上述したように、一人暮らしや寝たきりの老人に対する介護サービスは、従来、介護センタから介護人を派遣して、老人の健康状態や生活状態を観察したり、簡単な身の回りの世話をするなどのことが行われているが、このような介護サービスが適確に行われているかどうかは介護人を派遣した管理会社や契約者では把握しにくく、介護やセキュリティの質を管理あるいは監視することも困難であり、介護人が何時老人を訪問し、どのような介護サービスをどの程度行ったかを把握することが困難であるという問題がある。
また、上述したように、1人暮らしや寝たきりの老人の各家庭にテレビカメラを設置する方法は、老人が生活する寝室、厨房、居間などの各部屋にテレビカメラを設置し、この複数のテレビカメラで撮影した老人の画像を通信回線を介して介護センタなどに伝送し、この伝送されてきた老人の画像を介護センタで人が常時観察することが必要であり、非常に高価なシステムが必要となるという問題があるとともに、また介護センタでは、伝送されてきた老人の画像を常時、人が観察しなければならず、このような観察を行う人材の確保にも1人暮らしの老人が増えてきた場合には経済的、空間的、資質的な問題が発生する恐れがあり、更にプライバシーの問題や老人の画像を伝送するデータ量が多くなるという問題もある。
更に、病院における医療ミスの問題、更には患者に対する治療が適確に行われているかなど、患者に対する病院の治療に疑いを持つような場合も多々あるが、このような疑いを晴らすかまたは無くしたり、また医療ミスの問題を解明するためにも、病院における治療の過程を逐一記録するようなシステムが要望されている。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、患者や寝たきり老人のような被看護人に対する医師、看護士、介護人などによる看護過程を記録し、看護が適確に行われているか否かを検証するために有益な看護管理システムを提供することにある。
請求項1記載の本発明の看護管理システムは、人体に誘起される電界を利用して被看護人に対する看護人による看護を管理する看護管理システムであって、被看護人が所定の場所に位置することによりその人体が密接または近接する接触部の表面に設けられた電極と、所定の看護信号を電界として看護人の体に誘起し得るように看護人の体に密接または近接して携帯され、看護人が被看護人に触れると、前記看護信号に基づく電界が看護人から被看護人の体に伝達される看護人用小型情報伝達端末と、被看護人の体に密接または近接して携帯され、被看護人の体を伝達されてくる前記看護信号に基づく電界を検知すると、この看護信号に応答して所定の被看護信号を被看護人の体を介して伝達すべく被看護信号に基づく電界を被看護人の体に誘起する被看護人用小型情報伝達端末と、前記電極に接続され、被看護人用小型情報伝達端末を携帯した被看護人が所定の場所に位置することで、その人体が前記電極に密接または近接した状態において被看護人の体を介して伝達されてくる前記被看護信号に基づく電界を前記電極を介して検知し、該被看護信号を出力する電極側情報伝達手段と、この電極側情報伝達手段から出力される被看護信号を受信し、この被看護信号を現日時情報とともに登録するデータ処理手段とを有することを要旨とする。
請求項2記載の本発明の看護管理システムでは、前記看護人用小型情報伝達端末は、前記看護信号に基づく電界とともに看護人の識別情報に基づく電界も看護人の体に誘起し、看護人が被看護人に触れている場合に、看護人から被看護人の体に伝達する看護人識別情報伝達手段を有し、前記被看護人用小型情報伝達端末は、前記被看護信号に基づく電界とともに前記看護人の識別情報に基づく電界も検知し、前記被看護信号および看護人の識別情報に基づく電界に加えて被看護人の識別情報に基づく電界も被看護人の体に誘起する被看護人識別情報誘起手段を有し、前記電極側情報伝達手段は、前記被看護信号に基づく電界とともに前記看護人の識別情報および被看護人の識別情報に基づく電界も前記電極を介して検知し、該被看護信号とともに看護人の識別情報および被看護人の識別情報を出力する手段を有し、前記データ処理手段は、前記被看護信号とともに前記看護人の識別情報および被看護人の識別情報を受信し、被看護信号を現日時情報とともに登録することに加えて看護人および被看護人の識別情報も登録する手段を有することを要旨とする。
請求項3記載の本発明の看護管理システムでは、前記電極側情報伝達手段は、前記被看護信号、看護人の識別情報および被看護人の識別情報とともに前記所定の場所を特定する場所識別情報も出力する手段を有し、前記データ処理手段は、前記被看護信号、看護人の識別情報、被看護人の識別情報、前記場所識別情報も受信し、被看護信号、現日時情報、看護人および被看護人の識別情報、および場所識別情報も登録する手段を有することを要旨とする。
請求項4記載の本発明の看護管理システムでは、被看護人の生体情報を検知すべく被看護人に密接または近接するように前記被看護人用小型情報伝達端末に接続して設けられた生体センサを有し、前記被看護人用小型情報伝達端末は、生体センサから受信した生体情報に基づく電界を前記被看護信号に基づく電界とともに被看護人の体に誘起する生体情報誘起手段を有し、前記電極側情報伝達手段は、前記被看護信号に基づく電界を検知するとともに、生体情報に基づく電界を前記電極を介して検知すると、被看護信号とともに生体情報を出力する生体情報出力手段を有し、前記データ処理手段は、被看護信号を受信するとともに、生体情報を受信すると、被看護信号を現日時情報および生体情報とともに登録する手段を有することを要旨とする。
請求項5記載の本発明の看護管理システムでは、前記看護人用小型情報伝達端末は、看護人が被看護人に触れている間、看護信号を比較的短い周期で連続的に出力する看護信号連続出力手段を有し、前記被看護人用小型情報伝達端末は、看護信号に応答し、看護信号と同じ比較的短い周期で連続的に被看護信号を出力する被看護信号連続出力手段を有し、前記データ処理手段は、比較的短い周期で連続的に生成される被看護信号を受信すると、この被看護信号の連続期間の開始時刻、終了時刻および開始から終了までの継続時間を識別し、これらの時間情報を現日時情報とともに登録する時間情報登録手段を有することを要旨とする。
請求項6記載の本発明の看護管理システムでは、前記データ処理手段は、通信回線を介して所定の管理センタに接続され、この管理センタで前記各情報を登録管理すべく各情報を管理センタに送信する送信手段を有することを要旨とする。
請求項7記載の本発明の看護管理システムでは、前記看護は、診療、治療または介護であり、前記看護人は、医者、看護士または介護福祉士であり、被看護人は、患者または要介護者あるいは要支援者であり、前記所定の場所は、病院のベッドまたは病院の診療室内において医者の前に診察のために設けられた椅子または所定の医療機械で検査を受けるために医療機械に関連して設けられた患者用場所であることを要旨とする。
請求項8記載の本発明の看護管理システムは、人体に誘起される電界を利用して被看護人に対する看護人による看護を管理する看護管理システムであって、看護人が被看護人の看護を開始する前に看護人が接触する開始時接触部の表面に設けられた開始時電極と、看護人の識別情報を電界として看護人の体に誘起し得るように看護人の体に密接または近接して携帯され、看護人が前記開始時接触部の表面に接触すると、看護人の識別情報に基づく電界が看護人の体を介して開始時電極に伝達される看護人用小型情報伝達端末と、前記開始時電極に接続され、この開始時電極を介して前記看護人識別情報に基づく電界を検知し、この看護人識別情報を看護開始日時情報としての現日時情報とともに出力する開始時電極側情報伝達手段と、被看護人が看護人により看護されるときには、被看護人の体が密接または近接する所定の被看護人接触部の表面に設けられた被看護人接触電極と、前記看護人用小型情報伝達端末に設けられ、看護人用小型情報伝達端末を携帯した看護人が被看護人に触れると、看護人の識別情報に基づく電界とともに所定の看護信号に基づく電界が看護人に誘起され看護人から被看護人の体に伝達される看護信号伝達手段と、被看護人の体に密接または近接して携帯され、被看護人の体を伝達されてくる前記看護信号および看護人識別情報に基づく電界を検知すると、看護信号に応答して所定の被看護信号を被看護人の体を介して伝達すべく被看護信号に基づく電界を看護人識別情報に基づく電界とともに被看護人の体に誘起する被看護人用小型情報伝達端末と、前記被看護人接触電極に接続され、被看護人用小型情報伝達端末を携帯した被看護人の体が被看護人接触部の表面に密接または近接することで被看護人の体が被看護人接触電極に密接または近接した状態において被看護人の体に誘起され伝達されてくる被看護信号および看護人識別情報に基づく電界を被看護人接触電極を介して検知し、被看護信号および看護人識別情報を看護時間情報としての現時間情報とともに出力する被看護人用電極側情報伝達手段と、前記開始時電極側情報伝達手段から出力される看護人識別情報および看護開始日時情報および前記被看護人用電極側情報伝達手段から出力される被看護信号、看護人識別情報および看護時間情報を受信し、この受信した看護人識別情報、看護開始日時情報、被看護信号および看護時間情報を登録するデータ処理手段とを有することを要旨とする。
請求項9記載の本発明の看護管理システムでは、被看護人用小型情報伝達端末は、前記被看護信号および看護人識別情報に基づく電界とともに被看護人の識別情報に基づく電界も被看護人の体に誘起する手段を有し、前記被看護人用電極側情報伝達手段は、被看護信号および看護人識別情報に基づく電界とともに被看護人の識別情報に基づく電界も被看護人接触電極を介して検知し、被看護信号、看護人識別情報、看護時間情報とともに被看護人識別情報も出力する手段を有し、前記データ処理手段は、被看護信号、看護人識別情報、看護時間情報とともに被看護人識別情報も受信し、この受信した被看護信号、看護人識別情報、看護時間情報とともに被看護人識別情報も登録する手段を有することを要旨とする。
請求項10記載の本発明の看護管理システムは、前記被看護人用電極側情報伝達手段は、前記被看護信号、看護人識別情報、被看護人識別情報、看護時間情報とともに前記所定の被看護人接触部を特定する接触部識別情報も出力する手段を有し、前記データ処理手段は、被看護人用電極側情報伝達手段から被看護信号、看護人識別情報、被看護人識別情報、看護時間情報とともに前記接触部識別情報も受信し、この接触部識別情報を場所識別情報として被看護信号、現日時情報、看護人識別情報および被看護人識別情報とともに登録する手段を有することを要旨とする。
請求項11記載の本発明の看護管理システムは、被看護人の生体情報を検知すべく被看護人に密接または近接するように前記被看護人用小型情報伝達端末に接続して設けられた生体センサを有し、前記被看護人用小型情報伝達端末は、生体センサから受信した生体情報に基づく電界を前記被看護信号および看護人識別情報に基づく電界とともに被看護人の体に誘起する生体情報誘起手段を有し、前記被看護人用電極側情報伝達手段は、前記被看護信号および看護人識別情報に基づく電界を検知するとともに生体情報に基づく電界を検知すると、被看護信号および看護人識別情報とともに生体情報を出力する生体情報出力手段を有し、前記データ処理手段は、被看護信号および看護人識別情報を受信するとともに生体情報を受信すると、被看護信号、看護人識別情報および看護時間情報を生体情報とともに登録する手段を有することを要旨とする。
請求項12記載の本発明の看護管理システムでは、前記看護信号伝達手段は、看護人が被看護人に触れている間、看護信号を比較的短い周期で連続的に出力する看護信号連続出力手段を有し、前記被看護人用小型情報伝達端末は、看護信号に応答し、看護信号と同じ比較的短い周期で連続的に被看護信号を出力する被看護信号連続出力手段を有し、前記データ処理手段は、比較的短い周期で連続的に生成される被看護信号を受信すると、この被看護信号の連続期間の開始時刻、終了時刻および開始から終了までの継続時間を識別し、これらの時間情報を登録する時間情報登録手段を有することを要旨とする。
請求項13記載の本発明の看護管理システムでは、前記データ処理手段は、前記被看護信号および看護人識別情報が途絶えてから所定時間経過したことを検知した場合、この情報の途絶えた時刻を看護終了日時情報として登録する終了日時登録手段を有することを要旨とする。
請求項14記載の本発明の看護管理システムでは、前記データ処理手段は、通信回線を介して所定の管理センタに接続され、この管理センタで前記各情報を登録管理すべく各情報を管理センタに送信する送信手段を有することを要旨とする。
請求項15記載の本発明の看護管理システムでは、前記データ処理手段は、ネットワークに接続され、このネットワークを介して外部の任意の通信端末からのアクセスに応答し、通信端末とデータの送受信を可能とするインタフェースと、このインタフェースを介した通信端末からの看護記録要求に応答し、前記登録した看護人識別情報、看護開始日時情報、被看護信号、看護時間情報を含む看護情報をインタフェースからネットワークを介して前記通信端末に返送する看護記録情報返送手段とを有することを要旨とする。
請求項16記載の本発明の看護管理システムでは、前記データ処理手段は、前記インタフェースを介して通信端末からの現在の看護状態を知りたい旨の要求を受信すると、この要求に応答し、現在行われている看護情報についての情報をインタフェースからネットワークを介して前記通信端末に返送する現看護状態情報返送手段を有することを要旨とする。
請求項17記載の本発明の看護管理システムでは、前記看護は、介護であり、前記看護人は、介護人であり、前記被看護人は、寝たきり老人または1人暮らしの老人であり、前記所定の被看護人接触部は、前記老人の住居内のベッドまたは椅子または風呂場であることを要旨とする。
本発明によれば、看護人が被看護人に触れると、看護人の携帯する看護人用小型情報伝達端末から出力される所定の看護信号に基づく電界が看護人の体に誘起し看護人から被看護人の体に伝達され、被看護人の携帯する被看護人用小型情報伝達端末で検知され、この看護信号に応答して被看護信号が電界として被看護人の体に誘起され、この被看護信号に基づく電界は被看護人が接触する電極を介して電極側情報伝達で検知され被看護信号として出力され、データ処理手段で受信され、データ処理手段は被看護信号を現日時情報とともに登録するので、例えば医師や看護士などの看護人が患者などの被看護人を看護などのために触診すると、被看護人が看護人により看護されたという被看護信号とともに日時情報がログとして登録されることになり、例えば医療ミスの問題で患者に対する治療が適確に行われていたのかや患者に対する病院の治療に疑いを持つような場合に対する問題や疑問の解明に有効である。
本発明によれば、被看護人が看護人により看護されたという被看護信号および日時情報のみならず、看護人および被看護人の識別情報も登録するので、看護人が誰であり、被看護人が誰であるかを特定でき、医者や看護士および患者が多数存在する大きな病院などでも有効である。
本発明によれば、被看護信号、看護人の識別情報および被看護人の識別情報、日時情報に加えて、被看護人が看護などのために位置する所定の場所を特定する場所識別情報も登録するので、この特定された場所識別情報から被看護人に対して行われた看護が例えばベッドに横たわって行われたのかまたは病院の診療室内において医者の前に診察のために設けられた椅子に座って行われたのかまたは例えばレントゲン機械のような所定の医療機械で検査を受けるために医療機械に関連して設けられた患者用場所で行われたのかを特定することができる。
本発明によれば、被看護人の体から検知した生体センサからの生体情報も被看護信号、日時情報、看護人識別情報、被看護人識別情報、場所識別情報などの看護情報とともに登録するので、被看護人が看護された時点における被看護人の例えば血圧、体温、脈拍などの生体情報も分かり、看護時の被看護人の体の状態を把握することができる。
本発明によれば、被看護信号は看護信号と同じ比較的短い周期で連続的に出力される信号であるので、この被看護信号から看護人による被看護人に対する看護サービスの開始時刻、終了時刻および開始から終了までの継続時間を特定でき、看護内容の判断に有効である。
本発明によれば、データ処理手段で登録される看護情報は通信回線を介して管理センタに送信されて登録されるので、例えば医療ミスの問題で患者に対する治療が適確に行われていたのかや患者に対する病院の治療に疑いを持つような場合に対する問題や疑問の解明時の証拠として有効である。
本発明によれば、看護人が被看護人の看護のために例えば被看護人の家庭を訪問し玄関の呼鈴などを押して開始時接触部の表面に触れると、看護人の識別情報に基づく電界が看護人の携帯する看護人用小型情報伝達端末から看護人の体に誘起され、開始時電極を介して開始時電極側情報伝達手段で検知され、看護人識別情報が看護開始日時情報とともにデータ処理手段に送信されて登録されるとともに、また看護人が例えば看護などのために被看護人に触れると、看護人用小型情報伝達端末から看護信号および看護人識別情報に基づく電界が看護人から被看護人の体に伝達され、被看護人の被看護人用小型情報伝達端末で検知され、被看護信号および看護人識別情報が電界として被看護人の体に誘起され、被看護人接触電極を介して被看護人用電極側情報伝達で検知され、被看護信号、看護人識別情報、看護時間情報として出力され、データ処理手段で受信されて登録されるので、例えば家庭を訪問した看護人による1人暮らしや寝たきりの老人などの被看護人に対する看護サービスが看護開始日時情報、看護人識別情報、看護時間情報として記録されることになり、被看護人に対する看護人による看護サービスの内容を記録データとして確認することができ、看護サービスが適確に行われていたかについての記録として有効である。
本発明によれば、被看護人用小型情報伝達端末は被看護信号および看護人識別情報に基づく電界とともに被看護人の識別情報に基づく電界も被看護人の体に誘起し、この被看護人の識別情報も被看護信号および看護人の識別情報とともに被看護人接触電極および被看護人用電極側情報伝達手段を介してデータ処理手段で受信され登録されるので、被看護人が誰であるかを特定でき、特に被看護人が複数存在する場合に有効である。
本発明によれば、被看護人が看護のために位置する特定の被看護人接触部を特定する接触部識別情報も被看護信号、看護人識別情報、被看護人識別情報、看護時間情報とともに出力されデータ処理手段に登録されるので、被看護人が特定の被看護人接触部として例えばベッドまたは椅子または風呂のどこで看護サービスを受けたのかを特定することができる。
本発明によれば、被看護人の体から検知した生体センサからの生体情報も被看護信号、看護人識別情報および看護時間情報などの看護情報とともに登録するので、被看護人が看護された時点における被看護人の例えば血圧、体温、脈拍などの生体情報も分かり、看護時の被看護人の体の状態を把握することができる。
本発明によれば、被看護信号および看護人識別情報が途絶えてから所定時間経過した時、この情報の途絶えた時刻を看護終了日時情報として登録するので、何時看護が終了したかや、看護開始時から看護終了時までの看護時間を知ることができ、看護内容の判断に有効である。
本発明によれば、データ処理手段は通信回線を介して各情報を管理センタに送信して登録管理するので、例えば医療ミスの問題で患者に対する治療が適確に行われていたのかや患者に対する病院の治療に疑いを持つような場合に対する問題や疑問の解明時の証拠として有効である。
本発明によれば、データ処理手段はネットワークを介した外部の任意の通信端末からの看護記録要求に応答し、登録済みの下に識別情報、看護開始日時情報、被看護信号、看護時間情報を含む看護情報を通信端末に返送するので、被看護人の家族、知人、親戚などの契約者は通信端末から何時でも看護内容を知ることができる。
本発明によれば、データ処理手段は通信端末からの現在の看護状態を知りたい旨の要求に応答し、現在行われている看護状態についての情報を通信端末に返送するので、被看護人の家族、知人、親戚などの契約者は通信端末から何時でも現在行われている看護状態の内容を知ることができる。
図1は、本発明の一実施例に係わる看護管理システムの構成を示す図である。同図に示す看護管理システムは、例えば一般家庭において1人で暮らしている老人や寝たきりの老人などのような介護または看護を必要とする被介護人であり、以下本実施例では被看護人1と称するが、この被看護人1に対する介護人または看護人2による介護または看護サービスが適確に行われているか否かを監視または管理するものであり、このために同図に示すように、床面200上に設けられた例えばベッド203に横たわっている被看護人1や風呂205に入っている被看護人1には第1の携帯端末3を携帯させ、またこの被看護人1を看護しながら被看護人1の傍に立っている看護人2には第2の携帯端末4を携帯させ、この第1の携帯端末3および第2の携帯端末4により看護人2による被看護人1に対する看護が適確に行われているか否かを管理するようになっている。なお、図1において、風呂205に入っている被看護人1に携帯されている第1の携帯端末3は、防水構造になっているか、または被看護人1の体内に埋めこまれているものである。
第1の携帯端末3は、本発明の被看護人用小型情報伝達端末を構成し、第2の携帯端末4は、本発明の看護人用小型情報伝達端末を構成しているものである。
第1の携帯端末3は、被看護人1の体に密接または近接して設けられることにより、その人体に電界を誘起し、この誘起した電界を用いて信号の送受信を行うものであり、図2に示すように、小型情報端末41、生体センサ43およびトランシーバ31から構成され、小型情報端末41および生体センサ43からの信号を電界としてトランシーバ31を介して被看護人1の体に誘起し、その体の他の部位に伝達したり、また被看護人1の体を介して伝達されてくる電界をレーザ光と電気光学結晶を用いた電気光学的手法により検知して電気信号として出力し、小型情報端末41に供給する。
第2の携帯端末4は、看護人2の体に密接または近接して設けられることにより、その人体に電界を誘起し、この誘起した電界を用いて信号の送受信を行うものであるが、第1の携帯端末3の構成において生体センサ43を持っていないことが第1の携帯端末3と異なるものであり、その他の構成は第1の携帯端末3と同じである。すなわち、第2の携帯端末4は、図2に示す小型情報端末41およびトランシーバ31のみから構成されていて、生体センサ43を備えていないが、小型情報端末41からの信号を電界としてトランシーバ31を介して看護人2の体に誘起し、その体の他の部位に伝達したり、また看護人2の体を介して伝達されてくる電界をレーザ光と電気光学結晶を用いた電気光学的手法により検知して電気信号として出力し、小型情報端末41に供給する。
第1、第2の携帯端末3、4を構成するトランシーバ31は、図2に示すように、小型情報端末41からの信号を入出力(I/O)回路32を介して受け取ると、この信号を送信回路38を介して送受信電極34に供給し、該送受信電極34から絶縁膜35を介して人体1x、すなわち被看護人1の体1xに電界を誘起させ、この電界を人体を介して人体の他の部位に伝達させる。
また、トランシーバ31は、人体の他の部位から人体に誘起させられて伝達されてくる電界を絶縁膜35を介して送受信電極34で受け取り、この電界を電界検出光学部36に結合して電気信号に変換する。この電気信号は、信号処理回路37で増幅、雑音除去などの信号処理を施され、更に波形整形回路38で波形整形などを施され、入出力回路32を介して小型情報端末41に出力されるようになっている。
第1の携帯端末3の場合には、小型情報端末41は、必要により生体センサ43を起動して、生体センサ43から被看護人1の生体情報を取得し、この取得した生体情報をトランシーバ31を介して送信するようにもなっている。すなわち、生体センサ43は、被看護人1の人体の所定の部位に密接または近接して設けられ、これにより人体の所定の部位から得られる例えば体温、脈拍、血圧、血流などの生体情報を検知し、小型情報端末41に供給するようになっている。
トランシーバ31を構成する前記電界検出光学部36は、人体に誘起されて伝達され、絶縁膜35、送受信電極34を介して結合される電界をレーザ光と電気光学結晶を用いた電気光学的手法により検知し、電気信号に変換して信号処理回路37に出力するように機能するものであり、図3に示すように、レーザダイオード61および電気光学結晶からなる電気光学素子67を有する。電気光学素子67は、レーザダイオード61からのレーザ光の進行方向に対して例えば直角方向に結合される電界にのみ感度を有し、この電界強度によって光学特性、すなわち複屈折率が変化し、この複屈折率の変化によりレーザ光の偏光が変化するようになっている。
電気光学素子67の図上で上下方向に対向する両側面には第1および第2の電極69、71が設けられ、第1の電極69には前記送受信電極34が接続され、第2の電極71にはグランド電極73が接続されている。送受信電極34は、人体に誘起されて伝達されてくる電界を検知すると、この電界を第1の電極69に伝達し、第1の電極69を介して電気光学素子67に結合するようになっている。
レーザダイオード61から出力されるレーザ光は、コリメートレンズ63を介して平行光にされ、平行光となったレーザ光は第1の波長板65で偏光状態を調整されて電気光学素子67に入射する。電気光学素子67に入射したレーザ光は、電気光学素子67内で第1、第2の電極69、71の間を伝播するが、このレーザ光の伝播中において送受信電極34が人体に誘起されて伝達されてくる電界を検出し、この電界を第1の電極69を介して電気光学素子67に結合すると、この電界は第1の電極69からグランド電極73に接続されている第2の電極71に向って形成され、レーザダイオード61から電気光学素子67に入射したレーザ光の進行方向に直角であるため、電気光学素子67の光学特性である複屈折率が変化し、これによりレーザ光の偏光が変化する。
このように電気光学素子67において第1の電極69からの電界によって偏光が変化したレーザ光は、第2の波長板75で偏光状態を調整されて偏光ビームスプリッタ77に入射する。偏光ビームスプリッタ77は、第2の波長板75から入射されたレーザ光をP波およびS波に分離して、光の強度変化に変換する。この偏光ビームスプリッタ77でP波およびS波成分に分離されたレーザ光は、それぞれ第1、第2の集光レンズ79a、79bで集光されてから、第1、第2のフォトダイオード81a、81bに供給され、第1、第2のフォトダイオード81a、81bにおいてP波光信号とS波光信号をそれぞれの電気信号に変換して出力する。
第1、第2のフォトダイオード81a、81bから出力される電気信号は、トランシーバ31の信号処理回路37で増幅、雑音除去などの信号処理を施され、信号整形回路38で波形整形されてから、入出力回路32を介して小型情報端末41に供給される。
図1に戻って、上述したように小型情報端末41、生体センサ43およびトランシーバ31を備えて構成される第1の携帯端末3を例えば一人暮らしや寝たきりの老人などの被看護人1の体に密接または近接するように携帯させるとともに、また看護人2にも生体センサがなく、小型情報端末41およびトランシーバ31を備えて構成される第2の携帯端末4を看護人2の体に密接または近接するように携帯させることにより、この看護人2による被看護人1に対する看護サービスの状態を第2の携帯端末4から第1の携帯端末3を介して取得でき管理することができる。
詳しくは、被看護人1が横たわっている被看護人接触部であるベッド203の表面には被看護人接触電極7が設けられ、この被看護人接触電極7には更に被看護人用電極側情報伝達手段としての被看護人用電極側トランシーバ9が接続され、この被看護人用電極側トランシーバ9はデータ処理手段であるパソコン11に接続されている。
被看護人用電極側トランシーバ9は、本発明の被看護人用電極側トランシーバ手段を構成するものであり、第2の携帯端末4と同様に、図2に示した構成において生体センサがなく、小型情報端末41とトランシーバ31から構成されているものであるが、この被看護人用電極側トランシーバ9も被看護人1の体に誘起され伝達されてくる電界を被看護人接触電極7を介してレーザ光と電気光学結晶を用いた電気光学的手法により検知するように構成されているものである。
従って、パソコン11は、被看護人用電極側トランシーバ9および被看護人接触電極7を介して被看護人1に携帯されている第1の携帯端末3、更には看護人2に携帯されている第2の携帯端末4との通信を被看護人1および看護人2の体に電界を誘起して伝達することにより行うことができ、これにより看護人2による被看護人1に対する看護サービスの状態を第2の携帯端末4から第1の携帯端末3を介して取得でき管理することができる。
このように、パソコン11は、看護人2による被看護人1に対する看護サービスの状態を第2の携帯端末4から第1の携帯端末3を介して取得でき管理することができるが、またパソコン11は、通信回線13を介して公衆網15に接続され、この公衆網15から更に管理センタ17のデータ処理端末17a、病院・警察19のデータ処理端末19a、介護・セキュリティセンタ21のデータ処理端末21a、または家族、隣人、知人、親戚などのような本看護サービスの契約者の携帯電話23に接続されているので、パソコン11は通信回線13、公衆網15を介して被看護人1に対する看護人2による看護サービスの状態に関する情報を管理センタ17のデータ処理端末17aに送信し、このデータ処理端末17aで被看護人1に対する看護人2による看護サービスの状態を管理することも可能である。また、契約者は、携帯電話23から公衆網15を介して管理センタ17のデータ処理端末17aにアクセスしたり、または携帯電話23から公衆網15を介してパソコン11にアクセスし、被看護人1に対する看護人2による看護サービスの状態を確認することも可能である。
上記では、ベッド203に横たわっている被看護人1の携帯する第1の携帯端末3とこれに関連する被看護人接触電極7と被看護人用電極側トランシーバ9およびこの被看護人1の傍に看護のために立っている看護人2の携帯する第2の携帯端末4について説明したが、これと同様な構成が床面200上に設けられた風呂205に入っている被看護人1とこの被看護人1の傍に立っている看護人2についても設けられている。
すなわち、風呂205に入っている被看護人1は、上述したように、防水構造になっている第1の携帯端末3を体に密接または近接して携帯するかまたは被看護人1の体内に埋め込まれて第1の携帯端末3を携帯している。また、被看護人1の体が密接または近接する風呂205の底には被看護人接触電極7と同様な被看護人接触電極10が複数(本実施例では2個)設けられ、各被看護人接触電極10は被看護人用電極側トランシーバ9と同様な被看護人用電極側トランシーバ12に接続され、これらの被看護人用電極側トランシーバ12は被看護人用電極側トランシーバ9と同様にパソコン11に接続されている。なお、被看護人用電極側トランシーバ12は床面200内に設けられている。
また、風呂205の傍に立って被看護人1を看護している看護人2もベッド203の看護人と同様に第2の携帯端末4を体に密接または近接して携帯している。なお、この看護人2は、床面200の表面に設けられた床面接触電極14上に立っていて、この床面接触電極14は床面電極側トランシーバ16に接続され、この床面電極側トランシーバ16は更にパソコン11に接続されている。床面接触電極14および床面電極側トランシーバ16は、それぞれ被看護人接触電極10および被看護人用電極側トランシーバ12と同じ構成および機能を有しているものであり、看護人2の携帯する第2の携帯端末4は、電界を用いて被看護人1の第1の携帯端末3と通信を行うだけでなく、床面接触電極14、床面電極側トランシーバ16を介してパソコン11とも通信を行い得るようになっている。
更に、図1においては、玄関201の傍に看護人2が立ち、この看護人2は同様に第2の携帯端末4をその体に密接または近接して携帯しているが、玄関201には玄関扉の例えば呼鈴のボタンの表面に設けられた玄関用電極6が取り付けられ、この玄関用電極6は前記被看護人用電極側トランシーバ9と同様な構成および機能の玄関用電極側トランシーバ8に接続されている。
第2の携帯端末4を携帯した看護人2が被看護人1の家庭を看護のために訪問して、玄関201の呼鈴のボタンの表面に取り付けられている玄関用電極6に触れると、看護人2の第2の携帯端末4からの信号、具体的には看護人2の識別情報が電界として看護人2の体を通って玄関用電極6に伝達され、玄関用電極側トランシーバ8で検知され、玄関用電極側トランシーバ8からパソコン11に看護人2の識別情報が送信されるようになっている。なお、玄関201の呼鈴のボタンは、本発明の開始時接触部を構成し、玄関用電極6は、本発明の開始時電極を構成し、玄関用電極側トランシーバ8は、本発明の開始時電極側トランシーバ手段を構成しているものである。
なお、第2の携帯端末4は、所定の看護信号を比較的短い周期で常時連続的に出力し、この看護信号を電界として看護人2の体に誘起する看護信号連続出力手段、看護人2の識別情報を出力し、この看護人2の識別情報を電界として看護人2の体に誘起する手段および現日時情報を看護開始時刻情報として出力する手段を有する。また、第1の携帯端末3は、被看護人1の体が看護人2の体に接触した場合に、看護人2の体から被看護人1の体に伝達されてくる前記所定の看護信号を電界として受信し、この看護信号に応答して、看護信号と同じ比較的短い周期で連続的に被看護信号を出力し、この被看護信号を電界として被看護人1の体に誘起する被看護信号連続出力手段および被看護人1の識別情報を出力し、この被看護人1の識別情報を電界として被看護人1の体に誘起する手段を有する。
次に、以上のように構成される本実施例の看護管理システムの作用について説明する。
本実施例の看護管理システムでは、看護人2が1人暮らしや寝たきりの老人である被看護人1を看護するために、看護人2が被看護人1の暮らしている一般家庭に訪問する所から始まる。看護人2は、被看護人1の家庭を訪問し、図2に示すように、玄関201の扉の呼鈴のボタンを指で押すと、看護人2の指はボタンの表面に設けられている玄関用電極6に直接接触するかまたは直接接触しないまでも玄関用電極6に密接または近接する。
看護人2の指が呼鈴のボタンを押し、玄関用電極6に接触または密接または近接すると、看護人2が携帯している第2の携帯端末4から看護人2の識別情報が電界として看護人2の体に誘起され、看護人2の体から玄関用電極6を介して玄関用電極側トランシーバ8に伝達される。玄関用電極側トランシーバ8は、この看護人2の識別情報を受信して電気信号に変換し、看護開始日時情報としての現日時情報とともに出力する。すなわち、看護人2が被看護人1の家庭を訪問し、玄関201の呼鈴のボタンを押した時点を本実施例では看護開始日時として設定しているものである。なお、看護人2の識別情報は、看護人2によって携帯される第2の携帯端末4に当該看護人2の識別情報を例えばROMなどにより記録しておき、これを読み出すことにより第2の携帯端末4から生成することが可能である。
玄関用電極側トランシーバ8から出力された看護人2の識別情報の電気信号および看護開始日時情報は、パソコン11に送信され、パソコン11は、看護人2の識別情報および看護開始日時情報を受信すると、これらの情報を図示しないデータベースなどに登録するとともにまた通信回線13から公衆網15を介して管理センタ17のデータ処理端末17aにも看護人2の識別情報および看護開始日時情報を送信する。管理センタ17のデータ処理端末17aは、これらの情報を受信すると、図示しないデータベースなどに登録する。この結果、看護人2が被看護人1を看護のために訪問したという記録が看護人2の識別情報と看護開始日時情報という形で記録されることになるのである。また、この場合に、看護人2の識別情報も登録されるので、看護人2として誰が訪問したかを明確にすることができ、看護人2が複数存在する場合には特に有効である。
次に、被看護人1の家庭を訪問した看護人2は、被看護人1の看護を開始することになるが、被看護人1は、看護人2による看護を受ける場合において図1のようにベッド203に横たわっている場合には、被看護人1の体は所定の被看護人接触部であるベッド7の表面に設けられた被看護人接触電極7に密接または近接しているので、この状態で看護人2がベッド203に横たわっている被看護人1に対する看護を開始し、看護人2の手が図1に示すように被看護人1の体、図1では被看護人1の頭に触れると、看護人2の携帯している第2の携帯端末4から常時連続的に出力されている所定の看護信号および看護人2の識別情報に基づく電界が看護人2の体に誘起され、看護人2の体から被看護人1の体に伝達され、被看護人1の携帯している第1の携帯端末3により受信される。なお、この処理は、看護人2の携帯する第2の携帯端末4に設けられている看護信号伝達手段により行われる。また、所定の看護信号は、看護人2が現在看護を行っていることを示すものであり、この看護信号は比較的短い周期で常時連続的に出力されているので、この看護信号の有無を検知することにより看護人2が実際に看護している看護開始時刻、看護終了時刻、看護継続時間、看護停止時間などを識別することができる。
第1の携帯端末3は、看護人2から被看護人1の体に伝達されてくる看護信号および看護人2の識別情報を電界として受信すると、この看護信号に応答して所定の被看護信号を被看護人1の体を介して被看護人接触電極7に伝達すべく被看護信号に基づく電界を看護人2の識別情報に基づく電界とともに被看護人1の体に誘起して被看護人接触電極7に伝達する。なお、第1の携帯端末3から看護信号に応答して出力される被看護信号は、被看護人1が現在看護されていることを示す信号であり、看護信号に応答して看護信号と同様に比較的短い周期で常時連続的に出力されるので、この看護信号の有無を検知することにより被看護人1が実際に看護されている被看護開始時刻、被看護終了時刻、被看護継続時間、被看護停止時間などを識別することができる。
被看護人接触電極7に接続されている被看護人用電極側トランシーバ9は、被看護人接触電極7に伝達されてきた被看護信号および看護人2の識別情報を被看護人接触電極7を介して検知すると、この被看護信号および看護人2の識別情報を看護時間情報としての現時間情報とともに出力し、パソコン11に送信する。
パソコン11は、被看護人用電極側トランシーバ9から被看護信号および看護人2の識別情報を看護時間情報とともに受信すると、この受信した被看護信号、看護人2の識別情報および看護時間情報をデータベースなどに登録するとともにまた通信回線13から公衆網15を介して管理センタ17のデータ処理端末17aにも被看護信号、看護人2の識別情報および看護時間情報を送信する。管理センタ17のデータ処理端末17aは、これらの情報を受信すると、データベースなどに登録する。この結果、被看護人1が看護人2により実際に看護されているとの記録が被看護信号、看護人2の識別情報と看護時間情報という形で記録されることになるのである。
上記説明では、被看護人1の第1の携帯端末3は、看護人2の第2の携帯端末4からの看護信号および看護人の識別情報を受信すると、看護信号に応答して被看護信号を伝達すべく被看護信号に基づく電界を看護人の識別情報に基づく電界を被看護人の体に誘起しているが、この場合に、第1の携帯端末3は被看護信号とともに被看護人1の識別情報も生成し、この被看護人1の識別情報も被看護信号および看護人2の識別情報とともに伝達するようにしてもよい。なお、被看護人1の識別情報は、被看護人1によって携帯される第1の携帯端末3に当該被看護人1の識別情報を例えばROMなどにより記録しておき、これを読み出すことにより第1の携帯端末3から生成することが可能である。
詳しくは、第1の携帯端末3は、被看護信号および看護人2の識別情報に基づく電界とともに被看護人1の識別情報に基づく電界も被看護人1の体に誘起する手段を有し、被看護人用電極側トランシーバ9は、被看護信号および看護人2の識別情報に基づく電界とともに被看護人1の識別情報に基づく電界も被看護人接触電極7を介して検知し、被看護信号、看護人識別情報、看護時間情報とともに被看護人識別情報も出力する手段を有する。また、パソコン11は、被看護信号、看護人識別情報、看護時間情報とともに被看護人識別情報も受信し、この受信した被看護信号、看護人識別情報、看護時間情報とともに被看護人識別情報もデータベースに登録する。また、これらの情報である被看護信号、看護人識別情報、看護時間情報、被看護人識別情報は、パソコン11から通信回線13、公衆網15を介して管理センタ17のデータ処理端末17aに送信されて登録されることは同じである。
このように被看護人1の識別情報も第1の携帯端末3から生成し、パソコン11およびデータ処理端末17aで登録することにより、被看護人1が誰であるかを明確にすることができ、仮に2人以上の被看護人1がいる場合には有効である。
また、被看護人用電極側トランシーバ9は、被看護人1が看護のために横たわる前記ベッドを特定する接触部識別情報、すなわち被看護人1が看護のために位置する例えばベッド、椅子、風呂場などのような所定の被看護人接触部を特定するための接触部識別情報を出力する手段を有し、この接触部識別情報を前記被看護信号、看護人識別情報、被看護人識別情報、看護時間情報とともに出力する。パソコン11は、この被看護人用電極側トランシーバ9から出力される被看護信号、看護人識別情報、被看護人識別情報、看護時間情報とともに接触部識別情報も受信し、この接触部識別情報を場所識別情報として被看護信号、看護人識別情報、被看護人識別情報および看護時間情報とともに登録する手段を有する。また、これらの情報である被看護信号、看護人識別情報、被看護人識別情報、看護時間情報、場所識別情報は、パソコン11から通信回線13、公衆網15を介して管理センタ17のデータ処理端末17aに送信されて登録されることは同じである。
このような被看護人1が看護のために横たわるなどのように位置する場所に設けられている接触部の接触部識別情報を場所識別情報としてパソコン11やデータ処理端末17aに登録しておくことにより、被看護人1がどこで看護されたかが明確に登録されることになる。例えば、最初はベッドで看護を受けた後、風呂に入って看護されたなどのようなことが記録されることになる。
また、被看護人1が携帯している第1の携帯端末3は、生体センサ43を備えているが、上述したように看護人2から被看護人1の体に伝達されてくる看護信号および看護人識別情報を検知し、この看護信号に応答して被看護信号を看護人識別情報とともに電界として被看護人1の体に誘起して出力する場合に、この生体センサ43から生体情報を受信し、この生体情報に基づく電界を被看護信号および看護人識別情報に基づく電界とともに被看護人1の体に誘起して出力する生体情報誘起手段を有する。
そして、被看護人用電極側トランシーバ9は、被看護信号および看護人識別情報に基づく電界を検知するとともに生体情報に基づく電界を検知すると、被看護信号および看護人識別情報とともに生体情報を出力する生体情報出力手段を有する。パソコン11は、被看護信号および看護人識別情報を受信するとともに生体情報を受信すると、被看護信号、看護人識別情報および看護時間情報を生体情報とともに登録する。また、これらの情報である被看護信号、看護人識別情報、看護時間情報、生体情報は、パソコン11から通信回線13、公衆網15を介して管理センタ17のデータ処理端末17aに送信されて登録されることは同じである。
このように看護情報として被看護人1の性体情報も検知して登録しておくことにより、被看護人1の看護時の体の状態を適確に判断することができる。例えば、生体情報として被看護人1の体温、血圧、脈拍などを検知し登録した場合には、これらの体温、血圧、脈拍から被看護人1の看護時における体の状態を把握することができる。
第1の携帯端末3から電界として出力される被看護信号は、第2の携帯端末4からの看護信号に対応して看護信号と同様に比較的短い周期で連続的に出力されるので、パソコン11は、この比較的短い周期で連続的に生成される被看護信号を受信すると、この被看護信号の連続期間の開始時刻、終了時刻および開始から終了までの継続時間を識別し、これらの時間情報を時間情報登録手段で登録することができるが、このような被看護信号の連続期間の開始時刻、終了時刻および開始から終了までの継続時間を登録することにより各看護の開始時刻、終了時刻、継続時間を知ることができるとともに、この各看護が例えば10分継続して行った後、5分休み、それからまた8分行うなどのように小刻みに何回かに分けて行われる場合には、この小刻みに複数回行われた回数やそれぞれの看護の開始時間、終了時間、継続時間も知ることができる。
また、公衆網15に接続された例えば家族、隣人、知人、親戚などの契約者の携帯電話23は、公衆網15を介してパソコン11にアクセスすることができる。すなわち、パソコン11は、通信回線13から公衆網15を介して外部の任意の通信端末である契約者の携帯電話23からのアクセスに応答し、通信端末とデータの送受信を可能とするインタフェースを有し、このインタフェースを介して携帯電話23から看護記録要求を受信すると、この看護記録要求に応答し、パソコン11自身に上述したように登録した看護人識別情報、看護開始日時情報、被看護信号、看護時間情報などを含む看護情報をデータベースなどから読み出し、インタフェースから通信回線13、公衆網15を介して携帯電話23に看護記録情報返送手段から返送するようになっている。従って、契約者は、携帯電話23によりパソコン11から看護情報を取得し、この看護情報から被看護人1に対する看護人2による看護サービスの内容を把握することができる。具体的には、看護人2の識別情報から看護人2が誰であるかを知ることができるし、看護開始日時情報から看護が何時から開始されたかを知ることができるし、看護時間情報から看護が時間的にどのくらい行われていたかも知ることができる。
また、パソコン11は、前記インタフェースを介して携帯電話23からの現在の看護状態を知りたい旨の要求を受信すると、この要求に応答し、現在行われている看護状態情報をインタフェースから通信回線13、公衆網15を介して携帯電話23に現看護状態情報返送手段で返送することができる。この現在行われている看護状態情報は、例えばパソコン11が現在受信中の看護人識別情報、看護開始日時情報、被看護信号、被看護人識別情報、看護時間情報、更には場所識別情報などを含むものであり、これらの情報から現在どのような看護が行われているのか、また今どのような看護が終わったところか、看護人は誰か、どのくらいの時間、看護を行っているかなどが分かることになるので、上記情報とともにその内容を上記のように解読して携帯電話23の契約者に通知することが可能である。
更に、パソコン11は、看護人2が被看護人1の看護のために被看護人1の家庭を訪問したことを玄関用電極側トランシーバ8からの看護人2の識別情報および看護開始日時情報により認識した後、被看護人用電極側トランシーバ9から逐次受信する被看護信号、被看護人1の識別情報などの看護情報により被看護人1が看護中であることを認識するが、このような看護情報が所定時間途絶えたことを検知した場合には、看護人2による看護サービスは終了したものと判定し、この看護終了日時情報を登録する。
次に、図4に示すシーケンス図を参照して、上記処理に関連する作用について説明する。
まず、図4におけるステップS11〜S17を参照して、契約者の携帯電話23または管理センタ17のデータ処理端末17aから「被看護人1が誰に看護されているか?」を確認する処理について説明する。
契約者は、携帯電話23から公衆網15、通信回線13を介してパソコン11にアクセスし、看護人確認要求を行うと、パソコン11は、例えば被看護人用電極側トランシーバ9に当該要求を送信し、被看護人用電極側トランシーバ9から被看護人接触電極7を介して被看護人1の携帯する第1の携帯端末3にアクセスする(ステップS11)。それから、更に、パソコン11は第1の携帯端末3から看護人2の携帯する第2の携帯端末4にアクセスし、第2の携帯端末4から看護人2の識別情報を読み出す(ステップS13)。
この読み出された看護人2の識別情報は、第2の携帯端末4から第1の携帯端末3に送信され(ステップS15)、第1の携帯端末3から被看護人接触電極7を介して被看護人用電極側トランシーバ9に送られ、被看護人用電極側トランシーバ9からパソコン11に送られ、パソコン11から通信回線13、公衆網15を介して契約者の携帯電話23に返信され、携帯電話23に音声またはディスプレイによる表示により看護人2の識別情報が出力される(ステップS17)。この看護人2の識別情報により契約者は誰が看護人であるかを認識することができる。
なお、上記処理では、一例として被看護人用電極側トランシーバ9に看護人確認要求を送信し、被看護人用電極側トランシーバ9から第1の携帯端末3や第2の携帯端末4にアクセスする場合について説明したから、実際には第2の携帯端末4を携帯している看護人2はどこにいるのか、またはどこで看護しているのかなど不明であるので、パソコン11は各トランシーバ、すなわち玄関用電極側トランシーバ8、被看護人用電極側トランシーバ9、被看護人用電極側トランシーバ12、床面電極側トランシーバ16などに順次看護人確認要求を送信し、第1の携帯端末3を介して第2の携帯端末4が接続されているトランシーバから看護人2の識別情報を返送してもらうことになる。また、看護人2が携帯している第2の携帯端末4は、上記実施例で説明したように、被看護人1に接触して看護している場合には、第2の携帯端末4から常時看護人2の識別情報を出力し、この看護人2の識別情報は第2の携帯端末4から第1の携帯端末3、電極、トランシーバを介してパソコン11に常時送信され、パソコン11に登録されているので、図4に示すように、トランシーバ、電極、第1の携帯端末3を介して第2の携帯端末4にアクセスしなくても、パソコン11から看護人2の識別情報を取得することができる。また更に、契約者が携帯電話23から看護人2の第2の携帯端末4にアクセスしようとした場合には、看護人2は被看護人1に看護のために接触していない場合もあるので、図4に示すシーケンスのように、第2の携帯端末4から看護人2の識別情報を取得するよりも、看護人2が被看護人1の家庭を訪問した時点でパソコン11に登録されている看護人2の識別情報をパソコン11から取得する方が効率的である。なお、管理センタ17のデータ処理端末17aによる看護人2の識別情報の取得処理は、上述した契約者の携帯電話23による看護人2の識別情報の取得処理と同じであり、単に契約者の携帯電話23をデータ処理端末17aに置き換えたものであるので、その説明は省略する。
次に、図4におけるステップS21〜S27を参照して、契約者の携帯電話23または管理センタ17のデータ処理端末17aから「何時から看護が始まったか?」を確認する処理について説明する。なお、この処理の説明では、一例として、看護人2が被看護人1の家庭を訪問して被看護人1の家庭の玄関201の呼鈴のボタンを押した場合に、看護人2の携帯する第2の携帯端末4に看護開始日時情報が記録されたものとして説明する。
契約者は、携帯電話23から公衆網15、通信回線13を介してパソコン11にアクセスし、看護開始日時要求を行うと、パソコン11は、被看護人用電極側トランシーバ9に当該要求を送信し、被看護人用電極側トランシーバ9から被看護人接触電極7を介して被看護人1の携帯する第1の携帯端末3にアクセスする(ステップS21)。それから、更に、パソコン11は第1の携帯端末3から看護人2の携帯する第2の携帯端末4にアクセスし、第2の携帯端末4から看護開始日時情報を読み出す(ステップS23)。
この読み出された看護開始日時情報は、第2の携帯端末4から第1の携帯端末3に送信され(ステップS25)、第1の携帯端末3から被看護人接触電極7を介して被看護人用電極側トランシーバ9に送られ、被看護人用電極側トランシーバ9からパソコン11に送られ、パソコン11から通信回線13、公衆網15を介して契約者の携帯電話23に返信され、携帯電話23に音声またはディスプレイ表示により看護開始日時を例えば図示のように「14時」として出力する(ステップS27)。これにより、契約者は、看護開始日時を知ることができる。なお、管理センタ17のデータ処理端末17aによる看護開始日時情報の取得処理は、上述した契約者の携帯電話23による処理と同じであり、単に契約者の携帯電話23をデータ処理端末17aに置き換えたものであるので、その説明は省略する。
次に、図4におけるステップS31〜S43を参照して、契約者の携帯電話23または管理センタ17のデータ処理端末17aから「生体センサを起動し、看護サービスの質を問い合わせて生体情報を取得する」処理について説明する。
契約者は、携帯電話23から公衆網15、通信回線13を介してパソコン11にアクセスし、生体センサ起動要求を行うと、パソコン11は、被看護人用電極側トランシーバ9に当該要求を送信し、被看護用電極側トランシーバ9から被看護人接触電極7を介して被看護人1の携帯する第1の携帯端末3にアクセスし、生体センサ起動指令を第1の携帯端末3に供給する(ステップS21)。この生体センサ起動指令を受け取った第1の携帯端末3は、図2で説明したように自身の接続されている生体センサ43を起動する(ステップS31)。
このように生体センサ43を起動した後、契約者は、携帯電話23から公衆網15、通信回線13を介してパソコン11にアクセスし、看護サービスの質の要求を行うと、パソコン11は、被看護人用電極側トランシーバ9に当該要求を送信し、被看護人用電極側トランシーバ9から被看護人接触電極7を介して被看護人1の携帯する第1の携帯端末3にアクセスし、生体情報取得要求を第1の携帯端末3に供給する(ステップS41)。第1の携帯端末3は、生体情報取得要求を受け取ると、生体センサ43で検知した生体情報を被看護人接触電極7、被看護人用電極側トランシーバ9を介してパソコン11に送信する。パソコン11は、生体情報を受け取ると、この生体情報を通信回線13、公衆網15を介して契約者の携帯電話23に送信する(ステップS43)。その後、契約者は、生体情報を受け取ると、この生体情報を別途データ処理し、看護の質を判定する。
なお手管理センタ17のデータ処理端末17aによる生体センサの起動および看護サービスの質の取得についての処理は、上述した契約者の携帯電話23による処理と同じであり、単に契約者の携帯電話23をデータ処理端末17aに置き換えたものであるので、その説明は省略するが、この場合において管理センタ17においては、パソコン11から受け取った生体情報に対するデータ処理は管理センタ17自身内で行うことができる。
次に、図4におけるステップS51〜53を参照して、契約者の携帯電話23または管理センタ17のデータ処理端末17aから「何時に看護が終わったか?」についての処理を説明する。
契約者は、携帯電話23から公衆網15、通信回線13を介してパソコン11にアクセスし、看護終了日時要求を行うと、パソコン11は、被看護人用電極側トランシーバ9に当該要求を送信し、被看護人用電極側トランシーバ9から被看護人接触電極7を介して被看護人1の携帯する第1の携帯端末3にアクセスし、看護終了日時要求を第1の携帯端末3に供給する(ステップS51)。なお、第1の携帯端末3は、第2の携帯端末4からの看護信号が途絶えてから所定時間経過することを検知すると、この信号の途絶えてた時刻を看護終了日時として登録しているものとする。
第1の携帯端末3は、看護終了日時要求を受け取ると、第1の携帯端末3自身に登録している看護終了日時情報を読み出し、この看護終了日時情報を被看護人接触電極7、被看護人用電極側トランシーバ9を介してパソコン11に送信する。パソコン11は、この看護終了日時情報を受信すると、通信回線13、公衆網15を介して契約者の携帯電話23に返信する。この結果、契約者の携帯電話23にはこの看護終了日時情報として例えば図示のように、「15時」から例えば音声またはディスプレイによる表示により契約者に出力される。なお、管理センタ17のデータ処理端末17aによる看護終了日時要求についての処理は、上述した契約者の携帯電話23による処理と同じであり、単に契約者の携帯電話23をデータ処理端末17aに置き換えたものであるので、その説明は省略する。また、上述した看護サービスに対して契約者から支払が行われる。
図5は、図1に示したベッド203の表面に設けられた被看護人接触電極7の配列を示す斜視図である。図1では、被看護人接触電極7は、図の簡単化のために便宜上、1個の被看護人接触電極7のみを図示しているが、実際には、図5に示すようにベッド203の表面には図5に示すように複数の被看護人接触電極7が配列され、被看護人1がどの位置に横たわったり、寝転んだりしても被看護人1と近接または密接し得るようになっている。複数の被看護人接触電極7は全て電気的に接続されてから被看護人用電極側トランシーバ9に接続され、更に被看護人用電極側トランシーバ9からパソコン11に接続されている。なお、各被看護人接触電極7は例えば絶縁膜などの被覆されているものである。
次に、図6を参照して本発明の他の実施例に係わる看護管理システムについて説明する。
図6に示す実施例の看護管理システムは、例えば病院設置され、病院における患者のような被看護人に対する医者のような看護人による診療、治療などの看護を登録管理しようとするものである。具体的には、本実施例の看護管理システムは、近年の病院における医療ミスの問題、更には患者に対する治療が適確に行われているかなど、患者に対する病院の治療に疑いを持つような場合も多々あるが、このような疑いを晴らすかまたは無くしたり、また医療ミスの問題を解明するためにも、病院における医療の過程を全て逐一記録管理しようとするものである。なお、図5における第1の携帯端末3、第2の携帯端末4、被看護人接触電極7、被看護人用電極側トランシーバ9、パソコン11、管理センタ17、データ処理端末17aは、図1に示したものと同じ構成および作用を有するものであり、同じ符号を付されている。
本実施例の看護管理システムは、図5に示すように、床面200上に設けられた例えばベッド203に横たわっている患者などの被看護人1には図1の実施例と同じ第1の携帯端末3を携帯させ、この被看護人1を診療、治療または介護などの看護をしながら被看護人1の傍に立っている例えば医者または看護士あるいは介護福祉士などの看護人2には図1の実施例と同じ第2の携帯端末4を携帯させ、この第1および第2の携帯端末3、4により被看護人1に対して行われる看護人2による看護処理のすべてを逐一記録管理しようとするものである。
本実施例の看護管理システムでは、医者または看護士などの看護人2が治療や看護のために患者である被看護人1に触診すると、看護人2の携帯している第2の携帯端末4から所定の看護信号に基づく電界が看護人2の体に誘起され、この看護信号に基づく電界は看護人2から被看護人1の体に伝達される。なお、看護信号は、看護人2が被看護人1を看護していることを示す信号である。
この看護人2から被看護人1の体に伝達された看護信号に基づく電界は、被看護人1の携帯する第1の携帯端末3で検知される。第1の携帯端末3は、この看護信号に基づく電界を検知すると、この看護信号に応答して所定の被看護信号に基づく電界が被看護人1の体に誘起され、被看護人1の体を介して被看護人接触電極7に伝達される。なお、この被看護信号は、被看護人1が看護人2により看護されていることを示す信号である。
この被看護人接触電極7には被看護人用電極側トランシーバ9が接続されているので、被看護人用電極側トランシーバ9は、被看護人接触電極7を介して被看護信号を検知し、この検知した被看護信号をパソコン11に送信する。パソコン11は、被看護人用電極側トランシーバ9からの被看護信号を受信すると、この被看護信号を現日時情報とともに例えば図示しないデータベースなどに登録するとともに、また通信回線13、公衆網15を介して管理センタ17のデータ処理端末17aに送信する。データ処理端末17aは、パソコン11から被看護信号および現日時情報を受信すると、これらの情報をデータベースなどに登録する。
このように看護人2が被看護人1を触診しながら看護すると、この被看護人1が看護されたことを示す被看護信号およびその看護日時を示す現日時情報がパソコン11やデータ処理端末17aに登録されることになるので、この登録から何時看護が行われたかを明確にすることができる。
上記実施例では、看護人2が被看護人1を触診しながら看護すると、看護人2の携帯する第2の携帯端末4からは、看護人2が被看護人1を看護しつつあることを示す所定の看護信号が出力され、この看護信号に基づく電界が看護人2から被看護人1の体に伝達されるが、この場合に第2の携帯端末4は、看護信号とともに看護人2が誰であるかを特定する看護人2の識別情報も出力し、この看護人2の識別情報に基づく電界を看護信号に基づく電界も看護人2から被看護人1に伝達してもよいものである。このように看護人2の識別情報も出力することにより、看護人2が誰であるかを特定することができ、1人の被看護人1を複数の看護人2が看護する場合に有効である。
このように看護人2の識別情報を看護信号とともに出力する場合には、被看護人1の携帯する第1の携帯端末3は、被看護信号に基づく電界とともに看護人2の識別情報に基づく電界も検知し、この看護信号に応答して被看護信号とともに看護人2の識別情報を出力するだけでなく、更に被看護人1の識別情報も第1の携帯端末3から出力し、これらの情報、すなわち被看護信号、看護人2の識別情報および被看護人1の識別情報に基づく電界を被看護人1の体に誘起し、被看護人接触電極7に伝達する。
そして、被看護人用電極側トランシーバ9は、被看護信号に基づく電界とともに看護人の識別情報および被看護人の識別情報に基づく電界も被看護人接触電極7を介して検知し、該被看護信号とともに看護人の識別情報および被看護人の識別情報をパソコン11に送信する。パソコン11は、被看護信号とともに看護人の識別情報および被看護人の識別情報を受信し、被看護信号を現日時情報とともに登録するとともに、看護人および被看護人の識別情報も登録する。
なお、この例では、第1の携帯端末3は、被看護信号および看護人2の識別情報に加えて、被看護人1の識別情報も出力するようになっていて、この被看護人1の識別情報に基づく電界も同時に被看護人1の体に誘起し、パソコン11に送信し、パソコン11では被看護信号とともに看護人2の識別情報および被看護人1の識別情報も登録するため、どの看護人2がどの被看護人1を看護したかが明確に登録され、看護人2のみならず、被看護人1も特定することができる。
更に、上記実施例において、患者である被看護人1が治療や看護などのために位置する所定の場所、例えば図5のようなベッドまたは病院の診療室内において医者の前に診察のために設けられた椅子または例えばレントゲン機械などのような所定の医療機械で検査を受けるために当該医療機械に関連して設けられた患者用場所を特定するための場所識別情報も上記各情報に加えて被看護人接触電極7から出力し、パソコン11に送信してもよいものである。
そして、パソコン11は、被看護信号、看護人の識別情報および被看護人の識別情報などの情報とともに場所識別情報も受信すると、この場所識別情報を被看護信号、現日時情報、看護人および被看護人の識別情報とともに登録する。このように被看護人1が看護のために位置する特定の場所の識別情報も登録することにより、看護人2による被看護人1の看護がどこで行われたか、すなわち看護がベッドで行われたのか、診療室内の医者の前に診察のために設けられた椅子で行われたのか、または例えばレントゲン機械などのような所定の医療機械のところで行われたのかを特定することができる。
更に、第1の携帯端末3は、図2に示すように生体センサ43を備えているので、第1の携帯端末3は、生体センサ43から受信した生体情報に基づく電界を被看護信号に基づく電界とともに被看護人の体に誘起し、被看護人接触電極7を介して被看護人用電極側トランシーバ9に伝達することも可能である。なお、この場合、生体センサ43は、第1の携帯端末3が起動されて作動している場合には、生体センサ43も第1の携帯端末3とともに作動していて、看護人2の生体情報を検知しているものとすれば特に生体センサ43を起動する必要もないが、第1の携帯端末3が作動していても、生体センサ43は停止していて、生体情報が必要な場合のみ、生体センサ43を別途、起動するように構成してもよいものである。
被看護人用電極側トランシーバ9は、被看護信号に基づく電界を検知するとともに、生体情報に基づく電界を検知すると、被看護信号とともに生体情報をパソコン11に送信する。パソコン11は、被看護信号を受信するとともに、生体情報を受信すると、被看護信号を現日時情報および生体情報とともに登録する。このように生体情報を登録することにより、被看護人1が看護人2により看護されている場合の生体情報、例えば脈拍、血圧、心拍数、体温なども登録でき、看護時における被看護人1の状態を認識することができる。
なお、第2の携帯端末4から出力される看護信号は、看護人2が被看護人1に触れている間、例えば比較的短い周期で常時連続的に出力するようにしてもよいものである。そして、第1の携帯端末3は、第2の携帯端末4からこのような看護信号を受信すると、この看護信号に応答し、該看護信号と同じ比較的短い周期で連続的に被看護信号を出力する。また、パソコン11も同様に比較的短い周期で連続的に生成される被看護信号を受信する。そして、パソコン11は、このように比較的短い周期で連続的に発生する被看護信号から、その連続期間の開始時刻、終了時刻および開始から終了までの継続時間を識別し、これらの時間情報を現日時情報とともに時間情報登録終了手段で登録することにより、看護人2による被看護人1に対する各看護の開始時刻、終了時刻および継続時間を認識することができる。
また、パソコン11は、上述したように取得した各情報を通信回線13、公衆網15を介して管理センタ17のデータ処理端末17aに送信し、管理センタ17のデータ処理端末17aでも同様に記録管理するようになっている。この結果、被看護人1に対する看護人2による看護状態は、各病院に設けられているパソコン11のみならず、管理センタ17でも管理することができる。