JP4071703B2 - はんだ接合部の熱疲労寿命診断方法とその装置 - Google Patents
はんだ接合部の熱疲労寿命診断方法とその装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4071703B2 JP4071703B2 JP2003389707A JP2003389707A JP4071703B2 JP 4071703 B2 JP4071703 B2 JP 4071703B2 JP 2003389707 A JP2003389707 A JP 2003389707A JP 2003389707 A JP2003389707 A JP 2003389707A JP 4071703 B2 JP4071703 B2 JP 4071703B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- crack
- life
- joint
- solder joint
- solder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)
- Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)
Description
しかしながら、はんだ接合部は経年的に劣化し、特に熱ストレス等に応じて、き裂や剥離を発生させる性質を持つ。また、この種のき裂や剥離は、負荷の大小に応じて、基板上に実装された電子部品の寿命よりも電子回路全体の寿命を短くさせる。
Δεp・Nn=C …(1)
Δεp:塑性ひずみ、 N:繰り返し寿命、 n,C:定数
また、No.2のき裂進展速度式において
da/dn=Ca(Δεp)n・fm …(2)
f;繰り返し周波数、 a:き裂長さ n:繰り返し回数
である。
da/dn=Aa+B …(3)
進展速度を算出している。但し、A、B:定数
ソリッドステイツテクノロジー、7月号(1970年)第48頁〜第54頁
さらに、はんだ接合部における深さ方向の寿命をも、診断対象の電気回路を非破壊状態で求めることが可能となる。
先ず、本発明のはんだ接合部の熱疲労寿命診断方法の概要を説明する。
但し、C1、m:定数
この裂進展速度式における塑性ひずみとき裂進展速度とはんだ接合部の接合長Lと貫通に至るまでの寿命サイクル数Nf1との関係を示す寿命評価基準式を求める。
現地で観察した診断対象の電子回路のはんだ接合部の現在の(残りの)接合長Lから、寿命評価基準式を用いて、診断対象の電子回路のはんだ接合部の接合長Lに対応する貫通に至るまでの寿命サイクル数Nf1が算出される。
但し、C2、m:定数
そこで、はんだ接合部のき裂開口量とき裂深さの関係を、予め多くのサンプルから測定し記憶保持し、き裂開口量からき裂深さを求めて、はんだ接合部における深さ方向の寿命サイクル数を寿命評価基準式
Nf2=H/C2・ψm …(7)
を用いて求めている。但し、Hははんだ接合部3における深さ方向の残り長さであり、深さ方向のき裂5が発生していない時点においては、はんだ接合部3における深さ方向の長さである。このように、はんだ接合部における深さ方向の寿命をも、診断対象の電気回路を非破壊状態で求めることが可能となる。
図1は本発明の一実施形態に係わるはんだ接合部の熱疲労寿命診断方法が適用されるはんだ接合部の熱疲労寿命診断装置の概略構成を示すブロック図である。このはんだ接合部の熱疲労寿命診断装置はコンピュータ等の一種の情報処理装置で構成されている。
条件入力部11は、図2に示す電気回路を構成する電子部品2と基板1の熱膨張差と温度差とはんだ接合部3の寸法と熱応力の繰り返し周波数等の解析条件を弾塑性解析部12へ入力する。具体的には、電気回路に対するパワーオン・オフ等を想定して、125℃〜―40℃の温度サイクルを設定する。
長さ入力部19は、診断対象の電気回路における観察されたはんだ接合部3の現在の接合長Lおよび現在のサイクル数nを寿命サイクル数算出部20へ入力する。
Nf1=L/(da/dn) …(5)
診断対象の電子回路のはんだ接合部の接合長Lから、当該診断対象の電子回路のはんだ接合部の接合長Lに対応する貫通に至るまでの寿命サイクル数Nf1を算出して、表示出力部23を介して表示出力する(図3のステップS7)。
先ず、図4に示す電子回路に対する有限要素法ニ次元の弾塑性解析にて塑性ひずみ(Δεp)を求め、さらに、電子回路に対する温度サイクル試験を実施して、図6に示す裂進展速度式を求める。
図8、図9、図10に、診断対象の電子回路に対して125℃〜−40℃の温度サイクルを1500サイクルまで付加した結果を示す。図8に示すように、先ず1000サイクルにおいて、チップ抵抗からなる電子部品2と基板1とのあいだのはんだ接合部3に発生したき裂4のき裂長さaを計測したところ約0.6mmであった。各サイクル数nで観察されたき裂4の最大き裂長さaを測定した値とサイクル数nとの関係をプロットしたものを図10に示す。この図より、き裂が、初期長さ0.90mmを有するはんだ接合部3を貫通までのサイクル数を推定すると1400回程度となる。
da/dn=1.54×(Δεp)0.99=1.54×(1.1)0.99
=1.69μm/サイクル
となる。はんだ接合部3の当初の接合長さが0.9mmであることから、はんだ接合部3の1000サイクル時点における残りの接合長さLは0.9―0.6=0.3mmとなる。したがって、貫通に至るまでの寿命サイクル数Nf1は、
Nf1=L/(da/dn)=300μm/1.69μm=177回
となる。
診断対象の電子回路に対して1200サイクル実施後に断面観察を行ったところ、図9に示すように、既に貫通き裂4が発生していた。1000サイクル実施時点で予定していた寿命は図10に示すように、1400サイクルであったが、実際には1200サイクルで既に貫通き裂4が発生しており、今回、裂進展速度式を用いて算出した貫通に至るまでの寿命Nf1が実際の寿命と良く一致していることが確認できた。
図1のデータベース13の開口・き裂深さ対応メモリ16内には、図14に示すはんだ接合部3におけるき裂5のき裂開口量(ψ)とき裂深さDの関係が記憶されている。開口量入力部22は診断対象の電子回路のはんだ接合部3における観察されたき裂5のき裂開口量(ψ)をき裂深さ算出部21へ入力する。
但し、Hははんだ接合部3における深さ方向の残り長さであり、深さ方向のき裂5が発生していない時点においては、はんだ接合部3における深さ方向の長さである。
図11に示すように、リード6の円周上に発生するき裂5のき裂長さを最大LmとするとLm=2πrである。円周上に全くき裂5が無い場合は、円周全てにき裂5が発生するまでの寿命Nf1は、
Nf1=Lm/C1・(Δεp)m=Lm/[1.54×(Δεp)0.99]
となる。
Nf2=H/C2・ψm=H/[26×ψ0.86]
となる。
=Lm/[1.54×(Δεp)0.99]+H/[26×ψ0.86]
このように、はんだ接合部3における従来の幅方向の寿命に加えて深さ方向の寿命をも考慮に入れた最終的な寿命Nfを、診断対象の電気回路を非破壊状態で求めることが可能となる。
Claims (2)
- 予め電気回路のはんだ接続部に発生する繰返し熱応力に起因する塑性ひずみを有限要素法ニ次元の弾塑性解析にて求める工程と、
前記電気回路に対する温度サイクル試験実施過程で観察されたはんだ接合部の長さ方向のき裂進展速度と、前記弾性解析にて求められた塑性ひずみとの関係を示すき裂進展速度式を求める工程と、
前記き裂進展速度とはんだ接合部の残り接合長とからき裂が接合部の接合長方向貫通するまでの長さ方向寿命の寿命評価基準式を求める工程と、
予め求められた電気回路のはんだ接続部のき裂のき裂開口量とき裂深さの関係を記憶保持する工程と、
前記はんだ接合部における深さ方向残り寸法と前記接合部におけるき裂開口量とからき裂が接合部の深さ方向貫通するまでの深さ方向寿命の寿命評価基準式を求める工程と、
診断対象の電気回路のはんだ接合部における残り接合長を指定した診断指示に応じて、残り接合長に対応する長さ方向の寿命サイクル数を前記長さ方向の寿命評価基準式を用いて求める工程と、
診断対象の電気回路のはんだ接合部における深さ方向当初寸法及びき裂開口量を指定した診断指示に応じて、深さ方向当初寸法及びき裂開口量に対応する深さ方向の寿命サイクル数を前記深さ方向の寿命評価基準式を用いて求める工程と
を備えたことを特徴とするはんだ接合部の熱疲労寿命診断方法。 - 予め電気回路のはんだ接続部に発生する繰返し熱応力に起因する塑性ひずみを有限要素法ニ次元の弾塑性解析にて求める手段と、
前記電気回路に対する温度サイクル試験実施過程で観察されたはんだ接合部の長さ方向のき裂進展速度と、前記弾性解析にて求められた塑性ひずみとの関係を示すき裂進展速度式を求める手段と、
この求められたき裂進展速度式を記憶保持するき裂進展速度式メモリと、
前記き裂進展速度とはんだ接合部の残り接合長とからき裂が接合部の接合長方向貫通するまでの長さ方向寿命の寿命評価基準式を求める手段と、
予め求められた電気回路のはんだ接続部のき裂のき裂開口量とき裂深さの関係を記憶保持する開口・き裂深さ対応メモリと、
前記はんだ接合部における深さ方向残り寸法と前記接合部におけるき裂開口量とからき裂が接合部の深さ方向貫通するまでの深さ方向寿命の寿命評価基準式を求める手段と、
診断対象の電気回路のはんだ接合部における残り接合長を指定した診断指示に応じて、残り接合長に対応する長さ方向の寿命サイクル数を前記長さ方向の寿命評価基準式を用いて求める手段と、
診断対象の電気回路のはんだ接合部における深さ方向当初寸法及びき裂開口量を指定した診断指示に応じて、深さ方向当初寸法及びき裂開口量に対応する深さ方向の寿命サイクル数を前記深さ方向の寿命評価基準式を用いて求める手段と
を備えたことを特徴とするはんだ接合部の熱疲労寿命診断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003389707A JP4071703B2 (ja) | 2003-11-19 | 2003-11-19 | はんだ接合部の熱疲労寿命診断方法とその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003389707A JP4071703B2 (ja) | 2003-11-19 | 2003-11-19 | はんだ接合部の熱疲労寿命診断方法とその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005148016A JP2005148016A (ja) | 2005-06-09 |
JP4071703B2 true JP4071703B2 (ja) | 2008-04-02 |
Family
ID=34696367
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003389707A Expired - Fee Related JP4071703B2 (ja) | 2003-11-19 | 2003-11-19 | はんだ接合部の熱疲労寿命診断方法とその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4071703B2 (ja) |
Families Citing this family (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100706048B1 (ko) | 2005-10-07 | 2007-04-13 | 삼성중공업 주식회사 | 용접 이음부의 피로강도 평가 방법 |
JP4728852B2 (ja) * | 2006-03-20 | 2011-07-20 | エスペック株式会社 | 接合評価方法及びその装置 |
JP4626577B2 (ja) * | 2006-06-21 | 2011-02-09 | 株式会社デンソー | はんだの寿命予測方法 |
JP4855947B2 (ja) * | 2007-01-11 | 2012-01-18 | 富士通株式会社 | き裂進展評価装置、き裂進展評価方法及びき裂進展評価プログラム |
JP4938695B2 (ja) * | 2008-01-23 | 2012-05-23 | 富士通株式会社 | き裂進展評価装置及びき裂進展評価方法 |
US8160846B2 (en) | 2009-05-18 | 2012-04-17 | King Fahd University Of Petroleum & Minerals | Method of modeling phase changes due to laser pulse heating |
US8155933B2 (en) | 2009-05-26 | 2012-04-10 | King Fahd University Of Petroleum & Minerals | Method of modeling residual stresses during laser cutting |
JP5581860B2 (ja) * | 2010-07-09 | 2014-09-03 | 富士電機株式会社 | はんだ接合部の熱疲労寿命診断方法 |
CN105987846A (zh) * | 2015-02-02 | 2016-10-05 | 天津城建设计院有限公司 | 一种确定全焊桁架桥疲劳抗力的方法 |
JP6854480B2 (ja) * | 2017-03-31 | 2021-04-07 | 国立大学法人大阪大学 | 試験方法、試験サンプル、試験システム、評価方法、評価システム、及び評価プログラム |
WO2019061156A1 (zh) * | 2017-09-28 | 2019-04-04 | 广州特种承压设备检测研究院 | 塑料管材寿命评价方法 |
CN110188451B (zh) * | 2019-05-27 | 2023-04-25 | 华东理工大学 | 一种聚乙烯管材焊接接头的残余应力的分析方法 |
CN113670720B (zh) * | 2021-08-12 | 2022-09-02 | 南京工业大学 | 基于有限体积应变能的钎焊焊接接头疲劳寿命预测方法 |
-
2003
- 2003-11-19 JP JP2003389707A patent/JP4071703B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005148016A (ja) | 2005-06-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4071703B2 (ja) | はんだ接合部の熱疲労寿命診断方法とその装置 | |
JP2010073795A (ja) | 損傷指標予測システムおよび損傷指標予測方法 | |
JP5581860B2 (ja) | はんだ接合部の熱疲労寿命診断方法 | |
JP2007263603A (ja) | 高温プラント機器の余寿命診断システム及びこの余寿命診断システムを用いた余寿命診断方法 | |
JP2791174B2 (ja) | 電子部品はんだ接続寿命評価法 | |
Bani Hani et al. | Reliability modeling of the fatigue life of lead-free solder joints at different testing temperatures and load levels using the Arrhenius model | |
JP2009236540A (ja) | 溶溶接構造体の破壊性能評価方法、データベース装置 | |
JP2004237304A (ja) | はんだ接合寿命予測方法 | |
ATE476669T1 (de) | Verfahren zur bestimmung der zeit bis zum ausfall von submikrometer-metallverbindungen | |
EP0392471B1 (en) | Method for evaluating life of connection | |
JP2009300142A (ja) | 複合環境試験方法、故障検出方法、故障検出プログラム、および故障検出プログラムを記録した記録媒体 | |
JP2005189064A (ja) | 小型疲労試験装置及び疲労試験方法 | |
JP2007057325A (ja) | 予寿命予測方法 | |
JP2004045343A (ja) | はんだ接合部の寿命診断方法及び装置 | |
Pantou et al. | Identification of critical stress location on PCBs taking into account the influence of fixations and housing | |
Wijesinghe et al. | Design and development of in situ fatigue sensors for structural health monitoring of highway bridges | |
Libot et al. | Experimental SAC305 Shear Stress–Strain Hysteresis Loop Construction Using Hall's One-Dimensional Model Based on Strain Gages Measurements | |
JP2007225333A (ja) | クリープ疲労損傷に関する金属組織による損傷評価方法 | |
Dušek et al. | Low cycle isothermal fatigue properties of lead‐free solders | |
JP2007303980A (ja) | 金属部材のクリープ余寿命の予測方法 | |
Zhang et al. | Advances in LED Solder Joint Reliability Testing and Prediction | |
JP2008002869A (ja) | はんだの寿命予測方法 | |
JP2007255926A (ja) | 接合評価方法及びその装置 | |
Palmer et al. | Thermomechanical fatigue testing and analysis of solder alloys | |
JP4168090B2 (ja) | はんだ接合部の疲労評価方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060216 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070604 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071016 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071213 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080115 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080117 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4071703 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110125 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120125 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130125 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130125 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140125 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |