内及び接続管部32内を伝搬してきたマイ
クロ波が、導波管31の伝送路を途中で分断するように
装着された真空窓34を透過し、開口30を介して放電
容器21内に導入される。
の主管部33内及び接続管部32内を伝搬してきたマイ
クロ波が、導波管31の伝送路を途中で分断するように
装着された真空窓34を透過し、開口30を介して放電
容器21内に導入される。
【0035】これによりマイクロ波は、周波数に応じた
共鳴磁界でプラズマ電子と共鳴し、マイクロ波電界によ
り電子を高エネルギに加速し、この相互作用によって放
電容器21内に放電プラズマが生成する。この時生成し
た放電プラズマは、プラズマ閉込め空間23に永久磁石
26の形成する磁界によって閉じ込められる。
共鳴磁界でプラズマ電子と共鳴し、マイクロ波電界によ
り電子を高エネルギに加速し、この相互作用によって放
電容器21内に放電プラズマが生成する。この時生成し
た放電プラズマは、プラズマ閉込め空間23に永久磁石
26の形成する磁界によって閉じ込められる。
【0036】このとき真空窓34は、放電容器21に接
続された接続管部32の片端から見通すことができない
他端に装着され、放電容器21の開口30からも見通す
ことができないように形成されているので、放電容器2
1内に生成されたプラズマに直接晒されたり、プラズマ
の熱が当たることがない。
続された接続管部32の片端から見通すことができない
他端に装着され、放電容器21の開口30からも見通す
ことができないように形成されているので、放電容器2
1内に生成されたプラズマに直接晒されたり、プラズマ
の熱が当たることがない。
【0037】このため熱的、機械的に弱い材料で形成さ
れた真空窓34が、プラズマによって損傷を受けて破損
することがなくなり、その寿命が長いものとなる。さら
に真空窓34の交換の頻度が少なくなって保守等の手間
が少なくなる。
れた真空窓34が、プラズマによって損傷を受けて破損
することがなくなり、その寿命が長いものとなる。さら
に真空窓34の交換の頻度が少なくなって保守等の手間
が少なくなる。
【0038】また、プラズマによってプラズマ閉込め空
間23内に配置した金属試料等の表面をスパッタリング
する場合や、試料表面に金属薄膜を気相成長で形成する
場合などでも、真空窓34が金属で汚染されなくなり、
これによってマイクロ波が放電容器21内に導入され難
くなることがなくなる。
間23内に配置した金属試料等の表面をスパッタリング
する場合や、試料表面に金属薄膜を気相成長で形成する
場合などでも、真空窓34が金属で汚染されなくなり、
これによってマイクロ波が放電容器21内に導入され難
くなることがなくなる。
【0039】さらに、真空窓34を透過した後の放電容
器21のマイクロ波の伝送路は、管壁に小孔35が形成
された導波管31の接続管部32で構成され、第2の排
気装置38によって放電容器21よりも低圧に維持でき
るようになっているので、プラズマを形成する水素ガス
が存在していてもプラズマが形成され難い状態にするこ
とができる。
器21のマイクロ波の伝送路は、管壁に小孔35が形成
された導波管31の接続管部32で構成され、第2の排
気装置38によって放電容器21よりも低圧に維持でき
るようになっているので、プラズマを形成する水素ガス
が存在していてもプラズマが形成され難い状態にするこ
とができる。
【0040】このため、放電容器21内に生成するプラ
ズマの密度をさらに高くしようとして放電容器21内の
ガス圧力やマイクロ波の電力を増大させても、接続管部
32の内部圧力を第2の排気装置38によって放電容器
21よりも低圧に維持することで、接続管部32内にプ
ラズマが生成する虞がない。
ズマの密度をさらに高くしようとして放電容器21内の
ガス圧力やマイクロ波の電力を増大させても、接続管部
32の内部圧力を第2の排気装置38によって放電容器
21よりも低圧に維持することで、接続管部32内にプ
ラズマが生成する虞がない。
【0041】そして、接続管部32内にプラズマが生成
されないのでマイクロ波の伝送が妨げられることがな
く、放電容器21内のプラズマ密度をより高くする場合
においても、接続管部32内にプラズマが生成されてマ
イクロ波の伝送が妨げられるのを考慮し、マイクロ波発
生部の電力をさらに大きくする必要もなく、効率よく放
電容器21内に生成するプラズマの密度を高くすること
ができる。
されないのでマイクロ波の伝送が妨げられることがな
く、放電容器21内のプラズマ密度をより高くする場合
においても、接続管部32内にプラズマが生成されてマ
イクロ波の伝送が妨げられるのを考慮し、マイクロ波発
生部の電力をさらに大きくする必要もなく、効率よく放
電容器21内に生成するプラズマの密度を高くすること
ができる。
【0042】なお、本実施例では、導波管31の接続管
部32を、矩形の断面形状を有し管壁に直径が約1mm
程度の多数の小孔35が穿設されているもので構成した
が、これに限るものではなく、図3に斜視図で第1の変
形例を示すようにマイクロ波の伝送に影響を与えない範
囲で、波長に応じた空孔寸法の金属メッシュで接続管部
39を構成してもよい。また、図4に斜視図で第2の変
形例を示すように同じくマイクロ波の伝送に影響を与え
ない範囲で、円形の断面形状を有し管壁に多数の小円孔
40が穿設されるようにして接続管部41を構成しても
よい。さらに管壁に穿設する小孔についても特に円形で
ある必要はない。
部32を、矩形の断面形状を有し管壁に直径が約1mm
程度の多数の小孔35が穿設されているもので構成した
が、これに限るものではなく、図3に斜視図で第1の変
形例を示すようにマイクロ波の伝送に影響を与えない範
囲で、波長に応じた空孔寸法の金属メッシュで接続管部
39を構成してもよい。また、図4に斜視図で第2の変
形例を示すように同じくマイクロ波の伝送に影響を与え
ない範囲で、円形の断面形状を有し管壁に多数の小円孔
40が穿設されるようにして接続管部41を構成しても
よい。さらに管壁に穿設する小孔についても特に円形で
ある必要はない。
【0043】次ぎに、第2の実施例を図5により説明す
る。本実施例はマイクロ波プラズマ発生装置で生成され
たプラズマから負イオンビームを引き出す負イオン源
で、図5は負イオン源の概略構成を示す断面図である。
る。本実施例はマイクロ波プラズマ発生装置で生成され
たプラズマから負イオンビームを引き出す負イオン源
で、図5は負イオン源の概略構成を示す断面図である。
【0044】図5において、放電容器51は下側に外周
にフランジ52を有する開口部53が形成された略円筒
状の容器で、その内部が図示しない排気装置により、例
えば10−3 Torr台に減圧されるようになってい
る。また放電容器51の内部には、図示しないガス導入
口からプラズマを形成する所定のガス、例えば水素ガス
(H2 )等が導入されるようになっている。
にフランジ52を有する開口部53が形成された略円筒
状の容器で、その内部が図示しない排気装置により、例
えば10−3 Torr台に減圧されるようになってい
る。また放電容器51の内部には、図示しないガス導入
口からプラズマを形成する所定のガス、例えば水素ガス
(H2 )等が導入されるようになっている。
【0045】さらに、放電容器51は上板54及び側壁
55の外面に、それぞれ円環状の複数の永久磁石56が
配着されている。これらの永久磁石56によって放電容
器51の内部にプラズマを閉じ込めるための磁界が形成
され、プラズマ閉込め空間57が区画されている。
55の外面に、それぞれ円環状の複数の永久磁石56が
配着されている。これらの永久磁石56によって放電容
器51の内部にプラズマを閉じ込めるための磁界が形成
され、プラズマ閉込め空間57が区画されている。
【0046】また、放電容器51の下側の開口部53
は、フランジ52に絶縁リング56を間に介在させて電
極部59が取着されて閉塞されている。この電極部59
は、複数の電極60がそれぞれの間が絶縁部材61によ
って絶縁分離されている。なお電極60は中央部分に複
数の負イオン引出孔62が穿設されている。
は、フランジ52に絶縁リング56を間に介在させて電
極部59が取着されて閉塞されている。この電極部59
は、複数の電極60がそれぞれの間が絶縁部材61によ
って絶縁分離されている。なお電極60は中央部分に複
数の負イオン引出孔62が穿設されている。
【0047】一方、放電容器51は、第1の実施例と同
様にその上板54に開口30が形成されていて、この開
口30には、導波管31の略直角に折り曲がった曲管で
管壁に多数の小孔35が穿設された接続管部32の片端
が接続されている。接続管部32の他端には主管部33
の片端が接続されており、主管部33の他端は、例えば
周波数が2.45GHzのマイクロ波を発生する図示し
ないマイクロ波発生部に接続されている。
様にその上板54に開口30が形成されていて、この開
口30には、導波管31の略直角に折り曲がった曲管で
管壁に多数の小孔35が穿設された接続管部32の片端
が接続されている。接続管部32の他端には主管部33
の片端が接続されており、主管部33の他端は、例えば
周波数が2.45GHzのマイクロ波を発生する図示し
ないマイクロ波発生部に接続されている。
【0048】そして、接続管部32と主管部33との接
続部位には、マイクロ波に対して透明な材料、例えばア
ルミナセラミック等でなる真空窓34が、その主面が導
波管31のマイクロ波の伝送路に交差するように装着さ
れていて、これにより接続管部32の伝送路と主管部3
3の伝送路とは気密に分断されている。
続部位には、マイクロ波に対して透明な材料、例えばア
ルミナセラミック等でなる真空窓34が、その主面が導
波管31のマイクロ波の伝送路に交差するように装着さ
れていて、これにより接続管部32の伝送路と主管部3
3の伝送路とは気密に分断されている。
【0049】また、放電容器51の上板54の上面側に
は、この上板54を底板とするようにして低圧容器36
が設けられ、低圧容器36の内部に接続管部32が配設
されている。そして低圧容器36の側壁には、バルブ3
7を間に設けて真空ポンプ等の排気装置63が取着され
ている。
は、この上板54を底板とするようにして低圧容器36
が設けられ、低圧容器36の内部に接続管部32が配設
されている。そして低圧容器36の側壁には、バルブ3
7を間に設けて真空ポンプ等の排気装置63が取着され
ている。
【0050】この排気装置63によって低圧容器36の
内部が排気され、この内部と管壁に形成された小孔35
を介して連通している接続管部32の内部が、放電容器
51の内部より低圧の減圧された状態になるようになっ
ている。
内部が排気され、この内部と管壁に形成された小孔35
を介して連通している接続管部32の内部が、放電容器
51の内部より低圧の減圧された状態になるようになっ
ている。
【0051】このように構成された本実施例では、図示
しない排気装置によって放電容器51内を10−3 To
rr台の所定の圧力となるように減圧しておき、この状
態を維持しながらプラズマを形成する水素ガスが放電容
器51内に導入される。同時に排気装置63によって低
圧容器36内を排気し、これに小孔35を介して連通し
ている接続管部32内が放電容器21内よりも低圧の状
態に維持されている。
しない排気装置によって放電容器51内を10−3 To
rr台の所定の圧力となるように減圧しておき、この状
態を維持しながらプラズマを形成する水素ガスが放電容
器51内に導入される。同時に排気装置63によって低
圧容器36内を排気し、これに小孔35を介して連通し
ている接続管部32内が放電容器21内よりも低圧の状
態に維持されている。
【0052】その後、マイクロ波発生源から導波管31
内を伝搬してきたマイクロ波が、導波管31の伝送路を
途中で分断するように装着された真空窓34を透過し、
開口30を介して放電容器51内に導入される。
内を伝搬してきたマイクロ波が、導波管31の伝送路を
途中で分断するように装着された真空窓34を透過し、
開口30を介して放電容器51内に導入される。
【0053】これによりマイクロ波は、周波数に応じた
共鳴磁界でプラズマ電子と共鳴し、マイクロ波電界によ
り電子を高エネルギに加速し、この相互作用によって放
電容器51内に放電プラズマが生成する。この時生成し
た放電プラズマは、プラズマ閉込め空間57に永久磁石
56の形成する磁界によって閉じ込められる。
共鳴磁界でプラズマ電子と共鳴し、マイクロ波電界によ
り電子を高エネルギに加速し、この相互作用によって放
電容器51内に放電プラズマが生成する。この時生成し
た放電プラズマは、プラズマ閉込め空間57に永久磁石
56の形成する磁界によって閉じ込められる。
【0054】そして、プラズマ閉込め空間57に閉じ込
められたプラズマから永久磁石56で形成される磁気フ
ィルタを負水素イオンが通過し、さらに電極60を通過
しながら加速され、負イオン引出孔62から外部に負イ
オンビームとして引き出される。
められたプラズマから永久磁石56で形成される磁気フ
ィルタを負水素イオンが通過し、さらに電極60を通過
しながら加速され、負イオン引出孔62から外部に負イ
オンビームとして引き出される。
【0055】上述のように本実施例は構成されているの
で、第1の実施例と同様に真空窓34が、プラズマによ
って損傷を受けなくなり、その交換の頻度が少なくなっ
て保守等の手間が少なくなる。また放電容器51内のプ
ラズマ密度をより高くする場合でも、マイクロ波発生部
の電力を徒に大きくする必要もなく、効率よくこれを行
うことができる。
で、第1の実施例と同様に真空窓34が、プラズマによ
って損傷を受けなくなり、その交換の頻度が少なくなっ
て保守等の手間が少なくなる。また放電容器51内のプ
ラズマ密度をより高くする場合でも、マイクロ波発生部
の電力を徒に大きくする必要もなく、効率よくこれを行
うことができる。
【0056】尚、本発明は上記の各実施例のみに限定さ
れるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更
して実施し得るものである。
れるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更
して実施し得るものである。
【0057】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、導波管の放電容器に取着された片端部近傍内部が放
電容器内より低圧力に維持されている構成としたことに
より、また、導波管の途中に装着される真空窓がプラズ
マを直視しない位置に設けられている構成としたことに
より、効率よくプラズマ密度を高くすることができ、ま
た真空窓がプラズマによる損傷や汚染を受け難く、保守
等に手間を必要としない等の効果が得られる。
は、導波管の放電容器に取着された片端部近傍内部が放
電容器内より低圧力に維持されている構成としたことに
より、また、導波管の途中に装着される真空窓がプラズ
マを直視しない位置に設けられている構成としたことに
より、効率よくプラズマ密度を高くすることができ、ま
た真空窓がプラズマによる損傷や汚染を受け難く、保守
等に手間を必要としない等の効果が得られる。
【図1】本発明の第1の実施例の概略構成を示す断面図
である。
である。
【図2】同上における導波管の接続管部の斜視図であ
る。
る。
【図3】同上における導波管の接続管部の第1の変形例
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
【図4】同上における導波管の接続管部の第2の変形例
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施例の概略構成を示す断面図
である。
である。
【図6】従来技術の第1の例の概略構成を示す断面図で
ある。
ある。
【図7】従来技術の第2の例の概略構成を示す断面図で
ある。
ある。
21…放電容器 23…プラズマ閉込め空間 29…第1の排気装置 31…導波管 32…接続管部 33…主管部 34…真空窓 35…小孔 36…低圧容器 38…第2の排気装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 マイクロ波プラズマ発生装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば種々の装置のイ
オン源として用いられているマイクロ波プラズマ発生装
置に関する。
オン源として用いられているマイクロ波プラズマ発生装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロ波プラズマ発生装置は、
核融合のための中性粒子入射加熱装置のイオン源や、半
導体装置の製造に使用されるプラズマドライエッチング
装置、及びプラズマ気相成長装置等のプラズマ源やイオ
ン源に用いられている。
核融合のための中性粒子入射加熱装置のイオン源や、半
導体装置の製造に使用されるプラズマドライエッチング
装置、及びプラズマ気相成長装置等のプラズマ源やイオ
ン源に用いられている。
【0003】以下、マイクロ波プラズマ発生装置の従来
例を図6及び図7を参照して説明する。図6は第1の従
来例の概略構成を示す断面図であり、図7は第2の従来
例の概略構成を示す要部断面図である。
例を図6及び図7を参照して説明する。図6は第1の従
来例の概略構成を示す断面図であり、図7は第2の従来
例の概略構成を示す要部断面図である。
【0004】先ず、第1の従来例を説明する。図6にお
いて、1は放電容器であり、この放電容器1の上板2に
形成された開口3には導波管4の片端が取着されてい
る。また導波管4の他端は図示しないマイクロ波発生部
に取着されていて、放電容器1内にマイクロ波が導入さ
れるようなっている。さらに放電容器1内には、図示し
ないガス導入口からプラズマを形成する所定のガス、例
えば水素ガス(H2 )等が導入されるようになってい
る。
いて、1は放電容器であり、この放電容器1の上板2に
形成された開口3には導波管4の片端が取着されてい
る。また導波管4の他端は図示しないマイクロ波発生部
に取着されていて、放電容器1内にマイクロ波が導入さ
れるようなっている。さらに放電容器1内には、図示し
ないガス導入口からプラズマを形成する所定のガス、例
えば水素ガス(H2 )等が導入されるようになってい
る。
【0005】そして放電容器1の上板2の開口3は、放
電容器1内に導入されるマイクロ波に対して透明な材
料、例えばアルミナセラミック等でなる真空窓5によっ
て気密に閉塞されている。これによって放電容器1内の
圧力状態が保持されることになる。
電容器1内に導入されるマイクロ波に対して透明な材
料、例えばアルミナセラミック等でなる真空窓5によっ
て気密に閉塞されている。これによって放電容器1内の
圧力状態が保持されることになる。
【0006】また、放電容器1は、その内部が中間部に
設けられた金属メッシュ6によって上下に仕切られてい
て、放電容器1内部の金属メッシュ6の上方側にプラズ
マ閉込め空間7が形成されるようになっている。さらに
放電容器1の上板2の外面及び側壁8上部の外面にはそ
れぞれ永久磁石9が列状に配着されていて、これらの永
久磁石9によってプラズマ閉込め空間7に効果的にプラ
ズマを閉じ込める磁界が形成されている。
設けられた金属メッシュ6によって上下に仕切られてい
て、放電容器1内部の金属メッシュ6の上方側にプラズ
マ閉込め空間7が形成されるようになっている。さらに
放電容器1の上板2の外面及び側壁8上部の外面にはそ
れぞれ永久磁石9が列状に配着されていて、これらの永
久磁石9によってプラズマ閉込め空間7に効果的にプラ
ズマを閉じ込める磁界が形成されている。
【0007】一方、放電容器1の底板10には、バルブ
11を介して真空ポンプ等の排気装置12が取着されて
いて、放電容器1は、その内部が、例えば0.1Pa台
に減圧されるようになっている。
11を介して真空ポンプ等の排気装置12が取着されて
いて、放電容器1は、その内部が、例えば0.1Pa台
に減圧されるようになっている。
【0008】上述のように構成された第1の従来例のマ
イクロ波プラズマ発生装置は、排気装置12によって放
電容器1内を所定の圧力となるように減圧しておき、こ
の状態を維持しながら放電容器1内に所定のガスが導入
される。その後、マイクロ波発生源から導波管4内を伝
搬してきたマイクロ波が、開口3を閉塞している真空窓
5を介して放電容器1内に導入される。
イクロ波プラズマ発生装置は、排気装置12によって放
電容器1内を所定の圧力となるように減圧しておき、こ
の状態を維持しながら放電容器1内に所定のガスが導入
される。その後、マイクロ波発生源から導波管4内を伝
搬してきたマイクロ波が、開口3を閉塞している真空窓
5を介して放電容器1内に導入される。
【0009】そして、マイクロ波電界により電子が高エ
ネルギに加速され、放電容器1内に放電プラズマが生成
される。この時生成された放電プラズマは、プラズマ閉
込め空間7に永久磁石9の形成する磁界によって閉じ込
められる。
ネルギに加速され、放電容器1内に放電プラズマが生成
される。この時生成された放電プラズマは、プラズマ閉
込め空間7に永久磁石9の形成する磁界によって閉じ込
められる。
【0010】しかし、真空窓5は、プラズマ閉込め空間
7内に露出した状態で導波管4が接続された開口3を気
密に閉塞しており、そのためプラズマ閉込め空間7に閉
じ込められたプラズマに直接晒されることになる。それ
故、アルミナセラミック等の材料からなる熱的、機械的
に弱い真空窓5は、プラズマによって損傷を受け易く寿
命が短いもので、交換の頻度が高いものとなり保守等に
手間を有するものであった。
7内に露出した状態で導波管4が接続された開口3を気
密に閉塞しており、そのためプラズマ閉込め空間7に閉
じ込められたプラズマに直接晒されることになる。それ
故、アルミナセラミック等の材料からなる熱的、機械的
に弱い真空窓5は、プラズマによって損傷を受け易く寿
命が短いもので、交換の頻度が高いものとなり保守等に
手間を有するものであった。
【0011】また、プラズマによってプラズマ閉込め空
間7内に配置した金属試料等の表面をスパッタリングす
る場合や、試料表面に金属薄膜を気相成長で形成する場
合などでは、真空窓5が金属で汚染され、マイクロ波が
放電容器1内に導入され難くなって放電容器1内のプラ
ズマ密度をさらに高くすることができなかった。
間7内に配置した金属試料等の表面をスパッタリングす
る場合や、試料表面に金属薄膜を気相成長で形成する場
合などでは、真空窓5が金属で汚染され、マイクロ波が
放電容器1内に導入され難くなって放電容器1内のプラ
ズマ密度をさらに高くすることができなかった。
【0012】このため真空窓5が、プラズマ閉込め空間
7内に露出しないようにする構造がとられるようになっ
た。次にそのような構造の第2の従来例について説明す
る。
7内に露出しないようにする構造がとられるようになっ
た。次にそのような構造の第2の従来例について説明す
る。
【0013】図7において、真空窓13は、片端が放電
容器1の開口3に取着され、他端が図示しないマイクロ
波発生部に取着された導波管14の中間部に、導波管1
4のマイクロ波の伝送路を途中で遮断するように装着さ
れている。なお真空窓13は、第1の従来例と同様にマ
イクロ波に対して透明な材料で形成されている。
容器1の開口3に取着され、他端が図示しないマイクロ
波発生部に取着された導波管14の中間部に、導波管1
4のマイクロ波の伝送路を途中で遮断するように装着さ
れている。なお真空窓13は、第1の従来例と同様にマ
イクロ波に対して透明な材料で形成されている。
【0014】そして、マイクロ波発生部から導波管14
内を中間部まで伝搬してきたマイクロ波は、真空窓13
を透過して導波管14の片端部から開口3を経て放電容
器1内のプラズマ閉込め空間7に導入される。
内を中間部まで伝搬してきたマイクロ波は、真空窓13
を透過して導波管14の片端部から開口3を経て放電容
器1内のプラズマ閉込め空間7に導入される。
【0015】上述のように構成された第2の従来例のマ
イクロ波プラズマ発生装置は、第1の例と同様に減圧さ
れた放電容器1内に所定のガスが導入される。そして導
波管14内を、真空窓13を透過し伝搬してきたマイク
ロ波が開口3から放電容器1内に導入されて、放電プラ
ズマが生成される。生成された放電プラズマは、プラズ
マ閉込め空間7に永久磁石9の形成する磁界によって閉
じ込められる。
イクロ波プラズマ発生装置は、第1の例と同様に減圧さ
れた放電容器1内に所定のガスが導入される。そして導
波管14内を、真空窓13を透過し伝搬してきたマイク
ロ波が開口3から放電容器1内に導入されて、放電プラ
ズマが生成される。生成された放電プラズマは、プラズ
マ閉込め空間7に永久磁石9の形成する磁界によって閉
じ込められる。
【0016】そして、真空窓13が、直接プラズマ閉込
め空間7内に露出せずにプラズマから離間して配置され
ているので、プラズマによる熱的、機械的な損傷や汚染
を受け難くなっている。
め空間7内に露出せずにプラズマから離間して配置され
ているので、プラズマによる熱的、機械的な損傷や汚染
を受け難くなっている。
【0017】しかしながら、導波管14の片端から真空
窓13が装着された中間部までの間は、その内部が開口
3によって放電容器1内と連通した状態となっているた
め、放電容器1と同じガス雰囲気となる。このため、放
電容器1内で生成されるプラズマの密度をさらに高くし
ようとして、放電容器1内のガス圧力やマイクロ波の電
力を増大させると、導波管14の片端から真空窓13が
装着された中間部までの間の片端部内部でもプラズマが
生成する虞がある。
窓13が装着された中間部までの間は、その内部が開口
3によって放電容器1内と連通した状態となっているた
め、放電容器1と同じガス雰囲気となる。このため、放
電容器1内で生成されるプラズマの密度をさらに高くし
ようとして、放電容器1内のガス圧力やマイクロ波の電
力を増大させると、導波管14の片端から真空窓13が
装着された中間部までの間の片端部内部でもプラズマが
生成する虞がある。
【0018】そして、プラズマが導波管14の片端部内
部に生成された場合には、導波管14内に生成されたプ
ラズマによってマイクロ波の伝送が妨げられる。導波管
内のプラズマ密度が高くなるとマイクロ波をしゃ断する
ようになり、放電容器1内にマイクロ波パワーが到達し
なくなり、効率よく放電容器1内に生成するプラズマの
密度を高くすることができなくなる。
部に生成された場合には、導波管14内に生成されたプ
ラズマによってマイクロ波の伝送が妨げられる。導波管
内のプラズマ密度が高くなるとマイクロ波をしゃ断する
ようになり、放電容器1内にマイクロ波パワーが到達し
なくなり、効率よく放電容器1内に生成するプラズマの
密度を高くすることができなくなる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の装
置では、効率よくプラズマ密度を高くすることが困難で
あった。本発明は、このような状況に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、効率よくプラズマ密度
を高くすることができ、また真空窓がプラズマによる損
傷や汚染を受け難く、保守等に手間を要しないマイクロ
波プラズマ発生装置を提供することにある。
置では、効率よくプラズマ密度を高くすることが困難で
あった。本発明は、このような状況に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、効率よくプラズマ密度
を高くすることができ、また真空窓がプラズマによる損
傷や汚染を受け難く、保守等に手間を要しないマイクロ
波プラズマ発生装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明のマイクロ波プラ
ズマ発生装置は、内部が減圧された放電容器と、この放
電容器内に区画された所定ガスのプラズマが形成される
プラズマ閉じ込め空間と、このプラズマ閉じ込め空間に
マイクロ波を導入するように放電容器に片端部が取着さ
れた導波管とを備えたマイクロ波プラズマ発生装置にお
いて、導波管は、放電容器に取着された片端部近傍内部
が放電容器内より低圧力に維持されていることを特徴と
するものであり、また、内部が減圧された放電容器と、
この放電容器内に区画された所定ガスのプラズマが形成
されるプラズマ閉じ込め空間と、このプラズマ閉じ込め
空間にマイクロ波を真空窓を介して導入するよう放電容
器に片端部が取着された導波管とを備えたマイクロ波プ
ラズマ発生装置において、真空窓が導波管の中間部に装
着されると共に、導波管は放電容器に取着された片端部
と真空窓が装着された中間部との間が空孔を有する管壁
で形成され、且つ空孔を有する管壁が放電容器内より低
圧力に維持された減圧容器内に配設されていることを特
徴とするものであり、さらに、内部が減圧された放電容
器と、この放電容器内に区画された所定ガスのプラズマ
が形成されるプラズマ閉じ込め空間と、このプラズマ閉
じ込め空間にマイクロ波を真空窓を介して導入するよう
放電容器に片端部が取着された導波管とを備えたマイク
ロ波プラズマ発生装置において、真空窓はプラズマ閉じ
込め空間に形成されるプラズマを直視しない位置に設け
られていることを特徴とするものである。
ズマ発生装置は、内部が減圧された放電容器と、この放
電容器内に区画された所定ガスのプラズマが形成される
プラズマ閉じ込め空間と、このプラズマ閉じ込め空間に
マイクロ波を導入するように放電容器に片端部が取着さ
れた導波管とを備えたマイクロ波プラズマ発生装置にお
いて、導波管は、放電容器に取着された片端部近傍内部
が放電容器内より低圧力に維持されていることを特徴と
するものであり、また、内部が減圧された放電容器と、
この放電容器内に区画された所定ガスのプラズマが形成
されるプラズマ閉じ込め空間と、このプラズマ閉じ込め
空間にマイクロ波を真空窓を介して導入するよう放電容
器に片端部が取着された導波管とを備えたマイクロ波プ
ラズマ発生装置において、真空窓が導波管の中間部に装
着されると共に、導波管は放電容器に取着された片端部
と真空窓が装着された中間部との間が空孔を有する管壁
で形成され、且つ空孔を有する管壁が放電容器内より低
圧力に維持された減圧容器内に配設されていることを特
徴とするものであり、さらに、内部が減圧された放電容
器と、この放電容器内に区画された所定ガスのプラズマ
が形成されるプラズマ閉じ込め空間と、このプラズマ閉
じ込め空間にマイクロ波を真空窓を介して導入するよう
放電容器に片端部が取着された導波管とを備えたマイク
ロ波プラズマ発生装置において、真空窓はプラズマ閉じ
込め空間に形成されるプラズマを直視しない位置に設け
られていることを特徴とするものである。
【0021】
【作用】上記のように構成されたマイクロ波プラズマ発
生装置は、導波管の放電容器に取着された片端部近傍内
部が放電容器内より低圧力に維持されている構成とした
ことにより、放電容器に連通して同じ雰囲気状態となっ
ている導波管の片端部の内部では、放電容器内にプラズ
マが生成される状態であっても放電容器内より低圧力で
あるためプラズマが生成されず、導波管内のマイクロ波
の伝送が妨げられることがない。また、導波管の途中に
装着される真空窓がプラズマを直視しない位置に設けら
れている構成としたことにより、放電容器内に生成され
たプラズマに真空窓が直接晒されたり、プラズマの熱が
当たることがなく、損傷を受けたり汚染されたりするこ
とがない。このため、効率よくプラズマ密度を高くする
ことができ、また真空窓がプラズマによる損傷や汚染を
受け難く、保守等に手間を必要としない。
生装置は、導波管の放電容器に取着された片端部近傍内
部が放電容器内より低圧力に維持されている構成とした
ことにより、放電容器に連通して同じ雰囲気状態となっ
ている導波管の片端部の内部では、放電容器内にプラズ
マが生成される状態であっても放電容器内より低圧力で
あるためプラズマが生成されず、導波管内のマイクロ波
の伝送が妨げられることがない。また、導波管の途中に
装着される真空窓がプラズマを直視しない位置に設けら
れている構成としたことにより、放電容器内に生成され
たプラズマに真空窓が直接晒されたり、プラズマの熱が
当たることがなく、損傷を受けたり汚染されたりするこ
とがない。このため、効率よくプラズマ密度を高くする
ことができ、また真空窓がプラズマによる損傷や汚染を
受け難く、保守等に手間を必要としない。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
する。
【0023】先ず、第1の実施例のマイクロ波プラズマ
発生装置を図1乃至図4により説明する。図1は概略構
成を示す断面図であり、図2は拡大して示す要部斜視図
であり、図3及び図4はそれぞれ導波管の接続管部の変
形例を示す斜視図である。
発生装置を図1乃至図4により説明する。図1は概略構
成を示す断面図であり、図2は拡大して示す要部斜視図
であり、図3及び図4はそれぞれ導波管の接続管部の変
形例を示す斜視図である。
【0024】図1及び図2において、放電容器21は略
円筒状に形成された気密容器で、図示しないガス導入口
からプラズマを形成する所定のガス、例えば水素ガス
(H2)等が導入されるようになっている。また放電容
器21は、内部が中間部に設けられた金属メッシュ22
によって上下に仕切られていて、放電容器21内部の金
属メッシュ22の上方側にプラズマ閉込め空間23が形
成されるようになっている。
円筒状に形成された気密容器で、図示しないガス導入口
からプラズマを形成する所定のガス、例えば水素ガス
(H2)等が導入されるようになっている。また放電容
器21は、内部が中間部に設けられた金属メッシュ22
によって上下に仕切られていて、放電容器21内部の金
属メッシュ22の上方側にプラズマ閉込め空間23が形
成されるようになっている。
【0025】さらに、放電容器21の上板24の外面及
び側壁25上部の外面には、それぞれ円環状の複数の永
久磁石26が配着されていて、これらの永久磁石26に
よってプラズマ閉込め空間23に、効果的にプラズマを
閉じ込める磁界が形成されている。
び側壁25上部の外面には、それぞれ円環状の複数の永
久磁石26が配着されていて、これらの永久磁石26に
よってプラズマ閉込め空間23に、効果的にプラズマを
閉じ込める磁界が形成されている。
【0026】一方、放電容器21の底板27には、バル
ブ28を介して真空ポンプ等の第1の排気装置29が取
着されており、これにより放電容器21の内部が、例え
ば0.1Pa台に減圧されるようになっている。
ブ28を介して真空ポンプ等の第1の排気装置29が取
着されており、これにより放電容器21の内部が、例え
ば0.1Pa台に減圧されるようになっている。
【0027】また、放電容器21は、その上板24に開
口30が形成されていて、この開口30には、導波管3
1の片端側を構成する矩形の断面形状を有する接続管部
32の片端が接続されている。接続管部32の他端に
は、導波管31の他端側を構成する同じく矩形の断面形
状を有する主管部33の片端が接続されており、主管部
33の他端は、例えば周波数が2.45GHzのマイク
ロ波を発生する図示しないマイクロ波発生部に接続され
ている。
口30が形成されていて、この開口30には、導波管3
1の片端側を構成する矩形の断面形状を有する接続管部
32の片端が接続されている。接続管部32の他端に
は、導波管31の他端側を構成する同じく矩形の断面形
状を有する主管部33の片端が接続されており、主管部
33の他端は、例えば周波数が2.45GHzのマイク
ロ波を発生する図示しないマイクロ波発生部に接続され
ている。
【0028】そして、導波管31の接続管部32の他端
と主管部33の片端との接続部位には、マイクロ波に対
して透明な材料、例えばアルミナセラミック等でなる真
空窓34が、その主面が導波管31のマイクロ波の伝送
路に交差するように装着されていて、これにより接続管
部32の伝送路と主管部33の伝送路とは気密に分断さ
れている。
と主管部33の片端との接続部位には、マイクロ波に対
して透明な材料、例えばアルミナセラミック等でなる真
空窓34が、その主面が導波管31のマイクロ波の伝送
路に交差するように装着されていて、これにより接続管
部32の伝送路と主管部33の伝送路とは気密に分断さ
れている。
【0029】一方、放電容器21に片端が接続された導
波管31の接続管部32は、中間部分が略直角に折り曲
げられた曲管状を有するもので、片端から他端が見通す
ことができないように形成されている。また接続管部3
2は管壁に直径が約1mm程度の多数の小孔35が穿設
されている。なお小孔35の孔径は、導波管31内を伝
送されるマイクロ波の伝送に実質的に影響を与えないよ
うに、波長の1/100以下程度の寸法に形成されてい
ればよい。
波管31の接続管部32は、中間部分が略直角に折り曲
げられた曲管状を有するもので、片端から他端が見通す
ことができないように形成されている。また接続管部3
2は管壁に直径が約1mm程度の多数の小孔35が穿設
されている。なお小孔35の孔径は、導波管31内を伝
送されるマイクロ波の伝送に実質的に影響を与えないよ
うに、波長の1/100以下程度の寸法に形成されてい
ればよい。
【0030】そして、マイクロ波発生部で発生したマイ
クロ波が、導波管31の主管部33及び接続管部32内
を伝搬し、途中真空窓34を透過して開口30から放電
容器21内に導入されようになっている。
クロ波が、導波管31の主管部33及び接続管部32内
を伝搬し、途中真空窓34を透過して開口30から放電
容器21内に導入されようになっている。
【0031】また、放電容器21の上板24の上面側に
は、この上板24を底板とするようにして低圧容器36
が設けられている。そして低圧容器36の内部に、その
側壁を他端部分が気密に貫通するようにして導波管31
の接続管部32が配設されている。さらに低圧容器36
の側壁には、バルブ37を間に設けて真空ポンプ等の第
2の排気装置38が取着されている。
は、この上板24を底板とするようにして低圧容器36
が設けられている。そして低圧容器36の内部に、その
側壁を他端部分が気密に貫通するようにして導波管31
の接続管部32が配設されている。さらに低圧容器36
の側壁には、バルブ37を間に設けて真空ポンプ等の第
2の排気装置38が取着されている。
【0032】この第2の排気装置38によって低圧容器
36の内部が排気され、この内部と管壁に形成された小
孔35を介して連通している接続管部32の内部が、放
電容器21の内部より低圧の減圧された状態になるよう
になっている。
36の内部が排気され、この内部と管壁に形成された小
孔35を介して連通している接続管部32の内部が、放
電容器21の内部より低圧の減圧された状態になるよう
になっている。
【0033】このように構成された本実施例では、第1
の排気装置29によって放電容器21内を0.1Pa台
の所定の圧力となるように減圧しておき、この状態を維
持しながらプラズマを形成する水素ガスが放電容器21
内に導入される。同時に第2の排気装置38によって低
圧容器36内を排気し、これに小孔35を介して連通し
ている接続管部32内が放電容器21内よりも低圧の状
態に維持されている。
の排気装置29によって放電容器21内を0.1Pa台
の所定の圧力となるように減圧しておき、この状態を維
持しながらプラズマを形成する水素ガスが放電容器21
内に導入される。同時に第2の排気装置38によって低
圧容器36内を排気し、これに小孔35を介して連通し
ている接続管部32内が放電容器21内よりも低圧の状
態に維持されている。
【0034】その後、マイクロ波発生源から導波管31
の主管部33内及び接続管部32内を伝搬してきたマイ
クロ波が、導波管31の伝送路を途中で分断するように
装着された真空窓34を透過し、開口30を介して放電
容器21内に導入される。
の主管部33内及び接続管部32内を伝搬してきたマイ
クロ波が、導波管31の伝送路を途中で分断するように
装着された真空窓34を透過し、開口30を介して放電
容器21内に導入される。
【0035】そして、マイクロ波電界により電子が高エ
ネルギに加速され、放電容器21内に放電プラズマが生
成される。この時生成された放電プラズマは、プラズマ
閉込め空間23に永久磁石26の形成する磁界によって
閉じ込められる。
ネルギに加速され、放電容器21内に放電プラズマが生
成される。この時生成された放電プラズマは、プラズマ
閉込め空間23に永久磁石26の形成する磁界によって
閉じ込められる。
【0036】このとき真空窓34は、放電容器21に接
続された接続管部32の片端から見通すことができない
他端に装着され、放電容器21の開口30からも見通す
ことができないように形成されているので、放電容器2
1内に生成されたプラズマに直接晒されたり、プラズマ
の熱が当たることがない。
続された接続管部32の片端から見通すことができない
他端に装着され、放電容器21の開口30からも見通す
ことができないように形成されているので、放電容器2
1内に生成されたプラズマに直接晒されたり、プラズマ
の熱が当たることがない。
【0037】このため熱的、機械的に弱い材料で形成さ
れた真空窓34が、プラズマによって損傷を受けて破損
することがなくなり、その寿命が長いものとなる。さら
に真空窓34の交換の頻度が少なくなって保守等の手間
が少なくなる。
れた真空窓34が、プラズマによって損傷を受けて破損
することがなくなり、その寿命が長いものとなる。さら
に真空窓34の交換の頻度が少なくなって保守等の手間
が少なくなる。
【0038】また、プラズマによってプラズマ閉込め空
間23内に配置した金属試料等の表面をスパッタリング
する場合や、試料表面に金属薄膜を気相成長で形成する
場合などでも、真空窓34が金属で汚染されなくなり、
これによってマイクロ波が放電容器21内に導入され難
くなることがなくなる。
間23内に配置した金属試料等の表面をスパッタリング
する場合や、試料表面に金属薄膜を気相成長で形成する
場合などでも、真空窓34が金属で汚染されなくなり、
これによってマイクロ波が放電容器21内に導入され難
くなることがなくなる。
【0039】さらに、真空窓34を透過した後の放電容
器21のマイクロ波の伝送路は、管壁に小孔35が形成
された導波管31の接続管部32で構成され、第2の排
気装置38によって放電容器21よりも低圧に維持でき
るようになっているので、プラズマを形成する水素ガス
が存在していてもプラズマが形成され難い状態にするこ
とができる。
器21のマイクロ波の伝送路は、管壁に小孔35が形成
された導波管31の接続管部32で構成され、第2の排
気装置38によって放電容器21よりも低圧に維持でき
るようになっているので、プラズマを形成する水素ガス
が存在していてもプラズマが形成され難い状態にするこ
とができる。
【0040】このため、放電容器21内に生成するプラ
ズマの密度をさらに高くしようとして放電容器21内の
ガス圧力やマイクロ波の電力を増大させても、接続管部
32の内部圧力を第2の排気装置38によって放電容器
21よりも低圧に維持することで、接続管部32内にプ
ラズマが生成する虞がない。
ズマの密度をさらに高くしようとして放電容器21内の
ガス圧力やマイクロ波の電力を増大させても、接続管部
32の内部圧力を第2の排気装置38によって放電容器
21よりも低圧に維持することで、接続管部32内にプ
ラズマが生成する虞がない。
【0041】そして、接続管部32内にプラズマが生成
されないのでマイクロ波の伝送が妨げられることがな
く、放電容器21内のプラズマ密度をより高くする場合
においても、マイクロ波の伝送が妨げられることなく、
効率よく放電容器21内に生成するプラズマの密度を高
くすることができる。
されないのでマイクロ波の伝送が妨げられることがな
く、放電容器21内のプラズマ密度をより高くする場合
においても、マイクロ波の伝送が妨げられることなく、
効率よく放電容器21内に生成するプラズマの密度を高
くすることができる。
【0042】なお、本実施例では、導波管31の接続管
部32を、矩形の断面形状を有し管壁に直径が約1mm
程度の多数の小孔35が穿設されているもので構成した
が、これに限るものではなく、図3に斜視図で第1の変
形例を示すようにマイクロ波の伝送に影響を与えない範
囲で、波長に応じた空孔寸法の金属メッシュで接続管部
39を構成してもよい。また、図4に斜視図で第2の変
形例を示すように同じくマイクロ波の伝送に影響を与え
ない範囲で、円形の断面形状を有し管壁に多数の小円孔
40が穿設されるようにして接続管部41を構成しても
よい。さらに管壁に穿設する小孔についても特に円形で
ある必要はない。
部32を、矩形の断面形状を有し管壁に直径が約1mm
程度の多数の小孔35が穿設されているもので構成した
が、これに限るものではなく、図3に斜視図で第1の変
形例を示すようにマイクロ波の伝送に影響を与えない範
囲で、波長に応じた空孔寸法の金属メッシュで接続管部
39を構成してもよい。また、図4に斜視図で第2の変
形例を示すように同じくマイクロ波の伝送に影響を与え
ない範囲で、円形の断面形状を有し管壁に多数の小円孔
40が穿設されるようにして接続管部41を構成しても
よい。さらに管壁に穿設する小孔についても特に円形で
ある必要はない。
【0043】次に、第2の実施例を図5により説明す
る。本実施例はマイクロ波プラズマ発生装置で生成され
たプラズマからイオンビームを引き出すイオン源で、図
5はイオン源の概略構成を示す断面図である。
る。本実施例はマイクロ波プラズマ発生装置で生成され
たプラズマからイオンビームを引き出すイオン源で、図
5はイオン源の概略構成を示す断面図である。
【0044】図5において、放電容器51は下側に外周
にフランジ52を有する開口部53が形成された略円筒
状の容器で、その内部が図示しない排気装置により、例
えば0.1Pa台に減圧されるようになっている。また
放電容器51の内部には、図示しないガス導入口からプ
ラズマを形成する所定のガス、例えば水素ガス(H2)
等が導入されるようになっている。
にフランジ52を有する開口部53が形成された略円筒
状の容器で、その内部が図示しない排気装置により、例
えば0.1Pa台に減圧されるようになっている。また
放電容器51の内部には、図示しないガス導入口からプ
ラズマを形成する所定のガス、例えば水素ガス(H2)
等が導入されるようになっている。
【0045】さらに、放電容器51は上板54及び側壁
55の外面に、それぞれ円環状の複数の永久磁石56が
配着されている。これらの永久磁石56によって放電容
器51の内部にプラズマを閉じ込めるための磁界が形成
され、プラズマ閉込め空間57が区画されている。
55の外面に、それぞれ円環状の複数の永久磁石56が
配着されている。これらの永久磁石56によって放電容
器51の内部にプラズマを閉じ込めるための磁界が形成
され、プラズマ閉込め空間57が区画されている。
【0046】また、放電容器51の下側の開口部53
は、フランジ52に絶縁リング56を間に介在させて電
極部59が取着されて閉塞されている。この電極部59
は、複数の電極60がそれぞれの間が絶縁部材61によ
って絶縁分離されている。なお電極60は中央部分に複
数のイオン引出孔62が穿設されている。
は、フランジ52に絶縁リング56を間に介在させて電
極部59が取着されて閉塞されている。この電極部59
は、複数の電極60がそれぞれの間が絶縁部材61によ
って絶縁分離されている。なお電極60は中央部分に複
数のイオン引出孔62が穿設されている。
【0047】一方、放電容器51は、第1の実施例と同
様にその上板54に開口30が形成されていて、この開
口30には、導波管31の略直角に折り曲がった曲管で
管壁に多数の小孔35が穿設された接続管部32の片端
が接続されている。接続管部32の他端には主管部33
の片端が接続されており、主管部33の他端は、例えば
周波数が2.45GHzのマイクロ波を発生する図示し
ないマイクロ波発生部に接続されている。
様にその上板54に開口30が形成されていて、この開
口30には、導波管31の略直角に折り曲がった曲管で
管壁に多数の小孔35が穿設された接続管部32の片端
が接続されている。接続管部32の他端には主管部33
の片端が接続されており、主管部33の他端は、例えば
周波数が2.45GHzのマイクロ波を発生する図示し
ないマイクロ波発生部に接続されている。
【0048】そして、接続管部32と主管部33との接
続部位には、マイクロ波に対して透明な材料、例えばア
ルミナセラミック等でなる真空窓34が、その主面が導
波管31のマイクロ波の伝送路に交差するように装着さ
れていて、これにより接続管部32の伝送路と主管部3
3の伝送路とは気密に分断されている。
続部位には、マイクロ波に対して透明な材料、例えばア
ルミナセラミック等でなる真空窓34が、その主面が導
波管31のマイクロ波の伝送路に交差するように装着さ
れていて、これにより接続管部32の伝送路と主管部3
3の伝送路とは気密に分断されている。
【0049】また、放電容器51の上板54の上面側に
は、この上板54を底板とするようにして低圧容器36
が設けられ、低圧容器36の内部に接続管部32が配設
されている。そして低圧容器36の側壁には、バルブ3
7を間に設けて真空ポンプ等の排気装置63が取着され
ている。
は、この上板54を底板とするようにして低圧容器36
が設けられ、低圧容器36の内部に接続管部32が配設
されている。そして低圧容器36の側壁には、バルブ3
7を間に設けて真空ポンプ等の排気装置63が取着され
ている。
【0050】この排気装置63によって低圧容器36の
内部が排気され、この内部と管壁に形成された小孔35
を介して連通している接続管部32の内部が、放電容器
51の内部より低圧の減圧された状態になるようになっ
ている。
内部が排気され、この内部と管壁に形成された小孔35
を介して連通している接続管部32の内部が、放電容器
51の内部より低圧の減圧された状態になるようになっ
ている。
【0051】このように構成された本実施例では、図示
しない排気装置によって放電容器51内を0.1Pa台
の所定の圧力となるように減圧しておき、この状態を維
持しながらプラズマを形成する水素ガスが放電容器51
内に導入される。同時に排気装置63によって低圧容器
36内を排気し、これに小孔35を介して連通している
接続管部32内が放電容器21内よりも低圧の状態に維
持されている。
しない排気装置によって放電容器51内を0.1Pa台
の所定の圧力となるように減圧しておき、この状態を維
持しながらプラズマを形成する水素ガスが放電容器51
内に導入される。同時に排気装置63によって低圧容器
36内を排気し、これに小孔35を介して連通している
接続管部32内が放電容器21内よりも低圧の状態に維
持されている。
【0052】その後、マイクロ波発生源から導波管31
内を伝搬してきたマイクロ波が、導波管31の伝送路を
途中で分断するように装着された真空窓34を透過し、
開口30を介して放電容器51内に導入される。
内を伝搬してきたマイクロ波が、導波管31の伝送路を
途中で分断するように装着された真空窓34を透過し、
開口30を介して放電容器51内に導入される。
【0053】これによりマイクロ波は、電子を高エネル
ギに加速され、放電容器51内に放電プラズマが生成さ
れる。この時生成された放電プラズマは、プラズマ閉込
め空間57に永久磁石56の形成する磁界によって閉じ
込められる。
ギに加速され、放電容器51内に放電プラズマが生成さ
れる。この時生成された放電プラズマは、プラズマ閉込
め空間57に永久磁石56の形成する磁界によって閉じ
込められる。
【0054】そして、プラズマ閉込め空間57に閉じ込
められたプラズマから水素イオンが電極60を通過しな
がら加速され、イオン引出孔62から外部にイオンビー
ムとして引き出される。
められたプラズマから水素イオンが電極60を通過しな
がら加速され、イオン引出孔62から外部にイオンビー
ムとして引き出される。
【0055】上述のように本実施例は構成されているの
で、第1の実施例と同様に真空窓34が、プラズマによ
って損傷を受けなくなり、その交換の頻度が少なくなっ
て保守等の手間が少なくなる。また放電容器51内のプ
ラズマ密度をより高くする場合でも、マイクロ波発生部
の電力を徒に大きくする必要もなく、効率よくこれを行
うことができる。
で、第1の実施例と同様に真空窓34が、プラズマによ
って損傷を受けなくなり、その交換の頻度が少なくなっ
て保守等の手間が少なくなる。また放電容器51内のプ
ラズマ密度をより高くする場合でも、マイクロ波発生部
の電力を徒に大きくする必要もなく、効率よくこれを行
うことができる。
【0056】尚、本発明は上記の各実施例のみに限定さ
れるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更
して実施し得るものである。
れるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更
して実施し得るものである。
【0057】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、導波管の放電容器に取着された片端部近傍内部が放
電容器内より低圧力に維持されている構成としたことに
より、また、導波管の途中に装着される真空窓がプラズ
マを直視しない位置に設けられている構成としたことに
より、効率よくプラズマ密度を高くすることができ、ま
た真空窓がプラズマによる損傷や汚染を受け難く、保守
等に手間を必要としない等の効果が得られる。
は、導波管の放電容器に取着された片端部近傍内部が放
電容器内より低圧力に維持されている構成としたことに
より、また、導波管の途中に装着される真空窓がプラズ
マを直視しない位置に設けられている構成としたことに
より、効率よくプラズマ密度を高くすることができ、ま
た真空窓がプラズマによる損傷や汚染を受け難く、保守
等に手間を必要としない等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の概略構成を示す断面図
である。
である。
【図2】同上における導波管の接続管部の斜視図であ
る。
る。
【図3】同上における導波管の接続管部の第1の変形例
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
【図4】同上における導波管の接続管部の第2の変形例
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施例の概略構成を示す断面図
である。
である。
【図6】従来技術の第1の例の概略構成を示す断面図で
ある。
ある。
【図7】従来技術の第2の例の概略構成を示す断面図で
ある。
ある。
【符号の説明】 21…放電容器 23…プラズマ閉込め空間 29…第1の排気装置 31…導波管 32…接続管部 33…主管部 34…真空窓 35…小孔 36…低圧容器 38…第2の排気装置
Claims (3)
- 【請求項1】 内部が減圧された放電容器と、この放電
容器内に区画された所定ガスのプラズマが形成されるプ
ラズマ閉じ込め空間と、このプラズマ閉じ込め空間にマ
イクロ波を導入するように前記放電容器に片端部が取着
された導波管とを備えたマイクロ波プラズマ発生装置に
おいて、前記導波管は、前記放電容器に取着された片端
部近傍内部が前記放電容器内より低圧力に維持されてい
ることを特徴とするマイクロ波プラズマ発生装置。 - 【請求項2】 内部が減圧された放電容器と、この放電
容器内に区画された所定ガスのプラズマが形成されるプ
ラズマ閉じ込め空間と、このプラズマ閉じ込め空間にマ
イクロ波を真空窓を介して導入するよう前記放電容器に
片端部が取着された導波管とを備えたマイクロ波プラズ
マ発生装置において、前記真空窓が前記導波管の中間部
に装着されると共に、前記導波管は前記放電容器に取着
された片端部と前記真空窓が装着された中間部との間が
空孔を有する管壁で形成され、且つ前記空孔を有する管
壁が前記放電容器内より低圧力に維持された減圧容器内
に配設されていることを特徴とするマイクロ波プラズマ
発生装置。 - 【請求項3】 内部が減圧された放電容器と、この放電
容器内に区画された所定ガスのプラズマが形成されるプ
ラズマ閉じ込め空間と、このプラズマ閉じ込め空間にマ
イクロ波を真空窓を介して導入するよう前記放電容器に
片端部が取着された導波管とを備えたマイクロ波プラズ
マ発生装置において、前記真空窓は前記プラズマ閉じ込
め空間に形成されるプラズマを直視しない位置に設けら
れていることを特徴とするマイクロ波プラズマ発生装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4074800A JPH05283194A (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | マイクロ波プラズマ発生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4074800A JPH05283194A (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | マイクロ波プラズマ発生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05283194A true JPH05283194A (ja) | 1993-10-29 |
Family
ID=13557746
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4074800A Pending JPH05283194A (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | マイクロ波プラズマ発生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05283194A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10199698A (ja) * | 1997-01-09 | 1998-07-31 | Shibaura Eng Works Co Ltd | プラズマ処理装置 |
US6927148B2 (en) | 2002-07-15 | 2005-08-09 | Applied Materials, Inc. | Ion implantation method and method for manufacturing SOI wafer |
US7064049B2 (en) | 2002-07-31 | 2006-06-20 | Applied Materials, Inv. | Ion implantation method, SOI wafer manufacturing method and ion implantation system |
-
1992
- 1992-03-31 JP JP4074800A patent/JPH05283194A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10199698A (ja) * | 1997-01-09 | 1998-07-31 | Shibaura Eng Works Co Ltd | プラズマ処理装置 |
US6927148B2 (en) | 2002-07-15 | 2005-08-09 | Applied Materials, Inc. | Ion implantation method and method for manufacturing SOI wafer |
US7064049B2 (en) | 2002-07-31 | 2006-06-20 | Applied Materials, Inv. | Ion implantation method, SOI wafer manufacturing method and ion implantation system |
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