JP4067131B2 - ヒートポンプのための除霜制御 - Google Patents

ヒートポンプのための除霜制御 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、主にヒートポンプシステムの室外機コイルの除霜に関し、特に室外機コイルの除霜作用を適時に始動させる装置及び方法に関する。
従来の技術
空気を熱源とするヒートポンプシステムに関して最もよく生じる問題は、特定の室外環境条件において暖房運転を行った場合に室外機に霜が蓄積することである。室外機コイルに蓄積した霜は、絶縁作用を生じ、コイル内を流れる冷媒と周囲の媒体との間の熱伝達を減少させてしまう。これにより、室外機コイルに霜が蓄積してしまった場合には、ヒートポンプシステムは暖房容量を失い、システム全体の運転効率が低下してしまう。従って、このように霜が蓄積してしまう前に除霜を開始し、ヒートポンプの効率に好影響を与えることが望ましい。また、上記のように霜が蓄積される前に、室外機コイルの除霜を不要に始動しないことも望ましい。これは、室外機コイルの各除霜装置は、冷凍装置を逆動作させて熱っする必要のある箇所から熱を取り除くためである。
除霜を適時に行うために、異なる種類の除霜始動システムが利用されてきた。これらのシステムには、ヒートポンプシステム内の特定の温度条件を監視することも含まれている。上記温度条件は、一般に、特定の所定限度と比較される。該所定限度は、通常固定されており、ヒートポンプの運転状態の変化は考慮されない。
本発明の目的は、特定の温度測定を行い、これらの測定値と、検出した温度条件に対応するリアルタイムで計算した適切なしきい値と、を比較した後に初めて除霜動作を始動することである。
本発明のもう一つの目的は、除霜サイクル数が最小となるように除霜動作の始動を制御することである。除霜サイクル数の増加は、温度条件を、所定のしきい値と単に比較した結果、除霜を早く始動してしまった場合に起こり得る。単に所定のしきい値と比較するだけでは、必ずしも正確に除霜を行う必要性を反映しない。
本発明に係る上記及びその他の目的は、特定の検出温度に対して適切なしきい値をリアルタイムに基づいて計算し、除霜動作が必要な場合にのみこの動作を始動するヒートポンプシステムのためのプログラム化したコンピュータ制御を提供することである。プログラム化されたコンピュータ制御は、まず、ヒートポンプシステムの室内機コイル温度と、このヒートポンプシステムによって暖房されている部屋または空間の室内空気温度との最新の差異を計算する。この計算された最新の温度差は、これらの二つの計測温度に関して以前に計算された前回の除霜以降の最大温度差よりも大きいか否かが調べられる。最新の計測温度差が以前に計算された最大温度差を超える場合には、この値が最大の温度差となる。
上記の計算では、室内空気が室内機コイルの温度変化に与える影響は除かれている。従って、例えば室内の気流によってコイル温度が低下した場合には、コイルの温度とともに室内空気温度も低下するので、上記のコイル温度の低下は無視される。
また、室内機コイル温度と室内空気温度との差に関する上記の計算は、ヒートポンプシステムの他の特定のパラメータによって条件づけられることが望ましい。これらのパラメータもまた、特定の基準を満たす。特に、室内機コイルと関連して設けられた室内機ファンのファン速度は、コンプレッサ及び室外機ファンが運転している所定時間の間変化してはならない。
次に、現時点での室内機コイル温度と室内空気温度との最大温度差と、現時点の実際の温度差とが、そのためのプログラムを備えたコンピュータによって計算される。以前に計算した温度差の間のこれらの差異は、上記二つの以前に計算した温度差の間の許容差異に関する限度と最終的に比較される。
本発明によると、許容差異に関する限度は、それ自体が最大温度差の関数である。最大温度差の現時点の値は、連続的に計算されるので、結果的に算出される許容差異の限度も連続的に計算することができる。
また、本発明によると、室内機コイルと室内空気との現時点の最大差異に対して、これらの二つの温度の最新の計測値の実際の差異が計算された許容差の限度を越えた場合に、室外機コイルの除霜が始動されることが望ましい。しかし、この室外機コイルの除霜は、ヒートポンプシステムのコンプレッサの総運転時間や室外機コイルの実際の温度などの特定の更なるパラメータの影響も受けることが望ましい。
上記限度を計算するために使用される数学的関係は、制御される特定のヒートポンプシステムと同様の特性を有するヒートポンプシステムの運転を観測することによって導かれることが望ましい。これらの観測には、(室外温度、室内温度、及びファン速度などの)与えられた条件の組み合わせでヒートポンプシステムの暖房運転を始動し、時間の経過とともに室内機コイル温度と室内空気温度とを記録することも含まれる。室内機コイル温度は、室外機コイルに堆積した霜のために低下する前に、室温から最高値へと上昇する。室内温度は、上記の記録された室内機コイルの温度変化に比べて比較的一定のレベルまで上昇する。これらの温度間の最大温度差は、室内機コイル温度が低下し始める前に生じる。ヒートポンプシステムは、室内機コイルと室内空気温度とを記録しながら引き続き運転される。ある時点で、室内機コイル温度は大きく低下する。これは、循環する冷媒から室外機コイルへの熱伝達が実質的に損なわれる程度まで室外機コイルが凍結したことを示す。記録された室内機コイル温度と室内温度との最大差異の値と、室外機コイルの凍結が実質的に起こった時点での上記温度間の差異と、の間の差異は、超過してはならない許容差異として記録される。
超過してはならない記録された許容差異と最大温度差とは、記録された最大温度差と、それに対応する計測した温度差の許容差異と、をそれぞれ軸とするグラフ上の一点として示される。許容差異と最大温度差との間で最終的に求められる数学的関係は、非線形の関係であることが分かった。この非線形の関係は、ヒートポンプシステムを制御するプログラムを備えたコンピュータ内での計算を容易とするために線形の関係の数列に変形することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
本発明の他の目的及び利点は、以下の詳細な説明及び添付図面によって明らかとなる。
図1は、プログラム化したコンピュータ制御装置を含んだヒートポンプシステムの説明図である。
図2は、特定の暖房状況において図1のヒートポンプシステムで生じる暖房用室内機コイルの温度及び室内空気温度の温度パターンの説明図である。
図3は、暖房サイクルにおけるこれらの温度間の最大差異の許容差と、最新の温度差と、が最大の温度差の関数としてどのように変化するかを示している。
図4は、システム全体をパワーアップするためにヒートポンプシステムのコンピュータ制御装置によって実行される処理を示している。
図5A〜図5Dは、ヒートポンプシステムのコンピュータ制御装置が室外機コイルの除霜動作を行う際に実行されるステップのシーケンスを示している。
発明の最良の実施形態
図1を参照すると、ヒートポンプシステムは、室内機コイル10と、室外機コイル12と、それらの間に設けられたコンプレッサ14と逆洗弁16と、を含む。室内機コイル及び室外機コイルとの間に更に、一対の二方向膨張バルブ18,20が設けられており、これらのバルブにより、逆洗弁の配置次第でいずれの方向にも冷媒が流れることが可能となっている。全ての上記コンポーネントは、ほぼ従来の方法で、ヒートポンプシステムが冷房モードでの運転では室内空間に冷房を提供し、暖房モードでの運転では室内空間に暖房を提供することができるように動作する。
室内ファン22は、室内機コイル10へ空気流を提供し、一方、室外機ファン24は、室外機コイル12へ空気流を提供する。室内機ファン22は、ファンモータ26によって駆動され、一方、室外機ファン24は、ファンモータ28によって駆動される。この特定の実施例では、室内機モータは、少なくとも二つの一定駆動速度を有する。これらの駆動速度は、リレー駆動装置を通じてファンモータ26を制御する制御プロセッサ30によって指令されることが望ましい。ファンモータ28は、リレー駆動装置R1によって制御されることが望ましい。逆洗弁16も、リレー回路R3を通じて動作する制御プロセッサ30によって制御される。また、コンプレッサ14も、コンプレッサモータ32に接続されたリレイ回路R2を通じて動作する制御プロセッサ30によって同様に制御される。制御プロセッサ30は、更に、リレイ回路R5を通じて室内機ファンコイル10に関連して設けられた電熱器要素33を制御する。暖房要素33は、補助暖房ユニットの一部であり、ヒートポンプシステムによって通常暖房されている室内領域において暖房を追加して行う必要がある場合に、通常制御プロセッサ30によって起動される。
制御プロセッサ30を参照すると、この制御プロセッサ30が室外機コイル温度値を室外機コイル12に関連して設けられたサーミスタ34から受信することが分かる。制御プロセッサ30は、また、サーミスタ36から室内機コイル温度値を受信し、サーミスタ38から室内空気温度を受信する。
制御プロセッサ30は、サーミスタ34,36,38が特定の温度条件を示した場合に除霜動作を始動するように作動可能である。制御プロセッサ30が除霜が必要な特定の温度条件を検出するためには、室内機コイル温度と室内温度とに関する特定の計算を行うことが必要となる。通常、これらの温度は、サーミスタ36,38によってそれぞれ提供される。制御プロセッサによって実行される特定の計算は、以下に説明する図1のヒートポンプシステムに関して行った一連の試験に基づくことが望ましい。
図2では、特定の暖房サイクルにおける図1のヒートポンプシステムの室内機コイル温度と室内空気温度とを表したグラフを示している。この暖房サイクルは、ヒートポンプシステムに関する与えられた環境条件の集合及び与えられたシステム条件の集合に関して生じる。上記環境条件には、特定の外気温や空調の始動時の室内温度に関するものが含まれる。また、上記システム条件には、特定のファン速度設定やシステム内の冷媒の特定の量に関するものが含まれる。室内温度とともに、室内機コイル温度は、サーミスタ36,38によって測定され、周期的な時間インターバルで記録される。ある地点で、室内機コイル温度Ticと室内温度Trとの間の差異は、時間t1におけるΔTMAXによって示される最大温度差に達する。暖房サイクルは、t1以降も継続し、低い外気温のために室外機コイルに霜が堆積するのに従って室内機コイルの温度Ticが低下する。ある時点tfで、室外機コイルにかなりの程度の霜が堆積し、これにより、室内機コイルの温度が大きく低下する。この室内機コイル温度の低下は、凍結した室外機コイルの蒸発機の能力が失われ、これにより、循環する冷媒の熱伝達容量が低下することによって起こる。t1で生じる室内機コイルの最高温度と、室内機コイルのtfでの温度との差は、除霜デルタ温度ΔTdとして記録される。時間t1と時間tfの間での室内空気温度は、大きく変化しないので、温度差ΔTdは、時間tfにおけるΔTMAXと、室内機コイルと室内空気温度との間の実際の差異ΔTRと、の差を実質的に定める。
本発明によると、時間tfにおける除霜温度差ΔTdと、時間t1におけるΔTMAXの値と、は共にその特定の暖房運転に関して記録される。他の特定の環境条件のセット及び他の特定のシステム条件のセットに関する暖房運転も追加して行われる。除霜温度差ΔTdと最大温度差ΔTMAXとは、これらの各運転ごとに記録される。ΔTd及びΔTMAXの記録された全ての値は、ΔTdとΔTMAXとの間の関係を定めるために後に図3のようなグラフのデータ点として使用される。
図3を参照すると、ヒートポンプシステムにおける暖房試験によって得た種々のデータ点を通るように引いた曲線から非線形性が示される。この曲線は、ΔTMAXのΔTkで終わる傾斜S1を有する第一の線形セグメントと、同地点で始まる傾斜S2を有する第二の線形セグメントと、の二つの線形セグメントに分けることが望ましい。これらの二つの線形セグメントは、以下のように表すことができる。
ΔTMAX≦ΔTK,ΔTd=S1*ΔTMAX−C1
ΔTMAX≧ΔTK,ΔTd=S2*ΔTMAX−C2
1とC2とは、それぞれの線形セグメントのΔTMAXの値がゼロと等しくなる時のΔTdの座標値である。ΔTK,S1,S2,C1,C2の特定値は、試験を行った特定のヒートポンプシステムによって決まってくる。上記に関して、ヒートポンプシステムは、異なる寸法に設けられたファン、ファンモータ、コイル形状、及びコンプレッサなどのコンポーネントを有し、これらのコンポーネントの特定寸法によってそれぞれ対応する図2、図3及びΔTK,S1,S2,C1,C2の値が生じる。以下で詳細に説明するように、特定のヒートポンプシステムのついて得られた線形の関係は、このようなシステムの室外機コイル12の除霜をどの時点で始動するかを決定する際に制御プロセッサ30によって使用される。
図4を参照すると、ヒートポンプシステムの除霜制御を実行する以前に制御プロセッサ30によって一連の初期設定が行われる。これらの初期設定は、ヒートポンプシステムに関連する種々のコンポーネントを適切な初期状態におくためにリレイR1〜R5をオフ状況に設定することも含む。これは、ステップ40で行われる。プロセッサユニットは、ステップ42に進み、除霜ロジックで利用するいくつかのソフトウエア変数の初期設定を行う。TM_DFDEL,TM_DFSETの変数に連続的に時間を提供し続けるためにいくつかの計時機構がオンにされる。最後に、プロセッサユニットは、ステップ46において、最新のファン速度変数のCUR_FNSPDと等しい値に変数のOLD_FNSPDを設定する。上記ステップは、ヒートポンプシステムの制御の開始に当たってプロセッサユニットを立ち上げたときにのみ実行される。
図5Aを参照すると、適時に室外機コイル12の除霜を始動するために制御プロセッサ30によって実行される処理は、コンプレッサリレイR2がオンになっているか否かを照会するステップ50で始まる。このリレイは、初期設定でオフに設定されているので、制御プロセッサ30は、ステップ52に進み、変数の“WAS_ON”が真か否かを照会する。WAS_ONは、偽であるので、プロセッサは、“no”を選択してステップ54に進む。次に、プロセッサは、ステップ56で変数“WAS_ON”を偽に設定する前に、ステップ54でリレイコンプレッサR2がオンになっているか否かを照会する。続いて、IN_DEFROSTが真であるか否かの照会をステップ58で行う。IN_DEFROSTは、立ち上げ時に偽に設定されるので、制御プロセッサは、ステップ60に進んで暖房モードが選択されているか否かを照会する。これに関して、制御パネルまたは制御プロセッサ30と関連して設けられた他の通信装置によって、図1のヒートポンプシステムが暖房モードで運転されるべきか否かは示される。暖房モードが選択されていない場合には、プロセッサは“no”を選択し、図5Cのステップ62に進み、変数のTM_ACC_CMPONをゼロに設定する。プロセッサは、また、ステップ64で変数のMAX_TEMPをゼロに設定し、ステップ66で変数のTM_DFDELをゼロに設定する。制御プロセッサは、ステップ66からステップ68に進み、再度コンプレッサリレイR2がオンになっているか否かを照会する。コンプレッサリレイR2がオンになっていなければ、プロセッサは、ステップ68を出てステップ70に進み、TM_DFSETをゼロに設定する。次に、ステップ72でIN_DEFROSTが真であるか否かの照会を行う。この変数は、初期段階で偽であるので、制御プロセッサ30は出口ステップ74に進む。
制御プロセッサは、図5A〜図5Dの特定ロジックから出たのに続いて、ヒートポンプシステムを制御するために種々の処理を実行する。制御プロセッサ30の処理速度は、制御プロセッサが数ミリ秒で図5Aのロジックの実行に戻ることができる速度となっている。サーモスタットが測定した室内温度が所望の温度設定よりも低い場合には、ある時点で暖房モードが選択され、続いて、制御プロセッサ30によって暖房が始動される。暖房が行われる必要のある場合には、制御プロセッサ30は、コンプレッサモータとともに室内機ファン22及び室外機ファン24をオンにすることが望ましい。逆洗弁16も、冷媒がコンプレッサから室内機コイル10へと流れ、そこから室外機コイル12へと流れるように設定される。
ステップ50を参照すると、制御プロセッサはコンプレッサリレイR2が暖房の始動に続いてオンにされたか否かを再び照会する。暖房が要求された時にコンプレッサリレイR2は、プロセッサによって起動されるので、制御プロセッサは、ステップ50において、コンプレッサリレイがオンになっていることを確認し、変数のWAS_ONが偽であるか否かを照会するためにステップ76に進む。この変数は、この時点で偽であるので、プロセッサは、ステップ78に進んでTM_CMPON,TM_ACC_CMPONに関連して設けられた計時機構をオフにする。プロセッサは、続いてコンプレッサリレイR2がオンであるか否かを照会し、その時点でコンプレッサリレイR2はオンになっているのでステップ80に進む。変数のWAS_ONは、ステップ80において真に設定される。プロセッサは、上記で説明したようにステップ58〜60を通じて進む。暖房モードが選択されているので、プロセッサはステップ60からステップ81に進み、タイミング変数TM_DFSETが60秒よりも大きいか否かを照会する。この変数の初期値はゼロであるので、プロセッサは図5Cのステップ66に進み、タイミング変数TM_DFDELをゼロに設定する。プロセッサは、次に、ステップ68でコンプレッサリレイR2がオンであるか否かを照会する。暖房の要求に応答してコンプレッサリレイが制御プロセッサによって起動されているので、プロセッサは、ステップ82に進む。
ステップ82では、プロセッサは、室外機ファンリレイR1がオンか否かを照会する。ヒートポンプシステムが暖房に対する要求に応答している場合には、室外機ファンリレイR1は、通常オンになっている。よって、制御プロセッサは、“yes”を選択し、室内機ファン速度を読み取るステップ84に進む。暖房の開始時に室内ファンは起動されるので、ファンスピードはゼロではない。ファン速度は、他の制御ソフトウェアを通じて制御プロセッサによって指令されているので、制御プロセッサ内に値が存在する。このファン速度は、変数のCUR_FNSPDとして設定され、ステップ86でOLD_FNSPDと表される旧ファン速度のその時点の値と比較される。この後者の変数の初期値がゼロであるので、制御プロセッサは、ステップ86を出て、ステップ88で旧ファン速度変数を最新のファン速度と等しく設定する。制御プロセッサは、ステップ72で再度IN_DEFROSTが真であるか否かを照会する前に、ステップ70でタイミング変数TM_DFSETをゼロに設定する。IN_DEFROSTは偽であるので、制御プロセッサは、ステップ72で“no”を選択して出口ステップ74に進む。
再び図5Aを参照すると、引き続き実行される除霜ロジックにより、再びプロセッサがコンプレッサがオンであるかを照会する。コンプレッサリレイがオンであるので、プロセッサはステップ76に進み、“WAS_ON”の状況を照会する。この変数は、この時点で真であるので、制御プロセッサはステップ54に進み、ここでコンプレッサリレイR2が再度オンであることが記録され、プロセッサは、ステップ80,58,60を通じてステップ81へと進む。ステップ81では、プロセッサは、TM_DFSETのタイムカウントが60秒よりも大きいか否かを検出している。この変数は、ステップ88において旧ファン速度が最新のファン速度と等しく設定された時点から時間の累積を開始している。コンプレッサリレイR2及び室外機ファンが運転されているとともに、室内機ファン速度が変わらない限り、この変数は、続いて実行される各除霜ロジックの間、時間の累積を引き続き行う。このように、TM_DFSETに反映されるこのタイムカウントは、コンプレッサ、室外機ファン、及び室内機ファンの状況の上記三つの条件が一定に保たれている時間の測定値となる。従って、制御プロセッサ30は、これらのコンポーネントが変化しない状態で少なくとも60秒の間ヒートポンプシステムを運転し、該システムを一定のレベルに保ったことになる。
TM_DFSETによって維持されるタイムカウントが60秒よりも大きい値に達すると、制御プロセッサは図5Aのステップ81からステップ90へ進み、サーミスタ38によって提供される室内温度とともに、サーミスタ36によって提供される室内機コイル温度を読み取る。この値は、T_ICOILとT_ROOM_AIRとして格納される。制御プロセッサは、ステップ92に進み、上記対応する変数に格納されたこれらの計測温度の差異を計算する。計測温度に関する計算された差異DELTAは、次に、ステップ94でゼロより小さいか否かがチェックされる。この値がゼロより小さい場合には、制御プロセッサは、ステップ98において計測温度の差異DELTAが変数MAX_DELTAの値よりも大きいか否かを照会する前に、同値をステップ96でゼロに設定する。MAX_DELTAの値は、暖房モードが選択された後に制御プロセッサが暖房を最初に始動した時点では0である。これにより、制御プロセッサは、ステップ100でMAX_DELTAをDELTAの最新値と等しく設定する。制御プロセッサは、除霜ロジックを繰り返し実行するので、室内コイルの温度上昇によるDELTAの値の上昇も検出される。これにより、制御プロセッサは、MAX_DELTAをDELTAの計算された最新値にほぼ等しく調整し続ける。
制御プロセッサは、ステップ92で計測した温度差がその時点で格納されたMAX_DELTAの値よりも小さい場合には、ステップ98を通じてステップ102に進み、また、その時点で計測した温度差の値がステップ100でMAX_DELTAに等しい場合にも、ステップ102に進む。
ステップ102では、制御プロセッサは、MAX_DELTAの最新値とDELTAの最新値との間の差異を計算する。DELTAの現在値がMAX_DELTAよりも小さい場合には、ステップ102における変数DELTA_DIFFの値はゼロ以外となる。従って、制御プロセッサは、ステップ104に進み、MAX_DELTAがTK以下であるか否かを照会する。ΔTKの値は、ヒートポンプシステムの運転に関して行った試験及び評価の結果として図3で既に示している。ファン速度、ファン寸法またはコンプレッサ寸法などの異なるシステム値を有する異なるヒートポンプ形状に関して試験を行い、最大デルタと最新温度差との間の臨界許容差に関する適切な関係が求められた場合には、この値は変化し得る。
MAX_DELTAがΔTK以下である場合には、制御プロセッサは、ステップ106で電熱器がオンになっているか否かを照会する。ヒートポンプシステムは、ヒートポンプシステムが暖房されている室内で要求される量の熱を供給できない場合に使用することのできる、第二の暖房供給源または補助暖房供給源を含むことが多い。図1のヒートポンプシステムは、このような暖房要素を含み、ステップ106での特定の照会を必要とする。電熱器要素33がオンになっていない場合もしくは電熱器要素が存在しない場合には、制御プロセッサは、ステップ106からステップ108に進み、DEFROST_DELTAの値を計算する。このステップでのDEFROST_DELTAは、図3における変数ΔTdである。DEFROST_DELTAとMAXDELTAとの間の数学的関係は、図3において、ΔTMAXがΔTK以下である場合のΔTMAXに対するΔTdの線形の関係である。この関係は、勿論、異なるヒートポンプシステムについて試験が行われ、ΔTMAXに対するΔTdの適切な関係が求められた場合には、変化し得る。再びステップ106を参照すると、電熱器要素が含まれ、かつ運転されている場合に、制御プロセッサは、ステップ110に進み、除霜デルタを計算する。ステップ110における除霜デルタは、ステップ108で計算されるものよりも2度低い。この特定の関係は、図1のヒートポンプシステムに関して適切な試験を行い、補助暖房要素が運転されている状態で室外機コイル上の霜の特性を記録することによって作成することができる。再びステップ104を参照すると、MAX_DELTAの値がΔTK以下でない場合には、制御プロセッサは、“no”を選択してステップ112に進み、電熱器要素33またはヒートポンプシステムと関連して設けられた他の補助ヒータがオンになっているか否かを照会する。制御プロセッサは、電熱器がオンになっていないかまたは含まれていない場合には、ステップ114において、電熱器が含まれており、かつオンになっている場合には、ステップ116においてDEFROST_DELTAの適切な値を計算する。ステップ114で記録される計算は、図3において、ΔTMAXがΔTKよりも大きい場合のΔTMAXに対するΔTdの線形の関係である。更に、ステップ116で計算される値は、電熱器が含まれており、かつオンになっている場合における除霜デルタの許容値を反映している。プロセッサは、ステップ108,110,114,116のいずれかにおいてDEFROST_DELTAの適切な値を計算した後に、ステップ118に進み、このステップで、上記計算値が2よりも小さいか否かを照会する。計算値が2よりも小さい場合には、制御プロセッサは、ステップ120でこの計算値が2に等しくなるように調整する。制御プロセッサは、その後直接ステップ122に進む。プロセッサは、DEFROST_DELTAが2以上である場合には、ステップ118で“no”を選択してステップ122に進むことも有り得る。
ステップ122では、ステップ102で計算されたヒートポンプシステムの最大温度差とヒートポンプシステムの最新計測温度差との間の計算された差異が、算定したDEFROST_DELTAよりも大きいか否かを照会する。ステップ122で行われる照会は、温度差の最新測定値が、MAX_TEMPとして定義される最大温度差からDEFROST_DELTAを差し引いた値よりも低い値まで減少したか否かに関する実質的なチェックである。この状態では、通常、室外機コイルにかなりの霜が堆積していることはないので、温度差の最新測定値が上記したような値まで減少していることはない。このような状況では、制御プロセッサは、ステップ122から繰り返し“no”を選択し、ステップ66,68,82,84,86,72,74を通じて進み、図5A〜図5Dの除霜ロジックを再度実行する。過熱要求が満たされたら、制御プロセッサは、コンプレッサリレイR2をオフにして、これにより、特定の暖房期間を終わらせる。これにより、制御プロセッサは、次に除霜ロジックを実行するときには、コンプレッサリレイR2がオフであることを認識する。続いて、プロセッサは、ステップ52で“WAS_ON”が真であり、ステップ123の実行が必要であることを認識し、“TM_CMPON”及びTM_ACC_CMPONで格納されている時間の計測がオフにされ、これらの変数は、特定の時限における値に保持される。制御プロセッサは、TM_CMPONのタイムカウントをステップ110でゼロにリセットする。しかし、制御プロセッサは、TM_ACC_CMPONに格納されたタイムカウントのリセットは行わない。従って、変数TM_ACC_CMPONは、ステップ50でコンプレッサがオンまたはオフにされたことを認識する度に、時間の累積を行い続ける。
制御プロセッサは、適時に図5A〜図5Dの除霜ロジックを実行し続ける。更に、プロセッサは、ステップ50,76,54,80,58,60,81を実行し、その後で暖房が要求されると除霜ロジックから出る。これは、ステップ68,82,84,86で要求されるヒートポンプシステムの条件が満たされるまで継続的に行われる。この時点で、制御プロセッサは、再度室内機コイル温度と室内空気温度との差異を計算し、続いてMAX_DELTA,DEFROST_DELTA,DELTA_DIFFの種々の計算を行う。これにより、ステップ122に進み、このステップで、最新測定温度差DELTAがMAX_DELTAとして定義される最大温度差からDEFROST_DELTAを差し引いた値よりも低い値まで減少したか否かを照会する。測定値が上記のように減少すると、制御プロセッサは、室外機コイル12にかなりの霜が堆積し、除霜作用を要すると推定する。
再びステップ122を参照すると、DELTA_DIFFの値がDEFROST_DELTAの計算した値よりも大きい場合に、制御プロセッサは、ステップ124に進み、TM_DFDELが60秒よりも大きいか否かを照会する。この変数は、制御プロセッサが最初にステップ122からステップ124に進む直前に行われた前回の完全な除霜ロジックから連続する秒数測定を開始する。上記変数が60秒よりも大きい値を示すまで、制御プロセッサは、ステップ124で“no”を選択して通常通りにステップ82,84,86,72を通じて進み、ステップ72から“no”を選択して出口ステップ74へと進む。ステップ124を再び参照すると、制御プロセッサが除霜ロジックを通じて数回循環した後に、TM_DFDELのタイムカウントが60秒よりも長くなると、制御プロセッサは、ステップ126に進む。ステップ126では、TM_CMPONで示した時間の値が15分よりも長いか否かを照会する。この特定の時間変数は、制御プロセッサが、“WAS_ON”の変数が偽でありコンプレッサ14が直前にオンにされたことを示すと認識したことに続いて、ステップ78でオンにされている。このことは、TM_CMPONによって記録した時間が、コンプレッサ14が制御プロセッサによって最も最近起動された時点からオンになっている総時間を表していることを示す。コンプレッサが最も最近起動されてからオンになっている総時間が15分以下である限り、制御プロセッサは、ステップ126から“no”を選択し、上記で説明したようにステップ68,82,84,86,72,74を実行する。コンプレッサが最後に起動されてからオンになっている総時間が15分を越えた場合には、制御プロセッサは、ステップ126から“yes”を選択してステップ116に進み、変数TM_ACC_CMPONによって示された時間が30分よりも長いか否かを照会する。ステップ62では、タイミング変数TM_ACC_CMPONは、ステップ60の照会において暖房モードが選択されていない場合には、ゼロに設定される。また、ステップ58で照会したIN_DEFROSTが真である場合には、タイミング変数TM_ACC_CMPONもゼロに設定される。以下で詳細に説明するように、変数IN_DEFROSTは、室外機コイルの除霜の間のみ真である。よって、変数TM_ACC_CMPONは、除霜動作後に時間を累積することができる。ステップ50,76,78では、変数TM_ACC_CMPONは、除霜動作後にコンプレッサリレイが直前にオンにされたことにより、ステップ78で関連する計時装置がオンになった時点から時間を累積することができる。ステップ50,52で記載したように、TM_ACC_CMPONは、コンプレッサがオフにされるまで引き続き時間を累積して記録し続ける。コンプレッサがオフにされると、制御プロセッサは、ステップ123に進み、TM_ACC_CMPONとともにTM_CMPONの両方によって時間の計測及び記録を停止する。TM_ACC_CMPONによって累積された時間は、単にその時点の値に維持される。従って、コンプレッサリレイR2が再びオンにされると、変数TM_ACC_CMPONは、除霜動作が始動されたか暖房モードの選択が取り消されていない限り、以前に累積した時間に加えて更に時間を累積する。ある時点で、除霜動作後に、コンプレッサがオンになっている総時間が30分に達することになる。
再びステップ128を参照すると、コンプレッサがオンとなっている時間の総累積時間が30分を越えた場合には、制御プロセッサは、ステップ134に進み、サーミスタ34から室外機コイル温度を読み取ってこの値を変数T_OCOILに格納する。制御プロセッサは、次に、ステップ136でT_OCOILに格納された室外機コイル温度の値が摂氏マイナス2度よりも低いか否かを照会する。室外機コイル温度が摂氏マイナス2度よりも低くなければ、制御プロセッサは、上記で説明したように、単にステップ68に進み、その後出口ステップ74に進む。ステップ136を再度参照すると、室外機コイルの温度が摂氏マイナス2度よりも低い場合には、制御プロセッサは、ステップ140で変数IN_DEFROSTを真に設定する。制御プロセッサは、ステップ140からステップ68に進み、コンプレッサリレイがオンであることを認識する。これにより、プロセッサは、ステップ82に進み、室外機ファンリレイR1がオンになっているか否かを照会する。室外機ファンリレイR1がオンになっていれば、制御プロセッサは、“yes”を選択してステップ84に進み、室内機ファン速度を読み取って、この値をCUR_FNSPDに格納する。プロセッサは、次に、ステップ86でCUR_FNSPDの値をOLD_FNSPDと比較する。プロセッサがステップ70でTM_DESETをゼロに設定してステップ72へと進む前に、必要であれば、CUR_FNSPDは、ステップ88でOLD_FNSPDの値と等しく設定される。IN_DEFROSTがこの時点で真であるので、制御プロセッサは、ステップ72から“yes”を選択し、ステップ142の除霜ルーチンに進む。除霜ルーチンは、逆洗弁16がファンコイル10,12との間の冷媒の流れの方向を逆転するようにリレイR3を設定することを含む。この除霜ルーチンは、また、室外機ファン24がオフになるようにリレイR1を設定する。ファンがオフになった状態で冷媒が逆流すると、室外機コイルは冷媒から熱を吸収してコイルに堆積した霜を除去し始める。制御プロセッサは、ステップ142からステップ144に進み、サーミスタにより計測される室外機コイルの温度が摂氏18度よりも高い温度まで上昇したか否かを照会する。室外機コイルの温度が、摂氏18度まで上昇するにはある程度時間がかかる。このために、プロセッサは、図5A〜図5Dの除霜ロジックが実行される度にステップ58で“yes”を繰り返し選択することになる。制御プロセッサは、ステップ58からステップ62,64に進み、オンになっている総タイムカウントの変数TM_ACC_CMPONとMAX_DELTAとを繰り返しゼロに設定する。プロセッサは、また、ステップ66でTM_DFDELをゼロに設定する。制御プロセッサが室外機コイル12の除霜を実行している限り、上記のステップは、これらの変数の初期設定を行う。制御プロセッサは、上記変数を、ゼロに設定した後にステップ68,82,84,86,72を通じて進み、除霜ルーチンを再度実行する。ステップ144で、室外機コイル温度が摂氏18度よりも高い温度に上昇すると、制御プロセッサはステップ146に進み、ステップ74から除霜ロジックを出る前に変数IN_DEFROSTを偽に設定する。除霜制御ロジックを次に実行したときには、制御プロセッサは、再度ステップ58を実行することになり、このとき、IN_DEFROSTはもはや真ではないことを認識する。制御プロセッサは、暖房モードが引き続き選択されている限りステップ58からステップ60まで進む。上記で述べたように、コンプレッサ、室外機ファン速度、及び室内機ファン速度の条件が全て満たされるまでプロセッサはステップ81で“no”を選択し続ける。MAX_DELTAの値とともにTM_ACC_CMPONの値は、コンプレッサリレイR2がオンになっているときに、この時点からゼロ以外の値を累積することができる。TM_DESETが示す時間が60秒よりも長い場合には、最大のデルタの値は、温度値を累積し始める。TM_DESETが示すタイムカウントは、室内機ファン速度が以前にロジックを実行した時点から変化していない状態で、コンプレッサリレイと室外機ファンとがオンにされた時点から開始される。TM_DFSETが60秒を越えた場合に関して上記したように、DEFROST_DELTAの計算も再び開始される。最大の温度差と、計測された室内機コイル温度から室内空気温度を差し引いた温度差と、の差異と、DEFROST_DELTAと、を比較することで、室内機コイルのどの時点でステップ124,126,128の種々のタイミング値を調べたらよいかがこれ以降決定される。
TM_DFDELと、コンプレッサのタイミングを示すTM_CMPONとTM_ACC_CMPONと、を更に調べた結果、十分に時間が経過したことが示された場合にのみ除霜サイクルが始動される。これらの条件が一旦満たされると、変数IN_DEFROSTは、再び真に設定され、プロセッサによって除霜ルーチンを行うことをが可能となる。
好適実施例に則して本発明を説明してきたが、当業者によって理解されるように、本発明の趣旨から離れないで種々の変更を行うことができる。例えば、ステップ108,110,114,116でのDEFROST_DELTAに関する線形の計算は、DEFROST_DELTAと変数MAX_DELTAとの間の非線形の関係に基づく除霜デルタの適切な計算で補充することができる。このような計算は、実際には、図3でのΔTMAXに対するΔTdの関係を定める数学的曲線により近くなる。また、異なるコンプレッサファン、及び他のヒートポンプ特性を有する異なるヒートポンプシステムを分析した場合には、図3の数学的曲線は変化する。このようなヒートポンプシステムは、図2及び図3に関して説明したのと同様に試験を行い、適切な関係を定めることができる。上記理由により、本発明は、開示された特定の実施例に限定されることはなく、本発明は、請求項の範囲にある実施例を全て含むものである。

Claims (19)

  1. ヒートポンプシステムにおける除霜動作の始動を制御するための方法であって、
    前記ヒートポンプシステムの室内機コイルの温度と、前記ヒートポンプシステムによって暖房されている部屋の室内空気温度と、の温度差を記録する記録ステップと、
    記録された前記温度差と、室外機コイルの前回の除霜動作後に前記室内機コイル温度と前記室内空気温度との間で生じたことが記録された最大温度差と、の差異を計算する差異計算ステップと、
    記録された前記温度差と、前記室内機コイル温度と前記室内空気温度との間の記録された前記最大温度差と、の間の差異に関する限度を計算する限度計算ステップと、を有し、この限度は、前記ヒートポンプシステムの除霜を始動し得るしきい値を確立し、除霜を始動し得るしきい値を確立する前記限度は、記録された前記最大温度差の値の関数として計算され、
    記録された前記温度差と、前記室内機コイル温度と前記室内空気温度との間の記録された前記最大温度差と、の計算された差異が、除霜を始動し得るしきい値を確立する計算された前記限度を超えた場合に、前記ヒートポンプシステムの前記室外機コイルの除霜動作が作動されるべきか否かを判定する除霜判定ステップと、を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記ヒートポンプシステムにおける前記室内機コイルと前記室内空気温度との温度差を記録する前記記録ステップと、記録された前記気温差と記録された前記最大温度差との間の差異を計算する前記差異計算ステップと、記録された前記温度差と記録された前記最大温度差との間の限度を計算する前記限度計算ステップと、は、前記室内機コイルと前記室内空気温度との間の記録された前記気温差と、記録された前記最大温度差と、の間の計算された差異が除霜を始動し得るしきい値を確立する計算された前記限度を超えることを判定した後で、少なくとももう一度繰り返し、前記室外機コイルの除霜動作を始動する前に、計算された前記差異が引き続き計算された前記限度を超えていることを確認することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記室外機コイルの除霜動作を始動すべきか否かを判定する前記除霜判定ステップは、
    コンプレッサが所定時間にわたって連続的に運転されているか否かを判定し、
    前記コンプレッサが前記所定時間にわたって連続的に運転された後にのみ、除霜動作を始動すべきか否かを更に判定するステップを含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 前記室外機コイルの除霜動作を始動すべきか否かを更に判定するステップは、
    前記ヒートポンプシステムの前記室外機コイルの前回の除霜以降に、前記コンプレッサが所定の累積時間にわたって運転されているか否かを判定するステップを含むことを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 前記コンプレッサが前記所定の累積時間にわたって運転されているか否かを判定するステップは、
    前回の除霜動作の終了後に、前記コンプレッサの運転時間を監視し、
    視した最新の運転時間を、それ以前でかつ前回の除霜動作の後に監視した前記コンプレッサの運転時間の和に加算することにより、前記コンプレッサの最新の運転時間の和を求め、
    前記コンプレッサの前記最新の運転時間の和と前記所定の累積時間とを比較し、
    前記最新の運転時間の和が、前記ヒートポンプシステムの前記室外機コイルの除霜後の前記所定累積時間を超えた場合に、除霜動作を始動すべきか否かを更に判定するステップを含むことを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 記録された前記温度差と、以前に記録された前記室内機コイルと前記室内温度との最大温度差と、の間の前記差異に関する限度を計算する前記限度計算ステップは、前記室外機コイルの除霜を始動し得るしきい値を確立するものであり、更に、
    補助ヒータが運転しているか否かを検出し、
    前記補助ヒータが運転している場合には、記録された前記温度差と、記録された前記室内機コイルと前記室内空気温度との最大温度差と、の間の前記差異に関する第一の限度を計算し、この限度は、前記室外機コイルの除霜を始動し得るしきい値を確立し、
    補助ヒータが停止している場合には、前記差異に関する第二の限度を計算するステップを含み、この限度は、前記室外機コイルの除霜を始動し得るしきい値を確立することを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 記録された前記温度差と、前記室内機コイル温度と前記室内空気温度との間の記録された前記最大温度差と、の間の差異に関する限度を計算する前記限度計算ステップは、前記室外機コイルの除霜を始動し得るしきい値を確立するものであり、更に、
    前記室内機コイルと前記室内空気温度との間の前記最大温度差の最新値を記録し、
    記録された前記温度差と、前記室内機コイルと前記室内空気温度との前記最大温度差の前記最新値と、の間の差異に関する限度を計算し、この限度は、前記室外機コイルの除霜を始動し得るしきい値を確立し、前記限度の計算は、前記室外機コイルの除霜を始動し得るしきい値を確立する前記差異に関する前記限度と、前記最大温度差の最新値と、の間の定められた関係に基づいて行われるステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. 記録された前記最大温度差の値の関数として計算される前記限度は、同様の設計のヒートポンプシステムを種々の異なるシステム条件及び環境条件の下で運転してこれを観測し、このように観測した各運転において、前記特定の設計のシステムにおける室内コイル温度と室内空気温度との前記最大差異と、前記室外機コイルの実質的な凍結が起こった時点で記録された最大室内機コイル温度からの温度低下と、を記録し、
    これにより、記録された室内機コイル温度と室内空気温度との間の最大差異と、記録された前記最室内機コイル温度からの温度低下と、の間に関係を求めることによって得られることを特徴とする請求項1記載の方法。
  9. 記録された前記温度差と記録された前記最大温度差との間の差異を計算する差異計算ステップは、
    前記室内機コイルと前記室内空気温度との記録された前記温度差が、前記室外機コイルの前回の除霜後に前記室内機コイル温度と前記室内空気温度との間で生じ、かつ以前に記録された前記最大差異を超えるか否かを判定し、
    記録された前記差異が、前記室外機コイルの前回の除霜後に前記室内機コイル温度と前記室内空気温度との間で生じ、かつ以前に記録された前記最大差異を超える場合に、記録された前記差異を室内機コイル温度と室内空気温度との前記最大差異として記録するステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  10. 前記室内機コイルと関連するように設けられた室内機ファンの速度が一定に保たれるとともに、前記ヒートポンプシステムのコンプレッサと前記室外機コイルに関連するように設けられたファンとの両方が運転された状態で、所定の時間が経過したか否かを検出し、
    前記所定時間が経過した後に、前記ヒートポンプシステムの前記室内機コイル温度と、前記ヒートポンプシステムによって暖房されている部屋の前記室内空気温度と、の温度差を記録する前記記録ステップに進むステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  11. 前記室内機コイルと関連するように設けられた室内機ファンの速度が一定に保たれるとともに、前記ヒートポンプシステムのコンプレッサと前記室外機コイルに関連するように設けられたファンとの両方が運転された状態で、所定の時間が経過したか否かを検出するステップは、
    前記室内機ファンの速度を一定に保つとともに、前記コンプレッサと前記室外機コイルに関連して設けられた前記ファンとの両方を運転された状態に保つ必要のある前記所定時間を定め、
    前記室内ファン速度が変化した時点もしくは前記コンプレッサまたは前記室外機コイルと関連して設けられた前記ファンが停止された時点で、この所定時間の計測をリセットするステップを含むことを特徴とする請求項10記載の方法。
  12. 前記ヒートポンプシステムの室内機コイルの温度と、前記ヒートポンプシステムによって暖房されている部屋と、の間の前記温度差を記録する前記記録ステップは、
    前記ヒートポンプシステムの前記室内機コイルの温度と、前記ヒートポンプシステムによって暖房されている部屋の前記室内空気温度と、の両方を繰り返し読み取り、
    これら両方の読取り温度の差異を繰り返し計算することにより、前記室内機コイルの温度と前記ヒートポンプシステムによって暖房される前記室内空気温度との間の差異を繰り返し算定し、
    前記繰り返し算定した前記室内機コイルと前記室内空気温度との間の温度差の少なくともいくつかを記録することを特徴とする請求項1記載の方法。
  13. 前記室内機コイル温度と、前記ヒートポンプシステムによって暖房されている部屋の前記室内温度と、の間の前記最大温度差は、前記繰り返し算定された両方の温度の温度差のうちから記録されることを特徴とする請求項12記載の方法。
  14. ヒートポンプシステムにおいて除霜動作の始動を制御するためのシステムであって、
    前記ヒートポンプシステムの室内機コイルの温度を検出するためのセンサと、
    前記ヒートポンプによって暖房されている空間の温度を検出するためのセンサと、
    前記ヒートポンプの前記室外機コイルを除霜するための装置と、
    前記室内機コイル温度を検出するためのセンサから前記室内機コイルの検出温度を、また、暖房されている前記空間の温度を検出するためのセンサから暖房されている前記空間の検出温度を、共に繰り返し読み取り、後にこれらの二つの値の温度差を計算することのできるコンピュータ手段と、を有し、
    前記コンピュータ手段は、更に、前記室内機コイルの前回の除霜以降生じた前記二つの読取り値の最大温度差を繰り返し判定することができ、
    前記コンピュータ手段は、前記二つの読取り値の判定された前記最大温度差と、前記最新の温度差と、の間の差異に関する許容限度を計算することができ、
    前記許容限度は、前記二つの読取り値の計算された最大温度差であると判定された値の関数として計算され、
    前記コンピュータ手段は、更に、判定された前記二つの読取り値の最大温度差と、前記二つの読取り値の最新の温度差と、の間の差異を計算し、これを、判定された前記二つの読取り値の前記最大温度差と、前記二つの読取り値の最新の温度差と、に関する許容限度と比較することができ、
    これにより、前記コンピュータ手段は、前記二つの読取り値の最大温度差と、前記最新の温度差と、の間の計算された前記差異が、前記許容限度を超えるとともに、前記ヒートポンプの特定のコンポーネントが所定の時間にわたって運転されていることを前記コンピュータ手段が認識した時点で、前記室外機コイルを除霜するための除霜信号を前記装置に送信することができることを特徴とするシステム。
  15. 前記コンピュータ手段は、前記装置に前記室外機コイルを除霜するための前記除霜信号を送信する前に、
    判定した前記二つの読取り値の前記最大温度差と、前記二つの読取り値の前記最新の温度差と、の間の計算された差異が前記許容限度を超えた後に、前記室内機コイルの検出温度と、前記空間の検出温度と、を少なくとももう一度続いて読み取り、
    判定した前記二つの読取り値の前記最大温度差と、前記続いて読み取った温度差と、の間の計算された差異が、許容限度を超えることを確認することができることを特徴とする請求項14記載のシステム。
  16. 運転されている状態が認識される前記ヒートポンプの前記特定コンポーネントは、前記ヒートポンプ内のコンプレッサであることを特徴とする請求項14記載のシステム。
  17. 前記除霜装置は、前記ヒートポンプ内に該ヒートポンプ内の冷媒の流れを逆転させるための逆洗弁を含むことを特徴とする請求項14記載のシステム。
  18. 前記ヒートポンプは、前記室内機コイルと関連して設けられた室内機ファンと、室外機コイルと関連して設けられた室外機ファンと、を有し、
    前記コンピュータ手段は、前記室内機コイルの前記検出温度と前記ヒートポンプによって暖房されている前記空間の前記検出温度との両方を繰り返し読み取るステップに進む前に、前記各ファンのそれぞれの運転状況が変化していないことを確認することができることを特徴とする請求項14記載のシステム。
  19. 前記室外機コイルに近接する位置において温度を検出するためのセンサを有し、
    前記コンピュータ手段は、前記室外機コイルに近接する位置で温度を検出する前記センサから読み取った温度値に応じて、前記室外機コイルを除霜するために前記除霜信号の送信することを調整することができることを特徴とする請求項14記載のシステム。
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