JP4071194B2 - 基材上で頂部偏在した有益な構成成分 - Google Patents

Description

本発明は、基材上に沈着された有益な構成成分を含む基材に関する。有益な構成成分は、有益な構成成分で処理された基材の使用目的次第で、様々な成分を含むことができる。基材の頂部の１／３上又は１／３内に存在する有益な構成成分の量の割合は、物品の使用時まで、その基材の底部の１／３内の構成成分の量の少なくとも約２．２倍となるように、有益な構成成分はまた、基材上で頂部偏在される。

有益な構成成分を目標表面に移動させる処理された基材は、生物表面及び無生物表面の両方での様々な用途について、当該技術分野において既知である。基材を含む製品は、ユーザの皮膚にスキンケア組成物を解放することによって、皮膚の健康の利点を提供することができる。そのような製品には、おむつ、トレーニングパンツ、成人失禁用ブリーフ、女性用衛生製品などの吸収性物品が挙げられ、それらは、吸収性物品の使用によって起こる炎症に加えて、おむつかぶれ又はおむつ皮膚炎を低減するための組成物を解放、又は身体の糞便排泄物を清潔にする補助を目指す。ユーザの皮膚及び／又は毛髪にスキンケア組成物を解放するために使用されてもよい他の基材製品には、顔用ティッシュ、トイレットペーパー、クレンジング用具、包帯、傷用包帯、並びにソックス、拭き取り布、及び手袋などの衣類の物品が挙げられる。あるいは、基材を含む製品は、清浄、ワックス掛け、及び／又は磨き組成物を、調理台、床、車、家具などの、無生物目標表面に解放するために使用されてもよい。そのような基材製品には、清掃又は洗浄用具、拭き取り用品、研磨パッド、スポンジ、及び／又はモップが挙げられてもよい。

現在、スキンケア組成物、又は清浄、ワックス掛け及び／又は磨き成分などの有益な成分が多孔質基材（例：ウェブ）に付与される時、有益な構成成分の多くは基材自体の中で失われ、その結果として、目標表面への有益な構成成分の非効率的な移動を生じる。従って、より多くの有益な成分を基材へ付与する必要があり、及び／又は所望の生物又は無生物目標表面への有益な構成成分の移動をより少なくする。

ロエ（Roe）らに米国特許第５，６４３，５８８号は、皮膚保護材料を解放するように設計されている吸収性物品に関するこれらの問題を、ある程度取り扱っている。特に、ロエは、糞便及び他の排泄物の簡単な洗浄を容易にするための皮膚軟化剤と、最初の付与点から特におむつの中心内に移動しないようにローションを固定する薬剤とを含むローションで、トップシートが表面処理されている吸収性物品を説明している。しかし、固定剤の使用にも関わらず、ローションの移動に関連する問題が尚も存在し、ローションはトップシートを貫通するので、そのトップシートを通るその移動のためにローションの損失がある。

故に、基材上に配置された有益な構成成分を有する基材であって、有益な構成成分がＺ方向に偏在する（接触表面の上又は近くで）基材を含む製品を提供することが望ましい。

頂部に偏在する有益な構成成分は、スキンコンディショニング構成成分、毛髪コンディショニング構成成分、化粧用構成成分、洗浄性構成成分、ワックス構成成分、及び磨き構成成分を含む製品を提供することも望ましい。

少なくともその表面の一部分に配置されたスキンケア組成物を有する、身体に接触する表面を有する製品を提供することも望ましく、その際スキンケア組成物は多重層を含む。

本発明は、目標表面への有益な構成成分の移動が改善された基材と、その作成方法とを提供する。特に、本発明は、物品の使用中に接触表面から目標表面まで移動する有益な構成成分を有する接触表面を有する製造物品を提供する。有益な構成成分に、物品の接触表面上又は近くでその構成成分を「頂部に偏在」させるような方法で物品に処方及び／又は付与する。

一実施形態では、物品は、接触表面とそれに相対して配置された対向表面とを有する液体透過性多孔質基材を含み、その基材は、接触表面から対向表面まで測定される「Ｚ」の厚さと、接触表面の少なくとも一部分に解放可能に配置された有益な構成成分とを有する。この実施形態では、物品の使用時まで、基材の０とＺ／３との間の厚さの上又は内部に存在する有益な成分の量の割合は、基材の２Ｚ／３とＺとの間の厚さ内における成分の量の少なくとも約２．２倍である。この「頂部偏在」を達成するための様々な方法はまた、説明及び請求項に記載されている。

本明細書は、本発明を特に指摘し、明確に請求する請求項を結論とするが、本発明は添付の図面と共に、次の説明から更によく理解されるものと考えられ、図中、同様の参照番号は同一要素を示す。

Ｉ．定義
本明細書で使用する時、「含む」という用語は、本発明を実施する際、様々な構成成分、成分、又は工程を共に使用できることを意味する。それ故に、「含む」という用語は、より限定的な用語「本質的に〜から成る」及び「〜から成る」を包含する。

本明細書で使用し、図２に説明される用語「頂部偏在」は、頂部の１／３の基材９２の上又は内部に存在する有益な構成成分９６の量の割合が、底部の１／３の基材９４内の有益な構成成分９６の量の少なくとも約２．２倍であることを意味する。中間の１／３の基材９３は、頂部と底部の間にある。「Ｚ」方向は、基材の接触表面９１に垂直であり、基材の厚さを特定するための便利な手段である。測定の目的のために、接触表面９１は、Ｚ＝０と定義され、対向表面９５はＺ＝Ｚと定義される。これは、「頂部偏在の測定方法」の部分で説明されるように、ローションの頂部偏在の決定で使用される。

有益な構成成分の説明において、本明細書で使用する用語「疎油性」は、脂質に低い親和性を有する構成成分又は有益な構成成分の明確な層を指す。

本明細書で使用する用語「吸収性物品」は、一般に、液体不透過性バックシート、液体透過性トップシート、及びトップシートとバックシートとの間に配置された吸収性コアを有する、おむつ、トレーニングパンツ、成人失禁用ブリーフ、女性用衛生製品、包帯、胸パッド、陰唇内装置などを含む任意の吸収性物品を意味する。

本明細書で使用する用語、基材の「接触表面」は、使用中のある時に基材の使用から利益を得ることを目的とする表面に接触してもよい基材の１以上の表面（生物又は無生物）である。基材が吸収性物品の一部分である時、接触表面は、トップシート、レッグカフス、ウエスト領域、及び使用中に着用者の皮膚に接触する側面の一部分を含む。基材が個人の清浄用具の一部分である時、接触表面は、剥離する表面に対向する基材の表面であってもよく、接触表面は、基材の処理されていない側面で剥離した後、皮膚にコンディショニング剤を解放することを目的とする。基材がモップのような、無生物物体洗浄用具の一部分である時、接触表面は、床のような、清浄されることを目的とする無生物物体に接触する基材の表面である。

本明細書で使用される用語「目標表面」は、接触表面が有益な構成成分を移動させる生物又は無生物の表面を指す。

本明細書で使用する用語「解放可能に配置した」は、有益な構成成分の少なくとも一部分が使用中に目標表面まで移動することを意味する。

本明細書で使用する用語「生物表面」は、生命のある物の皮膚又は毛髪又は歯を指す。用語「無生物表面」は、自動車の外側（例：ペンキを塗った表面）、床、木製の表面、ポット、皿、器具類、装飾的品目及び／又は靴を含むが、これらに限定されない任意の無生体の表面を指す。

本明細書で使用する用語「溶解度パラメーター」は、（カロリー／立法センチメートル）^１／２の単位を有する分子から発散される全ての引力の合計を指す。有益な構成成分の溶解度パラメーターの一般的な範囲は、５〜２４（カロリー／立法センチメートル）^１／２である。本発明の目的のために、所定の構成成分の溶解度パラメーターは、標準表又は供給元の情報から決定される。表の値が容易に入手できない場合、溶解度パラメーターは、次の等式を用いて、気化熱に対する付加基の寄与を表にした値、及びその化合物の成分のモル体積から計算できる。

Σ_ｉＥ_ｉ＝気化熱付加基寄与の合計であり、Σ_ｉｍ_ｉ＝寄与する付加基のモル体積合計である。分散した粒子は、溶解度パラメーターの決定には使用されない。

多種多様な原子及び原子族への気化熱の標準表と寄与する付加基のモル体積、バートン（Barton, A.F.M.）の溶解度パラメーターのハンドブック、ＣＲＣ出版、第６章、表３、６４〜６６ページ（１９８５年）に集められ、これをそのまま参考として引用し本明細書に組み入れる。上記の溶解度パラメーターの等式は、フェドルス（Fedors, R.F.）の「液体の溶解度パラメーターとモル体積の両方を見積もる方法」（A Method for Estimating Both the Solubility Parameters and Molar Volumes of Liquids）、ポリマー工学とサイエンス（Polymer Engineering and Science）、第１４巻、Ｎｏ．２、１４７〜１５４ページ（１９７４年２月）に説明されており、これをそのまま参考として引用し本明細書に組み入れる。

溶解度パラメーターは、物質の混合物に対する溶解度パラメーターがその混合物の各構成成分に対する溶解度パラメーターの加重相加平均（すなわち、重量平均）によって与えられるという混合物の法則に従う。本明細書でその全体を参考として引用している「化学と物理学のハンドブック（Handbook of Chemistry and Physics）」、第５７版、ＣＲＣ出版、Ｃ７２６ページ（１９７６年〜１９７７年）を参照のこと。

溶解度パラメーターはまた、多種多様な化学物質について一覧表にまとめられている。溶解度パラメーターの一覧表は、上で引用した「溶解度パラメーターのハンドブック（Handbook of Solubility Parameters）」に見出される。同様に、本明細書ではそのまま参考として引用している１９９８年１０月発行のボーガン（C.D. Vaughan）の「製品、パッケージ、浸透、及び保存における溶解度効果」（Solubility Effect In Product, Package, Penetration, And Preservation）、コスメティックスアンドトイレタリーズ（Cosmetics and Toiletries）、第１０３巻、４７〜６９ページを参照のこと。

有益な構成成分に関し、本明細書で使用される全てのパーセンテージ、割合、及び比は、最終製品の重量であり、特記されない限り、揮発性物質は含まない。他の用語は最初に論じられる際に、本明細書で定義される。

ＩＩ．液体透過性多孔質基材
Ａ．（実施形態の一般的説明）
本明細書で使用する用語「基材」は、任意の支持材料、好ましくは、有益な成分が添加され得る単一の層、材料、複合物、２層以上の積層体、又は材料を含む、シート、及びパッドなどの形状で一体式材料を指す。本発明の基材は、様々な製品において有用な多くの異なる材料の幾つかを含んでもよい。おむつ又は他の吸収性物品の使用のために、基材は不織布、織布、フィルム、発泡体、弾性基材、又はそれらの組み合わせであってもよい。例えば、好ましい基材は、セルロース繊維、線状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）、低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）、超低密度ポリエチレン（ＵＬＤＰＥ）、高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）を含むポリエチレン類などのポリオレフィン、又はポリプロピレン並びに上記の材料及び他の材料との混合物を含んでもよい。使用されてもよい他の好適なポリマー材料の例には、ポリエステル、ポリウレタン類、堆肥可能（compostable）又は生分解性ポリマー類、熱収縮ポリマー類、熱可塑性エラストマー類、メタロセン（metalycene）触媒系ポリマー類（例：ダウ・ケミカル社（Dow Chemical）から入手可能なインシット（Insit）（商標）と、エクソン社（Exxon）から入手可能なイグザクト（Exxact）（商標））、及び通気性ポリマー類が挙げられるが、これらに限定されない。基材はまた、合成織布、合成ニット、不織布、孔あきフィルム、巨視的に伸長された３次元形成フィルム、吸収性又は繊維性吸収材料、連続気泡発泡体、充填した組成物、若しくは積層体及び／又はそれらの組み合わせも含んでもよい。

本発明で有用な他の基材が、「多重層拭き取り物品」（Multiple Layer Wiping Articles）という発明の名称でニッシング（Nissing）らに発行された米国特許第６，０６０，１４９号に記述されており、これをそのまま参考として引用し本明細書に組み入れる。同様に、有用な基材は、同時係属の「積層体ウェブ」（Laminate Web）という発明の名称で２０００年５月３１日にクロ（Curro）らの名前で出願された米国特許出願第０９／５８４，６７６号、「孔あき積層体ウェブを具備する使い捨て物品」（Disposable Article Comprising an Apertured Laminate Web）という発明の名称で２０００年４月２０日にダイ（Dye）らの名前で出願された米国特許出願番号第０９／５５３，８７１号、同時係属の「孔あき積層体ウェブを具備する使い捨て物品」という発明の名称で２０００年４月２０日にダイらの名前で出願された米国出願第０９／５５３，６４１号、「有効な残留抗菌活動を得る方法とその予め湿らせた拭き取り物品」（Method of Obtaining Effective Residual Antimicrobial Activity and Premoistened Wipe Thereof）という発明の名称で１９９９年６月１４日にセルフ（Self）らの名前で出願されたＰＣＴ国際公開特許ＷＯ００／０００２６及び米国特許出願番号第０９／７１９，２６８号、及び「硬い表面洗浄性組成物、予め湿らせた拭き取り物品、使用方法、及び拭き取り物品のための前記組成物を含む物品及び使用のための説明、簡単な洗浄及び維持の結果、洗浄処理なしでストレス状態における表面の外観及び／又は清潔さの改善」（Hard Surface Cleaning Compositions, Premoistened Wipes, Methods of Use, and Articles Comprising Said Compositions for Wipes and Instructions for Use, Resulting in Easier Cleaning and Maintenance, Improved Surface Apperance and/or Hygiene Under Stress Conditions Such As No-Rinse）という発明の名称で２０００年９月２７日にシェリー（Sherry）らの名前で出願された同時係属の米国出願番号第０９／６７１，７１８号に記述されており、各々の内容をそのまま参考として引用し本明細書に組み入れる。本発明に使用するための１つの好適なエアレイド不織布基材は、オハイオ州シンシナティーのプロクターアンドギャンブル社（The Procter & Gamble Co.）から市販されているパンパース（登録商標）ベビーフレッシュという銘柄の乳幼児用拭き取り物品に使用されているエアレイド不織布基材である。「基材」は、コットンボール、ティッシュ、フォームアプリケータ、研磨パッド、スポンジ、又は本発明に従って使用される時本明細書に説明されるような有益な構成成分を解放することができる他のいかなる可撓性分配手段の形状であってもよい。

本発明の一実施形態では、基材は少なくとも１方向に伸長性がある。更に、基材は伸長性の１以上の別個の領域を有してもよい。基材は弾力的に伸長性があってもよい。基材は、１９７５年１月１４日にブエル（Buell）に発行された米国特許第３，８６０，００３号と、２００１年３月６日にクロ（Curro）に発行された米国特許第６，１９８，０１８号とに記述されるように、弾力的に収縮可能な状態で１以上の非弾性要素に機能的に接合された弾性材料を含んでもよく、これらの特許を参考として引用し本明細書に組み入れる。

Ｂ．（ウェブを使用する特定の実施形態）
「一体型」吸収性物品は、合体された個別の部品から形成され、調和した統一体を形成し、その結果、個別のホルダ及び／又はライナーのような独立した操作部分を必要としない吸収性物品を指す。本発明の吸収性物品の好ましい実施形態は、図１に示す単一の使い捨て吸収性物品、おむつ２０である。本明細書で使用する用語「おむつ」は、一般に乳幼児及び失禁者の胴体下部の周囲で着用される吸収性物品を指す。本発明はまた、失禁用ブリーフ、失禁用下着、吸収性挿入物、胸パッド、陰唇間装置、おむつホルダ及びライナー、女性用生理衣類、拭き取り用品、モップ、包帯などの他の吸収性物品にも付与可能である。

図１は、本発明のおむつ２０の平らに広げた状態の平面図であり、おむつ２０の組み立てをより明確に示すために構造の一部分を切り取った状態である。おむつ２０の着用者に面する部分をこちら側に向けている。図１に示すように、おむつ２０は、好ましくは液体透過性トップシート２４、液体不透過性バックシート２６、好ましくはトップシート２４とバックシート２６との間の少なくとも一部分に配置される吸収性コア２８、サイドパネル３０、伸縮性脚部カフス３２、弾性ウエスト構造部分３４、及び一般に４０で示す締結装置４０を含む。図１に示すおむつ２０は、第１腰部領域３６、第１腰部領域３６と対向する第２腰部領域３８、及び第１腰部領域３６と第２腰部領域３８との間に位置する股部領域３７を有する。おむつ２０の周辺は、おむつ２０の外側縁部により画定され、ここで、長手方向縁部５０はおむつ２０の長手方向中心線１００に概ね平行に延び、末端部縁部５２は長手方向縁部５０の間でおむつ２０の横方向中心線１１０に概ね平行に延びている。

トップシート２４は、好ましくは吸収性コア２８の身体表面に隣接して位置し、当業界で既知の任意の取り付け手段により、吸収性コア２８及び／又はバックシート２６に接合してもよい。好適な取り付け手段は、バックシート２６をおむつ２０の他の要素へ接合する手段に関連して前述している。本発明の好ましい一実施態様では、トップシート２４及びバックシート２６は、幾つかの箇所で互いに直接接合し、また他の箇所において、おむつ２０の１以上の他の要素へこれらが直接接合することにより、相互に間接的に接合している。トップシート２４は、好ましくは順応性があり、柔らかな感触であり、着用者の皮膚を刺激しない。更にトップシート２４の少なくとも一部分は液体透過性であり、液体がその厚さを容易に浸透することができる。好適なトップシート２４は、広範囲の材料により製造することができ、例えば、多孔質発泡体、網状発泡体、孔あきプラスチックフィルム、天然繊維（例えば、セルロース、木材繊維又は木綿繊維）、合成繊維（例えば、ポリエステル繊維又ポリプロピレン繊維）若しくは天然繊維と合成繊維の組み合わせによる織布材料又は不織布材料などがある。１つの好適なトップシート２４は、ステープル長さのポリプロピレン繊維のウェブを含んでおり、マサチューセッツ州ウオルポール市（Walpole, MA）のインターナショナル・ペーパー社（International Paper Company）の一部門であるベラテック社（Veratec, Inc.）によりＰ−８の名称で製造されている。

好適な成形フィルムトップシートは、「テーパ付き毛細管を有する吸収性構造（Absorptive Structures Having Tapered Capillaries）」という発明の名称の米国特許第３，９２９，１３５号（１９７５年１２月３０日にトンプソン（Thompson）に発行）、「汚れ抵抗性トップシートを有する使い捨て吸収性物品（Disposable Absorbent Article Having A Stain Resistant Topsheet）」という発明の名称の米国特許第４，３２４，２４６号（１９８２年４月１３日にムラン（Mullane）らに発行）、「繊維様特性を示す弾力性プラスチックウエブ（Resilient Plastic Web Exhibiting Fiber-Like Properties）」という発明の名称の米国特許第４，３４２，３１４号（１９８２年８月３日にラデル（Radel）らに発行）、「艶消し外観表面と布様感触を示す巨視的に拡大された３次元プラスチックウエブ（Macroscopically Expanded Three-Dimensional Plastic Web Exhibiting Non-Glossy Visible Surface and Cloth-Like Tactile Impression）」という発明の名称の米国特許第４，４６３，０４５号（１９８４年７月３１日にアール（Ahr）らに発行）、「多層ポリマーフィルム（Multilayer Polymeric Film）」という発明の名称の米国特許第５，００６，３９４号（１９９１年４月９日にベアード（Baird）に発行）に記述されている。他の好適なトップシート２４は、米国特許第４，６０９，５１８号、及び第４，６２９，６４３号（１９８６年９月２日及び１９８６年１２月１６日にそれぞれクロ（Curro）らに発行）に従って作成されてもよく、これら２つの特許を参考として引用し本明細書に組み入れる。このように形成されたフィルムは、オハイオ州シンシナティーのプロクターアンドギャンブル社（The Procter & Gamble Company）から「ドライウイーブ」（DRI-WEAVE）として、またインディアナ州テレホーテのトレデガー社（Tredegar Corporation）から「クリフ−Ｔ」（CLIFF-T）として入手可能である。

好ましくは、トップシート２４の少なくとも一部分は、吸収性コア２８に収容された液体から着用者の皮膚を隔離するために、疎水性の材料により製造されるか、又は疎水性になるように処理される。トップシート２４を疎水性材料で製造する場合、トップシート２４の上部表面の好ましくは少なくとも一部分は、液体がトップシートの中を通ってより迅速に移動するように、親水性となるように処理される。トップシート２４は、界面活性剤で処理することにより、又は界面活性剤をトップシート中に組み入れることにより、親水性にすることができる。得られる処理したトップシートは、身体排泄物の毛細管移動（wicking）を増大する親水性と親油性との両方を有する。

本発明で使用するためのもう１つの使い捨て吸収性物品は、失禁用物品である。「失禁用物品」という用語は、それらが成人又はその他の失禁者によって着用されるかどうかにかかわりなく、パッド、下着（ベルトのようなある種の吊り下げ装置によって所定の位置に保持されるパッド）、吸収性物品のための挿入物、吸収性物品のための能力促進剤、ブリーフ、ベッドパッドなどを指す。好適な失禁用物品としては、米国特許第４，２５３，４６１号（１９８１年３月３日にストリックランド（Strickland）らに発行）、米国特許第４，５９７，７６０号及び第４，５９７，７６１号（１９８６年７月１日にブエル（Buell）に発行）、上述の米国特許第４，７０４，１１５号、米国特許第４，９０９，８０２号（１９８７年４月１６日にアール（Ahr）らに発行）、第４，９６４，８６０号（１９９０年１０月２３日にギプソン（Gipson）らに発行）、及び米国特許第５，３０４，１６１号（１９９４年４月１９日にノエル（Noel）らに発行）に開示されている。各々の参考資料の開示を参考として引用し本明細書に組み入れる。

本発明で用いるもう１つの使い捨て吸収性物品は、生理用ナプキンのような女性用衛生物品である。好適な女性用衛生物品は、米国特許第４，５５６，１４６号（１９８５年１２月３日にスワンソン（Swanson）らに発行）、米国特許第Ｂ１４，５８９，８７６号（１９９３年４月２７日にヴァン・ティルバーグ（Van Tilberg）に発行）、米国特許第４，６８７，４７８号（１９９７年８月１８日にヴァン・ティルバーグに発行）、米国特許第４，９５０，２６４号（１９９０年８月２１日にオズボーン（Osborn）ＩＩＩに発行）、米国特許第５，００９，６５３号（１９９１年４月２３日にオズボーンＩＩＩに発行）、米国特許第５，２６７，９９２号（１９９３年１２月７日にヴァン・ティルバーグに発行）、米国特許第５，３８９，０９４号（１９９５年２月１４日にラバッシュ（Lavash）らに発行）、米国特許第５，４１３，５６８号（１９９５年５月９日にローチ（Roach）らに発行）、米国特許５，４６０，６２３号（１９９５年１０月２４日にエメネーカー（Emenaker）らに発行）、米国特許第５，４８９，２８３号（１９９６年２月６日にヴァン・ティルバーグに発行）、米国特許第５，５６９，２３１号（１９９６年１０月２９日にエメネーカーらに発行）、及び米国特許第５，６２０，４３０号（１９９７年４月１５日にバンバー（Bamber）に発行）に開示されており、各々の開示を参考として引用し本明細書に組み入れる。

ＩＩＩ．有益な構成成分
本発明の有益な構成成分は、本発明に従って基材上に堆積した構成成分であり、それは使用中に表面と接触する際、処理した基材を経て所望の生物又は無生物目標表面まで移動する。従って、有益な構成成分は、吸収性物品上で、及び／又は個人的なケア及び家庭のケアなどの領域で使用するために既知の成分を含んでもよい。有益な構成成分は、次の範疇であり、コンディショニング構成成分、清浄剤（生物体又は無生物体用）、化粧用構成成分、ワックス及び／又は磨き／清掃組成物、及びこれらの任意成分を含んでもよい。本発明で使用される時、処理した基材は、典型的には基材の重量の約１％〜約１０００％、より好ましくは約２％〜約５００％、最も好ましくは約５％〜約２５０％の有益な構成成分を含んでもよい。

Ａ．（コンディショニング構成成分）
コンディショニング構成成分は、処理した基材を組み込んでいる物品（処理した基材自体も物品であってもよい）の着用者又はユーザの健康な皮膚及び／又は毛髪を、改善及び／又は維持するために使用される。コンディショニング構成成分はまた、皮膚及び／又は毛髪に、柔軟、緩和、コーティング、潤滑、又は潤いを与えることが挙げられるがこれらに限定されない他の治療的利点も提供してもよい。

コンディショニング剤の非限定的な例としては、鉱物油、パラフィン類、ワセリンなどの石油基剤の皮膚軟化剤、ワックス及びワックス誘導体、シリコン及びシリコン誘導体、レシチン、水素添加レシチン、ラノリン、ラノリン誘導体、Ｃ_４〜Ｃ_４０直鎖及び分枝鎖炭化水素、Ｃ_１〜Ｃ_４０カルボン酸のＣ_１〜Ｃ_４０アルコールエステル類、Ｃ_２〜Ｃ_４０ジカルボン酸のＣ_１〜Ｃ_４０アルコールエステル類、Ｃ_１〜Ｃ_４０カルボン酸のモノグリセリド類、Ｃ_１〜Ｃ_４０カルボン酸のジグリセリド類、Ｃ_１〜Ｃ_４０カルボン酸のトリグリセリド類、Ｃ_１〜Ｃ_４０カルボン酸のエチレングリコールモノエステル類、Ｃ_１〜Ｃ_４０カルボン酸のエチレングリコールジエステル類、Ｃ_１〜Ｃ_４０カルボン酸のプロピレングリコールモノエステル類、Ｃ_１〜Ｃ_４０カルボン酸のプロピレングリコールジエステル類、糖類のＣ_１〜Ｃ_４０カルボン酸モノエステル類及びポリエステル類、３〜９ケイ素原子を有するシクロメチコーン類、植物性油、硬化植物性油、及びそれらの組み合わせなどがある。

同様に有用なのは、糖類及び関連する材料の様々なＣ_１〜Ｃ_４０モノエステル類及びポリエステル類である。これらのエステル類は、糖又はポリオール部分及び１以上のカルボン酸部分に由来する。構成成分である酸及び糖によっては、これらのエステル類は、室温で液体又は固体形態をとることができる。エステル物質は更に、米国特許第２，８３１，８５４号、米国特許第４，００５，１９６号（１９７７年１月２５日にジャンダセック（Jandacek）に発行）、米国特許第４，００５，１９５号（１９７７年１月２５日にジャンダセック（Jandacek）に発行）、米国特許第５，３０６，５１６号（１９９４年４月２６日にレットン（Letton）らに発行）、米国特許第５，３０６，５１５号（１９９４年４月２６日にレットン（Letton）らに発行）、米国特許第５，３０５，５１４号（１９９４年４月２６日にレットン（Letton）らに発行）、米国特許第４，７９７，３００号（１９８９年１月１０日にジャンダセック（Jandacek）らに発行）、米国特許第３，９６３，６９９号（１９７６年６月１５日にリッジ（Rizzi）らに発行）、米国特許第４，５１８，７７２号（１９８５年５月２１日にボルペンハイン（Volpenhein）に発行）、及び米国特許第４，５１７，３６０号（１９８５年５月２１日にボルペンハインに発行）に記述されており、各々の特許をそのまま参考として引用し本明細書に組み入れる。

ポリジアルキルシロキサン類、ポリジアリルシロキサン類、及びポリアルキルアリールシロキサン類などの非揮発性シリコン類も有用な油である。これらのシリコン類は、１９９１年１２月３日にオール（Orr）に発行された米国特許第５，０６９，８９７号に開示され、これをそのまま参考として引用し本明細書に組み入れる。商業的に入手可能なポリアルキルシロキサン類には、ポリジメチルシロキサン類が挙げられ、これはまた、ジメチコーン類としても既知であり、非限定的な例には、ゼネラル・エレクトリック社（General Electric Company）及びダウ・コーニング社（the Dow Corning Corporation）から販売されるものが挙げられる。ヒドロキシ末端を持つジメチルシリコーン類であるジメチコノール類も本明細書で有用である。市販のジメチコノール類は一般に、ジメチコーン又はシクロメチコンとの混合物（例：ダウ・コーニング（Dow Corning）（登録商標）１４０１、１４０２、及び１４０３流体）として販売されている。同様に本明細書で有用なのは、ポリメチルフェニルシリコン類などのポリアルキルアリールシロキサン類である。これらの物質は、例えば、ＳＦ１０７５メチルフェニル流体（ゼネラル・エレクトリック社（General Electric Company）から販売されている）、及び５５６化粧品グレードのフェニルトリメチコーン流体（ダウ・コーニング社（Dow Corning Corporation）から販売されている）として入手可能である。メチルデシルシリコーン及びメチルオクチルシリコーン等のアルキル化シリコーン類は、本発明において有用であり、ゼネラル・エレクトリック社（General Electric Company）から市販されている。また、アルキル鎖の炭素数が１０〜５０である、アルキルメチコーン類及びアルキルジメチコーン類などのアルキル修飾シロキサン類も本発明において有用である。そのようなシロキサン類は、商品名ＡＢＩＬワックス９８１０（Ｃ_２４〜Ｃ_２８アルキルメチコーン）（ゴールドシュミット社（Goldschmidt）から販売）、ＳＦ１６３２（セテアリルメチコーン）（ゼネラル・エレクトリック社（General Electric Company）から販売）、及びＡＭＳ−Ｃ３０（ダウ・コーニング社（Dow Corning）から販売）であり、市販されている。

本発明で有用であってもよく、また前述のコンディショニング剤と比較して相対的に親水性であることが多い他のコンディショニング剤には、多価アルコール類、ポリプロピレングリコール類、ポリエチレングリコール類、尿素、ピロリドンカルボン酸類、エトキシル化及び／又はプロポキシル化Ｃ_２〜Ｃ_１０ジオール類及びトリオール類、αヒドロキシＣ_２〜Ｃ_２２カルボン酸類、エトキシル化及び／又はプロポキシル化糖類、ポリアクリル酸コポリマー類、約１２炭素原子までを有する糖類、約１２炭素原子までを有する糖アルコール類、及びそれらの混合から成る群から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。有用な親水性のコンディショニング剤の特定の例には、グアニジン；グリコール酸及びグリコール酸塩類（例：アンモニウム及び四級アルキルアンモニウム）；乳酸及び乳酸塩類（例：アンモニウム及び四級アルキルアンモニウム）；クエン酸及びクエン酸塩類；スクロース、フルクトース、グルコース、エリスロース、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセロール、トリアセチン、ヘキサントリオール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなど；アルコキシル化グルコース；ヒアルロン酸；陽イオン性皮膚コンディショニングポリマー類（例：ポリクアテルニウムポリマー類のような四級アンモニウムポリマー類）；及びそれらの混合物などの材料が挙げられる。同様に有用な材料の例は、様々な形態のいずれかのアロエベラ（例：アロエベラジェル）、カモミール、ビサボロール、パンタノール、ビタミンＥ及びその誘導体、キトサン及びキトサン誘導体（例：キトサンラクテート）、ラクトアミドモノエタノールアミン、アセトアミドモノエタノールアミン、及びこれらの混合物などである。同様に、有用なのは、１９９０年１２月１１日にオール（Orr）らに発行された米国特許第４，９７６，９５３号に記述されているようなプロポキシル化グリセロール類であり、これをそのまま参考として引用し本明細書に組み入れる。

更に、コンディショニング構成成分はまた、特別に配合されて、皮膚への糞便の付着を低減して（例：排便の拭き取りの容易さを改善する）もよく、又は皮膚／糞便バリア機能（例：糞便の付着を防ぐために皮膚を覆う）を提供してもよい。この目的のために、特に吸収性物品での使用に有用な組成物には、脂肪酸でエステル化した少なくとも４ヒドロキシル基を含有する多価アルコールと、又は２炭素原子〜３０炭素原子を有する他の有機基とを含む液体ポリオールポリエステル類が挙げられ、それらは「皮膚軟化剤及びポリオールポリエステル固定剤を含有する、ローションを染み込ませたトップシートを有する使い捨て吸収性物品」（Disposable Absorbent Article having a Lotioned Topsheet Containing an Emollient and a Polyol Polyester Immobilizing Agent）という発明の名称で、１９９７年３月４日にロエ（Roe）に発行された米国特許第５，６０７，７６０号に更に詳細に記述されており、これをそのまま参考として引用し本明細書に組み入れる。この目的のために好適な他の組成物には、石油基剤の脂肪酸エステルタイプ、アルキルエトキシレートタイプ、脂肪酸エステルエトキシレート、脂肪族アルコールタイプ、及びポリシロキサンタイプ皮膚軟化剤が挙げられ、それらは「ローションを染み込ませたトップシートを有する吸収性物品」（Absorbent Article Having a Lotioned Topsheet）という発明の名称で、１９９９年１０月１９日にロエ（Roe）らに発行された米国特許第５，９６８，０２５号に更に詳細に記述されており、これをそのまま参考として引用し本明細書に組み入れる。本発明での使用に適切なスキンケア組成物は、１９９７年９月１０日に各々出願された同時係属出願の米国特許出願第０８／９２６，５３２号及び第０８／９２６，５３３号、１９９８年３月１２日に各々出願された米国特許出願第０９／０４１，５０９号、第０９／０４１，２３２号、第０９／０４１，２６６号、２０００年５月２日出願された米国特許出願第０９／５６３，６３８号、１９９７年３月４日に発行された米国特許第５，６０７，７６０号、１９９９年１２月１７日に出願された米国特許出願第０９／４６６，３４３号、１９９７年３月１１日に発行された米国特許第５，６０９，５８７号、１９９７年６月３日に発行された米国特許第５，６３５，１９１号、１９９７年７月１日に発行された米国特許第５，６４３，５８８号、２０００年１１月２８日に発行された米国特許第６，１５３，２０９号に記述されているが、これらの開示を参考として引用し本明細書に組み入れる。

コンディショニング構成成分はまた、構造化コンディショニング剤を含んでもよい。好適な構造化コンディショニング剤としては、セラミド、リポソームなどの小胞状構造が挙げられるが、これらに限定されない。もう１つの実施形態では、コンディショニング構成成分は、コアセルベート形成組成物内に含まれる。好適なコアセルベート形成組成物は、「孔あき積層体ウェブを具備する使い捨て物品」（Disposable Article Comprising an Apertured Laminate Web）という発明の名称で、ダイ（Dye）らの名前で２０００年４月２０日に出願された同時係属の米国出願第０９／５５３，６４１号に更に詳細に記述されており、これをそのまま参考として引用し本明細書に組み入れる。

有益な構成成分は、良好な処理能力ができるように液体又は半固体形態であってもよい（例：材料はせん断力下で流動可能であるべきである）。エマルション類（例：粗いエマルション、マイクロエマルション、液晶システム、リポソーム）、分散／懸濁液、純溶液、半固体（例：ジェル、ワックス、ホットメルト）などが挙げられる任意の液体ローションの形態も好適であるが、これらに限定されない。

有益な構成成分はエマルションであってもよい。本発明においては、例えば、水中油型、油中水型、水中油中水型、及びシリコーン中水中油型エマルションが有用である。エマルション及び相の関連で使用される用語「水」は、水を指すだけではなく、グリセリン又はポリエチレングリコールのような水溶性又は極性の薬剤も指す。

エマルションの形態である本発明の有益な構成成分、特にコンディショニング構成成分は、有益な構成成分の重量の好ましくは約１％〜約３０％、より好ましくは約２％〜約２０％、更に好ましくは約３％〜１０％の乳化剤（すなわち、界面活性剤）を更に含有する。乳化剤は、非イオン性、陰イオン性、又は陽イオン性であってよい。好適な乳化剤は本明細書、並びに１９７３年８月２８日にディカート（Dickert）らに発行された米国特許第３，７５５，５６０号、１９８３年１２月２０日にディクソン（Dixon）らに発行された米国特許第４，４２１，７６９号、及びマッカチャンの洗剤及び乳化剤、北米版、３１７〜３２４ページ（１９８６年）に開示されている。

有益な構成成分はまた、マイクロエマルションの形態であってもよい。本明細書で使用する用語「マイクロエマルション」は、両親媒性の界面活性剤分子によって安定化した２つの不混和性溶媒（一方は非極性で、他方は極性）の熱力学的に安定な混合物を指す。好ましいマイクロエマルションとしては、油中水型マイクロエマルションが挙げられる。

あるいは、有益な構成成分は、油相又は水相などの単一相の形態であってもよい。有益な構成成分はまた、２つの別個の非相溶性／不混和性の相も含み、これらは共に乳化するよりも層を形成してもよい。これは次の支持層の説明で更に詳細に記述されている。しかし、その説明中の重要な層のどちらか又は両方は上述の形態（例：エマルション、マイクロエマルション、相、及びこれらの混合物）のいずれを取ってもよいことを理解されたい。

生物物体上での使用を目的とする有益な構成成分における使用に好適なのは、清浄剤であり、これは一般に界面活性剤及び洗浄性溶媒を含む。

界面活性剤：清浄剤構成成分として本発明で使用される時、界面活性剤の重量は、基材の重量の約１％〜約１０００％、好ましくは約５％〜約５００％、より好ましくは約１０％〜約２５０％を含む。

清浄剤の界面活性剤は、発泡性界面活性剤であってもよい。本明細書では多種多様な発泡性界面活性剤が有用であり、該発泡性界面活性剤としては、陰イオン性発泡性界面活性剤、非イオン性発泡性界面活性剤、陽イオン性発泡性界面活性剤、両性発泡性界面活性剤、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。

陰イオン性発泡性界面活性剤：有益な構成成分で使用される清浄剤において有用な陰イオン発泡性界面活性剤の非限定的な例は、アルアド出版社（Allured Publishing Corporation）から出版されたマッカチャンの洗剤及び乳化剤、北米版（１９８６年）、マッカチャンの機能的材料、北米版（１９９２年）、及び１９７５年１２月３０日にローリン（Laughlin）ら発行された米国特許第３９２９６７８号に開示されており、各々をそのまま参考として引用し本明細書に組み入れる。本明細書では、多種多様な陰イオン性界面活性剤が潜在的に有用である。陰イオン発泡性界面活性剤の非限定的な例には、アルキル及びアルキルエーテルサルフェート類、スルフェート化モノグリセリド類、スルホン化オレフィン類、アルキルアリールスルホネート類、一級又は二級アルカンスルホネート類、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム類、アシルタウレート類、アシルイセチオネート類、アクリルグリセリルエーテルスルホネート、スルホネート化メチルエステル類、スルホネート化脂肪酸類、アルキルリン酸類、エトキシル化アルキルリン酸類、アシルグルタミン酸塩類、アシルサルコシン酸類、アルキルスルホアセテート類、アシル化ペプチド類、アルキルエーテルカルボキシレート類、アシルラクチレート類、陰イオンフッ素系界面活性剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。

非イオン性発泡性界面活性剤：本発明で有用な非イオン性発泡性界面活性剤の非限定的な例は、アルアド出版社（Allured Publishing Corporation）から出版されたマッカチャンの洗剤及び乳化剤、北米版（１９８６年）、及びマッカチャンの機能的材料、北米版（１９９２年）に開示されており、これらの両方をそのまま参考として引用し本明細書に組み入れる。本明細書において有用な非イオン性発泡性界面活性剤としては、アルキルグルコシド類、アルキルポリグルコシド類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド類、アルコキシ化脂肪酸エステル類、スクロースエステル類、アミンオキシド類、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。

陽イオン性発泡性界面活性剤：陽イオン性発泡性界面活性剤はまた、本発明で使用される清浄剤においても有用である。好適な陽イオン性発泡性界面活性剤としては、脂肪族アミン類、ジ脂肪族第四級アミン類、トリ脂肪族第四級アミン類、イミダゾリニウム第四級アミン類、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。非イオン性界面活性剤は、そのような陽イオン性発泡性界面活性剤との組み合わせで特に有用であることが判明した。

両性発泡性界面活性剤：本明細書で使用する用語「両性発泡性界面活性剤」は、双性イオン性界面活性剤を包含することも目的とし、両性界面活性剤の部分集合として当該技術分野の配合者に既知である。多種多様の両性発泡性界面活性剤は本発明の清浄剤において使用され得る。特に有用なものは、脂肪族第二級及び第三級アミン類の誘導体として広く説明されているものであり、好ましくは、窒素は脂肪族基が直鎖又は分枝鎖であることが可能な陽イオン状態であり、基の１つは、例えば、カルボキシ、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、又はホスホン酸塩など、イオン性水溶性基を含有するものである。本発明の構成成分において有用な両性界面活性剤の非限定的な例は、アルアド出版社（Allured Publishing Corporation）から出版されたマッカチャンの洗剤及び乳化剤、北米版（１９８６年）、及びマッカチャンの機能的材料、北米版（１９９２年）に開示されており、これらの両方をそのまま参考として引用し本明細書に組み入れる。両性界面活性剤又は双性イオン性界面活性剤の非限定的な例には、ベタイン類、スルタイン類、ヒドロキシスルタイン類、アルキルイミノアセテート類、イミノジアルカノエート類、アミノアルカノエート類、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものがある。界面活性剤のこれらの種類の各々は、「孔あき積層体ウェブを具備する使い捨て物品」（Disposable Article Comprising an Apertured Laminate Web）という発明の名称で２０００年４月２０日にダイ（Dye）らの名前で出願された同時係属の米国特許出願第０９／５５３，６４１号に更に詳細に記述されている。

有機洗浄性溶媒：このような溶媒は、一般に１〜３エチレングリコール又はプロピレングリコール部分に結合され、疎水性、好ましくは表面活性の適切な程度を提供する末端Ｃ_３〜Ｃ_６炭化水素を有する。エチレングリコール化学に基づく、市販の洗浄性溶媒の例には、モノエチレングリコールｎ−へキシルエーテル（ユニオン・カーバイド社（Union Carbide）から入手可能なヘキシルセロソルブ（Hexyl Cellosolve）（登録商標））が挙げられる。プロピレングリコール化学に基づく市販の洗浄性溶媒の例には、プロピル及びブチルアルコールのジ−及びトリ−プロピレングリコール誘導体が挙げられ、これらは、ペンシルバニア州（3801 West Chester Pike, Newtown Square, PA 19073）のアルコ・ケミカル社（Arco Chemical）と、ミシガン州（1691 N.Swede Road, Midland, Michigan）のダウ・ケミカル社（Dow Chemical）とから、アルコソルブ（Arcosolv）（登録商標）及びダウワノール（Dowanol）（登録商標）の商品名で入手可能である。溶媒は、モノ−プロピレングリコールモノ−プロピルエーテル、ジ−プロピレングリコールモノ−プロピルエーテル、モノ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル、ジ−プロピレングリコールモノ−プロピルエーテル、ジ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル；トリ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル；エチレングリコールモノ−ブチルエーテル；ジ−エチレングリコールモノ−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−へキシルエーテル及びジ−エチレングリコールモノ−へキシルエーテル、及びこれらの混合物から成る群から選択されてもよい。「ブチル」は、ノルマルブチル、イソブチル、及び第三ブチル基を包含する。モノ−プロピレングリコール及びモノ−プロピレングリコールモノブチルエーテルが最も好ましい洗浄性溶媒であり、ダウアノール（Dowanol）ＤＰｎＰ（登録商標）及びダウアノールＤＰｎＢ（登録商標）の商品名で入手可能である。ジ−プロピレングリコールモノ−ｔ−ブチルエーテルは、アルコソルブ（Arcosolv）ＰＴＢ（登録商標）の商品名でアルコ・ケミカル社（Arco Chemical）から市販されている。

Ｂ．（化粧用構成成分）
本発明の物品に包含されるのに好適である化粧用構成成分には、ファンデーション、頬紅、傷カバー組成物、不透明化剤、ティント（ほのかな色付け）、及び他の一般的な化粧用着色製品が挙げられる。このような構成成分は、効果的にメークアップ用に好適な本発明の物品を生じる。

Ｃ．（洗浄性構成成分）
家庭のケアの用途では、本発明の有益な構成成分は、家庭の領域、例えば、カウンタートップ、壁、鉢、桶、床、窓などの目標の硬い表面に洗浄性の利益を提供するのに好適である。そのような有益な構成成分は、本明細書では以後、洗浄性構成成分と呼ぶ。好ましくは、硬い領域に原液のまま及び濃縮した方式で容易に付与することができるので、このような洗浄性構成成分は、液体である。しかし、固体の洗浄性構成成分でも、使用の際に水又は他の液体中で溶解又は懸濁する限り、条件を満たしている。好ましくは、本発明の洗浄性構成成分は、目標表面を親水性にする安全で有効な量のポリマーを含む。この親水性の増加は、表面からの水の「シート化」及び／又は表面での水の広がりを提供することにより、改善された最終的な外観を提供し、この効果は、好ましくは表面が再湿潤する時と、再湿潤の後で乾燥する時にも見られる。

床、カウンター、壁などの用途の関連で、好ましい非イオン性界面活性剤の種類は、アルキルエトキシレート類である。本発明のアルキルエトキシレート類は、直鎖状又は分枝鎖状のいずれかであり、約８〜約１４の炭素原子及び約４〜約２５のエチレンオキシド単位を含有する。アルキルエトキシレート類の例には、テキサス州のシェル・コーポレーション（Shell Corporation）（P.O. Box 2463, 1 Shell Plaza, Houston, Texas）から供給されるネオドール（Neodol）（登録商標）９１−６、ネオドール９１−８（登録商標）、及びテキサス州のビスタ・コーポレーション（Vista Corporation）（900 Threadneedle P.O. Box 19029, Houston, TX）から供給されるアルフォニック（Alfonic）（登録商標）８１０−６０が挙げられる。

本発明による液状洗浄性構成成分は、相対的に低いレベルの活性物質と共に調製される。一般にそのような洗浄性構成成分は、本明細書で下記で論じるように、固い表面のクリーナーとして有効であり、尚且つ経済的であるために充分な界面活性剤及び任意の溶媒を含み、従ってそれらの成分は、典型的には有益な組成物の重量の約０．００５％〜約０．５％の界面活性剤、好ましくはアルキルポリグリコサイド及び／又はＣ_８〜１４アルキルエトキシレート界面活性剤、より好ましくは約０．０１％〜約０．４％の界面活性剤、更に好ましくは約０．０１％〜約０．３％の界面活性剤を含有する。高いレベルよりもむしろ低いレベルの界面活性剤が全体的な最終性能に有利であることが判明した。更に、洗浄剤には、軽石、カオリン、酸化亜鉛、デンプン、タルク、二酸化チタン、シリコン粒子、テフロン（登録商標）などのような、約１〜１００ミクロンの範囲の粒度を有する微細な粒子状／研磨タイプの材料が挙げられ、これらが使用されてもよい。

本発明の水溶性重合体として使用することができるホモポリマー及びコポリマーの非限定的な例には、アジピン酸／ジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー、アジピン酸／エポキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー、ポリビニルアルコール、メタクリロイルエチルベタイン／メタクリレートのコポリマー、アクリル酸エチル／メチルメタクリレート／メタクリル酸／アクリル酸のコポリマー、ポリアミン樹脂、及びポリ第４級アミン樹脂、ポリ（エテニルフォルムアミド）、塩酸ポリ（ビニルアミン）、ポリ（ビニルアルコール−コ−６％ビニルアミン）、ポリ（ビニルアルコール−コ−１２％ビニルアミン）、ポリ（ビニルアルコール−コ−６％塩酸ビニルアミン）、及びポリ（ビニルアルコール−コ−１２％塩酸ビニルアミン）が含まれる。好ましくは前記コポリマー及び／又はホモポリマーは、アジピン酸／ジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー、ポリ（ビニルピロリドン／ジメチルアミノエチルメタクリレート）、ポリビニルアルコール、アクリル酸エチル／メチルメタクリレート／メタクリル酸／アクリル酸のコポリマー、メタクリロイルエチルベタイン／メタクリレートのコポリマー、ポリ第４級アミン樹脂、ポリ（エテニルフォルムアミド）、塩酸ポリ（ビニルアミン）、ポリ（ビニルアルコール−コ−６％ビニルアミン）、ポリ（ビニルアルコール−コ−１２％ビニルアミン）、ポリ（ビニルアルコール−コ−６％塩酸ビニルアミン）、及びポリ（ビニルアルコール−コ−１２％塩酸ビニルアミン）から成る群から選択される。

本発明の洗浄性構成成分で有用なポリマーを、親水性モノマーのコポリマーから成る群から選択することができる。このポリマーは、直鎖状のランダム又はブロックコポリマー類、及びそれらの混合物であってもよい。本明細書で使用される用語「親水性」は、水への親和性を有するその標準的な意味と一致する。

有用な親水性モノマーの非限定例は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸及びその半エステル類、イタコン酸のような不飽和の有機モノ−及びポリカルボン酸；ビニルアルコール、アリルアルコールのような不飽和のアルコール類；ビニルカプロラクタム、ビニルピリジン、ビニルイミダゾールのような極性ビニル複素環式化合物；ビニルアミン；ビニルスルホネート；アクリルアミド、例えば、Ｎ，Ｎ−ジメチルアクリルアミド、Ｎ−ｔ−ブチルアクリルアミドのような不飽和のアミド；ヒドロキシエチルメタクリレート；メタクリル酸ジメチルアミノエチル；上に列記した酸及びアミンの塩など；及びそれらの混合物である。好ましい親水性モノマーには、アクリル酸、メタクリル酸、Ｎ，Ｎ−ジメチルアクリルアミド、Ｎ，Ｎ−ジメチルメタクリルアミド、Ｎ−ｔ−ブチルアクリルアミド、メクリル酸ジメチルアミノエチル、及びそれらの混合物がある。

本発明で使用するためのポリマーの非限定例には次のものが挙げられる。ＩＳＰから「アクリリドン」（Acrylidon）（登録商標）の名前で販売されているポリ（ビニルピロリドン／アクリル酸）と、ロームアンドハース（Rohm & Haas）から「アキュマー」（Accumer）（登録商標）の名前で販売されているポリ（アクリル酸）とがある。その他の好適な材料には、バーサフレックス（Versaflex）（登録商標）、特にバーサフレックス７０００の名前でナショナル・スターチ＆ケミカル社（National Starch and Chemical Company）から販売されているスルホン化ポリスチレンポリマー類が挙げられる。

ポリマー材料の濃度は、通常、有益な構成成分の重量の約０．５％未満、好ましくは約０．０１％〜約０．４％、より好ましくは約０．０１％〜約０．３％である。

洗浄性構成成分において好ましいポリマー類は、ポリスチレンスルホネート、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンアクリル酸コポリマー、ポリビニルピロリドンアクリル酸コポリマーのナトリウム塩、ポリビニルピロリドンアクリル酸コポリマーのカリウム塩、ポリビニルピロリドン−ビニルイミダゾリン、ポリビニルピリジン、ポリビニルピリジンｎ−オキシド、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。好ましいポリマーは、ポリビニルピリジンｎ−オキシドである。

上述の成分に加えて、洗浄性構成成分は、任意に陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、漂白剤、好ましくは過酸化水素を含んでもよい。他の任意成分には、クエン酸及び酢酸などの穏やかな酸が挙げられ、これらはまた、そのｐＨ低下効果のために、無機材料及び石鹸かすタイプの汚れを溶解することができるので、洗浄性構成成分においても有用である。更にこれらの弱い酸には、カルシウム及びマグネシウムを封鎖できるものがあり、それは界面活性剤／乳化剤の性能を改善する。最後に、弱い有機酸が、抗菌剤として作用し得る。αヒドロキシ酸化粧品で使用される皮膚離脱効果もある。更に、エチレンジアミン四酢酸のようなキレート剤は、カルシウム及びマグネシウムを封鎖して金属の石鹸かすを可溶化する能力のために、カルシウム／マグネシウムの石鹸かすを除去するのに有効なので、カルシウム／マグネシウムの硬度を封鎖して、洗浄性界面活性剤のシステムの効果を増大するに有効である。

Ｄ．（ワックス掛け及び／又は磨き組成物）
本明細書で開示された物品の有益な構成成分は、磨き／ワックス掛け組成物を含んでもよく、その望ましい利点は、自動車、靴、床、カウンター、家具、木、及び／又は壁などの無生物表面に、ワックス及び／又は磨き剤を沈着させることである。このような添加剤は、好ましくは１平方メートル当たり０．１〜１００ｇの添加濃度で物品に付与される。ワックス掛け及び／又は磨き組成物は、蝋、油、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含んでもよい。好適な蝋には、様々な種類の炭化水素、並びにある種の脂肪酸と脂肪属アルコールのエステル類（例：飽和トリグリセリド）、シリコン類、及び官能化シリコン類が挙げられる。それらは天然源（すなわち、動物、植物、又は鉱物）に由来することができ、又は合成することもできる。これらの様々な蝋の混合物も使用することができる。本発明において使用できる代表的な動物性及び植物性の蝋には、蜜蝋、カルナウバ、鯨蝋、ラノリン、セラック蝋、キャンデリラなどが挙げられる。本発明において使用できる鉱物源由来の代表的な蝋には、パラフィン、ワセリン、及び微晶性蝋などの石油をベースとする蝋と、白色セレシン蝋、黄色セレシン蝋、白色地蝋などの化石又は土壌蝋とが挙げられる。本発明で使用され得る代表的な合成蝋には、ポリエチレン蝋、「ハロワックス」のような塩素化ナフタレン類、「フィッシャー−トロプシュ合成」によって作成された炭化水素タイプの蝋などが挙げられる。その他の好ましい磨き／清掃成分は、ワセリンなどの蝋と油の混合物として供給される。

好ましいワックス掛け及び／又は磨き／清掃組成物は、蝋と鉱物油との混合物を含むが、それは、粒子状物質を表面からピックアップして保持するための物品の能力を増大する一方、物品で拭き取られる表面に残った残査の量を最小化する。鉱物油と蝋との混合物が利用される時、構成成分は、好ましくは重量で約１：９９〜約７：３、より好ましくは約１：９９〜約３：２、更に好ましくは約１：９９〜約２：３の油対蝋の重量比で混合されてもよい。特に好ましい実施形態では、油対蝋の比が重量において約１：１であり、添加物が約５重量％の添加濃度で加えられる。磨き／清掃構成成分として好ましい混合物は、鉱油とパラフィンワックスの１：１混合物である。

ワックス及び／又は磨き構成成分は、香料、有害生物制御成分、殺真菌剤を包む抗菌剤、及び他の有益な成分となり得る成分、特に添加剤において可溶性又は分散性であるものを組み込み、また結合させるための手段を提供し得る。

Ｅ．（追加の任意構成成分）
本発明の有益な構成成分は任意構成成分を含有してもよい。生物物体（皮膚、毛髪、又は歯）上での使用を目的とする有益な組成物における一般的な任意構成成分には、染毛剤、におい吸収剤、抗刺激剤、薬剤及び活性物質送達成分、水、ｐＨ低減又は緩衝システム、ビタミン類、皮膚鎮静剤、抗炎症剤、粘度変性剤、香料、消毒抗菌活性物質、薬剤活性物質、皮膜形成剤、防臭剤、不透明化剤、収斂剤、ワックス、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、酸化防止剤、キレート剤、湿潤剤／保湿剤、抗発疹剤、赤み止め剤、かゆみ止め剤、抗ヒスタミン剤、溶媒、天然薬剤、植物生薬剤、栄養剤、界面活性剤、着色剤、芳香剤、塩化亜鉛、炭素、酸化亜鉛、酵素抑制剤、糞便酵素抑制剤、荒れどめ剤、抗座そう活性物質、抗しわ活性物質、抗菌活性物質、抗真菌活性物質、抗炎症活性物質、局所用麻酔活性物質、人工的日焼け剤及び促進剤、抗ウイルス剤、酵素、日焼け止め活性物質、酸化防止剤、皮膚離脱剤、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。

更なる指標として、使用されてもよい製品の範疇の一覧表に加えて、これらの種類の任意成分の各々の追加例（アフターシェイブ、目の化粧落とし、毛髪漂白剤、皮膚フレッシュナーなど）が、国際化粧品辞典及びハンドブック（The International Cosmetic Ingredients Dictionary and Handbook）第８版、１９９９年に見出され、これをそのまま参考として引用し本明細書に組み入れる。

ＩＶ．本発明の望ましい頂部偏在の達成
本発明の処理した基材上の、有益な構成成分の望ましい頂部偏在は、多くの方法により達成できる。一方法は、有益な構成成分が別個の少なくとも２層を含むことを必要とする。第１層は、有益な構成成分の第２層に対して相対的に親水性又は相対的に疎水性のいずれかである。更にもう１つの実施形態では、第１層及び第２層の両層が有益な構成成分の一部分であるが、それらの相対的な親水性及び相対的な疎水性は重要ではない。もう１つの実施形態では、第１支持層は、有益な成分の一部分ではないが、揮発する前に、基材上の有益な構成成分を単に支持するのに役立つ。

Ａ．（相対的に親水性の層及び相対的に疎水性の層）
理論に拘束されることを意図しないが、この実施形態は、相対的親水性及び相対的疎水性を有利に利用して、反発機構によって望ましい頂部偏在を達成するのを助けると考えられている。次に説明するような追加の機構も含まれてもよい。一実施形態では、有益な構成成分の第１層は、有益な構成成分の第２層に対して相対的に親水性である（逆に、第２層は、第１層に対して相対的に疎水性である）。第二の実施形態では、有益な構成成分の第１層は有益な構成成分の第２層に対して相対的に疎水性である（逆に、第２層は第１層に対して相対的に親水性である）。有益な構成成分の層の説明において本明細書で使用する用語「層」は、有益な構成成分の単一構成成分を指す。これらの層は、ある程度混和性であってもよく、又はなくてもよい。この部分の層の実施形態を説明するために、本明細書で使用する用語「第１層」は、有益な構成成分であるこの層が、基材の接触表面の少なくとも一部分に配置されることを意味する。この部分での層の実施形態を説明するために、本明細書で使用する用語「第２層」は、有益な構成成分のこの層が第１層の少なくとも一部分に配置されることを意味する。第２層はまた、基材の接触表面と接触していてもよい。本明細書で使用する用語「相対的に親水性」は、隣接し、関係する有益な構成成分の層の溶解度パラメーターより大きい＞２（カロリー／１立方センチメートル）^１／２の大きさの溶解度パラメーターを有する有益な構成成分の層を指す。例えば、第１層が２３の溶解度パラメーターを有し、第２層が８の溶解度パラメーターを有する場合、第１層は第２層に対して相対的に親水性である。同様に、本明細書で使用する用語「相対的に疎水性」は、隣接する有益な構成成分の層の溶解度パラメーターより小さい＞２（カロリー／立法センチメートル）^１／２の大きさの溶解度パラメーターを有する有益な構成成分の層を指す。例えば、第１層が８の溶解度パラメーターを有し、第２層が２３の溶解度パラメーターを有する場合、第１層は第２層に対して相対的に疎水性である。第１層及び第２層の考察で、用語「相対的に親水性の層」及び「相対的に疎水性の層」の使用は、任意の第三層に対してではなく、互いに対して相対的であることを意味することを理解されたい。第３又は他の層に対して相対的であることを意図する場合は、明確に記述する。

相対的に親水性の層は、典型的に少なくとも約５％〜少なくとも約９５％、好ましくは１０％〜少なくとも約９０％、より好ましくは２０％〜少なくとも約８０％の有益な構成成分を含む。相対的に親水性の層は、好ましくは、特にそれが第１層である時、冷たい極性の組成物として添加される。相対的に疎水性の層は、典型的に少なくとも約５％〜少なくとも約９５％、より好ましくは１０％〜少なくとも約９０％、更に好ましくは２０％〜少なくとも約８０％の有益な構成成分を含む。相対的に疎水性の層は、好ましくは、特にそれが第２層である時、疎油性であってもよい熱い非極性組成物として添加される。

次の一覧表は、互いに相対的に疎水性及び相対的に親水性である層の非限定例を提供する。「層Ａの構成成分」としてそこに挙げられた、単独又は他の構成成分と組み合わせて使用される構成成分は、全て「層Ｂの構成成分」に対して相対的に親水性である。同様に、「層Ｂの構成成分」としてそこに挙げられた、単独又は他の構成成分と組み合わせて使用される構成成分は、全て「層Ａの構成成分」に対して相対的に疎水性である。

層Ａの構成成分（層Ｂの構成成分に対して相対的に親水性）：ワセリン、水、グリセリン及びポリグリセリン類、ポリエチレングリコール類及びプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール類などのグリコール類、２−メチルプロパンジオール、グライム類、トリプロピレングリコールメチルエーテルのようなエーテル類、グルコースのような糖類、ステアレス−１００のようなエトキシル化アルコール界面活性剤、エチレングリコール、ポリエチレングリコール類、脂肪族アルコール類、ブチレングリコール、尿素、メタノール、エタノールなどのアルコール類、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの無機塩、及びこれらの混合物。

層Ｂの構成成分（層Ａの構成成分に対して相対的に疎水性）：ワセリン、ステアリルアルコール、鉱物油、ラノリン及びラノリン誘導体、スクアラン及びスクアレン、オリーブ油及びアボカド油などの植物性油、ポリデセン、グリセリド類及びグリセリド誘導体（例：トリグリセリド類）、必須脂肪酸類、ココアバター及びシアバターなどのバター類、ジイソステアリルリンゴ酸塩のような皮膚軟化剤エステル類、イソパラフィン類、ポリイソブチレン類、シリコン蝋のようなシリコン類及びシリコン誘導体、パラフィン及び微晶質蝋などの蝋、天然蝋（例：密蝋）ポリエチレン、及びこれらの混合物。

従って、第１層が第２層に対して相対的に親水性である実施形態では、第２層が層Ｂの構成成分の１以上を含んでいる時、第１層は層Ａの構成成分の１以上を含み得る。一方、第１層が第２層に対して相対的に疎水性である実施形態では、第２層が層Ａの構成成分の１以上を含む時、第１層は層Ｂの構成成分の１以上を含み得る。

（実施例Ａ）相対的に親水性の第１層及び相対的に疎水性の第２層

（実施例Ｂ）相対的に疎水性の第１層及び相対的に親水性の第２層

特に第１層が相対的に親水性である時に、粘度増加剤のような成分を相対的に親水性の層に包含させることが好ましいことが多い。粘度増加剤は、親水性の層が基材に流れ込むのを阻止するのを助ける。この目的に有用な粘度増加剤には、セルロースゴム及びヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース及びセルロース誘導体、オート麦のような麦類、マグネシウムケイ酸塩、ポリアクリル酸、キサンゴムのようなゴム類、ヘクトライト、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアーのようなグアー及びグアー誘導体、寒天、ベントナイトカルボマー、コーンスターチのようなデンプン、ゼラチン、ポリエチレングリコール類、及び他の１９９２年に出版されたＣＴＦＡ／第２版に列挙したものが挙げられるが、これらに限定されない。

特に第１層が相対的に疎水性である時、基材の接触する表面の最上領域で又はその近くで疎水性の層を保つのを助ける成分を含むことは好ましいことが多い。そのような成分には、疎水性の層が基材の頂部表面で早く固結するための結晶化の場所として作用するものが挙げられる。これらの結晶化の場所は、典型的には構造が直鎖であり、パラフィン蝋及びポリエチレン蝋、又は湿った時に熱を吸収する吸熱塩のような材料が挙げられる。例えば、塩化カリウム及びマンニトールなどの吸熱材料は、疎水性のマトリックスに懸濁し得る。疎水性層の付与で、吸熱の熱吸収反応が始まり、両層を冷却してそれらの凝固を早める。

追加／任意層：本明細書で説明した実施形態及び／又は方法のいずれにも、有益な構成成分内に他の層を追加的に含んでもよいことを言及することは重要である。これらの追加層は、それらの相対的な親水性及び疎水性に関わらず追加されてもよく、若しくはそれらの隣接する層に対して相対的に疎水性又は相対的に親水性であってもよい。一般的な追加層は、香料、及び／若しくは純粋な又は非常に凝縮した任意成分を含んでもよい。そのような追加層を使用すると、その層のほとんどの部分又は全てが、基材の中で無駄にならないので、配合者は目的とする表面へ高価な任意成分の移動を最大にすることができる。

そのような実施形態の一般的な例には、第１の相対的に親水性の層、第２の相対的に疎水性の層を含む有益な構成成分が挙げられ、
１．第２層に対して相対的に親水性である第３層、
２．第２層に対して相対的に疎水性である第３層、
３．第２層に対して相対的に親水性である第３層と、第３層に対して相対的に疎水性である第４層、
４．第２層に対して相対的に疎水性である第３層と、第３層に対して相対的に親水性である第４層、
５．第２層に対して相対的に親水性又は相対的に疎水性である条件を満たさない、エマルション又はミクロエマルションである第３層、又は
６．第２層に対して相対的に親水性であるという条件を満たさない単一の水相である第３層と、第３層に対して相対的に疎水性である第４層を含む。

あるいは、有益な構成成分が、第１の相対的に疎水性の層と第２の相対的に親水性の層とを含む場合、上述の代表的な追加層が含まれてもよい。他の実施形態及び／又は変化形形態は、任意のこれらの例を当業者が容易に構想することができる。いくつかの追加／任意層には、付与の際に他の層と混ざってもよく、及び／又は他の層とエマルションを形成してもよいことも理解されている。

Ｂ．（支持層）
理論に拘束されることを意図しないが、上記及び下記で論じられる「層の方法」の各々は、ある程度、基材の別の透過性領域の閉鎖を利用して、基材上の有益な構成成分の望ましい頂部偏在を達成するのを助けると考えられている。閉鎖は、有益な構成成分の第２層を頂部偏在するために、第１支持層における構成成分の幾らか又は全てを犠牲にすることによって行われてもよい。この方法が取られる場合、相対的な親水性と疎水性は、無関係である。例えば、これは、最初に活性成分のないベースローション層を付与し、その後、同一のベースローションからなる、追加の活性成分を有するローション層を付与することによって達成され得る。これにより着用者に隣接する活性物質の配置がもたらされる一方、トップシートへの活性物質の損失は最小化する。その結果、同量のローションの付与で、同一の利益を及ぼすために、必要な活性物質はより少なくなる。

Ｃ．（揮発性媒介）
他の層化の方法は、最初に揮発性ベース層を基材に付与し、その後、追加の活性成分を有するローションを含む第２ローション層を付与することによって達成され得る。揮発性第１層は、次に基材への第２層の移動を妨害し、その後消散して第２ローション層のみを残す。これにより、着用者に隣接する活性物質の配置をもたらす一方、トップシート内への活性物質の損失を最小化する。揮発性ベースローション層の例には、短鎖アルコール類（例：メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール）、短鎖炭化水素及び混合物（例：へキサン、ドデカン、ペルメチル（登録商標）、ペルメチル（登録商標）１０１ａ）、及び水が挙げられるが、これらに限定されない。

Ｖ．一般的方法
本明細書に説明されている構造化層化方法を使用する、処理した基材を作成する一方法が下記に示される。第１層が、基材の接触表面に解放され、次に第２層がエマルションの形成なしに解放され（すなわち、層間のある程度の相分離が保持されると共に、第１層が完全に溶解しないか又は第２層を包囲しない）、それが、固結してもよい第１層に付与される時ほぼ迅速に固結する。

様々な付与方法のいずれかが、基材に有益な構成成分を付与するために使用され得る。好適な付与方法には、コーティング（例：グラビア又は溝コーティング）、スプレー、プリンティング（例：フレキソプリンティング）、押出し、若しくはこれらの付与技術又は他の付与技術の組み合わせ（例：カレンダーロールのような回転する表面へ有益な構成成分をスプレーし、その後、接触コーティングによって基材の体表面へ有益な成分を転移すること）が挙げられる。基材を第１層に浸す、又は基材に第１層を注ぐ／染み込ませることによって第１層を付与することも可能である。第１層の多くが基材の中で犠牲になるので、第１層が高価である場合はこの方法を使用するべきではない。

有益な構成成分は、基材の接触表面又はその一部分に等しく、均一に付与されてもよい。基材の両方の表面が接触表面であることを目的とする場合、有益な構成成分は両方の表面に付与されてもよい。有益な構成成分はまた、パターンで又は不均一に無作為の領域で付与されてもよい。「不均一」によって、有益な構成成分の分配量、パターンなどが、基材の表面上で変化し得ることを意味する。例えば、基材の処理した表面の部分には、有益な構成成分が全くない表面の部分を含む、有益な構成成分の多い又は少ない量を有し得るものがある。吸収性物品のトップシートとして使用されるべき基材に付与される時、表面は、未処理の領域を通過する適切な液体の移動を可能にするように有益な構成成分が付与されない領域を有する。有益な構成成分が不均一に付与される場合、いずれかの有益な成分のパターンが利用されてもよく、例えば、小さい液滴（例えば、スプレーにより得られる）、別個の点（例えば、グラビア印刷により得られる）、物品の長手方向又は横方向に伸びるストライプ、螺旋、箱、波、図面、言葉などの付与が挙げられる。

有益な構成成分の幾らか又は全ては、組立中のいずれかの点で基材に付与され得る。例えば、有益な構成成分は完成した製品の基材に付与されてから、包装されてもよく、又は有益な構成成分の全て又は一部分を基材上に有する基材が供給されてもよい（例えば、基材上に有益な構成成分の第１層を既に有する予め処理した基材として供給されてもよい）。有益な構成成分の幾らか又は全てはまた、基材に付与されてから、他の未加工の材料と組み合わされて、完成した製品を形成してもよい。

ＶＩ．頂部偏在の決定
頂部偏在を決定するために、有益な構成成分を処理した基材は、Ｚ方向に３つに分けられる。これら３つは、その後、剥離されて、次に標準ガスクロマトグラフィーが使用されて、各層の有益な構成成分含有量を決定する。その後、０とＺ／３との間の頂部の３分の１層（すなわち、接触表面を含有する）上又は内部に含有される有益な構成成分と、２Ｚ／３とＺとの間の底部の３分の１層（すなわち、対向表面を含有する）の有益な構成成分との比を計算することによって頂部偏在比が決定される。基材が多孔質及び液体透過性であり、侵入を決定する目的のために容易に３つに剥離できない場合、問題の処理した基材で行われたのと同一の方法及び量を使用して、有益な構成成分は８．５ｇｓｍのナイロンの３層の積層体に付与されるべきである。

ＶＩＩ．実施例
Ａ．（親水性の層）
次の実施例は、様々なスキンケア組成物の調製を説明することを意図している。

（実施例Ｉ）

（実施例ＩＩ）

（実施例ＩＩＩ）

（実施例ＩＶ）

Ｂ．（疎水性層）
次の実施例は、様々なスキンケア組成物の調製を説明することを意図している。

（実施例Ｉ）

（実施例ＩＩ）

（実施例ＩＩＩ）

Ｃ．（頂部偏在計算の実施例）
作成方法：基材上の頂部偏在ローションは、巻き出し／巻き戻しスタンドで調製される。付与は、次の順序で実施される。すなわち、ウェブが巻き出されて、グリセリン／水噴霧器、次にローション用のユニフォームファイバーデポジションヘッド（Uniform Fiber Deposition head）（ＵＦＤ、ＩＴＷ／ダイナテック（Dynatec）から販売されている）、次に水噴霧器に接触して、最後に巻き戻される。ウェブは、１分当たり約２９０メートル（９６０フィート）の速度で移動する。ＵＦＤ頭部は、７０％のオンと３０％のオフの周期で、断続的なローションのパターンを付与する。グルセリン／水噴霧器、及び水噴霧器は、約２０ｃｍのパターン幅で各々の溶液を連続的に供給する。ローションの温度は７０℃であり、グリセリン／水及び水の温度は２０℃である。

ローションは、ＵＦＤにより２４本のストライプのパターン（１ｍｍ幅のストライプ）で０．４８ｇ／ｍ^{^２}で、製造された８．５ｇｓｍのナイロンの３層から構成された積層体に付与されて、ポリマーのバックシートに接着される。

３つの状態は次のように完成される。
ｉ．第１のランは、ベースライン状態として定義され、ローションのみが０．４８ｇ／ｍで基材に付与される。
ｉｉ．第２のランでは、０．６５ｇ／ｍの流量で付与されたグリセリン／水の混合物が使用されて、積層体に浸透し、その後ローションが添加される。
ｉｉｉ．任意の最終ランとして、グリセリン／水が最初に付与され、次にローション、その次に最終ステップｉｉｉとして、水が０．３５ｇ／ｍの流量で付与される。

結果：各状態でのローションの位置の測定は、セクションＶＩで示された方法に従って行われ、結果は次のとおりである。

比較の実施例は、対照状態（ｉ）の２．１：１からの本発明の多孔質基材への有益な構成成分の移動を最小化するための手段を使用した状態の２．９：１の頂部偏在における増加を示している。任意状態（ｉｉｉ）は、対照２．２：１から３．７：１への増加をそれぞれ示していると共に、任意の第３層である水が方法の一部分として追加される、本発明のもう１つの実施形態を表している。

本発明の特定の実施形態及び／又は個別の特徴を例示し説明しているが、本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく、様々な変化と変形が可能であることは当業者には明白である。更に、このような実施形態及び特徴の全ての組み合わせが可能であり、またこれにより本発明を好ましく実施できることも明らかである。従って、添付の請求項は、本発明の範囲内にある全てのこのような変化と変形を包括するように意図したものである。

本発明によるおむつの形態の吸収性物品の平面図である。 本発明により基材上に配置された有益な構成成分を有する処理した基材の横断面図である。

Claims (4)

1. 組成物が内部に浸透しうる多孔質基材において前記組成物を頂部偏在するための方法であって、
   ａ．前記多孔質基材上へ相対的に親水性の構成成分である第１成分を付与する工程、
   ｂ．前記相対的に親水性の構成成分上へ相対的に疎水性の成分である第２成分を付与する工程、及び
   ｃ．エマルションを形成することなく、前記第１成分及び第２成分を前記基材中で同時に固結させる工程、を備え、
   前記相対的に親水性の構成成分が、グリセリンと水との混合物を含み、前記相対的に疎水性の成分が、ワセリン、ステアリルアルコール、アロエ溶液、酸化亜鉛、燻蒸シリカ、及びそれらの混合物から成る群から選択される混合物を含む、方法。
2. 前記相対的に親水性の構成成分が、グリセリン、グリコール類、ジオール類、尿素、塩化ナトリウム、水、及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項１に記載の方法。
3. 前記相対的に疎水性の構成成分が、ワセリン、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、鉱油、シリコーン、ラノリン、及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項１に記載の方法。
4. 前記親水性の成分が揮発性媒介物を含む、請求項１に記載の方法。

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