JP2003162249A - 画像表示装置及び画像表示方法 - Google Patents

画像表示装置及び画像表示方法

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JP2003162249A
JP2003162249A JP2001358566A JP2001358566A JP2003162249A JP 2003162249 A JP2003162249 A JP 2003162249A JP 2001358566 A JP2001358566 A JP 2001358566A JP 2001358566 A JP2001358566 A JP 2001358566A JP 2003162249 A JP2003162249 A JP 2003162249A
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JP2001358566A
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English (en)
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Kohei Inamura
浩平 稲村
Naoto Abe
直人 阿部
Osamu Sagano
治 嵯峨野
Yutaka Saito
裕 齋藤
Takeshi Ikeda
武 池田
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)
  • Control Of El Displays (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ないハードウエアで、表示パネルのマトリ
クス配線が有する電気抵抗による駆動条件の変動を補正
でき階調性にも優れる画像表示装置及び画像表示方法を
提供する。 【解決手段】 入力される画像データに対し、複数の離
散的な基準値を設定し、該画像データ基準値における、
補正データを算出する離散補正データ算出部と、該離散
的な基準値に対する補正データを補間して入力された画
像データの大きさに応じた補正データを算出する補正デ
ータ補間手段と、補正データ補間手段が算出する補正デ
ータと、画像データを演算する演算手段と、を備える画
像表示装置であって、離散補正データ算出部は離散的な
基準値を両端とする時間領域の開始時刻と終了時刻を含
む期間における入力画像データの統計量に基づいて補正
データを算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマトリクス状に配線
された冷陰極素子等の画像を形成するための素子を備え
た画像表示装置であり、特に、画像形成素子から放出さ
れる電子線の照射を受け発光する蛍光面を備え、または
自ら発光することによって、テレビジョン信号やコンピ
ュータなどの表示信号を受信し画像を表示するテレビジ
ョン受信機やディスプレイ装置等の画像表示装置に関す
る。より詳しくは、表示パネルのマトリクス配線(走査
配線)が有する電気抵抗に起因する冷陰極素子駆動電圧
の減少分を補正し、駆動することによって画像を表示す
る装置に関する。
【0002】
【従来の技術】冷陰極素子を備え、冷陰極素子への電気
的な接続配線などの配線抵抗による電圧降下に起因する
輝度低下を補正するために、統計演算によりその補正デ
ータを算出し、電子線要求値と補正値を合成する構成を
有する画像表示装置が、特開平8−248920号に開
示されている。
【0003】この公報記載の画像表示装置の構成を図2
9に示す。本装置におけるデータの補正に係わる構成は
概略以下の通りである。まず、デジタル画像信号の1ラ
イン分の輝度データを合算器206で合算し、この合算
値に対応する補正率データをメモリ207から読み出
す。
【0004】一方、デジタル画像信号はシフトレジスタ
204においてシリアル/パラレル変換され、ラッチ回
路205において所定時間保持された後、所定のタイミ
ングで各列配線毎に備えられる乗算器208に入力され
る。乗算器208において各列配線毎に輝度データとメ
モリ207から読み出された補正データを乗算し、得ら
れた補正後のデータは変調信号発生器209に転送さ
れ、補正後のデータに対応する変調信号が変調信号発生
器209において生成され、この変調信号に基づいて表
示パネル201に画像が表示される。
【0005】ここでは、合算器206におけるディジタ
ル画像信号の1ライン分の輝度データの合算処理のよう
に、ディジタル画像信号に対して総和や平均を算出する
というような統計的な演算処理を行い、この値に基づい
て補正を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の構成においては、各列配線毎の乗算器、補正デ
ータを出力するためのメモリ、メモリにアドレス信号を
与えるための合算器など大規模なハードウエアが必要で
あった。
【0007】本発明は上記の従来技術の課題を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、従来
よりも少ないハードウエアで、表示パネルのマトリクス
配線が有する電気抵抗による駆動条件の変動を補正でき
る画像表示装置及び画像表示方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る画像表示装置にあっては、マトリクス状
に配置され、複数の行配線及び列配線を介して駆動さ
れ、画像形成に用いられる画像形成素子と、前記行配線
を順次選択し走査する走査手段と、前記列配線に接続さ
れ、入力された画像データと前記行配線の電気抵抗によ
る前記画像形成素子に対する駆動条件の変動を補償する
補正データとに基づいて変調電圧波形のパルス幅を変調
した変調信号を印加する変調手段と、1水平走査期間の
前記入力画像データに基づいて、該入力画像データの大
きさとその水平表示位置とに応じた補正データを算出す
る補正データ算出手段であって、入力画像データに対
し、複数の離散的な画像データ基準値を設定し、該画像
データ基準値の画像データに対して補正データを算出す
る離散的補正データ算出手段と、離散的な画像データ基
準値に対する補正データを補間し、入力画像のデータの
大きさに対応した補正データを算出する補正データ補間
部と、を備える補正データ算出手段と、を備える画像表
示装置であって、前記離散的補正データ算出手段は、前
記画像データ基準値に応じた各時刻を境界として、1水
平走査期間を複数の時間領域に分割し、各々の分割され
た時間領域において、画像形成素子から発光されるべき
発光輝度量の総量が、電圧降下の影響による輝度の変動
がない場合に発光されるべき発光輝度量と等しくなるよ
うに、各時間領域を伸長する伸長量を算出する手段と、
各々の時間領域の伸長量を累積して、前記離散的な画像
データの基準値に対応した補正データを算出する手段
と、を備える離散的補正データ算出手段であって、前記
各時間領域を伸長する伸長量を算出する手段は、各時間
領域において、時間領域の開始時刻と終了時刻を含む期
間における入力画像データの統計量を求める統計量算出
手段を備え、前記統計量算出手段の出力に基づいて時間
領域の伸長量を算出する手段であることを特徴とする。
【0009】マトリクス状に配置され、複数の行配線及
び列配線を介して駆動され、画像形成に用いられる画像
形成素子と、前記行配線を順次選択し走査する走査手段
と、1水平走査期間の入力画像データに基づいて、該入
力画像データの大きさとその水平表示位置に応じた補正
画像データを算出する補正画像データ算出手段であっ
て、入力される画像データに対し、複数の離散的な画像
データ基準値を設定し、該画像データ基準値の画像デー
タに対して補正画像データを算出する離散的補正画像デ
ータ算出手段と、離散的な画像データ基準値に対する補
正画像データを補間し、入力画像のデータの大きさに対
応した補正画像データを算出する補正画像データ補間部
を備える補正画像データ算出手段と、を備える補正画像
データ算出手段と、前記補正画像データに基づいて、前
記列配線に変調電圧波形のパルス幅を変調した変調信号
を印加する変調手段と、を備える画像表示装置であっ
て、前記離散的補正画像データ算出手段は、前記画像デ
ータ基準値に応じた各時刻を境界として、1水平走査期
間を複数の時間領域に分割し、各々の分割された時間領
域において、画像形成素子から発光されるべき発光輝度
量の総量が、電圧降下の影響による輝度の変動がない場
合に発光されるべき発光輝度量と等しくなるように、各
時間領域を伸長する伸長量を算出する手段と、各々の時
間領域の伸長量を累積して、前記離散的な画像データの
基準値に対応した補正画像データを算出する手段と、を
備える離散的補正画像データ算出手段であって、前記各
時間領域を伸長する伸長量を算出する手段は、各時間領
域において、時間領域の開始時刻と終了時刻を含む期間
における入力画像データの統計量を求める統計量算出手
段を備え、前記統計量算出手段の出力に基づいて時間領
域の伸長量を算出する手段であることを特徴とする。
【0010】前記各時間領域の開始時刻と終了時刻を含
む期間における入力画像データの統計量を算出する手段
は、前記時間領域の開始時刻に対応するデータ基準値を
N1とし、前記時間領域の終了時刻に対応するデータ基
準値をN2とし、前記入力画像データをDとして、前記
行配線を分割した各々の領域ごとにN1とDとの比較結
果から算出される第1の統計量算出手段と、前記行配線
を分割した各々の領域ごとにDとN1とN2から算出さ
れる第2の統計量算出手段とを備えることが好適であ
る。
【0011】前記各時間領域の開始時刻と終了時刻を含
む期間における入力画像データの統計量を算出する手段
は、前記時間領域の開始時刻に対応するデータ基準値を
N1とし、前記時間領域の終了時刻に対応するデータ基
準値をN2とし、前記入力画像データをDとして、前記
行配線を分割した各々の領域ごとにDがN1よりも大で
あるものの個数の総和を算出する第1の統計量算出手段
と、前記行配線を分割した各々の領域ごとにDに対して F(D)=0 (D<N1のとき) F(D)=(D−N1)/(N2−N1) (N1≦D
<N2のとき) F(D)=1 (D≧N2のとき) となる関数F(D)の値の総和を算出する第2の統計量
算出手段とを備えることが好適である。
【0012】前記第1の統計量算出手段は、1水平走査
期間ごとの前記入力画像データDに対し、前記時間領域
の開始時刻に対応するデータ基準値をN1とし、前記時
間領域の終了時刻に対応するデータ基準値をN2とし
て、前記行配線を分割した各々の領域ごとに、前記入力
画像データDと各時間領域の開始時刻に対応するデータ
基準値N1との比較を行うコンパレート手段と、比較の
結果をカウントするカウント手段と、を備え、前記第2
の統計量算出手段は、1水平走査期間ごとの入力画像デ
ータに対し、前記行配線を分割した各々の領域ごとに、
DとN2のうち小さい方の値Dを出力D’として出力す
るリミット手段と、D’−N1を計算して計算結果が正
ならばその値を、計算結果が負であれば0を出力Eとし
て出力する減算手段と、E/(N2−N1)を計算して
加算する手段と、を備えることが好適である。
【0013】前記行配線に沿って設定された領域に接続
された画像形成素子の水平方向の個数の素子数は、2の
整数乗に比例することが好適である。
【0014】前記行配線に沿って設定された領域に含ま
れる水平方向の画素数は、2の整数乗に比例することが
好適である。
【0015】前記画像データに対して設定される画像デ
ータの基準値の間隔は、2の整数乗に比例することが好
適である。
【0016】前記入力された画像データの補正に関する
処理に要する時間に相当する時間分、前記入力された画
像データを遅延させる遅延手段を備えたことが好適であ
る。
【0017】前記画像形成素子は、印加された電圧によ
り電子を放出する電子放出素子であることが好適であ
る。
【0018】前記電子放出素子は、冷陰極素子であるこ
とが好適である。
【0019】前記冷陰極素子は、表面伝導型放出素子で
あることが好適である。
【0020】前記冷陰極素子は、電界放出型素子である
ことが好適である。
【0021】前記画像形成素子から放出された電子が衝
突して蛍光を発する蛍光部材を備えることが好適であ
る。
【0022】前記画像形成素子は、EL素子であること
が好適である。
【0023】また、上記目的を達成するために本発明に
係る画像表示方法にあっては、マトリクス状に配置さ
れ、複数の行配線及び列配線を介して駆動され、画像形
成に用いられる画像形成素子と、前記行配線を順次選択
し走査する走査手段と、前記列配線に接続され、入力さ
れた画像データと前記行配線の電気抵抗による前記画像
形成素子に対する駆動条件の変動を補償する補正データ
とに基づいて変調電圧波形のパルス幅を変調した変調信
号を印加する変調手段と、を備え、前記行配線に順次選
択信号を与え、前記列配線のそれぞれに入力される画像
データに応じた変調信号を与えることによって画像を表
示する画像表示方法において、1水平走査期間の前記入
力画像データに基づいて、該入力画像データの大きさと
その水平表示位置とに応じた補正データを算出する補正
データ算出工程を備え、該補正データ算出工程は、入力
画像データに対し、複数の離散的な画像データ基準値を
設定し、該画像データ基準値の画像データに対して補正
データを算出する離散的補正データ算出工程と、離散的
な画像データ基準値に対する補正データを補間し、入力
画像のデータの大きさに対応した補正データを算出する
補正データ補間工程と、を含み、前記離散的補正データ
算出工程は、前記画像データ基準値に応じた各時刻を境
界として、1水平走査期間を複数の時間領域に分割し、
各々の分割された時間領域において、画像形成素子から
発光されるべき発光輝度量の総量が、電圧降下の影響に
よる輝度の変動がない場合に発光されるべき発光輝度量
と等しくなるように、各時間領域を伸長する伸長量を算
出工程と、各々の時間領域の伸長量を累積して、前記離
散的な画像データの基準値に対応した補正データを算出
する工程と、を含み、前記各時間領域を伸長する伸長量
を算出する工程は、各時間領域において、時間領域の開
始時刻と終了時刻を含む期間における入力画像データの
統計量を求める統計量算出工程を含み、前記統計量算出
工程の出力に基づいて時間領域の伸長量を算出する工程
であることを特徴とする。
【0024】マトリクス状に配置され、複数の行配線及
び列配線を介して駆動され、画像形成に用いられる画像
形成素子と、前記行配線を順次選択し走査する走査手段
と、前記列配線に接続され、補正画像データに基づいて
変調電圧波形のパルス幅を変調した変調信号を印加する
変調手段と、を備え、前記行配線に順次選択信号を与
え、前記列配線のそれぞれに入力される画像データに応
じた変調信号を与えることによって画像を表示する画像
表示方法において、1水平走査期間の前記入力画像デー
タに基づいて、該入力画像データの大きさとその水平表
示位置に応じた前記補正画像データを算出する補正画像
データ算出工程を備え、該補正画像データ算出工程は、
入力画像データに対し、複数の離散的な画像データ基準
値を設定し、該画像データ基準値の画像データに対して
補正画像データを算出する離散的補正画像データ算出工
程と、離散的な画像データ基準値に対する補正画像デー
タを補間し、入力画像のデータの大きさに対応した補正
画像データを算出する補正画像データ補間工程と、を含
み、前記離散的補正画像データ算出工程は、前記画像デ
ータ基準値に応じた各時刻を境界として、1水平走査期
間を複数の時間領域に分割し、各々の分割された時間領
域において、画像形成素子から発光されるべき発光輝度
量の総量が、電圧降下の影響による輝度の変動がない場
合に発光されるべき発光輝度量と等しくなるように、各
時間領域を伸長する伸長量を算出する工程と、各々の時
間領域の伸長量を累積して、前記離散的な画像データの
基準値に対応した補正画像データを算出する工程と、を
含み、前記各時間領域を伸長する伸長量を算出する工程
は、各時間領域において、時間領域の開始時刻と終了時
刻を含む期間における入力画像データの統計量を求める
統計量算出工程を含み、前記統計量算出工程の出力に基
づいて時間領域の伸長量を算出する工程であることを特
徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が
ない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣
旨のものではない。
【0026】本願発明が適用できる構成において採用で
きる表示素子としては冷陰極素子やEL素子などが挙げ
られる。以下では表示素子として冷陰極素子、特には表
面伝導型放出素子を用いた構成を例にあげて説明する。
【0027】(第1の実施形態)本発明は、冷陰極素子
を単純マトリクスに配置した表示装置においては、走査
配線に流れ込む電流と、走査配線の配線抵抗により電圧
降下が発生し、表示画像が劣化するという現象に鑑み、
このような走査配線における電圧降下が表示画像に与え
る影響を補正する処理回路を備えた画像表示装置に関
し、特に、それを比較的小さな回路規模で実現するもの
である。
【0028】本発明の補正回路は、入力画像データに応
じて電圧降下のために生じる表示画像の劣化を計算し、
それを補正する補正データを求め、画像データに補正を
施すものである。
【0029】このような補正回路を内蔵した画像表示装
置として、発明者らは以下に示すような方式の画像表示
装置について鋭意検討を行ってきた。
【0030】以下、本発明について説明するに際して、
本発明の実施形態に係る画像表示装置の表示パネルの概
観、表示パネルの電気的接続、表面伝導型放出素子の特
性、表示パネルの駆動方法、及び、このような表示パネ
ルによって画像を表示する際の走査配線の電気抵抗に起
因する駆動電圧の低下の機構について説明した後に、本
発明の特徴である電圧降下の影響に対する補正方法及び
装置について説明する。
【0031】(画像表示装置の概観)図1は、本実施形
態に係る画像表示装置に用いた表示パネルの斜視図であ
り、内部構造を示すためにパネルの一部を切り欠いて示
している。図中、1005はリアプレート、1006は
側壁、1007はフェースプレートであり、1005〜
1007により表示パネルの内部を真空に維持するため
の気密容器を形成している。
【0032】リアプレート1005には、基板1001
が固定されているが、該基板上には冷陰極素子1002
がN×M個形成されている。行配線(走査配線)100
3、列配線(変調配線)1004及び冷陰極素子(画像
形成素子)は図2のように接続されている。
【0033】このような結線構造を単純マトリクスと呼
んでいる。
【0034】また、フェースプレート1007の下面に
は、蛍光膜1008が形成されている。本実施形態に係
る画像表示装置はカラー表示装置であるため、蛍光膜1
008の部分にはCRTの分野で用いられる赤、緑、
青、の3原色の蛍光体が塗り分けられている。
【0035】蛍光体は、リアプレートの各画素(絵素)
に対応してマトリクス状に形成された、冷陰極素子10
02からの放出電子(放出電流)の照射される位置に対
して、画素を形成するように構成されている。
【0036】蛍光膜1008の下面にはメタルバック1
009が形成されている。
【0037】Hvは高圧端子でありメタルバック100
9に電気的に接続されている。Hv端子に高電圧を印加
することによりリアプレート1005とフェースプレー
ト1007の間に高電圧が印加される。
【0038】本実施形態では、以上のような表示パネル
の中に冷陰極素子として表面伝導型放出素子を作製し
た。冷陰極素子としては電界放出型の素子を用いること
もできる。また、冷陰極素子以外のEL素子のような自
ら発光する素子をマトリクス状配線に接続して駆動する
画像表示装置にも本発明を適用することができる。
【0039】(表面伝導型放出素子の特性)表面伝導型
放出素子は、図3のような(放出電流Ie)対(素子印
加電圧Vf)特性、及び(素子電流If)対(素子印加
電圧Vf)特性を有する。なお、放出電流Ieは素子電
流Ifに比べて著しく小さく、同一尺度で図示するのが
困難であるため、2本のグラフは各々異なる尺度で図示
した。
【0040】すなわち、放出電流Ieに関して以下に述
べる3つの特性を有している。
【0041】第一に、ある電圧(これを閾値電圧Vth
と呼ぶ)以上の電圧を素子に印加すると急激に放出電流
Ieが増加するが、一方、閾値電圧Vth未満の電圧で
は放出電流Ieはほとんど検出されない。
【0042】すなわち、放出電流Ieに関して、明確な
閾値電圧Vthを持った非線形素子である。
【0043】また第二、に放出電流Ieは素子に印加す
る電圧Vfに依存して変化するため、電圧Vfを可変す
ることにより、放出電流Ieの大きさを制御できる。
【0044】また第三に、冷陰極素子は高速な応答性を
有しているため、電圧Vfの印加時間により放出電流I
eの放出時間を制御できる。
【0045】以上のような特性を有するため、表面伝導
型放出素子を表示装置に好適に用いることができる。
【0046】例えば、図1に示した表示パネルを用いた
画像表示装置において、第一の特性を利用すれば、表示
画面を順次走査して表示を行うことが可能である。すな
わち、駆動中の素子には所望の発光輝度に応じて閾値電
圧Vth以上の電圧を適宜印加し、非選択状態の素子に
は閾値電圧Vth未満の電圧を印加する。駆動する素子
を順次切り替えることにより、表示画面を順次走査して
表示を行うことが可能である。
【0047】また、第二の特性を利用することにより、
素子に印加する電圧Vfにより、蛍光体の発光輝度を制
御することができ、画像表示を行うことが可能である。
【0048】また、第三の特性を利用することにより、
素子に電圧Vfを印加する時間により、蛍光体の発光時
間を制御することができ、画像の表示を行うことができ
る。
【0049】本発明の画像表示装置では表示パネルの電
子ビームの量を上記第三の特性を用いて変調を行った。
【0050】(表示パネルの駆動方法)図4を用いて本
発明の表示パネルの駆動方法を具体的に説明する。
【0051】図4は本発明の表示パネルを駆動した際に
走査配線及び変調配線の電圧供給端子に印加した電圧の
一例である。
【0052】いま、水平走査期間Iはi行目のピクセル
を発光させる期間とする。i行目のピクセルを発光させ
るためには、i行目の走査配線を選択状態とし、その電
圧供給端子Dxiに選択電位Vsを印加する。また、そ
れ以外の走査配線の電圧供給端子Dxk(k=1,
2,...N、但しk≠i)は非選択状態とし、非選択
電位Vnsを印加する。
【0053】本例では、選択電位Vsを図3に記載の電
圧VSELの半分の−0.5VSELに設定し、非選択電位V
nsはGND電位とした。
【0054】また変調配線の電圧供給端子には、電圧振
幅|Vpwm|のパルス幅変調信号を供給した。ここで
変調配線に印加する電圧振幅とは、オフ時の変調配線電
位と変調電位Vpwmとの電位差である。ここでは、オ
フ時の変調配線電位は前記基準電位と等しくしているた
め電圧振幅|Vpwm|である。
【0055】j番目の変調配線に供給するパルス幅変調
信号のパルス幅は、従来、補正を行わない場合は、表示
する画像の第i行第j列のピクセルの画像データの大き
さに応じて決定し、すべての変調配線に各々のピクセル
の画像データの大きさに応じたパルス幅変調信号を供給
していた。
【0056】なお、本発明においては、後述するよう
に、電圧降下の影響による、輝度の低下を補正するため
に、j番目の変調配線に供給するパルス幅変調信号のパ
ルス幅は、表示する画像の第i行第j列のピクセルの画
像データの大きさと、その補正量に応じて決定し、すべ
ての変調配線にパルス幅変調信号を供給する。
【0057】本実施形態では、電圧Vpwmの電圧は+
0.5VSELに設定した。
【0058】表面伝導型放出素子は、図3に示したよう
に素子の両端に電圧VSELが印加されると電子を放出さ
せるが、印加電圧がVthよりも小さい電圧ではまった
く電子を放出しない。
【0059】また、電圧Vthは図3に示すように、
0.5VSELよりも大きいという特徴がある。
【0060】このため、非選択電位Vnsが印加されて
いる走査配線に接続された表面伝導型放出素子からは電
子は放出されない。
【0061】また同じように、パルス幅変調手段の出力
がグランド電位である期間(以降、出力が”L”の期間
と呼ぶ)は、選択された走査配線上の表面伝導型放出素
子の両端に印加される電圧はVsであるため、電子は放
出されない。
【0062】選択電位Vsが印加された走査配線上の表
面伝導型放出素子からは、パルス幅変調手段の出力がV
pwmである期間(以降、出力が”H”の期間と呼ぶ)
に応じて電子が放出される。電子が放出されれば放出さ
れた電子ビームの量に応じて前述の蛍光体が発光するた
め、放出された時間に応じた輝度を発光させることがで
きる。
【0063】本発明に係る画像表示装置も、このような
表示パネルを線順次走査、パルス幅変調することによっ
て画像を表示している。
【0064】(走査配線での電圧降下について)ここで
の課題は、表示パネルの走査配線における電圧降下によ
って、走査配線上の電位が上昇することにより、表面伝
導型放出素子に印加される電圧が減少するため、表面伝
導型放出素子からの放出電流が低減してしまうことであ
る。以下、この電圧降下の機構について説明する。
【0065】表面伝導型放出素子の設計仕様や製法によ
っても異なるが、表面伝導型放出素子の1素子分の素子
電流は電圧VSELを印加した場合に数100μA程度で
ある。
【0066】このため、ある水平走査期間において選択
された走査線上の1ピクセルのみを発光させ、それ以外
のピクセルは発光させない場合には、変調配線から選択
行の走査配線に流入する素子電流は1ピクセル分の電流
(すなわち上述の数100μA)だけであるため、電圧
降下はほとんど生じることはなく、発光輝度が低下する
ことはない。
【0067】しかし、ある水平走査期間において、選択
された行の全ピクセルを発光させる場合には、全変調配
線から選択状態としている走査配線に対し、全ピクセル
分の電流が流入するため、電流の総和は数100mA〜
数Aとなり、走査配線の配線抵抗によって走査配線上に
電圧降下が発生していた。
【0068】走査配線上に電圧降下が発生すれば、表面
伝導型放出素子の両端に印加される電圧が低下する。こ
のため表面伝導型放出素子から発光される放出電流が低
下してしまい、結果として発光輝度が低下していた。
【0069】具体的に、表示画像として、図5(a)に
示したような黒の背景に白い十字状のパターンを表示し
た場合を考えてみる。
【0070】すると同図の行Lを駆動する際には、点灯
しているピクセルの数が少ないため、その行の走査配線
上にはほとんど電圧降下が生じない。その結果各ピクセ
ルの表面伝導型放出素子からは所望の量の放出電流が放
出され、所望の輝度で発光させることができる。
【0071】一方、同図の行L’を駆動する際には、同
時にすべてのピクセルが点灯するため、走査配線上に電
圧降下が発生し、各ピクセルの表面伝導型放出素子から
の放出電流が減少する。その結果、行L’のラインでは
輝度が低下することとなる。
【0072】このように、1水平ラインごとの画像デー
タの違いにより、電圧降下によって受ける影響が変化す
るため、図5(a)のような十字パターンを表示する際
には同図(b)のような画像が表示されてしまってい
た。
【0073】なお、この現象は十字パターンに限るもの
ではなく、例えばウインドウパターンや、自然画像を表
示した際にも発生するものである。
【0074】また、さらに複雑なことに、電圧降下の大
きさはパルス幅変調によって変調を行うことにより1水
平走査期間の中でも変化する性質を持っている。
【0075】各列に供給するパルス幅変調信号が、図4
に示したように入力されるデータに対し、そのデータの
大きさに依存したパルス幅の、立ち上がりが同期したパ
ルス幅変調信号を出力する場合には、入力画像データに
もよるが一般的には、1水平走査期間の初めほど点灯し
ているピクセルの数が多く、その後輝度の低い箇所から
順に消灯していくため、点灯するピクセルの数は一水平
走査期間の中では、時間を追って減少する。
【0076】したがって走査配線上に発生する電圧降下
の大きさも、1水平走査期間の初めほど大きく次第に減
少していく傾向がある。
【0077】パルス幅変調信号は変調の1階調に相当す
る時間ごとに出力が変化するため、電圧降下の時間的な
変化もパルス幅変調信号の1階調に相当する時間毎に変
化する。
【0078】以上、走査配線における電圧降下について
説明した。
【0079】次に、本発明の特徴である電圧降下の影響
に対する補正の仕方について詳述する。
【0080】(電圧降下の計算方法)発明者らは、電圧
降下の影響を低減するための補正量を求めるには、まず
その第一段階として、電圧降下の大きさとその時間変化
をリアルタイムに予測するハードウエアを開発すること
が必要と考えた。
【0081】しかし、本発明のような画像表示装置の表
示パネルとしては、数千本もの変調配線を備えることが
一般的であり、変調配線のすべてと走査配線との交点の
電圧降下を計算することは非常に困難であるとともに、
それをリアルタイムで計算するハードウエアを作製する
ことは現実的ではなかった。
【0082】ここで、発明者らが電圧降下の検討を行っ
た結果、以下のような特徴があることを見いだした。
【0083】i)一水平走査期間のある時点において
は、走査配線上に発生する電圧降下は走査配線上で空間
的に連続的な量であり非常に滑らかなカーブである。
【0084】ii)電圧降下の大きさは表示画像によっ
ても異なるが、パルス幅変調の1階調に相当する時間毎
に変化するが、概略的には、パルスの立ち上がり部分ほ
ど大きく、時間的には次第に小さくなるか、もしくはそ
の大きさを維持するかのどちらかである。
【0085】すなわち、図4のような駆動方法では1水
平走査期間の中で電圧降下の大きさが増加することはな
い。
【0086】そこで発明者らは、上述したような特徴を
鑑みて、以下のような近似モデルにより簡略化して計算
を行うことによって、計算量を低減できないか検討を行
った。
【0087】まず、i)の特徴から、ある時点の電圧降
下の大きさを計算するのに際して、数千本もの変調配線
を数本〜数十本の変調配線に集中化した縮退モデルによ
って近似的に簡略化して計算することができないか検討
を行った。(これについては以下の縮退モデルによる電
圧降下の計算で詳細に説明する。)。
【0088】また、ii)に挙げた特徴から、1水平走
査期間の中に複数の時刻を設け、各時刻に対し電圧降下
を計算することで電圧降下の時間変化を概略的に予測す
ることとした。
【0089】具体的には以下で説明する縮退モデルによ
る電圧降下の計算を複数の時刻に対して計算することに
よって、電圧降下の時間変化を概略的に予測した。
【0090】(縮退モデルによる電圧降下の計算)図6
(a)は、本発明の縮退を行う際のブロック及びノード
を説明するための図である。
【0091】同図では図を簡略化するため、選択された
走査配線と各変調配線及びその交差部に接続される表面
伝導型放出素子のみを記載した。
【0092】いま、一水平走査期間の中のある時刻であ
って、選択された走査配線上の各ピクセルの点灯状態
(すなわち変調手段の出力が”H”であるか、”L”で
あるか)がわかっているものとする。
【0093】この点灯状態において、各変調配線から選
択された走査配線へ流れ込む素子電流をIfi(i=
1,2,...N, iは列番号)と定義する。
【0094】また、同図に示すように、n本の変調配線
と選択された走査配線のそれと交差する部分及び、その
交点に配置される表面伝導型放出素子を1つのグループ
としてブロックを定義する。本例では、ブロック分けを
行うことで4つのブロックに分割された。
【0095】また、各々のブロックの境界位置において
ノードという位置を設定した。ノードとは、縮退モデル
において走査配線上に発生する電圧降下量を離散的に計
算するための水平位置(基準点)である。ここで、分割さ
れたブロックはノード(基準点)によって分割された走
査配線の領域に接続される表面伝導型放出素子によって
構成されている。
【0096】本例ではブロックの境界位置に、ノード0
〜ノード4の5つのノードを設定した。
【0097】図6(b)は縮退モデルを説明するための
図である。
【0098】縮退モデルでは同図(a)の1ブロックに
含まれるn本の変調配線を1本に縮退化し、それが走査
配線のブロックの中央に位置するように接続した。
【0099】また、集中化された各々のブロックの変調
配線には電流源が接続されており、各電流源から各々の
ブロック内の電流の総和(統計量)IF0〜IF3が流
れ込むものとした。
【0100】すなわち、IFj(j=0,1,…3)
は、
【数1】 として表される電流である。
【0101】また、走査配線の両端の電位が同図(a)
の例ではVsであるのに対し、同図(b)ではGND電
位としているのは、電圧降下とは2点間の電位差のこと
であり、縮退モデルでは、変調配線から選択した走査配
線に流れ込む電流を上記電流源によりモデリングしたこ
とにより、走査配線上の各部の電圧降下量は、その給電
部を基準電位として各部の電圧(電位差)を算出するこ
とにより計算できるためである。
【0102】また、表面伝導型放出素子を省略している
のは、選択された走査配線からみた場合に、列配線から
同等の電流が流れ込めば、表面伝導型放出素子の有無に
よらず、発生する電圧降下自体は変わらないためであ
る。したがって、ここでは、各ブロックの電流源から流
れ込む電流値を各ブロック内の素子電流の総和の電流値
(式1)に設定することで表面伝導型放出素子を省略し
た。
【0103】また、各ブロックの走査配線の配線抵抗は
一区間の走査配線の配線抵抗rのn倍とした(ここで一
区間とは走査配線の、ある列配線との交差部とその隣の
列配線との交差部の間のことを指している。また本例で
は、一区間の走査配線の配線抵抗は均一であるものとし
た。)。
【0104】このような縮退モデルにおいて、走査配線
上の各ノードにおいて発生する電圧降下量DV0〜DV
4は以下のような積和形式の式により、簡単に計算する
ことができる。
【0105】
【数2】 すなわち、
【数3】 である。
【0106】ただし、aijは縮退モデルにおいてj番
目のブロックだけに単位電流を注入したときに、i番目
のノードに発生する電圧である。(以下、これをaij
の定義とする。)。
【0107】上記のaijはキルヒホフの法則により以
下のように簡単に導出できる。
【0108】すなわち、図6(b)において、ブロック
iの電流源からみた走査配線の左側の供給端子までの配
線抵抗をrli(i=0,1,2,3),右側の供給端
子までの配線抵抗をrri(i=0,1,2,3),ブ
ロック0と左の供給端子との間の配線抵抗及びブロック
4と右の供給端子との間の配線抵抗をいずれもrtと定
義すれば、
【数4】 さらに、
【数5】 とおくと、aijは、
【数6】 のように簡単に導出できる。
【0109】ただし、(式3)において、A//Bは、
抵抗Aと抵抗Bの並列の抵抗値を表す記号であって、A
//B=A×B/(A+B)である。
【0110】(式2)はブロック数が4でない場合にお
いても、aijの定義を顧みれば、キルヒホフの法則に
よって簡単に算出することができる。また本例のように
走査配線の両側に給電端子を備えず片側のみに備える場
合においても、aijの定義に従って計算することによ
り簡単に算出できる。
【0111】なお、(式3)によって定義されるパラメ
ータaijは計算を行うたびに計算し直す必要はなく、
一度計算してテーブルとして記憶しておけばよい。
【0112】さらに、(式1)で定めた各ブロックの総
和電流IF0〜IF3に対し、
【数7】 に示す式(4)のような近似を行った。
【0113】ただし、上式においてCount iは選
択された走査線上のi番目のピクセルが点灯状態である
場合には1をとり、消灯状態である場合には0をとる変
数である。
【0114】IFSは表面伝導型放出素子1素子の両端
に電圧VSELを印加したときに流れる素子電流IFに対
し、0〜1の間の値をとる係数αをかけた量である。
【0115】すなわち、
【数8】 と定義した。
【0116】(式4)は、選択された走査配線に対し各
ブロックの列配線から該ブロック内の点灯数に比例した
素子電流が流れ込むものとしている。この際1素子の素
子電流IFに係数αをかけたものを1素子の素子電流I
FSとしたのは、電圧降下により走査配線の電圧が上昇
することにより、素子電流の量が減少することを考慮し
た。
【0117】図6(c)は、ある点灯状態において、縮
退モデルにより各ノードの電圧降下量DV0〜DV4を
計算した結果の一例である。
【0118】電圧降下は非常に滑らかなカーブとなるた
め、ノードとノードの間の電圧降下は近似的には図の点
線に示したような値をとると想定される。
【0119】このように本縮退モデルを用いれば、任意
の画像データに対し所望の時点でのノードごとの電圧降
下を計算することが可能である。
【0120】以上、ある点灯状態における電圧降下量
を、縮退モデルを用いて簡単に計算した。
【0121】選択された走査配線上に発生する電圧降下
は、一水平走査期間内で時間的に変化するが、これにつ
いては前述したように一水平走査期間中のいくつかの時
刻(基準時刻)に対して、そのときの点灯状態を求め、
その点灯状態に対し縮退モデルを用いて電圧降下を計算
することにより予測した。
【0122】なお、一水平走査期間のある時点での各ブ
ロック内の点灯数は各ブロックの画像データを参照すれ
ば簡単に求めることができる。
【0123】いま、1つの例としてパルス幅変調回路へ
の入力データのビット数が8ビットであるものとし、パ
ルス幅変調回路は、入力データの大きさに対してリニア
なパルス幅を出力するものとする。
【0124】すなわち、入力データが0のときは、出力
は”L”となり、入力データが255のとき一水平走査
期間の間は”H”を出力し、入力データが128のとき
には一水平走査期間のうち初めの半分の期間は”H”を
出力し、後の半分の期間は”L”を出力するものとす
る。
【0125】このような場合、パルス幅変調信号の立ち
上がった時刻(開始時刻)の点灯数は、パルス幅変調回
路への入力データが0よりも大きいものの数をカウント
すれば簡単に検出できる。
【0126】同様に一水平走査期間の中央の時刻の点灯
数は、パルス幅変調回路への入力データが128よりも
大きいものの数をカウントすれば簡単に検出できる。
【0127】このように画像データをある閾値に対して
コンパレートし、コンパレータの出力が真である数をカ
ウントすれば、任意の時間における点灯数が簡単に計算
することができる。
【0128】ここで以降の説明を簡単化するため、タイ
ムスロットという時間量を定義する。
【0129】すなわち、タイムスロットとは、一水平走
査期間の中のパルス幅変調信号の立ち上がりからの時間
を表しており、タイムスロット=0とは、パルス幅変調
信号の開始時刻(この場合は立ち上がり)直後の時刻を
表すものと定義する。
【0130】タイムスロット=64とは、パルス幅変調
信号の開始時刻から、64階調分の時間が経過した時刻
を表すものと定義する。
【0131】同様にタイムスロット=128とは、パル
ス幅変調信号の開始時刻から、128階調分の時間が経
過した時刻を表すものと定義する。
【0132】なお、本例ではパルス幅変調は立ち上がり
時刻を基準として、そこからのパルス幅を変調した例を
示したが、同様に、パルスの立ち下がり時刻を基準とし
て、パルス幅を変調する場合でも、時間軸の進む方向と
タイムスロットの進む方向が逆となるが、同様に適用す
ることができることはいうまでもない。
【0133】(電圧降下量から補正データの計算)上述
したように、縮退モデルを用いて繰り返し計算を行うこ
とで一水平走査期間中の電圧降下の時間変化を近似的か
つ離散的に計算することができた。
【0134】図7は、ある画像データに対して、電圧降
下を繰り返し計算し、走査配線での電圧降下の時間変化
を計算した例である(ここに示されている電圧降下及び
その時間変化は、ある画像データに対する一例であっ
て、別の画像データに対する電圧降下は、また別の変化
をすることは当然である。)。
【0135】同図ではタイムスロット=0,64,12
8,192の4つの時点に対して、各々縮退モデルを適
用して計算を行い、それぞれの時刻の電圧降下を離散的
に計算した。
【0136】図7では各ノードにおける電圧降下量を点
線で結んでいるが、点線は図を見やすくするために記載
したものであって、本縮退モデルにより計算された電圧
降下は□、○、△で示した各ノードの位置において離散
的に計算した。
【0137】発明者らは、電圧降下の大きさとその時間
変化を計算可能となった次の段階として、電圧降下量か
ら画像データを補正する補正データを算出する方法につ
いて検討を行った。
【0138】図8は、選択した走査配線上に図7に示し
た電圧降下が発生した際に、点灯状態にある表面伝導型
放出素子から放出される放出電流を見積もったグラフで
ある。
【0139】縦軸は電圧降下がないときに放出される放
出電流の大きさを100%として、各時間、各位置の放
出電流の量を百分率で表しており、横軸は水平位置を表
している。
【0140】図8に示すように、ノード2の水平位置
(基準点)において、 タイムスロット=0の時の放出電流をIe0、 タイムスロット=64の時の放出電流をIe1、 タイムスロット=128の時の放出電流をIe2、 タイムスロット=192の時の放出電流をIe3、 とする。
【0141】図8は、図7の電圧降下量と図3の“駆動
電圧対放出電流”のグラフから計算した。具体的には電
圧VSELから電圧降下量を引いた電圧が印加された際の
放出電流の値を単に機械的にプロットしたものである。
【0142】したがって、図8はあくまで点灯状態にあ
る表面伝導型放出素子から放出される電流を意味してお
り、消灯状態にある表面伝導型放出素子が電流を放出す
ることはない。
【0143】以下に、電圧降下量から画像データを補正
する補正データを算出する方法について説明する。
【0144】図9(a),(b),(c)は図8の放出
電流の時間変化から、電圧降下量の補正データを計算す
る方法を説明するための図である。同図は大きさが64
の画像データに対する補正データを算出した例である。
【0145】輝度の発光量は、放出電流パルスによる放
出電流を時間的に積分した、放出電荷量に他ならない。
したがって以降では、電圧降下による輝度の変動を考え
るのにあたって、放出電荷量をもとに説明を行う。
【0146】いま、電圧降下の影響がない場合の放出電
流をIE、パルス幅変調の1階調に相当する時間をΔt
とするならば、画像データが64のときの、放出電流パ
ルスによって放出されるべき放出電荷量Q0は、放出電
流パルスの振幅IEにパルス幅(64×Δt)をかけ
て、
【数9】 としてあらわすことができる。
【0147】しかし、実際には、走査配線上の電圧降下
によって放出電流が低下する現象が発生する。
【0148】電圧降下の影響を考慮した放出電流パルス
による放出電荷量は、近似的には次のように計算でき
る。すなわち、ノード2のタイムスロット=0、64の
放出電流をそれぞれIe0、Ie1とし、0〜64の間
の放出電流はIe0とIe1の間を直線的に変化するも
のと近似すれば、この間の放出電荷量Q1は図9(b)
の台形の面積、すなわち、
【数10】 として計算できる。
【0149】次に、図9(c)に示すように、電圧降下
による放出電流の低下分を補正するために、パルス幅を
DC1だけ伸ばしたとき、電圧降下の影響を除去できた
とする。
【0150】また、電圧降下の補正を行い、パルス幅を
伸ばした場合には、各タイムスロットにおける放出電流
量は変化すると考えられるが、ここでは簡単化のため、
図9(c)のように、タイムスロット=0では、放出電流
がIe0、タイムスロット=(64+DC1)における
放出電流がIe1になるものとする。
【0151】また、タイムスロット0とタイムスロット
(64+DC1)の間の放出電流は、2点の放出電流を
直線で結んだ線上の値をとるものと近似する。
【0152】すると、補正後の放出電流パルスによる放
出電荷量Q2は、
【数11】 として計算できる。
【0153】これが前述のQ0と等しいとすれば、
【数12】 となる。
【0154】これをDC1について解けば、
【数13】 となる。
【0155】このようにして、画像データが64の場合
の補正データを算出した。
【0156】すなわち、ノード2の位置の、大きさが6
4の画像データに対しては(式9)に記載のように、C
Data=DC1だけ補正量を加算すればよい。
【0157】図10は計算された電圧降下量から、大き
さが128の画像データに対する補正データを算出した
例である。
【0158】いま、電圧降下の影響がない場合、画像デ
ータが128のときに放出電流パルスによって放出され
る放出電荷量Q3は、
【数14】 である。
【0159】一方、電圧降下の影響を受けた、実際の放
出電流パルスによる投入電荷量は、近似的には次のよう
に計算することができる。
【0160】すなわち、ノード2のタイムスロット=
0、64、128の放出電流量をそれぞれIe0,Ie
1,Ie2とする。また、0〜64の間の放出電流はI
e0とIe1の間を直線的に変化し、64〜128の間
はIe1とIe2の間を直線で結んだ線上を変化するも
のと近似すれば、0〜128までのタイムスロットの間
の放出電荷量Q4は図10(b)の2つの台形の面積の
和、すなわち、
【数15】 として計算できる。
【0161】一方、電圧降下の補正量を以下のように計
算した。
【0162】タイムスロット0〜64に相当する期間を
期間1、64〜128に相当する期間を期間2と定義す
る。
【0163】補正を施した際に、期間1の部分がDC1
だけ伸びて期間1‘に伸長され、期間2の部分がDC2
だけ伸びて、期間2’に伸長されるものと考える。
【0164】この際におのおのの期間は補正を施される
ことにより、放出電荷量が前述のQ0と同じになるもの
とする。
【0165】また、各期間の初めと終わりの放出電流
は、補正を行うことで変化することは言うまでもない
が、ここでは計算を簡単化するため、変化しないものと
仮定した。
【0166】すなわち、期間1’の初めの放出電流はI
e0,期間1’の終わりの放出電流はIe1,期間2’
の初めの放出電流はIe1、期間2’の終わりの放出電
流は、Ie2であるものとする。
【0167】すると、DC1は(式9)と同様にして計
算することができる。
【0168】また、DC2は、同様な考え方により、
【数16】 として計算することができる。
【0169】結果としてノード2の位置の大きさが12
8の画像データに対しては、
【数17】 だけ補正量を加算すればよい。
【0170】図11は、計算された電圧降下量から、大
きさが192の画像データに対する補正データを算出し
た例である。
【0171】いま、画像データが192のときに期待さ
れる放出電流パルスによる放出電荷量Q5は、
【数18】 である。
【0172】一方、電圧降下の影響を受けた、実際の放
出電流パルスによる放出電荷量は、近似的には次のよう
に計算することができる。
【0173】すなわち、ノード2のタイムスロット=0
の時の放出電流をIe0、タイムスロット=64の時の
放出電流をIe1、タイムスロット=128の時の放出
電流をIe2、タイムスロット=192の時の放出電流
をIe3とし、0〜64の間の放出電流はIe0とIe
1の間を直線的に変化し、64〜128の間はIe1と
Ie2の間を直線で結んだ線上を変化し、128〜19
2の間はIe2とIe3の間を直線で結んだ線上を変化
するものと近似すれば、0〜192までのタイムスロッ
トの間の投入電荷量Q6は図11(b)の3つの台形の
面積、すなわち、
【数19】 として計算できる。
【0174】一方、電圧降下の補正量を以下のように計
算した。
【0175】タイムスロット0〜64に相当する期間を
期間1、64〜128に相当する期間を期間2、128
〜192に相当する期間を期間3と定義する。
【0176】先ほどと同様に、補正を施した後には、期
間1の部分がDC1だけ伸びて期間1’に伸長され、期
間2の部分がDC2だけ伸びて、期間2’に伸長され、
期間3の部分がDC3だけ伸びて期間3’に伸長される
ものと考える。
【0177】この際、おのおのの期間は補正を施される
ことにより、放出電荷量が前述のQ0と同じになるもの
とする。
【0178】また、各期間の初めと終わりの放出電流
は、補正の前後で変わらないものと仮定した。
【0179】すなわち、期間1’の初めの放出電流は、
Ie0,期間1’の終わりの放出電流はIe1,期間
2’の初めの放出電流はIe1、期間2’の終わりの放
出電流は、Ie2、期間3’の初めの放出電流はIe
2、期間3’の終わりの放出電流はIe3であるものと
する。
【0180】すると、DC1、DC2はそれぞれ(式
9),(式12)と同様に計算することができる。
【0181】また、DC3については、
【数20】 として計算することができる。
【0182】結果としてノード2の位置の大きさが19
2の画像データに加算する補正データCDataとして
は、
【数21】 とすればよい。
【0183】以上のようにしてノード2の位置に対する
画像データ64、128、192の補正データCDat
aを算出した。
【0184】また、パルス幅が0の時には、当然ながら
放出電流に対する電圧降下の影響はないため、補正デー
タは0とし画像データに加算する補正データCData
も0とした。
【0185】なお、このように0、64、128、19
2というように、とびとびの画像データに対して補正デ
ータを計算しているのは、計算量を減らすことを狙った
ものである。
【0186】すなわち任意のすべての画像データに対し
て同様の計算を行っては、非常に計算量が大きくなり、
計算を行うためのハードウエア量が非常に大きくなって
しまう。
【0187】一方、あるノードの位置においては、画像
データが大きいほど、補正データも大きくなる傾向があ
る。これにより、任意の画像データに対する補正データ
を算出する際には、その画像データの近傍のすでに補正
データが算出されている点と点を直線近似により補間す
れば、計算量を大幅に減少させることができるためであ
る。なお、この補間については離散補正データ補間手段
を説明する際に詳しく説明する。
【0188】また、同様な考え方をすべてのノードの位
置において適用すれば、すべてのノードの位置におけ
る、画像データ=0、64、128、192の補正デー
タを算出できる。
【0189】このように補正データを算出する画像デー
タのことを画像データ基準値と呼ぶ。
【0190】本例ではタイムスロットを0、64,12
8,192の4点に対して縮退モデルを適用して、各時
刻の電圧降下量を計算したことにより、0、64,12
8,192の4つの画像データ基準値に対する補正デー
タを求めることができた。
【0191】しかし、好ましくは前述したように、縮退
モデルにより電圧降下を計算する時間の間隔を細かく、
画像データの基準値をさらに多くとることで、電圧降下
の時間変化をより精密に扱うことができ、近似計算の誤
差を低減することができる。
【0192】なお、その際には同様な考え方に立って、
(式6)〜(式16)を変形して計算を行えばよい。
【0193】図12(a)は、上述の方法により、ある
入力データに対し、各々のノードの位置における、画像
データ=0,64,128,192に対する補正データ
を離散的に計算した結果の一例である。
【0194】なお、同図では同一の画像データに対する
離散補正データを、図を見やすくするために、点線の曲
線で結んで記載した。
【0195】(離散補正データの補間方法)離散的に算
出された補正データは、各ノードの位置に対する離散的
なものであって、任意の水平位置(列配線番号)におけ
る補正データを与えるものではない。またそれと同時
に、各ノード位置においていくつかの予め定められた画
像データの基準値の大きさをもつ画像データに対する補
正データであって実際の画像データの大きさに応じた補
正データを与えるものではない。
【0196】そこで発明者らは、各列配線における入力
画像データの大きさに適合した補正データを離散的に算
出した補正データを補間することにより算出した。
【0197】図12(b)はノードnとノードn+1の
間に位置するxという位置における、画像データDat
aに相当する補正データを算出する方法を示した図であ
る。
【0198】なお、前提として、補正データはすでにノ
ードn及びノードn+1の位置Xn及びXn+1におい
て離散的に計算されているものとする。
【0199】また、入力画像データであるDataはす
でに離散的に補正データが算出されている2つの画像デ
ータ基準値DkとDk+1の間の値をとるものとする。
【0200】いま、ノードnのk番目の画像データの基
準値Dkに対する補正データをCData[k][n]
と表記するならば、位置xにおける画像データDkに対
する補正データCAは、CData[k][n]とCD
ata[k][n+1]の値を用いて、直線近似によ
り、以下のように計算できる。
【0201】
【数22】 と計算できる。
【0202】また、位置xにおける画像データDk+1
の補正データCBは以下のように、
【数23】 計算できる。
【0203】CAとCBの補正データを直線近似するこ
とにより、位置xにおける画像データDataに対する
補正データCDは、以下のように、
【数24】 計算できる。
【0204】以上のように、離散補正データから実際の
位置や画像データの大きさに適合した補正データを算出
するためには、(式17)〜(式19)に記載した方法
により簡単に計算できる。
【0205】このようにして算出した補正データを画像
データに加算して画像データを補正し、補正後の画像デ
ータに応じてパルス幅変調を行えば、従来からの課題で
あった電圧降下による画質の低下を低減することがで
き、画質を向上させることができる。
【0206】また予てからの課題であった補正のための
ハードウエアも、これまで説明してきたような縮退化な
どの近似を導入することにより、計算量を低減化するこ
とができるため非常に小規模なハードウエアで構成する
ことができるという優れたメリットがある。
【0207】(システム全体と各部分の機能説明)次
に、補正データ算出手段を内蔵した画像表示装置のハー
ドウエアについて説明する。
【0208】図13はその回路構成の概略を示すブロッ
ク図である。図において1は図1の表示パネル、Dx1
〜DxM及びDx1’〜DxM’は表示パネルの走査配
線の電圧供給端子、Dy1〜DyNは表示パネルの変調
配線の電圧供給端子、Hvはフェースプレートとリアプ
レートの間に加速電圧を印加するための高圧供給端子、
Vaは高圧電源、2は走査回路(走査手段)、3は同期
信号分離回路、4はタイミング発生回路、7は同期分離
回路3によりYPbPr信号をRGBに変換するための
変換回路、17は逆γ処理部、5は画像データ1ライン
分のシフトレジスタ、6は画像データ1ライン分のラッ
チ回路、8は表示パネルの変調配線に変調信号を出力す
るパルス幅変調手段(変調手段)、12は加算器(演算
処理手段,加算処理手段)、14は補正データ算出手段
である。
【0209】また、同図においてR、G、BはRGBパ
ラレルの入力映像データ、Ra,Ga,Baは後述する
逆γ変換処理を施したRGBパラレルの映像データ、D
ataはデータ配列変換部によりパラレル・シリアル変
換された画像データ、CDは補正データ算出手段により
算出された補正データ、Doutは加算器により画像デ
ータに補正データを加算することにより、補正された画
像データである。
【0210】(同期分離回路、タイミング発生回路)本
実施形態の画像表示装置は、NTSCや、PAL、SE
CAM、HDTVなどのテレビジョン信号や、コンピュ
ータの出力であるVGAなどをともに表示することがで
きる。
【0211】図13では図を簡単化するため、HDTV
方式のみについて記載している。
【0212】HDTV方式の映像信号は、まず3の同期
分離回路により同期信号Vsync,Hsyncを分離
し、タイミング発生回路に供給する。同期分離された映
像信号は、RGB変換手段に供給される。RGB変換手
段の内部には、YPbPrからRGBへの変換回路の他
に、不図示のローパスフィルタやA/D変換器などが設
けられており、YPbPrをディジタルRGB信号へと
変換し、逆γ処理部へと供給する。
【0213】(タイミング発生回路)タイミング発生回
路は、PLL回路を内蔵しており、様々な映像ソースの
同期信号に同期したタイミング信号を発生し、各部の動
作タイミング信号を発生する回路である。
【0214】タイミング発生回路4が発生するタイミン
グ信号としては、シフトレジスタ5の動作タイミングを
制御するTSFT、シフトレジスタ5から、ラッチ回路6
へデータをラッチするための制御信号Dataloa
d、変調手段8のパルス幅変調開始信号Pwmstar
t,パルス幅変調のためのクロックPwmclk、走査
回路2の動作を制御するTscanなどがある。
【0215】(走査回路)走査回路2及び2’は、表示
パネルを一水平走査期間に1行ずつ順次走査するため
に、接続端子Dx1〜DxMに対して選択電位Vsまた
は非選択電位Vnsを出力する回路である(図14)。
【0216】走査回路2及び2’はタイミング発生回路
4からのタイミング信号Tscanに同期して、一水平
期間ごとに、選択している走査配線を順次切り替え、走
査を行う回路である。
【0217】なお、Tscanは垂直同期信号及び水平
同期信号などから作られるタイミング信号群である。
【0218】走査回路2及び2’は、図14に示すよう
にそれぞれM個のスイッチとシフトレジスタなどから構
成される。これらのスイッチはトランジスタやFETに
より構成するのが好ましい。
【0219】なお、走査配線での電圧降下を低減するた
めには、走査回路は図13に示したように、表示パネル
の走査配線の両端に接続され、両端からドライブされる
ことが好ましい。
【0220】一方、本発明は、走査回路が走査配線の両
端に接続されていない場合でも有効であり、式3のパラ
メータを変更するだけで適用できる。
【0221】(逆γ処理部)CRTは入力に対しほぼ
2.2乗の発光特性(以降逆γ特性と呼ぶ)を備えてい
る。
【0222】入力映像信号はCRTのこのような特性が
考慮されており、CRTに表示した際にリニアな発光特
性となるように一般に0.45乗のγ特性にしたがって
変換される。
【0223】一方、本発明の画像表示装置の表示パネル
は駆動電圧の印加時間により変調を施す場合、印加時間
の長さに対しほぼリニアな発光特性を有しているため、
入力映像信号を逆γ特性に基づいて変換(以降逆γ変換
と呼ぶ)する必要がある。
【0224】図13に記載した逆γ処理部17は、入力
映像信号を逆γ変換するためのブロックである。
【0225】本実施形態の逆γ処理部17は、上記逆γ
変換処理をメモリによって構成した。
【0226】逆γ処理部17は映像信号R、G、Bのビ
ット数を8ビットとし、逆γ処理部の出力である映像信
号Ra、Ga、Baのビット数を同じく8ビットとし
て、アドレス8ビット、データ8ビットのメモリを各色
ごと用いることにより構成した(図15)。
【0227】各メモリには図16に記載した逆γ特性を
記憶させた。なお同図は本変換テーブルの入力映像信号
が0〜255の範囲の該テーブルに記載したデータであ
る。
【0228】(データ配列変換部)データ配列変換部9
はRGBパラレルな映像信号であるRa,Ga,Baを
表示パネルの画素配列に合わせてパラレル・シリアル変
換する回路である。データ配列変換部9の構成は図17
に示したようにRGB各色ごとのFIFO(First
In First Out)メモリ2021R,20
21G、2021Bとセレクタ2022から構成され
る。
【0229】同図では図示していないが、FIFOメモ
リは水平画素数ワードのメモリを奇数ライン用と偶数ラ
イン用の2本備えている。奇数行目の映像データが入力
された際には、奇数ライン用のFIFOにデータが書き
込まれる一方、偶数ライン用のFIFOメモリから一つ
前の水平走査期間に蓄積された画像データが読み出され
る。偶数行目の映像データが入力された際には偶数ライ
ン用のFIFOにデータが書き込まれる一方、奇数ライ
ン用FIFOメモリから一つ前の水平期間に蓄積された
画像データが読み出される。
【0230】FIFOメモリから読み出されたデータ
は、セレクタにより表示パネルの画素配列にしたがっ
て、パラレル・シリアル変換され、RGBのシリアル画
像データSDataとして出力される。詳細については
記載しないが、タイミング発生回路4からのタイミング
制御信号に基づいて動作する。
【0231】(加算器12)加算器12は補正データ算
出手段からの補正データCDと画像データDataを加
算する手段である。加算を行うことにより画像データD
ataは補正が施され、画像データDoutとしてシフ
トレジスタへ転送される。
【0232】なお、画像データDataと補正データC
Dを加算する際に、加算器でオーバーフローが起きる可
能性があるが、これに対し、本例ではオーバーフローを
起こさないための構成として、画像データDataと補
正データCDを加算した際の最大値に応じて、加算器の
ビット幅と、その後の変調手段のビット幅を決定した。
【0233】より具体的には、本例の画像表示装置の場
合、画像データが全て255の画面の際に補正データが
最大120になったため、 加算器の出力の最大値= 255+120 = 375 となったため、加算器の出力ビット数を9ビット、変調
手段のビット数も9ビットとして各部のビット数を決定
した。
【0234】また、オーバーフローが起きないようにす
るための別の構成としては、加算される補正データの最
大値をあらじめ見積もり、該最大値が加算されたときに
オーバーフローが起きないように、画像データのとりえ
る範囲を予め小さくしておいてもよい。
【0235】画像データのとりえる大きさを小さくする
ためには、例えば、入力画像データをA/D変換する際
に制限してもよいし、乗算器を設けて、入力された画像
データに0以上1以下のゲインを乗算し、その大きさを
制限してもよい。
【0236】(遅延回路19)データ配列変換部により
並び替えが行われた画像データSDataは補正データ
算出手段と遅延回路(遅延手段)19に入力される。補
正データ算出手段14の補正データ補間部はタイミング
制御回路からの水平位置情報xと画像データSData
の値を参照して、それらにあった補正データCDを算出
する。
【0237】遅延回路19は、補正データ算出にかかる
時間を吸収するために設けられており、加算器12で画
像データに補正データが加算される際に、画像データに
それに対応した補正データが正しく加算されるよう遅延
を行う手段である。同手段はフリップフロップを用いる
ことにより構成できる。
【0238】(シフトレジスタ、ラッチ回路)補正デー
タ補間部の出力である画像データDoutは、シフトレ
ジスタ5により、シリアルなデータフォーマットから、
各変調配線毎のパラレルな画像データID1〜IDNへ
とシリアル/パラレル変換されラッチ回路へ出力され
る。ラッチ回路では1水平期間が開始される直前にタイ
ミング信号Dataloadにより、シフトレジスタか
らのデータをラッチする。ラッチ回路6の出力は、パラ
レルな画像データD1〜DNとして変調手段へと供給さ
れる。
【0239】なお、本実施形態では、画像データID1
〜IDN、D1〜DNはそれぞれ8ビットの画像データ
とした。これらの動作タイミングはタイミング発生回路
4(図13)からのタイミング制御信号TSFT及びDa
taloadに基づいて動作する。
【0240】(変調手段の詳細)ラッチ回路6の出力で
あるパラレル画像データD1〜DNは変調手段8へと供
給される。
【0241】変調手段は、図18(a)に示したよう
に、PWMカウンタと、各変調配線ごとにコンパレータ
とスイッチ(同図ではFET)を備えたパルス幅変調回
路(PWM回路)である。
【0242】画像データD1〜DNと変調手段の出力パ
ルス幅の関係は、図18(b)のようなリニアな関係に
ある。
【0243】同図(c)に変調手段の出力波形の例を3
つ示す。
【0244】同図において上側の波形は、変調手段への
入力データが0の時の波形、中央の波形は、変調手段へ
の入力データが256の時の波形、下側の波形は、変調
手段への入力データが511の時の波形である。
【0245】なお本例では変調手段への入力データD1
〜DNのビット数は前述のように、オーバーフローしな
いことを考慮して、9ビットとした(なお、前述の説明
では、変調手段の入力データが511のときは、一水平
走査期間に相当するパルス幅の変調信号が出力されると
記載した箇所があるが、詳細には同図(c)のように非
常に短い時間ではあるがパルスの立ち上がる前と、立ち
下がった後に駆動しない期間を設けタイミング的な余裕
を持たせている。)。
【0246】図19は、本発明の変調手段の動作を示す
タイミングチャートである。
【0247】同図において、Hsync水平同期信号、
Dataloadはラッチ回路6へのロード信号、D1
〜DNは前述の変調手段の列1〜Nへの入力信号、Pw
mstartはPWMカウンタの同期クリア信号、Pw
mclkはPWMカウンタのクロックである。また、X
D1〜XDNは変調手段の第1〜第N列の出力を表して
いる。
【0248】同図にあるように1水平走査期間が始まる
と、ラッチ回路6は画像データをラッチするとともに変
調手段へデータを転送する。
【0249】PWMカウンタは、同図に示したように、
Pwmstart、Pwmclkに基づいてカウントを
開始し、カウント値が511になるとカウンタをストッ
プしカウント値511を保持する。
【0250】各列毎に設けられているコンパレータは、
PWMカウンタのカウント値と各列の画像データを比較
し、PWMカウンタの値が画像データ以上のときHig
hを出力し、それ以外の期間はLowを出力する。
【0251】コンパレータの出力は、各列のスイッチの
ゲートに接続されており、コンパレータの出力がLow
の期間は同図の上側(VPWM側)のスイッチがON、
下側(GND側)のスイッチがOFFとなり、変調配線
を電圧VPWMに接続する。
【0252】逆にコンパレータの出力がHighの期間
は、同図の上側のスイッチがOFFし、下側のスイッチ
がONするとともに、変調配線の電圧をGND電位に接
続する。
【0253】各部が以上のように動作することで、変調
手段が出力するパルス幅変調信号は、図19のD1、D
2、DNに示したような、パルスの立ち上がりが同期し
た波形となる。
【0254】(補正データ算出手段)補正データ算出手
段14は、前述した補正データ算出方法により、電圧降
下の補正データを算出する回路である。補正データ算出
手段14は、図20に示すように離散補正データ算出部
と補正データ補間部の2つのブロックから構成される。
【0255】離散補正データ算出部では入力された映像
信号から電圧降下量を算出し、電圧降下量から補正デー
タを離散的に計算する手段である。同手段は計算量やハ
ードウエア量を減少させるために、前述の縮退モデルの
概念を導入して、補正データを離散的に算出する。
【0256】離散的に算出された補正データは補正デー
タ補間部(補正データ補間手段)により補間され、画像
データの大きさやその水平表示位置xに適合した補正デ
ータCDが算出される。
【0257】(離散補正データ算出部)図21は本発明
の離散補正データを算出するための離散補正データ算出
部である。
【0258】離散法制データ算出部は、以下に述べるよ
うに、画像データをブロックわけし、ブロックごとの統
計量(点灯数)を算出するとともに、統計量から各ノー
ドの位置における、電圧降下量の時間変化を計算する電
圧降下量算出部としての機能と、各時間ごとの電圧降下
量を発光輝度量に変換する機能、及び発光輝度量を時間
方向に積分して、発光輝度総量を算出する機能、及びそ
れらから離散的な基準点における、画像データの基準値
に対する補正データを算出する手段である。
【0259】同図において100a〜100dは点灯数
カウント手段、101a〜101dは各ブロックごと
の、各時刻における点灯数を格納するレジスタ群、10
2はCPU、103は式2及び3で記載したパラメータ
aijを記憶するためのテーブルメモリ(電圧降下量記
憶手段)、104は計算結果を一時記憶するためのテン
ポラリレジスタ、105はCPUのプログラムが格納さ
れているプログラムメモリ、118は、電圧降下量を放
出電流量に変換する変換データが記載されたテーブルメ
モリ、106は、前述した離散補正データの計算結果を
格納するためのレジスタ群である。
【0260】点灯数カウント手段100a〜100d
は、同図(b)に記載したようなコンパレータと加算器
などから構成されている。映像信号Ra,Ga,Baは
それぞれコンパレータ107a〜cに入力され、逐次C
valの値と比較される。
【0261】なお、Cvalは前述してきた画像データ
に対して設定した、基準値に相当する。
【0262】コンパレータ107a〜cはCvalと画
像データの比較を行い画像データの方が大きければHi
ghを出力し小さければLowを出力する。
【0263】コンパレータの出力は加算器108及び1
09により互いに足し算され、さらに加算器110によ
りブロックごとに加算を行い、ブロックごとの加算結果
を各々のブロックごとの点灯数としてレジスタ群101
a〜cへと格納する。
【0264】点灯数カウント手段100a〜dにはコン
パレータの比較値Cvalとしてそれぞれ0、64、1
28、192が入力されている。
【0265】結果として、点灯数カウント手段100a
は画像データのうち、0より大きい画像データの個数を
カウントし、そのブロックごとの総計をレジスタ101
aに格納する。
【0266】同様に、点灯数カウント手段100bは画
像データのうち、64より大きい画像データの個数をカ
ウントし、そのブロックごとの総計をレジスタ101b
に格納する。
【0267】同様に、点灯数カウント手段100cは画
像データのうち、128より大きい画像データの個数を
カウントし、そのブロックごとの総計をレジスタ101
cに格納する。
【0268】同様に、点灯数カウント手段100dは画
像データのうち、192より大きい画像データの個数を
カウントし、そのブロックごとの総計をレジスタ101
dに格納する。
【0269】ブロックごと、時間ごとの点灯数がカウン
トされると、CPUはテーブルメモリ103に格納され
たパラメータテーブルaijを随時読み出して、(式
2)〜(式5)に従い、電圧降下量を計算し、計算結果
をテンポラリレジスタ104に格納する。
【0270】本例ではCPUに(式2)の計算を円滑に
行うための積和演算機能を設けた。
【0271】(式2)に挙げた演算を実現する手段とし
ては、CPUで積和演算を行わないでもよく、例えば、
その計算結果をメモリに入れておいてもよい。
【0272】すなわち、各ブロックの点灯数を入力と
し、考えられるすべての入力パターンに対し、各ノード
位置の電圧降下量をメモリに記憶させておいても構わな
い。
【0273】電圧降下量の計算が完了するとともに、C
PUはテンポラリレジスタ104から、各時間、各ブロ
ックごとの電圧降下量を読み出し、テーブルメモリ2
(118)を参照して、電圧降下量を放出電流量に変換
し、式6〜16に従って、離散補正データを算出した。
【0274】計算した離散補正データは、レジスタ群1
06に格納した。
【0275】(補正データ補間部)補正データ補間部は
画像データの表示される位置(水平位置)及び、画像デ
ータの大きさに適合した補正データを算出するための手
段である。同手段は離散的に算出された補正データを補
間することにより、画像データの表示位置(水平位置)
及び、画像データの大きさに応じた補正データを算出す
る。
【0276】図22は補正データ補間部を説明するため
の図である。
【0277】同図において123は画像データの表示位
置(水平位置)xから、補間に用いる離散補正データの
ノード番号n及びn+1を決定するためのデコーダであ
り、124は画像データの大きさから、(式17)〜
(式19)のk及びk+1を決定するためのデコーダで
ある。
【0278】また、セレクタ125〜128は、離散補
正データを選択して、直線近似手段に供給するためのセ
レクタである。
【0279】また、121〜123は、それぞれ(式1
7)〜(式19)の直線近似を行うための直線近似手段
である。
【0280】図23に直線近似手段120の構成例を示
す。一般に直線近似手段は(式17)〜(式19)の演
算子にあらわされるように、減算器、積算器、加算器、
割り算器などによって構成可能である。
【0281】しかし、望ましくは離散補正データを算出
するノードのノードの間の列配線本数や、離散補正デー
タを算出する画像データ基準値の間隔(すなわち電圧降
下を算出する時間間隔)が2のべき乗になるように構成
するとハードウエアを非常に簡単に構成できるというメ
リットがある。それらを2のべき乗に設定すれば、図2
3に示した割り算器において、Xn+1−Xnは2のべ
き乗の値となり、ビットシフトすればよい。
【0282】Xn+1−Xnの値がいつも一定の値であ
って、2のべき乗で表される値であるならば、加算器の
加算結果をべき乗の乗数分だけシフトして出力すればよ
く、あえて割り算器を作製する必要がない。
【0283】またこれ以外の箇所でも離散補正データを
算出するノードの間隔や、画像データの間隔を2のべき
乗とすることにより、例えばデコーダ123〜124を
簡単に作製することが可能となるとともに、図23の減
算器で行っている演算を簡単なビット演算に置き換える
ことができるなど、非常にメリットが多い。
【0284】(重み付き点灯数カウント回路)以上、こ
れまで発明者らが鋭意検討してきた、電圧降下の補正回
路を備える、本発明の画像表示装置について説明してき
た。
【0285】このようにして算出した補正データを加算
器12により画像データに加算することにより、表示画
像における電圧降下の影響を低減することができ、非常
に好ましかった。
【0286】また、ハードウエア的にも小規模なハード
ウエアにより構成できるなど優れた効果があった。
【0287】さらに、発明者らは、入力画像によっては
以下のような課題を解決することでより優れた効果のあ
る構成を新たに見出だした。
【0288】図24(a)は画面上部から階調が1づつ
変化するグラデーション画像を上記で説明した補正法に
より補正して表示した状態を示すものである。図24
(b)にパネル中央部での輝度プロファイルを示す。デ
ータ基準値64,128,192に相当するところに輝
度の跳躍がみられる。
【0289】これは、データ補正量を算出する際に時間
領域の最初と最後の予測放出電流量を算出しているが、
このうち期間の終わりの予測放出電流量の誤差が大きい
ことに起因している。
【0290】これをタイムスロット64からタイムスロ
ット128の期間を例にしてさらに詳しく説明する。
【0291】例えば大きさが127の画像データの場
合、1行中の全ピクセルが点灯しているためタイムスロ
ット64からタイムスロット127まで、放出電流量は
一定でタイムスロット64での放出電流量Ie1であ
る。すなわち期間中の放出電流量の変化は図25(a)
の点線のようになる。
【0292】前述の補正方法で放出電荷量を予測する場
合はまず、タイムスロット64で点灯数を数えて期間の
最初の放出電流量を求め、Ie1が算出される。
【0293】次に、タイムスロット128で点灯数を数
えて期間の終わりの放出電流量Ie2が求められるが,
この場合、点灯数が0であるため電圧降下は0と計算さ
れ放出電流量Ie2=IEと算出される。従ってパルス
幅127のデータに対する期間中の放出電流量は図25
(a)の実線で予測される。
【0294】すなわち、図25(a)の斜線部に相当す
る分、放出電荷量が実際より多く見積もられることとな
り、従ってデータ補正値が小さくなって補正が足りなく
なる。
【0295】一方パルス幅128のデータに対してはパ
ルスの終端であるタイムスロット128で点灯数がカウ
ントされるため放出電流量が正しく求められ補正量も適
正に計算される(図25(b))。
【0296】このような放出電荷量の予測誤差はデータ
基準値を多くとることで少なくすることができ、データ
基準値における輝度の跳躍の幅を小さくすることができ
る。すなわち、ある程度基準値を多くとれば中間階調か
ら上の部分では輝度の跳躍が視覚的な妨害にならない程
度にまで小さくすることができる。
【0297】しかし、輝度の跳躍の幅は低階調から高階
調まで同じ幅であるため、低階調部においてはデータの
大きさに対して輝度の跳躍が無視できないものとなり、
低階調部の階調性を損ねることになってしまう。
【0298】そこで、発明者らは、期間の初めの放出電
流量は従来の点灯数カウントから求めるが、期間の終わ
りの放出電流量としては期間中のデータの大きさに応じ
て重み付けを行った点灯数をもとに放出電流量を算出す
ることにより放出電荷量の予測の誤差を小さくすること
を考えた。
【0299】具体的には、期間の終わりのタイムスロッ
トにおいて点灯数をカウントする際に、点灯していれば
1、点灯していなければ0とするのではなく、入力デー
タのパルスが期間中にHighになっている割合を重み
付き点灯数としてカウントする。つまり入力画像データ
をDとし、期間の初めに対応するデータ基準値をN1、
期間の終わりに対応するデータ基準値をN2とした時に
次式で示される関数F(D)を考えて重み付き点灯数と
する。
【0300】
【数25】
【0301】すなわち、タイムスロット64からタイム
スロット128の期間の場合、入力データDに対してタ
イムスロット64での点灯数は、64≦Dであれば1、
そうでなければ0、タイムスロット128での点灯数
は、D<64であれば0、64≦D<128であれば
(D−64)/64、D≧128であれば1とする。
【0302】このようにして、期間の終わりの放出電流
量を重み付き点灯数カウントから算出すると1行の画像
データが全て127であった場合のタイムスロット12
8での放出電流量は図25(c)のIe2’として求め
られる。先に述べたタイムスロット128での点灯数だ
けをカウントして算出した放出電流量Ie2に比べて実
際の放出電流量により近くなっていることがわかる。
【0303】この考え方に基づいて補正データの計算を
行うためには,式6〜式19に示される補正データの計
算において、期間の終わりの放出電流量を重み付き点灯
数から求めた放出電流量とすればよい。
【0304】具体的には式9,式12,式15を
【数26】
【数27】
【数28】 とすればよい。
【0305】ただしIe1’,Ie2’,Ie3’はそ
れぞれタイムスロット=64,128,192における
重み付き点灯数から求めた放出電流量である。
【0306】このようにして補正データを計算し、補正
を行った場合に先ほどのグラデーションを表示した時の
パネル中央での輝度プロファイルを図26に示す。図2
4の階調プロファイルと比べデータ基準点における輝度
の跳躍が解消されているのがわかる。
【0307】図27(a)は、本発明の主要な部分であ
る離散補正データ算出部を詳細に説明するための図であ
る。本実施例においては離散補正データ算出部は図21
のものではなく図27のものを使用する。図27は図2
1に対し重み付点灯数カウント手段111a〜111c
及びそれに付随するレジスタ群101e〜101gが加
わった形になっている。
【0308】重み付点灯数カウント手段は図27(b)
に示すようにリミッタ、減算器、加算器、割り算器で構
成されている。映像信号Ra,Ga,Baはそれぞれリ
ミッタ112a〜cに入力され、逐次Cval1の値で
制限される。
【0309】次に、減算器113a〜cにおいてCva
l2を引き算される。この時演算結果が負になる場合に
は0となる。この演算により入力画像データのCval
2より大きくCval1以下である部分が算出される。
減算器113a〜cの出力は加算器114及び加算器1
15により互いに足し算され、さらに加算器116によ
りブロックごとに加算を行う。ブロックごとの加算結果
は割り算器117においてデータ基準値の間隔(この場
合は64)で割り算される。
【0310】この演算により、期間中に画像データのパ
ルスがHighになる割合を重み付け点灯数として、こ
れをブロックごとに総計した値が求まる。割り算が最後
に行われているのは、この方が回路規模が小さくまた演
算の精度を高くすることができるためである。このよう
にして計算されたブロックごとの重み付点灯数はレジス
タ群101e〜101gへと格納される。
【0311】重み付き点灯数カウント手段111a〜c
にはリミッタの制限値Cval1としてそれぞれ64,
128,192が入力され、減算器で減算される値Cv
al2としてそれぞれ0、64、128が入力されてい
る。
【0312】結果として、重み付き点灯数カウント手段
111aはタイムスロット0からタイムスロット64の
間に変調パルスがHighになる時間の割合を算出しそ
のブロックごとの総計を重み付き点灯数としてレジスタ
101eに格納する。
【0313】同様に、重み付き点灯数カウント手段11
1bはそれぞれの画像データについて、その画像データ
によって、タイムスロット64からタイムスロット12
8の間に変調パルスがHighになる時間の割合を算出
しそのブロックごとの総計を重み付き点灯数としてレジ
スタ101fに格納する。
【0314】同様に、重み付き点灯数カウント手段11
1cはそれぞれの画像データについて、その画像データ
によって、タイムスロット128からタイムスロット1
92の間に変調パルスがHighになる時間の割合を算
出しそのブロックごとの総計を重み付き点灯数としてレ
ジスタ101gに格納する。
【0315】また、既に説明したように点灯数カウント
手段100a〜cは、ブロックごと時間ごとに点灯数を
カウントし、結果をレジスタ群101a〜cに格納す
る。
【0316】ブロックごと、時間ごとの点灯数及び重み
付き点灯数がカウントされると、CPUはテーブルメモ
リ103に格納されたパラメータテーブルaijを随時
読み出して、式2〜5に従い、電圧降下量を計算し、計
算結果をテンポラリレジスタ104に格納する。
【0317】電圧降下量の計算が完了するとともに、C
PUはテンポラリレジスタ104から、各時間、各ブロ
ックごとの電圧降下量を読みだし、テーブルメモリ2
(118)を参照して、電圧降下量を放出電流量に変換
し、式20〜式22及び式13,16に従って、離散補
正データを算出した。
【0318】計算した離散補正データは、レジスタ群1
06に格納した。
【0319】このようにして離散補正データの算出を行
えば、データ基準値の前後の階調において輝度の跳躍が
起こることがなく、階調性に優れた補正を行うことがで
きる。
【0320】なお、本実施例において期間の終わりの放
出電流量を求めるために期間中に画像データのパルス幅
がHighになっている時間の割合に比例した量を重み
付き点灯数として用いたが、重み付き点灯数の算出はこ
れに限ったことではなく、例えば時間の割合に対して2
次関数的に増加する量を用いるなどしてもよい。
【0321】(各部の動作タイミング)図28に各部の
動作タイミングのタイミングチャートを示す。なお、同
図においてHsyncは水平同期信号、DotCLKは
タイミング発生回路の中のPLL回路により水平同期信
号Hsyncから作成したクロック、R、G、Bは入力
切り替え回路からのディジタル画像データ、Dataは
データ配列変換後の画像データ、Doutは電圧降下補
正を施された画像データ、TSFTはシフトレジスタ5
へ画像データDoutを転送するためのシフトクロッ
ク、Dataloadはラッチ回路6へデータをラッチ
するためのロードパルス、Pwmstartは前述のパ
ルス幅変調の開始信号、変調信号XD1は変調配線1へ
供給されるパルス幅変調信号の一例である。
【0322】1水平期間の開始とともに、入力切り替え
回路からディジタル画像データRGBが転送される。同
図では水平走査期間Iにおいて、入力される画像データ
をR_I、G_I、B_Iで表すと、それらは、データ
配列変換回路9では1水平期間の間、画像データを蓄え
られ、水平走査期間I+1において、表示パネルの画素
配置に合わせてディジタル画像データData_Iとし
て出力される。
【0323】R_I、G_I、B_Iは、水平走査期間
Iにおいて補正データ算出手段に入力される。同手段で
は、前述した点灯数をカウントし、カウントの終了とと
もに、電圧降下量が算出される。
【0324】電圧降下量が算出されるのにつづいて、離
散補正データが算出され、算出結果がレジスタに格納さ
れる。
【0325】走査期間I+1に移り、データ配列変換部
から、1水平走査期間前の画像データData_Iが出
力されるのに同期して、補正データ補間手段では離散補
正データが補間され、補正データが算出される。補間さ
れた補正データは、加算器12に供給される。
【0326】加算器12では、画像データDataと補
正データCDを順次加算し、補正された画像データDo
utをシフトレジスタへ転送する。シフトレジスタはT
SFTにしたがって、一水平期間分の画像データDou
tを記憶するとともにシリアル・パラレル変換を行って
パラレルな画像データID1〜IDNをラッチ回路6に
出力する。
【0327】ラッチ回路6は、Dataloadの立ち
上がりにしたがってシフトレジスタからのパラレル画像
データID1〜IDNをラッチし、ラッチされた画像デ
ータD1〜DNをパルス幅変調手段8へと転送する。
【0328】パルス幅変調手段8は、ラッチされた画像
データに応じたパルス幅のパルス幅変調信号を出力す
る。本実施形態の画像表示装置では、結果として、変調
手段が出力するパルス幅は、入力された画像データに対
し、2水平走査期間分おくれて表示される。
【0329】このような画像表示装置により画像の表示
を行ったところ、従来からの課題であった走査配線にお
ける電圧降下量を補正することができ、低階調部の階調
性を損なうこともなく、非常に良好な画像を表示するこ
とができた。
【0330】また、離散的に補正データを算出し、離散
的に計算した点と点の間はそれを補間して求めることに
より、補正データを非常に簡単に計算させることがで
き、さらに非常に簡単なハードウエアでそれを実現でき
るなど、非常に優れた効果があった。
【0331】(第2の実施形態)第1の実施形態では、
補正データ算出手段は、RGBパラレルな画像データか
ら補正データを算出したが、特にこれにこだわることは
ない。
【0332】すなわち、データ配列変換部によりRGB
パラレルからRGBシリアルに変換された画像データを
用いても補正データを求めることができることは言うま
でもない。
【0333】この場合、補正データを算出するのに必要
な時間を確保するために、RGBシリアルな画像データ
を遅延するためのレジスタ、もしくはメモリが必要とな
るが、同様な補正を施すことができることは言うまでも
ない。
【0334】また、第1実施形態では、補正データ算出
手段した結果をデータ配列変換されたRGBシリアルな
画像データに施した例を示したが、とくにこれに限られ
ることはない。
【0335】すなわち、データ配列変換部を単なるライ
ンメモリで置き換え、パラレルな画像データを入力し、
パラレルな画像データを出力するものとしても、ハード
ウエアの簡単な修正によって補正を施すことができるこ
とは言うまでもない。
【0336】もちろん、第1の実施形態に示した構成
は、画像データのデータ配列変換(パラレル・シリアル
変換)を行うのに必要であったラインメモリと、そこで
の遅延時間を積極的に利用し、その遅延時間中に補正デ
ータを計算するとともに、シリアルな画像データに補正
を施すことにより、ハードウエア量を節減する効果があ
ることは言うまでもない。
【0337】(第3の実施形態)第1の実施形態では、
入力画像データに対し、離散的な画像データの基準値を
設定するとともに、行配線上に基準点を設定し、該基準
点における、画像データ基準値の大きさの画像データに
対する補正データを算出していた。
【0338】さらに離散的に算出された補正データを補
間することにより、入力された画像データの水平表示位
置と、その大きさに応じた補正データを算出し、画像デ
ータと加算することにより、補正を実現していた。
【0339】一方、上述の構成とは別に下記の構成によ
っても同様な補正が行える。
【0340】離散的な水平位置と、画像データ基準値に
対する、画像データの補正結果(すなわち前記離散補正
データと画像データ基準値の和)を算出し、さらに離散
的に算出された補正結果を補間し、入力された画像デー
タの水平表示位置と、その大きさに応じた補正結果を算
出し、その補正結果に応じて変調を行ってもよい。
【0341】この構成では、離散的に補正結果を算出す
る際に、画像データと補正データの加算を行っているた
め、補間後に画像データと補正データの加算を行う必要
はない。
【0342】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像表示
装置によれば、従来からの課題であった、走査配線上の
電圧降下による表示画像の劣化を改善することができ
た。
【0343】また、いくつかの近似を導入したことによ
り、電圧降下を補正するための、画像データの補正量を
簡単に計算することができ、非常に簡単なハードウエア
でそれを実現することができるなど、非常に優れた効果
があった。
【0344】また、低階調部において階調性を損なうこ
となく補正ができるなどの優れた効果があった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像表示装置の概観を示す図である。
【図2】表示パネルの電気的な接続を示す図である。
【図3】表面伝導型放出素子の特性を示す図である。
【図4】表示パネルの駆動方法を示す図である。
【図5】電圧降下の影響を説明する図である。
【図6】本発明の縮退モデルを説明する図である。
【図7】離散的に算出した電圧降下量を示すグラフであ
る。
【図8】離散的に算出した放出電流の変化量を示すグラ
フである。
【図9】本発明の補正データの算出方法を説明するため
の図である。
【図10】画像データの大きさが128の場合の補正デ
ータの算出例を示す図である。
【図11】画像データの大きさが192の場合の補正デ
ータの算出例を示す図である。
【図12】本発明の補正データの補間方法を説明するた
めの図である。
【図13】本発明の補正回路を内蔵した画像表示装置の
概略構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の画像表示装置の走査回路の構成を示
すブロック図である。
【図15】本発明の画像表示装置の逆γ処理部の構成を
示すブロック図である。
【図16】本発明の画像表示装置の逆γ処理部の入出力
特性を示す図である。
【図17】本発明の画像表示装置のデータ配列変換部の
構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の画像表示装置の変調手段の構成及び
動作を説明する図である。
【図19】本発明の画像表示装置の変調手段のタイミン
グチャートである。
【図20】本発明の画像表示装置の補正データ算出手段
の構成を示すブロック図である。
【図21】本発明の画像表示装置の離散補正データ算出
部の構成を示すブロック図である。
【図22】本発明の補正データ補間部の構成を示すブロ
ック図である。
【図23】本発明の直線近似手段の構成を示すブロック
図である。
【図24】本発明の補正方法の別の課題を説明するため
の図である。
【図25】本発明の重み付き点灯数を元にした放出電流
量の予測を説明するための図である。
【図26】本発明の補正方法の効果を説明する図であ
る。
【図27】本発明の重み付き点灯数を元にした補正デー
タ算出手段の構成を示すブロック図である。
【図28】本発明の画像表示装置のタイミングチャート
である。
【図29】従来の画像表示装置の構成を示すブロック図
である。
【符号の説明】
1 表示パネル 2 走査回路 8 パルス幅変調手段 12 加算器 14 補正データ算出手段 17 逆γ処理部 19 遅延回路 100a〜100c 点灯数カウント手段 101a〜101g レジスタ群 102 CPU 103 テーブルメモリ 104 テンポラリレジスタ 105 プログラムメモリ 106 レジスタ群 107a〜c コンパレータ 108〜110 加算器 111a〜111c 重み付き点灯数カウント手段 112a〜112c リミッタ 113a〜113c 減算器 114〜116 加算器 117 割り算器 118 テーブルメモリ 123〜124 デコーダ 1001 基板 1002 冷陰極素子 1003 行配線(走査配線) 1004 列配線(変調配線) 1007 フェースプレート 1008 蛍光膜
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 3/20 642 G09G 3/20 642A 642D 3/30 3/30 K (72)発明者 嵯峨野 治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 齋藤 裕 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 池田 武 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5C080 AA06 AA18 BB05 DD05 EE29 JJ02 JJ03 JJ04 JJ05

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マトリクス状に配置され、複数の行配線及
    び列配線を介して駆動され、画像形成に用いられる画像
    形成素子と、 前記行配線を順次選択し走査する走査手段と、 前記列配線に接続され、入力された画像データと前記行
    配線の電気抵抗による前記画像形成素子に対する駆動条
    件の変動を補償する補正データとに基づいて変調電圧波
    形のパルス幅を変調した変調信号を印加する変調手段
    と、 1水平走査期間の前記入力画像データに基づいて、該入
    力画像データの大きさとその水平表示位置とに応じた補
    正データを算出する補正データ算出手段であって、 入力画像データに対し、複数の離散的な画像データ基準
    値を設定し、該画像データ基準値の画像データに対して
    補正データを算出する離散的補正データ算出手段と、離
    散的な画像データ基準値に対する補正データを補間し、
    入力画像のデータの大きさに対応した補正データを算出
    する補正データ補間部と、を備える補正データ算出手段
    と、 を備える画像表示装置であって、 前記離散的補正データ算出手段は、 前記画像データ基準値に応じた各時刻を境界として、1
    水平走査期間を複数の時間領域に分割し、 各々の分割された時間領域において、画像形成素子から
    発光されるべき発光輝度量の総量が、電圧降下の影響に
    よる輝度の変動がない場合に発光されるべき発光輝度量
    と等しくなるように、各時間領域を伸長する伸長量を算
    出する手段と、 各々の時間領域の伸長量を累積して、前記離散的な画像
    データの基準値に対応した補正データを算出する手段
    と、を備える離散的補正データ算出手段であって、 前記各時間領域を伸長する伸長量を算出する手段は、 各時間領域において、時間領域の開始時刻と終了時刻を
    含む期間における入力画像データの統計量を求める統計
    量算出手段を備え、前記統計量算出手段の出力に基づい
    て時間領域の伸長量を算出する手段であることを特徴と
    する画像表示装置。
  2. 【請求項2】マトリクス状に配置され、複数の行配線及
    び列配線を介して駆動され、画像形成に用いられる画像
    形成素子と、 前記行配線を順次選択し走査する走査手段と、 1水平走査期間の入力画像データに基づいて、該入力画
    像データの大きさとその水平表示位置に応じた補正画像
    データを算出する補正画像データ算出手段であって、 入力される画像データに対し、複数の離散的な画像デー
    タ基準値を設定し、該画像データ基準値の画像データに
    対して補正画像データを算出する離散的補正画像データ
    算出手段と、離散的な画像データ基準値に対する補正画
    像データを補間し、入力画像のデータの大きさに対応し
    た補正画像データを算出する補正画像データ補間部を備
    える補正画像データ算出手段と、を備える補正画像デー
    タ算出手段と、 前記補正画像データに基づいて、前記列配線に変調電圧
    波形のパルス幅を変調した変調信号を印加する変調手段
    と、 を備える画像表示装置であって、 前記離散的補正画像データ算出手段は、 前記画像データ基準値に応じた各時刻を境界として、1
    水平走査期間を複数の時間領域に分割し、 各々の分割された時間領域において、画像形成素子から
    発光されるべき発光輝度量の総量が、電圧降下の影響に
    よる輝度の変動がない場合に発光されるべき発光輝度量
    と等しくなるように、各時間領域を伸長する伸長量を算
    出する手段と、 各々の時間領域の伸長量を累積して、前記離散的な画像
    データの基準値に対応した補正画像データを算出する手
    段と、を備える離散的補正画像データ算出手段であっ
    て、 前記各時間領域を伸長する伸長量を算出する手段は、 各時間領域において、時間領域の開始時刻と終了時刻を
    含む期間における入力画像データの統計量を求める統計
    量算出手段を備え、前記統計量算出手段の出力に基づい
    て時間領域の伸長量を算出する手段であることを特徴と
    する画像表示装置。
  3. 【請求項3】前記各時間領域の開始時刻と終了時刻を含
    む期間における入力画像データの統計量を算出する手段
    は、 前記時間領域の開始時刻に対応するデータ基準値をN1
    とし、 前記時間領域の終了時刻に対応するデータ基準値をN2
    とし、 前記入力画像データをDとして、前記行配線を分割した
    各々の領域ごとにN1とDとの比較結果から算出される
    第1の統計量算出手段と、 前記行配線を分割した各々の領域ごとにDとN1とN2
    から算出される第2の統計量算出手段とを備えることを
    特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
  4. 【請求項4】前記各時間領域の開始時刻と終了時刻を含
    む期間における入力画像データの統計量を算出する手段
    は、 前記時間領域の開始時刻に対応するデータ基準値をN1
    とし、 前記時間領域の終了時刻に対応するデータ基準値をN2
    とし、 前記入力画像データをDとして、 前記行配線を分割した各々の領域ごとにDがN1よりも
    大であるものの個数の総和を算出する第1の統計量算出
    手段と、 前記行配線を分割した各々の領域ごとにDに対して F(D)=0 (D<N1のとき) F(D)=(D−N1)/(N2−N1) (N1≦D
    <N2のとき) F(D)=1 (D≧N2のとき) となる関数F(D)の値の総和を算出する第2の統計量
    算出手段とを備えることを特徴とする請求項3に記載の
    画像表示装置。
  5. 【請求項5】前記第1の統計量算出手段は、 1水平走査期間ごとの前記入力画像データDに対し、前
    記時間領域の開始時刻に対応するデータ基準値をN1と
    し、前記時間領域の終了時刻に対応するデータ基準値を
    N2として、前記行配線を分割した各々の領域ごとに、
    前記入力画像データDと各時間領域の開始時刻に対応す
    るデータ基準値N1との比較を行うコンパレート手段
    と、 比較の結果をカウントするカウント手段と、を備え、 前記第2の統計量算出手段は、 1水平走査期間ごとの入力画像データに対し、前記行配
    線を分割した各々の領域ごとに、DとN2のうち小さい
    方の値Dを出力D’として出力するリミット手段と、 D’−N1を計算して計算結果が正ならばその値を、計
    算結果が負であれば0を出力Eとして出力する減算手段
    と、E/(N2−N1)を計算して加算する手段と、を
    備えることを特徴とする請求項4に記載の画像表示装
    置。
  6. 【請求項6】前記行配線に沿って設定された領域に接続
    された画像形成素子の水平方向の個数の素子数は、2の
    整数乗に比例することを特徴とする請求項1乃至5のい
    ずれか1項に記載の画像表示装置。
  7. 【請求項7】前記行配線に沿って設定された領域に含ま
    れる水平方向の画素数は、2の整数乗に比例することを
    特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像
    表示装置。
  8. 【請求項8】前記画像データに対して設定される画像デ
    ータの基準値の間隔は、2の整数乗に比例することを特
    徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像表
    示装置。
  9. 【請求項9】前記入力された画像データの補正に関する
    処理に要する時間に相当する時間分、前記入力された画
    像データを遅延させる遅延手段を備えたことを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像表示装
    置。
  10. 【請求項10】前記画像形成素子は、印加された電圧に
    より電子を放出する電子放出素子であることを特徴とす
    る請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像表示装
    置。
  11. 【請求項11】前記電子放出素子は、冷陰極素子である
    ことを特徴とする請求項10に記載の画像表示装置。
  12. 【請求項12】前記冷陰極素子は、表面伝導型放出素子
    であることを特徴とする請求項11に記載の画像表示装
    置。
  13. 【請求項13】前記冷陰極素子は、電界放出型素子であ
    ることを特徴とする請求項12に記載の画像表示装置。
  14. 【請求項14】前記画像形成素子から放出された電子が
    衝突して蛍光を発する蛍光部材を備えることを特徴とす
    る請求項10乃至13のいずれか1項に記載の画像表示
    装置。
  15. 【請求項15】前記画像形成素子は、EL素子であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の
    画像表示装置。
  16. 【請求項16】マトリクス状に配置され、複数の行配線
    及び列配線を介して駆動され、画像形成に用いられる画
    像形成素子と、 前記行配線を順次選択し走査する走査手段と、 前記列配線に接続され、入力された画像データと前記行
    配線の電気抵抗による前記画像形成素子に対する駆動条
    件の変動を補償する補正データとに基づいて変調電圧波
    形のパルス幅を変調した変調信号を印加する変調手段
    と、を備え、 前記行配線に順次選択信号を与え、前記列配線のそれぞ
    れに入力される画像データに応じた変調信号を与えるこ
    とによって画像を表示する画像表示方法において、 1水平走査期間の前記入力画像データに基づいて、該入
    力画像データの大きさとその水平表示位置とに応じた補
    正データを算出する補正データ算出工程を備え、 該補正データ算出工程は、 入力画像データに対し、複数の離散的な画像データ基準
    値を設定し、該画像データ基準値の画像データに対して
    補正データを算出する離散的補正データ算出工程と、離
    散的な画像データ基準値に対する補正データを補間し、
    入力画像のデータの大きさに対応した補正データを算出
    する補正データ補間工程と、を含み、 前記離散的補正データ算出工程は、 前記画像データ基準値に応じた各時刻を境界として、1
    水平走査期間を複数の時間領域に分割し、 各々の分割された時間領域において、画像形成素子から
    発光されるべき発光輝度量の総量が、電圧降下の影響に
    よる輝度の変動がない場合に発光されるべき発光輝度量
    と等しくなるように、各時間領域を伸長する伸長量を算
    出工程と、 各々の時間領域の伸長量を累積して、前記離散的な画像
    データの基準値に対応した補正データを算出する工程
    と、を含み、 前記各時間領域を伸長する伸長量を算出する工程は、 各時間領域において、時間領域の開始時刻と終了時刻を
    含む期間における入力画像データの統計量を求める統計
    量算出工程を含み、前記統計量算出工程の出力に基づい
    て時間領域の伸長量を算出する工程であることを特徴と
    する画像表示方法。
  17. 【請求項17】マトリクス状に配置され、複数の行配線
    及び列配線を介して駆動され、画像形成に用いられる画
    像形成素子と、 前記行配線を順次選択し走査する走査手段と、 前記列配線に接続され、補正画像データに基づいて変調
    電圧波形のパルス幅を変調した変調信号を印加する変調
    手段と、を備え、 前記行配線に順次選択信号を与え、前記列配線のそれぞ
    れに入力される画像データに応じた変調信号を与えるこ
    とによって画像を表示する画像表示方法において、 1水平走査期間の前記入力画像データに基づいて、該入
    力画像データの大きさとその水平表示位置に応じた前記
    補正画像データを算出する補正画像データ算出工程を備
    え、 該補正画像データ算出工程は、 入力画像データに対し、複数の離散的な画像データ基準
    値を設定し、該画像データ基準値の画像データに対して
    補正画像データを算出する離散的補正画像データ算出工
    程と、離散的な画像データ基準値に対する補正画像デー
    タを補間し、入力画像のデータの大きさに対応した補正
    画像データを算出する補正画像データ補間工程と、を含
    み、 前記離散的補正画像データ算出工程は、 前記画像データ基準値に応じた各時刻を境界として、1
    水平走査期間を複数の時間領域に分割し、 各々の分割された時間領域において、画像形成素子から
    発光されるべき発光輝度量の総量が、電圧降下の影響に
    よる輝度の変動がない場合に発光されるべき発光輝度量
    と等しくなるように、各時間領域を伸長する伸長量を算
    出する工程と、 各々の時間領域の伸長量を累積して、前記離散的な画像
    データの基準値に対応した補正画像データを算出する工
    程と、を含み、 前記各時間領域を伸長する伸長量を算出する工程は、 各時間領域において、時間領域の開始時刻と終了時刻を
    含む期間における入力画像データの統計量を求める統計
    量算出工程を含み、前記統計量算出工程の出力に基づい
    て時間領域の伸長量を算出する工程であることを特徴と
    する画像表示方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020508485A (ja) * 2017-02-14 2020-03-19 ナンヤン テクノロジカル ユニヴァーシティー サブピクセル回路、ならびにそれを有する表示システムおよび電子機器

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