JP4068331B2 - クランプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、配線、配管等の長尺物を、これら長尺物の配設対象物に対し、長尺物側に生じる機械的振動を配設対象物側に伝えないように、または、配設対象物側に生じる機械的振動を長尺物側に伝えないようにした状態で、取り付けるために用いられるクランプの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
棒状体を保持する保持体と、保持体を連結してパネル側に固定される固定体と、固定体のボックス部内に入れ込まれるボックス状をなす振動吸収体とからなり、保持体の連結板を固定体のボックス部内に入れ込まれた振動吸収体内に側方からはめ入れるようにした防振型クリップがある。(公開特許公報所載の特開平9−303621参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、かかる従来のクリップ(クランプ)は、それぞれ別体の、保持体と、固定体と、振動吸収体との3パーツを必要とするものであった。
【0004】
また、保持体が振動吸収体の内部に連結板を入れ込ませることによって固定体に連結されるようにしてあるため、保持体と固定体とをしっかりと連結し難く、また、この連結作業にあたり保持体の連結板を振動吸収体内に側方から入れ込むことを余儀なくされるばかりか、この連結作業に節度感も与えにくいものであった。
【0005】
そこでこの発明は、この種のクランプを長尺物を保持するクランプ体とこの長尺物の配設対象物への取付部を有する固定体との2パーツから構成すると共に、このクランプ体と固定体とをしっかりと連結できるようにした状態で、この種のクランプに振動吸収機能を持たせるようにすることを主たる目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明にあっては、クランプが以下の(1)〜(5)の構成を備えたものとした。
(1) 配線、配管等の長尺物のクランプであって、(2)前記長尺物をその側方からはめ込み状に受け入れるはめ込み部を有するクランプ体と、(3)このクランプ体に備えられた被掛合部への掛合部と、前記長尺物の配設対象物への取付部とを有する固定体とを有しており、(4)この固定体の主体部は、中間層を軟質の合成樹脂よりなる振動吸収層とした三層によって構成されていると共に、(5)この中間層を挟んだ硬質の合成樹脂よりなる一方の層の外面に硬質の合成樹脂よりなる前記掛合部を形成させ、この中間層を挟んだ硬質の合成樹脂よりなる他方の層の外面に硬質の合成樹脂よりなる前記取付部を形成させている。
【0007】
かかる構成によれば、前記クランプ体と固定体との2パーツでありながら、前記振動吸収層によって、長尺物側に生じる機械的振動を配設対象物側にできる限り伝えないように吸収することができ、また、配設対象物側に生じる機械的振動を吸収して長尺物側にできる限り伝えないようにすることができる。
【0008】
また、固定体の掛合部は硬質の合成樹脂により構成されていることから、固定体とクランプ体との掛合は強固に確保することができ、また、固定体の取付部も硬質の合成樹脂により構成されていることから、固定体と配設対象物との取り付け状態も強固に確保することができる。
【0009】
また、配設対象物に対し前記取付部によって予め取り付けた固定体に対し、長尺物をはめ込み部によって保持させたクランプ体を掛合させることによって、この長尺物を配設対象物に取り付けるように用いることもでき、長尺物のこの取り付けをもっとも行いやすい態様でなすことができる。さらに、径の異なる長尺物、保持すべき長尺物の本数の変更などが要請される場合には、固定体の形状を変更することなく、クランプ体のはめ込み部の大きさ、数などの変更によってこうした要請に応えることができ、この種のクランプのコストダウンに寄与しうる特長を有している。
【0010】
また、請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載のクランプにおける固定体が、掛合部及び取付部をインサートとした射出成形により振動吸収層を形成させて、又は、振動吸収層をインサートとした射出成形により掛合部及び取付部を形成させて、構成されていることを特徴としている。
【0011】
かかる構成によれば、振動吸収機能を備えたクランプを、容易かつ適切に製造することができる。
【0012】
また、請求項3記載の発明にあっては、請求項1又は請求項2記載のクランプにおける固定体の取付部が、配設対象物に形成された取付穴への入れ込みに伴って一旦弾性変形された後の弾発によりこの取付穴に掛合される掛合片を有していることを特徴としている。
【0013】
かかる構成によれば、配設対象物の取付穴に対し固定体の取付部を入れ込ませることにより、ワンタッチで配設対象物に対し固定体を取り付けさせることができる。
【0014】
また、請求項4記載の発明にあっては、請求項1、請求項2又は請求項3記載のクランプにおける固定体の掛合部が、弾性変形可能な一対の壁体を備えて構成されており、
この一対の壁体における他方の壁体に向き合った側に、この一対の壁体間へのクランプ体の被掛合部の入れ込みに伴ってこの被掛合部に突き当たって壁体を外向きに弾性変形させると共に、この一対の壁体間にクランプ体の被掛合部を入れ込み切った位置での壁体の弾発によってクランプ体の被掛合部に形成された掛合凹部に引っかかる掛合突部が形成してあることを特徴としている。
【0015】
かかる構成によれば、固定体に対しクランプ体を容易かつ確実に掛合させることができる。また、掛合に節度感があり作業性を向上させることができる。
【0016】
また、請求項5記載の発明にあっては、請求項4記載のクランプにおけるクランプ体の被掛合部が、頭部と軸部とを有し、かつ、この頭部と軸部との寸法差によって掛合凹部を形成するように構成してあることを特徴としている。
【0017】
かかる構成によれば、クランプ体を固定体に掛合させた後、前記軸部の軸線をほぼ中心としたクランプ体の回動を許容することができ、配線、配管等の長尺物のセッティングに対する利便性を高めることができる。
【0018】
また、請求項6記載の発明にあっては、請求項5記載のクランプがさらに、固定体の一対の壁体の壁面と交叉する向きに壁面を有する一対の抜け止め壁体を有しており、
一対の壁体と一対の抜け止め壁体による囲繞内側に、クランプ体の被掛合部が入れ込まれる構成としてあることを特徴としている。
【0019】
かかる構成によれば、クランプ体を固定体に掛合させた後、前記軸部の軸線をほぼ中心としたクランプ体の回動を許容する構成を備えながら、前記一対の壁体の延設方向に沿った前記頭部の移動によるこの一対の壁体間からの頭部の抜け出しを阻止することができる。
【0020】
また、請求項7記載の発明にあっては、請求項4、請求項5又は請求項6記載のクランプにおける固定体の一対の壁体の少なくとも一方の上部に、この壁体を外向きに弾性変形させる操作を可能とする操作片が形成してあることを特徴としている。
【0021】
かかる構成によれば、クランプ体を固定体に掛合させた後、この操作片を把持などして一対の壁体の一方を外向きに撓み出させる操作をなすことができ、これにより、必要に応じて前記掛合突部と掛合凹部との掛合を解いてクランプ体と固定体とを容易に分離させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図5に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について説明する。
【0023】
なお、ここで図1は、この実施の形態にかかるクランプを構成するクランプ体1と固定体2とを分離した状態で示しており、また、図2は、クランプ体1に長尺物Wを保持させると共に、固定体2を配設対象物Pに取り付けた状態において、両者を掛合させ合う直前の状態を、また、図3は、図2の状態から両者を掛合させ合わせた状態を図2と異なる向きから見た状態として、それぞれ示している。
【0024】
また、図4は、図1ないし図3に示されるクランプのバリエーションの一つをクランプ体1と固定体2とを分離した状態として、また、図5は、図1ないし図3に示されるクランプのバリエーションの他の一つを固定体2のみを表すことにより、それぞれ示している。
【0025】
この実施の形態にかかるクランプは、配線、配管等の長尺物Wを、これら長尺物Wの配設対象物Pに対し、長尺物W側に生じる機械的振動を配設対象物P側に伝えないように、または、配設対象物P側に生じる機械的振動を長尺物W側に伝えないようにした状態で、取り付けるために用いられるものである。
【0026】
すなわち、かかるクランプは、こうした機械的振動の生じるもの、典型的には、自動車を構成する各種ケーブルやワイヤーハーネス、各種パイプやホース、各種ロッドなどの長尺物Wを、自動車のボディパネルなどの配設対象物P側に取り付けるために用いるのに適している。
【0027】
かかるクランプは、
(1)前記長尺物Wをその側方からはめ込み状に受け入れるはめ込み部11を有するクランプ体1と、
(2)このクランプ体1への掛合部22と、前記長尺物Wの配設対象物Pへの取付部23とを有する固定体2とを有している。
【0028】
(クランプ体1)
図1ないし図3に示される例にあっては、前記クランプ体1は、ベース10の一方側に、複数の前記はめ込み部11、11…を備えると共に、このベース10の他方側に前記クランプ体1への被掛合部12を有するように構成されている。
【0029】
複数のはめ込み部11、11…は、前記ベース10の幅方向に沿った溝状をなすように構成されている。また、この溝状をなすはめ込み部11は、その両溝端においてそれぞれ外方に開放されている。また、この溝状をなす複数のはめ込み部11、11…はそれぞれ、隣り合うはめ込み部11に対し、ほぼ平行をなすように形成されている。
【0030】
そして、この溝状をなすはめ込み部11はそれぞれ、その溝口側から前記長尺物Wをこの長尺物Wの側方から溝底側にはめ込み状に受け入れて、このように受け入れられた長尺物Wを保持するように構成されている。
【0031】
具体的には、各はめ込み部11は、その溝口側に、溝を形成する両溝壁から溝底側に向けて斜め下方に突き出す弾性保持片11aを有している。そして、一つのはめ込み部11における一対の弾性保持片11a、11aの突き出し端間の間隔が、保持すべき長尺物Wの径よりもやや小さくなるように構成してある。
【0032】
これにより、図1ないし図3に示される例にあっては、長尺物Wの側部を前記はめ込み部11の溝口側に押し付けさせることにより、前記一対の弾性保持片11a、11aを一旦両弾性保持片11a間の間隔を広げ出させる向きに弾性変形させてはめ込み部11の溝底側に長尺物Wを受け入れさせることできると共に、この弾性保持片11aの突き出し端を長尺物Wの最も太い部分が乗り越えた長尺物Wの入れ込み位置において前記一対の弾性保持片11a、11aを弾性復帰させて、再びはめ込み部11から長尺物Wが抜け出さないようにこの長尺物Wをはめ込み部11内においてワンタッチで保持することができる。
【0033】
(固定体2)
図1ないし図3に示される例にあっては、前記固定体2は、板状をなす主体部20の一面側に脚状部21を有するように構成されている。
【0034】
そして、かかる固定体2は、前記主体部20における脚状部21の形成側と反対の側に、前記クランプ体1の被掛合部12に対する掛合部22を備えていると共に、この脚状部21を配設対象物Pに形成された取付穴Hに入れ込ませることにより配設対象物Pに取り付けられる構成としてある。
【0035】
すなわち、図1ないし図3に示される例にあっては、前記主体部20の脚状部21の形成側が前記取付部23となるようにしてある。
【0036】
具体的には、図1ないし図3に示される例にあっては、かかる脚状部21は、中空の円柱軸状をなすように構成されている。また、脚状部21の対向位置にはそれぞれ、配設対象物Pに形成された取付穴Hへの入れ込みに伴って一旦弾性変形された後の弾発によりこの取付穴Hに掛合される掛合片21aが形成されている。
【0037】
かかる掛合片21aは、前記脚状部21に形成された割溝21bによって、この脚状部21の末端側に基部を持つと共に、この基部を中心として脚状部21の内側に入り込む弾性変形を可能とするように構成されている。また、この掛合片21aの外面は、この掛合片21aの先端側に近付くに連れて掛合片21aの肉厚を厚くする向きに傾斜した傾斜面21cによって、脚状部21の外面よりも外方に次第に突き出すように構成されていると共に、掛合片21aの先端には、前記主体部20の一面側との間に配設対象物Pの厚さ寸法よりもやや広い間隔を開けてこの一面側に向き合う掛合面21dが形成されている。
【0038】
これにより、この図1ないし図3に示される例にあっては、前記一対の掛合片21a、21aにおけるこの掛合片21aの掛合面21dと傾斜面21cとの接し合う頂部21e間の間隔よりも穴径をやや小さくする取付穴Hに対し、脚状部21を入れ込ませることにより、前記一対の掛合片21a、21aを一旦内向きに撓み込ませることができる共に、この掛合片21aの頂部21eが取付穴Hの入れ込み先側の穴縁を乗り越えた位置で掛合片21aを弾発させてこの入れ込み先側にある取付穴Hの穴縁部に前記掛合面21dを掛合させることができ、これによりワンタッチで配設対象物Pに対し固定体2を取り付けさせることができる。
【0039】
また、図1ないし図3に示される例にあっては、固定体2の掛合部22は、前記主体部20における脚状部21の形成側と反対の側にある面に間隔を開けて形成された弾性変形可能な一対の壁体22a、22aによって構成されている。
【0040】
具体的には、この図1ないし図3に示される例にあっては、かかる壁体22aは、前記主体部20の向き合った辺部にそれぞれ設けられており、かつ、この辺部に沿って延びるリブ状体22bによって構成されている。
【0041】
また、かかる壁体22aは、その突き出し端側における他方の壁体22aに向き合った側に、他方の壁体22a側に突き出す掛合突部22cを有している。この掛合突部22cは、前記リブ状体22bの延長方向に沿って長く連なるように形成されている。また、頂部22dを挟んだ一方側に前記主体部20の面に向き合った掛合面22eを有すると共に、この頂部22dを挟んだ他方側にこの頂部22dに向かうに連れて他方の壁体22aに近付く向きに傾斜した傾斜面22fを有している。そして、一対の壁体22a、22aの一方の掛合突部22cの頂部22dと一対の壁体22a、22aの他方の掛合突部22cの頂部22dとの間の間隔が、クランプ体1の被掛合部12の両側面12c、12c間の間隔よりもやや狭くなるように構成してある。
【0042】
一方、図1ないし図3に示される例にあっては、クランプ体1の被掛合部12は、このクランプ体1における前記はめ込み部11が設けられた側と反対の側から突き出す台状をなすように構成されていると共に、この被掛合部12には、クランプ体1の一辺に沿ったスリット状をなす貫通穴12aが形成されている。この貫通穴12aは、この被掛合部12の背中合わせの位置にある一対の側面12c、12cにおいてそれぞれ外方に開放されており、この貫通穴12aによって前記被掛合部12の両側にそれぞれ掛合凹部12bが形成されるようにしてある。
【0043】
そして、この図1ないし図3に示される例にあっては、前記固定体2側の一対の壁体22a、22a間へのクランプ体1の被掛合部12の入れ込みに伴ってこの被掛合部12に前記掛合突部22cが突き当たってこの壁体22aを外向きに弾性変形させると共に、この一対の壁体22a、22a間にクランプ体1の被掛合部12を入れ込み切った位置での壁体22aの弾発によってクランプ体1の被掛合部12に形成された掛合凹部12bにこの掛合突部22cが引っかかるようにしてある。
【0044】
具体的には、
(1)先ず、クランプ体1の被掛合部12における掛合凹部12bが形成された側面12cを固定体2の壁体22aに向き合わせる向きで、一対の壁体22a、22a間に被掛合部12を入れ込ませると、この側面12cに掛合突部22cの傾斜面22eが押し当てさせられ、壁体22aは外向きに徐々に弾性変形される。
(2)そして、この壁体22aの弾性変形によりクランプ体1の被掛合部12を壁体22aの基部側に進入させることができる。
(3)次いで、このように進入された被掛合部12の掛合凹部12bに掛合突部22cが入り込む位置まで一対の壁体22a、22a間にクランプ体1の被掛合部12が入れ込まれると、壁体22aが弾性復帰(つまり弾発)され、これによりクランプ体1と固定体2とが掛合される。
【0045】
この結果、この実施の形態にかかるクランプによれば、配設対象物Pに対し前記取付部23によって予め取り付けた固定体2に対し、長尺物Wをはめ込み部11によって保持させたクランプ体1を掛合させることによって、この長尺物Wを配設対象物Pに取り付けるように用いることもでき、長尺物Wのこの取り付けをもっとも行いやすい態様でなすことができる。
【0046】
また、この実施の形態にあっては、前記固定体2の掛合部22と取付部23とが硬質の合成樹脂により構成されていると共に、この固定体2の掛合部22と取付部23との間に軟質の合成樹脂により構成されている振動吸収層24が設けてある。
【0047】
具体的には、図1ないし図3に示される例にあっては、固定体2の主体部20が三層によって構成されていると共に、そのうちの中間層が振動吸収層24とされ、この中間層を挟んだ一方の層の外面に前記掛合部22を形成させ、この中間層を挟んだ他方の層の外面に前記取付部23を形成させている。
【0048】
この結果、この実施の形態にあっては、この振動吸収層24によって、長尺物W側に生じる機械的振動を配設対象物P側にできる限り伝えないように吸収することができ、また、配設対象物P側に生じる機械的振動を吸収して長尺物W側にできる限り伝えないようにすることができる。自動車の配線、配管等の長尺物Wの取り付けにこのクランプを用いる場合にあっては、自動車走行時の異音発生を可及的に防止することができる。
【0049】
また、固定体2の掛合部22は硬質の合成樹脂により構成されていることから、固定体2とクランプ体1との掛合は強固に確保することができ、また、固定体2の取付部23も硬質の合成樹脂により構成されていることから、固定体2と配設対象物Pとの取り付け状態も強固に確保することができる。
【0050】
前記振動吸収層24を構成する軟質の合成樹脂としては、例えば、合成ゴム、プラスチックエラストマーを用いることができる。
【0051】
また、図1ないし図3に示される例にあっては、固定体2が、掛合部22及び取付部23をインサートとした射出成形により振動吸収層24を形成させて、又は、振動吸収層24をインサートとした射出成形により掛合部22及び取付部23を形成させて、構成できるようにしてある。
【0052】
すなわち、図1ないし図3に示される例にあっては、前記固定体2の主体部20における前記中間層を挟んだ両側の層がそれぞれ板状をなすように構成されており、また、この中間層がこの両側の層にサンドイッチされた板状をなすように構成されており、先に成形された前記両側の層側をインサートとしてこの両側の層間に中間層を成形すること、あるいは、先に成形された中間層をインサートとしてこの両側の層側を成形することが容易に行えるようになっている。
【0053】
(変更例)
図4は、図1ないし図3に示される例のバリエーシュンの一つを示している。
【0054】
この図4に示される例にあっては、クランプ体1の被掛合部12が、頭部12dと軸部12eとを有し、かつ、この頭部12dと軸部12eとの寸法差によって掛合凹部12bを形成するように構成してある。
【0055】
具体的には、この図4に示される例にあっては、クランプ体1におけるはめ込み部11の形成側と反対の側から円柱軸状をなす軸部12eを突設させると共に、この軸部12eの突き出し端部を円盤状の頭部12dの一面に一体に連接させるようにしている。
【0056】
そして、この頭部12dの径が、固定体2の掛合部22を構成する一対の壁体22a、22aの掛合突部22cの頂部22d間の間隔よりもやや大きくなるようにしてある。
【0057】
これにより、この図4に示される例にあっては、前記固定体2側の一対の壁体22a、22a間へのクランプ体1の被掛合部12の入れ込みに伴ってこの壁体22aの掛合突部22cを前記頭部12dに押し当ててこの壁体22aを外向きに一旦弾性変形させると共に、この掛合突部22cの頂部22dを前記頭部12dが乗り越えた位置でこの壁体22aを弾発させることができ、この壁体22aの弾発によってクランプ体1の頭部12dにおける軸部12eとの連接側の面に前記掛合突部22cをワンタッチで掛合させることができる。
【0058】
また、この図4に示される例にあっては、このようにクランプ体1を固定体2に掛合させた後、前記軸部12eの軸線をほぼ中心としたクランプ体1の回動を許容することができ、配線、配管等の長尺物Wのセッティングに対する利便性を高めることができる。
【0059】
また、この図4に示される例にあっては、前記固定体2の一対の壁体22a、22aの壁面と交叉する向きに壁面を有する一対の抜け止め壁体25、25を有しており、一対の壁体22a、22aと一対の抜け止め壁体25、25による囲繞内側に、クランプ体1の被掛合部12が入れ込まれる構成としてある。
【0060】
すなわち、この図4に示される例にあっては、一対の壁体22a、22aを構成する一対のリブ状体22bの一方の末端側の側方に、このリブ状体22bに直交する向きに延びる前記抜け止め壁体25を形成するリブ25aが形成してあると共に、一対の壁体22a、22aを構成する一対のリブ状体22bの他方の末端側の側方に、このリブ状体22bに直交する向きに延びる前記抜け止め壁体25を形成するリブ25aが形成してある。そして、このリブ25aが、前記一対の壁体22a、22aの掛合突部22cに掛合された頭部12dの側端面に側方から突き当てられる高さを持つように構成されている。
【0061】
これにより、この図4に示される例にあっては、クランプ体1を固定体2に掛合させた後、前記軸部12eの軸線をほぼ中心としたクランプ体1の回動を許容する構成を備えながら、前記一対の壁体22a、22aの延設方向に沿った前記頭部12dの移動によるこの一対の壁体22a、22a間からの頭部12dの抜け出しを阻止することができる。
【0062】
図5は、図1ないし図3に示される例のバリエーシュンの他の一つを示している。
【0063】
この図5に示される例にあっては、前記固定体2の一対の壁体22a、22aの少なくとも一方の上部(つまり壁体22aの突き出し端)に、この壁体22aを外向きに弾性変形させる操作を可能とする操作片26が形成してある。
【0064】
具体的には、この図5に示される例にあっては、前記固定体2の一対の壁体22a、22aの一方に、一端をこの壁体22aの上部に一体に連接させると共に、他端に向かうに連れて一対の壁体22a、22aの他方の側から次第に離れ出すように上方に斜めに延びる板状をなす操作片26が設けてある。
【0065】
この結果、この図5に示される例にあっては、クランプ体1を固定体2に掛合させた後、この操作片26を把持などして一対の壁体22a、22aの一方を外向きに撓み出させる操作をなすことができ、これにより、必要に応じて前記掛合突部22cと掛合凹部12bとの掛合を解いてクランプ体1と固定体2とを容易に分離させることができる。
【0066】
【発明の効果】
この発明にかかるクランプによれば、クランプ体と固定体との2パーツでありながら、振動吸収層によって、クランプ体によって保持される長尺物側に生じる機械的振動を長尺物の配設対象物側にできる限り伝えないように吸収することができ、また、配設対象物側に生じる機械的振動を吸収して長尺物側にできる限り伝えないようにすることができる。
【0067】
また、固定体の掛合部は硬質の合成樹脂により構成されていることから、固定体とクランプ体との掛合は強固に確保することができ、 また、固定体の取付部も硬質の合成樹脂により構成されていることから、固定体と配設対象物との取り付け状態も強固に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クランプの分離斜視図
【図2】同分離側面図
【図3】同使用状態を示す側面図
【図4】図1ないし図3に示されるクランプと構成の一部を異ならせたクランプの例をを示す分離斜視図
【図5】図1ないし図3に示されるクランプと構成の一部を異ならせたクランプの他の一つの例にかかる固定体2を示す斜視図
【符号の説明】
W 長尺物
P 配設対象物
1 クランプ体
11 はめ込み部
2 固定体
22 掛合部
23 取付部
24 振動吸収層

Claims (7)

  1. 配線、配管等の長尺物のクランプであって、
    前記長尺物をその側方からはめ込み状に受け入れるはめ込み部を有するクランプ体と、
    このクランプ体に備えられた被掛合部への掛合部と、前記長尺物の配設対象物への取付部とを有する固定体とを有しており、
    この固定体の主体部は、中間層を軟質の合成樹脂よりなる振動吸収層とした三層によって構成されていると共に、
    この中間層を挟んだ硬質の合成樹脂よりなる一方の層の外面に硬質の合成樹脂よりなる前記掛合部を形成させ、この中間層を挟んだ硬質の合成樹脂よりなる他方の層の外面に硬質の合成樹脂よりなる前記取付部を形成させていることを特徴とするクランプ。
  2. 固定体が、掛合部及び取付部をインサートとした射出成形により振動吸収層を形成させて、又は、振動吸収層をインサートとした射出成形により掛合部及び取付部を形成させて、構成されていることを特徴とする請求項1記載のクランプ。
  3. 固定体の取付部が、配設対象物に形成された取付穴への入れ込みに伴って一旦弾性変形された後の弾発によりこの取付穴に掛合される掛合片を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のクランプ。
  4. 固定体の掛合部が、弾性変形可能な一対の壁体を備えて構成されており、
    この一対の壁体における他方の壁体に向き合った側に、この一対の壁体間へのクランプ体の被掛合部の入れ込みに伴ってこの被掛合部に突き当たって壁体を外向きに弾性変形させると共に、この一対の壁体間にクランプ体の被掛合部を入れ込み切った位置での壁体の弾発によってクランプ体の被掛合部に形成された掛合凹部に引っかかる掛合突部が形成してあることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のクランプ。
  5. クランプ体の被掛合部が、頭部と軸部とを有し、かつ、この頭部と軸部との寸法差によって掛合凹部を形成するように構成してあることを特徴とする請求項4記載のクランプ。
  6. 固定体の一対の壁体の壁面と交叉する向きに壁面を有する一対の抜け止め壁体を有しており、
    一対の壁体と一対の抜け止め壁体による囲繞内側に、クランプ体の被掛合部が入れ込まれる構成としてあることを特徴とする請求項5記載のクランプ。
  7. 固定体の一対の壁体の少なくとも一方の上部に、この壁体を外向きに弾性変形させる操作を可能とする操作片が形成してあることを特徴とする請求項4、請求項5又は請求項6記載のクランプ。
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