JP4068741B2 - ゴルフカートのブレーキ機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、四輪懸架式ゴルフカートうち、自動的に制動力を制御して制動及び走行速度制御可能とした型式のゴルフカートに適用されるブレーキ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より四輪懸架式ゴルフカートの各車輪毎にブレーキを付設し、一つのブレーキ操作具からのリンク機構と自動ブレーキアクチュエータからのリンク機構をともにイコライザー機構に連結し、該イコライザー機構より全車輪付設のブレーキにケーブルを延設して、全ブレーキに同時に均等な制動力を付与する構成が、例えば特開平9−39751号より公知となっている。
【0003】
そして上記従来技術においては、イコライザ機構を走行車両の前輪よりも後方位置に配しており、また、ブレーキ操作具からのリンク機構と自動ブレーキアクチュエータからのリンク機構は、それぞれ別々の回動軸をもつ構成としていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来技術においては、前後左右4箇所のブレーキに延設するブレーキケーブルのうちいずれかが摩耗等により切断された場合には、イコライザ機構が左右のバランスを失い、4箇所全てのブレーキが制動しない可能性があった。
【0005】
また、該イコライザ機構をゴルフカートの前輪よりも後方に配置しているため、前輪のブレーキへ接続するブレーキケーブルに反転機構が必要となり、構成が複雑でコスト高となり、また、ブレーキを損傷させる原因となっていた。
また、イコライザ機構により前輪の後方位置のスペースが制限されるため、両ロッド式のステアリング機構を配設することが不可能であり、前輪の前部側及び後部側の左右一側にロッドが必要となる片側制御のステアリング機構を採用せざるを得なく、構成を複雑なものとし、コスト高となっていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような手段を用いる。
請求項1においては、四輪懸架式ゴルフカートの各車輪毎にブレーキを付設した構成において、一つのブレーキペダルからのリンク機構と、自動ブレーキアクチュエータからのリンク機構をともに、イコライザー機構に連結し、該イコライザー機構は、前後同調用イコライザ板と左右同調用イコライザ板により構成され、該前後同調用イコライザ板は、該回動支点を中心に水平方向に回動可能とし、該前後同調用イコライザ板の両側部を、それぞれ左右同調用イコライザ板の各中央部に枢支して構成し、該イコライザー機構の前後同調用イコライザ板の前方に、該前後同調用イコライザ板と略平行に、バランス制限装置を設け、該バランス制限装置は平面視略コ字形状をし、略左右方向の制限壁と、該制限壁の左右端において前方に延設する側壁とを一体形成し、該側壁にブレーキペダルの回動軸を枢支し、前記ブレーキペダルの回動に伴って、前後前後同調用イコライザ板が前方側に移動する際に、ブレーキケーブルが切断されたりしていない正常な場合には、ブレーキペダルが最深部まで踏込まれても、該前後同調用イコライザ板が、該バランス制限装置の制限壁に当接せず、前記ブレーキケーブルの何れかのケーブルが切断された場合には、該前後同調用イコライザ板は左右のバランスを失い回動支点を中心として、どちらかに大きく回動し、前方側へ回動する前後同調用イコライザ板の左右何れかの前端が前記制限壁に当接すべく構成したものである。
【0007】
請求項2においては、請求項1記載のゴルフカートのブレーキ機構において、前記イコライザー機構を四輪懸架ゴルフカートの前輪よりも前方に配設したものである。
【0008】
請求項3においては、請求項2記載のゴルフカートのブレーキ機構において、前記ゴルフカートの前輪は、上部側をそれぞれアッパアームにより、下部側をロアアームにより支持し、該アッパアームはそれぞれ回動支点を中心に上下方向回動自在で、該ロアアームもそれぞれ回動支点を中心に上下方向回動自在に支持し、該ロアアームには左右のコイルスプリングを装着して、ダブルウィッシュボーン式サスペンションを構成し、前記イコライザー機構を、該ダブルウイシュボーン式サスペンションのアッパアームとロアアームの上 下方向の間に配設したものである。
【0009】
請求項4においては、請求項2記載のゴルフカートのブレーキ機構において、前記前輪上部に前部座席を配するとともに、前輪より後部側に、前輪にそれぞれナックルアームを水平方向回動自在に取付け、該ナックルアームの他端は、それぞれタイロッドの左右端にユニバーサルジョイントを介して連結し、該タイロッドの左右方向で中間位置に、ステアリングギヤボックスを装着し、該ステアリングギヤボックスに、ステアリングハンドルの操作により連結機構を介して伝達された回転出力を入力し、前記タイロッドの往復運動に変換した両ロッド式の前輪ステアリング機構を配置したものである。
【0010】
請求項5においては、請求項1記載のゴルフカートのブレーキ機構において、前記ブレーキペダルの回動軸上に挿嵌されたパイプに回動アームを回動自在に支持し、該回動アームの上部において自動ブレーキアクチュエータを連結すると共に、該回動アームの下部において、常時ブレーキ制動用のバネを懸架したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を、添付の図面に基づいて説明する。図1は多人数乗りゴルフカートの全体側面図、図2は同じくブレーキ系統を示す下部平面図、図3はブレーキペダル及びイコライザ装置の側面図、図4は同じく要部拡大図、図5は前輪及びイコライザ装置の平面図、図6はイコライザ装置の平面図、図7は前輪及びサスペンション装置の正面図である。
【0012】
本発明を、図1のように、前後に座席を有する多人数(5人)乗りのゴルフカートに採用した実施の形態にて説明する。このゴルフカートの全体構成について図1より説明する。メインフレーム1の前後に左右の前輪2と左右の後輪3が懸架されており、該左右前輪2の懸架部分の上にて、前部座席台4が搭載されていて、その上に前部座席5が載置されている。また、該前部座席台4より前方に前部ステップ板6が延設されて、その前端にて、フロントカウル7が固設されており、その上部後端にハンドル8が突設されている。一方、該メインフレーム1上の前後輪2・3間より後輪3の上方にかけて、後方に回動可能なリアカウル9が搭載されており、該リアカウル9上に後部座席10が座席取付ステー10aを介して取付けられている。また、該リアカウル9の前下端と該前部座席台4の後下端との間は、後部座席10に座る人が足を降ろす後部ステップ板11がメインフレーム1上に水平状に固設されている。更に、フロントカウル7より上部後方にルーフフレーム12を延設し、また、該座席取付ステー10aと該ルーフフレーム12の後端の間にルーフ後部支柱14が枢結され、該リアカウル9の回動に追随して回動可能となっている。該ルーフフレーム12上にはルーフ13が固設されて、ゴルフカートの上方を被覆している。
【0013】
本ゴルフカートにおける駆動系について簡単に説明すると、エンジン(図示せず)が、リアカウル9内に内設しており(リアカウル9は、エンジンメンテナンスや、ともに内設されるバッテリーのメンテナンスのために後方回動するものである。)、該エンジンの後部に、図2の如くミッションケースMが連設され、該ミッションケースM内の後部に、差動装置が形成されていて、左右の後輪3L・3Rの車軸3a・3aを軸支している。即ち、後輪3を駆動輪とする後輪駆動型となっている。前輪2は従動輪であり、ハンドル8にて操舵される操舵用車輪となっている。
【0014】
次に、ブレーキ機構について図2乃至図7より説明する。まず、ブレーキ操作具であるブレーキペダル15の操作系統について説明する。図1の如く、前部ステップ板6の前部より上方にブレーキ操作具であるブレーキペダル15(他に、手動のレバーも考えられる。)が突設されていて、その下端は、該ステップ板6の下方にて、図4及び図6図示のペダルシャフトである回動軸16に挿嵌されたパイプ16aに固設されている。そしてブレーキペダル15はパイプ16aと一体に回動軸16上を回動可能としており、図4に示すように該ブレーキペダル15の中途部にはバネ17が懸架され、バネ17の他端がブレーキペダル15後方において懸架支持されており、バネ17の張力によりブレーキペダル15を後方側、つまりブレーキ非制動側に付勢している。
【0015】
また、前記回動軸16は、図6に示すように、左右方向にパイプ16a・16b・16cが挿嵌されており、それぞれ独立に回動軸16上を回動可能で、左右方向でパイプ16a・16cに挟まれるパイプ16bには、前方側にプッシュピン24が固設されている。プッシュピン24はパイプ16bより、パイプ16a・16cの前方部分にまで延設しており、前記ブレーキペダル15の回動時には該ブレーキペダル15の下部に形成されたカム部15aが当接するようにしている。
【0016】
そして、ブレーキペダル15が、図4における矢視X方向(ブレーキ制動側)に回動された場合には、該ブレーキペダル15のカム部15aが前記プッシュピン24に当接し、さらにブレーキペダル15を回動させることにより、プッシュピン24とパイプ16bを一体的に矢視Y方向に回動させる。
【0017】
一方、パイプ16bには図4及び図6に示すように、アーム18が固設されており、パイプ16bの回動に伴ってアーム18が同じく矢視Y方向に回動する。そして該アーム18の上端は、連結ロッド19の前端に設けられたブラケット19aを上下方向回動自在に枢支しており、該アーム18の回動に追随して、該連結ロッド19が前方側に引かれる。また、該連結ロッド19の後端に配設された回動支点26aにおいて、イコライザ機構Eの前後同調用イコライザ板26を水平方向回動自在に支持している。
【0018】
イコライザー機構Eについて説明する。前記の後部ステップ板11の下方において、図4、図5及び図6の如く、前後同調用イコライザー板26は、該回動支点26aを支点に水平方向に回動可能となっており、その両側部を、それぞれ左右同調用イコライザー板27F・27R(総称して左右同調用イコライザー板27)の各中央部に枢支している。
【0019】
この中で、左右同調用イコライザー板27Rは、後輪制動用ブレーキケーブル36L・36Rを連結するものであるが、その連結部分について、図6より説明する。左右同調用イコライザー板27Rの左右端に端部ロッド28・28の前端を枢支し、各端部ロッド28は後方に延出して、蛇腹状で弾性部材よりバネを被覆した吸収部材29に連結している。一方、図2の如く、左右の後輪3L・3Rに付設したドラムブレーキ37L・37Rのブレーキシューより前方に延設した後輪制動用のブレーキケーブル36L・36Rの前端部を、該イコライザー支持フレーム20の後部に固設したアウター金具30・30に摺動自在に嵌入し、各前端を、該左右同調用イコライザー板27Rに連結する金具後端に固着している。
【0020】
一方、左右同調用イコライザー板27Fに対する前輪制動用ブレーキケーブル34L・34Rの連結方法については、前輪2L・2Rに付設したドラムブレーキ35L・35Rのブレーキシューより延設される前輪制動用のブレーキケーブル34L・34Rの他端をイコライザ支持フレーム20に固設されたアウター金具30内に摺動自在に嵌入して、さらに延設して、吸収部材29の後端に固着し、該吸収部材29の前端より端部ロッド28を突設して左右同調イコライザ板27Fに枢支している。
【0021】
ブレーキケーブル34L・34R及び36L・36Rは、長時間の使用により伸び、同一の左右同調用イコライザー板27に連結している左右のブレーキケーブルの長さや位置に差異が生じた場合には、該左右同調用イコライザー板27が回動することで、この差異を是正する。従って、前輪2における左右車輪2Lと2Rを、また、後輪における左右車輪3Lと3Rを均等な操作力に保持できる。更に、本構成のゴルフカートは、四輪全てを制動するので、前輪2と後輪3との間でも、制動反応性を均等にすることが求められる。そのため、前記の如く、前輪2及び後輪3用の各左右同調用イコライザー板27F・27Rを、一個の回動自在の前後同調用イコライザー板26の左右端に枢支して、前後同調用イコライザー板26の回動により、前輪2と後輪3との間の操作量の違いをも是正するようにしているのである。
【0022】
以上のように構成したイコライザー機構Eにて、各ブレーキケーブル34L・34R・36L・36Rのいずれも均等な摺動力で操作できるようにし、各ブレーキケーブルを各々、図2の如く、前輪2L・2R及び後輪3L・3Rのそれぞれに付設したドラムブレーキ35L・35R、37L・37Rのブレーキシューに連結している。このような構成により、ブレーキペダル15を踏めば、四輪全てを均等に制動できる。
【0023】
そして、本発明のイコライザ機構Eは図5及び図6に示すように、前後同調用イコライザ板26の前方にバランス制限装置60が配設されている。バランス制限装置60は平面視略コ字形状をしたブラケットが機体に固定されており、略左右方向の制限壁61と該制限壁61左右端において前方に延設する側壁62・62とが一体形成されており、該側壁62・62において前記回動軸16を枢支している。そして、前述の如くブレーキペダル15の回動に伴ってプッシュピン24が回動し、追随してパイプ16bが回動して前記連結ロッド19が前方に引かれ、前後同調用イコライザ板26も前方側に移動するが、前記ブレーキケーブル34・36が正常(いずれかのブレーキケーブルが切断されたりしていない。)である場合には、ブレーキペダル15が最深部まで踏込まれても、該同調用イコライザ板26が該バランス制御装置60の制限壁61に当接することはない。
【0024】
ところが、前記ブレーキケーブル34・36が長期の使用により、何れかのケーブルが切断されてしまった場合には、前記前後同調用イコライザ板26は左右のバランスを失い回動支点26aを中心として、どちらかに大きく回動する。この時、前方側へ回動する前後同調用イコライザ板26の底板26bの左右何れかの前端が前記バランス制御装置60の制限壁61に当接するのである。
【0025】
これにより、前後同調用イコライザ板26は、左右のバランスを失うことなく、その姿勢を維持することが可能となるので、何れかのブレーキケーブル34・36が切断されてしまった場合においても残りのブレーキケーブル34・36がは引っ張られることになり、正常状態のケーブルにおいては影響を受けることはない。このため、1本のブレーキケーブルが切断した場合においても、前後左右4箇所の内、3箇所においてブレーキ作用が発生するため、ブレーキの信頼性が向上するのである。
【0026】
また、図2及び図5に示すように、本発明のイコライザ機構Eは前輪2よりも前方位置としている。このため、該イコライザ機構Eから延設する、各々のブレーキケーブル34L・34R・36L・36Rが全て同一の方向である後方に向けて延設する構成とすることが可能となった。これにより、イコライザ機構Eの構成がシンプルとなり、コスト減も実現するのである。また、従来はイコライザ機構が前輪よりも後方側に配設され、前輪ブレーキに連結するブレーキケーブルに反転機構を設ける必要があったが、本発明においては反転機構が必要がなく、構成がシンプルとなり、またブレーキケーブルを大きく曲げる必要がなく、ケーブルの耐久性においても優れているのである。
【0027】
以上のように、一つブレーキペダル15により四輪付設の(ドラム)ブレーキ35L・35R、37L・37Rの全て制動するブレーキ系統を利用して、即ち同一のイコライザー機構E、同一のブレーキケーブル及びブレーキを使用して、自動ブレーキ機構を構成する。これについて説明する。前記回動軸16上に挿嵌されたパイプ16cには回動アーム21が固設されており、図3及び図4に示すように、回動アーム21はパイプ16cの上方及び下方側に延設しており、その下部側においては、常時ブレーキ用バネ23が懸架されている。常時ブレーキ用バネ23の他端は回動軸16の後方において本機フレーム等に懸架されており、該回動アーム21の下部を常時後方側(つまりブレーキ制動側)に付勢している。
【0028】
そして、回動アーム21の前方部分で、前記プッシュピン24の上部付近にはカム部21aが形成されており、該回動アーム21がパイプ16cと一体に回動軸16上を図4中矢視Y方向に回動した場合には、該カム部21aが前記パイプ16bに固設されたプッシュピン24に当接し、該プッシュピン24を下方に付勢して、パイプ16bを矢視Y方向に回動させるよう構成している。
【0029】
一方、この常時ブレーキ用バネ23の付勢力に抗して、該回動アーム21を非制動側にして常時ブレーキを解除し、また、該回動アーム21の位置を調整して制動力を調節して速度制御すべく、図5乃至図7に示すように自動ブレーキアクチュエータ70が前部座席台4内に配設されている。自動ブレーキアクチュエータ70は図示せぬDCモータ、電磁クラッチ等で構成されており、モータの駆動制御によって制御アーム71を回動操作する。
【0030】
そして、該制御アーム71の回動運動に連動して図示せぬリンク機構を介して自動ブレーキロッド22が後方側へ引っ張られる。一方、該自動ブレーキロッド22の前端に設けられたブラケット22aが前記回動アーム21の上部に枢支されており、該自動ブレーキロッド22が後方に引っ張られるのに追随して、該回動アーム21を図4中矢視Y方向とは逆方向に回動させる。
【0031】
つまり、パイプ16c上に固設された回動アーム21は、前述した常時ブレーキ用バネ23により下端を矢視Y方向に付勢され、前記自動ブレーキアクチュエータ70のモータ制御により自動ブレーキロッド22を介して、該回動アーム21の上端は矢視Y方向とは逆方向に付勢されており、該自動ブレーキアクチュエータ70のモータ制御により、通常状態で常時ブレーキが作用しないよう回動アーム21の位置を維持しているのである。そして緊急状態においては該自動ブレーキアクチュエータ70のモータが制御され、自動ブレーキロッド22による回動アーム21の矢視Y方向とは逆方向への付勢力が解除され、前記常時ブレーキ用バネ23の付勢力によって該回動アーム21が矢視Y方向へ回動する。
【0032】
これにより、該回動アーム21のカム部21aが前記プッシュピン24を下方に回動させ、パイプ16bが回動し、アーム18を矢視Y方向に回動させ、連結ロッド19を前方に引っ張ってブレーキ作用を発生させるのである。以上の如く本発明のゴルフカートのブレーキ機構は、常時ブレーキ制御用の回動アーム21が前述したブレーキペダル15の回動支点である回動軸16と同一の回動軸を利用しているので、全体構成が非常にコンパクトとなり、コスト低減が図れるし、構造がシンプルであるので、ブレーキ機構の信頼性も向上するのである。
【0033】
本発明のゴルフカートは、前輪2L・2Rの上部側をそれぞれアッパアーム81L・81R、下部側をロアアーム82L・82Rにより支持し、該アッパアーム81L・81Rはそれぞれ回動支点83L・83Rを中心に上下方向回動自在で、該ロアアーム82L・82Rはそれぞれ回動支点84L・84Rを中心に上下方向回動自在に支持されており、さらに該ロアアーム82L・82Rには左右のコイルスプリング85L・85Rが装着され、ダブルウィッシュボーン式サスペンションを構成している。
【0034】
そして前記イコライザ機構Eは図7で示すように、前輪2L・2Rを支持するアッパアーム81とロアアーム82の上下方向で間に位置している。このため、イコライザ機構E及びその構成要素である前後同調用イコライザ板26、ブレーキケーブル34・36等が正面視において、前記ダブルウィッシュボーン式サスペンションを構成するアッパアーム81とロアアーム82の間に収容され、コンパクトな構成となり、前部座席5の高さを低くすることができ、乗降性が向上するのである。
【0035】
次に本発明のゴルフカートのステアリング機構90について説明する。図5及び図7に示すように、前輪2L・2Rにそれぞれナックルアーム91L・91Rが水平方向回動自在に取付けられ、該ナックルアーム91L・91Rの他端はそれぞれタイロッド92の左右端にユニバーサルジョイント93L・93Rを介して連結され、該タイロッド92の左右方向で中間よりやや右位置にステアリングギヤボックス94が装着されている。該ステアリングギヤボックス94内にはラックアンドピニオン式のステアリングギヤが収容されてり、前記ハンドル8の操作により図示せぬ連結機構を介して伝達された回転出力をタイロッド92の往復運動に変換するのである。
【0036】
つまり、従来構成においては前記イコライザ機構Eが前輪2の後方位置(本発明の構成においてナックルアーム91Lが配設されている位置付近)に配設されていたため、上述した両ロッド式のステアリング構成を採用することができなかったが、上述したように該イコライザ機構Eが前輪2よりも前方位置に配設されているため、前輪2の後方位置にスペースを確保することが可能となり、上述した両ロッド式のステアリング構成を配置可能となった。これにより、従来構成に比べてシンプルな構成とすることができ、重量軽減とコスト減を実現可能となった。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の如く、四輪懸架式ゴルフカートの各車輪毎にブレーキを付設した構成において、一つのブレーキペダルからのリンク機構と、自動ブレーキアクチュエータからのリンク機構をともに、イコライザー機構に連結し、該イコライザー機構は、前後同調用イコライザ板と左右同調用イコライザ板により構成され、該前後同調用イコライザ板は、該回動支点を中心に水平方向に回動可能とし、該前後同調用イコライザ板の両側部を、それぞれ左右同調用イコライザ板の各中央部に枢支して構成し、該イコライザー機構の前後同調用イコライザ板の前方に、該前後同調用イコライザ板と略平行に、バランス制限装置を設け、該バランス制限装置は平面視略コ字形状をし、略左右方向の制限壁と、該制限壁の左右端において前方に延設する側壁とを一体形成し、該側壁にブレーキペダルの回動軸を枢支し、前記ブレーキペダルの回動に伴って、前後前後同調用イコライザ板が前方側に移動する際に、ブレーキケーブルが切断されたりしていない正常な場合には、ブレーキペダルが最深部まで踏込まれても、該前後同調用イコライザ板が、該バランス制限装置の制限壁に当接せず、前記ブレーキケーブルの何れかのケーブルが切断された場合には、該前後同調用イコライザ板は左右のバランスを失い回動支点を中心として、どちらかに大きく回動し、前方側へ回動する前後同調用イコライザ板の左右何れかの前端が前記制限壁に当接すべく構成したので、何れかのブレーキケーブルが切断されてしまった場合においても、前後同調用イコライザ板は、左右のバランスを失うことなく、その姿勢を維持することが可能となり、正常状態のケーブルにおいては影響を受けることはない。このため、1本のブレーキケーブルが切断した場合においても、前後左右4箇所の内、3箇所においてブレーキ作用が発生するため、ブレーキの信頼性が向上するのである。
【0038】
請求項2に記載の如く、請求項1記載のゴルフカートのブレーキ機構において、前記イコライザー機構を四輪懸架ゴルフカートの前輪よりも前方に配設したので、該イコライザ機構から延設する、各々のブレーキケーブルが全て同一の方向である後方に向けて延設する構成とすることが可能となり、イコライザ機構の構成がシンプルとなり、コスト減も実現するのである。また、ブレーキケーブルに反転機構を設ける必要がなく、構成がシンプルとなり、また、ブレーキケーブルを大きく曲げる必要がなく、ケーブルの耐久性においても優れているのである。
【0039】
請求項3に記載の如く、請求項2記載のゴルフカートのブレーキ機構において、前記ゴルフカートの前輪は、上部側をそれぞれアッパアームにより、下部側をロアアームにより支持し、該アッパアームはそれぞれ回動支点を中心に上下方向回動自在で、該ロアアームもそれぞれ回動支点を中心に上下方向回動自在に支持し、該ロアアームには左右のコイルスプリングを装着して、ダブルウィッシュボーン式サスペンションを構成し、前記イコライザー機構を、該ダブルウイシュボーン式サスペンションのアッパアームとロアアームの上下方向の間に配設したので、イコライザ機構が正面視においてアッパアームとロアアームの間に収容され、コンパクトな構成となり、前部座席の高さを低くすることができ、乗降性が向上するのである。
【0040】
請求項4に記載の如く、請求項2記載のゴルフカートのブレーキ機構において、前記前輪上部に前部座席を配するとともに、前輪より後部側に、前輪にそれぞれナックルアームを水平方向回動自在に取付け、該ナックルアームの他端は、それぞれタイロッドの左右端にユニバーサルジョイントを介して連結し、該タイロッドの左右方向で中間位置に、ステアリングギヤボックスを装着し、該ステアリングギヤボックスに、ステアリングハンドルの操作により連結機構を介して伝達された回転出力を入力し、前記タイロッドの往復運動に変換した両ロッド式の前輪ステアリング機構を配置したので、シンプルな構成とすることができ、重量軽減とコスト減を実現可能となった。
【0041】
請求項5に記載の如く、請求項1記載のゴルフカートのブレーキ機構において、前記ブレーキペダルの回動軸上に挿嵌されたパイプに回動アームを回動自在に支持し、該回動アームの上部において自動ブレーキアクチュエータを連結すると共に、該回動アームの下部において、常時ブレーキ制動用のバネを懸架したので、ブレーキ機構の構成が非常にコンパクトとなり、コスト低減が図れるし、構造がシンプルであるので耐久性及び信頼性も向上するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 多人数乗りゴルフカートの全体側面図である。
【図2】 同じくブレーキ系統を示す下部平面図である。
【図3】 ブレーキペダル及びイコライザ装置の側面図である。
【図4】 同じく要部拡大図である。
【図5】 前輪及びイコライザ装置の平面図である。
【図6】 イコライザ装置の平面図である。
【図7】 前輪及びサスペンション装置の正面図である。
【符号の説明】
15 ブレーキペダル
26 前後同調用イコライザ板
27 左右同調用イコライザ板
34 前輪ブレーキケーブル
36 後輪ブレーキケーブル
60 バランス制御装置
70 自動ブレーキアクチュエータ
90 ステアリング機構
E イコライザー機構
Claims (5)
- 四輪懸架式ゴルフカートの各車輪毎にブレーキを付設した構成において、一つのブレーキペダルからのリンク機構と、自動ブレーキアクチュエータからのリンク機構をともに、イコライザー機構に連結し、該イコライザー機構は、前後同調用イコライザ板と左右同調用イコライザ板により構成され、該前後同調用イコライザ板は、該回動支点を中心に水平方向に回動可能とし、該前後同調用イコライザ板の両側部を、それぞれ左右同調用イコライザ板の各中央部に枢支して構成し、該イコライザー機構の前後同調用イコライザ板の前方に、該前後同調用イコライザ板と略平行に、バランス制限装置を設け、該バランス制限装置は平面視略コ字形状をし、略左右方向の制限壁と、該制限壁の左右端において前方に延設する側壁とを一体形成し、該側壁にブレーキペダルの回動軸を枢支し、前記ブレーキペダルの回動に伴って、前後前後同調用イコライザ板が前方側に移動する際に、ブレーキケーブルが切断されたりしていない正常な場合には、ブレーキペダルが最深部まで踏込まれても、該前後同調用イコライザ板が、該バランス制限装置の制限壁に当接せず、前記ブレーキケーブルの何れかのケーブルが切断された場合には、該前後同調用イコライザ板は左右のバランスを失い回動支点を中心として、どちらかに大きく回動し、前方側へ回動する前後同調用イコライザ板の左右何れかの前端が前記制限壁に当接すべく構成したことを特徴とするゴルフカートのブレーキ機構。
- 請求項1記載のゴルフカートのブレーキ機構において、前記イコライザー機構を四輪懸架ゴルフカートの前輪よりも前方に配設したことを特徴とするゴルフカートのブレーキ機構。
- 請求項2記載のゴルフカートのブレーキ機構において、前記ゴルフカートの前輪は、上部側をそれぞれアッパアームにより、下部側をロアアームにより支持し、該アッパアームはそれぞれ回動支点を中心に上下方向回動自在で、該ロアアームもそれぞれ回動支点を中心に上下方向回動自在に支持し、該ロアアームには左右のコイルスプリングを装着して、ダブルウィッシュボーン式サスペンションを構成し、前記イコライザー機構を、該ダブルウイシュボーン式サスペンションのアッパアームとロアアームの上下方向の間に配設したことを特徴とするゴルフカートのブレーキ機構。
- 請求項2記載のゴルフカートのブレーキ機構において、前記前輪上部に前部座席を配するとともに、前輪より後部側に、前輪にそれぞれナックルアームを水平方向回動自在に取付け、該ナックルアームの他端は、それぞれタイロッドの左右端にユニバーサルジョイントを介して連結し、該タイロッドの左右方向で中間位置に、ステアリングギヤボックスを装着し、該ステアリングギヤボックスに、ステアリングハンドルの操作により連結機構を介して伝達された回転出力を入力し、前記タイロッドの往復運動に変換した両ロッド式の前輪ステアリング機構を配置したことを特徴とするゴルフカートのブレーキ機構。
- 請求項1記載のゴルフカートのブレーキ機構において、前記ブレーキペダルの回動軸上に挿嵌されたパイプに回動アームを回動自在に支持し、該回動アームの上部において自動ブレーキアクチュエータを連結すると共に、該回動アームの下部において、常時ブレーキ制動用のバネを懸架したことを特徴とするゴルフカートのブレーキ機構。
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