JP4072445B2 - 画像表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マトリクス配線された複数の電子放出素子を備える表示パネルを用いてテレビジョン信号やコンピュータなどの表示信号を受信し画像を表示するテレビジョン受信機やディスプレイ装置などの画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、m本の行配線及びn本の列配線に配線されてマトリクス状に配列されたn×m個の画像形成素子(表示素子)を有し、行配線に対して順次走査を行うと共に、列方向に変調を行うことによって、1行分の素子群を同時に駆動していた。
【0003】
このように駆動する場合には、行配線において、配線の電気抵抗により発生する電圧降下によって、画像形成素子に印加される電圧の低下による不具合が問題となっている。
【0004】
そこで、このような画像形成素子への印加電圧のばらつきを補正する目的で各々の画像形成素子に印加する駆動パルスのパルス幅を補正する構成の画像表示装置については、特許文献1において開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特許第2759483号公報
【0006】
また、このような配線抵抗による電圧降下に起因する輝度低下は入力される画像データにより、その影響が変化する問題を鑑みて、入力される画像データを統計的に処理し、影響を補正するための補正データを算出し、画像データと補正値を合成する構成を有する画像表示装置に関する技術が、特許文献2に開示されている(図22)。
【0007】
【特許文献2】
特開平8−248920号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の構成においては、蛍光体(画像形成部材)の発光(輝度)特性が各色で異なることについては考慮していないため、電圧降下の影響はかなり緩和されるものの、蛍光体の発光特性を考慮した改良が必要であった。蛍光体の発光特性の補正については、本出願人による特許文献3(本出願人)において提案されている。
【0009】
【特許文献3】
特開2000−75833号公報
【0010】
特許文献3においては、蛍光体の発光輝度が蛍光体に照射される電子ビームの量に対して、線形に発光せず、飽和傾向があることについて述べられている(以降、非線形特性、蛍光体飽和、蛍光体飽和特性などとよぶ)。さらに、蛍光体飽和特性が、蛍光体の種類や、蛍光体に照射される電子ビームのビーム密度、ビーム照射時間などにより変化することが述べられている。またABL(Auto Brightness Limiter)などにより、画像形成素子に印加する電圧を制御した場合には、電子ビームのビーム密度や照射時間が変化することにより、蛍光体の発光特性が変化することについても述べられている。
【0011】
しかるに特許文献3においても、蛍光体の発光特性に応じて入力画像データの階調変換を行う画像表示装置において、電圧降下が発生する場合や、それを補正する回路が付加されている構成については十分な検討がなされておらず、更なる改良が必要であった。
【0012】
さらに、発明者らは、蛍光体の飽和特性を考慮するとともに、電圧降下の影響を補正する処理回路を備えた画像表示装置について研究を行ってきたが、それらを連携して動作を行わせた場合に、動画の表示を行った際に好ましく表示ができないことがわかった。
【0013】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、電子放出素子の駆動条件に対して非線形な発光特性を有する蛍光体を用いた画像表示装置において、電圧降下の影響を補正し、良好な画像を表示する画像表示装置を提供することにある。
【0014】
本発明は、さらに、電子放出素子の駆動条件に対して非線形な発光特性を有する蛍光体を用い、電圧降下の影響を補正する画像表示装置において、動画の表示を行う場合にも良好な画像を表示する画像表示装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、複数の行配線及び列配線のそれぞれに接続されマトリクス状に配置された複数の電子放出素子と、前記行配線に接続された走査手段と、前記列配線に接続された変調手段と、前記電子放出素子のそれぞれに対応付けられ、該電子放出素子の駆動条件に対して非線形な発光特性を有する蛍光体と、前記蛍光体の発光特性に応じて、入力された画像データの階調特性を変換する階調変換手段と、前記階調変換手段の出力に対し、少なくとも前記行配線の抵抗分によって発生する電圧降下の影響を補正した補正画像データを算出する補正画像データ算出手段と、前記補正画像データの振幅が変調手段の入力範囲に対応するように該補正画像データの振幅を調整するためのゲインを乗算する振幅調整手段と、を備える画像表示装置であって、前記階調変換手段は、前記ゲインに対応する階調変換を行い、前記変調手段は、前記振幅調整手段によって振幅調整された補正画像データを入力として、前記列配線に変調信号を出力することを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、蛍光体の非線形特性にかかわらず、電子放出素子の駆動条件に対して線形に画像を表示するとともに、配線抵抗による電圧降下の影響を補正し、良好な画像表示が可能となる。
【0017】
前記画像表示装置に表示されるシーンの切り替えを検出するシーンチェンジ検出部を備え、前記振幅調整手段は、前記シーンチェンジ検出部の出力に応じて、各々のフレームに対し算出される前記ゲインに異なるフィルタ処理を行うフィルタ手段を有することが好適である。
【0018】
このようにすれば、動画を表示する場合にも良好な画像表示が可能となる。
【0019】
また、本発明は、複数の行配線及び列配線のそれぞれに接続されマトリクス状に配置された複数の電子放出素子と、前記行配線に接続された走査手段と、前記列配線に接続された変調手段と、前記電子放出素子のそれぞれに対応付けられ、該電子放出素子の駆動条件に対して非線形な発光特性を有する蛍光体と、前記蛍光体の発光特性に応じて、入力された画像データの階調特性を変換する階調変換手段と、該階調変換手段の出力に対しゲインを乗算するゲイン乗算手段と、前記ゲイン乗算手段によりゲインが乗算された画像データに対し、少なくとも前記行配線の抵抗分によって発生する電圧降下の影響を補正した補正画像データを算出する補正画像データ算出手段と、前記補正画像データの振幅が前記変調手段の入力範囲に対応するように前記階調変換手段の出力を調整するための前記ゲインを算出するゲイン算出手段と、を備える画像表示装置であって、前記階調変換手段は、前記ゲインに対応する階調変換を行い、前記変調手段は、前記補正画像データを入力として、前記列配線に変調信号を出力することを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、蛍光体の非線形特性にかかわらず、電子放出素子の駆動条件に対して線形に画像を表示するとともに、配線抵抗による電圧降下の影響を補正し、良好な画像表示が可能となる。
【0021】
前記画像表示装置に表示されるシーンの切り替えを検出するシーンチェンジ検出部を備え、前記ゲイン算出手段は、前記シーンチェンジ検出部の出力に応じて、各々のフレームに対し算出される前記ゲインに異なるフィルタ処理を行うフィルタ手段を有することが好適である。
【0022】
このようにすれば、動画を表示する場合にも良好な画像表示が可能となる。
【0023】
前記フィルタ手段は、ローパスフィルタであり、前記シーンチェンジ検出部においてシーンチェンジを検出した直後の所定フレームに対しては、フィルタの強度を弱めるようにしてもよい。
【0024】
前記フィルタ手段は、前記シーンチェンジ検出部においてシーンチェンジを検出した直後の所定フレームに対してはフィルタ処理を行わず、該シーンチェンジ検出直後の所定フレーム以外のフレームに対してはローパスフィルタとして動作するようにしてもよい。
【0025】
前記フィルタ手段は、前記シーンチェンジ検出部においてシーンチェンジを検出した直後の所定フレームに対しては、ゲインの値を予め設定された値に変更し、該シーンチェンジ検出直後の所定フレーム以外のフレームに対してはローパスフィルタとして動作するようにしてもよい。
【0026】
前記フィルタ手段は、前記シーンチェンジ検出部においてシーンチェンジを検出した直後の所定フレームに対しては、該フレームの入力画像データの平均値を参照して推定された値にゲインを変更し、該シーンチェンジ検出直後の所定フレーム以外のフレームに対してはローパスフィルタとして動作するようにしてもよい。
【0027】
前記所定フレームは、前記シーンチェンジ検出部においてシーンチェンジを検出した直後の1フレームから5フレームであることが好適である。
【0028】
前記シーンチェンジ検出部は、フレームごとの入力画像データの平均値を算出する手段と、前記平均値のフレーム間の差分を計算し、該差分の絶対値と予め設定された値とを比較し、シーンチェンジの有無を判断する手段と、を有することが好適である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0031】
(第1の実施の形態)
冷陰極素子を単純マトリクスに配置した表示装置においては、走査配線(行配線)に流れ込む電流と、走査配線の配線抵抗により電圧降下が発生し、冷陰極素子に印加される駆動電圧が低下し、それによる放出電流の低下、輝度が低下が発生する。さらに、電子ビームが照射される画像形成部材としての蛍光体には、電子ビームのビーム密度や、ビーム照射時間などに対し発光量が線形にならない現象(蛍光体飽和)がある。
【0032】
本発明は、蛍光体飽和や電圧降下といった問題に対し、それらを好ましく補正する技術に関するものである。発明者らは、以下に述べるようなゲインを算出して画面全体の輝度制御を行うとともに、ゲインに応じて蛍光体飽和を補正するための変換特性を変更する構成について検討を行ってきた。
【0033】
しかるに、このような画像表示装置においては動画像を表示した際に、ゲインの制御に起因する違和感が発生するという問題があることがわかった。本実施形態ではこのような問題に対しても好適に対応することができる画像表示装置について説明する。
【0034】
以下、まずこれまで発明者らが検討してきた、蛍光体飽和と電圧降下の影響を補正する画像表示装置について説明し、続いて本発明の特徴であるシーンの切り替え時の制御について説明する。
【0035】
以下、本発明の実施形態に係る画像形成素子としての表面伝導型放出素子の特性、表示パネルの駆動方法、走査配線の電気抵抗に起因する電圧降下のメカニズム、電圧降下の影響に対する補正方法及び装置について説明する。
【0036】
なお、本発明の実施形態に係る単純マトリクス方式の画像表示装置の表示パネルの概観については、特開2000−75833号に記載されているので、ここでは省略する。
【0037】
本実施形態の表示パネルは、表面伝導型放出素子を単純マトリクス構造に結線したリアプレートと、それと対向する位置に電子線が照射される蛍光体などが形成されたフェースプレートと、それらを支持する支持枠などにより1つの真空容器を形成している。フェースプレートとリアプレートの間にはフェースプレート側が陽極となるように高圧電圧Vaが供給され、単純マトリクスを構成する変調電極と、走査電極の間に印加する電圧(素子印加電圧Vf)を制御することにより、画像の表示を行うものである。
表面伝導型放出素子は、図1に示すような(放出電流Ie)対(素子印加電圧Vf)特性、および(素子電流If)対(素子印加電圧Vf)特性を有する。なお、放出電流Ieは素子電流Ifに比べて著しく小さく、同一尺度で図示するのが困難であるため、2本のグラフは各々異なる尺度で図示した。
【0038】
表面伝導型放出素子は、放出電流Ieに関して以下に述べる3つの特性を有している。
【0039】
第一に、ある電圧(これを閾値電圧Vthと呼ぶ)以上の電圧を素子に印加すると急激に放出電流Ieが増加するが、一方、閾値電圧Vth未満の電圧では放出電流Ieはほとんど検出されない。
【0040】
すなわち、放出電流Ieに関して、明確な閾値電圧Vthを持った非線形素子である。
【0041】
また第二に、放出電流Ieは素子に印加する電圧Vfに依存して変化するため、電圧Vfを可変することにより、放出電流Ieの大きさを制御できる。
【0042】
また第三に、冷陰極素子は高速な応答性を有しているため、電圧Vfの印加時間により放出電流Ieの放出時間を制御できる。
【0043】
以上のような特性の利用により、表面伝導型放出素子を表示装置に好適に用いることができる。例えば、第一の特性を利用すれば、表示画面を順次走査して表示を行うことが可能である。すなわち、駆動中の素子には所望の発光輝度に応じて閾値電圧Vth以上の電圧を適宜印加し、非選択状態の素子には閾値電圧Vth未満の電圧を印加する。駆動する素子を順次切り替えることにより、表示画面を順次走査して表示を行うことが可能である。
【0044】
また、第二の特性を利用することにより、素子に印加する電圧の大きさにより、蛍光体の発光輝度を制御することができ、画像表示を行うことが可能である。
【0045】
また、第三の特性を利用することにより、素子に電圧Vfを印加する時間により、蛍光体の発光時間を制御することができ、画像の表示を行うことができる。
【0046】
本発明の実施の形態に係る画像表示装置では上記第三の特性を用いて変調を行った。
【0047】
図2は走査配線(行配線)及び変調配線(列配線)の電圧供給端子に印加した電圧の一例である。なお、ここでは電圧降下がないものとして述べる。
【0048】
いま、水平走査期間Iはi行目のピクセルを発光させる期間とする。
【0049】
i行目のピクセルを発光させるためには、i行目の走査配線を選択状態とし、その電圧供給端子Dxiに選択電位Vsを印加する。また、それ以外の走査配線の電圧供給端子Dxk(k=1,2,…N、但しk≠i)は非選択状態とし、非選択電位Vnsを印加する。
【0050】
本例では、選択電位Vsを図1に記載の電圧VSELの半分の−0.5VSELに設定し、非選択電位VnsはGND電位とした。(電圧VSELは画像を表示するのに表面伝導型放出素子の両端に印加すべき駆動電圧値として定義する。)
【0051】
また、変調配線の電圧供給端子には、電圧振幅Vpwmのパルス幅変調信号を供給した。j番目の変調配線に供給するパルス幅変調信号のパルス幅は、従来、補正を行わない場合は、表示する画像の第i行第j列のピクセルの画像データの大きさに応じて決定し、すべての変調配線に各々のピクセルの画像データの大きさに応じたパルス幅変調信号を供給していた。
【0052】
ここでは電圧Vpwmの電圧は+0.5VSELに設定した。
【0053】
表面伝導型放出素子は、図1に示したように素子の両端に電圧VSELが印加されると電子を放出させるが、印加電圧がVthよりも小さい電圧では全く電子を放出しない。
【0054】
また、電圧Vthは0.5VSELよりも大きい。このため、非選択電位Vnsが印加されている走査配線に接続された表面伝導型放出素子からは電子は放出されない。
【0055】
また、変調手段の出力がグランド電位である期間(出力が”L”と呼ぶ)は、選択された走査配線上の表面伝導型放出素子の両端に印加される電圧はVsであるため、電子は放出されない。
【0056】
選択電位Vsが印加された走査配線上の表面伝導型放出素子からは、パルス幅変調手段の出力がVpwmである期間(出力が”H”と呼ぶ)に応じて電子が放出され、蛍光体が発光する。本発明の画像表示装置は、このような線順次走査、パルス幅変調することによって画像を表示している。
【0057】
続いて、電圧降下の発生するメカニズムについて説明する。
【0058】
表面伝導型放出素子の設計仕様や製法によっても異なるが、表面伝導型放出素子の1素子分の素子電流は電圧VSELを印加した場合に〜100μAである。
【0059】
このため、選択された行の1ピクセルのみを発光させる場合には、変調配線から選択行の走査配線に流入する素子電流は1ピクセル分の電流だけであるため、電圧降下はほとんど生じることはなく、発光輝度が低下することはない。
【0060】
しかし、選択された行の全ピクセルを発光させる場合には、全変調配線から選択状態としている走査配線に対し、全ピクセル分の電流が流入するため、電流の総和は〜数100mAとなり、走査配線の配線抵抗によって走査配線上に電圧降下が発生していた。
【0061】
走査配線上に電圧降下が発生すれば、表面伝導型放出素子に印加される電圧が低下する。このため表面伝導型放出素子から発光される放出電流が低下してしまい、発光輝度が低下していた。
【0062】
また、さらに複雑なことに、パルス幅変調を行うことにより1水平走査期間の中でも、電圧降下の大きさは変化する。各列に供給するパルス幅変調信号が、立ち上がりが同期したパルス幅変調信号の場合、一般的にはパルスの立ち上がりほど点灯しているピクセルの数が多く、その後輝度の低い箇所から順に消灯していく傾向をもつため、点灯するピクセルの数は一水平走査期間の中では、時間を追って減少する。
【0063】
したがって、走査配線に発生する電圧降下もパルスの立ち上がりほど大きく次第に減少していく傾向がある。
【0064】
(蛍光体の飽和特性について)
特開2000−75833においては、蛍光体の発光特性は照射される電子ビームの量に対しては線形ではなく、蛍光体の種類や蛍光体に照射される電子ビームのビーム密度、ビーム照射時間などにより変化することが述べられている。一般に蛍光体の発光特性はビームの照射時間が長い場合や、ビームの強度が強い場合ほど、その発光輝度が低下する現象がある。(蛍光体の飽和とよぶ。)
【0065】
さらに発明者らは、電子ビームの照射時間(=パルス幅)や、瞬間的な電子ビームの照射量(=放出電流量)をパラメータとしてその発光特性を調べた。それによれば放出電流量とパルス幅の積として放出電荷量を定義し、放出電荷量に対して発光量をプロットすると、蛍光体の発光特性は、各色ごと概ね1本のカーブとして近似することができることがわかった。特にこの傾向は赤の蛍光体では良好に近似することができた。これは蛍光体の材料にもよるが一般に赤の蛍光体の緩和時間が電子ビームを照射している時間に対し、非常に長いためと思われる。
【0066】
図3(a)は放出電荷量と輝度の関係を示した図である。同図において横軸は規格化された放出電荷量であり、電圧降下のない場合の放出電流量を変調できる最大時間分だけ照射した際の電荷量を1としてプロットした。
【0067】
また縦軸は、規格化された蛍光体の発光輝度であり、上記の電荷量を投入した際の輝度を1としてプロットした。また、qr、qg、qbとして示した3本のカーブは、それぞれ赤、緑、青の蛍光体の特性である。前述してきたように蛍光体の発光特性は各々の蛍光体ごとに発光特性が異なるが、放出電荷量に対し1本の曲線として近似することができる。
【0068】
(電圧降下補正について)
電圧降下の影響を駆動パルスのパルス幅を補正し実施する構成については特登録2759483号において開示されている。その後、発明者らがさらに検討を重ねたところ、変調パルスのパルス幅を補正する上では図4に示す概念にしたがってパルス幅を伸張して補正することが好ましいと考えている。
【0069】
図4は、横軸を時間、縦軸を放出電流とし、画像形成素子から出力される放出電流パルスを模式的に表した図である。同図において放出電流量は、電圧降下の影響がなく、画像形成素子に電圧VSELが印加されたときに放出される放出電流を1として規格化してプロットしている。
【0070】
同図(a)に太線で示したように電圧降下の影響がない場合は放出電流の振幅が1で、画像データによって決まるパルス幅の放出電流パルスが放出されるが、現実には電圧降下が発生するため、図の斜線で塗りつぶした部分の放出電流は放出されず、図の灰色で塗りつぶした部分しか放出されない。
【0071】
これに対し、本発明の電圧降下補正の概念は、太線で示した駆動パルスと同じ電荷量となるように、駆動パルスのパルス幅を補正するもので、同図(b)に示したように、太線で示した駆動パルスに対応した放出電荷量と同じになるように、点線で示したような駆動パルスを発生させる。
【0072】
したがって、本発明の電圧降下補正においては、入力された画像データに対しそれに応じて変調を行った際に、電圧降下が時間的、空間的にどのように変化するかを計算し、補正された画像データ(以降補正画像データと呼ぶ)を算出し、補正画像データに基づいて変調を行った。
(詳細な計算方法については、後ほど「電圧降下の計算方法」、「電圧降下量から補正データの計算」において項をあらためて説明する。)
【0073】
(オーバーフロー処理)
このように、電圧降下補正は駆動パルスのパルス幅を伸張して補正を行うものである。しかし現実的には、駆動パルスのパルス幅(変調時間)はどこまでも伸張できるものではなく、変調時間には上限が存在する。補正後のパルス幅が上限を超えてしまうとそれ以上は伸ばすことができないため、好ましく表示を行うことができない(この現象をオーバーフローと定義する)。
【0074】
このような問題に対し、本発明ではオーバーフローが起きないように、一画面の中で最大となるパルス幅が割り当てられた変調時間に収まるように時間方向を圧縮する。図5はこの時間方向を圧縮する処理について説明するための図である。同図は、ある変調配線Xi, Xi+1, Xi+2に対する駆動パルス(変調手段の出力)を模式的にあらわしており、横軸はパルス幅(時間)に対応し,縦軸は駆動パルスの振幅をあらわしている。同図では電圧降下補正をした結果、変調配線Xi,Xi+1,Xi+2に対する駆動パルス幅はそれぞれPW[i],PW[i+1],PW[i+2]になったとする(図5(a))。(図の灰色で塗られた部分が補正により駆動パルスが伸張された部分に相当する。)また1画面の駆動パルスのうち、変調配線Xi+1の駆動パルス幅PW[i+1]が最大のパルス幅となり、変調時間の上限を超えてしまっていたとする。
【0075】
したがって、この例ではXi+1の駆動パルスが変調時間の上限に収まるように各々の駆動パルスにゲインGdを乗算し、時間方向を圧縮する(図5(b))。
【0076】
これにより変調配線Xi,Xi+1,Xi+2に対する駆動パルスのパルス幅は、Gd*PW[i], Gd*PW[i+1], Gd*PW[i+2]に圧縮される。
【0077】
ゲインGdを算出方法は、パルス幅と変調手段の入力の間には線形な関係があるとすると、変調できる最大変調データ(画像データ)をINMAX,1フレームの中の変調データの最大値をMAXとすると、
【数1】
Figure 0004072445
のようにゲインGdを算出すればオーバーフローを防止できる。
(オーバーフローが起きないようにするには、ゲインGdを、式1の右辺よりも小さく算出すればよい。また、MAXの値がINMAXを下回る場合には、Gdの値を1に制限してもよい。)
【0078】
一方これを前述の電圧降下補正に対して顧みると、以下のような意味を持つ。すなわち、ゲインGdを乗算しない場合は、
“電圧降下がない場合の放出電荷量”と同じになるようにパルスを伸張していた。
【0079】
これに対しゲインGdを乗算する場合には、
“電圧降下がない場合の放出電荷量のGd倍“と同じ電荷量になるようにパルスを伸張している。
と考えられる。
【0080】
(蛍光体飽和補正と電圧降下補正)
蛍光体の発光特性(飽和特性)は、放出電荷量に対して、各色について1つの曲線として近似すると良好であることについて述べた(図3(a))。
【0081】
したがって蛍光体の飽和特性を補正するためには、概略として、図3(a)の特性の逆関数、すなわち、図3(b)を用いて、投入(放出)すべき電荷量を算出すればよい。
【0082】
なお図3(b)において、QR,QG,QBはそれぞれ図3(a)のqr、qg、qbの逆関数である。
【0083】
さらに電圧降下補正部に、概念的にはこの電荷量に相当するデータを入力として与えれば、電圧降下補正では、電荷量が入力値と同じになるようにパルス幅を伸張するため、好ましく補正ができる。
【0084】
しかし、オーバーフロー処理により、電圧降下のない場合の電荷量のGd倍と同じ放出電荷量になるように駆動パルス幅を伸張されること、についても述べた。
【0085】
したがって、入力画像データ(輝度要求値)に対し、蛍光体の発光輝度がリニアになるためには、以下のような手順で補正を行えば好ましい。
入力画像データ(輝度要求値)に対し、蛍光体の発光特性の曲線(正確には逆関数)を参照して、その輝度要求値に対応した輝度を得るために必要な放出電荷量に変換する。
【0086】
この際に電圧降下補正後のゲインによって、実際に投入できる電荷量は制限される。
【0087】
したがって、ゲインの値に応じて投入できる電荷量を考慮して、蛍光体飽和を補正する。
【0088】
ゲインGdが0.25である場合には、放出できる電荷量は、図3(a)のGd=0.25と記された点線の領域内に制限される。
【0089】
ゲインGdが0.5である場合には、放出できる電荷量は図3(a)のGd=0.5と記された点線の領域内に制限される。
【0090】
ゲインGdが1.0である場合には、放出できる電荷量は制限されず、図3(a)のGd=1.0と記された点線の領域内の範囲をとる。
【0091】
上記のことを考慮し、これらを補正する特性として、
ゲインGd=1の場合は、図6(a)の特性、
ゲインGd=0.5の場合は、図6(b)の特性、
ゲインGd=0.25の場合は、図6(c)の特性
を用いて輝度要求値である入力画像データを電荷量に変換すればよい。
【0092】
この際に入力画像データの取り得る最大の値を1として、図6の曲線にしたがって電荷量データに変換すればよい。実際には、ゲインの値は上記の3つ以外の値をとりえることは言うまでもないが、その場合はゲインに応じてそのエリアを可変させて飽和特性を補正すればよい。
【0093】
なお、上記の変換を行うのに先立って、ゲインGdの値が必要となるが、厳密には蛍光体飽和補正及び電圧降下補正を施した後でなければ、その値はわからない。
【0094】
この現実的な解決策はフレーム間の画像データの相関を利用し1フレーム前のゲインGdを用いれば好適である。
【0095】
電圧降下補正により、放出電荷量データに相当する電荷量が放出されるように画像データを補正し、補正された画像データに基づいて、駆動パルスのパルス幅を変調する。
【0096】
以上のようにして補正された画像データを算出し、駆動パルスのパルス幅を補正して画像を表示したところ好ましかった。
【0097】
以上、本発明の蛍光体飽和補正、電圧降下補正の基本概念について説明した。
【0098】
以下、上記の基本概念に基づいて作製したハードウエアについて説明する。
【0099】
(システム全体と各部分の機能説明)
次に、本発明の画像表示装置の構成について説明する。
【0100】
図7はその回路構成の概略を示すブロック図である。図において1は表示パネル、Dx1〜DxM及びDx1’〜DxM’は表示パネルの走査配線の電圧供給端子、Dy1〜DyNは表示パネルの変調配線の電圧供給端子、Hvはフェースプレートとリアプレートの間に加速電圧を印加するための高圧供給端子、Vaは高圧電源、2及び2‘は走査回路、3は同期信号分離回路、4はタイミング発生回路、7は同期信号分離回路3によりYPbPr信号をRGBに変換するための変換回路、17は逆γ処理部、5は画像データ1ライン分のシフトレジスタ、6は画像データ1ライン分のラッチ回路、8は表示パネルの変調配線に変調信号を出力するパルス幅変調手段、12は加算器、14は補正データ算出手段、20は最大値検出手段、21はゲイン算出手段、200は階調変換部(蛍光体飽和補正部)である。
【0101】
同期信号分離回路3により同期信号Vsync,Hsyncを分離し、タイミング発生回路4に供給する。同期分離された映像信号は、YPbPrからRGBへ変換され、ローパスフィルタやA/D変換がほどこされ、ディジタルRGB信号へ変換される。
【0102】
タイミング発生回路4は、同期信号に応じたタイミング信号を発生し、各部の動作タイミング信号を発生する。シフトレジスタ5の動作タイミングを制御するTsft、シフトレジスタ5からラッチ回路6へデータをラッチする制御信号Dataload、変調手段8のパルス幅変調開始信号Pwmstart,パルス幅変調のためのクロックPwmclk、走査回路2の動作を制御するTscanなどがある。
【0103】
(走査回路)
走査回路2及び2’は、表示パネル1を一水平走査期間に1行ずつ順次走査するために、接続端子Dx1〜DxMに対して選択電位Vsまたは非選択電位Vnsを出力する回路である。
【0104】
走査回路2及び2’はタイミング発生回路4からのタイミング信号Tscanに同期して、一水平期間ごとに選択している走査配線を順次切り替え、走査を行う回路である。
【0105】
走査回路2及び2’は、M個のスイッチとシフトレジスタなどから構成される。これらのスイッチはトランジスタやFETにより構成するのが好ましい。
【0106】
(逆γ処理部)
CRTは入力に対し、ほぼ2.2乗の発光輝度特性をもっている。一般的な入力映像信号はCRTのこのような特性が考慮されており、CRTに表示した際にリニアな発光特性となるように一般に0.45乗のγ特性にしたがって変換されている。
【0107】
一方、本発明の表示パネルはパルス幅変調を行う場合、印加時間に対しほぼリニアな発光特性を有しているため、逆γ処理部において、2.2乗のカーブにしたがって変換が施される。
【0108】
(階調変換部)
階調変換部(階調変換手段)200は、逆γ変換された画像データを蛍光体飽和補正テーブルにしたがって変換する手段である(図8)。図8において201は乗算器、202は蛍光体飽和補正テーブル、203は乗算器、204は逆数器である。図8ではRa信号についてのみ記載しているが、階調変換部は図8に記載した構成を各色について備えており、それぞれの蛍光体飽和補正テーブルには、図3(b)に示した各色異なる蛍光体飽和特性が記憶されている。蛍光体飽和補正は、前述のようにゲインの値に応じて補正テーブルの使用する領域を変更する必要があるが、乗算器201、203、逆数器204がこの機能を果たしている。
【0109】
蛍光体飽和補正後の画像データはデータ配列変換部と補正データ算出手段へと転送される。
【0110】
(データ配列変換部)
データ配列変換部9は逆γ変換後のRGBパラレルな映像信号Ra,Ga,Baを表示パネルの画素配列にあわせて並べかえする機能を有する。
【0111】
データ配列変換部9には、ある水平走査期間に画像データRa,Ga,Baが書き込まれると、次の水平走査期間に読み出される。
【0112】
読み出されたデータは、セレクタにより表示パネルの画素配列にしたがって、パラレル・シリアル変換され、RGBのシリアル画像データSDataとして出力される。
【0113】
(補正データ算出手段、加算器)
補正データ算出手段は電圧降下の補正データを算出する回路である。出力である補正データは各々の画素(水平位置)の画像データに対応して算出される。なお、この具体的な計算方法については後述する。
【0114】
加算器12は補正データ算出手段14からの補正データCDと画像データSDataを加算する。加算を行うことにより画像データSDataは補正が施され、補正画像データDoutとして最大値検出回路20及び乗算器22へ転送される。ここでは、補正画像データ算出手段は、補正データ算出手段14、及び補正データCDと画像データSDataを加算し補正画像データDoutを生成する加算器12によって構成される。
【0115】
(最大値検出回路、ゲイン算出手段)
本発明の最大値検出回路20は図7に示すように、各部と接続されている。すなわち、加算器12から出力されたDoutが入力され、ゲイン算出手段21に対して最大値MAXを出力する。
【0116】
最大値検出回路20は、1フレーム分の補正画像データDoutのなかで、最大となる値を検出する。
【0117】
ゲイン算出手段21は、前述のオーバーフロー処理をおこなうためのゲインを算出する手段である。振幅調整手段は、ゲイン算出手段21及び乗算器22を含んで構成される。
【0118】
ここでは、二つのゲイン算出方法について説明する。
【0119】
第一の方法は、式1にしたがってゲインを算出するものである。
【0120】
この場合には、1フレーム毎にゲインの値が算出される。
【0121】
図9は各フレームの画像データと、補正後の画像データ、及びゲインの関係を表すタイミングチャートである。同図において、R[k],G[k],B[k]は、k番目のフレームに入力された画像データの群であり、Dout[k]は、k番目のフレームの画像データに対して算出された補正画像データの群である。また、MAX[k]は、Dout[k]の中の最大値、Gd[k]は、MAX[k]から算出されたゲインである。
Dmult[k]は、ゲイン乗算後の補正画像データであって、
【0122】
【数2】
Figure 0004072445
として算出している。
【0123】
上記のように、本構成ではゲインGd[k]の値は1フレーム遅れて算出されるため、フレームごとの補正画像データの違いから、オーバーフローがおきることがある。
【0124】
このような課題に対し、補正画像データとゲインを乗算する乗算器22の出力に対し後述するリミッタ手段を設け、乗算器の出力が変調手段の入力範囲に収まるように回路を設計したところ好ましかった(図7)。
【0125】
(なお、最大値検出回路20と、乗算器22の間にフレームメモリを設ければ、時間的な遅延のない構成でオーバーフローを防止することができる。)
【0126】
次に、第二のゲイン算出方法について説明する。
【0127】
第二の方法は、式1より計算される第kフレームの画像データに対するゲインをGn[k]とし、ゲインGd[k]を以下のように算出するものである。
【0128】
【数3】
Figure 0004072445
ただし、aは 0<a < 1の定数である。
【0129】
なお、定数aの値としては、1/4〜1/64程度の値を使用したところ好ましかった。
【0130】
ここで、式3を用いてゲインGd[k]を算出する方法は、Gn[k] を入力として、Gd[k]を出力するフィルタによる演算処理である。すなわち、ゲイン算出手段21は、上述の処理を行うフィルタ手段としての機能を有する。式3のような差分法的式を満たすフィルタは、いわゆるローパスフィルタであり、aが小さくなるほどフィルタの強度は大きくなる。
【0131】
第二の方法は、ゲインの時間的な変動が大きい場合に、フリッカを減少できる点が優れている。
【0132】
図10〜12は、第二の方法のメリットを説明するための図である。
【0133】
図10は、グレーの背景のなかで白い棒が反時計周りに回転する動画像の例である。このような画像を表示する場合、棒が回転するのに合わせてフレーム毎に補正データCDの大きさが変化する。
【0134】
図11は図10の動画像の補正画像データの最大値を説明するための図である。同図では各々の補正画像データのうち、各々のフレームで最大となったものを抜き出してグラフ化したものである。
【0135】
なお、同図の白の部分は元々の画像データ、灰色の部分は補正を行うことによって伸長された部分に相当する。このように連続するフレームの補正画像データの最大値は時間的に変動する。したがって式1に示したようにフレームごとにゲインを設定すると、図12(a)に示すようにフレーム毎のゲインの変動が激しくなるため、結果として表示画像の輝度変動が激しくなりフリッカ感が発生する。これに対し式3によってゲインを決定した場合は、ゲインの時間的な変動が抑制されるため、図12(b)に示したように、ゲインの変動が小さくなり、輝度の変動が少なくなるためフリッカ感が減少するという優れた効果があった。なお、同図(b)では白丸のグラフが式1によるゲイン、黒丸のグラフが式3による平滑化されたゲインである。
【0136】
したがって、本実施形態では、第二の方法にしたがってゲインを算出した。
【0137】
(乗算器、リミッタ)
ゲイン算出手段21で算出されたゲインと加算器12の出力である補正画像データDoutは、図7の乗算器22によって乗算され、振幅が調整された補正画像データDmultとしてリミッタ回路23へ転送される。
【0138】
リミッタ回路23は変調手段8の入力範囲の上限に対応して予め設定されたリミット値を有し、リミット値以上の値の入力に対し、出力をリミット値に制限した。
【0139】
(シフトレジスタ、ラッチ回路、変調手段)
リミッタにより制限された補正画像データDlimは、シフトレジスタ5により、シリアルなデータフォーマットから、各変調配線毎のパラレルな画像データID1〜IDNへとシリアル/パラレル変換されラッチ回路6へ出力される。ラッチ回路6では1水平期間が開始される直前にタイミング信号Dataloadにより、シフトレジスタ5からのデータをラッチする。ラッチ回路6の出力は、パラレルな画像データD1〜DNとして変調手段8へと供給される。
【0140】
本実施形態では画像データID1〜IDN、D1〜DNはそれぞれ8ビットの画像データとした。これらの動作タイミングはタイミング発生回路4からのタイミング制御信号TSFT及びDataloadに基づいて動作する。
【0141】
ラッチ回路6の出力であるパラレル画像データD1〜DNは変調手段8へと供給される。
【0142】
変調手段8は、図13(a)に示したように、PWMカウンタと、各変調配線ごとにコンパレータとスイッチ(同図ではFET)を備えたパルス幅変調回路(PWM回路)である。
【0143】
画像データD1〜DNと変調手段8の出力パルス幅の関係は、図13(b)のようなリニアな関係にある。
【0144】
図13(c)に変調手段8の出力波形の例を3つ示す。
【0145】
同図において上側の波形は、変調手段8への入力データが0の時の波形,中央の波形は、変調手段8への入力データが128の時の波形,下側の波形は、変調手段8への入力データが255の時の波形である。
【0146】
なお、本例は変調手段8への入力データD1〜DNのビット数が8ビットの例である。
【0147】
(シーンチェンジ時における制御)
以上、これまで発明者らが検討してきた、蛍光体飽和と電圧降下の影響を補正する処理回路を設けた画像表示装置について説明した。このような画像表示装置により補正を行ったところ、好適に画像を表示することができた。
【0148】
その一方で、上述のゲイン制御は、画面のフリッカ感は抑えられるものの、入力映像のシーンチェンジが起きた際に、ゲインの時間的な変動を抑制しているために速やかにゲインの変更がなされずに、緩やかに変化してしまうことによる、別の違和感が発生していた。
【0149】
たとえば、入力画像データの平均レベルが高い(明るい)画像から、別のシーンの平均レベルの低い(暗い)画像へとシーンが切り替わった場合には、式1から定まるゲインの値は、小さい値から大きな値へと速やかに変更が行われる必要がある。
【0150】
しかし実際には小さい値から大きい値へと、時間的に緩やかに変化することとなるため違和感が発生していた。そこで発明者らは以下に述べるような新規の制御を追加することにより、このような現象の改善を行った。
【0151】
(シーンチェンジ時におけるゲイン算出手段21の動作)
本実施形態では、シーンチェンジを判断するためのシーンチェンジ検出部205を設けた。
【0152】
シーンチェンジ検出部20では、現在のフレームをk番目のフレームとし、現在のフレームの画像データの平均レベルをAPL[k]とするとき、ΔAPL[k+1]を以下のように計算する。
【0153】
【数4】
Figure 0004072445
ただし| |は絶対値。
【0154】
さらにΔAPLの値と予め設定された閾値THとの比較を行い、以下のようにシーンチェンジを検出した。
【0155】
【数5】
Figure 0004072445
【0156】
シーンチェンジ検出部205は、ゲイン算出手段21にシーンチェンジの検出信号schgを供給した(図7)。
【0157】
ゲイン算出手段21はシーンチェンジに応じて以下のようにゲインを計算した。
【0158】
【数6】
Figure 0004072445
ただし aは 0<a<1 の定数
【0159】
このようにゲインGd[k+1]を算出したところ、シーンチェンジがあった場合はシーンチェンジ後のゲインに速やかに更新し、シーンチェンジがない場合はゲインの時間的な変動を滑らかにするため、好適な画像を表示することができた。
【0160】
なお、式6の方法では、シーンチェンジ時にはゲインの平滑化を行っていないが、たとえばシーンチェンジの際にも、式6のシーンチェンジなしの場合の式を用い、この式において係数aの値を大きくしても(すなわち平滑化するフィルタの強度を弱めても)、同じような効果を得ることができる。
【0161】
(シーンチェンジ時のゲイン制御)
発明者らはさらにゲインに応じて階調変換部(蛍光体飽和補正部)200の入出力特性が変化することを鑑みると、以下のようにゲインを算出することがより好ましいことを確認した。
【0162】
シーンチェンジが起きた際に、ゲインが大きく変化すると階調変換部(蛍光体飽和補正部)200の変換特性も変化する。すると階調数変換部200の出力する画像データの大きさも変化するため、その結果、式1により計算されるゲインも大きく変化することとなる。しかし、式6の算出法ではシーンチェンジの次のフレームからはフィルタによりゲインの変動が抑制されてしまうため、シーンチェンジ時のゲイン制御においてさらに改良する必要があった。
【0163】
この問題に対し、本発明者らはシーンチェンジがあった数フレームの間はゲインのフィルタリングをしない、もしくはフィルタの係数aを大きくする(フィルタの強度を弱める)ことにより、さらに好ましい効果があった。なお、数フレームとは2〜5フレーム程度が好適であった。
【0164】
このようにゲインを制御したところ、シーンチェンジ後のゲインに速やかに移行し、シーンチェンジがない場合はゲインの時間的な変動を滑らかにする効果があり、好適に画像を表示することができた。
【0165】
(ゲインの他の計算方法1)
また、ゲインの別の計算方法としては、以下の方法であっても良い。
ゲインの取り得る変域は、一般に表示パネルの特性が決まれば、予め決定できる。そこでシーンチェンジのないときは上述のフィルタ処理を行い、シーンチェンジ直後の数フレームはゲインの変域のうち、よく取られる値、例えば変域の中間の値にセットしても好適であった。
【0166】
(ゲインの他の計算方法2)
さらに、ゲインの別の算出方法については、以下の方法であっても良い。
【0167】
式4、式5ではフレーム間のAPL値の差の絶対値からシーンチェンジ判定を行っているが、ゲインの値は一般の画像ではAPL値と相関があることを考慮し、APL値に基づいてゲインの値を推定し、この推定されたゲインを用いることができる。シーンチェンジした直後のゲインは、APL値が小さくなった場合は、現在のゲインをよく取られる大きめの値(例えば、現在のゲインの値とゲインの最大値(=1)の中間の値)にセットし、APL値が大きくなった場合は、現在のゲインをよく取られる小さめの値(例えば、現在のゲインの値とゲインの最小値(Gmin:全面白表示時のゲイン)の中間の値)にセットしても好適であった。
【0168】
【数7】
Figure 0004072445
を用いても、好適であった。
【0169】
また、ゲインの値としては、APL値の変化量で重み付けした中間の値をセットしても好適である。
【0170】
以上、本発明の特徴であるゲインの制御方法について説明した。
【0171】
以下本発明の電圧降下補正部(補正データ算出手段)の計算方法について説明する。
【0172】
(電圧降下の計算方法)
電圧降下の影響を低減するための補正量を求めるには、まずその第一段階として、電圧降下の大きさとその時間変化をリアルタイムに予測することが必要とされるが、本発明のような画像表示装置の表示パネルとしては、数千本もの変調配線を備えることが一般的であり、変調配線のすべてと走査配線との交点の電圧降下を計算することは非常に困難であり、それをリアルタイムに計算するハードウエアを作製することは非常に大きなハードウエアが必要となる。
【0173】
そこで、同一行の位置に関してブロック化するとともに画像データの振幅方向へもブロック化することにより、電圧降下量を求めることで計算量を減少させている。
【0174】
このようなブロック化の手法は電圧降下における以下の特徴に基づくものである。
【0175】
i)一水平走査期間のある時点においては、走査配線上に発生する電圧降下は走査配線上で空間的に連続的な量であり非常に滑らかなカーブである。
【0176】
ii)電圧降下の大きさは表示画像によっても異なるが、パルス幅変調の1階調に相当する時間毎に変化し、概略的にはパルスの立ち上がり部分ほど大きく、時間的には次第に小さくなるか、もしくはその大きさを維持するかのどちらかである。
【0177】
すなわち、図2のような駆動方法では1水平走査期間内で電圧降下の大きさが増加することはない。
【0178】
具体的には以下で説明する縮退モデルによる電圧降下の計算を複数の時刻に対して計算することによって、電圧降下の時間変化を概略的に予測した。
【0179】
(縮退モデルによる電圧降下の計算)
図14(a)は、縮退を行う際のブロック及びノードを説明するための図である。
【0180】
同図では図を簡略化するため、選択された走査配線と各変調配線およびその交差部に接続される表面伝導型放出素子のみを記載した。
【0181】
いま一水平走査期間の中のある時刻であって、選択された走査配線上の各ピクセルの点灯状態(すなわち変調手段の出力が”H”であるか、”L”であるか)が分かっているものとする。
【0182】
この点灯状態において、各変調配線から選択された走査配線へ流れ込む素子電流をIfi(i=1,2,…N,iは列番号)と定義する。
【0183】
また、同図に示すように、n本の変調配線と選択された走査配線のそれと交差する部分及び、その交点に配置される表面伝導型放出素子を1つのグループとしてブロックを定義する。本例では、ブロック分けを行うことで4つのブロックに分割した。
【0184】
また、各々のブロックの境界位置においてノードという位置を設定した。ノードとは、縮退モデルにおいて走査配線上に発生する電圧降下量を離散的に計算するための水平位置(基準点)である。
【0185】
本例ではブロックの境界位置に、ノード0〜ノード4の5つのノードを設定した。
【0186】
図14(b)は縮退モデルを説明するための図である。
【0187】
縮退モデルでは同図(a)の1ブロックに含まれるn本の変調配線を1本に縮退化し、縮退化された1本の変調配線が、走査配線のブロックの中央に位置するように接続した。
【0188】
また、縮退化された各々のブロックの変調配線には電流源が接続されており、各電流源から各々のブロック内の電流の総和IF0〜IF3が流れ込むものとした。
【0189】
即ち、IFj(j=0,1,…3)は、
【数8】
Figure 0004072445
として表される電流である。
【0190】
また、走査配線の両端の電位が同図(a)の例ではVsであるのに対し、同図(b)ではGND電位としているのは、縮退モデルでは、変調配線から選択した走査配線に流れ込む電流を上記電流源によりモデリングしたことにより、走査配線上の各部の電圧降下量は、その給電部を基準(GND)電位として各部の電圧(電位差)を算出することにより計算できるためである。
【0191】
つまり、電圧降下を算出する上での基準電位として規定した。
【0192】
また、表面伝導型放出素子を省略しているのは、選択された走査配線から見た場合に、列配線から同等の電流が流れ込めば、表面伝導型放出素子の有無によらず、発生する電圧降下自体は変わらないためである。従って、ここでは、各ブロックの電流源から流れ込む電流値を各ブロック内の素子電流の総和の電流値(数1)に設定することで表面伝導型放出素子を省略した。
【0193】
また、各ブロックの走査配線の配線抵抗は一区間の走査配線の配線抵抗rのn倍とした(ここで一区間とは走査配線の、ある列配線との交差部とその隣の列配線との交差部の間のことを指している。また本例では、一区間の走査配線の配線抵抗は均一であるものとした。)。
【0194】
このような縮退モデルにおいて、走査配線上の各ノードにおいて発生する電圧降下量DV0〜DV4は
【数9】
Figure 0004072445
により簡単に計算できる。
【0195】
ただし、aijは縮退モデルにおいてj番目のブロックだけに単位電流を注入したときに、i番目のノードに発生する電圧である(以下、これをaijと定義する。)。
【0196】
なお、aijは一度計算した結果をテーブルとして記憶しておけばよい。
【0197】
さらに、数1で定めた各ブロックの総和電流IF0〜IF3に対し、数7のような近似を行う。
【0198】
【数10】
Figure 0004072445
に示す近似を行った。
【0199】
ただし、上式においてCount iは選択された走査線上のi番目のピクセルが点灯状態である場合には1をとり、消灯状態である場合には0をとる変数である。
【0200】
IFSは表面伝導型放出素子1素子の両端に電圧VSELを印加したときに流れる素子電流IFに対し、0〜1の間の値をとる係数αをかけた量である。
【0201】
すなわち、
【数11】
Figure 0004072445
と定義した。
【0202】
数7は選択された走査配線に対し各ブロックの列配線から該ブロック内の点灯数に比例した素子電流が流れ込むものとしている。この際1素子の素子電流IFに係数αをかけたものを1素子の素子電流IFSとしたのは以下の理由による。本来、電圧降下量を計算するためには、電圧降下による走査配線の電圧上昇とそれによる素子電流の減少量とを繰り返し計算することが必要であるが、この収束計算をハードウエアで計算するのは現実的でない。そこで、本発明においては、IFの収束値として近似的にαIFを用いる。具体的には、電圧降下量が最大となるとき(全白のとき)のIFの低下率(=α1)と、電圧降下量が(最小=0)となるときのIFの低下率(=α2)を予め見積もっておいて、α1とα2の平均値または0.8xα1として求められる。
【0203】
図14(c)は、ある点灯状態において、縮退モデルにより各ノードの電圧降下量DV0〜DV4を計算した結果の一例である。
【0204】
電圧降下は非常に滑らかなカーブとなるため、ノードとノードの間の電圧降下は近似的には図の点線に示したような値をとると想定される。
【0205】
このように、本縮退モデルを用いれば、入力された画像データに対し所望の時点でのノードの位置での電圧降下を計算することが可能である。
【0206】
以上、ある点灯状態における電圧降下量を縮退モデルを用いて簡単に計算した。
【0207】
選択された走査配線上に発生する電圧降下は一水平走査期間内で時間的に変化するが、これについては前述したように一水平走査期間中のいくつかの時刻に対して、その時の点灯状態を求め、その点灯状態に対し縮退モデルを用いて電圧降下を計算することにより予測した。
【0208】
なお、一水平走査期間のある時点での各ブロック内の点灯数は各ブロックの画像データを参照すれば簡単に求めることができる。
【0209】
いま、1つの例としてパルス幅変調回路への入力データのビット数が8ビットであるものとし、パルス幅変調回路は入力データの大きさに応じたパルス幅を出力する。
【0210】
すなわち、入力データが0のときは、出力は”L”となり、入力データが255のとき一水平走査期間の間は”H”を出力し、入力データが128のときには一水平走査期間のうち初めの半分の期間は”H”を出力し、後の半分の期間は”L”を出力するものとする。
【0211】
このような場合、パルス幅変調信号の開始時刻(本例の変調信号の例では立ち上がりの時刻)の点灯数は、パルス幅変調回路への入力データが0よりも大きいものの数をカウントすれば簡単に検出できる。
【0212】
同様に一水平走査期間の中央の時刻の点灯数は、パルス幅変調回路への入力データが128よりも大きいものの数をカウントすれば簡単に検出できる。
【0213】
このように画像データをある閾値に対してコンパレートし、コンパレータの出力が真である数をカウントすれば、任意の時間における点灯数が簡単に計算することができる。
【0214】
ここで以降の説明を簡単化するため、タイムスロットという時間量を定義する。
【0215】
すなわち、タイムスロットとは、一水平走査期間のなかのパルス幅変調信号の立ち上がりからの時間を表しており、タイムスロット=0とは、パルス幅変調信号の開始時刻直後の時刻を表すものと定義する。
【0216】
タイムスロット=64とは、パルス幅変調信号の開始時刻から、64階調分の時間が経過した時刻を表すものと定義する。
【0217】
なお、本例ではパルス幅変調は立ち上がり時刻を基準として、そこからのパルス幅を変調した例を示したが、同様に、パルスの立ち下がり時刻を基準として、パルス幅を変調する場合でも、時間軸の進む方向とタイムスロットの進む方向が逆となるが、同様に適用することができることはいうまでもない。
【0218】
(電圧降下量から補正データの計算)
上述したように、縮退モデルを用いて繰り返し計算を行うことで一水平走査期間中の電圧降下の時間変化を近似的かつ離散的に計算することができた。
【0219】
図15は、ある画像データに対して、電圧降下を繰り返し計算し、走査配線での電圧降下の時間変化を計算した例である(ここに示されている電圧降下及びその時間変化は、ある画像データに対する一例であって、別の画像データに対する電圧降下は、また別の変化をすることは当然である。)。
【0220】
同図ではタイムスロット=0,64,128,192の4つの時点に対して、各々縮退モデルを適用して計算を行うことに、それぞれの時刻の電圧降下を離散的に計算した。
【0221】
図15では各ノードにおける電圧降下量を点線で結んでいるが、点線は図を見やすくするために記載したものであって、本縮退モデルにより計算された電圧降下は□、○、●、△で示した各ノードの位置において離散的に計算した。
【0222】
発明者らは、電圧降下の大きさとその時間変化を計算可能となった次の段階として、電圧降下量から画像データを補正する補正データを算出する方法について検討を行った。
【0223】
図16は、選択した走査配線上に図15に示した電圧降下が発生した際に、点灯状態にある表面伝導型放出素子から放出される放出電流を見積もったグラフである。
【0224】
縦軸は電圧降下がないときに放出される放出電流の大きさを100%として、各時間、各位置の放出電流の量を百分率で表しており、横軸は水平位置を表している。
【0225】
図16に示すように、ノード2の水平位置(基準点)において、
タイムスロット=0の時の放出電流をIe0,
タイムスロット=64の時の放出電流をIe1,
タイムスロット=128の時の放出電流をIe2,
タイムスロットが192の時の放出電流をIe3
とする。
【0226】
図8は図15の電圧降下量と図1の“駆動電圧対放出電流”のグラフから計算した。具体的には電圧VSELから電圧降下量を引いた電圧が印加された際の放出電流の値を機械的にプロットしたものである。
【0227】
したがって、同図はあくまで点灯状態にある表面伝導型放出素子から放出される電流を意味しており、消灯状態にある表面伝導型放出素子が電流を放出することはない。
【0228】
以下に、電圧降下量から画像データを補正する補正データを算出する方法として、以下に説明を行う。
【0229】
(補正データ算出方法)
図17(a),(b),(c)は図16の放出電流の時間変化から、電圧降下量の補正データを計算する方法を説明するための図である。同図は大きさが64の画像データに対する補正データを算出した例である。
【0230】
輝度の発光量は、放出電流パルスによる放出電流を時間的に積分した、放出電荷量に他ならない。したがって以降では、電圧降下による輝度の変動を考えるのにあたって、放出電荷量をもとに説明を行う。
【0231】
いま、電圧降下の影響がない場合の放出電流をIEとし、パルス幅変調の1階調に相当する時間をΔtとするならば、画像データが64のときの、放出電流パルスによって放出されるべき放出電荷量Q0は放出電流パルスの振幅IEにパルス幅(64×Δt)をかけて、
【数12】
Figure 0004072445
として表すことができる。
【0232】
しかし、実際には、走査配線上の電圧降下によって放出電流が低下する現象が発生する。
【0233】
電圧降下の影響を考慮した放出電流パルスによる放出電荷量は、近似的には次のように計算できる。すなわち、ノード2のタイムスロット=0,64の放出電流をそれぞれIe0,Ie1とし、0〜64の間の放出電流はIe0とIe1の間を直線的に変化するものと近似すれば、この間の放出電荷量Q1は図17(b)の台形の面積となる。
【0234】
すなわち、
【数13】
Figure 0004072445
として計算できる。
【0235】
次に、図17(c)に示すように、電圧降下による放出電流の低下分を補正するために、パルス幅をDC1だけ伸ばしたとき、電圧降下の影響を除去できたとする。
【0236】
また、電圧降下の補正を行い、パルス幅を伸ばした場合には、各タイムスロットにおける放出電流量は変化すると考えられるが、ここでは簡単化のため、図17(c)のように、タイムスロット=0では、放出電流がIe0、タイムスロット=(64+DC1)における放出電流がIe1になるものとする。
【0237】
また、タイムスロット0とタイムスロット(64+DC1)の間の放出電流は、2点の放出電流を直線で結んだ線上の値をとるものと近似する。
【0238】
すると、補正後の放出電流パルスによる放出電荷量Q2は、
【数14】
Figure 0004072445
として計算できる。
【0239】
これが前述のQ0と等しいとすれば、
【数15】
Figure 0004072445
となる。
【0240】
これをDC1について解けば、
【数16】
Figure 0004072445
となる。
【0241】
このようにして、画像データが64の場合の補正データを算出した。
【0242】
すなわち、ノード2の位置の大きさが64の画像データに対しては数13に記載のように、CData=DC1だけ補正量CDataを加算すればよい。
【0243】
同様に、大きさが128の画像データに対しては図18のように2つの期間に対して、また大きさが192の画像データに対しては、図19のように、3つの期間の各々に対する補正量を積算すれば求めることができる。
【0244】
また、パルス幅が0の時には、当然ながら放出電流に対する電圧降下の影響はないため、補正データは0とし画像データに加算する補正データCDataも0とした。
【0245】
なお、このように0,64,128,192というように、とびとびの画像データに対して補正データを計算しているのは、計算量を減らすことを狙ったものである。
【0246】
本方法により求めた、ある入力画像データに対する離散補正データの例を図20(a)に示す。同図において横軸は水平表示位置に対応しており、各ノードの位置が記載されている。また、縦軸は補正データの大きさである。
【0247】
離散補正データは図の□、○、●、△で記載したノードの位置と画像データDataの大きさ(画像データ基準値=0、64、128、192)に対して計算されているものである。
【0248】
なお本実施形態では、図7に記載したように走査回路が行配線の両側に接続されているため、行配線の両端に近いほど、補正データが小さくなっている。
【0249】
(離散補正データの補間方法)
離散的に算出された補正データは、各ノードの位置に対する離散的なものであって、任意の水平位置(列配線番号)における補正データを与えるものではない。またそれと同時に、各ノード位置においていくつかの予め定められた画像データの基準値の大きさをもつ画像データに対する補正データであって実際の画像データの大きさに応じた補正データをあたえるものではない。
【0250】
そこで、発明者らは、各列配線における入力画像データの大きさに適合した補正データを、離散的に算出した補正データを補間することにより算出した。
【0251】
図20(b)はノードnとノードn+1の間に位置するxにおける、画像データDataに相当する補正データを算出する方法を示した図である。
【0252】
なお前提として、補正データはすでにノードn及びノードn+1の位置Xn及びXn+1において離散的に計算されているものとする。
【0253】
また、入力画像データであるDataは画像データ基準値のDkとDk+1の間の値をとるものとする。
【0254】
いま、ノードnのk番目の画像データの基準値に対する離散補正データをCData[k][n]と表記するならば、位置xにおけるパルス幅Dkの補正データCAは、CData[k][n]とCData[k][n+1]の値を用いて、直線近似により、以下のように計算できる。
【0255】
すなわち、
【数17】
Figure 0004072445
となる。
【0256】
ただし、Xn、Xn+1はそれぞれノードn、(n+1)の水平表示位置であって、前述したブロックを決定するときに定められる定数である。
【0257】
また、位置xにおける画像データDk+1の補正データCBは以下のように計算できる。
【0258】
すなわち、
【数18】
Figure 0004072445
となる。
【0259】
CAとCBの補正データを直線近似することにより、位置xにおける画像データDataに対する補正データCDは、以下のように計算できる。
【0260】
すなわち、
【数19】
Figure 0004072445
となる。
【0261】
以上のように、離散補正データから実際の位置や画像データの大きさに適合した補正データを算出するためには、式17〜式19に記載した方法により計算できる。
【0262】
図20(a)のノード間を結ぶ破線は以上の計算により、離散的補正データが補間された結果である。図からわかるように、本発明の電圧降下補正法においては、画像データが0のときは電圧降下が起こらないので、位置xについて同じ補正データを算出するが(もちろん補正データが0であることも含む)、画像データが0でない同一の画像データに対しては、位置x、即ち画面の水平方向(走査線と平行な方向)について、なだらかな分布をもつ補正データを算出した。
【0263】
以上本実施形態の画像表示装置を用いれば、蛍光体飽和や、電圧降下の影響を補正し、好適に画像を表示することができた。さらに、動画表示時においても、新たなゲインの制御方法により、好適に画像が表示できた。
【0264】
(第2の実施の形態)
第2の実施形態では、本発明の課題を解決するための別の構成について述べる。
【0265】
図21は第2の実施形態に係る画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【0266】
第1の実施形態との差異は、第1の実施形態では補正された画像データに対しゲインを乗算しオーバーフロー処理を行っていたが、本実施形態では階調変換部後の画像データに対しゲインを乗算することでオーバーフロー処理を行う点である。
【0267】
すなわち、本実施形態の構成は、電圧降下補正を行う画像データを予め縮めておいて、オーバーフローが起きることを防止するものである。
【0268】
本実施形態では、乗算器22R,22G,22Bがゲイン乗算手段を構成する。
【0269】
このような構成においても、蛍光体飽和や電圧降下の影響を好適に補正することができ、好ましかった。
【0270】
また、第1の実施形態で述べた、動画表示時のシーン切り替え時の制御においても、フィルタ処理を第1の実施形態同様に行うことで好適に表示を行うことができた。
【0271】
なお、本発明の実施形態は、以下の実施態様を含むものである。
【0272】
(第1の実施態様) 複数の行配線及び列配線のそれぞれに接続されマトリクス状に配置された複数の画像形成素子と、
前記行配線に接続された走査手段と、
前記列配線に接続された変調手段と、
前記画像形成素子のそれぞれに対応付けられ、該画像形成素子の駆動条件に対して非線形な特性を有する画像形成部材と、
前記画像形成部材の特性に応じて、入力された画像データの階調特性を変換する階調変換手段と、
前記階調変換手段の出力に対し、少なくとも前記行配線の抵抗分によって発生する電圧降下の影響を補正した補正画像データを算出する補正画像データ算出手段と、
前記補正画像データの振幅が変調手段の入力範囲に対応するように該補正画像データの振幅を調整するためのゲインを乗算する振幅調整手段と、
前記画像表示装置に表示されるシーンの切り替えを検出するシーンチェンジ検出部と、
を備える画像表示装置であって、
前記階調変換手段は、前記ゲインに対応する階調変換を行い、
前記振幅調整手段は、前記シーンチェンジ検出部の出力に応じて、各々のフレームに対し算出される前記ゲインに異なるフィルタ処理を行うフィルタ手段を有し、
前記変調手段は、前記振幅調整手段によって振幅調整された補正画像データを入力として、前記列配線に変調信号を出力する画像表示装置。
【0273】
(第2の実施態様) 複数の行配線及び列配線のそれぞれに接続されマトリクス状に配置された複数の画像形成素子と、
前記行配線に接続された走査手段と、前記列配線に接続された変調手段と、
前記画像形成素子のそれぞれに対応付けられ、該画像形成素子の駆動条件に対して非線形な特性を有する画像形成部材と、
前記画像形成部材の特性に応じて、入力された画像データの階調特性を変換する階調変換手段と、
該階調変換手段の出力に対しゲインを乗算するゲイン乗算手段と、
前記ゲイン乗算手段によりゲインが乗算された画像データに対し、少なくとも前記行配線の抵抗分によって発生する電圧降下の影響を補正した補正画像データを算出する補正画像データ算出手段と、
前記補正画像データの振幅が前記変調手段の入力範囲に対応するように前記階調変換手段の出力を調整するための前記ゲインを算出するゲイン算出手段と、
示されるシーンの切り替えを検出するシーンチェンジ検出部と、
を備える画像表示装置であって、
前記階調変換手段は、前記ゲインに対応する階調変換を行い、
前記ゲイン乗算手段は、前記シーンチェンジ検出部の出力に応じて、各々のフレームに対し算出される前記ゲインに異なるフィルタ処理を行うフィルタ手段を有し、
前記変調手段は、前記補正画像データを入力として、
前記列配線に変調信号を出力する画像表示装置。
【0274】
(第3の実施態様) 前記フィルタ手段は、ローパスフィルタであり、前記シーンチェンジ検出部においてシーンチェンジを検出した直後の所定フレームに対しては、フィルタの強度を弱める第1又は第2の実施態様に記載の画像表示装置。
【0275】
(第4の実施態様) 前記フィルタ手段は、前記シーンチェンジ検出部においてシーンチェンジを検出した直後の所定フレームに対してはフィルタ処理を行わず、該シーンチェンジ検出直後の所定フレーム以外のフレームに対してはローパスフィルタとして動作する第1又は第2の実施態様に記載の画像表示装置。
【0276】
(第5の実施態様) 前記フィルタ手段は、前記シーンチェンジ検出部においてシーンチェンジを検出した直後の所定フレームに対しては、ゲインの値を予め設定された値に変更し、該シーンチェンジ検出直後の所定フレーム以外のフレームに対してはローパスフィルタとして動作する第1又は第2の実施態様に記載の画像表示装置。
【0277】
(第6の実施態様) 前記フィルタ手段は、前記シーンチェンジ検出部においてシーンチェンジを検出した直後の所定フレームに対しては、該フレームの入力画像データの平均値を参照して推定された値にゲインを変更し、該シーンチェンジ検出直後の所定フレーム以外のフレームに対してはローパスフィルタとして動作する第1又は第2の実施態様に記載の画像表示装置。
【0278】
(第7の実施態様) 前記所定フレームは、前記シーンチェンジ検出部においてシーンチェンジを検出した直後の1フレームから5フレームである第1乃至第6のいずれかの実施態様に記載の画像表示装置。
【0279】
(第8の実施態様) 前記シーンチェンジ検出部は、
フレームごとの入力画像データの平均値を算出する手段と、
前記平均値のフレーム間の差分を計算し、該差分の絶対値と予め設定された値とを比較し、シーンチェンジの有無を判断する手段と、
を有する第1乃至第7のいずれかの実施態様に記載の画像表示装置。
【0280】
(第9の実施態様) 前記画像形成素子は、電子を放出する電子放出素子であり、
前記画像形成部材は、前記電子放出素子から放出された電子が照射されることにより発光する蛍光体であり、
前記階調変換手段は、前記蛍光体の発光特性から求められる、入力画像データの各色ごとに異なる非線形な変換特性に基づいて変換を行う第1乃至第8のいずれかの実施態様に記載の画像表示装置。
【0281】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像表示装置によれば、電子放出素子の駆動条件に対して非線形な発光特性及び電圧降下の影響を補正し、良好な画像を表示することができる。さらに、動画の表示を行う場合にも良好な画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面伝導型放出素子の特性を示す図である。
【図2】表示パネルの駆動方法を示す図である。
【図3】蛍光体の特性である、放出電荷量対発光輝度の特性を示す図である。
【図4】本発明の電圧降下補正の概念を説明するための図である。
【図5】本発明のオーバーフロー処理の概念を説明するための図である。
【図6】ゲインに対する蛍光体飽和を補正するための変換テーブルを示す図である。
【図7】第1の実施形態の画像表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図8】階調変換部の構成例1を示すブロック図である。
【図9】第1の実施形態において、フレーム毎のデータとゲインの関係を説明するための図である。
【図10】連続するフレームの動画像の例を示す図である。
【図11】連続するフレームでの補正された画像データの大きさを示すグラフである。
【図12】連続するフレームでのゲインを示すグラフである。
【図13】画像表示装置の変調手段の構成及び動作を説明する図である。
【図14】縮退モデルを説明する図である。
【図15】離散的に算出した電圧降下量を示すグラフである。
【図16】離散的に算出した放出電流の変化量を示すグラフである。
【図17】画像データの大きさが64の場合の補正データの算出例を示す図である。
【図18】画像データの大きさが128の場合の補正データの算出例を示す図である。
【図19】画像データの大きさが192の場合の補正データの算出例を示す図である。
【図20】補正データの補間方法を説明するための図である。
【図21】第二の実施形態の画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【図22】従来の画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 表示パネル
2 走査回路
8 パルス幅変調手段
12 加算器
14 補正データ算出手段
17 逆γ処理部
20 最大値検出手段
21 ゲイン算出手段
22、22R、22G、22B 乗算器
23 リミッタ
200 階調変換部
201,203 乗算器
202 蛍光体飽和補正テーブル
204 逆数器
205 シーンチェンジ検出部

Claims (7)

  1. 複数の行配線及び列配線のそれぞれに接続されマトリクス状に配置された複数の電子放出素子と、
    前記行配線に接続された走査手段と、
    前記列配線に接続された変調手段と、
    前記電子放出素子のそれぞれに対応付けられ、該電子放出素子の駆動条件に対して非線形な発光特性を有する蛍光体と、
    前記蛍光体の発光特性に応じて、入力された画像データの階調特性を変換する階調変換手段と、
    前記階調変換手段の出力に対し、少なくとも前記行配線の抵抗分によって発生する電圧降下の影響を補正した補正画像データを算出する補正画像データ算出手段と、
    前記補正画像データの振幅が変調手段の入力範囲に対応するように該補正画像データの振幅を調整するためのゲインを乗算する振幅調整手段と、
    表示されるシーンの切り替えを検出するシーンチェンジ検出部と、
    を備える画像表示装置であって、
    前記階調変換手段は、前記ゲインに対応する階調変換を行い、
    前記振幅調整手段は、前記シーンチェンジ検出部の出力に応じて、各々のフレームに対し算出される前記ゲインに異なるフィルタ処理を行うフィルタ手段を有し、
    前記変調手段は、前記振幅調整手段によって振幅調整された補正画像データを入力として、前記列配線に変調信号を出力する
    画像表示装置。
  2. 複数の行配線及び列配線のそれぞれに接続されマトリクス状に配置された複数の電子放出素子と、
    前記行配線に接続された走査手段と、
    前記列配線に接続された変調手段と、
    前記電子放出素子のそれぞれに対応付けられ、該電子放出素子の駆動条件に対して非線形な発光特性を有する蛍光体と、
    前記蛍光体の発光特性に応じて、入力された画像データの階調特性を変換する階調変換手段と、
    該階調変換手段の出力に対しゲインを乗算するゲイン乗算手段と、
    前記ゲイン乗算手段によりゲインが乗算された画像データに対し、少なくとも前記行配線の抵抗分によって発生する電圧降下の影響を補正した補正画像データを算出する補正画像データ算出手段と、
    前記補正画像データの振幅が前記変調手段の入力範囲に対応するように前記階調変換手段の出力を調整するための前記ゲインを算出するゲイン算出手段と、
    表示されるシーンの切り替えを検出するシーンチェンジ検出部と、
    を備える画像表示装置であって、
    前記階調変換手段は、前記ゲインに対応する階調変換を行い、
    前記ゲイン算出手段は、前記シーンチェンジ検出部の出力に応じて、各々のフレームに対し算出される前記ゲインに異なるフィルタ処理を行うフィルタ手段を有し、
    前記変調手段は、前記補正画像データを入力として、前記列配線に変調信号を出力する画像表示装置。
  3. 前記フィルタ手段は、ローパスフィルタであり、前記シーンチェンジ検出部においてシーンチェンジを検出した直後の所定フレームに対しては、フィルタの強度を弱める
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
  4. 前記フィルタ手段は、前記シーンチェンジ検出部においてシーンチェンジを検出した直後の所定フレームに対してはフィルタ処理を行わず、該シーンチェンジ検出直後の所定フレーム以外のフレームに対してはローパスフィルタとして動作する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
  5. 前記フィルタ手段は、前記シーンチェンジ検出部においてシーンチェンジを検出した直後の所定フレームに対しては、ゲインの値を予め設定された値に変更し、該シーンチェンジ検出直後の所定フレーム以外のフレームに対してはローパスフィルタとして動作する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
  6. 前記フィルタ手段は、前記シーンチェンジ検出部においてシーンチェンジを検出した直後の所定フレームに対しては、該フレームの入力画像データの平均値を参照して推定された値にゲインを変更し、該シーンチェンジ検出直後の所定フレーム以外のフレームに対してはローパスフィルタとして動作する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
  7. 前記シーンチェンジ検出部は、
    フレームごとの入力画像データの平均値を算出する手段と、
    前記平均値のフレーム間の差分を計算し、該差分の絶対値と予め設定された値とを比較し、シーンチェンジの有無を判断する手段と、
    を有する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像表示装置。
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