JP4068848B2 - リニアモータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はリニアモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
リニアモータには様々なタイプのものがあるが、リニアモータカーのように大きな駆動力を必要としない場合には、永久磁石と電磁石コイルとの組合わせで構成されることが多い。このような永久磁石と電磁石コイルとの組合わせによるリニアモータは、例えば半導体製造装置の分野において精密用マイクロステージ、または精密位置決めステージの駆動源としての応用が考えられている。これは、リニアモータによる駆動機構は、これまで主流であったボールネジ駆動機構に比べて駆動速度が高いうえに位置決め精度が高く、また高い繰り返し位置決め精度、駆動時と停止時のオーバシュート、アンダーシュートが小さく、等速移動時の速度リップルが小さいという利点があるからである。
【0003】
図14を参照して、永久磁石と電磁石コイルとの組合わせによるリニアモータについて簡単に説明する。図14において、断面略U形状のヨーク101の互いに対向する内壁にそれぞれ、複数の永久磁石102が間隔をおいて配置されている。ヨーク101の互いに対向する内壁の間には、可動コイル部103がヨーク101の延在方向に可動となるように設けられる。可動コイル部103には、可動コイル部103の発生する磁束と隣接する永久磁石102からの磁束との相互作用により駆動力が生じ、この駆動力により可動コイル部103は図示しないガイド機構にガイドされて移動する。可動コイル部103には、通常、被搬送体、例えば半導体ウエハを搭載するためのテーブル(ステージ)が組み合わされる。
【0004】
なお、リニアモータとして三相駆動型を用いる場合、可動コイル部103は、U相コイル、V相コイル、W相コイルの3つのコイルを1組とする組合わせ体を基本要素として備えることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、これまでのリニアモータは、固定永久磁石と可動コイルとの組合わせによるものが普通であり、このようなリニアモータには以下のような問題点があった。
【0006】
第1の問題点は、可動コイル部103に電力を供給する電力ケーブルが必要であり、可動コイル部103は可動であるので、この電力ケーブルもまた可動コイル部103の移動に追随できるように可撓性にする必要がある。そして、このような可撓性の電力ケーブルと可撓性のケーブル支持装置は、断線予防のため定期的なメンテナンス(交換)が必要となる。また、可撓性のケーブル支持装置の設置スペース(空間)が必要になる。
【0007】
第2の問題点は、可動コイル部103における発熱が大きいにもかかわらず、可動であるが故に冷却を行うことが難しく、かつ大きな占有スペースを必要とするので実現のためには複雑な冷却構造が必要となる。可動コイル部103における発熱の問題を解消しないと、可動コイル部103周辺の温度が上昇し、例えばテーブルに搭載される半導体ウエハのような被搬送体に反りや膨張のような変形が生じ、被搬送体の精度維持が困難になるというような悪影響を及ぼすことになる。
【0008】
第3の問題点は、図14のようなタイプでは、可動コイル部103におけるコイルが円筒状あるいは矩形状であるのに対し、永久磁石は互いに対向し合う2面に設けられるだけであるので、推力発生に作用する有効磁束が少ない。推力を大きくするために可動コイル部103の励磁電流を大きくすると、上記の第2の問題点の解消が更に難しくなる。
【0009】
第4の問題点としては、特に平面対向型(フラットベッド型)リニアモータにおいては、固定子側に板状の永久磁石を複数配置し、それに対峙するように可動子側はヨークにコイルを複数装着し、その際、永久磁石とコイルは途切れるように断片的な配置構成をされているので、可動子が軸方向に移動する際には必ずヨークと永久磁石とが吸引する位置と吸引が無くなる位置が規則的かつ連続的に生じる現象(コギング)が見られる。これは所謂速度ムラを発生させる直接的な要因として考えられる。
【0010】
そこで、本発明の課題は、上記の問題点を解消することのできるリニアモータを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、電磁石用コイルを複数個連続的に配列し、これらの電磁石用コイルからの磁束との相互作用によりこれらの電磁石用コイルに沿って走行可能に永久磁石体を組合わせたリニアモータにおいて、前記電磁石用コイルはU相コイル、V相コイル、W相コイルを1組としてこれらを順に直列的に配列して組合わせたものを3組以上の複数組含み、前記複数組における複数の前記U相コイル、複数の前記V相コイル、複数の前記W相コイルはそれぞれ相毎に直列接続され、しかも2つの相における複数のコイルは奇数組における磁極に対して偶数組における磁極が反対向きになるように接続され、残りの1つの相における複数のコイルは奇数組における磁極が前記2つの相における複数のコイルの前記奇数組における磁極と反対向きであり、偶数組における磁極は前記2つの相における複数のコイルの前記偶数組における磁極と反対向きになるように接続され、前記永久磁石体は前記電磁石用コイルを囲むことができるような環状あるいは略U形の断面形状を持ち、かつ中心軸方向と平行に着磁された磁極軸に関して前記各相のコイルの3倍の長さ寸法を持つ複数の永久磁石から成り、これら複数の永久磁石は隣接する磁極が互いに同極同士で密着し合うように直列的に組合わされ、前記永久磁石体の内面側であって前記電磁石用コイルの外面側に、前記電磁石用コイルを収容するようにして前記永久磁石体の走行範囲にわたる筒状体が設けられ、該筒状体と前記永久磁石体の内面側との間及び前記筒状体と前記電磁石用コイルの外面側との間にはそれぞれ、ギャップができるようにされ、前記筒状体と前記電磁石用コイルの外面側との間の前記ギャップを冷却空間としたことを特徴とするリニアモータが提供される。
【0012】
本リニアモータにおいては、前記複数組における複数の前記U相コイル、複数の前記V相コイル、複数の前記W相コイルはそれぞれ相毎に直列接続されると共にスター結線により接続され、これらの各相のコイルは中空軸状のセンターコアの周囲に、それらの磁極軸が前記センターコアの軸芯と同じ向きになるようにして前記永久磁石体の走行範囲にわたって直列的に装着される。
【0013】
あるいはまた、前記複数組における複数の前記U相コイル、複数の前記V相コイル、複数の前記W相コイルはそれぞれ相毎に直列接続されると共にデルタ結線により接続され、これらの各相のコイルは中空軸状のセンターコアの周囲に、それらの磁極軸が前記センターコアの軸芯と同じ向きになるようにして前記永久磁石体の走行範囲にわたって直列的に装着される。
【0016】
本リニアモータにおいては、前記永久磁石体の外面側に磁性体による筒状のヨークを設けることが好ましい。
【0017】
本リニアモータにおいては、隣り合う各相のコイルの間に磁性体によるスペーサ部材を介在させても良い。
【0018】
本リニアモータにおいては、前記センターコアは、前記永久磁石体が直線運動するような直線形状であって良いし、前記センターコアをその延在方向の形状が円形状または円の一部を切り欠いた略C形状を有するようにすることにより、前記永久磁石体が円形状または略C形状の軌道に沿った周回運動または往復運動を行うようにすることができる。
【0020】
本リニアモータにおいては更に、前記センターコアの中空部を冷却空間とすることができる。
【0021】
本リニアモータにおいては更に、前記永久磁石体にはガイドブロックが組み合わされ、該ガイドブロックは前記永久磁石体の走行方向に沿ってベース体に配置されたガイドにより案内されるように構成することができる。
【0022】
本リニアモータにおいては更に、前記永久磁石体はケースに収容されており、該ケースの内面側には前記筒状体の外面に沿ってスライド可能な第1のすべり軸受が少なくとも1個設けられ、前記ケースの側面側にはその側方に延びる補助部材が設けられ、該補助部材には走行方向に平行な貫通穴が設けられると共にその内面側に第2のすべり軸受が設けられ、前記筒状体に平行かつ走行方向に延在するようにガイド用案内部材を設けて前記第2のすべり軸受に該ガイド用案内部材を挿通することにより前記永久磁石体の走行案内を行なうようにすることができる。
【0023】
本リニアモータにおいては更に、前記電磁石用コイルを収容した前記筒状体は、ベース体に設けられた2つのブラケット間に固定される。
【0024】
本リニアモータにおいては更に、前記永久磁石体の走行方向に沿ってリニアスケールが配置され、前記永久磁石体には前記リニアスケールに対向するようにエンコーダヘッドが設けられ、該エンコーダヘッドからの検出信号は可撓性のケーブルを介して制御ドライバーに入力される。
【0025】
本リニアモータにおいては更に、前記永久磁石体を含む可動部側、前記ブラケットを含む固定部側にはそれぞれ、一方に位置検出用の被検出片が設けられ、他方には前記被検出片を検出するためのセンサが設けられる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の第1の実施の形態によるリニアモータについて説明する。図1は、リニアモータの概略構成を示し、図2はリニアモータを4つの方向から見た図である。つまり、図2(a)は平面図、図2(b)は図2(a)の下側から見た側面図、図2(c)は図2(a)の上側から見た側面図、図2(d)は図2(a)の右側から見た図である。
【0029】
図1、図2において、リニアモータは、電磁石用コイル(以下、コイルと略称する)を複数個連続的に配列したものを収容した軸体(以下、ステータと呼ぶ)10と、これらのコイルからの磁束との相互作用によりステータ10の延在方向と同じ方向に走行可能とした可動磁石体(以下、ムーバと呼ぶ)20とを含む。ステータ10は、ベース30上に間隔をおいて固定された2つのブラケット31の間に架け渡されている。
【0030】
図3をも参照して、ステータ10とムーバ20の内部構造について説明する。ステータ10は、中空軸状のセンターコア11と、センターコア11の周囲に装着された複数のコイル12と、複数のコイル12の外周側をカバーするように組み合わされたパイプ13(筒状体)とを含む。コイル12は制御ドライバー40のモータ接続端子に接続されたU相コイル、V相コイル、W相コイルを含み、これらの各コイルはセンターコア11の周囲にその磁極軸がセンターコア11の軸芯に平行になるようにしてムーバ20の走行範囲のほぼ全長にわたって装着されている。
【0031】
ムーバ20は、コイル12を囲むことができるような環状の複数の永久磁石21と、これら複数の永久磁石21を収容している磁石ケース22とを含む。複数の永久磁石21は、同じ長さ寸法を持ち、しかも隣接する磁極が互いに反対向きになり、かつ磁極軸がセンターコア11の軸芯に平行になるように直列的に組合わされて磁石ケース22に収容されている。コイル12、永久磁石21のサイズは、推力、リニアモータ全体の大きさ等の条件により変わるが、すべての永久磁石21は軸方向の寸法が等しく、また軸方向の寸法がコイル12の磁極軸方向の寸法の3倍の長さになるように作られる。
【0032】
パイプ13の内径はコイル12の外径よりやや大きく、外径が永久磁石21の内径よりやや小さくなるようにされている。このようにして、パイプ13の外面側と永久磁石21の内面側との間及びコイル12の外面側とパイプ13の内面側との間にはそれぞれ、ギャップができるようにされている。そして、センターコア11の中空部及びコイル12の外面側とパイプ13の内面側との間のギャップを気体や液体による冷却空間として利用できるようにしている。パイプ13にはステンレス等の非磁性金属材料が用いられるが、他の材料、例えば樹脂材料でも良い。
【0033】
なお、ムーバ20は、パイプ13の外周に対してギャップを維持した状態、すなわちパイプ13に非接触状態で移動させる必要がある。これは、以下に述べるガイドブロック23とガイドレール32により実現される。すなわち、磁石ケース22には2つのガイドブロック23が組み合わされ、これら2つのガイドブロック23がムーバ20の走行方向に沿うようにベース30上に配置されたガイドレール32によりスライド案内されるようにしている。
【0034】
なお、パイプ13の外面側と永久磁石21の内面側との間のギャップは一定である必要は無い。言い換えれば、上記のギャップが全長にわたって一定であってもあるいは上下方向、左右方向に関してばらつきがあったとしても推力は同じであり、推力ムラなどの影響を受けない。これは、永久磁石21が環状であり、その内側にコイル12があるからである。このことにより、ムーバ20とステータ10には厳しい取付け精度が要求されず、それらを構成する部品にも厳しい加工精度が要求されない。
【0035】
上記の各構成要素の材料について一例をあげると、センターコア11は、ヨークとしての機能を持たせるために磁性体、例えば鉄が用いられ、パイプ状にすることで機械的強度の向上を図っている。パイプ13はSUS304や非磁性体のステンレス等であることが好ましい。
【0036】
これは、パイプ13をアースすることでコイル12から発生する電磁波をシールドできるからである。永久磁石21は磁石としての性能の高い、例えばネオジウム磁石が用いられる。特に、永久磁石21の磁極軸方向の寸法はすべて同じにする必要がある。
【0037】
磁石ケース22としては軽量化を考慮する場合にはアルミ合金等が好ましいが、この限りではなく例えば石材等でも良い。
【0038】
いずれにしても、磁石ケース22は、図2に示されるように、複数の永久磁石21を収容固定しているケース本体部22−1と、その両端部に取り付けられる蓋部材22−2との3ピース構成で一体化され、十分な機械的強度を持たせることができる。
【0039】
センターコア11の中空部には、ブラケット31を利用して冷却用流体、例えば油等の液体やエアー等の気体を流通させることでコイル12の内側からの冷却を行う。一方、コイル12の外面側とパイプ13の内面側との間のギャップには、ブラケット31を利用して冷却用流体、同様に、冷却用の液体や気体を流通させることでコイル12の外側からの冷却を行う。
【0040】
図1、図2に戻って、ベース30上にはムーバ20の走行方向に沿ってリニアエンコーダ用のリニアスケール33が配置され、磁石ケース22にはリニアスケール33に対向するようにエンコーダヘッド24が設けられている。エンコーダヘッド24からの検出信号は可撓性の信号ケーブルを持つキャタピラ状のケーブルベヤ25を介して制御ドライバー40に入力される。エンコーダヘッド24からの検出信号はムーバ20の位置決め制御に利用されることは言うまでも無い。また、ステータ10内の各コイル12には、ブラケット31を介して三相用の電力ケーブル35に接続され、電力ケーブル35は制御ドライバー40に接続されている。制御ドライバー40は、単相100Vの交流電源50に接続する場合、単相−三相変換器を内蔵し、U相、V相、W相の各相がU相コイル、V相コイル、W相コイルに接続される。但し、後の説明で明らかになるように、電源のU相、V相、W相がU相コイル、V相コイル、W相コイルに一対一の関係で接続されるとは限らない。電源とU相コイル、V相コイル、W相コイルとの接続には様々な形態がある。制御ドライバー40にはまた、制御データ入力手段及びデータ処理手段としてパソコン41が接続され、パソコン41から与えられるデータに基づき、エンコーダヘッド24からの検出信号を用いてムーバ20の位置決め制御や速度制御をフルクローズドループ制御で実行する。このような制御ドライバー40は市販のものを使用することができる。
【0041】
図2において、磁石ケース22の両側にはそれぞれ、位置検出用の被検出片26が設けられ、2つのブラケット31にはそれぞれ、被検出片26を検出するためのセンサ36が設けられている。センサ36の検出信号は制御ドライバー40に送られ、ムーバ20の原点位置決め、あるいは暴走防止に用いられる。すなわち、被検出片26がセンサ36で検出された位置をムーバ20の走行開始時の原点とし、また走行中に何らかの故障でムーバ20が暴走したとしても、被検出片26がセンサ36で検出される位置まで到達するとムーバ20の走行が強制的に停止される。なお、被検出片26は可動部分であればどこでも良く、センサ36も被検出片26を検出できる箇所であれば固定部分にどこでも良い。また、被検出片26は固定部分に設置されても良く、この場合、センサ36は被検出片26を検出可能な可動部分に設置されれば良い。
【0042】
図示していないが、磁石ケース22の上面側には被駆動体としてのテーブルが装着される。
【0043】
図4は、U相コイル、W相コイル、V相コイルの基本構成を示す。3つのU相コイルU1、W相コイルW1、V相コイルV1がスター結線されている。各コイルは巻き始め端S、巻き終り端Eを有し、2つのコイルの巻き終り端Eと1つのコイルの巻き始め端S、ここではW相コイルW1の巻き始め端Sとがコモン端子に共通接続される。
【0044】
図5は、3つのU相コイル、W相コイル、V相コイルを1組とする基本構成を3組、すなわち合計9個のコイルを備える場合の接続と制御ドライバー40を使用する場合の接続例を示す。ここでは、U相コイルについては第1のコイルU1の巻き始め端Sを制御ドライバー40のU端子に接続し、第1のコイルU1の巻き終り端Eを第2のコイルU2の巻き終り端Eに接続している。そして、第2のコイルU2の巻き始め端Sを第3のコイルU3の巻き始め端Sに接続し、第3のコイルU3の巻き終り端Eをコモン端子に接続している。同様に、W相コイルについては第1のコイルW1の巻き終り端Eを制御ドライバー40のV端子に接続し、第1のコイルW1の巻き始め端Sを第2のコイルW2の巻き始め端Sに接続している。そして、第2のコイルW2の巻き終り端Eを第3のコイルW3の巻き終り端Eに接続し、第3のコイルW3の巻き始め端Sをコモン端子に接続している。一方、V相コイルについては第1のコイルV1の巻き始め端Sを制御ドライバー40のW端子に接続し、第1のコイルV1の巻き終り端Eを第2のコイルV2の巻き終り端Eに接続している。そして、第2のコイルV2の巻き始め端Sを第3のコイルV3の巻き始め端Sに接続し、第3のコイルV3の巻き終り端Eをコモン端子に接続している。
【0045】
簡単に言えば、図5のように9個のコイルを備える場合には、2つの相については3つのコイルのうちの中間のコイルをその両側のコイルと巻き始め端S、巻き終り端Eを逆にして接続し、残りの1つの相については3つのコイルのうちの両側のコイルをそれらの間のコイルと巻き始め端S、巻き終り端Eを逆にして接続している。
【0046】
これを12個以上、すなわち4組以上の複数の組のコイルを有する場合について言えば、複数組における複数のU相コイル、複数のW相コイル、複数のV相コイルはそれぞれ相毎に直列接続されて制御ドライバー40にスター結線により接続される。しかも、2つの相における複数のコイルは奇数組における磁極に対して偶数組における磁極が反対向きになるように接続され、残りの1つの相における複数のコイルは奇数組における磁極が前記2つの相における複数のコイルの前記奇数組における磁極と反対向きであり、偶数組における磁極は前記2つの相における複数のコイルの前記偶数組における磁極と反対向きになるように接続されることになる。
【0047】
図6は、上記のようなU相コイル、W相コイル、V相コイルに接続される制御ドライバー40の電圧波形を示している。言うまでも無く、U相、V相、W相の電圧波形はそれぞれ120度の位相差を持つ。
【0048】
図7は、図5の各コイルに図6の電圧を発生する制御ドライバー40を接続した場合について、図6のタイミング▲1▼、▲2▼、▲3▼において各コイル端部に誘起される磁極の変化を示した図である。
【0049】
ここで、仮に図7に示すような関係で、図8に示すように4つのコイルが直列配置されているものとする。そして、各コイル端部に図8(a)のような磁極が誘起されるものとすると、実際には、図8(b)に示すように吸引し合う磁極が隣接する部分に磁極は発生せず、反発し合う磁極が隣接する部分と、最も外側のコイルの外側端部に、前記の反発し合う磁極と反対の磁極が発生する。
【0050】
図9は、上記の点を考慮して、図7(a)、(b)、(c)のように各コイル端部に誘起された磁極により実際に9個のコイルの組合わせ体に発生する磁極を示している。
【0051】
次に、本リニアモータの駆動原理について説明する。以下では、ムーバ20が4個の永久磁石21から成るものとして説明する。
【0052】
図10〜図12はそれぞれ、図9(a)〜図9(c)のように磁極が変化した時にムーバ20がコイルの磁束との間の相互作用により一方向(ここでは図中、左方向)に移動する原理を示している。
【0053】
図10において、ムーバ20が図10(a)に示す位置にある時に、ステータ10における9個のコイル12により図10(a)(図9aに対応)に示すような磁極が発生したとすると、図10(b)に示すように、ムーバ20はコイル1個分だけ図中左方向に移動する。
【0054】
次に、ムーバ20が図10(b)に示す位置に移動した状態にある時に、9個のコイル12により図11(a)(図9bに対応)に示すような磁極が発生したとすると、図11(b)に示すように、ムーバ20はコイル2個分だけ図中左方向に移動する。
【0055】
更に、ムーバ20が図11(b)に示す位置に移動した状態にある時に、9個のコイル12により図12(a)(図9cに対応)に示すような磁極が発生したとすると、図12(b)に示すように、ムーバ20はコイル2個分だけ図中左方向に移動する。
【0056】
続いて、ムーバ20が図12(b)に示す位置に移動した状態にある時に、9個のコイル12により図13(a)(図9aに対応)に示すような磁極が発生したとすると、図13(b)に示すように、ムーバ20はコイル2個分だけ図中左方向に移動する。
【0057】
上記の説明によれば、ムーバ20はコイル1個当たりの寸法で決まる距離だけステップ状に移動するように思われるが、実際にはそうはならない。これは、本形態によるリニアモータの駆動原理を、図6で示した▲1▼〜▲3▼のタイミングだけについて説明しているからであり、実際にはU相、V相、W相の各コイルに印加される電圧は図6に示すような連続波形であるので、ムーバ20の動きはスムーズであり、位置決めもリニアスケール33の分解能、エンコーダヘッド24の検出精度で決まる精度で行うことができる。
【0058】
また、図11〜図13では、ムーバ20の移動距離がコイル2個分であるのに対し、図10ではコイル1個分の移動距離である。これは、始めにムーバ20のセットされていた位置がずれていたためであり、実際には図11〜図13をループする動きとなる。
【0059】
更に、図10〜図13において、9個のコイル12の組合わせ体の中央部分では磁極間の距離がコイル3個分でそろっているのに対し、組合わせ体の端部に近い磁極間の距離はコイル1個分あるいは2個分となっている。これによりムーバ20の動きに影響を及ぼすように思われる。しかし、このような問題は実際には生じない。上記のようになるのは、図解しやすいように、コイル12を9個使用した場合について示しているからであり、実際には、移動するムーバ20の端部が、複数個のコイル12の組合わせ体の両端部からはみ出さないように設計される。つまり、実際には、ムーバ20の一部が図10〜図13に示すように9個のコイル12の組合わせ体の端部からはみ出すような動きはしない。
【0060】
いずれにしても、本形態によるリニアモータは、図1で説明したパソコン41に必要なデータを設定することで、ムーバ20をステータ10における所望の位置まで移動させることは勿論、ステータ10におけるある距離範囲の領域で往復運動(振動運動)をさせるというような様々な運動をさせることができる。また、例えば原点位置から所望の設定位置までの往運動は通常の速度で行い、原点位置に戻る時の復運動は高速で行うというような制御を行うことで繰り返し搬送動作を行う場合の作業時間の短縮を図ることもできる。これは、復運動の場合には、往運動の場合とは逆向きの電流を流すと共に、その時の電源の周波数を変えることで容易に実現できる。
【0061】
また、ムーバ20と固定部との間は、必要最小限の可撓性の信号線、すなわちエンコーダヘッド24用の信号線で接続されれば良いので、ケーブルベヤ25(図2参照)は電力ケーブルを収容するためのスペースが不要であり、小形化が可能となる。速度ムラに関して言えば、本形態では100mm/secの速度で1(%)以内の速度ムラに抑えることができることが確認されている。なお、エンコーダヘッド24は、ベース30側に設けられて良い。この場合、ムーバ20の可動範囲には制約が生ずるが、比較的狭い範囲で往復運動できれば良いタイプのリニアモータに適用すれば良く、可撓性の電力ケーブル、信号線が不要であることのメリットは大きい。
【0062】
以上、本発明の第1の実施の形態について説明したが、本発明は以下に述べるような様々な変更が可能である。
【0063】
図15は永久磁石の他の例を示す。つまり、上記の形態においては、永久磁石21はその中心軸方向、すなわち中心軸方向と平行に着磁されているが、本例による永久磁石21´は径方向、すなわち中心軸に向かって放射状(径方向)に着磁されている。勿論、本例でも複数の永久磁石21´が直列的に組み合わされるものであり、1個当たりの長さはコイル12(図3)の磁極軸の寸法の3倍の長さに作られる。そして、隣り合う永久磁石21´は互いに反対の磁極が対向するように組み合わされる。
【0064】
尚、中心軸方向と平行の着磁による磁石、径方向の着磁による磁石のいずれにおいても、筒状体の一体成形による磁石だけに限らず、分割したものを組み合わせた磁石でも良い。つまり、周方向に関してある角度間隔で複数に分割(例えば90度であれば4分割、45度であれば8分割)したものを用意し、それぞれに中心軸方向と平行の着磁あるいは径方向の着磁を施したうえで筒状に組み合わせた磁石でも良い。
【0065】
図16は、上記のような永久磁石21´の組合わせ体の外周を磁性体による筒状、ここでは円筒状のアウターヨーク61でカバーするようにした例である。なお、本図ではコイルは図示を省略している。このようなアウターヨーク61は、アウターヨーク61の外部周辺の磁気シールド効果が得られる。つまり、本リニアモータの外部への漏洩磁束の低減を持ち、かつ、効率的な磁気回路が構成され、リニアモータとして推力の向上が得られる。
【0066】
図17は、図16のアウターヨーク61を上記の第1の実施の形態における永久磁石21に適用したものであり、図16の例と同様の効果が得られることは言うまでも無い。
【0067】
図18は、永久磁石21の性能向上を図るための改良例を示している。つまり、同じ磁極が隣り合う永久磁石21の間に磁性体、例えば鉄板によるリング状のスペーサ65を介在させている。このスペーサ65は磁石寸法(磁石の内径、外径、長さ(軸方向))に適した厚さで十分であり、磁石が互いに反発しあう反磁界部分にスペーサ65を入れることで、磁束が径方向(コイル)に向かう磁気回路が構成されることにより、永久磁石21の性能向上に寄与する効果がある。勿論、このようなスペーサ65は図15〜図17の例のいずれに組み合わされても良い。
【0068】
図19は、コイル12の改良例を示した図である。つまり、隣り合うコイル12の間に磁性体、例えば鉄板によるリング状のスペーサ66を介在させている。このスペーサ66は1mm以下の厚さで十分であり、推力の性能向上に寄与する効果がある。勿論、このようなスペーサ66は図15〜図18の例のいずれに組み合わされても良い。
【0069】
図20は、三相コイルの他の例を示した図である。つまり、上記の第1の実施の形態では三相コイルとして直列スター結線によるコイルをあげたが、図20(a)のようなデルタ結線でも良いことは言うまでも無い。なお、図20(b)は並列デルタ結線と呼ばれる三相コイルを示しているが、これもデルタ結線に含まれると考えて良い。同様の理由で、図20(c)は並列スター結線を示しているが、これもスター結線に含まれると考えて良い。そして、これらのコイルの配列は、図7でも説明したように、図20(d)に示すような配列にされる。
【0070】
更に考えられる変形例として、コイル12の外周側を液体冷媒を循環させることで冷却を行う場合、液体冷媒として例えば、絶縁性を持つ液体を使用することができる。この場合、コイル12はその表面を樹脂材料等でコーティングするのが好ましい。
【0071】
あるいはまた、リニアモータの使用環境として、冷却を必要としない、コイルに化学薬品等による影響がない、コイル表面の外観が重要ではない等の条件下であれば、パイプ13を省略することで磁石とコイル表面の距離を短くでき、推力アップを図ることができる。
【0072】
また、コイル12を励磁するための電源用配線の一例を挙げれば、センターコア11の外周面に長さ方向に沿って溝を設け、この溝内に配線を埋め込むことによりコイル表面と磁石表面をより近くできるため、推力向上につながる。
【0073】
図21は、ムーバ20の案内系の他の例を示した図である。上記の第1の実施の形態ではムーバ20をガイドブロックとガイドレールとにより案内するようにしているが、本例では永久磁石21の内径側に樹脂製のブッシュ71を設けてステータ10側のパイプ13に沿ってスライド可能にしている。加えて、パイプ13に平行にガイド用パイプ72を並設している。そして、ムーバ20の側面にはガイド用パイプ72まで延びる補助部材73を設け、この補助部材73にはガイド用パイプ72の挿通可能な貫通穴を設けると共に、この貫通穴の内径側に樹脂製のブッシュ74を設けることにより補助部材73がガイド用パイプ72に沿ってスライド可能にしている。なお、ブッシュ71、74はすべり軸受のことである。このような案内系は、ムーバ20が小型の場合、例えばプリンタの印字ヘッド部の走行駆動源として用いられるような場合に有効である。
【0074】
なお、上記の第1の実施の形態は、ムーバとステータとの組合わせが1組である場合について説明したが、ムーバとステータとの組合わせを2組以上並列に設置し、複数のムーバに共通のテーブルを装着するようにして、推力を向上させた駆動制御を行うようにしても良い。この場合、各組のガイドレールも平行をとった状態でベース上に設置すれば良い。
【0075】
図22は、上記の点を考慮した本発明の第2の実施の形態を示し、第1の実施の形態で説明したリニアモータを少なくとも1つ用いて2軸案内によりテーブル状のスライダー(可動子)を駆動するようにした例である。ここでは、リニアモータを2つ用いる場合について説明する。石やセラミック等によるベース80に、前に述べたステータ10側のパイプ13を2本互いに平行になるように並設している。パイプ13の外周には2つのムーバ20(一方のみ図示)を持つスライダー(可動子)85が組合わされている。つまり、この形態ではスライダー(可動子)85と磁石が一体、言い換えればスライダー85に磁石を埋め込んでいる。これにより、スライダー85はガイドとモータの2つの役割を持つことになる。
【0076】
なお、2つのムーバ20は同期して移動するように制御される。また、リニアモータは1個でも良い。
【0077】
このような形態の適用例としては、半導体製造装置におけるウエハ加工用のテーブル装置や往復移動を繰り返すことで加工対象物にコーティングを行うコーター等が考えられる。
【0078】
また、上記の形態では直線形状のステータ10を示しているが、ステータをある半径で円形あるいは略C形状を描くようにつくっても良い。つまり、本発明によるリニアモータは、直線運動を行うものに限らず、ステータを円形あるいはその一部を切り欠いた略C形状にすることで、円形あるいは略C形の軌道を周回あるいは往復運動するものも含むものとする。この場合、ムーバ20における複数の永久磁石21の組合わせ体の内径側空間もステータの曲率と同じ曲率になるように作れば良い。なお、ステータを円形にする場合には、ムーバ側の断面形状を略U形状にする必要がある。ステータを円形あるいは略C形状にする場合の適用例としては、MRI(核磁気共鳴)診断装置、CTスキャナ等におけるスキャナの駆動源とすることが考えられる。
【0079】
更に、本発明による直動型のリニアモータは、例えば自動ドア等の開閉駆動源としての適用も可能である。例えば、自動ドアの場合について言えば、ドアの上側あるいは下側に、本発明によるリニアモータをその可動部の移動に伴ってドアの開閉を行うことができるように設置すれば良い。
【0080】
更に、ムーバ20のガイド機構は、静圧軸受けを含むようなものでも良く、位置決め制御のためのリニアスケールとエンコーダヘッドとの組合わせも他の周知の技術、例えばレーザを使用した高精度のものを使用しても良い。また、被検出片26とセンサ36の組合わせは省略されても良い。
【0081】
【発明の効果】
本発明によるリニアモータは、以下のような効果を有する。
【0082】
(1)電磁石コイルを固定、永久磁石を可動としたことにより、電磁石コイルにおける発熱に対する冷却を簡単な構造で実現することができる。
【0083】
(2)可動部における発熱が無いことから、これに組み合わされる被搬送テーブルの温度上昇が無く、従ってこれに搭載される被搬送体に熱的影響を及ぼすことが無い。このことから、本発明によるリニアモータは、厳しい温度条件が要求される環境下での使用、例えば半導体製造装置における真空チャンバ内での搬送駆動系に最適である。
【0084】
(3)環状あるいはU形状の永久磁石の内側にわずかなギャップを介して電磁石コイルが収容配置されているので、電磁石コイルの磁束を有効に永久磁石に作用させることができる。特に、環状の永久磁石の場合には電磁石コイルの磁束の利用効率は非常に高く、高推力を得ることができる。
【0085】
(4)可動部に対して電力を供給する必要が無いので、可撓性の電力ケーブルが不要であり、電力ケーブルの断線等に対するメンテナンスが不要となる。
【0086】
(5)電磁石コイル側を可動とする場合、その温度上昇を監視する必要があるため、電磁石コイルに熱電対等の温度センサを設置し、可撓性の信号線で温度検出信号を制御ドライバー側に送出する必要があるが、本発明では不要である。
【0087】
(6)可撓性の電力ケーブル、信号線は屈曲を繰り返すので断線を生ずる場合があるが、本発明では電力ケーブルの断線が発生することは無く、エンコーダヘッドをベース側に設置することで信号線の断線も無くすことができる。
【0088】
(7)可動部における永久磁石のケースを、アルミ合金の一体物で実現できるので、機械的強度が大きい。
【0089】
(8)各構成要素は、永久磁石の材料が高価であることを除いて、すべて安価で実現することができ、かなり大型にした場合でもリニアモータ全体としての低価格化を実現することができる。
【0090】
(9)ムーバとステータとの間のギャップを一定にする必要が無いので、ムーバとステータには厳しい取付け精度が要求されず、それらを構成する部品にも厳しい加工精度が要求されない。
【0091】
(10)センターコア(ヨーク)が直線的な円筒形状であるために、永久磁石とセンターコア(ヨーク)が断片的に吸引する力が作用しないために極めて高い定速性が実現されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるリニアモータの概略構成を示した図である。
【図2】本発明によるリニアモータを4つの方向から見た図である。
【図3】図2におけるムーバ及びステータの内部構造を説明するための図である。
【図4】本発明で使用される電磁石コイルの基本構成を説明するための図である。
【図5】電磁石コイルとして9個のコイルを使用する場合の各コイルと制御ドライバーとの接続例を説明するための図である。
【図6】図5における制御ドライバーによる電圧波形例を示した図である。
【図7】図5における9個のコイルに誘起する磁極の例について説明するための図である。
【図8】コイル4個の場合について各コイルに誘起された磁極によりコイル全体に発生する磁極について説明するための図である。
【図9】図8と同様の原理でコイル9個の場合について各コイルに誘起された磁極によりコイル全体に発生する磁極について説明するための図である。
【図10】図9(a)のような磁極を持つ電磁石コイルに永久磁石が組み合わされる場合に永久磁石が駆動される原理を説明するための図である。
【図11】図9(b)のような磁極を持つ電磁石コイルに永久磁石が組み合わされる場合に永久磁石が駆動される原理を説明するための図である。
【図12】図9(c)のような磁極を持つ電磁石コイルに永久磁石が組み合わされる場合に永久磁石が駆動される原理を説明するための図である。
【図13】再び、図9(a)のような磁極を持つ電磁石コイルに永久磁石が組み合わされる場合に永久磁石が駆動される原理を説明するための図である。
【図14】従来のリニアモータの概略構成を示した図である。
【図15】本発明においてムーバを構成するために使用される永久磁石の他の例を説明するための断面図(図(a)及び図(b))である。
【図16】本発明におけるムーバの改良例を説明するための断面図(a)及び正面図(b)である。
【図17】本発明におけるムーバの他の改良例を説明するための断面図(a)及び正面図(b)である。
【図18】本発明におけるムーバ側の永久磁石体の改良例を説明するための断面図である。
【図19】本発明におけるステータ側のコイルの改良例を説明するための断面図である。
【図20】本発明において使用される三相コイルの他の例を説明するための図である。
【図21】本発明におけるムーバの案内系の他の例を説明するための斜視図である。
【図22】本発明の第2の実施の形態による2軸駆動型のテーブル装置を説明するための図である。
【符号の説明】
10 ステータ
11 センターコア
12 コイル
13 パイプ
20 ムーバ
21 永久磁石
22 磁石ケース
23 ガイドブロック
24 エンコーダヘッド
30 ベース
31 ブラケット
32 ガイドレール
33 リニアスケール
40 制御ドライバー
41 パソコン
61 アウターヨーク
65、66 スペーサ
71、74 ブッシュ
72 ガイド用パイプ
73 補助部材
80 ベース
85 スライダー
Claims (13)
- 電磁石用コイルを複数個連続的に配列し、これらの電磁石用コイルからの磁束との相互作用によりこれらの電磁石用コイルに沿って走行可能に永久磁石体を組合わせたリニアモータにおいて、
前記電磁石用コイルはU相コイル、V相コイル、W相コイルを1組としてこれらを順に直列的に配列して組合わせたものを3組以上の複数組含み、
前記複数組における複数の前記U相コイル、複数の前記V相コイル、複数の前記W相コイルはそれぞれ相毎に直列接続され、しかも2つの相における複数のコイルは奇数組における磁極に対して偶数組における磁極が反対向きになるように接続され、残りの1つの相における複数のコイルは奇数組における磁極が前記2つの相における複数のコイルの前記奇数組における磁極と反対向きであり、偶数組における磁極は前記2つの相における複数のコイルの前記偶数組における磁極と反対向きになるように接続され、
前記永久磁石体は前記電磁石用コイルを囲むことができるような環状あるいは略U形の断面形状を持ち、かつ中心軸方向と平行に着磁された磁極軸に関して前記各相のコイルの3倍の長さ寸法を持つ複数の永久磁石から成り、これら複数の永久磁石は隣接する磁極が互いに同極同士で密着し合うように直列的に組合わされ、
前記永久磁石体の内面側であって前記電磁石用コイルの外面側に、前記電磁石用コイルを収容するようにして前記永久磁石体の走行範囲にわたる筒状体が設けられ、該筒状体と前記永久磁石体の内面側との間及び前記筒状体と前記電磁石用コイルの外面側との間にはそれぞれ、ギャップができるようにされ、
前記筒状体と前記電磁石用コイルの外面側との間の前記ギャップを冷却空間としたことを特徴とするリニアモータ。 - 請求項1に記載のリニアモータにおいて、
前記複数組における複数の前記U相コイル、複数の前記V相コイル、複数の前記W相コイルはそれぞれ相毎に直列接続されると共にスター結線により接続され、これらの各相のコイルは中空軸状のセンターコアの周囲に、それらの磁極軸が前記センターコアの軸芯と同じ向きになるようにして前記永久磁石体の走行範囲にわたって直列的に装着されていることを特徴とするリニアモータ。 - 請求項1に記載のリニアモータにおいて、前記複数組における複数の前記U相コイル、複数の前記V相コイル、複数の前記W相コイルはそれぞれ相毎に直列接続されると共にデルタ結線により接続され、これらの各相のコイルは中空軸状のセンターコアの周囲に、それらの磁極軸が前記センターコアの軸芯と同じ向きになるようにして前記永久磁石体の走行範囲にわたって直列的に装着されていることを特徴とするリニアモータ。
- 請求項1〜3のいずれか1つに記載のリニアモータにおいて、前記永久磁石体の外面側に磁性体による筒状のヨークを設けたことを特徴とするリニアモータ。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載のリニアモータにおいて、隣り合う各相のコイルの間に磁性体によるスペーサ部材を介在させたことを特徴とするリニアモータ。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のリニアモータにおいて、前記センターコアは、前記永久磁石体が直線運動するような直線形状であることを特徴とするリニアモータ。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のリニアモータにおいて、前記センターコアはその延在方向の形状が円形状または円の一部を切り欠いた略C形状を有し、前記永久磁石体は円形状または略C形状の軌道に沿った周回運動または往復運動を行うことを特徴とするリニアモータ。
- 請求項6または7に記載のリニアモータにおいて、前記センターコアの中空部を冷却空間としたことを特徴とするリニアモータ。
- 請求項8に記載のリニアモータにおいて、前記永久磁石体にはガイドブロックが組み合わされ、該ガイドブロックは前記永久磁石体の走行方向に沿ってベース体に配置されたガイドにより案内されることを特徴とするリニアモータ。
- 請求項8に記載のリニアモータにおいて、前記永久磁石体はケースに収容されており、該ケースの内面側には前記筒状体の外面に沿ってスライド可能な第1のすべり軸受が少なくとも1個設けられ、前記ケースの側面側にはその側方に延びる補助部材が設けられ、該補助部材には走行方向に平行な貫通穴が設けられると共にその内面側に第2のすべり軸受が設けられ、前記筒状体に平行かつ走行方向に延在するようにガイド用案内部材を設けて前記第2のすべり軸受に該ガイド用案内部材を挿通することにより前記永久磁石体の走行案内が行われることを特徴とするリニアモータ。
- 請求項9または10に記載のリニアモータにおいて、前記電磁石用コイルを収容した前記筒状体は、ベース体に設けられた2つのブラケット間に固定されていることを特徴とするリニアモータ。
- 請求項11に記載のリニアモータにおいて、前記永久磁石体の走行方向に沿ってリニアスケールが配置され、前記永久磁石体には前記リニアスケールに対向するようにエンコーダヘッドが設けられ、該エンコーダヘッドからの検出信号は可撓性のケーブルを介して制御ドライバーに入力されることを特徴とするリニアモータ。
- 請求項12に記載のリニアモータにおいて、前記永久磁石体を含む可動部側、前記ブラケットを含む固定部側にはそれぞれ、一方に位置検出用の被検出片が設けられ、他方には前記被検出片を検出するためのセンサが設けられることを特徴とするリニアモータ。
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