JP4067820B2 - 二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば携帯電話等の電子機器には、リチウム電池等の二次電池が使用されている。従来、この種の二次電池は例えば次のような構造となっている。すなわち、発電要素が例えば扁平な角形をなすアルミニウム製の電池ケース内に電解液と共に収容されて二次電池本体が構成され、この二次電池本体がこれより大型の扁平角形をなすプラスチック製の外装ケースに収容されている。この外装ケース内にはブレーカ等の感熱保護素子が併せて収容され、二次電池本体に設けた端子とこの感熱保護素子とをリード片で接続することで外部回路への通電路に感熱保護素子が介在する回路構成とし、もって二次電池本体が異常発熱を引き起こしたときに外部回路への通電を遮断するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、携帯電話機などの電子機器のさらなる小型軽量化のため、二次電池にも一層の小型化、コスト低減の要請がある。しかし、上述の従来構造では、樹脂製の外装ケース内に二次電池本体及び感熱保護素子を収めるという二重構造をとっているから、小型化及びコストの低減には限界がある。また、感熱保護素子は二次電池本体の電池ケースに沿わせてはいるものの、発熱源である発電要素からは離れているため、熱的な応答性にも改善の余地があった。
【0004】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、小型化及びコストの低減を図ることができ、しかも、感熱保護素子の熱的応答性を高めることができる二次電池を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明に係る二次電池は、発電要素と、これを収納する電池ケースのケース本体と、このケース本体の開口面を塞ぐ金属製の蓋とを備え、前記蓋にはこの蓋とは電気的に絶縁して前記発電要素を外部回路に接続する端子が設けられると共に、前記蓋のケース内側に熱に応動して、前記発電要素から前記電池ケースの外への回路を遮断する感熱保護素子を含む保護素子アッセンブリが取り付けられており、前記保護素子アッセンブリは、前記感熱保護素子を、前記端子に接続される端子接続片と、前記発電要素に接続されるリード接続片との間に挟んで絶縁性樹脂で覆ってなり、前記端子接続片と前記蓋との間には前記絶縁性樹脂が介されており、前記端子接続片と前記端子とは電気的に接続された状態で固定されているところに特徴を有する。
【0007】
【発明の作用及び効果】
請求項1の二次電池によれば、電池ケース内に感熱保護素子を備えているから、この感熱保護素子を収納するための樹脂製の外装ケースが不要となり、小型化、及びコストを低減できる。しかも、感熱保護素子は電池ケース内に位置しており、発熱源である発電要素に近くなるから、熱的な応答性が改善されて異常発熱時に迅速な保護動作を行うことができるようになる。
【0008】
また、請求項1の二次電池によれば、電池ケースの蓋のケース内側に感熱保護素子が取り付けられて、蓋と感熱保護素子とが一体構造とされているから、二次電池の部品点数が減少し、組み立て作業性が向上するとともに、コストを削減できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
以下、本発明をリチウム二次電池に適用した第1実施形態について、図1ないし図5を参照しつつ詳細に説明する。
【0010】
二次電池1の電池ケース3は、一端面を開口した扁平な角形容器状をなすケース本体5と、このケース本体5の開口部を塞いで例えばレーザー溶接によって溶接された蓋7とからなり、共に例えばアルミニウム製である。電池ケース3内には、発電要素9が収納されており、これは詳細には図示しないが帯状の負極と正極とをセパレータを介して巻回してなる扁平な渦巻き状をなす周知の構造である。この発電要素9の一端側からは左右に所定の間隔を隔てて一対の正極集電板の合剤層未塗布部11及び負極集電板の合剤層未塗布部13がそれぞれ導出され、それらの合剤層未塗布部11,13側がケース本体5の開口部側となるようにして発電要素9が電池ケース3内に収納されている。
【0011】
一方、蓋7の下面には、感熱保護素子に相当するPTC素子15を備えた保護素子アッセンブリ17が取り付けられている。この保護素子アッセンブリ17は図5に示すように概ね矩形板状をなし、PTC素子15を負極端子接続片19と負極リード接続片21とで挟んだ状態でこれらをインサート成形によって絶縁性樹脂23で覆った構成である。より詳細には、PTC素子15は矩形板状をなす。その上面に位置する負極端子接続片19はPTC素子15の幅とほぼ同じ幅を有してPTC素子15の長辺よりも長い矩形板状をなし、この負極端子接続片19の一短辺がPTC素子15の一短辺と合わせて密着され、その上面(蓋7側の面)は絶縁性樹脂23が覆っている。また、PTC素子15の下面に位置する負極リード接続片21は断面L字状をなし、その一片がPTC素子15にほぼ匹敵する大きさを有してPTC素子15の下面に固着され、その他方の片はPTC素子15の下面から垂直下方向に曲げられ、絶縁性樹脂23の下面から下方に突出している。
【0012】
蓋7には、ほぼ中央に電極取付孔7Aが形成され、ここに下面に軸部29Aが突設された負極端子29が取付けられている。この負極端子29は、蓋7との間にプラスチック製のガスケット27を挟んだ状態で、その軸部29Aを蓋7の電極取付孔7Aに貫通させ、さらに前述の保護素子アッセンブリ17に形成した取付孔17Aを貫通させ、その先端をかしめることにより蓋7に固定されている。これにより、蓋7とは絶縁された状態のまま、負極端子29が保護素子アッセンブリ17の負極端子接続片19と電気的に接続されている。なお、保護素子アッセンブリ17の負極リード接続片21には発電要素9の負極集電板から引き出された負極集電板の合剤層未塗布部13が溶接されている。
【0013】
一方、発電要素9の正極集電板の合剤層未塗布部11は、蓋7の裏面に固着された正極端子接続片33を介して蓋7と電気的に接続されている。この蓋7の上面には、略方形の浅い凹部35を形成し、その底面に金メッキを施すことにより正極端子37が形成されている。なお、蓋7の図面左寄りには、蓋7に設けた楕円形の貫通孔を覆う例えばアルミの薄膜からなる安全弁39が設けられている。
【0014】
本実施形態の二次電池1によれば、電池ケース3内に発電要素9と共にPTC素子15を備えているから、この二次電池1単体で使用することができる。従って、これを覆うための樹脂ケースが不要となり、全体として小型化及びコスト低減が可能となる。しかも、PTC素子15は発電要素9に比較的近い位置に設けられることになるため、発電要素9の異常発熱に対する応答性が高くなり、二次電池1の安全性が向上する。
【0015】
また、特に本実施形態では、PTC素子15を負極端子接続片19と負極リード接続片21とで挟んで絶縁性樹脂23にて覆った保護素子アッセンブリ17を構成したから、本来的に必要な負極集電板の合剤層未塗布部13の接続のための部品(負極リード接続片21を備えた保護素子アッセンブリ17)を蓋7に取り付けるだけで、PTC素子15が電池ケース3内に内蔵されることになり、部品点数の削減に加えて組立工数も低減させることができ、コスト削減に一層効果的である。
【0016】
<第2実施形態>
図6及び図7は、本発明の第2実施形態を示す。前記実施形態と同一構成については同一符号を付すことにより、構造、作用及び効果についての重複説明を省略する。この第2実施形態では、サーマルプロテクターが、PTC素子15の代わりに取り付けられていることが、第1実施形態と異なっている。この実施形態では、負極リード接続片21が、バイメタルからなる負極端子接続片19を介して、負極端子29に電気的に接続されている。
【0017】
<第3実施形態>
図8及び図9は本発明の第3実施形態を示す。前記第1実施形態と同一構成については同一符号を付すことにより、構造、作用及び効果についての重複説明を省略する。この第3実施形態では、保護素子アッセンブリ17がPTC素子15のポッティングモールドによる成型品であるところが第1実施形態と異なっている。この実施形態では、PTC素子15が負極リード接続片21と負極端子接続片19とに挟み込まれた状態で、ポッティングモールドされ、絶縁性樹脂51により覆われている。
【0018】
<第4実施形態>
図10及び図11は本発明の第4実施形態を示す。前記第1実施形態と同一構成については同一符号を付すことにより、構造、作用及び効果についての重複説明を省略する。この第4実施形態では、保護素子アッセンブリ17がPTC素子15のラミネートによる成型品であるところが第1実施形態と異なっている。この実施形態では、PTC素子15が負極リード接続片21と負極端子接続片19とに挟み込まれた状態で、さらにその上下から、例えばポリエチレンとアルミニウムとのラミネートフィルム53によって挟み込まれ、その後、熱でその縁部をラミネートされることによって成形されている。なお、ラミネートフィルム53のみならず、例えばポリエチレンフィルム等の樹脂フィルムであっても良い。
【0019】
<第5実施形態>
図12及び図13は本発明の第5実施形態を示す。前記第1実施形態と同一構成については同一符号を付すことにより、構造、作用及び効果についての重複説明を省略する。この第5実施形態では、PTC素子15が第1実施例と同様にインサート成形によって、保護素子アッセンブリ17として一体成型されているが、負極リード接続片21が、断面U字状であるところが 第1実施形態と異なっている。
【0020】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0021】
(1)上記した実施形態では、PTC素子15又はサーマルプロテクターを使用したが、感熱保護素子であれば特にこれらに限られず、例えばサーミスタ、温度ヒューズ、保護用IC、NTC等を単独で又は組み合わせて備えてもよい。
【0022】
(2)上記した第1実施形態及び第2実施形態では、ケース本体5は、アルミニウム製としたが、これに限らず、他の金属、合金、又は樹脂製であってもよい。また、蓋7は、アルミニウム製としたが、これに限らず、他の金属、又は合金であってもよい。
【0023】
(3)上述した実施形態では、二次電池1は、リチウム二次電池としたが、二次電池1の種類は特に限定されず、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム二次電池、ニッケル水素二次電池等いずれのものにも適用することができる。
【0024】
(4)上述した実施形態では、全体として扁平角形状の二次電池1としたが、二次電池1の形状は特に限定されず、例えば円筒形電池であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における二次電池の斜視図
【図2】同じく二次電池の部分断面図
【図3】同じく二次電池の断面図
【図4】同じく二次電池の断面図
【図5】同じくPTC素子の斜視図
【図6】第2実施形態における二次電池の断面図
【図7】同じく二次電池の断面図
【図8】第3実施形態における二次電池の断面図
【図9】同じく二次電池の断面図
【図10】第4実施形態における二次電池の断面図
【図11】同じく二次電池の断面図
【図12】第5実施形態における二次電池の断面図
【図13】同じく二次電池の断面図
【符号の説明】
1…二次電池
3…電池ケース
5…ケース本体
7…蓋
9…発電要素
15…PTC素子(感熱保護素子)
17…保護素子アッセンブリ
19…負極端子接続片
21…負極リード接続片
23…絶縁性樹脂

Claims (1)

  1. 発電要素と、これを収納する電池ケースのケース本体と、このケース本体の開口面を塞ぐ金属製の蓋とを備え、前記蓋にはこの蓋とは電気的に絶縁して前記発電要素を外部回路に接続する端子が設けられると共に、前記蓋のケース内側に熱に応動して、前記発電要素から前記電池ケースの外への回路を遮断する感熱保護素子を含む保護素子アッセンブリが取り付けられており、前記保護素子アッセンブリは、前記感熱保護素子を、前記端子に接続される端子接続片と、前記発電要素に接続されるリード接続片との間に挟んで絶縁性樹脂で覆ってなり、前記端子接続片と前記蓋との間には前記絶縁性樹脂が介されており、前記端子接続片と前記端子とは電気的に接続された状態で固定されていることを特徴とする二次電池。
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