JP4067060B2 - 同調増幅器 - Google Patents

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Description

【0001】
技術分野
本発明は、所定の周波数成分のみを通過させる同調増幅器に関する。
背景技術
同調回路として従来より能動素子およびリアクタンス素子を使用した各種の構成が提案され実用化されている。
例えばLC共振を利用した従来の同調回路は、同調周波数を調整するとLC回路に依存する利得が変化する。また、一般の同調回路は、入力される信号の中から所定の周波数成分を抽出するものであり、同調周波数における利得は1あるいはそれ以下となって、通常は信号振幅の減衰が生じるため、増幅が必要な場合には別に増幅回路を接続して信号振幅の増幅を行っていた。
【0002】
発明の開示
本発明は、このような課題を解決するために考えられたものであり、その目的は出力振幅が安定し、しかも同調と同時に信号振幅の増幅が可能な同調増幅器を提供することにある。
本発明の同調増幅器は、出力を入力側に帰還させて閉ループを形成し所定周波数において発振動作を行う発振回路と、発振回路の出力振幅を制御する利得制御回路と、発振回路の閉ループの一部に信号を入力する入力回路とを備える。発振回路を発振させた状態で発振周波数近傍の信号を入力した場合に、入力される信号の周波数に発振出力が引き込まれる現象が確かめられており、所定の同調動作が行われる。特に、利得制御回路によって出力振幅が調整されるため、発振回路の発振周波数を可変して同調周波数を変えた場合であっても、利得変化が生じない。また、利得制御回路の応答速度を調整することにより、入力される交流信号としてAM変調された信号やFM変調された信号等の各種の信号に対する発振動作が可能となる。また、実際には発振回路の出力振幅を電源電圧よりもかなり小さく設定するとともに、入力される交流信号の振幅をこの発振振幅よりもかなり小さく設定したときに上述した発振動作が行われることが確認されており、入力される交流信号の振幅を基準に考えると数十dB程度の利得となって、発振動作と同時に信号振幅の増幅が可能となる。
【0003】
また、本発明の同調増幅器は、上述した発振回路を電圧制御型発振回路としてPLL構成とすることにより、同調周波数を容易に安定させることができる。特に、上述した発振回路は、入力信号がない場合には所定の発振動作を行っているため、入力信号の有無にかかわらずPLL制御が可能となる。
【0004】
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明を適用した一の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
本発明の特徴は、発振回路にごく弱い発振を行わせるとともに、この発振回路の一部にその発振周波数に近い周波数の信号を注入することにより、所定のQおよび利得を有する同調動作を行わせることにある。
【0005】
第1図は、一実施形態の同調増幅器の構成を示す図である。同図に示す同調増幅器1は、増幅回路11および帰還回路12を含む発振回路10と、この発振回路10に信号を入力する入力回路14と、発振回路10の出力振幅を制御する自動利得制御(AGC)回路16とを含んで構成される。
【0006】
上述した発振回路10は、発振回路の一般的な構成を有している。増幅回路11と帰還回路12によって閉ループが形成されており、これら増幅回路11と帰還回路12のいずれか一方あるいは全体に周波数選択特性を持たせるとともに、増幅回路11の利得を調整することにより、上述した周波数選択特性に応じた所定周波数で発振動作が行われる。
【0007】
なお、上述した発振回路10は、一般には移相型、共振型あるいはその他の方式を用いた発振回路に大別される。移相型の発振回路は、さらにCR型やLR型あるいはこれらを組み合わせた発振回路に分類される。また、共振型の発振回路は、コルピッツ型やハートレー型等各種の方式を用いたものがある。
【0008】
入力回路14は、上述した増幅回路11と帰還回路12によって形成される閉ループに信号を入力するためのものである。例えば、この閉ループの一部に一方端が接続されたインピーダンス素子を介して、発振回路10の外部から信号が入力される。
【0009】
AGC回路16は、発振回路10の出力振幅を一定に制御しており、例えば出力振幅の大小に応じて発振回路10内の増幅回路11の利得を制御することにより、この出力振幅がほぼ一定になるように制御する。
【0010】
次に、上述した構成を有する同調増幅器の動作を説明する。なお、第1図に示した同調増幅器1を受信機に適用する場合を考えると、入力回路14を介して発振回路10に入力される信号としては、AM変調あるいはFM変調等の各種の変調がかかった信号を考えることができる。
【0011】
まず、入力回路14を介して信号が入力されない状態について説明する。この場合には、発振回路10内の増幅回路11と帰還回路12を含んで形成される閉ループの一部と入力回路14内のインピーダンス素子とが切り離された状態と等価であり、単に発振回路10にAGC回路16が接続されて、所定の発振動作が行われる。例えば、発振回路10の出力振幅が電源電圧の数十%以下に制御される。
【0012】
したがって、例えばFM受信機に適用した場合には、FM波を受信していない状態(搬送波がない状態)でも同調増幅器1からは所定周波数の正弦波信号が出力されており、スケルチ回路やミューティング回路が不要となる。また、AM受信機に適用した場合も同様であり、AM波を受信していない状態でも同調増幅器1からは所定周波数の正弦波信号が出力されており、この正弦波信号に対してAM検波を行っても所定の直流成分が得られるだけであって雑音となることはない。
【0013】
このように発振回路10が所定の周波数で安定的に発振している状態において、入力回路14を通して発振周波数に近い周波数を有する信号を入力すると、同調増幅器1において入力信号の中から発振周波数近傍の成分のみを抽出する発振動作が行われる。しかも、上述した発振周波数と入力信号の周波数が一致している場合には、小さな振幅(例えば発振出力の振幅の1/10程度)の信号を入力した場合であっても、発振出力の振幅以上の同調出力が得られることが確かめられており、同調と同時に数十dB程度の増幅が可能となる。
【0014】
また、AGC回路16によって制御する発振回路10の発振出力の振幅と入力信号の振幅の比、あるいは入力信号の注入箇所を変えることにより、同調増幅器1のQ、すなわち通過帯域幅を変えることができる。あるいは、上述した信号の振幅比を変える代わりに、入力回路14内のインピーダンス素子の素子定数を変えるようにしてもよい。
【0015】
また、上述した発振回路10を発振周波数可変型の構成とすることにより、容易に同調周波数可変型の同調増幅器1を構成することができる。このとき、発振回路10にはAGC回路16が接続されてその発振振幅を一定に保っているため、周波数を可変した際に同調増幅器1の利得が急激に変化する等の不都合がなく、同調時に安定した利得が得られる。
【0016】
なお、入力信号としてAM変調された信号を考える場合には、音声等のAM変調成分が重畳された所定周波数の搬送波を同調出力として取り出す必要があるため、AGC回路16によってこのAM変調成分以下の周波数を有する振幅変化を抑えるようにAGCの応答速度を調整する必要がある。
【0017】
第2図は、第1図に示した同調増幅器1を含んだPLL(位相同期ループ)構成を示す図である。第1図に示した同調増幅器1内の発振回路10を外部から印加される制御電圧に応じて発振周波数が変更可能な電圧制御型発振器とすることにより、容易に同調増幅器1をPLL制御することができる。すなわち、同調増幅器1内の発振回路10、位相比較器(PD)2、チャージポンプ(CP)4、ローパスフィルタ(LPF)5を含んだPLL構成とすることにより、同調増幅器1の同調出力の周波数を発振器(OSC)3の発振周波数に容易に一致させることができる。
【0018】
このように、同調増幅器1は発振回路10の発振動作を利用して発振動作を行っているため、入力信号がない場合であってもこの発振出力を利用してPLL制御を行うことができる。
【0019】
〔同調増幅器の第1の構成例〕
次に、移相型の発振回路10を用いた場合の同調増幅器1の詳細構成について説明する。
【0020】
第3図は、移相型の発振回路を用いた同調増幅器1の第1の構成例を示す回路図である。同図に示す同調増幅器1内部の入力回路14は、一方端に入力端子21が接続された入力抵抗22を含んで構成され、入力端子21には搬送波を変調した信号が入力される。帰還回路12は、キャパシタ23および抵抗24からなるハイパスフィルタと、キャパシタ25および抵抗26からなるハイパスフィルタと、キャパシタ27および抵抗28からなるハイパスフィルタとを縦続接続して構成されている。
【0021】
一方、増幅回路11は、トランジスタ29と、抵抗30〜33と、キャパシタ34と、可変抵抗35とを含んで構成されている。トランジスタ29のベース端子には、帰還回路12の出力端子が直流電流阻止用のキャパシタ34を介して接続されるとともに、抵抗30および31の各一方端が接続されている。これら抵抗30および31は、トランジスタ29にバイアスを与えるために設けられている。トランジスタ29のコレクタ端子と正電源との間には抵抗32が、エミッタ端子と接地端子との間には抵抗33および可変抵抗35が接続されている。可変抵抗35の抵抗値は、AGC回路16から出力される制御電圧により変更可能とされている。以下では、可変抵抗35をpチャネル型のFETで構成する場合について説明する。
【0022】
なお、可変抵抗35に直列に接続されたキャパシタ35Aは直流電流阻止用であり、可変抵抗35の抵抗値を変えたときに、トランジスタ29の動作点を変えることなく増幅回路11の利得を変えることができる。
【0023】
AGC回路16は、トランジスタ36と、抵抗37〜44と、キャパシタ45〜48と、ダイオード49とを含んで構成されている。トランジスタ36のベース端子には、キャパシタ45および抵抗37を介して増幅回路11の出力端子が接続されるとともに、抵抗38および39の各一方端が接続されている。これら抵抗38および39は、トランジスタ36にバイアスを与えるために設けられている。トランジスタ36のコレクタ端子と正電源との間には抵抗40が、エミッタ端子と接地端子との間には抵抗41がそれぞれ接続されている。
【0024】
以下、第3図に示す同調増幅器1の動作を説明する。帰還回路12の入力電圧をVi、出力電圧をVoとし、キャパシタ23、25および27の容量をC、抵抗24、26および28の抵抗値をRとすると、(1)式の関係が成り立つ。
【0025】
Vo=Vi・(ωCR)3
/[(ωCR)3−5ωCR−j{6(ωCR)2−1}] ・・・(1)
(1)式の虚数部がゼロの場合には、帰還回路12の位相シフト量は180°になり、この場合の入力信号の周波数は(2)式のようになる。
【0026】
f=1/2π√(6CR) ・・・(2)
第3図に示す増幅回路11はエミッタ接地構成であり、トランジスタ29のベース端子電圧の変化方向とコレクタ端子電圧の変化方向とは反対である。すなわち、増幅回路11の位相シフト量は180°であり、帰還回路12と増幅回路11を合わせた位相シフト量の合計は、所定の周波数において360°になる。また、増幅回路11の出力は帰還回路12の入力側に帰還されており、帰還回路12と増幅回路11とを合わせた利得が1であれば、第3図の同調増幅器1は安定に発振する。
【0027】
なお、第3図では、ハイパスフィルタを3段縦続接続しているが、縦続接続するハイパスフィルタの数は3段以上であってもよい。
【0028】
(2)式で示す周波数の信号が帰還回路12に入力されると、帰還回路12の出力電圧Voは(3)式のように約1/29倍に減衰する。
【0029】
Vo=Vi×(1/√6)3/{(1/√6)3−5/√6}
≒−0.0344Vi≒−1/29 ・・・(3)
このため、増幅回路11の電圧利得が29倍あれば、同調増幅器1全体の利得は1になり、入力回路14を介して信号が入力されなくても安定に発振する。同調増幅器1が所定の周波数で発振しているときに、発振周波数に近い周波数を有する信号が入力回路14を介して入力されると、同調増幅器1は発振周波数近傍の成分のみを抽出する発振動作を行う。
【0030】
一方、増幅回路11の出力は、AGC回路16内部の直流電流阻止用のキャパシタ45および抵抗37を介してトランジスタ36のベース端子に入力される。したがって、増幅回路11の出力の交流成分のみがトランジスタ36によって増幅される。この増幅出力はダイオード49によって整流され、さらにキャパシタ47、48および抵抗43によって構成される平滑回路を通すことにより所定の制御電圧がつくられる。このようなAGC回路16の動作により、増幅回路11の出力振幅が大きくなると制御電圧が高くなり、pチャネル型FETで構成される可変抵抗35の抵抗値を高い方に変化させて増幅回路11の出力振幅を小さくし、反対に増幅回路11の出力振幅が小さくなると制御電圧が低くなって可変抵抗35の抵抗値を低い方に変化させて増幅回路11の出力振幅を大きくするため、増幅回路11の出力振幅はほぼ一定に保たれる。
【0031】
次に、第3図の回路を実際に組んで実験した結果について説明する。なお、以下に説明する実験結果は、AGC回路16による振幅制御は行わずに発振回路10を所定の振幅で発振させた同調増幅器1に関するものである。
【0032】
入力回路14に信号を入力しない状態での同調増幅器1の自己発振出力の振幅が約900mVの場合に、自己発振周波数と同一周波数で振幅が75mVの交流信号を入力端子21に入力すると、同調増幅器1の出力振幅は約3Vppになった。したがって、この場合の利得GAINは、(4)式に示すように約32dBとなり、十分な利得が得られることがわかる。なお、電源電圧は9Vとした。
【0033】
GAIN=20×log(3/0.075)
=20×1.602=32.04 ・・・(4)
第4図は、第3図に示した同調増幅器1の同調特性の測定結果を示す図である。横軸が入力信号の周波数を、縦軸が発振出力の振幅をそれぞれ示している。第4図に示すように、同調増幅器1は、自己発振周波数と同一の周波数成分をピーク点とする同調特性を有することがわかる。
【0034】
一方、第5図および第6図はそれぞれ、入力回路14の接続箇所を変えた場合の同調特性を示す図であり、第3図の接続箇所A、Bに入力回路14を接続した場合の同調特性がそれぞれ第5図、第6図に対応する。第5図、第6図に示すように、入力回路14の接続箇所、すなわち信号の注入箇所を変えることでQの値が変化し、入力信号の注入箇所が増幅回路11から遠ざかるにつれてQの値がより大きくなることがわかる。
【0035】
したがって、スイッチ等を設けて入力回路14の接続箇所を任意に変更可能にすれば、同調増幅器1を受信機に用いて受信周波数の選択性を向上させたい場合、例えば隣接する周波数に他局の周波数信号が存在する場合などはQの値を大きくして選択性を向上させ、隣接する周波数に他局の周波数信号が存在しない場合にはQの値を小さくして信号の再現性を向上させることが容易に行える。
【0036】
なお、入力信号の接続箇所を変更する代わりに、入力抵抗22の抵抗値を変えてもQの値を変えることができる。したがって、抵抗値が変更可能な可変抵抗を入力抵抗22の代わりに接続すれば、入力信号の接続箇所を変えるよりも容易にQの値を調整できる。あるいは、入力信号の振幅とAGC回路16で制御する増幅回路11の出力振幅の比を変えることによってもQの値を調整することができる。
【0037】
第7図は、同調増幅器1の自己発振周波数と同一周波数で振幅が異なる信号を入力回路14に入力した場合に出力振幅がどのように変化するかを示す図である。同図に示すように、入力回路14に入力される信号の振幅が変化すると、同調増幅器1の出力振幅(単位はdB)はほぼ線形に変化する。すなわち、本実施形態の同調増幅器1によれば、搬送波成分に含まれるAM変調等による振幅変化を忠実に取り出すことができる。
【0038】
〔同調増幅器の第2の構成例〕
第3図に示す同調増幅器1はPLL構成にすることを前提としていないが、第2図に示すようなPLL構成にしてもよい。第8図はPLL構成にした場合の同調増幅器の詳細構成を示す図である。同図に示す同調増幅器1Aは、第3図に示した同調増幅器1と比べて、帰還回路12内部の抵抗24、26、28をそれぞれ可変抵抗61、62、63に置き換えた点だけが異なる。これら可変抵抗61、62、63の抵抗値は、第2図に示すローパスフィルタ5の出力に応じて変更され、これにより同調増幅器1Aの発振出力の周波数は第2図に示す発振器3の発振周波数に一致するように制御される。
【0039】
〔同調増幅器の第3の構成例〕
第3図に示す帰還回路12は、ハイパスフィルタを3段縦続接続しているが、ハイパスフィルタの代わりにローパスフィルタを縦続接続してもよい。第9図は抵抗およびキャパシタからなるローパスフィルタを3段縦続接続して帰還回路12を形成した例を示している。ローパスフィルタはハイパスフィルタとは反対に位相を遅らせる性質を有し、帰還回路12全体の位相シフト量は所定の周波数において180°になる。したがって、ハイパスフィルタを縦続接続した場合と同様の周波数選択特性が得られる。
【0040】
一方、第10図は抵抗およびインダクタからなるハイパスフィルタを3段縦続接続した例、第11図は抵抗およびインダクタからなるローパスフィルタを3段縦続接続した例を示している。いずれの場合も、位相の変化方向が互いに異なるものの、入力信号の周波数が所定の周波数のときに帰還回路12全体の位相シフト量が180°になる点では共通し、第3図に示した帰還回路12と置き換えが可能である。
【0041】
なお、置き換えた場合に、縦続接続するハイパスフィルタあるいはローパスフィルタの段数も3段に限定されない。また、インダクタを含む帰還回路12の全体を半導体基板上に形成した場合には、各インダクタのインダクタンスが極端に小さくなるため、発振回路10の発振周波数、すなわち同調増幅器1の同調周波数が極めて高くなる。このような場合には、第3図に示す入力回路14を入力抵抗22の代わりにインダクタを用いて構成することが好ましい。
【0042】
ところで、AGC回路16による振幅制御を行わない場合には、自己発振周波数と入力信号の周波数がわずかにずれた場合にビートが発生するが、このビートの発生はAGC回路16による振幅制御を行うことで防止することができる。
【0043】
〔同調増幅器の第4の構成例〕
第12図は第3図に示す増幅回路11と置き換え可能な増幅回路11Aの詳細構成を示す図である。同図に示す増幅回路11Aは、CMOSインバータ54と抵抗55、56とにより構成される。CMOSインバータ54は、その入出力間を抵抗56を介して接続することによりアナログ増幅器として動作し、しかもそのときの利得は抵抗55、56の抵抗比に応じて定まる。抵抗55、56の各抵抗値をR55、R56とすると、増幅回路11Aの利得はR56/R55となるため、例えば抵抗R55あるいはR56に第3図に示した可変抵抗35を並列接続し、この抵抗値をAGC回路16の出力に応じて調整することにより、第3図に示した同調増幅器1と同様に、発振出力の振幅変動を抑制できる。
【0044】
このように、第12図に示す増幅回路11Aを用いて同調増幅器1を構成した場合には、CMOSプロセスでの製造が可能となるため、製造工程が簡略化し、コストダウンが図れる。
【0045】
〔発振回路の第1の変形例〕
第13図は、発振回路の第1の変形例を示す回路図である。同図に示す発振回路10Aは、2つの移相回路110C、130Cと、分圧回路160と、帰還抵抗170とを含んで構成されている。移相回路110C、130Cはそれぞれ、入力される交流信号の位相を所定量ずつシフトさせるものであり、2つの移相回路110C、130Cを合わせた位相シフト量は所定の周波数において360°に設定される。分圧回路160は、後段の移相回路130Cの出力側に設けられ、抵抗162および抵抗164により構成される。
【0046】
前段の移相回路110Cは、キャパシタ114と、抵抗116と、抵抗118、120、121、123とを含んで構成されている。オペアンプ112の反転入力端子には、抵抗118を介して交流信号が入力され、オペアンプ112の非反転入力端子には、キャパシタ114および抵抗116からなるCR回路が接続されている。オペアンプ112の出力端には、抵抗121および抵抗123からなる分圧回路が接続され、分圧回路の分圧出力端とオペアンプ112の反転入力端子との間には抵抗120が接続されている。また、抵抗118と抵抗120の抵抗値は同じに設定されている。
【0047】
このような構成を有する前段の移相回路110Cの伝達関数K1は、
K1=−a1(1−T1s)/(1+T1s) ・・・(5)
となる。T1は抵抗116とキャパシタ114からなるCR回路の時定数、s=jω、a1は移相回路110Cの利得であってa1=(1+R21/R23)>1である。ただし、R21は抵抗121の抵抗値、R23は抵抗123の抵抗値である。
【0048】
(5)式から明らかなように、移相回路110Cは全域通過回路であり、その出力電圧Eoの出力振幅は周波数に関係なく一定であって、位相シフト量φ1は入力信号の周波数に応じて180°から360°まで変化する。また、移相回路110Cは、R21およびR23の値を調整することにより1より大きな利得を得ることができる。
【0049】
一方、第13図に示す後段の移相回路130Cは、オペアンプ132と、キャパシタ134および抵抗136からなるCR回路と、抵抗141および抵抗143からなる分圧回路と、抵抗138と、抵抗140とを含んで構成されている。移相回路130Cを構成する各回路素子は、キャパシタ134と抵抗136の接続の仕方が移相回路110Cと反対である他は移相回路110Cと同様に接続され、抵抗138と抵抗140の各抵抗値は同じに設定されている。
【0050】
このような構成を有する後段の移相回路130Cの伝達関数K2は、
K2=a2(1−T2s)/(1+T2s) ・・・(6)
となる。T2はキャパシタ134と抵抗136からなるCR回路の時定数、s=jω、a2は移相回路130Cの利得であってa2=(1+R41/R43)>1である。ただし、R41は抵抗141の抵抗値、R43は抵抗143の抵抗値である。
【0051】
(6)式から明らかなように、移相回路130Cは全域通過回路であり、その出力電圧Eoの出力振幅は周波数に関係なく一定であって、位相シフト量φ2は入力信号の周波数に応じて0°から180°まで変化する。また、移相回路130Cは、R41およびR43の値を調整することにより1より大きな利得を得ることができる。
【0052】
このようにして、2つの移相回路110C、130Cのそれぞれにおいて位相が所定量シフトされ、2つの移相回路110C、130Cを合わせた位相シフト量は所定の周波数において360°となる。したがって、2つの移相回路110C、130Cを含んで形成される閉ループのループゲインを1以上に設定することにより、この所定の周波数で発振回路10Aを発振させることができる。
【0053】
また、後段の移相回路130Cの後段側には分圧回路160が接続されており、分圧回路160を構成する抵抗164には可変抵抗166が並列接続されている。この可変抵抗166は例えばpチャネル型FETのチャネル抵抗により形成され、このFETのゲート端子には第3図に示したAGC回路16の出力端子が接続されている。これにより、例えば、第13図に示す発振回路10Aの出力振幅が大きくなると、第3図に示したAGC回路16から出力される制御電圧が高くなって、それに伴ってこのFETのゲート電圧も高くなる。このため、可変抵抗166の抵抗値が大きくなり、発振回路10Aの出力振幅を小さくする方向に制御される。
【0054】
逆に、発振回路10Aの出力振幅が小さくなると、AGC回路16から出力される制御電圧が低下して可変抵抗166の抵抗値は小さくなり、発振回路10Aの出力振幅を大きくする方向に制御される。このような制御により、発振回路10Aの出力振幅は常に一定に維持される。
【0055】
このように、第13図に示す発振回路10Aは、分圧回路160を介して減衰した信号を帰還信号として用いるとともに、分圧回路160に入力する前の信号を発振回路10Aの出力として取り出すことにより、入力信号の中から所定の周波数成分のみを抽出する発振動作とともに、この抽出された信号に対する所定の増幅動作を行うことができる。しかも、分圧回路160の分圧比を、第3図に示したAGC回路16の出力に応じて変更するため、発振回路の出力振幅をほぼ一定に維持できる。また、発振回路10Aは、オペアンプ、キャパシタおよび抵抗を組み合わせて構成しており、すべての構成素子を半導体基板上に形成することができる。
【0056】
なお、第13図では、帰還抵抗170と入力回路14内の入力抵抗22の抵抗値を固定にしているが、少なくとも一方の抵抗を可変抵抗に置き換えて、帰還抵抗170と入力抵抗22の抵抗比を変更できるようにしてもよい。これにより、同調増幅器1のQの調整が可能となる。
【0057】
また、抵抗116あるいは136の少なくとも一方の抵抗を可変抵抗に置き換え、移相回路110Cあるいは130C内のCR回路の時定数を変更できるようにしてもよい。抵抗116、136の少なくとも一方の抵抗値を連続的に変えることにより、発振周波数を連続的に変更できる。
【0058】
なお、移相回路110Cと移相回路130Cを縦続接続する際には、各移相回路内のオペアンプ112あるいは132の出力端に接続された分圧回路のうち、いずれか一方の分圧回路を省略し、あるいは分圧比を1に設定してもよい。
【0059】
なお、第13図に示した発振回路10Aでは、AGC回路16から出力される制御電圧に応じて分圧回路160の分圧比を変更しているが、移相回路110C内の分圧回路の分圧比と移相回路130C内の分圧回路の分圧比の少なくとも一つをAGC回路16からの制御電圧に応じて変更してもよい。この場合には、移相回路130Cの後段の分圧回路160を省略し、移相回路130Cの出力を直接前段側に帰還してもよい。あるいは分圧回路160内の抵抗162の抵抗値を極端に小さな値にして分圧比を1に設定してもよい。
【0060】
また、第13図に示した発振回路10Aでは、前段の移相回路110Cの前段に入力回路14を接続して入力信号を注入しているが、入力信号の注入箇所は前段の移相回路110Cの前段側とは限らず、例えば移相回路110Cと移相回路130Cの間に入力回路14を接続して入力信号を注入してもよい。
【0061】
〔発振回路の第2の変形例〕
第13図に示した発振回路10Aは、各移相回路の内部にCR回路を含んでいるが、CR回路の代わりにLR回路を内部に含む移相回路を用いて発振回路を構成してもよい。
【0062】
第14図はLR回路を含む移相回路の構成を示す回路図であり、第13図に示した発振回路10Aの前段の移相回路110Cと置き換え可能な構成が示されている。同図に示す移相回路110Lは、第13図に示した前段の移相回路110C内のキャパシタ114と抵抗116からなるCR回路を、抵抗116とインダクタ117からなるLR回路に置き換えたものである。その他の構成は移相回路110Cと同じであり、移相回路110Lの伝達関数および位相シフト量も移相回路110Cと同じである。
【0063】
第15図は、LR回路を含む移相回路の他の構成を示す回路図であり、第13図に示した発振回路10Aの後段の移相回路130Cと置き換え可能な構成が示されている。同図に示す移相回路130Lは、第13図に示した後段の移相回路130C内のキャパシタ134と抵抗136からなるCR回路を、抵抗136とインダクタ137からなるLR回路に置き換えたものである。その他の構成は移相回路130Cと同じであり、移相回路130Lの伝達関数および位相シフト量も移相回路130Cと同じである。
【0064】
このように、第14図に示す移相回路110Lは第13図に示す移相回路110Cに等価であり、第15図に示す移相回路130Lは第13図に示す移相回路130Cと等価であるため、第13図に示した2つの移相回路110C、130Cのいずれか一方、あるいは両方を移相回路110L、移相回路130Lに置き換えることができる。移相回路110C、130Cの両方を移相回路110L、130Lに置き換えた場合には、同調増幅器全体を集積化することにより、発振周波数の高周波化が容易になる。
【0065】
また、2つの移相回路110C、130Cのいずれか一方のみを移相回路110Lあるいは130Lに置き換えた場合であって、LR回路を構成するインダクタを含めて、あるいはこのインダクタを除く同調増幅器全体を集積化した場合には、温度変化による発振周波数の変動を防止する、いわゆる温度補償が可能となる。
【0066】
なお、第13図に示した移相回路110C、130Cの少なくとも一方を、第14図あるいは第15図に示した移相回路110L、130Lに置き換えた場合には、各移相回路内のオペアンプ112あるいは132の出力端に接続された分圧回路のうち、いずれか一方の分圧回路を省略し、あるいは分圧比を1に設定してもよい。
【0067】
〔発振回路の第3の変形例〕
第16図は、発振回路の第3の変形例を示す回路図である。同図に示す発振回路10Bに含まれる前段の移相回路210Cは、内部に分圧回路を含んでいない代わりに、抵抗118′の抵抗値よりも抵抗120′の抵抗値を大きく設定することにより、移相回路210Cの利得を1より大きくしている。その他の構成は第13図に示した移相回路110Cと同じであり、伝達関数および位相シフト量も移相回路110Cと基本的に同じである。
【0068】
同様に、後段の移相回路230Cは、内部に分圧回路を含んでいない代わりに、抵抗138′の抵抗値よりも抵抗140′の抵抗値を大きく設定することにより、移相回路230Cの利得を1より大きくしている。その他の構成は第13図に示した移相回路130Cと同じであり、伝達関数および位相シフト量も移相回路130Cと基本的に同じである。
【0069】
移相回路230Cの出力は分圧回路160を介して前段側に帰還されており、また、分圧回路160を構成する抵抗164には可変抵抗166が並列接続されている。この可変抵抗166は例えばFETのチャネル抵抗により形成され、第3図に示したAGC回路16から出力される制御電圧に応じてFETのゲート電圧が調整され、それに応じてFETのチャネル抵抗が変更される。
【0070】
抵抗119および抵抗139は、移相回路210Cおよび230Cの利得の変動を抑えるために設けられており、抵抗119および139の抵抗値Rは、(7)式に従って設定するのが望ましい。ただし、(7)式では、抵抗118′の抵抗値をr、抵抗120′の抵抗値をmrとしている。
【0071】
R=mr/(m−1)
なお、第16図に示した発振回路10Bは、2つの移相回路210C、230Cのそれぞれに抵抗119あるいは139を接続することにより、発振周波数を可変したときの振幅変動を防止したが、上述した抵抗119、139を取り除いて発振回路を構成することもできる。あるいは、抵抗119あるいは139の一方のみを取り除いて発振回路を構成してもよい。
【0072】
なお、第16図に示した発振回路10Bでは、AGC回路16からの制御電圧に応じて分圧回路160の分圧比を変更しているが、抵抗118′および120′の抵抗比や、抵抗138′および140′の抵抗比の少なくとも一つをAGC回路16からの制御電圧に応じて変更してもよい。
【0073】
また、第16図に示した発振回路10Bでは、前段の移相回路210Cの前段側に入力回路14を接続して入力信号を注入しているが、入力信号の注入箇所は前段の移相回路210Cの前段側とは限らず、例えば移相回路210Cと移相回路230Cの間に入力回路14を接続して入力信号を注入してもよい。
【0074】
〔発振回路の第4の変形例〕
第16図に示す発振回路10Bでは、各移相回路の内部にCR回路を含む例を説明したが、CR回路の代わりにLR回路を内部に含む移相回路を用いて発振回路を構成してもよい。
【0075】
第17図は、LR回路を含む移相回路の構成を示す回路図であり、第16図に示した発振回路10Bの前段の移相回路210Cと置き換え可能な構成が示されている。同図に示す移相回路210Lは、第16図に示した前段の移相回路210C内のキャパシタ114と抵抗116からなるCR回路を、抵抗116とインダクタ117からなるLR回路に置き換えたものである。その他の構成は移相回路210Cと同じであり、移相回路210Lの伝達関数および位相シフト量も移相回路210Cと同じである。
【0076】
一方、第18図はLR回路を含む移相回路の他の構成を示す回路図であり、第16図に示した発振回路10Bの後段の移相回路230Cと置き換え可能な構成が示されている。同図に示す移相回路230Lは、第16図に示した後段の移相回路230C内の抵抗136とキャパシタ134からなるCR回路を、インダクタ137と抵抗136からなるLR回路に置き換えたものである。その他の構成は移相回路230Cと同じであり、移相回路230Lの伝達関数および位相シフト量も移相回路230Cと同じである。
【0077】
このように、第17図に示す移相回路210Lは第16図に示す移相回路210Cと等価であり、第18図に示す移相回路230Lは第16図に示す移相回路230Cと等価であるため、第16図に示した2つの移相回路210C、230Cのいずれか一方、あるいは両方を移相回路210L、230Lに置き換えることができる。
【0078】
移相回路210C、230Cの両方を移相回路210L、230Lに置き換えた場合には、同調増幅器全体を集積化することにより発振周波数の高周波化が容易となる。また、2つの移相回路210C、230Cのいずれか一方を移相回路210Lあるいは230Lに置き換えた場合には、温度変化に対する発振周波数の変動を抑制することができる。
【0079】
〔発振回路の第5の変形例〕
上述した発振回路の第1〜第4の変形例において、2つの移相回路を縦続接続して形成される閉ループの一部にトランジスタによるホロワ回路を接続してもよい。
【0080】
第19図は、発振回路の第5の変形例の構成を示す回路図である。同図に示す発振回路10Cは、第13図に示した発振回路10Aの前段の移相回路110Cのさらに前段にトランジスタによるホロワ回路50を挿入したものである。
【0081】
このホロワ回路50は、ドレインが正電源Vddに、ソースが抵抗53を介して負電源Vssにそれぞれ接続されたFET52を含んで構成されている。なお、ホロワ回路50は、第19図に示すようなソースホロワ回路で形成する他に、エミッタホロワ回路で形成してもよい。
【0082】
このように、前段の移相回路110C等のさらに前段にトランジスタによるホロワ回路を縦続接続すれば、前段の移相回路110C等の入力インピーダンスに起因する損失を補うことができ、第13図等に示した発振回路10A等と比較して、帰還抵抗170および入力抵抗22の抵抗値を大きくすることができる。特に、発振回路10C等を半導体基板上に集積化する場合には、帰還抵抗170等の抵抗値を小さくするには素子の占有面積を大きくしなければならないため、ホロワ回路を接続して帰還抵抗170等の抵抗値をある程度大きくするのが望ましい。
【0083】
なお、第19図に示した発振回路10Cでは、AGC回路16から出力される制御電圧に応じて分圧回路160の分圧比を変更しているが、移相回路110C内の分圧回路の分圧比と移相回路130C内の分圧回路の分圧比の少なくとも一つをAGC回路16からの制御電圧に応じて変更してもよい。
【0084】
また、第19図に示した発振回路10Cでは、前段の移相回路110Cの前段に入力回路14を接続して入力信号を注入しているが、入力信号の注入箇所は前段の移相回路110Cの前段側とは限らず、例えば移相回路110Cと移相回路130Cの間に入力回路14を接続して入力信号を注入してもよい。この場合には、入力回路14の次段の移相回路と入力回路14との間に第19図に示したホロワ回路50を接続するのが望ましい。
【0085】
〔発振回路の第6の変形例〕
第13図に示した発振回路10Aでは、2つの移相回路110Cと130Cを合わせた位相シフト量を360°としているが、縦続接続された移相回路110Cと130Cに、位相をシフトさせない非反転回路を接続して発振回路を構成してもよい。
【0086】
第20図は、2つの移相回路の前段に非反転回路150を接続した発振回路10Dの構成を示す回路図である。同図に示す発振回路10D内部の移相回路310C、330Cは、オペアンプ112あるいは132の出力端子に分圧回路が接続されていない点を除いて第13図に示した各移相回路110C、130Cと同じ構成を有しており、伝達関数および位相シフト量も移相回路110C、130Cと同じである。ただし、(5)式においてa1=1、(6)式においてa2=1となる。
【0087】
非反転回路150は、非反転入力端子に交流信号が入力され反転入力端子が抵抗154を介して接地されたオペアンプ152と、このオペアンプ152の反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗156とにより構成されている。非反転回路150は、2つの抵抗154、156の抵抗比によって定まる所定の利得を有する。
【0088】
2つの移相回路310C、330Cは利得がともに1となる。したがって、第20図に示す発振回路10Dでは、各移相回路で利得を稼ぐ代わりに、上述した非反転回路150の利得を1より大きな値に設定することにより、2つの移相回路310C、330Cを含んで形成される閉ループのループゲインを1以上にして所定の発振を行わせている。
【0089】
なお、第20図に示す発振回路10Dでは、AGC回路16から出力される制御電圧に応じて分圧回路160の分圧比を変更しているが、非反転回路150の利得をAGC回路16からの制御電圧に応じて変更してもよい。
【0090】
〔発振回路の第7の変形例〕
上述した発振回路10A、10B、10C、10Dは、2つの移相回路による位相シフト量の合計が360°となる周波数で所定の発振動作を行っていたが、基本的に同じ動作を行う2つの移相回路を組み合わせて発振回路を構成し、2つの移相回路による位相シフト量の合計が180°となる周波数で所定の発振動作を行うようにしてもよい。
【0091】
第21図は発振回路の第7の変形例を示す回路図であって、第20図に示した後段の移相回路330Cの代わりに移相回路310Cを接続し、非反転回路150の代わりに位相反転回路180を接続したものである。
【0092】
位相反転回路180は、入力される交流信号が抵抗184を介して反転入力端子に入力されるとともに非反転入力端子が接地されたオペアンプ182と、このオペアンプ182の反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗186とにより構成されている。抵抗184を介してオペアンプ182の反転入力端子に交流信号が入力されると、オペアンプ182の出力端子からは位相が反転した逆相の信号が出力され、この逆相の信号が前段の移相回路310Cに入力される。また、この位相反転回路180は、2つの抵抗184、186の抵抗比によって定まる所定の増幅度を有しており、抵抗184の抵抗値より抵抗186の抵抗値を大きくすることにより1より大きな利得が得られる。
【0093】
所定の周波数において、2つの移相回路310Cによって位相が180°シフトされ、しかも位相反転回路180によって位相が反転されるため、全体として、位相が一巡して位相シフト量が360°となって所定の発振が維持される。
【0094】
〔発振回路の第8の変形例〕
第21図に示した発振回路10Eは、2つの移相回路310Cを縦続接続する例を示したが、第22図に示すように2つの移相回路330Cを縦続接続した場合も発振動作を行わせることができる。
【0095】
第22図に示す発振回路10Fでは、所定の周波数において、2つの移相回路330Cによって位相が180°シフトされ、しかも位相反転回路180によって位相が反転されるため、全体として、位相が一巡して位相シフト量が360°となって、所定の発振が維持される。
【0096】
ところで、第20図〜第22図に示した発振回路10D、10E、10Fは、いずれも2つの移相回路をCR回路を含んで構成したが、LR回路を含んで構成するようにしてもよい。例えば、第20図に示した発振回路10Dにおいて、前段の移相回路310Cを第14図に示した移相回路110Lから分圧回路を省略した移相回路に置き換えるか、あるいは後段の移相回路330Cを第15図に示した移相回路130Lから分圧回路を省略した移相回路に置き換えてもよい。
【0097】
なお、第21図、第22図に示した発振回路10E、10Fでは、第3図に示したAGC回路16から出力される制御電圧に応じて分圧回路160の分圧比を変更しているが、位相反転回路180の利得をAGC回路16からの制御電圧に応じて変更してもよい。この場合には、移相回路130Cの後段の分圧回路160を省略し、移相回路130Cの出力を直接前段側に帰還してもよい。あるいは分圧回路160内の抵抗162の抵抗値を極端に小さな値にして分圧比を1に設定してもよい。
【0098】
また、第20図〜第22図に示した発振回路10D、10E、10Fは、前段の移相回路の前段側に入力回路14を接続して入力信号を注入しているが、入力信号の注入箇所は前段の移相回路の前段側とは限らず、例えば両移相回路の間に入力回路14を接続して入力信号を注入してもよい。
【0099】
なお、第20図〜第22図に示した非反転回路150や位相反転回路180の接続位置は、前段の移相回路の前段側に限定されず、各移相回路の間、あるいは後段の移相回路の後段側に接続してもよい。
【0100】
〔発振回路の第9の変形例〕
上述した発振回路の第1〜第8の変形例はいずれも、移相回路の内部にオペアンプを含んでいるが、オペアンプの代わりにトランジスタを用いて移相回路を構成することも可能である。
【0101】
第23図に示す発振回路10Gは、それぞれが入力される交流信号の位相を所定量シフトさせることにより所定の周波数において合計で360°の位相シフトを行う2つの移相回路410C、430Cと、移相回路430Cの出力信号の位相を変えずに所定の増幅度で増幅して出力する非反転回路450と、非反転回路450の後段に設けられた抵抗162および164からなる分圧回路160と、帰還抵抗170とを含んで構成されている。
【0102】
第23図に示す前段の移相回路410Cは、入力信号と同相および逆相の信号をFET412によって生成しており、これら2つの信号をキャパシタ414あるいは抵抗416を介して合成して出力信号としている。
【0103】
この移相回路410Cの伝達関数は、キャパシタ414と抵抗416からなるCR回路の時定数をT1とすると、(5)式に示したK1をそのまま適用でき(ただし、a1<1)、位相シフト量も第13図に示した移相回路110Cの位相シフト量と等しくなる。
【0104】
一方、第23図に示す後段の移相回路430Cは、入力信号と同相および逆相の信号をFET432によって生成しており、これら2つの信号を抵抗436あるいはキャパシタ434を介して合成して出力信号としている。
【0105】
この移相回路430Cの伝達関数は、キャパシタ434と抵抗436からなるCR回路の時定数をT2とすると、(6)式に示したK2をそのまま適用でき(ただし、a2<1)、位相シフト量も第13図に示した移相回路130Cの位相シフト量と等しくなる。
【0106】
また、第23図に示した非反転回路450は、ドレインと正電源との間に抵抗454が、ソースとアースとの間に抵抗456がそれぞれ接続されたFET452と、ベースがFET452のドレインに接続されているとともにコレクタが抵抗460を介してFET452のソースに接続されたトランジスタ458と、FET452に適切なバイアス電圧を印加するための抵抗462とを含んで構成されている。
【0107】
FET452は、ゲートに交流信号が入力されると、逆相の信号をドレインから出力する。また、トランジスタ458は、ベースにこの逆相の信号が入力されると、さらに位相を反転した信号、すなわちFET452のゲートに入力された信号の位相を基準に考えると同相の信号をコレクタから出力し、この信号が非反転回路450から出力される。
【0108】
2つの移相回路410C、430Cの全体により、所定の周波数において位相シフト量の合計が360°となり、このとき、非反転回路450の利得を調整してループゲインを1以上にすることにより、所定の発振動作が維持される。
【0109】
なお、非反転回路450の後段には分圧回路160が接続されており、抵抗164に並列接続された可変抵抗166の抵抗値をAGC回路16から出力される制御電圧に応じて調整することにより振幅制御を行っているが、非反転回路450内の抵抗460等の抵抗値を変更することで、非反転回路450の利得を調整してもよい。
【0110】
また、第23図に示した発振回路10Gでは、前段の移相回路410Cの前段側に入力回路14を接続して入力信号を注入しているが、入力信号の注入箇所は前段の移相回路410Cの前段側とは限らず、例えば移相回路410Cと移相回路430Cの間に入力回路14を接続して入力信号を注入してもよい。
【0111】
〔発振回路の第10の変形例〕
第23図に示した発振回路10Gは、各移相回路410C、430Cの内部にCR回路を含んでいるが、CR回路の代わりに抵抗とインダクタからなるLR回路を含む移相回路を用いて発振回路を構成することも可能である。
【0112】
第24図は、LR回路を含む移相回路の構成を示す回路図であり、第23図に示した発振回路10Gの前段の移相回路410Cと置き換え可能な構成が示されている。同図に示す移相回路410Lは、第23図に示した前段の移相回路410C内のキャパシタ414と抵抗416からなるCR回路を、抵抗416とインダクタ417からなるLR回路に置き換えた構成を有し、抵抗418と抵抗420の各抵抗値は同じ値に設定されている。なお、インダクタ417とFET412のドレインとの間に挿入されたキャパシタ419は直流電流阻止用である。
【0113】
第25図は、LR回路を含む移相回路の他の構成を示す回路図であり、第23図に示した発振回路10Gの後段の移相回路430Cと置き換え可能な構成が示されている。同図に示す移相回路430Lは、第23図に示した後段の移相回路430C内のキャパシタ434と抵抗436からなるCR回路を、抵抗436とインダクタ437からなるLR回路に置き換えた構成を有しており、抵抗438と抵抗440の各抵抗値は同じ値に設定されている。なお、抵抗436とFET432のドレインとの間に挿入されたキャパシタ439は直流電流阻止用である。
【0114】
このように、第23図に示した2つの移相回路410Cおよび430Cのいずれか一方、あるいは両方を第24図、第25図に示した移相回路410L、430Lに置き換えることができる。
【0115】
〔発振回路の第11の変形例〕
第23図では、位相シフト方向の異なる2つの移相回路410C、430Cを縦続接続しているが、2つの移相回路410Cあるいは2つの移相回路430Cを縦続接続することによっても発振動作が可能である。
【0116】
第26図は、移相回路410Cを2段縦続接続した発振回路10Hの回路図であり、第11の変形例が示されている。また、第27図は移相回路430Cを2段縦続接続した発振回路10Jの回路図である。
【0117】
発振回路10H、10Jに含まれる位相反転回路480は、ドレインと正電源との間に抵抗484が、ソースとアースとの間に抵抗486がそれぞれ接続されたFET482と、FET482のゲートに所定のバイアス電圧を印加する抵抗488とを含んで構成されている。また、位相反転回路480は、2つの抵抗484、486の抵抗比によって定まる所定の利得を有する。
【0118】
2つの移相回路410Cあるいは2つの移相回路430Cの全体により、所定の周波数において位相シフト量の合計は180°となり、このとき位相反転回路480の利得を調整してループゲインを1以上にすることにより、所定の発振動作が維持される。
【0119】
ところで、第23図、第26図、第27図に示した発振回路10G、10H、10Jは、2つの移相回路と非反転回路、あるいは2つの移相回路と位相反転回路によって構成されており、接続された3つの回路の全体によって所定の周波数において合計の位相シフト量を360°にすることにより所定の発振動作を行うようになっている。したがって、位相シフト量だけに着目すると、3つの回路をどのような順番で接続するかはある程度の自由度があり、必要に応じて接続順番を決めることができる。
【0120】
また、上述した発振回路10H、10Jは、移相回路内部にCR回路を含む例を示したが、LR回路を内部に含む移相回路を縦続接続して発振回路を構成してもよい。
【0121】
なお、第26図、第27図に示した発振回路10H、10Jでは、AGC回路16から出力される制御電圧に応じて分圧回路160の分圧比を変更しているが、AGC回路16からの制御電圧に応じて位相反転回路480内の抵抗460等の抵抗値を変更して位相反転回路480の利得を調整してもよい。
【0122】
また、発振回路10H、10Jでは、前段の移相回路の前段側に入力回路14を接続して入力信号を注入しているが、入力信号の注入箇所は前段の移相回路の前段側とは限らず、例えば前段の移相回路と後段の移相回路の間に入力回路14を接続して入力信号を注入してもよい。
【0123】
〔発振回路の第12の変形例〕
第28図は、発振回路の第12の変形例を示す回路図である。同図に示す発振回路10Kは、入力される交流信号の位相を変えずに出力する非反転回路550と、それぞれが入力信号の位相を所定量シフトさせることにより所定の周波数において合計で360°の位相シフトを行う2つの移相回路510C、530Cと、後段の移相回路530Cのさらに後段に設けられた抵抗162および164からなる分圧回路160と、帰還抵抗170とを含んで構成されている。
【0124】
なお、非反転回路550は、バッファ回路として機能するものであり、この非反転回路550を省略して発振回路を構成してもよい。
【0125】
第28図に示す前段の移相回路510Cは、2入力の差分電圧を所定の増幅度で増幅して出力する差動増幅器512と、移相回路510Cに入力された信号の位相を所定量シフトさせて差動増幅器512の非反転入力端子に入力するキャパシタ514および抵抗516(これらのキャパシタ514、抵抗516により第2の直列回路が構成される)と、入力信号の位相を変えずにその電圧レベルを約1/2に分圧して差動増幅器512の反転入力端子に入力する抵抗518および520(これら2つの抵抗518、520により第1の直列回路が構成される)とを含んで構成されている。
【0126】
この移相回路510Cの伝達関数は、キャパシタ514と抵抗516からなるCR回路の時定数をT1とすると、上述した(5)式に示したK1をそのまま適用することができ、位相シフト量も第13図に示した移相回路110C等の位相シフト量と等しくなる。
【0127】
一方、第28図に示す後段の移相回路530Cは、2入力の差分電圧を所定の増幅度で増幅して出力する差動増幅器532と、移相回路530Cに入力された信号の位相を所定量シフトさせて差動増幅器532の非反転入力端子に入力する抵抗536およびキャパシタ534(これらの抵抗536、キャパシタ534により第2の直列回路が構成される)と、入力信号の位相を変えずにその電圧レベルを約1/2に分圧して差動増幅器532の反転入力端子に入力する抵抗538および540(これら2つの抵抗538、540により第1の直列回路が構成される)とを含んで構成されている。
【0128】
この移相回路530Cの伝達関数は、抵抗536とキャパシタ534からなるCR回路の時定数をT2とすると、(6)式に示したK2をそのまま適用することができ、位相シフト量も第13図に示した移相回路130C等の位相シフト量と等しくなる。
【0129】
移相回路510C、530Cの全体により所定の周波数において位相シフト量の合計は360°となり、このとき移相回路510C、530Cの少なくとも一方の利得を調整してループゲインを1以上にすることにより、所定の発振動作が維持される。
【0130】
なお、第28図に示した発振回路10Kでは、AGC回路16から出力される制御電圧に応じて分圧回路160の分圧比を変更しているが、AGC回路16からの制御電圧に基づいて、差動増幅器512、532および非反転回路550の少なくとも一つの増幅度を変更してもよい。
【0131】
また、第28図に示した発振回路10Kでは、前段の移相回路510Cの前段側に入力回路14を接続して入力信号を注入しているが、入力信号の注入箇所は前段の移相回路510Cの前段側とは限らず、例えば移相回路510Cと移相回路530Cの間に入力回路14を接続して入力信号を注入してもよい。
【0132】
〔発振回路の第13の変形例〕
第28図に示した発振回路10Kは、各移相回路510C、530CをCR回路を含んで構成したが、CR回路を抵抗とインダクタからなるLR回路に置き換えた移相回路を用いて発振回路を構成することもできる。
【0133】
第29図は、LR回路を含む移相回路の他の構成を示す回路図である。同図に示す移相回路510Lは、第28図に示した移相回路510C内のキャパシタ514と抵抗516からなるCR回路を、抵抗516とインダクタ517からなるLR回路に置き換えた構成を有している。
【0134】
第30図は、LR回路を含む移相回路の他の構成を示す回路図である。同図に示す移相回路530Lは、第28図に示した移相回路530C内の抵抗536とキャパシタ534からなるCR回路を、インダクタ537と抵抗536からなるLR回路に置き換えた構成を有している。
【0135】
このように、第28図に示した2つの移相回路510Cおよび530Cのいずれか一方、あるいは両方を第29図、第30図に示した移相回路510L、530Lに置き換えることができる。
【0136】
〔発振回路の第14の変形例〕
第28図では、位相シフト方向の異なる2つの移相回路510C、530Cを縦続接続しているが、2つの移相回路510Cあるいは2つの移相回路530Cを縦続接続することによっても発振動作が可能である。
【0137】
第31図は、移相回路510Cを2つ縦続接続して構成した発振回路10Lの回路図であり、第14の変形例が示されている。また、第32図は移相回路530Cを2つ用いて構成した発振回路10Mの回路図である。
【0138】
2つの移相回路510Cあるいは530Cの全体により所定の周波数において位相シフト量の合計が180°となり、このとき2つの移相回路510C、530C、位相反転回路580の少なくとも1つの利得を調整してループゲインを1以上にすることにより、所定の発振動作が維持される。
【0139】
ところで、第23図、第26図、第27図に示した発振回路10G、10H、10Jは、2つの移相回路と非反転回路、あるいは2つの移相回路と位相反転回路によって構成されており、接続された3つの回路の全体によって所定の周波数において合計の位相シフト量を360°にすることにより所定の発振動作を行うようになっている。したがって、位相シフト量だけに着目すると、3つの回路をどのような順番で接続するかはある程度の自由度があり、必要に応じて接続順番を決めることができる。
【0140】
なお、第31図、第32図に示した発振回路10L、10Mでは、AGC回路16から出力される制御電圧に応じて分圧回路160の分圧比を変更しているが、差動増幅器512、532および位相反転回路580の少なくとも一つの増幅度を、AGC回路16からの制御電圧に応じて変更してもよい。
【0141】
また、第31図、第32図に示した発振回路10L、10Mでは、前段の移相回路の前段側に入力回路14を接続して入力信号を注入しているが、入力信号の注入箇所は前段の移相回路の前段側とは限らず、例えば後段の移相回路と後段の移相回路の間に入力回路14を接続して入力信号を注入してもよい。
【0142】
なお、第28図、第31図、第32図に示した発振回路10K、10L、10Mは、CR回路を内部に含む移相回路を縦続接続しているが、少なくとも一つの移相回路についてはLR回路を内部に含んで構成してもよい。
【0143】
〔その他の変形例〕
第13図以降に説明した各種の発振回路を第2図に示したPLL構成の同調増幅器1で用いる場合には、例えば移相回路110C等の内部に含まれる抵抗116を可変抵抗に置き換え、この可変抵抗の抵抗値を第2図に示したローパスフィルタ5の出力に応じて変更すればよい。具体的には、可変抵抗をFETのチャネル抵抗で形成し、このFETのゲート電圧を第2図に示したローパスフィルタ5の出力に応じて制御する。あるいは、抵抗116は固定抵抗のままで、後段の移相回路130C等の内部の抵抗136等をFETによって形成した可変抵抗に置き換えてもよい。
【0144】
あるいは、前段および後段の移相回路内部にそれぞれ可変抵抗を設けてもよい。この場合には、双方の移相回路の各位相シフト量を同時に可変するため、全体の発振周波数の変化量、すなわち発振周波数の可変範囲を大きく設定できる利点がある。
【0145】
また、抵抗116や抵抗136の抵抗値は固定のままで、キャパシタ114等の静電容量を変化させることにより全体の発振周波数を変えるようにしてもよい。例えば、2つの移相回路の少なくとも一方に含まれるキャパシタ114等を可変容量素子に置き換えてこの静電容量を可変することにより、各移相回路による位相シフト量を変化させて発振周波数を変えることができる。さらに具体的には、上述した可変容量素子を、アノード・カソード間に印加する逆バイアス電圧が変更可能な可変容量ダイオードによって、あるいはゲート電圧によってゲート容量が変更可能なFETによって形成することができる。なお、上述した可変容量素子に印加する逆バイアス電圧を可変するには、この可変容量素子と直列に直流電流阻止用のキャパシタを接続すればよい。
【0146】
なお、第13図以降に示した各種の発振回路を構成する2つの移相回路の接続順序を左右逆にしてもよい。
【0147】
また、第13図〜第22図に示した各種の発振回路は、オペアンプを用いた移相回路110C等を用いることにより高い安定度を実現しているが、本実施形態の移相回路110C等のような使い方をする場合にはオフセット電圧や電圧利得はそれほど高性能なものが要求されないため所定の増幅度を有する差動増幅器を各移相回路内のオペアンプの代わりに使用するようにしてもよい。
【0148】
第33図は、オペアンプの構成の中で移相回路の動作に必要な部分を抽出した回路図であり、全体が所定の増幅度を有する差動増幅器として動作する。同図に示す差動増幅器は、FETにより構成された差動入力段100と、この差動入力段100に定電流を与える定電流回路102と、定電流回路102に所定のバイアス電圧を与えるバイアス回路104と、差動入力段100に接続された出力アンプ106とによって構成されている。同図に示すように、実際のオペアンプに含まれている電圧利得を稼ぐための多段増幅回路を省略して、差動増幅器の構成を簡略化し、広帯域化を図ることができる。このように、回路の簡略化を行うことにより、動作周波数の上限を高くすることができるため、その分この差動増幅器を用いて構成した発振回路10A等の発振周波数の上限を高くすることができる。
【0149】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0150】
例えば、第2図に示したPLL構成の説明では、同調増幅器1内の発振回路10を制御電圧に応じて発振周波数が可変できるものとしたが、制御電流に応じて発振周波数が変更可能な発振回路を用いる場合には、制御電圧を制御電流に変換すればよい。
【0151】
また、移相型の発振回路の具体例としては、第3図に示した回路の他に、ツインT型CR発振回路、ブリッジTアクティブBPFに正帰還をかけた発振回路、ウィーンブリッジ発振回路等がある。
産業上の利用可能性
上述したように本発明によれば、発振回路を発振させた状態で信号を入力した場合に、入力される信号の周波数に発振出力が引き込まれて所定の発振動作が行われる。特に、利得制御回路によって出力振幅が調整されるため、発振回路の発振周波数を可変して発振周波数を変えた場合であっても、利得変化が生じない。また、利得制御回路の応答速度を調整することにより、入力される交流信号としてAM変調された信号やFM変調された信号等の各種の信号に対する発振動作が可能となる。また、発振動作と同時に信号振幅の増幅が可能となる。
【0152】
また、上述した発振回路を電圧制御型発振回路としてPLL構成とすることにより、発振周波数を容易に安定させることができる。特に、上述した発振回路は、入力信号がない場合には所定の発振動作を行っているため、入力信号の有無にかかわらずPLL制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明を適用した一実施形態の同調増幅器の構成を示す図、
第2図は、第1図に示した同調増幅器をPLL制御するための構成を示す図、
第3図は、移相型の発振回路を用いた同調増幅器の第1の構成例を示す回路図、
第4図は、第3図に示した同調増幅器の同調特性の測定結果を示す図、
第5図は、第3図の接続箇所Aに入力回路を接続した場合の同調特性を示す図、
第6図は、第3図の接続箇所Bに入力回路を接続した場合の同調特性を示す図、
第7図は、同調増幅器の自己発振周波数と同一周波数で振幅が異なる信号を入力回路に入力した場合に出力振幅がどのように変化するかを示す図、
第8図は、PLL構成にした場合の同調増幅器の詳細構成を示す図、
第9図は、抵抗およびキャパシタからなるローパスフィルタを3段縦続接続して帰還回路を形成した例を示す図、
第10図は、抵抗およびインダクタからなるハイパスフィルタを3段縦続接続した例を示す図、
第11図は、抵抗およびインダクタからなるローパスフィルタを3段縦続接続した例を示す図、
第12図は、第3図に示す増幅回路と置き換え可能な増幅回路の詳細構成を示す図、
第13図は、発振回路の第1の変形例を示す回路図、
第14図は、第13図に示した移相回路の変形例で、LR回路を含む移相回路の構成を示す回路図、
第15図は、LR回路を含む移相回路の他の構成を示す回路図、
第16図は、発振回路の第3の変形例を示す回路図、
第17図は、第16図に示した移相回路の変形例で、LR回路を含む移相回路の構成を示す回路図、
第18図は、LR回路を含む移相回路の他の構成を示す回路図、
第19図は、2つの移相回路の前段にトランジスタによるホロワ回路を接続した発振回路の構成を示す回路図、
第20図は、2つの移相回路の前段に非反転回路を接続した発振回路の構成を示す回路図、
第21図は、移相回路310Cを縦続接続した発振回路の構成を示す回路図、
第22図は、移相回路330Cを縦続接続した発振回路の構成を示す回路図、
第23図は、トランジスタを含む移相回路を縦続接続した発振回路の構成を示す回路図、
第24図は、第23図に示した移相回路の変形例で、LR回路を含む移相回路の構成を示す回路図、
第25図は、LR回路を含む移相回路の他の構成を示す回路図、
第26図は、移相回路410Cを2段縦続接続した発振回路の構成を示す回路図、
第27図は、移相回路430Cを2段縦続接続した発振回路の構成を示す回路図、
第28図は、発振回路の変形例を示す回路図、
第29図は、第28図に示した移相回路の変形例で、LR回路を含む移相回路の構成を示す回路図、
第30図は、LR回路を含む移相回路の他の構成を示す回路図、
第31図は、移相回路510Cを2段縦続接続した発振回路の回路図、
第32図は、移相回路530Cを2段縦続接続した発振回路の回路図、
第33図は、オペアンプの構成の中で移相回路の動作に必要な部分を抽出した回路図である。

Claims (26)

  1. 出力を入力側に帰還させて閉ループを形成し、所定周波数において発振動作を行う発振回路と、
    前記発振回路の出力振幅を制御する利得制御回路と、
    前記発振回路の閉ループの一部に振幅変調がかかった信号を入力する入力回路と、
    を備え、前記入力回路によって入力される信号の中から前記発振回路の発振周波数近傍の周波数成分を抽出するとともに、この周波数成分の信号に含まれる振幅変調成分の増幅を行い、前記利得制御回路の応答速度が前記振幅変調成分以下の周波数を有する振幅変化を抑えるように調整されていることを特徴とする同調増幅器。
  2. 前記発振回路は制御電圧に応じて発振周波数が設定される電圧制御型発振回路であり、前記電圧制御型発振回路を含むPLL構成とすることにより、同調周波数を安定させることを特徴とする請求項1記載の同調増幅器。
  3. 前記発振回路は、少なくとも一方が周波数選択特性を有する増幅回路と帰還回路をループ状に接続することにより形成され、
    前記発振回路は、前記周波数選択特性に応じて設定される所定周波数において発振動作を行うことを特徴とする請求項1記載の同調増幅器。
  4. 前記帰還回路は、前記入力回路によって入力される信号の周波数が所定周波数のときに、この信号の位相を180°シフトさせ、
    前記増幅回路は、前記帰還回路から出力される信号を反転増幅して出力することを特徴とする請求項3記載の同調増幅器。
  5. 前記帰還回路は、キャパシタあるいはインダクタによるリアクタンス素子と抵抗とを含むローパスフィルタを複数段縦続接続して構成されることを特徴とする請求項4記載の同調増幅器。
  6. 前記帰還回路は、キャパシタあるいはインダクタによるリアクタンス素子と抵抗とを含むハイパスフィルタを複数段縦続接続して構成されることを特徴とする請求項4記載の同調増幅器。
  7. 前記増幅回路は、CMOSのインバータ回路を含んで構成されることを特徴とする請求項3記載の同調増幅器。
  8. 前記増幅回路は、前記インバータ回路の入力端子に直列に接続された第1の抵抗と、前記インバータの入出力端子間に接続された第2の抵抗とを有し、前記利得制御回路の出力に応じて前記第1および第2の抵抗の抵抗比を変更可能としたことを特徴とする請求項7記載の同調増幅器。
  9. 前記発振回路は、出力が入力側に帰還された差動増幅器を含む2つの移相回路をループ状に接続して構成され、前記2つの移相回路のいずれかの出力を発振信号として出力することを特徴とする請求項1記載の同調増幅器。
  10. 前記縦続接続された2つの移相回路の少なくとも一方は、反転入力端子に第1の抵抗の一方端が接続され前記第1の抵抗を介して交流信号が入力される差動増幅器と、前記差動増幅器の反転入力端子および出力端子の間に接続された第2の抵抗と、キャパシタあるいはインダクタによるリアクタンス素子と第3の抵抗とで構成され前記第1の抵抗の他方端に接続された直列回路とを含んでおり、前記第3の抵抗および前記リアクタンス素子の接続部を前記差動増幅器の非反転入力端子に接続したことを特徴とする請求項9記載の同調増幅器。
  11. 前記縦続接続された2つの移相回路の少なくとも一方は、反転入力端子に第1の抵抗の一方端が接続され前記第1の抵抗を介して交流信号が入力される差動増幅器と、前記差動増幅器の出力端子に接続された第1の分圧回路と、前記第1の分圧回路の出力端と前記差動増幅器の反転入力端子との間に接続された第2の抵抗と、キャパシタあるいはインダクタによるリアクタンス素子と第3の抵抗とで構成され前記第1の抵抗の他方端に接続された直列回路とを含んでおり、前記第3の抵抗および前記リアクタンス素子の接続部を前記差動増幅器の非反転入力端子に接続したことを特徴とする請求項9記載の同調増幅器。
  12. 前記縦続接続された2つの移相回路の少なくとも一方は、反転入力端子に第1の抵抗の一方端が接続され前記第1の抵抗を介して交流信号が入力される差動増幅器と、前記差動増幅器の反転入力端子と出力端子との間に接続された第2の抵抗と、一方端が前記差動増幅器の反転入力端子に接続され他方端が接地された第3の抵抗と、キャパシタあるいはインダクタによるリアクタンス素子と第4の抵抗とで構成され前記第1の抵抗の他方端に接続された直列回路とを含んでおり、前記第4の抵抗および前記リアクタンス素子の接続部を前記差動増幅器の非反転入力端子に接続したことを特徴とする請求項9記載の同調増幅器。
  13. 前記発振回路は、入力される交流信号の位相を変えずに出力する非反転回路を備えており、前記非反転回路は縦続接続された2つの移相回路によって形成される閉ループの一部に挿入され、
    前記発振回路は、前記縦続接続された2つの移相回路の全体により位相シフト量の合計が360°となる周波数近傍の周波数で発振動作を行うことを特徴とする請求項9記載の同調増幅器。
  14. 前記発振回路は、入力される交流信号の位相を反転して出力する位相反転回路を備えており、前記位相反転回路は縦続接続された2つの移相回路によって形成される閉ループの一部に挿入され、
    前記発振回路は、前記縦続接続された2つの移相回路の全体により位相シフト量の合計が180°となる周波数近傍の周波数で発振動作を行うことを特徴とする請求項9記載の同調増幅器。
  15. 前記入力回路の次段に接続される前記移相回路と前記入力回路との間にトランジスタによるホロワ回路を挿入することを特徴とする請求項9記載の同調増幅器。
  16. 縦続接続された2つの前記移相回路によって形成される閉ループの一部に第2の分圧回路を挿入し、
    前記発振回路は、前記第2の分圧回路に入力される交流信号を発振信号として出力することを特徴とする請求項9記載の同調増幅器。
  17. 前記発振回路は、キャパシタあるいはインダクタによるリアクタンス素子と抵抗とで構成される直列回路をそれぞれ含む2つの移相回路と、入力される交流信号の位相を変えずに増幅して出力する非反転回路とを備えており、
    前記2つの移相回路および前記非反転回路はループ状に接続され、
    前記2つの移相回路の少なくとも一方は、入力された交流信号を同相および逆相の交流信号に変換して出力する変換手段と、この変換手段によって変換された一方の交流信号を前記直列回路の一方端を介して、他方の交流信号を前記直列回路の他方端を介して合成する合成手段とを含むことを特徴とする請求項1記載の同調増幅器。
  18. 前記発振回路は、前記縦続接続された2つの移相回路の全体により位相シフト量の合計が360°となる周波数近傍の周波数で発振動作を行うことを特徴とする請求項17記載の同調増幅器。
  19. 前記縦続接続された2つの移相回路および前記非反転回路によって形成される閉ループの一部に分圧回路を挿入し、
    前記発振回路は、前記分圧回路に入力される交流信号を発振信号として出力することを特徴とする請求項17記載の同調増幅器。
  20. 前記発振回路は、キャパシタあるいはインダクタによるリアクタンス素子と抵抗とで構成される直列回路をそれぞれ含む2つの移相回路と、入力される交流信号の位相を反転増幅して出力する位相反転回路とを備えており、
    前記2つの移相回路および前記位相反転回路はループ状に接続され、
    前記2つの移相回路の少なくとも一方は、入力された交流信号を同相および逆相の交流信号に変換して出力する変換手段と、この変換手段によって変換された一方の交流信号を前記直列回路の一方端を介して、他方の交流信号を前記直列回路の他方端を介して合成する合成手段とを含むことを特徴とする請求項1記載の同調増幅器。
  21. 前記発振回路は、前記縦続接続された2つの移相回路の全体により位相シフト量の合計が180°となる周波数近傍の周波数で発振動作を行うことを特徴とする請求項20記載の同調増幅器。
  22. 前記縦続接続された2つの移相回路および前記位相反転回路によって形成される閉ループの一部に分圧回路を挿入し、
    前記発振回路は、前記分圧回路に入力される交流信号を発振信号として出力することを特徴とする請求項20記載の同調増幅器。
  23. 前記発振回路に含まれる前記2つの移相回路の少なくとも一方は、抵抗値がほぼ等しい第1および第2の抵抗により構成される第1の直列回路と、キャパシタあるいはインダクタによるリアクタンス素子と第3の抵抗とにより構成される第2の直列回路と、前記第1の直列回路を構成する前記第1および第2の抵抗の接続点の電位と前記第2の直列回路を構成する前記リアクタンス素子および前記第3の抵抗の接続点の電位との差分を所定の増幅度で増幅して出力する差動増幅器とを含んでおり、前記第1および第2の直列回路の一端にそれぞれ交流信号を入力したことを特徴とする請求項9記載の同調増幅器。
  24. 前記発振回路は、入力される交流信号の位相を変えずに出力する非反転回路を備えており、前記非反転回路は前記縦続接続された2つの移相回路によって形成される閉ループの一部に挿入され、
    前記発振回路は、前記縦続接続された2つの移相回路の全体により位相シフト量の合計が360°となる周波数近傍の周波数で発振動作を行うことを特徴とする請求項23記載の同調増幅器。
  25. 前記発振回路は、入力される交流信号の位相を反転して出力する位相反転回路を備えており、前記位相反転回路は前記縦続接続された2つの移相回路によって形成される閉ループの一部に挿入され、
    前記発振回路は、前記縦続接続された2つの移相回路の全体により位相シフト量の合計が180°となる周波数近傍の周波数で発振動作を行うことを特徴とする請求項23記載の同調増幅器。
  26. 前記縦続接続された2つの移相回路によって形成される閉ループの一部に分圧回路を挿入し、
    前記発振回路は、前記分圧回路に入力される交流信号を発振信号として出力することを特徴とする請求項23記載の同調増幅器。
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