JP4068213B2 - 可変速巻上装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、巻上用モータをインバータ制御することにより、荷重に応じて巻上および巻下速度を切り替える可変速巻上装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来の可変速巻上装置は、例えば特開平2−291393号公報および特開平2−291394号公報等に示されるように、軽負荷で定格周波数運転した時の巻上用モータの回転速度に対応した値を、高速運転切替判断基準値としてマイコンに予め固定値として記憶しておく。そして、定格周波数で運転し、巻上の場合はこの基準値より回転速度が速いとき、巻下の場合はこの基準値より回転速度が遅いときにそれぞれすべりが小さく軽負荷であると判断し、定格速度を越えた高速運転への切り替えを自動的に行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の可変速巻上装置は以上のようにして高速運転への切り替えを行っているが、各ユーザにおいては、フックに専用吊具を吊り、さらにこの専用吊具に荷物を吊り下げて運転する場合がある。この場合、ユーザとしては専用吊具だけの場合は作業の高速化のため定格速度より速い軽負荷高速で、荷物を吊っている場合は安全のため定格速度で運転できることを希望する。
【0004】
従って、希望の重さの荷重(通常の25%荷重まで)を高速運転させるためには、マイコン内部に固定値として記憶される高速運転切替判断基準値を設定する必要があり、出荷前の試験で希望の重さの荷重を準備した上、この荷重を吊って運転した時の巻上用モータのすべりを実測しなければならず、また、実測結果により設定された基準値を記憶させたマイコンを実装した基板を新たに製作して交換しなければならない等、面倒な作業が必要で時間がかかるという問題点があった。
【0005】
また、ユーザにおいて電源電圧の変動、機械効率の変化等があり、専用吊具のみであっても巻上用モータのすべりが大きくなり軽負荷高速運転への切り替えができなくなった場合、または、ユーザにおいて専用吊具を変更した場合等、ユーザで高速運転切替判断基準値の変更、書き換えができないため、メーカで基準値を変更した基板を製作して交換する必要があり、多大な費用と時間がかかるという問題点があった。
【0006】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、出荷後各ユーザにおいて高速運転切替判断基準値の設定が容易にでき、また、ユーザ固有の専用吊具等の荷重条件に応じて、高速運転切替判断基準値の設定、変更ができる可変速巻上装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る可変速巻上装置は、インバータにより制御される巻上用モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、オペレータの操作により高速運転許容荷重で定格周波数運転時における回転速度に対応する値を高速運転切替判断基準値として設定し記憶する高速運転切替判断基準値設定手段と、実負荷吊荷重で定格周波数運転時における回転数に対応する値と高速運転切替判断基準値とを比較し、上記値が高速運転切替判断基準値よりも巻上の場合は大、巻下の場合は小で高速運転切替判断をしてインバータへ高速運転の指令を行う高速運転指令手段とを備えるとともに、さらに上記高速運転切替判断基準値設定手段が、高速運転切替判断基準値の設定を巻上の場合は所定の値以上に、巻下の場合は所定の値以下にそれぞれ制限する基準値制限機能を有したものである。
【0008】
また、この発明の請求項2に係る可変速巻上装置は、インバータにより制御される巻上用モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、オペレータの操作により高速運転許容荷重に相当する実吊荷重で定格周波数運転時における回転速度に対応する値を高速運転切替判断基準値として設定し記憶する高速運転切替判断基準値設定手段と、実負荷吊荷重で定格周波数運転時における回転数に対応する値と高速運転切替判断基準値とを比較し、上記値が高速運転切替判断基準値よりも巻上の場合は大、巻下の場合は小で高速運転切替判断をしてインバータへ高速運転の指令を行う高速運転指令手段とを備えるとともに、さらに上記高速運転切替判断基準値設定手段が、高速運転切替判断基準値の設定を巻上の場合は所定の値以上に、巻下の場合は所定の値以下にそれぞれ制限する基準値制限機能を有したものである。
【0009】
また、この発明の請求項3に係る可変速巻上装置は、インバータにより制御される巻上用モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、オペレータの操作により高速運転許容荷重で定格周波数を越える一定周波数で軽負荷高速運転時における回転速度に対応する値を高速運転キャンセル判断基準値として設定し記憶する高速運転キャンセル判断基準値設定手段と、実負荷吊荷重で一定周波数運転時における回転数に対応する値と高速運転キャンセル判断基準値とを比較し、上記値が高速運転キャンセル判断基準値よりも巻上の場合は小、巻下の場合は大で高速運転キャンセル判断をしてインバータへ高速運転キャンセルの指令を行う高速運転キャンセル指令手段とを備えるとともに、さらに上記高速運転キャンセル判断基準値設定手段が、高速運転キャンセル判断基準値の設定を巻上の場合は所定の値以上に、巻下の場合は所定の値以下にそれぞれ制限する基準値制限機能を有したものである。
【0010】
また、この発明の請求項4に係る可変速巻上装置は、インバータにより制御される巻上用モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、オペレータの操作により高速運転許容荷重に相当する実吊荷重で定格周波数を越える一定周波数で軽負荷高速運転時における回転速度に対応する値を高速運転キャンセル判断基準値として設定し記憶する高速運転キャンセル判断基準値設定手段と、実負荷吊荷重で一定周波数運転時における回転数に対応する値と高速運転キャンセル判断基準値とを比較し、上記値が高速運転キャンセル判断基準値よりも巻上の場合は小、巻下の場合は大で高速運転キャンセル判断をしてインバータへ高速運転キャンセルの指令を行う高速運転キャンセル指令手段とを備えるとともに、さらに上記高速運転キャンセル判断基準値設定手段が、高速運転キャンセル判断基準値の設定を巻上の場合は所定の値以上に、巻下の場合は所定の値以下にそれぞれ制限する基準値制限機能を有したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態1における可変速巻上装置の構成を示すブロック図である。
図において、1はフレーム、2は巻上用モータ、3は電磁ブレーキ、4は回転速度検出手段としてのロータリエンコーダ、5は巻ドラム、6はワイヤロープ、7は吊りフック、8はこの吊りフック7に吊り下げられた専用吊具、9は電磁ブレーキ3を駆動制御するブレーキ駆動手段である。
【0012】
10はロータリエンコーダ4によって検出される巻上用モータ2の回転速度に対応した出力値10aを出力する回転速度変換手段、11はオペレータにより操作されるインタフェース12の入力で、高速運転許容荷重(通常25%荷重まで)で定格周波数運転時における巻上用モータの回転速度に対応した出力値に相当する値を高速運転切替判断基準値11aとして設定し記憶する高速運転切替判断基準値設定手段、13は実負荷吊荷重で定格周波数運転時に回転速度変換手段10から出力される出力値10aと、高速運転切替判断基準値設定手段11に記憶された高速運転切替判断基準値11aとを比較し、出力値10aが高速運転切替判断基準値11aよりも巻上の場合は大、巻下の場合は小で高速運転切替判断を行って、巻上用モータ2を制御するインバータ14へ高速運転指令13aを出力する高速運転指令手段である。
【0013】
上記のように構成された実施の形態1における可変速巻上装置によれば、予め同型式の別のホイストで実測しておいた、高速運転許容荷重を定格周波数60Hzで運転した時の巻上用モータ2の回転速度に対応した出力値に相当する値を、オペレータにより操作されるインタフェース12の入力により高速運転切替判断基準値11aとして設定し高速運転切替判断基準値設定手段11に入力して記憶させ、実際に専用吊具8に吊り下げられた実吊荷重を60Hz運転してみて、この時に回転速度変換手段10から出力される出力値10aと、高速運転切替判断基準値設定手段11に記憶された高速運転切替判断基準値11aとを高速運転指令手段13により比較し、巻上の場合には出力値10aの方が大きく、巻下の場合には出力値10aの方が小さければ、それぞれ軽負荷であると判断してインバータ14へ高速運転指令13aを出力するようにしているので、予め同型式の別のホイストで実測しておいた結果に応じてオペレータ12の操作により高速運転切替判断基準値11aを設定、変更することができるため、従来のように出荷ホイスト個別の試験結果に基づいて基板を製作するような面倒な作業が不要となり、ひいては作業時間の短縮、原価低減を図ることが可能になる。
【0014】
また、ユーザにおける電源電圧の変動、機械効率の変化等により、巻上用モータ2のすべりが大きくなり専用吊具8のみの吊荷重であるにもかかわらず軽負荷高速運転への切り替えができなくなった場合でも、ユーザでの高速運転切替判断基準値11aの変更、書き換えが容易にできるため、基板の交換が不要となり短時間で高速運転切替判断基準値11aの設定変更を行うことが可能になる。さらにまた、ユーザにおいて専用吊具8を別の吊具に変更したような場合でも、巻上用モータ2の回転速度を実測しなくても、オペレータにより操作されるインタフェース12の入力により高速運転切替判断基準11aの設定変更を行うことができ、実際に運転をし軽負荷高速運転への切り替えができるまで何度も設定をくり返すだけでいいので基板を製作し交換する必要がなくなる。
【0015】
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2における可変速巻上装置の構成を示すブロック図である。
図において、上記実施の形態1におけると同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。15はオペレータにより操作されるインタフェース12の入力により、高速運転許容荷重(通常25%荷重まで)に相当する実吊荷重で定格周波数運転時において、回転速度変換手段10より出力される出力値10aから基準値設定回路16を介して高速運転切替判断基準値15aを設定し記憶する高速運転切替判断基準値設定手段である。
【0016】
上記のように構成された実施の形態2における可変速巻上装置によれば、オペレータにより操作されるインタフェース12の入力により、出荷試験において高速運転許容荷重としたい専用吊具8等に相当する実吊荷重を定格周波数で運転した時の巻上用モータ2の回転速度に対応した出力値10aを高速運転切替判断基準値設定手段15に入力し、基準値設定回路16を介して高速運転切替判断基準値15aを設定して記憶させ、上記実施の形態1の場合と同様に、顧客が実際に専用吊具8に吊り下げられた実吊荷重を60Hz運転してみて、この時に回転速度変換手段10から出力される出力値10aと、高速運転切替判断基準値設定手段15に記憶された高速運転切替判断基準値15aとを高速運転指令手段13により比較し、巻上の場合には出力値10aの方が大きく、巻下の場合には出力値10aの方が小さければ、それぞれ軽負荷であると判断してインバータ14へ高速運転指令13aを出力するようにしているので、上記実施の形態1におけると同様の効果を得ることは勿論のこと、出荷前の試験で例えば専用吊具8等のように軽負荷高速運転をしたい荷重を吊って運転すれば、この時に検出される巻上用モータ2の回転速度に対応した出力値10aに相当する値が、高速運転切替判断基準値15aとして自動的に設定、記憶されるため、さらに作業時間の短縮を図ることができる。
【0017】
実施の形態3.
図3はこの発明の実施の形態3における可変速巻上装置の構成を示すブロック図である。
図において、上記実施の形態1におけると同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。17は高速運転切替判断基準値設定手段11で設定される高速運転切替判断基準値11aを、巻上の場合は所定の値以上に、また、巻下の場合は所定の値以下にそれぞれ制限する機能を有した基準値制限回路である。
【0018】
このように上記実施の形態3によれば、基準値制限回路17により、高速運転切替判断基準値11aを巻上の場合は所定の値以上に、また、巻下の場合は所定の値以下に制限するようにしているので、オペレータにより操作されるインタフェース12の入力を誤って過大なすべりに相当する高速運転切替判断基準値11aを設定し、軽負荷高速運転で電気的、機械的に許容される荷重を越えた運転が行われるのを防止することができ、安全性の向上を図ることが可能になる。
【0019】
実施の形態4.
図4はこの発明の実施の形態4における可変速巻上装置の構成を示すブロック図である。
図において、上記実施の形態2におけると同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。18は高速運転切替判断基準値設定手段15で設定される高速運転切替判断基準値15aを、巻上の場合は所定の値以上に、また、巻下の場合は所定の値以下にそれぞれ制限する機能を有した基準値制限回路である。
【0020】
このように上記実施の形態4によれば、基準値制限回路18により、高速運転切替判断基準値15aを巻上の場合は所定の値以上に、また、巻下の場合は所定の値以下に制限するようにしているので、出荷前の試験で、誤って軽負荷高速運転で電気的、機械的に許容される重さを越えた荷重を吊って運転しても、過大なすべりに相当する高速運転切替判断基準値15aが自動的に設定されることもなく、許容荷重を越えた危険な荷重で高速運転が行われるのを防止することができ、安全性の向上を図ることができる。
【0021】
実施の形態5.
図5はこの発明の実施の形態5における可変速巻上装置の構成を示すブロック図である。
図において、上記実施の形態1におけると同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。19はオペレータにより操作されるインタフェース12の入力により、高速運転許容荷重で定格周波数を越える一定周波数の軽負荷高速運転時における巻上用モータの回転速度に対応した出力値に相当する値を、高速運転キャンセル判断基準値19aとして設定し記憶する高速運転キャンセル判断基準値設定手段である。
【0022】
20は上記実施の形態1における高速運転指令手段13と同様にして高速運転指令20aを出力するとともに、実吊荷重で上記定格周波数を越える一定周波数運転時に、回転速度変換手段10から出力される出力値10aと、高速運転キャンセル判断基準値設定手段19に記憶された高速運転キャンセル判断基準値19aとを比較し、出力値10aが高速運転キャンセル判断基準値19aよりも巻上の場合は小、巻下の場合は大で高速運転キャンセル判断を行って、インバータ14へ高速運転キャンセル指令20bを出力する高速運転・高速運転キャンセル指令手段である。
【0023】
上記のように構成された実施の形態5における可変速巻上装置によれば、同型式の別のホイストで予め実測しておいた高速運転許容荷重で定格周波数を越える一定周波数の軽負荷高速運転時における巻上用モータの回転速度に対応した出力値に相当する値を、オペレータにより操作されるインタフェース12の入力により、高速運転キャンセル判断基準値19aとして設定し高速運転キャンセル判断基準値設定手段19に入力して記憶させ、実吊荷重で上記定格周波数を越える一定周波数運転時に、回転速度変換手段10から出力される出力値10aと、高速運転キャンセル判断基準値設定手段19に記憶された高速運転キャンセル判断基準値19aとを比較し、出力値10aが高速運転キャンセル判断基準値19aよりも巻上の場合は小、巻下の場合は大で高速運転キャンセル、すなわち、軽負荷ではなくなったとの判断を行って、インバータ14へ高速運転キャンセル指令20bを出力するようにしているので、例えば軽負荷高速運転中に、玉掛けワイヤロープが緩んでいたのが張って荷重を吊り始めたり、吊箱に荷物が投げ込まれたりして荷重が変わっても、即座に軽負荷でなくなったことを判断し高速運転をキャンセルすることができ、安全性の向上を図ることができる。
【0024】
実施の形態6.
図6はこの発明の実施の形態6における可変速巻上装置の構成を示すブロック図である。
図において、上記実施の形態2におけると同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。21はオペレータにより操作されるインタフェース12の入力により、高速運転許容荷重に相当する実吊荷重で定格周波数を越える一定周波数の軽負荷高速運転時において、回転速度変換手段10から出力される出力値10aから基準値設定回路22を介して高速運転キャンセル判断基準値21aを設定し記憶する高速運転キャンセル判断基準値設定手段である。
【0025】
23は上記実施の形態2における高速運転指令手段13と同様にして高速運転指令23aを出力するとともに、実吊荷重で上記定格周波数を越える一定周波数運転時に、回転速度変換手段10から出力される出力値10aと、高速運転キャンセル判断基準値設定手段21に記憶された高速運転キャンセル判断基準値21aとを比較し、出力値10aが高速運転キャンセル判断基準値21aよりも巻上の場合は小、巻下の場合は大で高速運転キャンセル判断を行って、インバータ14へ高速運転キャンセル指令23bを出力する高速運転・高速運転キャンセル指令手段である。
【0026】
上記のように構成された実施の形態6における可変速巻上装置によれば、出荷試験において高速運転許容荷重としたい専用吊具8等に相当する実吊荷重を吊り定格周波数を越える一定周波数の軽負荷高速運転時において、回転速度変換手段10より出力される出力値10aから基準値設定回路22を介して高速運転キャンセル判断基準値設定手段21に高速運転キャンセル判断基準値21aを設定して記憶させ、実吊荷重で上記定格周波数を越える顧客による一定周波数運転時に、回転速度変換手段10から出力される出力値10aと、高速運転キャンセル判断基準値設定手段21に記憶された高速運転キャンセル判断基準値21aとを比較し、出力値10aが高速運転キャンセル判断基準値21aよりも巻上の場合は小、巻下の場合は大で高速運転キャンセル判断を行って、インバータ14へ高速運転キャンセル指令23bを出力するようにしているので、上記実施の形態5におけると同様の効果を得ることは勿論のこと、出荷前の試験で例えば専用吊具8等のように軽負荷高速運転をしたい荷重を吊って運転すれば、この時に検出される巻上用モータ2の回転速度に対応した出力値10aに相当する値が、高速運転キャンセル判断基準値19aとして自動的に設定、記憶されるため、さらに作業時間の短縮を図ることができる。
【0027】
実施の形態7.
図7はこの発明の実施の形態7における可変速巻上装置の構成を示すブロック図である。
図において、上記各実施の形態3、5におけると同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。24は高速運転キャンセル判断基準値設定手段19で設定される高速運転キャンセル判断基準値19aを、巻上の場合は所定の値以上に、また、巻下の場合は所定の値以下にそれぞれ制限する機能を有した基準値制限回路である。
【0028】
このように上記実施の形態7によれば、基準値制限回路24により、高速運転キャンセル判断基準値19aを巻上の場合は所定の値以上に、また、巻下の場合は所定の値以下にそれぞれ制限するようにしているので、オペレータにより操作されるインタフェース12の入力を誤って過大なすべりに相当する高速運転キャンセル判断基準値19aを設定し、軽負荷高速運転で電気的、機械的に許容される荷重を越えた運転が行われても、軽負荷高速運転がキャンセルされずに運転が継続されるのを防止することができ、安全性の向上を図ることが可能になる。
【0029】
実施の形態8.
図8はこの発明の実施の形態8における可変速巻上装置の構成を示すブロック図である。
図において、上記実施の形態4、6におけると同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。25は高速運転キャンセル判断基準値設定手段21で設定される高速運転キャンセル判断基準値21aを、巻上の場合は所定の値以上に、また、巻下の場合は所定の値以下にそれぞれ制限する機能を有した基準値制限回路である。
【0030】
このように上記実施の形態8によれば、基準値制限回路25により、高速運転キャンセル判断基準値21aを巻上の場合は所定の値以上に、また、巻下の場合は所定の値以下にそれぞれ制限するようにしているので、オペレータにより操作されるインタフェース12の入力を誤って過大なすべりに相当する高速運転キャンセル判断基準値21aを設定し、軽負荷高速運転で電気的、機械的に許容される荷重を越えた運転が行われても、軽負荷高速運転がキャンセルされずに運転が継続されるのを防止することができ、安全性の向上を図ることが可能になる。
【0031】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1によれば、インバータにより制御される巻上用モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、オペレータの操作により高速運転許容荷重で定格周波数運転時における回転速度に対応する値を高速運転切替判断基準値として設定し記憶する高速運転切替判断基準値設定手段と、実負荷吊荷重で定格周波数運転時における回転数に対応する値と高速運転切替判断基準値とを比較し、上記値が高速運転切替判断基準値よりも巻上の場合は大、巻下の場合は小で高速運転切替判断をしてインバータへ高速運転の指令を行う高速運転指令手段とを備えるとともに、さらに高速運転切替判断基準値設定手段が、高速運転切替判断基準値の設定を巻上の場合は所定の値以上に、巻下の場合は所定の値以下にそれぞれ制限する基準値制限機能を有しているので、出荷後各ユーザにおいて高速運転切替判断基準値の設定が容易でかつ、安全性の向上を図ることが可能な可変速巻上装置を提供することができる。
【0032】
また、この発明の請求項2によれば、インバータにより制御される巻上用モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、オペレータの操作により高速運転許容荷重に相当する実吊荷重で定格周波数運転時における回転速度に対応する値を高速運転切替判断基準値として設定し記憶する高速運転切替判断基準値設定手段と、実負荷吊荷重で定格周波数運転時における回転数に対応する値と高速運転切替判断基準値とを比較し、上記値が高速運転切替判断基準値よりも巻上の場合は大、巻下の場合は小で高速運転切替判断をしてインバータへ高速運転の指令を行う高速運転指令手段とを備えるとともに、さらに高速運転切替判断基準値設定手段が、高速運転切替判断基準値の設定を巻上の場合は所定の値以上に、巻下の場合は所定の値以下にそれぞれ制限する基準値制限機能を有しているので、出荷後各ユーザにおいて高速運転切替判断基準値の設定がさらに容易でかつ、安全性の向上を 図ることが可能な可変速巻上装置を提供することができる。
【0033】
また、この発明の請求項3によれば、インバータにより制御される巻上用モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、オペレータの操作により高速運転許容荷重で定格周波数を越える一定周波数で軽負荷高速運転時における回転速度に対応する値を高速運転キャンセル判断基準値として設定し記憶する高速運転キャンセル判断基準値設定手段と、実負荷吊荷重で一定周波数運転時における回転数に対応する値と高速運転キャンセル判断基準値とを比較し、上記値が高速運転キャンセル判断基準値よりも巻上の場合は小、巻下の場合は大で高速運転キャンセル判断をしてインバータへ高速運転キャンセルの指令を行う高速運転キャンセル指令手段とを備えるとともに、さらに高速運転キャンセル判断基準値設定手段が、高速運転キャンセル判断基準値の設定を巻上の場合は所定の値以上に、巻下の場合は所定の値以下にそれぞれ制限する基準値制限機能を有しているので、高速運転切替判断基準値の設定が容易であることは勿論のこと、安全性の向上を図ることが可能な可変速巻上装置を提供することができる。
【0034】
また、この発明の請求項4によれば、インバータにより制御される巻上用モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、オペレータの操作により高速運転許容荷重に相当する実吊荷重で定格周波数を越える一定周波数で軽負荷高速運転時における回転速度に対応する値を高速運転キャンセル判断基準値として設定し記憶する高速運転キャンセル判断基準値設定手段と、実負荷吊荷重で一定周波数運転時における回転数に対応する値と高速運転キャンセル判断基準値とを比較し、上記値が高速運転キャンセル判断基準値よりも巻上の場合は小、巻下の場合は大で高速運転キャンセル判断をしてインバータへ高速運転キャンセルの指令を行う高速運転キャンセル指令手段とを備えるとともに、高速運転キャンセル判断基準値設定手段が、高速運転キャンセル判断基準値の設定を巻上の場合は所定の値以上に、巻下の場合は所定の値以下にそれぞれ制限する基準値制限機能を有しているので、高速運転切替判断基準値の設定が容易であることは勿論のこと、安全性の向上を図ることが可能な可変速巻上装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における可変速巻上装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態2における可変速巻上装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態3における可変速巻上装置の構成を示すブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態4における可変速巻上装置の構成を示すブロック図である。
【図5】 この発明の実施の形態5における可変速巻上装置の構成を示すブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態6における可変速巻上装置の構成を示すブロック図である。
【図7】 この発明の実施の形態7における可変速巻上装置の構成を示すブロック図である。
【図8】 この発明の実施の形態8における可変速巻上装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
2 巻上用モータ、4 ロータリエンコーダ(回転速度検出手段)、
10 回転速度変換手段、10a 出力値、
11,15 高速運転切替判断基準値設定手段、
11a,15a 高速運転切替判断基準値設定手段、12 インタフェース、
13 高速運転指令手段、13a,20a,23a 高速運転指令、14 インバータ、
16,22 基準値設定回路、17,18,24,25 基準値制限回路、
19,21 高速運転キャンセル判断基準値設定手段、
19a,21a 高速運転キャンセル判断基準値、
20,23 高速運転切替・高速運転キャンセル指令手段、
20b,23b 高速運転キャンセル指令。
Claims (4)
- インバータにより制御される巻上用モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、オペレータの操作により高速運転許容荷重で定格周波数運転時における回転速度に対応する値を高速運転切替判断基準値として設定し記憶する高速運転切替判断基準値設定手段と、実負荷吊荷重で定格周波数運転時における回転速度に対応する値と上記高速運転切替判断基準値とを比較し、上記値が上記高速運転切替判断基準値よりも巻上の場合は大、巻下の場合は小で高速運転切替判断をして上記インバータへ高速運転の指令を行う高速運転指令手段とを備えるとともに、さらに上記高速運転切替判断基準値設定手段は、上記高速運転切替判断基準値の設定を巻上の場合は所定の値以上に、巻下の場合は所定の値以下にそれぞれ制限する基準値制限機能を有していることを特徴とする可変速巻上装置。
- インバータにより制御される巻上用モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、オペレータの操作により高速運転許容荷重に相当する実吊荷重で定格周波数運転時における回転速度に対応する値を高速運転切替判断基準値として設定し記憶する高速運転切替判断基準値設定手段と、実負荷吊荷重で定格周波数運転時における回転数に対応する値と上記高速運転切替判断基準値とを比較し、上記値が上記高速運転切替判断基準値よりも巻上の場合は大、巻下の場合は小で高速運転切替判断をして上記インバータへ高速運転の指令を行う高速運転指令手段とを備えるとともに、さらに上記高速運転切替判断基準値設定手段は、上記高速運転切替判断基準値の設定を巻上の場合は所定の値以上に、巻下の場合は所定の値以下にそれぞれ制限する基準値制限機能を有していることを特徴とする可変速巻上装置。
- インバータにより制御される巻上用モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、オペレータの操作により高速運転許容荷重で定格周波数を越える一定周波数で軽負荷高速運転時における回転速度に対応する値を高速運転キャンセル判断基準値として設定し記憶する高速運転キャンセル判断基準値設定手段と、実負荷吊荷重で上記一定周波数運転時における回転数に対応する値と上記高速運転キャンセル判断基準値とを比較し、上記値が上記高速運転キャンセル判断基準値よりも巻上の場合は小、巻下の場合は大で高速運転キャンセル判断をして上記インバータへ高速運転キャンセルの指令を行う高速運転キャンセル指令手段とを備えるとともに、さらに上記高速運転キャンセル判断基準値設定手段は、上記高速運転キャンセル判断基準値の設定を巻上の場合は所定の値以下に、巻下の場合は所定の値以上にそれぞれ制限する基準値制限機能を有していることを特徴とする可変速巻上装置。
- インバータにより制御される巻上用モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、オペレータの操作により高速運転許容荷重に相当する実吊荷重で定格周波数を越える一定周波数で軽負荷高速運転時における回転速度に対応する値を高速運転キャンセル判断基準値として設定し記憶する高速運転キャンセル判断基準値設定手段と、実負荷吊荷重で上記一定周波数運転時における回転数に対応する値と上記高速運転キャンセル判断基準値とを比較し、上記値が上記高速運転キャンセル判断基準値よりも巻上の場合は小、巻下の場合は大で高速運転キャンセル判断をして上記インバータへ高速運転キャンセルの指令を行う高速運転キャンセル指令手段とを備えるとともに、さらに上記高速運転キャンセル判断基準値設定手段は、上記高速運転キャンセル判断基準値の設定を巻上の場合は所定の値以下に、巻下の場合は所定の値以上にそれぞれ制限する基準値制限機能を有していることを特徴とする可変速巻上装置。
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