JP4067889B2 - コンバインにおける穀粒貯留量の表示装置 - Google Patents

コンバインにおける穀粒貯留量の表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバインの穀粒タンク内の穀粒貯留量を周辺作業者に知らせる視認手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平10−75648号公報に開示されているように、コンバインのグレンタンク内における穀粒の貯留高さを有段階に検出すべく、前記グレンタンクの内側面に複数の貯留高さ検出センサS1〜S5を上下方向に所定間隔を隔てた状態で整列配備すると共に、該検出センサS1〜S5に対応する報知ランプL1〜L5を操縦部に配備して、コンバインのオペレーターがグレンタンク内の穀粒の貯留高さ(貯留状態)を認識できるように構成したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のものは、コンバインのグレンタンク内に一時的に貯留された穀粒を移送収容するトラック等のオペレーターにとっては、前記グレンタンク内の穀粒の貯留状況を認識する手段がなかったので、当該トラック等を前以って適切な穀粒の収容位置に移動させたり、待機させることができず作業能率上の問題を有していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決することを目的として創案したものであって、クローラ走行装置に支持された機体フレーム上に、刈取り穀稈を脱穀する脱穀部と、脱穀処理した穀粒を一時的に貯留する穀粒タンクを備えたコンバインにおいて、前記穀粒タンク内の穀粒貯留量の多少を検出する貯留量検出手段と、前記貯留量検出手段が満杯状態の穀粒貯留量を検出したことに基づいて当該穀粒貯留量をコンバインのオペレータに知らせる警報手段と、前記貯留量検出手段が前記満杯状態より所定量少ない一定量の穀粒貯留量を検出したことに基づいて当該穀粒貯留量をコンバインの周辺作業者に知らせる視認手段を設けると共に、該視認手段をコンバインから離れた遠方の広範囲なところからでも視認できる方向指示器或いはパトランプによって構成したことを第1の特徴としている。
【0005】
そして、貯留量検出手段を、穀粒タンクの穀粒貯留量を段階的に検出する複数の貯留量検出センサによって構成すると共に、満杯状態の穀粒貯留量を検出する貯留量検出センサより下位で、穀粒タンクの中間部より上位に設けた貯留量検出センサが貯留穀粒を検出した時、方向指示器を一斉点滅、或いはパトランプを点灯させるように構成したことを第2の特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2において、コンバイン1は左右一対のクローラ走行装置2,2を備え、該クローラ走行装置2,2に支持された機体フレーム3の前部に前処理部4を昇降自在に架設すると共に、その後方一側に脱穀部5を搭載している。
また、前記脱穀部5の他側には運転席(不図示)を配設したキャビン6と、その後方に穀粒移送オーガ7を備える穀粒タンク8を搭載している。
そして、前記脱穀部5と穀粒タンク8の後方には、排藁処理装置9を設けている。
【0008】
また、コンバイン1にも一般の車両と同様に運転作業の安全を図るべく、機体の前方を照らす前照灯10,11,12と、路上走行時等において機体の進路変更や旋回を行う時、点滅して他車に進行方向を知らせる方向指示器(フラッシャランプ)13L,13R,14L,14Rを機体の四隅に設けている。
尚、前記前照灯10,11,12、及び方向指示器13L,13R,14L,14Rは、図3及び図4に示すキャビン6内の操作部21に設けたコンビネーションスイッチ22で入・切操作できるようになっている。
【0009】
本発明は、コンバイン1の周辺作業者である、前記穀粒タンク8内の穀粒を移送収容するトラック等のオペレーターが、穀粒タンク8内に貯留される穀粒の貯留状態をコンバイン1から離れた遠方から認識できるように、上述した既存の方向指示器13L,13R,14L,14Rを貯留量視認手段として利用し、安価な穀粒貯留量の表示装置を構成しようとするものであって、以下その詳細について説明する。
【0010】
図5に示すように、前記穀粒タンク8の内側壁には、貯留量検出手段として複数の貯留量検出センサS1〜S4が所定の間隔で配設してあって、該貯留量検出センサS1〜S4によって穀粒タンク8内における穀粒の貯留量を段階的に検出できるようになっている。
即ち、前記貯留量検出センサS1〜S4には、リミットスイッチ(不図示)が内蔵されており、該リミットスイッチが穀粒タンク8に貯留される穀粒で押圧作動することによって、それに対応する貯留量検出センサS1〜S4の何れかの配設位置まで穀粒が貯留されたことを検出できるようになっている。
【0011】
そして、前記キャビン6内の操作部21には、貯留量検出センサS1〜S3の検出に伴って点灯する表示ランプL1〜L3を備えた貯留量表示手段である表示モニター23が設けてあり、該表示モニター23によって、コンバイン1のオペレーターは穀粒タンク8内に貯留される穀粒貯留量(貯留状態)を認識することができる。
【0012】
また、本発明の穀粒貯留量の表示装置の制御ユニット31は、図6に示すように入力側に貯留量検出センサS1(モミセンサ1)、貯留量検出センサS2(モミセンサ2)、貯留量検出センサS3(モミセンサ3)、貯留量検出センサS4(オーバーフローセンサ)、及び作業機クラッチスイッチ32を備え、一方出力側には表示ランプL1(モミランプ1)、表示ランプL2(モミランプ2)、表示ランプL3(モミランプ3)、ホーン33、E/G(エンジン)停止ソレノイドバルブ34、及び方向指示器(フラッシャランプ)13L,13R,14L,14Rを備えた構成となっている。
【0013】
そして、前記貯留量検出センサS1〜S4で検出する穀粒タンク8内の穀粒の貯留量は、図7に示したフローチャートの如く段階的に出力表示されると共に、穀粒タンク8内に貯留される穀粒が多くなると警報出力やE/G(エンジン)停止がなされるように構成してあって、以下この制御フローについて更に詳しく説明する。
【0014】
先ず、図5に示すように、前記穀粒タンク8の中間部(Xで示す二点鎖線)より下位に設けた貯留量検出センサS1(モミセンサ1)が貯留穀粒を検出すると、該貯留量検出センサS1に対応する表示ランプL1(モミランプ1)が点灯し、コンバイン1のオペレーターが穀粒タンク8内の穀粒の貯留状態を認識できるようにしてある。
【0015】
そして、前記穀粒タンク8の中間部よりやや上位に設けた貯留量検出センサS2(モミセンサ2)が貯留穀粒を検出すると、該貯留量検出センサS2に対応する表示ランプL2(モミランプ2)が点灯し、コンバイン1のオペレーターは穀粒タンク8内の穀粒の貯留状態を認識する一方、前記脱穀部5の作動状態を作業機クラッチスイッチ32でチェックし、該作業機クラッチスイッチ32がONであれば、前記方向指示器(フラッシャランプ)13L,13R,14L,14Rが一斉点滅するように構成してある。
【0016】
即ち、前記穀粒タンク8内の一定量の貯留穀粒を検出して方向指示器13L,13R,14L,14Rを一斉点滅させる貯留量検出センサS2を、穀粒タンク8の中間部よりもやや上位に配設したことによって、前記貯留量検出センサS2の配設位置から穀粒タンク8内が満杯となるまでの十分な時間があることから、穀粒タンク8内の穀粒を移送収容するトラック等の運搬車のオペレーターは、余裕を持った効率的な移送作業が行えるようになる。
また、コンバイン1の周辺作業者である、前記穀粒タンク8内の穀粒を移送収容するトラック等のオペレーターは、コンバイン1の機体の四隅に設けられた方向指示器13L,13R,14L,14Rによって、その一斉点滅をコンバイン1から離れた遠方の広範囲なところからでも容易に視認することができるので、当該オペレーターは穀粒タンク8内に貯留される穀粒の貯留状態(貯留量)を認識しながらタイミングを見計らって運搬車を適切な穀粒の収容位置に移動させたり、待機させておくことができるようになって穀粒移送作業の作業能率が大きく向上する。
【0017】
そして、前記貯留量検出センサS2の上位に設けた貯留量検出センサS3(モミセンサ3)は、所謂満杯センサであって、該貯留量検出センサS3が貯留穀粒を検出すると、それに対応する表示ランプL3(モミランプ3)を点灯させ、コンバイン1のオペレーターに穀粒タンク8内の穀粒の貯留状態(満杯状態)を認識させる一方、前記脱穀部5の作動状態を作業機クラッチスイッチ32でチェックし、該作業機クラッチスイッチ32がONであれば、モミ(満杯)警報としてホーン33に出力してコンバイン1のオペレーターや穀粒を移送収容するトラック等のオペレーターに知らせるように構成している。
【0018】
更に、前記貯留量検出センサS3の上位に設けた貯留量検出センサS4(モミセンサ4)は、所謂オーバーフローセンサであって、該貯留量検出センサS4が貯留穀粒を検出すると共に、前記クラッチスイッチ32がONで脱穀部5が作動状態にあれば、前記E/G(エンジン)停止ソレノイドバルブ34に出力してエンジンが自動停止する制御が組み込まれている。
【0019】
尚、上述した複数の貯留量検出センサS1〜S4に代えて穀粒タンク8内の穀粒の貯留状態をアナログ的に秤量するセンサを用いたり、方向指示器13L,13R,14L,14Rの一斉点滅に代えてパトランプ等を使用してコンバイン1の周辺作業者である、前記穀粒タンク8内の穀粒を移送収容するトラック等のオペレーターが視認できるようにしてもよい。
そして、前記方向指示器13L,13R,14L,14Rの一斉点滅の解除を、穀粒移送オーガ7の移送スイッチ(不図示)のONや、刈取りクラッチスイッチ(不図示)のOFFに連繋して行うように構成してもよい。
【0020】
また、脱穀処理した穀粒を穀粒収納袋に充填する穀粒貯留ホッパーを搭載した仕様のコンバイン(不図示)においても、上述した複数の貯留量検出センサを穀粒貯留ホッパー内に配設し、該穀粒貯留ホッパー内の中間部よりもやや上位に配設した貯留量検出センサが貯留穀粒を検出すると方向指示器が一斉点滅するように構成しておけば、前記穀粒収納袋に穀粒を充填する作業者は、方向指示器の一斉点滅をコンバインから離れた遠方の広範囲なところからでも容易に視認することができ、当該作業者は穀粒貯留ホッパー内に貯留される穀粒の貯留状態(貯留量)を認識しながら、タイミングを見計らった余裕のある穀粒収納袋への穀粒充填作業が行えるようになる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、穀粒タンク8内の穀粒貯留量の多少を検出する貯留量検出手段と、前記貯留量検出手段が満杯状態の穀粒貯留量を検出したことに基づいて当該穀粒貯留量をコンバイン1のオペレータに知らせる警報手段と、前記貯留量検出手段が前記満杯状態より所定量少ない一定量の穀粒貯留量を検出したことに基づいて当該穀粒貯留量をコンバイン1の周辺作業者に知らせる視認手段を設けると共に、該視認手段をコンバインから離れた遠方の広範囲なところからでも視認できる方向指示器13L,13R,14L,14R或いはパトランプによって構成したことによって、コンバイン1の周辺作業者である、前記穀粒タンク8内の穀粒を移送収容するトラック等のオペレーターは、コンバイン1から離れた遠方の広範囲なところからでも前記視認手段を容易に視認することができるので、当該オペレーターは穀粒タンク8内に貯留される穀粒の貯留状態(貯留量)を認識しながらタイミングを見計らって運搬車を適切な穀粒の収容位置に移動させたり、待機させておくことができるようになって穀粒移送作業の作業能率が大きく向上する。
【0023】
また、貯留量検出手段を、穀粒タンク8の穀粒貯留量を段階的に検出する複数の貯留量検出センサS1〜S4によって構成すると共に、満杯状態の穀粒貯留量を検出する貯留量検出センサS3より下位で、穀粒タンク8の中間部より上位に設けた貯留量検出センサS2が貯留穀粒を検出した時、方向指示器13L,13R,14L,14Rを一斉点滅、或いはパトランプを点灯させるように構成したことによって、前記貯留量検出センサS2の配設位置から穀粒タンク8内が満杯となるまでの十分な時間があることから、穀粒タンク8内の穀粒を移送収容するトラック等の運搬車のオペレーターは、余裕を持った効率的な移送作業が行えると共に、コンバイン1の周辺作業者は、前記方向指示器13L,13R,14L,14Rの一斉点滅或いはパトランプの点灯をコンバイン1から離れた遠方の広範囲なところからでも容易に視認することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの前方斜視図である。
【図2】コンバインの後方斜視図である。
【図3】キャビン内を示す平面図である。
【図4】コンビネーションスイッチの斜視図である。
【図5】穀粒貯留量の表示装置を示す構成図である。
【図6】穀粒貯留量の表示装置の制御ユニットを示したものである。
【図7】穀粒タンク内の貯留量検出制御の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 コンバイン
2 クローラ走行装置
3 機体フレーム
5 脱穀部
8 穀粒タンク
S1〜S4 貯留量検出センサ
13L 方向指示器
13R 方向指示器
14L 方向指示器
14R 方向指示器

Claims (2)

  1. クローラ走行装置(2,2)に支持された機体フレーム(3)上に、刈取り穀稈を脱穀する脱穀部(5)と、脱穀処理した穀粒を一時的に貯留する穀粒タンク(8)を備えたコンバイン(1)において、前記穀粒タンク(8)内の穀粒貯留量の多少を検出する貯留量検出手段と、前記貯留量検出手段が満杯状態の穀粒貯留量を検出したことに基づいて当該穀粒貯留量をコンバイン(1)のオペレータに知らせる警報手段と、前記貯留量検出手段が前記満杯状態より所定量少ない一定量の穀粒貯留量を検出したことに基づいて当該穀粒貯留量をコンバイン(1)の周辺作業者に知らせる視認手段を設けると共に、該視認手段をコンバインから離れた遠方の広範囲なところからでも視認できる方向指示器(13L,13R,14L,14R)或いはパトランプによって構成したことを特徴とするコンバインにおける穀粒貯留量の表示装置。
  2. 貯留量検出手段を、穀粒タンク(8)の穀粒貯留量を段階的に検出する複数の貯留量検出センサ(S1〜S4)によって構成すると共に、満杯状態の穀粒貯留量を検出する貯留量検出センサ(S3)より下位で、穀粒タンク(8)の中間部より上位に設けた貯留量検出センサ(S2)が貯留穀粒を検出した時、方向指示器(13L,13R,14L,14R)を一斉点滅、或いはパトランプを点灯させるように構成したことを特徴とする請求項1記載のコンバインにおける穀粒貯留量の表示装置。
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