JP4072688B2 - タイヤ作用力検出装置 - Google Patents

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本発明は、車両のタイヤに作用するタイヤ作用力を検出するタイヤ作用力検出装置に関する。
この種のタイヤ作用力検出装置の一つとして、ホイールの外周にタイヤが装着された車輪と、前記ホイールが同軸に装着されることによって前記車輪を一体的に回転可能に保持する保持体(例えば、ハブ)を備えた車両に搭載されて、前記タイヤから前記保持体に至る荷重伝達系に設けられて前記タイヤ作用力を検出する検出器が、前記車輪と前記保持体間にて荷重伝達方向(車軸の回転方向、軸方向または径方向)に所定量相対変位可能なホイール側回転体と保持体側回転体を備えているものがあり、例えば、下記特許文献1に示されている。
特開2003−14563号公報
上記した特許文献1に記載されているタイヤ作用力検出装置では、ホイール側回転体と保持体側回転体が、これらの相対変位時に弾性変形可能な連結体を用いて、機械的に連結されている。また、上記した弾性変形可能な連結体には、保持体側回転体に対するホイール側回転体の中立状態から一方への相対変位に基づく前記連結体の一方への弾性変形により歪んで一方への伝達荷重を電気信号に変換して出力する一方の検出素子(歪みゲージ)と、保持体側回転体に対するホイール側回転体の中立状態から他方への相対変位に基づく前記連結体の他方への弾性変形により歪んで他方への伝達荷重を電気信号に変換して出力する他方の検出素子(歪みゲージ)がそれぞれ一体的に組付けられている。
上記した特許文献1の構成では、前記連結体が何れの方向に弾性変形しても、一方の検出素子と他方の検出素子にそれぞれ歪が生じて、両検出素子がそれぞれ出力するようになるため、両検出素子間で出力が互いに影響(相互干渉)して、各検出素子のゼロ点出力(歪みゲージでは歪が生じていない状態での出力、すなわち無荷重出力)を精度よく検知することができない。また、ホイール側回転体と保持体側回転体間にて荷重伝達が無い状態(無負荷状態)でも、例えば、雰囲気温度の変化に伴って前記連結体が熱変形するおそれがあって、その熱変形に伴って各検出素子の出力が変動するおそれがあり、無負荷状態を精度よく検知することができない。
本発明は、上記した問題に対処すべくなされたものであり、その目的の一つは、検出器が備える各検出素子の出力が相互干渉しない構成とすることにある。また、本発明の他の目的は、検出器が備える各検出素子のゼロ点出力(無荷重出力)を精度よく検知することが可能なタイヤ作用力検出装置を提供することにある。また、本発明のその他の目的は、無負荷状態での各検出素子の出力を安定させることにある。
上記した目的を達成するために、本発明によるタイヤ作用力検出装置では、車輪のタイヤから車輪を一体的に回転可能に保持する保持体に至る荷重伝達系に設けられてタイヤ作用力を検出する検出器が、前記車輪と前記保持体間にて荷重伝達方向に所定量相対変位可能なホイール側回転体と保持体側回転体を備えるとともに、前記保持体側回転体に対する前記ホイール側回転体の中立状態から一方への相対変位に基づいて前記保持体側回転体または前記ホイール側回転体との係合によって受ける伝達荷重を電気信号に変換して出力する第1の検出素子と、前記保持体側回転体に対する前記ホイール側回転体の中立状態から他方への相対変位に基づいて前記保持体側回転体または前記ホイール側回転体との係合によって受ける伝達荷重を電気信号に変換して出力する第2の検出素子を備えていて、これら各検出素子は何れか一方の検出素子が前記保持体側回転体または前記ホイール側回転体との係合によって何れか一方の伝達荷重を受けて出力しているときに何れか他方の検出素子が前記保持体側回転体または前記ホイール側回転体から離間可能に配置されており、かつ、前記保持体側回転体および前記ホイール側回転体とこれら間をシールするシール部材によって密封空間が形成されていて、この密封空間に前記両検出素子が収容されており、前記シール部材は、前記保持体側回転体に対して前記ホイール側回転体を中立状態に復帰させる中立復帰手段を兼用していることを特徴とするものである。
このタイヤ作用力検出装置においては、各検出素子が保持体側回転体またはホイール側回転体との係合によって受ける伝達荷重を電気信号に変換して出力するものであり、かつ、何れか一方の検出素子が保持体側回転体またはホイール側回転体との係合によって何れか一方の伝達荷重を受けて出力しているときに何れか他方の検出素子が保持体側回転体またはホイール側回転体から離間可能に配置されている。このため、タイヤから保持体に至る荷重伝達系において荷重が伝達されているときに、両検出素子間で出力が相互干渉しない状態、すなわち、何れか一方の検出素子からの出力は変動するものの、何れか他方の検出素子からの出力は略一定で変動しない状態を得ることが可能である。
また、前記保持体側回転体および前記ホイール側回転体とこれら間をシールするシール部材によって密封空間が形成されていて、この密封空間に前記両検出素子が収容されている。このため、両検出素子を水や異物から保護することが可能である。また、前記シール部材は、前記保持体側回転体に対して前記ホイール側回転体を中立状態に復帰させる中立復帰手段を兼用している。このため、無負荷状態においてホイール側回転体を保持体側回転体に対して中立状態に復帰させることが可能であり、両検出素子が保持体側回転体またはホイール側回転体から伝達荷重を受けない状態を的確に得ることが可能であるとともに、シール性と中立性をシール部材だけで成立させることが可能である。
また、本発明の実施に際して、前記両検出素子を前記保持体側回転体または前記ホイール側回転体から同時に離間させるクリアランスが前記両検出素子と前記保持体側回転体または前記ホイール側回転体間に設定されていることも可能である。この場合には、当該荷重伝達系の無負荷状態にて、例えば、雰囲気温度の変化に伴って前記保持体側回転体または前記ホイール側回転体が熱変形しても、前記保持体側回転体または前記ホイール側回転体が両検出素子に係合しない状態を得ることが可能であり、両検出素子の出力が略一定で変動しない状態を得ることが可能である。
また、本発明の実施に際して、前記検出器から電気信号を供給される演算器は、前記各検出素子の荷重状態を判定する荷重状態判定手段を備えていることも可能である。この場合には、タイヤから保持体に至る荷重伝達系において荷重が伝達されているときに、演算器の荷重状態判定手段により、出力が略一定で変動しない検出素子を判別して、同検出素子のゼロ点出力(無荷重出力)を精度よく検知することが可能である。
また、本発明の実施に際して、前記演算器は、前記各検出素子の無荷重状態を判定する無荷重状態判定手段を備えていることも可能である。この場合には、両検出素子が保持体側回転体またはホイール側回転体から伝達荷重を受けない状態(無負荷状態)をそのときの両検出素子からの出力(略一定で変動しない出力)に基づいて演算器の無荷重状態判定手段が判別するため、無負荷状態を精度よく検知することが可能である。
また、本発明の実施に際して、車輪におけるホイールのディスク部とリム部を所定量相対変位可能に構成して、前記ディスク部を前記保持体側回転体とし、前記リム部を前記ホイール側回転体とすることも可能である。この場合には、当該タイヤ作用力検出装置の検出器を車輪に組付けてコンパクトに構成することが可能である。
以下に、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図5は本発明の第1実施形態を示していて、この実施形態のタイヤ作用力検出装置は、各車輪10側に組付けられる検出器Aと、車体側に組付けられる演算器B(図3参照)とを含むように構成されており、複数の車輪10を備えるとともに各車輪10を一体的に回転可能に保持する保持体としてのハブ20を備えた車両に搭載されて使用される。
各車輪10は、それ自体周知のものであり、金属製のホイール11の外周にゴム製のタイヤ(図6に示した第2実施形態で仮想線にて示したタイヤ12参照)が装着されて構成されており、図1にて示したように、ホイール11にてハブ20に検出器Aを介して同軸でトルク伝達可能に装着されている。
各検出器Aは、タイヤ12からハブ20に至る荷重伝達系に設けられてタイヤ12に作用するタイヤ作用力(回転駆動力または回転制動力)を検出するものであり、図2に示すように、ハブ20とホイール11間にて着脱可能に装着されていて、ハブ20とホイール11との間における回転力の伝達を担う状態で車両に搭載されている。
また、各検出器Aは、ハブ20とホイール11間にて回転方向に所定量相対変位可能な保持体側回転体31とホイール側回転体32を備えるとともに、正方向の荷重伝達時(ホイール側回転体32が保持体側回転体31に対して図2の時計方向に相対回転してトルクを伝達するとき)に動作する4個の第1検出素子S1と、逆方向の荷重伝達時に動作する4個の第2検出素子S2を備えている。
保持体側回転体31は、二部材31a,31bで構成されていて、内部に十字形の空間Rを有しており、周方向にて等間隔に形成した4個の取付孔31cに挿通される4本のボルト(図示省略)を用いてハブ20に一体的かつ脱着可能に組付けられる。なお、ホイール側部材31bには、図2に示したように、空間Rと大気を連通させる連通孔38が形成されていて、この連通孔38には空間Rから大気への流れを許容し逆流を阻止するチェック弁39が介装されている。
ホイール側回転体32は、保持体側回転体31の空間Rにて一対の軸受33a,33b介して回転可能かつ径方向および軸方向に移動不能に支持された円筒部32aと、この円筒部32aの外周から径外方に向けて十字状に延びる4本のアーム部32bと、これら各アーム部32bの先端部分からホイール11に向けて軸方向に延びる4個の軸部32cを有していて、各軸部32cの先端小径部に形成したねじ32c1にはナット(図示省略)を用いてホイール11が一体的かつ脱着可能に組付けられる。
各軸部32cは、保持体側回転体31のホイール側部材31bに設けた通孔31dを環状のシール部材34を介して貫通していて、通孔31d内にて回転方向に所定量相対変位可能である。各シール部材34は、通孔31dに組付けられていて、弾性変形可能であり、保持体側回転体31とホイール側回転体32間をシールして保持体側回転体31の空間Rを密封空間とする機能を有するとともに、保持体側回転体31に対してホイール側回転体32を回転方向の中立状態に復帰させる中立復帰手段としての機能を有している。
各第1検出素子S1は、ホイール側回転体32における各アーム部32bの回転方向一側に組付けられていて、保持体側回転体31に対するホイール側回転体32の中立状態から一方への相対回転変位に基づいて保持体側回転体31のホイール側部材31bとの係合によって受ける伝達荷重を電気信号に変換して出力するものであり、その出力は検出器本体35に伝わるように結線されている。なお、結線のための挿通孔が各アーム部32bと円筒部32aに設けられている。
各第2検出素子S2は、ホイール側回転体32における各アーム部32bの回転方向他側に組付けられていて、保持体側回転体31に対するホイール側回転体32の中立状態から他方への相対回転変位に基づいて保持体側回転体31のホイール側部材31bとの係合によって受ける伝達荷重を電気信号に変換して出力するものであり、その出力は検出器本体35に伝わるように結線されている。なお、結線のための挿通孔が各アーム部32bと円筒部32aに設けられている。
検出器本体35は、図3にブロック図で概念的に示したように、信号処理回路35a、送信器35b、電源35c等を含んでいて、ホイール側回転体32の円筒部32a内に組付けられていて、円筒部32a内にて移動しないように樹脂(図示省略)を用いて固定されている。信号処理回路35aは、各検出素子S1,S2からの出力(電気信号)を4個の第1検出素子S1の平均出力V1と4個の第2検出素子S2の平均出力V2に演算処理した後に送信器35bに供給するものである。送信器35bは、その供給された各検出素子S1,S2からの平均出力V1,V2を電波として演算器Bの受信器41に送信するものである。電源35cは、各検出素子S1,S2、信号処理回路35a、送信器35b等の作動に必要な電力を供給するものである。
一方、演算器Bは、図3にブロック図で概念的に示したように、受信器41、信号処理装置42等を含んでいて、車体側に組付けられており、車両制御装置Cに接続されている。受信器41は、送信器35bから受信した平均出力V1,V2を信号処理装置42に供給するものである。車両走行時におけるトルクTの変動と、そのときの上記した各平均出力V1,V2の変動は、図4に示すとおりであり、各平均出力V1,V2の最小値V1o,V2oがゼロ点出力(各検出素子S1,S2が伝達荷重を受けていないときの出力、すなわち無荷重出力)である。
信号処理装置42は、図5のフローチャートに対応したプログラムを所定の微小な演算周期毎に繰り返し実行するマイクロコンピュータを備えていて、受信器41からの平均出力V1,V2に基づいて演算処理された種々な出力を車両制御装置Cに供給するものである。車両制御装置Cは、車両の状態を制御するアクチュエータ(図示しない)と、そのアクチュエータを駆動するとともにその駆動状態を制御するコントローラ(図示しない)とを含むように構成されている。
上記のように構成したこの第1実施形態のタイヤ作用力検出装置においては、当該車両のイグニッションスイッチ(図示省略)がONとされている状態のとき、信号処理装置42のマイクロコンピュータが図5のフローチャートに対応したプログラムを所定の微小な演算周期毎に繰り返し実行して、受信器41からの平均出力V1,V2に基づいて車両制御装置Cにて必要な種々な出力を演算し、これを信号処理装置42内に記憶するとともに車両制御装置Cに供給する。
信号処理装置42のマイクロコンピュータは、図5のステップ101にて処理を開始し、ステップ102にて各検出素子S1の平均出力V1が第1設定値α1より大きいか否かを判定し、ステップ103,104にて各検出素子S2の平均出力V2が第2設定値α2より大きいか否かを判定する。上記した第1設定値α1は、正方向の荷重伝達時に得られる平均出力V1の最小値V1oより所定量大きい閾値であり、また第2設定値α2は、逆方向の荷重伝達時に得られる平均出力V2の最小値V2oより所定量大きい閾値である。
このため、各検出素子S1,S2が正常であって、車両走行時において平均出力V1が閾値α1より大きい正方向の荷重伝達時(図4における「V2の0点補正領域」参照)には、ステップ102にて「Yes」と判定されるとともにステップ103にて「No」と判定されてステップ105,106が実行される。ステップ105では、タイヤに作用している正方向のタイヤ作用力が平均出力V1に基づいて演算されて車両制御装置Cに出力され、ステップ106では、平均出力V2に基づいて各検出素子S2のゼロ点出力V2oが補正されて記憶される。
また、各検出素子S1,S2が正常であって、車両走行時において平均出力V2が閾値α2より大きい逆方向の荷重伝達時(図4における「V1の0点補正領域」参照)には、ステップ102にて「No」と判定されるとともにステップ104にて「Yes」と判定されてステップ107,108が実行される。ステップ107では、タイヤに作用している逆方向のタイヤ作用力が平均出力V2に基づいて演算されて車両制御装置Cに出力され、ステップ108では、平均出力V1に基づいて各検出素子S1のゼロ点出力V1oが補正されて記憶される。
また、各検出素子S1,S2が正常であって、車両走行時において平均出力V1が閾値α1以下であり、かつ平均出力V2が閾値α2以下であるとき、ステップ102にて「No」と判定され、ステップ104にて「No」と判定されてステップ109,110,111が実行される。ステップ109では、平均出力V1がゼロ点出力V1oに等しいか否かが判定され、ステップ110では、平均出力V2がゼロ点出力V2oに等しいか否かが判定される。このため、平均出力V1がゼロ点出力V1oに等しく、平均出力V2がゼロ点出力V2oに等しい場合には、ステップ109とステップ110にて「Yes」と判定されてステップ111が実行される。ステップ111では、タイヤに何れの方向にもタイヤ作用力が作用していないことを表す無負荷状態信号が車両制御装置Cに出力される。
なお、ステップ102にて「Yes」と判定されるとともにステップ103にて「Yes」と判定される場合は、各検出素子S1,S2が異常である場合であるため、ステップ112にて各検出素子S1,S2が異常であることを表すセンサ異常信号が車両制御装置Cに出力される。
ところで、上記した第1実施形態のタイヤ作用力検出装置においては、各検出素子S1,S2が保持体側回転体31のホイール側部材31bとの係合によって受ける伝達荷重を電気信号に変換して出力するものであり、かつ、何れか一方の検出素子S1またはS2が保持体側回転体31のホイール側部材31bとの係合によって何れか一方の伝達荷重を受けて出力しているときに何れか他方の検出素子S2またはS1が保持体側回転体31のホイール側部材31bから離間可能に配置されている。
このため、タイヤからハブ20に至る荷重伝達系において荷重が伝達されているときに、両検出素子S1,S2間で出力(V1,V2)が相互干渉しない状態、すなわち、何れか一方の検出素子S1またはS2からの出力V1またはV2は変動するものの、何れか他方の検出素子S2またはS1からの出力V2またはV1は略一定で変動しない状態(図4参照)を得ることが可能である。
また、このタイヤ作用力検出装置においては、図1に示したように、両検出素子S1,S2を保持体側回転体31のホイール側部材31bから同時に離間させるクリアランスdが、両検出素子S1,S2と保持体側回転体31のホイール側部材31b間に設定されている。このため、当該荷重伝達系の無負荷状態にて、例えば、雰囲気温度の変化に伴って保持体側回転体31のホイール側部材31bやホイール側回転体32の各アーム部32bが熱変形しても、保持体側回転体31のホイール側部材31bが両検出素子S1,S2に係合しない状態を得ることが可能であり、両検出素子S1,S2の出力V1,V2が略一定(V1o,V2o)で変動しない状態を得ることが可能である。
また、このタイヤ作用力検出装置においては、車体側に組付けられて検出器Aから電気信号を供給される演算器Bが、各検出素子S1,S2の荷重状態を判定する荷重状態判定手段(図5のステップ102,103と102,104参照)を備えている。このため、タイヤからハブ20に至る荷重伝達系において荷重が伝達されているときに、演算器Bの荷重状態判定手段により、出力(V2またはV1)が略一定で変動しない検出素子S2またはS1を判別して、同検出素子S2またはS1のゼロ点出力(無荷重出力)を精度よく検知することが可能であり、これに基づいて各検出素子S1,S2のゼロ点出力V1o,V2oを精度よく補正することが可能である。
また、このタイヤ作用力検出装置においては、演算器Bが各検出素子S1,S2の無荷重状態を判定する無荷重状態判定手段(図5のステップ102,104,109,110,111)を備えている。このため、両検出素子S1,S2が保持体側回転体31のホイール側部材31bから伝達荷重を受けない状態(無負荷状態)をそのときの両検出素子S1,S2からの出力(略一定で変動しない出力V1o,V2o)に基づいて判別することができて、無負荷状態を精度よく検知することが可能である。
また、このタイヤ作用力検出装置においては、保持体側回転体31に対してホイール側回転体32を中立状態に復帰させるシール部材34が設けてある。このため、無負荷状態においてホイール側回転体32を保持体側回転体31に対して中立状態に復帰させることが可能であり、両検出素子S1,S2が保持体側回転体31のホイール側部材31bから伝達荷重を受けない状態を的確に得ることが可能である。
また、このタイヤ作用力検出装置においては、保持体側回転体31およびホイール側回転体32とこれら間をシールするシール部材34によって密封空間Rが形成されていて、この密封空間Rに両検出素子S1,S2が収容されている。このため、両検出素子S1,S2を水や異物から保護することが可能である。また、シール部材34は、保持体側回転体31に対してホイール側回転体32を中立状態に復帰させる中立復帰手段を兼用しているため、シール性と中立性をシール部材34だけで成立させることが可能である。
上記した第1実施形態においては、図2に示したように、車輪10とハブ20間に検出器Aを設けて実施したが、図6および図7に示した第2実施形態のように、車輪10におけるホイール11のディスク部11aとリム部11b間に検出器Aaを設けて実施することも可能である。この第2実施形態においては、ホイール11のディスク部11aとリム部11bを所定量相対変位可能に構成して、ディスク部11aを保持体側回転体とし、リム部11bをホイール側回転体とする。また、リム部11bに両検出素子S1,S2や検出器本体35を組付けて実施する。
なお、図6および図7に示した第2実施形態においては、ホイール11のディスク部11aとリム部11bを所定量相対変位可能に構成(二部材に分断)して、ディスク部11aを保持体側回転体とし、リム部11bをホイール側回転体として実施したが、例えば、ホイールのハブ部とディスク部およびリム部を所定量相対変位可能に構成して、ハブ部を保持体側回転体とし、ディスク部およびリム部をホイール側回転体として実施することも可能であり、保持体側回転体とホイール側回転体とに分断する箇所は適宜変更可能である。
また、上記した各実施形態においては、中立状態において、両検出素子S1,S2と保持体側回転体31のホイール側部材31b間、または両検出素子S1,S2とホイール11のディスク部11a間に、クリアランスdが設定されるようにして実施したが、図8に示した第3実施形態のように、両検出素子S1,S2とホイール11のディスク部11a間に、剛性の低い弾性部材36を介在させて実施することも可能である。
また、上記した各実施形態においては、各検出素子S1,S2の平均出力V1,V2を検出器本体35の信号処理回路35aにて演算するようにして実施したが、各検出素子S1,S2の平均出力V1,V2を演算器Bの信号処理装置42にて演算するようにして実施することも可能である。この場合には、図5に示したステップ102の実行前に各検出素子S1,S2の平均出力V1,V2を演算する。
また、上記した各実施形態においては、車輪10とハブ20間にて伝達される荷重が車軸の回転方向すなわちトルク(回転力)である場合について説明したが、車輪10とハブ20間にて伝達される荷重が車軸の軸方向または径方向である場合においても本発明は上記各実施形態と同様にまたは適宜変更して実施可能である。
本発明によるタイヤ作用力検出装置における検出器の第1実施形態を示した側面図である。 図1に示した検出器の2−2線に沿った断面図である。 図1および図2に示した検出器を含む本発明によるタイヤ作用力検出装置の電気的な構成を概略的に示すブロック図である。 車両走行時において図1および図2に示した検出器から得られる両平均出力とトルクの関係を示すグラフである。 図3に示した信号処理装置のマイクロコンピュータが実行するプログラムのフローチャートである。 本発明によるタイヤ作用力検出装置の検出器を車輪のホイールに適用した第2実施形態を示した側面図である。 図6に示した第2実施形態の要部拡大部分破断側面図である。 本発明によるタイヤ作用力検出装置の第3実施形態を示した図7相当の要部拡大部分破断側面図である。
符号の説明
10…車輪、11…ホイール、11a…ディスク部、11b…リム部、12…タイヤ、20…ハブ(保持体)、31…保持体側回転体、31b…ホイール側部材、32…ホイール側回転体、33a,33b…軸受、34…シール部材、35…検出器本体、S1…第1の検出素子、S2…第2の検出素子、A…検出器、B…演算器

Claims (5)

  1. ホイールの外周にタイヤが装着された車輪と、前記ホイールが同軸に装着されることによって前記車輪を一体的に回転可能に保持する保持体を備えた車両に搭載され、前記タイヤに作用するタイヤ作用力を検出するタイヤ作用力検出装置であって、前記タイヤから前記保持体に至る荷重伝達系に設けられて前記タイヤ作用力を検出する検出器は、前記車輪と前記保持体間にて荷重伝達方向に所定量相対変位可能なホイール側回転体と保持体側回転体を備えるとともに、前記保持体側回転体に対する前記ホイール側回転体の中立状態から一方への相対変位に基づいて前記保持体側回転体または前記ホイール側回転体との係合によって受ける伝達荷重を電気信号に変換して出力する第1の検出素子と、前記保持体側回転体に対する前記ホイール側回転体の中立状態から他方への相対変位に基づいて前記保持体側回転体または前記ホイール側回転体との係合によって受ける伝達荷重を電気信号に変換して出力する第2の検出素子を備えていて、これら各検出素子は何れか一方の検出素子が前記保持体側回転体または前記ホイール側回転体との係合によって何れか一方の伝達荷重を受けて出力しているときに何れか他方の検出素子が前記保持体側回転体または前記ホイール側回転体から離間可能に配置されており、かつ、前記保持体側回転体および前記ホイール側回転体とこれら間をシールするシール部材によって密封空間が形成されていて、この密封空間に前記両検出素子が収容されており、前記シール部材は、前記保持体側回転体に対して前記ホイール側回転体を中立状態に復帰させる中立復帰手段を兼用していることを特徴とするタイヤ作用力検出装置。
  2. 請求項1に記載のタイヤ作用力検出装置において、前記両検出素子を前記保持体側回転体または前記ホイール側回転体から同時に離間させるクリアランスが前記両検出素子と前記保持体側回転体または前記ホイール側回転体間に設定されていることを特徴とするタイヤ作用力検出装置。
  3. 請求項1または2に記載のタイヤ作用力検出装置において、前記検出器から電気信号を供給される演算器は、前記各検出素子の荷重状態を判定する荷重状態判定手段を備えていることを特徴とするタイヤ作用力検出装置。
  4. 請求項3に記載のタイヤ作用力検出装置において、前記演算器は、前記各検出素子の無荷重状態を判定する無荷重状態判定手段を備えていることを特徴とするタイヤ作用力検出装置。
  5. 請求項1〜4の何れか一つに記載のタイヤ作用力検出装置において、前記ホイールのディスク部とリム部を所定量相対変位可能に構成して、前記ディスク部を前記保持体側回転体とし、前記リム部を前記ホイール側回転体としたことを特徴とするタイヤ作用力検出装置。
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