JP4070672B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に係り、詳しくは、潜像担持体表面を一様帯電する帯電ローラ等の帯電部材の表面をクリーニングする導電性ブラシ部材を備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成装置として、潜像担持体上に形成した静電潜像を、現像装置によりトナー像化し、このトナー像を記録紙に転写して画像を得るものが広く用いられている。この画像形成装置では、トナー像転写後の感光体表面に残留した転写残トナーを、クリーニングブレード等のクリーニング装置により除去し、次工程に備えている。
【0003】
潜像担持体としての感光体は、帯電装置により一様に帯電されたのち、光書き込み手段等により露光され、その表面に静電潜像を形成される。感光体表面を帯電する帯電装置としては、帯電部材としての帯電ローラ等を感光体の表面に近接又は接触させ、帯電ローラと感光体との間に電圧を印加するものが、低オゾン化と低電力化が図れるという利点から実用化されている。このような帯電装置では、帯電ローラの表面にトナーや紙粉等の異物が付着すると、帯電ムラが生じて感光体表面を均一に帯電させることが困難となる。特に、近年、画像の高画質、高精細化の需要が高まる中、現像工程において小粒径トナーが使用される傾向にあるが、小粒径トナーはクリーニング装置に負担がかかり、クリーニング不良が起こりやすい。このため、クリーニングされずに感光体上に残留したトナーが帯電ローラに付着てしまうことが多くみられ、上記問題が発生しやすくなっている。この問題を解決するため、特許文献1では、帯電ローラの表面に付着した異物を導電性ブラシローラにより除去するクリーニング装置が提案されている。
【0004】
また、現像装置として、トナーと磁性キャリアからなる2成分現像剤(以下、現像剤という)を現像剤担持体上に担持し、現像剤担持体内部の固定磁極によって磁気ブラシを形成させて現像を行う二成分現像装置が知られている。
【0005】
本出願人は、高画質化を図る二成分現像装置として、現像剤担持体の現像主磁極に隣接した補助磁極を設けて現像主磁極の半値幅を調整し、現像ニップを狭くした二成分現像装置を提案している(例えば、特許文献2参照)。この現像装置では、感光体を摺擦する磁気ブラシの現像ニップが狭くなるため、磁気ブラシ先端部でのトナードリフトが起こりにくくなり、結果として「後端白抜け」を低減する。また、補助磁極の存在により、現像磁極の磁力線の回り込みが強くなり、現像ニップ内で磁気ブラシが密に形成されるようになる。このため、磁気ブラシは現像ニップ部において現像剤担持体の長手方向にばらつかず充分均一になり、長手方向全域で「後端白抜け」が低減される。
【0006】
ところで、二成分現像装置では、現像剤担持体上に担持した現像剤をドクターブレード等の現像剤規制部材で層厚を規制した後、現像剤担持体の表面移動により、潜像担持体と対向する現像領域まで搬送している。その際、現像剤は遠心力あるいは現像装置内の気流の影響を受け、キャリアの飛散あるいはトナーの飛散(以下、「現像剤の飛散」という。)を引き起こす。特に、小径キャリア・小径トナーを用いるものでは、現像剤飛散がおこり易く大きな問題となっている。これらの対策として、ドクターブレードによる規制位置通過後の現像剤層を覆うような現像剤飛散防止部材を設けるものが知られている。
【0007】
図4は、現像剤飛散防止部材の一例の概略構成図をしめすものである。この現像剤飛散防止部材10aは、図示しない現像ケーシングの開口縁部に一端が固定され、ドクターブレードを通過した後の現像剤担持体としての現像ローラ41上の現像剤層Dを覆っている。また、現像剤飛散防止部材10aの先端が感光体1に接触するよう撓ませており、現像剤飛散防止部材10aにより開口縁部と感光体1との隙間を塞ぐようになっている、。このような現像剤飛散防止部材10aにより、現像領域上流部の現像剤飛散を抑制することができる。
【0008】
また、特許文献3では、上記現像剤飛散防止部材10aに加え、現像剤担持体の回転軸と平行する方向の両端部の非画像形成領域に圧接して像担持体と現像装置との隙間を塞ぐ弾性シール部材を設けるものを提案している。この装置においては、現像領域上流部に加え、現像剤担持体端部からの現像剤飛散を改良することができる。
【0009】
これらの現像剤飛散防止部材10aは、初期においては、現像ローラ41上の現像剤層Dからの現像剤飛散を防止することができる。しかし、経時において現像剤飛散防止部材10aの現像剤層Dとの対向面(以下、裏面という)にトナーTが付着して、トナー溜まりができてしまう。このトナー溜まりは、現像ローラ41の回転開始直後あるいは画像形成中の何らかの衝撃を受けた時などに、凝集したトナー塊として現像領域に落下する。凝集したトナーが感光体1上の非画像領域および画像領域に付着すると、出力画像上に汚れを生ずる。また、凝集トナーの転写性の悪さやその周辺での転写電界の乱れから、出力画像上に白抜けを生ずる場合もある。さらには、現像領域を通過して、転写紙の搬送ガイドなどに堆積すると、転写紙の汚れを生じさせるという不具合を発生する。また、現像剤飛散防止部材10aの裏面にトナー溜まりができると、トナー溜まりの重さにより現像剤飛散防止部材10aの位置が変化して、現像剤飛散防止部材10aと感光体1との接触部分の押圧変化が起こる。そして、現像剤飛散防止部材10aの押圧の低い部分から現像剤が漏れ、現像装置外に飛散するという不具合も発生する。
【0010】
また、現像剤飛散防止部材10aの最下流位置で現像ローラ41内の磁極により磁気ブラシが立った状態であると、現像剤飛散防止部材10aの最下流位置、すなわち先端部を磁気ブラシの穂立ちが押す力が常に働く。図4のように、現像領域よりも現像剤飛散防止部材10aが上方にある場合では、現像剤飛散防止部材10aの先端部はこの押す力により上方に押し上げられる。そして、押し上げられた先端部と感光体1との摩擦により、経時では感光体1表面に傷が形成され、黒スジなどの異常画像を引き起こしたり、クリーニング不良を発生させたりすることがある。また、この押し上げは現像剤飛散防止部材10aの端部で顕著であり、現像剤飛散防止部材10aの端部と感光体1との間に隙間かできてしまい、この隙間から現像剤が現像装置外に飛散することもある。
【0011】
これらの問題を解決するために本出願人は、特許文献4にて、現像剤担持体の磁界発生手段が像担持体に近接する現像主磁極とこれに隣接して現像主磁極の磁力の半値幅を調整する補助磁極とを有し、現像主磁極の上流側に現像剤飛散防止部材を設置し、現像剤飛散防止部材の裏面と対向する位置で磁気ブラシが一旦穂立ちし、現像剤飛散防止部材の端部で磁気ブラシが寝た状態である現像装置を提案した。この現像装置では、現像剤飛散防止部材の裏面と対向する位置で穂立ちした磁気ブラシが現像剤飛散防止部材の裏面のトナー溜まりを擦りながら回収する。このため、磁気ブラシによるトナー溜まり清掃効果を得ることができる。しかし、磁気ブラシが穂立ちした状態のまま現像剤飛散防止部材の先端部を通過すると、現像剤飛散防止部材の幅方向端部より表面にトナーが回り込んで感光体に付着して地汚れをおこしたり、現像装置外への現像剤飛散を発生させたりする。そこで、現像剤飛散防止部材の先端部で磁気ブラシを寝た状態として、磁気ブラシが端部にかからないようにする。また、上述のような磁気ブラシが現像剤飛散防止部材の先端を現像領域上方に押し上げようとすることによる異常画像、現像装置外への現像剤飛散を防止することができる。これにより、経時のトナー溜まりによる不具合を解決するとともに、現像剤飛散防止部材の先端に起因する悪影響を防止している。
【0012】
【特許文献1】
特開2002−278287号公報
【特許文献2】
特開2000−29637号公報
【特許文献3】
特開平10−268639号公報
【特許文献4】
特開2002−278287号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1にしめす帯電ローラの表面に付着した異物をブラシローラにより除去する装置では、ブラシローラの毛抜けや毛折れが発生することがある。毛抜けや毛折れしたブラシの毛は、帯電ローラを経由して感光体上に移動し、上記現像剤飛散防止部材との間に挟まって停滞してしまうことがある。そして、この感光体と現像剤飛散防止部材との間に挟まったブラシの毛が、現像ニップ部の磁気ブラシに接触してしまい、このためブラシの毛を介して感光体上の電荷が磁気ブラシにリークして、静電潜像が乱れてしまうことがある。
【0014】
ここで、現像剤飛散防止部材により現像剤飛散をより確実に防止するのは、現像剤飛散防止部材の先端部分の面を感光体の表面に密着させるよう配置することが好ましい。しかしながら、現像剤飛散防止部材の先端部分を感光体に密着させると、ブラシの毛は現像剤飛散防止部材をすり抜けることできずに挟まりやすくなるため、感光体上の静電潜像を乱れはおこりやすい状態となる。
【0015】
また、上記特許文献4では、トナー溜まりを清掃する効果を有し、かつ、現像剤飛散防止部材の先端に起因する悪影響を防止するために、現像剤飛散防止部材を配置する条件を規定している。しかしながら、現像剤担持体の径、磁極配置、感光体の径等によっては、現像剤飛散防止部材の先端部分と像担持体とを密着させながら、特許文献4の現像剤飛散防止部材を配置する条件を満足することは困難な場合がある。
【0016】
本発明は、上記背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、帯電部材により長期に渡り安定した帯電をおこなうため帯電部材表面をクリーニングする導電性ブラシを用いた画像形成装置において、導電性ブラシの毛抜けによる静電潜像の乱れを防止し、かつ、現像剤飛散を長期に渡って抑制して、高画質な画像を得ることのできる画像形成装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、
静電潜像を担持する潜像担持体と、
該潜像担持体表面に接触又は近接してこれを一様に帯電する帯電部材と、
該帯電部材の表面に付着した異物を除去するための導電性ブラシ部材と
該潜像担持体との対向部において開口部を有する現像ケーシングと、該現像ケーシングの開口部から一部が露出した状態で該潜像担持体表面に対向配置され、少なくとも該潜像担持体表面に対向配置される現像主磁極を有する磁界発生手段を内包した回転可能な非磁性のスリーブからなる現像剤担持体とを有し、該現像剤担持体上にトナー及び磁性キャリアを含有する二成分現像剤を担持して該開口部に搬送し、該現像主磁極により該開口部において二成分現像剤を穂立ちさせて磁気ブラシを形成し、該磁気ブラシより該潜像担持体上の潜像にトナーを供給して現像する現像装置とを備えた画像形成装置において、
上記現像剤担持体表面に磁気ブラシを形成した領域よりも該現像剤担持体の現像剤搬送方向上流側の上記開口部に配置され、その先端を上記潜像担持体表面に接触させた現像剤飛散防止部材と、該磁気ブラシと該現像剤飛散防止部材との間に配置されるトナー溜まり防止部材とを設け、上記磁界発生手段が上記現像主磁極の現像剤搬送方向の上流側および下流側に隣接して配置され該現像主磁極の半値幅を調整する補助磁極を有し、該現像主磁極の法線方向磁束密度の現像剤搬送方向上流側の変極点と下流側の変極点との幅が60°以下であり、且つ、上記現像主磁極が上記現像剤担持体と上記潜像担持体との最近接位置より現像剤搬送方向上流側に3°〜9°の位置に配置されることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記トナー溜まり防止部材の先端が上記現像剤飛散防止部材の先端よりもが0〜2mm突き出ていることを特徴とするものである
た、請求項の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、上記トナー溜まり防止部材の現像剤担持体と対向する面が、上記現像主磁極の現像剤搬送方向の上流側に隣接して配置される補助磁極により穂立ちした磁気ブラシにより摺擦され、上記現像剤飛散防止部材と該トナー溜まり防止部材の先端部において磁気ブラシの穂が寝た状態であることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1、2または3の画像形成装置において、上記現像剤飛散防止部材と上記トナー溜まり防止部材の端部とが上記現像剤担持体の現像主磁極による磁気ブラシの穂立ちに接触しないよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1、2、3または4の画像形成装置において、上記導電性ブラシ部材として、ブラシの繊維の太さが1〜20デニール、ブラシの繊維の長さが0.3mm〜2.5mm、ブラシの繊維密度が7000本/cm〜46000本/cmであるブラシローラを用いたことを特徴とするものである。
【0018】
上記請求項1乃至の画像形成装置においては、現像主磁極に隣接した補助磁極を設け、現像主磁極の法線方向磁束密度の現像剤搬送方向上流側の変極点と下流側の変極点との幅が60°以下となるようにすることで現像ニップを狭くする。このように現像ニップを狭くすると、現像ニップが広い場合に較べて、現像剤飛散防止部材より磁気ブラシが離れた位置となる。そこで、導電性ブラシ部材から抜けたブラシの毛が現像剤飛散防止部材と潜像担持体との間に挟まっても、ブラシの毛が磁気ブラシに接触する可能性が低くなる。さらに、磁気ブラシと現像剤飛散防止部材との間にトナー溜まり防止部材を設けることで、現像剤飛散防止部材と潜像担持体との間に挟まったブラシの毛が磁気ブラシに接触する可能性をさらに低くすることができる。よって、潜像担持体上の電荷がブラシの毛を介して磁気ブラシ側にリークして、静電潜像が乱されることが抑制できる。
また、磁気ブラシと現像剤飛散防止部材との間にトナー溜まり防止部材を設けることで、磁気ブラシとが現像剤飛散防止部材とが直接対向または接触することがなくなる。このため、現像剤飛散防止部材裏面に現像剤が付着してトナー溜まりを生じたり、磁気ブラシが現像剤飛散防止部材先端部に接触して画像形成に悪影響を与えたりする虞を低減できる。また、現像剤飛散防止部材の配置は、トナー溜まりを除去する効果を有するよう、また、磁気ブラシが現像剤飛散防止部材先端部に接触しないように考慮する必要がなくなる。すなわち、現像剤飛散防止部材の配置について規定条件が少なくなり、現像剤飛散防止部材の先端部をより像担持体密着させるような配置をとることができる。よって、より確実に現像剤飛散を防止できるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式の複写機に適用した一実施形態について説明する。本実施形態の複写機は、モノクロ画像を形成する複写機であるが、カラー画像を形成する画像形成装置でも同様である。
図1は、本実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。
この複写機100は、主に、スキャナ部20と、複写機本体30と、給紙部40とから構成されている。複写機本体30には、潜像担持体としての感光体ドラム1、帯電手段としての帯電装置2、潜像形成手段としての露光装置3、現像手段としての現像装置4、転写手段としての転写装置6、定着手段としての定着装置7、クリーニング手段としてのクリーニング装置8等が配置されている。
【0020】
図2は、感光体ドラムの周辺の概略構成を示す拡大図である。
感光体ドラム1は、光導電性を有するアモルファスシリコン、アモルファスセレン等の非晶質金属、ビスアゾ顔料、フタロシアニン顔料等の有機化合物を用いることができる。環境及び使用後の後処理を考慮すると、有機化合物による感光体を用いることが好ましい。
【0021】
帯電装置2は、図2に示すように、芯金の外周に少なくとも弾性層を設けてなる帯電ローラ21と帯電ローラ21に接続される図示しない電源を備える。帯電ローラ21に高電圧を印加して、曲率を有する帯電ローラ21と感光体ドラム1との間に所定の電圧を印加し、感光体ドラム1との間でコロナ放電を発生させて感光体ドラム1の表面を一様に帯電するものである。また、本実施形態の帯電装置2には、導電性ブラシ部材としてのブラシローラ22が、帯電ローラ21の表面に当接するように設けられている。このブラシローラ22は、帯電ローラ21の表面に付着した異物をクリーニングするものである。ブラシローラ22の詳細については後述する。
【0022】
露光装置3は、上記スキャナ部20で読み取った原稿の画像データや、図示しないパーソナルコンピュータ等の外部装置から送られた画像データに基づき、ポリゴンモータでレーザー光31をスキャンさせる。これにより、レーザー光31は、ミラーを通して感光体ドラム1の表面に照射され、レーザー光31の照射を受けた感光体ドラム1の表面が静電潜像を構成する。このようにして、感光体ドラム1の表面には、静電潜像が形成される。
【0023】
図9は、現像装置4を示す概略構成図である。
現像装置4は、主に、トナー及び磁性キャリアからなる2成分現像剤(以下、単に「現像剤」という。)を担持する現像剤担持体としての現像ローラ41と、現像剤を内部に収容する現像ケーシング46とから構成されている。現像ケーシング46は、感光体ドラム1の表面と対向する位置が開口しており、その開口から現像ローラ41の一部が露出している。現像ローラ41は、その開口から露出した表面部分が感光体ドラム1の表面と微小間隔あくように配置されている。この現像ローラ41は、導電性かつ非磁性の材料から形成された円筒状の現像スリーブ43と、その現像スリーブ内部に固定配置されるマグネットロール42とから構成されている。現像スリーブ43が回転駆動されると、現像スリーブ43は、マグネットロール42に対して相対移動し、感光体ドラム1の表面移動方向に対して連れ回り方向に回転する。また、現像スリーブ43には、現像バイアスを印加するための図示しない電源が接続されている。現像スリーブ43に現像バイアスが印加されると、現像ローラ41の表面と感光体ドラム1の表面とが対向する現像領域に、現像電界が形成される。この現像電界により、現像ローラ41の表面に担持された現像剤中のトナーが、感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像に付着し、現像が行われる。この現像時において、現像領域では、現像ローラ41上の現像剤中の磁性キャリアがマグネットロール42により形成される磁界の作用により穂立ちした状態となって感光体ドラム1の表面に接触する。
【0024】
また、現像装置4には、現像ローラ41の表面に担持されて現像領域に搬送される現像剤量を規制する現像剤規制部材としてのドクターブレード44や、現像ケーシング46内の現像剤を撹拌搬送するスクリュー45なども設けられている。また、現像装置4には、現像剤飛散防止部材としての入口シール10aと、トナー溜まり防止部材としての入口シール10bとが設けられているが、その詳細については後述する。
【0025】
ここで、上記現像装置4のマグネットロール42は、複数の磁極を備えている。具体的には、現像領域部分に現像剤を穂立ちさせる現像主磁極P1bと、現像主磁極P1bの両側に配置された現像主磁極P1bと極性の異なる補助磁極P1a、P1cと、現像スリーブ43上に現像剤を汲み上げるための磁極P4と、現像スリーブ43上に汲み上げられた現像剤を現像領域まで搬送させる磁極P5、P6と、現像後の領域で現像剤を搬送させる磁極P2,P3とが、現像スリーブ43における半径方向に向けて配置されている。このマグネットロール42は、8極の磁石によって構成されているが、汲み上げ性,黒ベタ画像追従性を向上させるために磁極P3からドクターブレード44間に磁極をさらに増やし、10極あるいは12極で構成される磁石ローラとしてもよい。このような現像ローラ41を構成することにより、現像主磁極P1bの半値幅および法線方向磁束密度の現像剤搬送方向上流側の変極点(ゼロガウス点)と下流側の変極点との幅が小さくなる。その結果、現像ニップを狭くすることができる。感光体ドラム1を摺擦する磁気ブラシの現像ニップが狭くなるため、磁気ブラシ先端部でのトナードリフトが起こりにくくなり、結果として「後端白抜け」を低減する。また、補助磁極P1a,P1cの存在により、現像主磁極P1bの磁力線の回り込みが強くなり、その結果、ニップ部のおける法線方向の磁力密度の減衰率が高くなり、ニップ内で磁気ブラシが密に形成される。現像ローラ41の現像主磁極P1bは高磁力で、法線方向磁束密度の現像剤搬送方向上流側の変極点(ゼロガウス点)と下流側の変極点との幅が60°以下になるよう設定されている。このように現像主磁極P1bの変極点の幅を狭くしたタイプのマグネットローラ42を用いると、磁気ブラシは長手方向にばらつかず充分均一になるため、長手方向にわたる全域で「後端白抜け」および縦横比の問題が改善される。
【0026】
転写装置6は、図2に示すように、転写ベルト61と転写バイアスローラ63とテンションローラ62から構成されている。転写バイアスローラ63は、鉄、アルミ、ステンレス等の芯金表面に弾性層を設けて構成される。転写バイアスローラ63は、記録材としての記録紙を感光体ドラム1に密着させるために、図示しない付勢手段により感光体ドラム1側に適切な圧力が加えられている。転写ベルト61は、基材として耐熱性の材料を種々選択して構成することができ、例えばシームレスのポリイミドフィルムで構成することができる。その外側には、フッ素樹脂層を設ける構成としてもよい。また、必要に応じてポリイミドフィルムの上にシリコーンゴム層を設け、その上にフッ素樹脂層を設ける構成としてもよい。転写ベルト61の内側には、転写ベルト61を駆動及び張架するためにテンションローラ63が設けられている。
【0027】
定着装置7は、ハロゲンランプ等の加熱手段であるヒータを有する定着ローラと、圧接される加圧ローラとを備えている。定着ローラは、芯金表面にシリコーンゴム等の弾性層を100〜500μm、好ましくは400μmの厚みに設け、更にトナーの粘性による付着を防止する目的で、フッ素樹脂等の離型性の良い樹脂表層が形成されている。樹脂表層は、PFAチューブ等で構成され、その厚みは機械的劣化を考慮して10〜50μm程度の厚みが好ましい。定着ローラの外周面には、温度検知手段が設けられ、定着ローラの表面温度を約160〜200℃の範囲の中で、ほぼ一定に保つようにヒータが制御されている。加圧ローラは、芯金表面にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなオフセット防止層が被覆されている。定着ローラと同様に、芯金表面にシリコーンゴム等の弾性層を設けても良い。
【0028】
クリーニング装置8は、主に、クリーニングブレード81、クリーニングブレード81により掻き取ったトナーを回収するトナー回収羽根84、そのトナーを搬送する回収コイル83とを備えている。更に、図示されないトナー回収ボックスを備える。クリーニングブレード81は、金属、樹脂、ゴム等の材質からなるが、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム等のゴムが好ましく用いられ、この中でも特にウレタンゴムが好ましい。クリーニングブレード81は、転写工程後の感光体ドラム1上に残留するトナーや紙粉等を除去する。
【0029】
次に、上記帯電装置2に設けられた導電性のブラシローラ22について説明する。
図3は、ブラシローラ22の周辺の概略構成を示す拡大図である。ブラシローラ22は、帯電ローラ21の鉛直方向上面部分に当接しており、その芯軸の両端部が軸受部材11に設けられたガイドスロット12に摺動自在に嵌合している。これにより、ブラシローラ22は、自重により、そのブラシ部分が帯電ローラ21の表面に当接する。このような構成により、ブラシローラ22のブラシ部分が帯電ローラ21の表面に過度に強く当たることがなく、帯電ローラ21の表面の摩耗を抑えることができる。また、芯軸の両端部はガイドスロット12に回転自在に嵌合しているので、ブラシローラ22は、図中矢印で示す帯電ローラ21の回転方向に対して連れ回り回転する。このように、ブラシローラ22を帯電ローラ21の回転に連れ回りさせることにより、ブラシローラ22には駆動装置が不要となり、構成を簡素化できる。
【0030】
ブラシローラ22のブラシは、導電性が付与された種々の繊維から構成でき、本実施形態では、そのブラシの太さが1デニール以上20デニール以下であり、ブラシの長さが0.3mm以上2.5mm以下となっている。また、ブラシ密度は、7000本/cm2以上46000本/cm2以下の範囲となっている。ブラシの太さが1デニールよりも小さいと、ブラシが細すぎて、帯電ローラ2aの表面に当接したときに毛倒れを起こしやすくなる。逆に、ブラシの太さが20デニールよりも大きいと、ブラシが太すぎて、上述したブラシ密度の範囲内のように高いブラシ密度のブラシローラを形成することができなくなる。ブラシ密度が7000本/cm2よりも小さいと、帯電ローラ2aの表面に当接するブラシの本数が少なくなるため、効率的なクリーニングが困難となり、十分なクリーニング性能を発揮することができない。逆に、ブラシ密度が46000本/cm2よりも大きいと、ブラシ密度が高すぎて、ブラシ間のスペースが少なくなり、帯電ローラ21の表面から回収したトナーや紙粉等の異物を十分に収容できなくなる。また、ブラシの長さが0.3mmよりも短い場合も、異物を十分に収容できなくなる。逆に、ブラシの長さが2.5mmよりも長いと、帯電ローラ21の表面に当接したときに毛倒れを起こしやすくなる。
以上より、ブラシローラのブラシの太さ、ブラシの長さ及びブラシの密度を、上述した範囲内とすれば、ブラシの毛倒れを抑制でき、効率的なクリーニングが可能で、かつ、トナーを十分に収容できる。より好ましい範囲としては、ブラシの太さが1.5デニール以上2.5デニール以下、ブラシの長さが1.0mm以上2.0mm以下、ブラシの密度が25000本/cm2以上27000本/cm2以下である。
【0031】
また、導電性ブラシローラ22は、帯電ローラ21に帯電バイアスが印加されたとき、帯電ローラ21の表面電位と同電位になる。帯電ローラ21の表面に付着する異物は、帯電ローラ21に対して静電気的に引き合う電荷、すなわち、帯電バイアスの極性とは逆極性を帯びたものである。具体的には、転写されずに感光体ドラム1上に残留する逆帯電トナーや、転写時に感光体ドラム1に付着した紙粉などである。本実施形態のように、ブラシローラ22を帯電ローラ21と同電位にすることで、ブラシローラ22の機械的な除去作用に加え、静電気的な作用も働いて、帯電ローラ21の表面に付着した異物をブラシローラ22に移行させることができる。よって、クリーニング性能が向上し、効率的なクリーニングが可能となる。なお、ブラシローラ22に帯電ローラ21の表面電位と同電位を持たせるためには、ブラシローラ22の電気抵抗値を101Ω以上108Ω以下の範囲内とするのが好ましい。
【0032】
次に、現像装置4に設けられた入口シール10a、10bについて説明する。
現像剤の飛散は、主に、現像領域における現像ローラ41の表面移動方向上流側で現像剤が穂立ちする箇所で発生する。この穂立ち箇所では、現像剤の穂が寝た状態から立つ状態に移行する際に、その遠心力とマグネットロール42が発生させる磁界の磁気的拘束力とのバランスが崩れるため、現像剤の飛散が起こりやすい。そのため、本実施形態では、この箇所で飛散した現像剤が機内に流出しないように、2つの入口シール10a、10bを設けている。これらの入口シール10a、10bは、ポリウレタン(PUR)やポリエチレンテレフタラート(PET)などから形成された弾性シートで構成することができる。この入口シール10a、10bは、現像領域における感光体ドラム1の表面移動方向上流側で、現像ケーシング42の開口縁部46aに一端がそれぞれ固定されている。2つの入口シールのうちの第1入口シール10aは、現像剤飛散防止部材として機能し、その先端が感光体ドラム1の表面に接触するように配置されている。これにより、現像ケーシング46の開口縁部46aと感光体ドラム1の表面との隙間が塞がれる。
【0033】
なお、従来の現像装置では、この入口シールは、現像剤飛散防止部材としての第1入口シール10aだけ設けられており、第2入口シール10bは設けられていない。このような構成では、第1入口シール10aの現像ローラ41に対向する面に飛散した現像剤(主にトナー)が付着し、その面にトナー溜まりが発生する。このようなトナー溜まりが発生すると、なんらかの衝撃が加わることで、トナーの塊が落下し、種々の不具合が生じる。そこで、本実施形態では、2つの入口シールのうちの第2入口シール10bを、トナー溜まり防止部材として設けている。この第2入口シール10bは、ドクターブレード44との対向領域を通過して現像領域に搬送されるまでの現像剤と対向する現像ケーシング42の内壁部分から、感光体ドラム1の表面付近まで延びている。そして、この第2入口シール10bは、ドクターブレード44との対向領域を通過した現像ローラ41上の現像剤が、現像領域へ搬送されるまでの間に、その第2入口シール10bの少なくとも一部と接触するように配置されている。これにより、現像ローラ41の表面移動により現像領域に向かって搬送される現像剤が、第2入口シール10bを擦るようにして移動するため、仮に飛散した現像剤が第2入口シール10bの面に付着したとしても、その付着した現像剤は現像ローラ41により搬送される現像剤によって擦られて回収される。したがって、このような第2入口シール10bを設けることで、現像剤に対向する第1入口シール10aの面にトナー溜まりが生じず、また、トナーの塊が落下することによる上記不具合も抑制できる。
【0034】
図6、図7、図8は、現像領域の拡大図である。
図8は本実施形態の入り口シール10a、10bの配置を示している。図8にしめすように、第1入口シール10aは、撓んだ状態で、その先端部分の面が感光体ドラム1の表面に接触している。また、第2入口シール10bは、その先端が第1入口シール10aの先端位置よりも僅かに現像領域に近い位置に位置決めされている。なお、図6に示すように、第2入口シール10bの先端が第1入口シール10aの先端よりも現像領域から遠い位置にあると、経時で現像ローラ41の表面に対向する第1入口シール10bの面に僅かながら紙粉やトナーの溜まりが生じる。そのため、第2入口シール10aの先端が、第1入口シール10bの先端と同位置、又は、第1入口シール10aの先端よりも現像領域側に近接する位置に位置決めされるように、第2入口シール10bを配置することが望ましい。しかし、図7に示すように、第2入口シール10bの先端が現像領域内まで入ってしまうように位置決めされると、現像領域で穂立ちする現像剤の穂の状態を崩してしまい、適正な現像の妨げになる。さらには、第1入口シール10a、第2入口シール10bで拘束されていた現像剤が、第1入口シール10a、第2入口シール10bの端部で急激に開放され、これと同時に磁気ブラシの形成が行われることになり、現像剤の挙動が不安定になる。そのため、現像剤が飛散しやすくなってしまう。
【0035】
本発明者の実験によると、第2入口シール10bの先端が第1入口シール10aの先端よりも現像領域側に近接する部分の長さは2mm以下に設定するのが好ましいことが判明した。このように設定すれば、トナー溜まりが生じることがなく、かつ、適正な現像が妨げられることもない。
【0036】
図10、図11は、マグネットローラ41の現像主磁極P1bの設置位置をしめす説明図である。マグネットローラ41の現像主磁極P1bの設置位置は、現像ギャップの最近接に位置より現像剤搬送方向上流側に3°〜9°の位置にすることが望ましい。図10に示すように、この主極角度が3°より小さいと、第1入口シール10a、第2入口シール10b端部が補助磁極P1aにかかって、補助磁極P1aによる磁気ブラシの穂立ちが感光体ドラム1に接してしまう。このため、補助磁極P1aによる磁気ブラシと現像主磁極P1bによる磁気ブラシが感光体ドラム1上の静電潜像を摺擦するようになり、画像がみだれてしまう。一方、現像主磁極P1bの設置位置が、現像ギャップの最近接に位置より現像剤搬送方向上流側に9°より大きくなると、現像主磁極P1bが第1入口シール10a、第2入口シール10b端部が現像主磁極P1bにかかって、現像ニップに食い込んでしまう。第1入口シール10a、第2入口シール10bが現像ニップに食い込むと現像能力が低下して充分な画像濃度が得られない。特に、本実施形態のように現像ニップの狭いものでは、入口シールの食い込みが現像能力に与える影響が大きく、現像能力が著しく低下してしまう。そこで、図11に示すように、第1入口シール10a、第2入口シール10b先端が現像主磁極P1bによる磁気ブラシの立ち上がり範囲に接触しないように配置する。このように、第1入口シール10a、第2入口シール10b端部が補助磁極P1aと現像主磁極P1bの変極点に配置されるものが最も望ましい条件といえる。
【0037】
この効果を確認するため、現像主磁極P1bの主極角度を変化させて、500枚のコピーを行ったうち、異常画像が発生した枚数をカウントした。その結果は、下記の表1に示すとおりである。
【表1】
Figure 0004070672
【0038】
上記実験の結果、現像主磁極P1bの主極角度を3°〜9°の位置にすることで、異常画像の発生枚数が少なくなることが確認された。
【0039】
なお、このときの実験条件は、現像ギャップGpが0.4mm、現像剤汲み上げ量ρが90mg/cm2、トナー粒径が6.5μm、キャリア粒径が50μm、感光体ドラム1の線速Vsが330mm/sec、感光体ドラムの径φが60mm、感光体ドラム1に対する現像ローラ41の線速比が2.5、現像ローラ41の径φが16mmである。また、マグネットロール42は、現像主磁極の法線方向磁束密度の現像剤搬送方向上流側の変極点と下流側の変極点との幅が40°以下になるものを用いた。
【0040】
本実施形態では、第1入口シール10aと第2入口シール10bの厚さY1,Y2を、ともに0.05mm以上としている。第1入口シール10aの厚さY1が0.05mm未満であると、第1入口シール10aが感光体ドラム1との摩耗により経時使用に耐えることができない。また、第2入口シール10bの厚さY2が0.05mm未満であると、第2入口シール10bが現像ローラ41により搬送される現像剤との摩耗により経時使用に耐えることができない。
【0041】
また、画像形成を行っていくうちに、ブラシローラ22から抜け落ちた導電性のブラシの毛が第1入口シール10aと感光体ドラム1の表面との間の当接部分に挟まることがある。このブラシの毛が感光体ドラム1および磁気ブラシに接触すると、ブラシを介して感光体ドラム1の表面の電位状態が磁気ブラシ側にリークし、静電潜像が乱れることがある。そこで、本実施形態の現像装置4では、上記マグネットローラ42を用い現像ニップを狭くすることで、第1入口シール10aの位置を現像ニップよりも離れたものとする。よって、ブラシの毛が第1入口シール10aに挟まったとしても、磁気ブラシとの間の距離が大きいので、ブラシの毛は磁気ブラシと接触しにくくなる。さらに、第2入口シール10bをもうけることで、ブラシの毛が磁気ブラシと接触し難くし、ブラシを介して感光体ドラム1の表面の電位状態が磁気ブラシ側にリークすることを防止する。これらにより、静電潜像の乱れが抑制できる。
【0042】
この効果を確認するため、加速評価実験をおこなった。第1入口シール10aと第2入口シール10bの厚さY1,Y2を、ともに0.2mmのものを用いた。この加速評価実験では、ブラシローラ22から1/4周分だけブラシを切り取り、これを新品のブラシローラ22上に付着させた複写機を用い、500枚のコピーを行ったうち、異常画像が発生した枚数をカウントした。その結果は、下記の表1に示すとおりである。
【表2】
Figure 0004070672
ここで、従来の現像ローラとは、図12に示すように、現像主磁極P1bに隣接する補助磁極P1a、P1cを備えておらず、現像ニップが広いものである。この従来の現像ローラでは、現像ニップが広いことから、第1入口シール10aと現像ニップが近くになってしまう。現像ニップが広いものを用いた場合は、500/500で黒スジが発生した。一方、現像主磁極P1bと、現像主磁極P1bに隣接する補助磁極P1a、P1cとを備えた現像ローラでは、主極角度により発生枚数が異なるが、全体的に改善効果が見られる。さらに、主極角度を上記範囲にすることで、さらなる改善がみられた。
【0043】
なお、感光体ドラム径φが100mm、感光体ドラム1に対する現像ローラ41の線速比が2.0、現像ローラ41径φが25mm、マグネットロール42の現像主磁極の変極点の幅が60°以下になるものを用いて同様の実験を行った。この場合も、上記と同様に現像主磁極P1bの主極角度を3°〜9°の位置にすることで、異常画像の発生枚数が少なくなることが確認された。
【0044】
尚、本実施形態において説明してきた発明は、複写機本体30に対して着脱自在に構成され、かつ、少なくとも感光体ドラム1と、帯電装置2と、現像装置4とを含む一体構造のプロセスカートリッジにも適用することができる。
【0045】
以上、本実施形態に係る複写機は、現像ローラ41上に磁気ブラシを形成した領域よりも現像剤搬送方向上流側の開口部に配置され、その先端を感光体ドラム1表面に接触させた現像剤飛散防止部材としての第1入口シール10aと、磁気ブラシと第1入口シールとの間に配置されるトナー溜まり防止部材としての第2入口シール10bを設ける。さらに、マグネットローラ42が現像主磁極P1bの現像剤搬送方向の上流側および下流側に隣接して配置される補助磁極P1a、P1cを有している。また、現像主磁極P1bの法線方向磁束密度の現像剤搬送方向上流側の変極点と下流側の変極点との幅を60°以下とする。このように現像ニップを狭くして、第1入口シールと磁気ブラシとの距離を大きくとり、導電性ブラシ部材から抜けたブラシの毛が第1入口シールと感光体ドラムとの間に挟まっても、磁気ブラシに接触する可能性を低くする。さらに、磁気ブラシと第1入口シールとの間に第2入口シールを設けることで、ブラシの毛が磁気ブラシに接触する可能性をさらに低くする。よって、感光体ドラム上の電荷がブラシの毛を介して磁気ブラシ側にリークしてしまい、静電潜像が乱されることを抑制できる。また、第2入口シールを設けることで、第1入口シール裏面にトナー溜まりを生じたり、磁気ブラシが第1入口シール先端部に接触して画像形成に悪影響を与えたりする虞を低減できる。そこで、現像剤飛散防止部材の配置について規定条件が少なくなり、現像剤飛散防止部材の先端部をより像担持体密着させるような配置をとることができる。よって、より確実に現像剤飛散を防止できるようになる。これらのことから、帯電ローラにより長期に渡り安定した帯電をおこなうため帯電ローラ表面をクリーニングする導電性ブラシを用いた画像形成装置において、導電性ブラシの毛抜けによる静電潜像の乱れを防止し、かつ、現像剤飛散を長期に渡って抑制して、高画質な画像を得ることができる。
また、第2入口シールの先端が第1入口シールの先端よりもが0〜2mm突き出すようにする。第2入口シールの先端が第1入口シールの先端よりも現像領域から遠い位置にあると、経時使用により現像ローラの表面に対向する第1入口シールの面に僅かながら紙粉やトナーの溜まりが生じる。また、第2入口シールの先端がこれより長いと、現像領域内まで入って現像領域で穂立ちする現像剤の穂の状態を崩してしまい、適正な現像の妨げになる。そこで上記範囲に設定することで、トナー溜まりが生じることがなく、かつ、適正な現像が妨げられることもないようにする。
また、現像主磁極が現像ローラと感光体ドラムとの最近接位置より現像剤搬送方向上流側に3°〜9°の位置に配置する。この主極角度が3°より小さいと、第1入口シール、第2入口シール端部が補助磁極P1aにかかって、補助磁極P1aによる磁気ブラシの穂立ちが感光体ドラムに接してしまう。このため、補助磁極P1aによる磁気ブラシと現像主磁極P1bによる磁気ブラシが感光体ドラム上の静電潜像を摺擦するようになり、画像がみだれてしまう。一方、現像主磁極P1bの設置位置が、現像ギャップの最近接に位置より現像剤搬送方向上流側に9°より大きくなると、現像主磁極P1bが第1入口シール、第2入口シール端部が現像主磁極P1bにかかって、現像ニップに食い込んでしまう。これにより、現像能力が低下して充分な画像濃度が得られない。
また、第2入口シールの裏面と対向する位置で現像主磁極の現像剤搬送方向の上流側に隣接した配置される補助磁極P1aにより磁気ブラシが一旦穂立ちして裏面を摺擦し、第1入口シールと第2入口シールとの先端部において磁気ブラシが寝た状態であるものとする。これにより、第2入口シールの裏面にトナー溜まりができても、トナー溜まりは磁気ブラシにより擦られて回収される。さらに、第1入口シールと第2入口シールとの先端部において磁気ブラシが寝た状態とし、磁気ブラシが端部にかからないようにし、先端部に起因する悪影響を防止する。
また、第1入口シールと第2入口シールの端部が現像主磁極による磁気ブラシの穂立ちに接触しないようにする。これにより、第1入口シールと第2入口シールの端部で現像剤が急激に開放されることがなくなり、現像剤の飛散を抑制できる。
また、導電性ブラシ部材として、ブラシの繊維の太さが1〜20デニール、ブラシの繊維の長さが0.3mm〜2.5mm、ブラシの繊維密度が7000本/cm〜46000本/cmであるブラシローラを用いる。ブラシの太さが1デニールよりも小さいと、ブラシが細すぎて、帯電ローラ2aの表面に当接したときに毛倒れを起こしやすくなる。逆に、ブラシの太さが20デニールよりも大きいと、ブラシが太すぎて、上述したブラシ密度の範囲内のように高いブラシ密度のブラシローラを形成することができなくなる。ブラシ密度が7000本/cm2よりも小さいと、帯電ローラの表面に当接するブラシの本数が少なくなるため、効率的なクリーニングが困難となり、十分なクリーニング性能を発揮することができない。逆に、ブラシ密度が46000本/cm2よりも大きいと、ブラシ密度が高すぎて、ブラシ間のスペースが少なくなり、帯電ローラの表面から回収したトナーや紙粉等の異物を十分に収容できなくなる。また、ブラシの長さが0.3mmよりも短い場合も、異物を十分に収容できなくなる。逆に、ブラシの長さが2.5mmよりも長いと、帯電ローラ21の表面に当接したときに毛倒れを起こしやすくなる。以上より、ブラシローラのブラシの太さ、ブラシの長さ及びブラシの密度を、上述した範囲内とすれば、ブラシの毛倒れを抑制でき、効率的なクリーニングが可能で、かつ、トナーを十分に収容できる。
【0046】
【発明の効果】
請求項1乃至の発明によれば、帯電部材により長期に渡り安定した帯電をおこなうため帯電部材表面をクリーニングする導電性ブラシを用いた画像形成装置において、導電性ブラシの毛抜けによる静電潜像の乱れを防止し、かつ、現像剤飛散を長期に渡って抑制して、高画質な画像を得ることのできるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る複写機の概略構成図。
【図2】実施形態に係る複写機に設けられる感光体ドラム周辺の概略構成を示す拡大図。
【図3】実施形態に係る複写機の帯電装置に設けられるブラシローラ周辺の概略構成を示す拡大図。
【図4】従来の現像剤飛散防止部材の一例をしめす概略構成図。
【図5】従来の複写機における現像領域の拡大図。
【図6】第2入口シールの先端が第1入口シールの先端よりも現像領域から遠い位置にある例を示す説明図。
【図7】第2入口シールの先端が現像領域内まで入っている例を示す説明図。
【図8】実施形態に係る複写機における現像領域の拡大図。
【図9】実施形態に係る複写機における現像装置の概略構成図。
【図10】マグネットローラの主磁極角度が0°のときの説明図。
【図11】マグネットローラの主磁極角度が6°のときの説明図。
【図12】従来のマグネットローラの概略構成図。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
6 転写装置
7 定着装置
8 クリーニング装置
10a 第1入口シール
10b 第2入口シール
20 スキャナ部
21 帯電ローラ
22 ブラシローラ
30 複写機本体
40 給紙部
41 現像ローラ
43 現像スリーブ
42 マグネットロール
44 ドクターブレード
45 スクリュー
46 現像ケーシング
46a 開口縁部
100 複写機

Claims (5)

  1. 静電潜像を担持する潜像担持体と、
    該潜像担持体表面に接触又は近接してこれを一様に帯電する帯電部材と、
    該帯電部材の表面に付着した異物を除去するための導電性ブラシ部材と
    該潜像担持体との対向部において開口部を有する現像ケーシングと、該現像ケーシングの開口部から一部が露出した状態で該潜像担持体表面に対向配置され、少なくとも該潜像担持体表面に対向配置される現像主磁極を有する磁界発生手段を内包した回転可能な非磁性のスリーブからなる現像剤担持体とを有し、該現像剤担持体上にトナー及び磁性キャリアを含有する二成分現像剤を担持して該開口部に搬送し、該現像主磁極により該開口部において二成分現像剤を穂立ちさせて磁気ブラシを形成し、該磁気ブラシより該潜像担持体上の潜像にトナーを供給して現像する現像装置とを備えた画像形成装置において、
    上記現像剤担持体表面に磁気ブラシを形成した領域よりも該現像剤担持体の現像剤搬送方向上流側の上記開口部に配置され、その先端を上記潜像担持体表面に接触させた現像剤飛散防止部材と、該磁気ブラシと該現像剤飛散防止部材との間に配置されるトナー溜まり防止部材とを設け、上記磁界発生手段が上記現像主磁極の現像剤搬送方向の上流側および下流側に隣接して配置され該現像主磁極の半値幅を調整する補助磁極を有し、該現像主磁極の法線方向磁束密度の現像剤搬送方向上流側の変極点と下流側の変極点との幅が60°以下であり、且つ、上記現像主磁極が上記現像剤担持体と上記潜像担持体との最近接位置より現像剤搬送方向上流側に3°〜9°の位置に配置されることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、上記トナー溜まり防止部材の先端が上記現像剤飛散防止部材の先端よりもが0〜2mm突き出ていることを特徴とする画像形成装置
  3. 求項1または2の画像形成装置において、上記トナー溜まり防止部材の現像剤担持体と対向する面が、上記現像主磁極の現像剤搬送方向の上流側に隣接して配置される補助磁極により穂立ちした磁気ブラシにより摺擦され、上記現像剤飛散防止部材と該トナー溜まり防止部材の先端部において磁気ブラシの穂が寝た状態であることを特徴とする現像装置。
  4. 請求項1、2または3の画像形成装置において、上記現像剤飛散防止部材と上記トナー溜まり防止部材の端部とが上記現像剤担持体の現像主磁極による磁気ブラシの穂立ちに接触しないよう構成したことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1、2、3または4の画像形成装置において、
    上記導電性ブラシ部材として、ブラシの繊維の太さが1〜20デニール、ブラシの繊維の長さが0.3mm〜2.5mm、ブラシの繊維密度が7000本/cm〜46000本/cmであるブラシローラを用いたことを特徴とする画像形成装置。
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