JP4072027B2 - 弾球遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾球遊技機に係り、さらに詳しくは、弾球遊技機に設けられた前後2枚の透明板の間に隠蔽部を有する介在部材を配設し、弾球遊技機の遊技領域以外の部分が遊技者から視認されないようにした弾球遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のパチンコ遊技機等の弾球遊技機は、円形状にレールを配設して遊技領域を形成した遊技盤の前面に、矩形状の開口が設けられた透明板保持枠を設け、この透明板保持枠の裏側に該透明板保持枠の開口に対応させて矩形状の透明板(例えば、ガラス板)が一定間隔をもって前後に2枚装着されているのが一般的である。
【0003】
一方、最近では、遊技者に視覚的なインパクトを与えるべく弾球遊技機の前面側の装飾化が急速に進んでおり、透明板保持枠の開口の内周縁部、すなわち該開口のうち、遊技盤の遊技領域に沿う部分を円弧状にして、開口の全体を円形状にしたり、開口の上方部分を円弧状にして透明板保持枠の前面の装飾面積を拡大させると共に、当該部分を合成樹脂でデザイン化したもの(以下、これを「前面装飾枠」という)が装着された弾球遊技機も存在するようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したような開口を円形状等にした前面装飾枠は、弾球遊技機の装飾性を高めるという点では優れているものの、反面、次のような解決すべき課題を有している。すなわち、円形状等の開口を有する前面装飾枠に従来から一般に使用されている矩形状の透明板をそのまま装着すると、図7に示すように2枚の透明板の間から、何ら装飾もされていない遊技盤の遊技領域外の部分Sが遊技者に視認されてしまい、きわめて見栄えを悪くしてしまうことになる。(図7の遊技領域以外の部分Sに若干見えているのは、弾球遊技機が検査に合格したことを示す証紙である。)そのため、現存する円形状等の開口を有する前面装飾枠は、上記の問題を防ぐため、透明板自体を開口と同様の円形状等にカットし、この円形状等の透明板を枠体で囲って前面装飾枠の裏面に装着している。
【0005】
しかし、透明板自体を開口の形状に合わせて円形状等にカットしなければならないとすれば、矩形状のものと比較してカットに要する費用が余分に掛かってしまう。また、例えば、開口を円形状に形成したもの、開口の上方のみを円弧状に形成したもの、あるいは開口を矩形状に形成したものというように、異なる形状の開口を有する弾球遊技機毎に透明板の形状も変えなければならないことになるから、この面においても余分なコストと手間を要することになってしまう。
【0006】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、2枚の透明板間に隠蔽部を有する介在部材を設けることで、前面装飾枠の開口を円形状等にした弾球遊技機に、該開口の形状と異なる形状の透明板を装着しても、遊技者に遊技盤の遊技領域以外の部分を視認されないようにすることを可能とした弾球遊技機を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に係る発明は、円形状にレールを配設して遊技領域を形成した遊技盤と、前記遊技盤の遊技領域を視認でき少なくとも一部が円弧状をなす開口を有する前面装飾枠と、前記前面装飾枠の裏側に直接又は間接的に設けられた透明板取付部材と、前記透明板取付部材に装着される前後2枚の透明板とを備えた弾球遊技機において、前記2枚の透明板間に、該透明板間の内法と略一致する幅厚を有すると共に、前記遊技盤に配設された前記レールの円周形状の少なくとも一部に沿う隠蔽部を有する介在部材を配設したことを特徴としている。
【0008】
なお、現在、最もパチンコ遊技機等の弾球遊技機に使用されている「透明板」として、ガラス板が一般的であるが、遊技盤を透視するという同様の目的を達し得るものであれば、合成樹脂等、種々のもので代替することが考えられる。また、請求項1の「一部が円弧状をなす開口」とは、円形状の開口、上方のみを円弧状とした開口、あるいは、側方のみを円弧状とした開口等、円弧状部を有する種々の開口を意味するものである。さらに、請求項1において、「前面装飾枠の裏側に直接又は間接的に設けられた透明板取付部材」としたのは、透明板取付部材は、前面装飾枠の裏面に直接的に設けられる場合のほか、例えば、透明板取付部材を内枠体の一側にヒンジ等を利用して可動自在に装着されているといった前面装飾枠に間接的に設けられていると考えられる場合があることを考慮したものである。また、「内法」とは、透明板自体の幅を加えないで2枚の透明板の間を測った寸法を意味する。これらの点は、他の請求項においても同様である。
【0009】
請求項2に係る発明は、円形状にレールを配設して遊技領域を形成した遊技盤と、前記遊技盤の遊技領域を視認でき少なくとも一部が円弧状をなす開口を有する前面装飾枠と、前記前面装飾枠の裏側に直接又は間接的に設けられた透明板取付部材と、前記透明板取付部材に装着される前後2枚の透明板とを備えた弾球遊技機において、前記2枚の透明板は枠状に形成された透明板枠体内に挿入されて前記透明板取付部材に装着されるようにし、前記透明板枠体の内側であって前記2枚の透明板間に、該透明板間の内法と略一致する幅厚を有すると共に、前記遊技盤に配設された前記レールの円周形状の少なくとも一部に沿う隠蔽部を有する介在部材を配設したことを特徴としている。このように、2枚の透明板を枠状に形成された透明板枠体内に挿入した状態で透明板取付部材に装着するようにすると、透明板の脱着作業を容易化することができる。
【0010】
請求項3に係る発明は、円形状にレールを配設して遊技領域を形成した遊技盤と、前記遊技盤の遊技領域を視認できる多辺形状の開口を有する前面装飾枠と、前記前面装飾枠の裏側に直接又は間接的に設けられた透明板取付部材と、前記透明板取付部材に装着される前後2枚の透明板とを備えた弾球遊技機において、前記2枚の透明板間に、該透明板間の内法と略一致する幅厚を有すると共に、前記遊技盤に配設された前記レールの円周形状の少なくとも一部に沿う隠蔽部を有する介在部材を配設したことを特徴としている。
【0011】
請求項4に係る発明は、円形状にレールを配設して遊技領域を形成した遊技盤と、前記遊技盤の遊技領域を視認できる多辺形状の開口を有する前面装飾枠と、前記前面装飾枠の裏側に直接又は間接的に設けられた透明板取付部材と、前記透明板取付部材に装着される前後2枚の透明板とを備えた弾球遊技機において、前記2枚の透明板は枠状に形成された透明板枠体内に挿入されて前記透明板取付部材に装着されるようにし、前記透明板枠体の内側であって前記2枚の透明板間に、該透明板間の内法と略一致する幅厚を有すると共に、前記遊技盤に配設された前記レールの円周形状の少なくとも一部に沿う隠蔽部を有する介在部材を配設したことを特徴としている。
【0012】
請求項5に係る発明は、円形状にレールを配設して遊技領域を形成した遊技盤と、前記遊技盤の遊技領域を視認でき少なくとも一部が円弧状をなす開口を有する前面装飾枠と、前記前面装飾枠の裏側に直接又は間接的に設けられた透明板取付部材と、前記透明板取付部材に装着される前後2枚の透明板とを備えた弾球遊技機において、前記2枚の透明板間に、該透明板間の内法と略一致する幅厚を有すると共に前記前面装飾枠の開口内周形状の少なくとも一部に沿う隠蔽部を有する介在部材を配設したことを特徴としている。
【0013】
請求項6に係る発明は、円形状にレールを配設して遊技領域を形成した遊技盤と、前記遊技盤の遊技領域を視認でき少なくとも一部が円弧状をなす開口を有する前面装飾枠と、前記前面装飾枠の裏側に直接又は間接的に設けられた透明板取付部材と、前記透明板取付部材に装着される前後2枚の透明板とを備えた弾球遊技機において、前記2枚の透明板は枠状に形成された透明板枠体内に挿入されて前記透明板取付部材に装着されるようにし、前記透明板枠体の内側であって前記2枚の透明板間に、該透明板間の内法と略一致する幅厚を有すると共に前記前面装飾枠の開口内周形状の少なくとも一部に沿う隠蔽部を有する介在部材を配設したことを特徴としている。
【0014】
請求項7に係る発明は、円形状にレールを配設して遊技領域を形成した遊技盤と、前記遊技盤の遊技領域を視認できる多辺形状の開口を有する前面装飾枠と、前記前面装飾枠の裏側に直接又は間接的に設けられた透明板取付部材と、前記透明板取付部材に装着される前後2枚の透明板とを備えた弾球遊技機において、前記2枚の透明板間に、該透明板間の内法と略一致する幅厚を有すると共に前記前面装飾枠の開口内周部形状の少なくとも一部に沿う隠蔽部を有する介在部材を配設したことを特徴としている。
【0015】
請求項8に係る発明は、円形状にレールを配設して遊技領域を形成した遊技盤と、前記遊技盤の遊技領域を視認できる多辺形状の開口を有する前面装飾枠と、前記前面装飾枠の裏側に直接又は間接的に設けられた透明板取付部材と、前記透明板取付部材に装着される前後2枚の透明板とを備えた弾球遊技機において、前記2枚の透明板は枠状に形成された透明板枠体内に挿入されて前記透明板取付部材に装着されるようにし、前記透明板枠体の内側であって前記2枚の透明板間に、該透明板間の内法と略一致する幅厚を有すると共に前記前面装飾枠の開口内周形状の少なくとも一部に沿う隠蔽部を有する介在部材を配設したことを特徴としている。
【0016】
さらに、請求項2、請求項4、請求項6又は請求項8記載の介在部材は、透明板枠体に一体的に成形しても、透明板枠体に着脱自在に取り付けてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る弾球遊技機の実施の形態を図面を参照しながら説明する。なお、弾球遊技機には、パチンコ遊技機、雀球遊技機等の遊技機があるが、以下、その一例としてパチンコ遊技機について説明する。図1はパチンコ遊技機の正面図、図2は前面装飾枠を開いた状態のパチンコ遊技機の斜視図、図3は前面装飾枠と前面板と前面下部板を取り外した状態の分解斜視図である。パチンコ遊技機1は、縦長方形状に枠組みされる木製の外枠2と、該外枠2の一側にヒンジ機構3によって開閉自在に装着される内枠体4と、該内枠体4の後面に取付保持される遊技盤5とを備え、該内枠体4の前面一側に前面装飾枠6と、打球供給皿7を有する前面板8及び余剰球受皿9を有する前面下部板10とを開閉自在に軸着して構成されている。
【0018】
前記内枠体4は、図3に示すように、鉄板等の金属板によって成形されたもので、その上部には遊技盤5が臨む開口窓11が開設され、該開口窓11の上部及び下部は板状となっている。そして、前記開口窓11の上方の板状部には、横長に成形された状態表示基板12が取り付けられている。この状態表示基板12にはその前面に、前記前面装飾枠6を開放したとき、これをホールコンピュータ(図示せず)へ電気的に出力する扉開放スイッチ13およびエラー状態が生じたとき、これをホールの係員に知らせる状態表示ランプ14が設けられている。また、前記開口窓11の下方の板状部分には、パチンコ球を遊技盤5へ打込むための打球発射機構15、遊技中大当り状態になった時などに低音を発生させる低音スピーカ16、及び打球供給皿6から球抜きした球又はファール球等を余剰球受皿9に誘導するための通路構成体17がそれぞれ装着されている。さらに、内枠体4の開放側側部に、内枠体4及び前面装飾枠6を施錠するためのシリンダー錠18が設けられており、他側側部には、上下一対の蝶番19及び前面装飾枠6を着脱自在に取り付けるための取付部材20が設けられている。一方、前記内枠体4の裏面には、遊技盤取付枠21が固着されており、該遊技盤取付枠21に開口窓11を覆うように遊技盤5が取り付けられている。
【0019】
前記遊技盤5は、ほぼ正方形状の合板からなるもので、図2乃至図3に示すようにその表面に外側レール22と内側レール23とが配設されて円形状の遊技領域24が形成されている。すなわち、遊技盤5表面の下端左よりの位置から上端右よりの位置まで外側レール22が円弧状に延設されていると共に、遊技盤5の上端右よりの位置から上端左よりの位置に向けて内側レール23が円弧状に延設され、全体として円形状の遊技領域24が形成されている。そして、該遊技盤5の遊技領域24内には、例えば数字、図柄等の識別情報を変動表示する可変表示装置25、パチンコ球が入賞することによって前記可変表示装置25を電気的に作動させる始動入賞口26、前記識別情報が特定の組合せ(例えば「777」)に揃い大当たり状態になったとき、一定の条件の下で一度に多くの入賞球を発生させる大型の入賞装置27、風車28、などが装着されている。一方、遊技盤5の遊技領域24の外であり、右側下部隅角部には、パチンコ遊技機1が検査に合格したことを示す証紙を貼り付けるための証紙貼付部材29が装着されている。
【0020】
前記前面装飾枠6は、内枠体4の上半部分を全幅にわたって覆う大きさに形成された合成樹脂製の本体枠6aと、該本体枠6aの裏面側に装着される補強金属板6bとから概略構成されている。前記本体枠6aには、その中央部に遊技盤5前面の遊技領域24が視認可能な円形状の開口30が形成されており、該開口30の外周縁部を前側へ最も張り出させると共に、透光性の凹部と非透光性の凸部とを複雑に入り組ませてその外観が火山のようにデザイン化されている。また、図示はしないが、本体枠6aの裏側であり、補強金属板6bとの間には、LEDとスピーカが配設されており、これが点灯するとあたかも火山が噴火して溶岩が流動するようなイメージを遊技者に想起させるようになっている。さらに、補強金属板6bには、その開放側側辺に、内枠体4に設けられたシリンダー錠18が臨む貫通孔31が貫設され、これと対応して、本体枠6aにシリンダー錠18前端の鍵穴部32が臨む鍵挿通孔33が開設されている。なお、前記開口30を円形状としたのは、本体枠6aによって遊技盤5の遊技領域24を覆い隠してしまうことなく、本体枠6aの装飾面積を可能な限り拡大させることを意図したためである。従って、該開口30の内周は遊技領域24を区画する外側レール22と内側レール23に略沿うような円形状になっている。
【0021】
前記前面装飾枠6の補強金属板6b後面には、本体枠6aの開口30の上辺部を除く左右側辺部及び下側辺部を囲うようにしてコ字形に形成された透明板取付部材35が一体的に設けられている。すなわち、補強金属板6bの開口の左右側部にそれぞれ左溝枠36と右溝枠37、さらに下側部に下溝枠38が設けられており、これら左溝枠36、右溝枠37、下溝枠38には、内溝39aと外溝39bとが形成されている。そして、内溝39a、外溝39bに2枚の矩形状のガラス板40,40を収容した透明板枠体50が上方より挿入嵌合されて保持されている。
【0022】
前記透明板枠体50は、合成樹脂により額縁状に形成された枠体に2枚のガラス板を平行に配置したもので、図4乃至図5に示すように左右一対の縦枠51a,51bと上下一対の横枠52a,52bとから構成されている。また、透明板枠体50の内側の各コーナー部には遊技盤5の非遊技領域を隠蔽する役割を果たす介在部材53が着脱自在に取り付けられている。前記左右一対の縦枠51a,51bは杆状に形成されており、その両端部分には結合突片54,54が設けられている。一方、上下一対の横枠52a,52bは両端部を互いに内側へ折曲したコ字型に形成されており、その折曲部分に縦枠51a,51bの結合突片54,54が嵌合される凹部55,55が形成されている。また、縦枠51a,51b及び横枠52a,52bの内側には、2枚のガラス板40,40を嵌挿する挿入溝56a,56bが設けられ、縦枠51a,51b及び横枠52a,52bの外側には、前記透明板取付部材35の内溝39aと外溝39bに挿入される突条57a,57bが設けられている。さらに、横枠52a,52bの折曲部分及び杆状部分の内側であり且つ挿入溝56a,56b間に位置するように介在部材53を取り付けるための係止片58a,58bが突出形成されている。前記介在部材53は、透明板枠体50のコーナー部の各々に配設されるもので、透明板枠体50の挿入溝56a,56b間の内法、すなわち、ガラス板40,40間の内法と略一致する幅厚に形成されており、透明板枠体50に介在部材53を装着するために設けられている基部60と、4分の1円弧面からなる隠蔽部61とから構成されている。なお、前記隠蔽部61の円弧はいずれも、前面装飾枠6の開口30の内周部及び遊技盤5の外側レール22及び内側レール23の円弧と略一致するようになっている。また、前記基部60には、横枠52a,52bの係止片58a,58bに結合させるための孔62a,62bが穿設されている。
【0023】
次に、透明板枠体50の組立手順について説明する。まず、横枠52aの折曲部の端部に縦枠51a,51bの各々の端部を合わせた後、縦枠51a,51bの係合突片54,54を横枠52a,52bの凹部55,55に嵌め合わせて連結する。そして、介在部材53の基部60の孔62a,62bを横枠52a,52bの係止片58a,58bに嵌め込んで介在部材53を装着しておく。このとき、縦枠51a,51bに連結されていない横枠52bにも同様に介在部材53を装着しておく。次いで、縦枠51a,51bと横枠52aとが連結されているものの挿入溝56a,56bに2枚のガラス板40,40を上方から嵌挿する。最後に、横枠52bの折曲部の端部を縦枠51a,51bの端部に合わせ、縦枠51a,51bの係合突片54,54を横枠52bの凹部55,55に嵌め合わせることで、図4に示すように透明板枠体50に2枚のガラス板40,40及び介在部材53が介挿された状態で額縁状に組み立てられる。
【0024】
上記のように組み立てられた透明板枠体50を前面装飾枠6の裏側に設けられた透明板取付部材35に上方から挿入することで、図2に示すように2枚のガラス板が前面装飾枠6に装着された状態となる。このとき、2枚のガラス板40,40間に位置する介在部材53の隠蔽部61の円弧状部は、前面装飾枠6の開口30内周部の形状に沿うようになっている。また、図6に示すように前面装飾枠6を閉止すると、遊技盤5に配設された外側レール22と内側レール23の円周の形状に沿うようになっている。このように本発明は、2枚のガラス板40,40間の内法と略一致する幅厚で形成され、しかも外側レール22及び内側レール23の円周形状に沿う隠蔽部61を有する介在部材53を、2枚のガラス板40,40間に配設したことから、次のような有益な効果を得ることができる。すなわち、円形状の開口が開設された前面装飾枠を備えたパチンコ遊技機に、例えば、矩形状のガラス板を装着しても、介在部材の隠蔽部によって、遊技盤の遊技領域以外の部分が塞がれることになるため、遊技者に対し、遊技領域外のなんらの装飾もなされていない部分を隠してしまうことができる。また、前面装飾枠の開口の形状にガラス板の形状が拘束されるようなこともなくなるため、従来のように、ガラス板を前面装飾枠の形状にあわせてカットするといった余分な手間を払う必要もなく、それに要する費用も不要となる。
【0025】
なお、上記の実施例では、透明板枠体50を縦枠51a,51bと横枠52a,52bによって構成した例を示したが、これに限定されるわけではなく、2枚の透明板を額縁状に介挿できるものであればよい。また、上記実施例では、透明板枠体50に装着される介在部材53を4分の1円弧面の隠蔽部61からなるもので説明したが、例えば、半円弧面を有する隠蔽部からなるアーチ状のものとするなど種々の形態を選択することが可能である。さらに、上記実施例では、介在部材53を透明板枠体50と別体に成形し、透明板枠体50に着脱自在に取り付けられるようにしているが、介在部材53を透明板枠体50に一体成形してもよい。また、上記実施例では、介在部材53の隠蔽部61が、外側レール22及び内側レール23によって形成される全周の形状に沿うようになっているが、前面装飾枠の開口内周部の形状に合わせて円周の一部のみ沿わせるようにしてもよい。例えば、前面装飾枠の開口が側方片側のみを円弧状としている場合には、この開口の形状に合わせて隠蔽部も側方片側のみを内外レールに沿わせるようにしてもよい。さらに、上記した実施例では、介在部材53の隠蔽部61が、外側レール22及び内側レール23によって形成される円周と、前面装飾枠6の開口30内周部の双方に沿うように構成されているものについて説明したが、遊技盤5の非装飾部分を隠蔽する目的を果たし得るのであれば、介在部材の隠蔽部を外側レール及び内側レールによって形成される円周、あるいは前面装飾枠の開口の内周部のいずれか一方のみに沿うように構成してもよい。
【0026】
図8は、上記実施例と異なる実施例を示したものである。なお、図8において、上記実施例と同じ構成要素については同一符合を付している。この実施例では、2枚のガラス板40,40を透明板枠体50に介挿することなく、直接、透明板取付部材35に装着している点、及び、透明板取付部材35に装着された状態の2枚のガラス板40,40間に上方から直接、介在部材70を挿入するようにしている点で第1実施例と相違している。この介在部材70は、矩形状の縁部材71内側の上半部に半円弧状の隠蔽部72を一体的に設けて形成している。ここで、介在部材70の上半部のみに円弧状の隠蔽部72が設けられているのは、前面装飾枠6の開口部が上方のみを円弧状とした場合(図示省略)に対応したためである。もちろん、介在部材の70の隠蔽部は、半円弧状としなければならないわけではなく、前面装飾枠の開口の形状に合わせて設ければよく、例えば、前面装飾枠の開口が円形状であれば、外側レール22及び内側レール23の全周の形状に沿うようにすればよい。また、縁部材の形状についても、種々の形態を採ることが可能であり、隠蔽部も縁部材に必ずしも一体成形する必要はなく、隠蔽部が縁部材に着脱自在に設けられていてもよい。
【0027】
図9は、前面装飾枠6に開設された開口80を多辺形状としたものの例を示している。このように、開口80の形状を多辺形状とした場合においても、その開口80が遊技盤5の遊技領域24を最大限広く視認できるよう外側レール22及び内側レール23の全周の形状に略沿うようになっていれば、上記した例と同様の問題が生じることになる。例えば、矩形状のガラス板40,40をそのまま前面装飾枠6に装着すると、2枚のガラス板40,40の間から、何ら装飾もされていない遊技盤の遊技領域24外の部分が遊技者に視認されてしまい、きわめて見栄えを悪くしてしまうことになる。そこで、図9に示したパチンコ遊技機1についても、2枚の透明板40,40間に隠蔽部61を有する介在部材53を設け、遊技者に遊技盤の遊技領域以外の部分を視認されないようにしたものである。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る弾球遊技機は、2枚の透明板間に隠蔽部を有する介在部材を設けることで、前面装飾枠の開口を円形状等にした弾球遊技機に、該開口の形状と異なる形状の透明板を装着しても、遊技者に遊技盤の遊技領域以外の部分を視認されないようにすることができる。また、そのことにより、現在一般に使用されている矩形状の透明板が円形状等の開口を有する前面装飾枠に装着することが可能となり、矩形状のガラス板に汎用性を持たせることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すパチンコ遊技機の正面図。
【図2】同前面装飾枠を開いた状態の斜視図。
【図3】同内枠体と前面装飾枠と前面板及び前面下部板を取り外した状態の分解斜視図。
【図4】本発明の一構成要素である透明板枠体にガラス板及び介在部材が装着された状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の一構成要素である透明板枠体、ガラス板及び介在部材の分解斜視図である。
【図6】遊技領域と介在部材の関係を示す斜視図である。
【図7】介在部材が装着されていない状態を示す斜視図である。
【図8】他の実施例を示す斜視図である。
【図9】他の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 弾球遊技機
5 遊技盤
6 前面装飾枠
22 外側レール
23 内側レール
24 遊技領域
30 開口
35 透明板取付部材
40 透明板
50 透明板枠体
53 介在部材
61 隠蔽部
Claims (4)
- 円形状にレールを配設して遊技領域を形成した遊技盤と、前記遊技盤の遊技領域を視認でき少なくとも一部が円弧状をなす開口を有する前面装飾枠と、前記前面装飾枠の裏側に直接又は間接的に設けられた透明板取付部材と、前記透明板取付部材の上方から挿入して装着された透明板枠体と、前記透明板枠体に介挿された前後2枚の透明板と、前記2枚の透明板間に設けられた介在部材とを備え、
前記透明板枠体は、左右一対の縦枠と上下一対の横枠とを各々連結して額縁状に形成され、該縦枠と該横枠の内側に設けられた挿入溝に2枚の透明板を嵌挿するようになっており、
前記介在部材は、該透明板の外縁に沿って形成された基部と、該透明板間の内法と略一致する幅厚を有すると共に前記遊技盤に配設された前記レールの円周形状の少なくとも一部に沿う隠蔽部とを有し、
さらに前記透明板枠体に係止片を設けると共に、前記介在部材の基部に孔を設け、前記透明板枠体の係止片を前記介在部材の孔に着脱可能になっていることを特徴とする弾球遊技機。 - 円形状にレールを配設して遊技領域を形成した遊技盤と、前記遊技盤の遊技領域を視認できる多辺形状の開口を有する前面装飾枠と、前記前面装飾枠の裏側に直接又は間接的に設けられた透明板取付部材と、前記透明板取付部材の上方から挿入して透明板枠体と、前記透明板枠体に介挿された前後2枚の透明板と、前記2枚の透明板間に設けられた介在部材とを備え、
前記透明板枠体は、左右一対の縦枠と上下一対の横枠とを各々連結して額縁状に形成され、該縦枠と該横枠の内側に設けられた挿入溝に2枚の透明板を嵌挿するようになっており、
前記介在部材は、該透明板の外縁に沿って形成された基部と、該透明板間の内法と略一致する幅厚を有すると共に前記遊技盤に配設された前記レールの円周形状の少なくとも一部に沿う隠蔽部とを有し、
さらに前記透明板枠体に係止片を設けると共に、前記介在部材の基部に孔を設け、前記透明板枠体の係止片を前記介在部材の孔に着脱可能になっていることを特徴とする弾球遊技機。 - 円形状にレールを配設して遊技領域を形成した遊技盤と、前記遊技盤の遊技領域を視認でき少なくとも一部が円弧状をなす開口を有する前面装飾枠と、前記前面装飾枠の裏側に直接又は間接的に設けられた透明板取付部材と、前記透明板取付部材の上方から挿入して装着された透明板枠体と、前記透明板枠体に介挿された前後2枚の透明板と、前記2枚の透明板間に設けられた介在部材とを備え、
前記透明板枠体は、左右一対の縦枠と上下一対の横枠とを各々連結して額縁状に形成され、該縦枠と該横枠の内側に設けられた挿入溝に2枚の透明板を嵌挿するようになっており、
前記介在部材は、該透明板の外縁に沿って形成された基部と、該透明板間の内法と略一致する幅厚を有すると共に前記前面装飾枠の開口内周形状の少なくとも一部に沿う隠蔽部とを有し、
さらに前記透明板枠体に係止片を設けると共に、前記介在部材の基部に孔を設け、前記透明板枠体の係止片を前記介在部材の孔に着脱可能になっていることを特徴とする弾球遊技機。 - 円形状にレールを配設して遊技領域を形成した遊技盤と、前記遊技盤の遊技領域を視認できる多辺形状の開口を有する前面装飾枠と、前記前面装飾枠の裏側に直接又は間接的に設けられた透明板取付部材と、前記透明板取付部材の上方から挿入して透明板枠体と、前記透明板枠体に介挿された前後2枚の透明板と、前記2枚の透明板間に設けられた介在部材とを備え、
前記透明板枠体は、左右一対の縦枠と上下一対の横枠とを各々連結して額縁状に形成され、該縦枠と該横枠の内側に設けられた挿入溝に2枚の透明板を嵌挿するようになっており、
前記介在部材は、該透明板の外縁に沿って形成された基部と、該透明板間の内法と略一致する幅厚を有すると共に前記前面装飾枠の開口内周形状の少なくとも一部に沿う隠蔽部とを有し、
さらに前記透明板枠体に係止片を設けると共に、前記介在部材の基部に孔を設け、前記透明板枠体の係止片を前記介在部材の孔に着脱可能になっていることを特徴とする弾球遊技機。
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