JP4066984B2 - 酸素富化装置および空気調和装置 - Google Patents

酸素富化装置および空気調和装置 Download PDF

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Description

本発明は、酸素富化膜により酸素富化を行う酸素富化装置、および酸素富化装置を搭載した空気調和装置に関する。
近年、健康の維持・増進や仕事の効率向上などを目的として酸素富化装置が一般消費者に広く受け入れられている。酸素富化装置としては酸素富化膜を利用して空気中の酸素を約30%まで濃縮するものが広く知られており、このような酸素富化装置は、主に、酸素富化膜モジュールおよび減圧ポンプから構成されている。酸素富化膜モジュールには酸素富化膜がケーシング内の空間を1次側空間と2次側空間とに分割するように配置されており、2次側空間はホースや配管などを介して減圧ポンプの吸入側に接続されている。また、減圧ポンプの排出側にも通常、ホースや配管などが接続されており、そのホースや配管は、例えば居室などの酸素富化の対象となる空間へと導かれている。このような構成において、減圧ポンプを運転させると、酸素富化膜モジュールの2次側空間が減圧され、1次側空間との間で圧力差が生じる。すると、1次側空間に供給される空気がその圧力差を駆動源として酸素富化膜を透過し、2次側空間へと至る。このとき、空気中の酸素が濃縮され、およそ30%の酸素濃度を有する空気(以下、酸素富化空気という)となる。
ところで、現在、実用化されている酸素富化膜のほとんどは、酸素のみならず水分をも選択的に透過させることが当業者の間に広く知られている。このため、上記のような酸素富化装置では、1次側空間に供給される空気よりも酸素富化空気の方が相対的に湿度が高くなり2次側空間において露点が上昇することとなる。したがって、湿度が高くなる梅雨や気温が下がる冬季などにおいて、減圧ポンプの排出側に接続されるホースや配管の中でしばしば結露水が生じることがある。このように居室などに導かれるホースや配管の中で結露水が生じて堆積すると、そのホースや配管の出口付近であぶく音がすることがあり居室の居住者に不快感を与えるおそれがあった。
このおそれを取り除くために、酸素富化装置の当業者は、ある発明を開示している(特許文献1参照)。この発明は、酸素富化膜モジュールの2次側空間から減圧ポンプの吸入側に至る酸素富化空気の流路に外気導入管を接続し、酸素富化空気の風速が所定値以下となった場合に、外気の導入を制御可能な制御弁を開けてホースや配管に堆積している結露水を空気調和装置の室内ユニットのドレンパンに排出するというものである。この発明によれば、居室などに接続されるホースや配管の中で結露水が生じて堆積することにより酸素富化空気の風速が低下して所定の風速に達したときに酸素富化空気の流路に外気が吹き込まれ、堆積した結露水がホースあるいは配管から排出されるので、ホースや配管の出口付近であぶく音が発生するおそれを未然に防ぐことができる。
特開2004−148243号公報
ところが、上記のような発明を採用してあぶく音が居室などに伝播するおそれを取り除こうとする場合、外気導入を行う度に居室などに供給される酸素富化空気の酸素濃度が意図なく薄められるという不都合が新たに生じることになる。
本発明の課題は、あぶく音が居室などに伝播するおそれを取り除くことができ、かつ、酸素富化空気の酸素濃度が意図なく薄められることを防ぐことができる酸素富化装置を提供することにある。
第1発明に係る酸素富化装置は、酸素富化膜モジュール、減圧ポンプ、給気ファン酸素等富化空気排出路および外気導入通路を備える。酸素富化膜モジュールは、ケーシングおよび酸素等富化膜を有する。酸素等富化膜は、空気に含まれる酸素および水分を選択的に透過させることが可能である。そして、この酸素等富化膜は、ケーシング内の空間を1次側空間と2次側空間とに分割するようにケーシング内に配置される。減圧ポンプは、1次側空間に供給される空気が2次側空間側に向かって酸素等富化膜を透過するように2次側空間を減圧して2次側空間において第1酸素等富化空気を生成させるために設けられる。なお、ここにいう「第1酸素等富化空気」とは、酸素および水分が富化された空気をいう。給気ファンは、酸素富化対象空間へ第1酸素等富化空気を供給するために設けられる。なお、ここにいう「酸素富化対象空間」とは、酸素富化を行う対象となる空間をいい、例えば、人間が居住する室内などを意味する。酸素等富化空気排出路は、第1酸素等富化空気を減圧ポンプから給気ファン設置空間に排出するために設けられる。なお、ここにいう「給気ファン設置空間」とは、給気ファンが設置される空間をいう。外気導入通路は、外気を給気ファン設置空間に導くための通路である。なお、ここにいう「外気」とは、屋外の空気をいう。そして、給気ファンは、第2酸素等富化空気を酸素富化対象空間に供給することが可能である。なお、ここにいう「第2酸素等富化空気」とは、第1酸素等富化空気と外気とが混合された空気をいう。
従来の酸素富化装置では、減圧ポンプから伸びる酸素等富化空気排出路が居室などの酸素富化対象空間へ直接導かれていた。しかし、この酸素富化装置では、減圧ポンプから伸びる酸素等富化空気排出路が装置内の給気ファン設置空間に導かれており、減圧ポンプから酸素等富化空気排出路を介して給気ファン設置空間に排出される第1酸素等富化空気は、給気ファンによって居室などの酸素富化対象空間に供給される。このため、この酸素富化装置を従来と同様に屋外に設置していれば、酸素等富化空気排出路に結露水が堆積して酸素等富化空気排出路であぶく音が発生したとしても、そのあぶく音は居室外で発生することになり、あぶく音が居室まで伝播するはない。また、このようにあぶく音を気にする必要がなくなるため、酸素等富化空気排出路に堆積する結露水を外気により強制的に排出する必要がなくなる。このように、この酸素富化装置では、あぶく音が居室などに伝播するおそれを取り除くことができ、かつ、第1酸素等富化空気の酸素濃度が意図なく薄められることを防ぐことができる。また、この酸素富化装置では、給気ファンが、第2酸素等富化空気を酸素富化対象空間に供給することが可能である。このため、この酸素富化装置では、第1酸素等富化空気の酸素濃度は外気により薄められるが、通常の空気の酸素濃度より高い酸素濃度の空気を定常的に居室などに供給して酸素富化すると同時に居室などの給気換気を行うことができる。
第2発明に係る酸素富化装置は、第1発明に係る酸素富化装置であって、減圧ポンプは、給気ファン設置空間よりも高い位置に配置される。また、酸素等富化空気排出路は、減圧ポンプから給気ファン設置空間に向かって下り勾配になるように配置される。
この酸素富化装置では、減圧ポンプが給気ファン設置空間よりも高い位置に配置され、酸素等富化空気排出路が減圧ポンプから給気ファン設置空間に向かって下り勾配になるように配置される。このため、この酸素富化装置では、酸素等富化空気排出路において酸素等富化空気から結露水が生じる場合であっても、その結露水は、酸素等富化空気排出路を伝って給気ファン設置空間に排出されることとなる。したがって、この酸素富化装置では、酸素等富化空気排出路に結露水が堆積することを防ぐことができる。この結果、この酸素富化装置では、あぶく音の発生を防止することができ、かつ、酸素等富化空気の酸素濃度が意図なく薄められることを防ぐことができる。なお、給気ファン設置空間に排出された結露水は、給気ファンが生じる空気流れによって乾燥されるようにしてもよいし屋外に排出されるようにしてもよい。
第3発明に係る酸素富化装置は、第1発明または第2発明に係る酸素富化装置であって、酸素等富化空気排出路は、第1酸素等富化空気から結露水が生成した場合において結露水が給気ファンの空気吸い込みによって生じる空気流れによって乾燥されるように給気ファン設置空間に接続される。
この酸素富化装置では、酸素等富化空気排出路が、第1酸素等富化空気から結露水が生成した場合において結露水が給気ファンの空気吸い込みによって生じる空気流れによって乾燥されるように給気ファン設置空間に接続される。このため、この酸素富化装置では、結露水を屋外に排出することなく結露水を処理することができる。
第4発明に係る酸素富化装置は、第1発明から第3発明のいずれかに係る酸素富化装置であって、ドレンパンをさらに備える。ドレンパンは、第1酸素等富化空気から生じる結露水を受けるために設けられる。そして、このドレンパンは、給気ファン設置空間のうち空気流れ発生領域内に配置される。なお、ここにいう「空気流れ発生領域」とは、給気ファンの空気吸い込みに起因して空気流れが生じる領域をいう。
この酸素富化装置では、ドレンパンが、給気ファン設置空間のうち空気流れ発生領域内に配置される。このため、この酸素富化装置では、酸素等富化空気排出路において発生する結露水は、ドレンパンに堆積され、給気ファンの空気吸い込みによって生じる空気流れによって乾燥される。したがって、この酸素富化装置では、結露水を屋外に排出することなく結露水を処理することができる。また、給気ファン設置空間の近傍に電装品などが配置されている場合には、電装品を保護することができる。
発明に係る酸素富化装置は、第発明から第4発明のいずれかに係る酸素富化装置であって、加湿手段をさらに備える。加湿手段は、外気を加湿して加湿外気を生成するために設けられる。そして、給気ファンは、第3酸素等富化空気を酸素富化対象空間に供給することが可能である。なお、ここにいう「第3酸素等富化空気」とは、第1酸素等富化空気と加湿外気とが混合された空気をいう。
この酸素富化装置では、給気ファンが、第3酸素等富化空気を酸素富化対象空間に供給することが可能である。このため、この酸素富化装置では、第1酸素等富化空気の酸素濃度は加湿外気により薄められるが、通常の空気の酸素濃度より高い酸素濃度の空気を定常的に居室などに供給して酸素富化すると同時に居室などの加湿を行うことができる。
発明に係る酸素富化装置は、第1発明から第発明のいずれかに係る酸素富化装置であって、酸素等富化空気導入路および流路切換機構をさらに備える。酸素等富化空気導入路は、給気ファンから吹き出される酸素等富化空気を酸素富化対象空間へと導くための流路である。流路切換機構は、第1状態と第2状態とを切換可能である。第1状態では、給気ファンにより酸素等富化空気が酸素等富化空気導入路を介して酸素富化対象空間へと供給される。第2状態では、給気ファンにより酸素富化対象空間に存在する空気が酸素等富化空気導入路を介して屋外へ排出される。
この酸素富化装置では、流路切換機構が、第1状態と第2状態とを切換可能である。このため、この酸素富化装置では、酸素等富化空気を酸素富化対象空間に供給するだけでなく、酸素富化対象空間を排気換気することもできる。
発明に係る酸素富化装置は、第1発明から第発明のいずれかに係る酸素富化装置であって、吸湿剤をさらに備える。吸湿剤は、空気中の水分を吸着する。そして、酸素富化膜モジュールの1次側空間に供給される空気は、除湿空気である。なお、ここにいう「除湿空気」とは、吸湿剤により除湿された空気をいう。
この酸素富化装置では、酸素富化膜モジュールの1次側空間に供給される空気が、除湿空気である。このため、この酸素富化装置では、酸素等富化空気排出路において第1酸素等富化空気から結露水が生じるのを抑制することができる。また、例え、結露水が生じたとしてもその発生量を低減することができる。
発明に係る空気調和装置は、室内機、室外機、および酸素富化装置を備える。酸素富化装置は、第1発明から第発明のいずれかに係る酸素富化装置である。そして、酸素富化装置は、室外機に取り付けられる。
この空気調和装置では、酸素富化装置が、室外機に取り付けられる。このため、酸素等富化空気排出路に結露水が堆積して酸素等富化空気排出路であぶく音が発生したとしても、そのあぶく音は居室外で発生することになり、あぶく音が居室まで伝播するはない。また、このようにあぶく音を気にする必要がなくなるため、酸素等富化空気排出路に堆積する結露水を外気により強制的に排出する必要がなくなる。このように、この酸素富化装置では、あぶく音が居室などに伝播するおそれを取り除くことができ、かつ、酸素等富化空気の酸素濃度が意図なく薄められることを防ぐことができる。
第1発明に係る酸素富化装置は、屋外に設置されれば、あぶく音が居室などに伝播するおそれを取り除くことができ、かつ、第1酸素等富化空気の酸素濃度が意図なく薄められることを防ぐことができる。また、この酸素富化装置では、第1酸素等富化空気の酸素濃度は外気により薄められるが、通常の空気の酸素濃度より高い酸素濃度の空気を定常的に居室などに供給して酸素富化すると同時に居室などの給気換気を行うことができる。
第2発明に係る酸素富化装置では、酸素等富化空気排出路において酸素等富化空気から結露水が生じる場合であっても、その結露水は、酸素等富化空気排出路を伝って給気ファン設置空間に排出されることとなる。したがって、この酸素富化装置では、酸素等富化空気排出路に結露水が堆積することを防ぐことができる。この結果、この酸素富化装置では、あぶく音の発生を防止することができ、かつ、酸素等富化空気の酸素濃度が意図なく薄められることを防ぐことができる。
第3発明に係る酸素富化装置では、結露水を屋外に排出することなく結露水を処理することができる。
第4発明に係る酸素富化装置では、結露水を屋外に排出することなく結露水を処理することができる。また、給気ファン設置空間の近傍に電装品などが配置されている場合には、電装品を保護することができる。
発明に係る酸素富化装置では、第1酸素等富化空気の酸素濃度は外気により薄められるが、通常の空気の酸素濃度より高い酸素濃度の空気を定常的に居室などに供給して酸素富化すると同時に居室などの加湿を行うことができる。
発明に係る酸素富化装置では、酸素等富化空気を酸素富化対象空間に供給するだけでなく、酸素富化対象空間を排気換気することもできる。
発明に係る酸素富化装置では、酸素等富化空気排出路において酸素等富化空気から結露水が生じるのを抑制することができる。また、例え、結露水が生じたとしてもその発生量を低減することができる。
発明に係る空気調和装置では、あぶく音が居室などに伝播するおそれを取り除くことができ、かつ、酸素等富化空気の酸素濃度が意図なく薄められることを防ぐことができる。
以下、図面に基づいて、本発明にかかる空気調和装置の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
(1)空気調和装置の概略構成
図1は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置1の外観図である。
この空気調和装置1は、室内の壁面Uなどに取り付けられる室内ユニット2と、室外に設置される室外ユニット3とに分かれて構成されている。室外ユニット3は、室外冷媒ユニット4と、オプショナルユニット15とを備えている。また、オプショナルユニット15(酸素富化装置)は、加湿ユニット5と、酸素富化ユニット6とを有している。室内ユニット2と室外ユニット3とは、冷媒配管7を介して両ユニットの冷媒回路同士が接続されている。また、室内ユニット2と室外ユニット3とは、加湿ユニット5からの加熱空気又は加湿空気や酸素富化ユニット6からの酸素富化空気を室内ユニット2側に供給するときに使用される給気管8によって接続されている。尚、本実施形態において、オプショナルユニット15は室外冷媒ユニット4の上側に重ねられるように配置されており、設置スペースが大きくならないようになっている。また、給気管8は、加湿ユニット5の側面、前面、背面等に接続されており、室内の壁面Uを貫通して室内ユニット2に接続されている。ここで、給気管8は、内径が20mmから30mm程度のものが使用される。
(2)各ユニット内の機器配置及び冷媒回路の構成
図2は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置1の室内ユニット2内及び室外ユニット3内の各機器の配置を示す図である。図3は、空気調和装置1の冷媒回路の概略構成図、加湿ユニット5の概略構成図及び酸素富化ユニット6の概略構成図である。
室内ユニット2には、室内熱交換器11が設けられている。この室内熱交換器11は、複数本のヘアピン形状の管を接続して構成される伝熱管と、伝熱管が挿通される複数のフィンとからなるクロスフィンチューブ型の熱交換器パネルであり、冷媒配管7を介して室内熱交換器11に供給されて伝熱管内を流れる冷媒と伝熱管及びフィンに接触する空気との間で熱交換を行う。また、室内ユニット2内には、室内ファン12と、室内ファン12を回転駆動する室内ファンモータ13とが設けられている。室内ファン12は、周面に多数の羽根が設けられた円筒形状のクロスフローファンであり、回転軸と交わる方向に空気流を生成する。この室内ファン12は、室内空気を室内ユニット2内に吸入させるとともに、室内熱交換器11の伝熱管内を流れる冷媒との間で熱交換を行った後の空気を室内に吹き出す。さらに、室内ユニット2内には、給気管8の管端部が挿入されており、加湿ユニット5から供給される加熱空気又は加湿空気や酸素富化ユニット6から供給される酸素富化空気が室内ユニット2内に一旦吹き出された後、室内から吸入された空気とともに室内ファン12によって室内に吹き出されるようになっている。
室外冷媒ユニット4には、圧縮機21と、圧縮機21の吐出側に接続される四路切換弁22と、圧縮機21の吸入側に接続されるアキュムレータ23と、四路切換弁22に接続された室外熱交換器24と、室外熱交換器24に接続された電動膨張弁25とが設けられている。室外熱交換器24は、複数本のヘアピン形状の管を接続して構成される伝熱管と、伝熱管が挿通される複数のフィンとからなるクロスフィンチューブ型の熱交換器パネルであり、室外冷媒ユニット4の背面及び側面に近接するように配置されている。電動膨張弁25は、フィルタ26および液閉鎖弁27を介して液側連絡配管32に接続されており、この液側連絡配管32を介して室内熱交換器11の一端に接続されている。また、四路切換弁22は、ガス閉鎖弁28を介してガス側連絡配管31に接続されており、このガス側連絡配管31を介して室内熱交換器11の他端に接続されている。これらの連絡配管31、32は、図1及び図2の冷媒配管7に相当する。また、室外冷媒ユニット4内には、室外熱交換器24で熱交換された後の空気を外部に排出するために、室外冷媒ユニット4の背面及び側面から空気を内部に取り込んで前面に向かって吹き出す室外ファン29が設けられている。この室外ファン29は、室外ファンモータ30によって回転駆動されるプロペラファンである。
(3)加湿装置の構成
次に、加湿ユニット5の内部の構成について図2及び図3に基づいて説明する。
加湿ユニット5は、室外冷媒ユニット4の上側に位置する加湿ユニットケーシングを備えており、その内部に、吸湿ロータ51、ヒータ組立体53、加湿ファン54、吸着ファン56等の加湿ユニット構成機器50が配置されている。
吸湿ロータ51は、概ね円板形状を有するハニカム構造のセラミックロータであり、空気が容易に通過できる構造となっている。具体的には、平面視において円形を有するロータであり、水平面で切った断面において細かいハニカム(蜂の巣)状になっている。そして、これらの断面が多角形である吸湿ロータ51の多数の筒部分を、加湿ユニット空気入口流路60を通じて導入される室外空気が通過する。吸湿ロータ51の主たる部分は、ゼオライト、シリカゲル、あるいはアルミナといった吸着剤を焼成したものである。このゼオライト等の吸着剤は、接触する空気中の水分を吸着し、加熱されることで吸着した水分を脱着する性質を有している。この吸湿ロータ51は、ロータ駆動モータ52によって回転駆動することが可能である。
ヒータ組立体53は、吸湿ロータ51の略半分の部分51bの一方の面を覆うように配置されている。ヒータ組立体53は、外部から吸入された空気を加熱して吸湿ロータ51側へ排出することが可能である。
加湿ファン54は、吸湿ロータ51の略半分の部分51bの他方の面側であってヒータ組立体53に対応する位置に配置されている。加湿ファン54は、加湿ファンモータ55によって回転する遠心ファンであり、その出口は加湿空気供給流路58を介して給気管8に接続されている。加湿ファン54は、水分を吸着した吸湿ロータ51の略半分の部分51bを通過して得られる加湿空気や水分を吸着していない吸湿ロータ51の略半分の部分51bを通過して得られる加熱空気を加湿空気供給流路58を介して給気管8へ送出し、室内ユニット2に供給する。なお、この加湿ファン54の近傍には酸素富化ユニット6から発生する結露水を受けるためのドレンパン91が配置されており、このドレンパン91に溜まった結露水は、加湿ファン54の空気吸い込みによって生じる空気流れにより蒸発し、加湿空気や加熱空気とともに加湿空気供給流路58を介して給気管8へ送出され、室内ユニット2に供給される。
吸着ファン56は、吸着ファンモータ57によって回転する遠心ファンであり、加湿ユニット空気入口流路60を通じて導入された室外空気を吸湿ロータ51に通すことができるように配置されている。吸着ファン56は、吸湿ロータ51の略半分の部分51aを通過する際に水分が吸着・除去されて得られる除湿空気を除湿空気排出流路59を介して酸素富化ユニット6の酸素富化膜モジュール61に供給する。
(4)酸素富化ユニットの構成
次に、酸素富化ユニット6の内部の構成について図2〜図5に基づいて説明する。ここで、図4は、酸素富化膜モジュール61の模式図である。また、図5は、真空ポンプ65と加湿ファン等配置空間SPとの位置関係を表す斜視図である。
酸素富化ユニット6は、加湿ユニット5の上側に位置する酸素富化ユニットケーシングを備えており、その内部に、酸素富化膜モジュール61、真空ポンプ65(減圧ポンプ)、酸素富化膜モジュール61の2次側空間S2と真空ポンプ65の吸引口とを接続する酸素富化空気吸引流路69、加湿ユニット5に属する加湿ファン54およびドレンパン91が配置される空間である加湿ファン等配置空間SPと真空ポンプ65の出口とを接続する酸素富化空気供給流路67などが配置されている。
酸素富化膜モジュール61は、主に、モジュールケーシング62と、モジュールケーシング62内の空間を1次側空間S1と2次側空間S2とに分割するようにモジュールケーシング62内に配置された酸素富化膜63とを有している。酸素富化膜63は、空気中の酸素及び水を透過しやすく、かつ、窒素を透過しにくい性質、言い換えれば、酸素及び水を選択的に透過する性質を有している。
1次側空間S1には、吸着ファン56から酸素富化ユニット空気入口流路59を介して供給される除湿空気が導入される空気入口62aと、酸素富化膜63を透過せずに1次側空間S1内に残った空気が排出される空気排出口62bとが設けられている。また、1次側空間S1の空気入口62a側には、フィルタ64が配置されている。また、酸素富化膜を透過せずに1次側空間S1に残った空気は、空気排出口62bから酸素富化ユニット空気排出流路68を介して酸素富化ユニット6の外部に排出されるようになっている。2次側空間S2には、酸素富化膜63を透過して酸素濃度が増加した酸素富化空気が排出される酸素富化空気排出口62cが設けられている。
尚、図4においては、モジュールケーシング62内に単一の酸素富化膜63を配置して1次側空間S1及び2次側空間S2を形成するような構成にしているが、酸素富化モジュール61の構成は、これに限定されるものではなく、中空糸膜や板状膜等からなる酸素富化膜をモジュールケーシング内に複数配置することによって複数の1次側空間及び2次側空間を形成し、かつ、1次側空間同士又は2次側空間同士をそれぞれ連通させて、機能的に図4と同様な構成を有するようにしてもよい。
真空ポンプ65は、酸素富化膜63を介して1次側空間S1の空気を吸入し、2次側空間S2内の空気を酸素富化空気供給流路67に排出するためのポンプである。真空ポンプ65は、ポンプモータ66により駆動されるようになっており、本実施形態において、酸素富化空気に潤滑油が混入しないように、オイルレスタイプのものが使用されている。そして、真空ポンプ65を運転すると、酸素富化膜モジュール61内において、1次側空間S1と2次側空間S2との間に圧力差が生じるため、酸素富化膜63の1次側空間S1に導入された空気中の酸素が選択的に2次側空間S2に透過して酸素富化空気が得られる。この酸素富化空気は、真空ポンプ65によって2次側空間S2から酸素富化空気吸引流路69を介して酸素富化空気供給流路67に排出される。
酸素富化空気供給流路67は、真空ポンプ65によって酸素富化膜モジュール61から排出された酸素富化空気を加湿ユニット6の加湿ファン等配置空間SPに流入させるための流路である。すなわち、酸素富化ユニット6で得られた酸素富化空気は、加湿ファン54により給気管8を介して室内に供給されるようになっている。
ここで、酸素富化空気供給流路67は、加湿ファン等配置空間SPに向かって下り勾配になるように配置されている(図2の楔記号W参照)。また、ここでは、酸素富化空気供給流路67の出口が、加湿ファン等配置空間SPに配置されるドレンパン91の真上に来るように配置されている。上述したように、酸素富化膜63は空気中の酸素のみならず水をも選択的に透過させる性質を有するため、酸素富化膜モジュール61の2次側空間S2において生じる酸素富化空気には、1次側空間S1に供給される除湿空気よりも高濃度の水分が含まれることになる。したがって、梅雨時など、外気の湿度が比較的高い時期や外気温が低下する冬季などには、酸素富化空気供給流路67の出口付近において酸素富化空気中の水分が結露するおそれが特に高い。酸素富化空気供給流路67の出口が加湿ファン等配置空間SPに配置されるドレンパン91の真上に来るように配置されるのは、このように酸素富化空気から生じるおそれのある結露水をドレンパン91に溜めるためである。
(5)空気調和装置の動作
次に、空気調和装置1の動作について、図2及び図3を用いて説明する。
<冷媒回路の運転>
まず、冷房運転について説明する。冷房運転時は、四路切換弁22が図2の実線で示される状態、すなわち、圧縮機21の吐出側が室外熱交換器24のガス側に接続され、かつ、圧縮機21の吸入側が室外熱交換器24のガス側に接続された状態となっている。また、液閉鎖弁27、ガス閉鎖弁28及び電動膨張弁25は、開状態になっている。
この冷媒回路の状態で、室外冷媒ユニット4の室外ファン29、圧縮機21及び室内ユニット2の室内ファン12を起動すると、ガス冷媒は、圧縮機21に吸入されて圧縮された後、四路切換弁22を経由して室外熱交換器24に送られて、室外空気を加熱して凝縮される。ここで、室外空気は、室外ファン29の駆動によって、室外冷媒ユニット4の背面及び側面から室外冷媒ユニット4内に取り込まれ(図2の矢印F1参照)、室外熱交換器24を横切った後、室外冷媒ユニット4の前面から排出されている(図2の矢印F2参照)。そして、凝縮した液冷媒は、電動膨張弁25において減圧された後、液側連絡配管32を経由して室内ユニット2に送られる。そして、室内ユニット2に送られた液冷媒は、室内熱交換器11で室内空気を冷却して蒸発される。ここで、室内空気は、室内ファン12の駆動によって、室内ユニット2内に取り込まれ(図2の矢印F3参照)、室内熱交換器11を横切った後、室内ユニット2から室内に吹き出されている(図2の矢印F4参照)。そして、蒸発したガス冷媒は、ガス側連絡配管31、四路切換弁22及びアキュムレータ23を経由して、再び、圧縮機21に吸入される。このようにして、冷房運転が行われる。
次に、暖房運転について説明する。暖房運転時は、四路切換弁22が図2の破線で示される状態、すなわち、圧縮機21の吐出側が室外熱交換器24のガス側に接続され、かつ、圧縮機21の吸入側が室外熱交換器24のガス側に接続された状態となっている。また、液閉鎖弁27及びガス閉鎖弁28は、開状態になっている。
この冷媒回路の状態で、室外冷媒ユニット4の室外ファン29、圧縮機21及び室内ユニット2の室内ファン12を起動すると、ガス冷媒は、圧縮機21に吸入されて圧縮された後、四路切換弁22及びガス側連絡配管31を経由して室内ユニット2に送られる。そして、室内ユニット2に送られたガス冷媒は、室内熱交換器11で室内空気を加熱して凝縮される。この凝縮した液冷媒は、液側連絡配管32を経由して室外冷媒ユニット4に送られる。そして、室外冷媒ユニット4に送られた液冷媒は、電動膨張弁25で減圧された後、室外熱交換器24で室外空気を冷却して蒸発される。この蒸発したガス冷媒は、四路切換弁22及びアキュムレータ23を経由して、再び、圧縮機21に吸入される。このようにして、暖房運転が行われる。尚、室外空気及び室内空気の流れは、冷房運転時と同様であるため、説明を省略する。
<加湿ユニットの運転(加湿運転)>
以下、加湿運転を行う場合の加湿ユニット5の動作について説明する。
加湿ユニット5は、吸着ファン56を回転駆動することによって、加湿ユニット空気入口流路60を通じて、外部から室外空気を加湿ユニットケーシング内に取り入れる(図2の矢印F5参照)。加湿ユニットケーシング内に入ってきた空気は、吸湿ロータ51の略半分の部分51aを通過して、吸着ファン56および酸素富化ユニット空気入口流路59を介して酸素富化膜モジュール61の1次側空間S1に供給される。このとき、加湿ユニットケーシング内に外部から取り入れられた空気は、吸湿ロータ51の略半分の部分51aを通過する際に、空気中に含まれている水分が吸着・除去された除湿空気になっており、その除湿空気が酸素富化膜モジュール61の1次側空間S1に供給されることとなる(図2の矢印F8参照)。
この吸着工程で水分を吸着した吸湿ロータ51の略半分の部分51aは、吸湿ロータ51が半回転することによって、吸湿ロータ51の水分吸着されていない側の略半分の部分51bとなる。すなわち、吸着された水分は、吸湿ロータ51の回転に伴い、ヒータ組立体53及び加湿ファン54に対応する位置に移動してくる。そして、ここに移動してきた水分は、ヒータ組立体53からの熱により、加湿ファン54によって生成される空気流中に脱着される。
加湿ファン54を回転駆動すると、加湿ユニット空気入口流路60を通じて、外部から加湿ユニットケーシング内に空気が取り込まれ(図2の矢印F5参照)、その空気が吸湿ロータ51の水分吸着された略半分の部分51bを通過し、加湿ファン54へと至る。加湿ファン54は、吸湿ロータ51を通り抜けてきた空気を加湿空気供給流路58及び給気管8を介して室内ユニット2へ送出する(図2の矢印F6及びF7参照)。この室内ユニット2へと送出される空気は、吸湿ロータ51に吸着されていた水分を含む加湿空気になっている。このようにして、加湿ユニット5から室内ユニット2に供給された加湿空気は、室内に吹き出される。
<加湿ユニットの運転(加熱運転)>
以下、加熱運転を行う場合の加湿ユニット5の動作について説明する。
加湿ユニット5は、加熱運転を行う場合には、吸湿ロータ51を回転させずにヒータ組立体53及び加湿ファン54のみを運転する。具体的には、外部からの空気を吸着工程を経ずに水分が吸着されていない状態のままで吸湿ロータ51を通過するとともに加熱したり、加湿運転を終了した後の水分が脱着された状態の吸湿ロータ51に外部からの空気を通過させるとともに加熱したりすることによって行われる。このような加熱運転によって得られる加熱空気は、加湿運転時と同様に、加湿ファン54によって加湿空気供給流路58及び給気管8を介して室内ユニット2へ送出される(図2の矢印F5、F6及びF7参照)。
<酸素富化ユニットの運転>
以下、酸素富化運転を行う場合の酸素富化ユニット6の動作について説明する。酸素富化運転は、加湿ユニット5を加湿運転又は加熱運転と連動して行われる。このため、以下の説明では、加湿ファン54によって、加湿空気又は加熱空気が加湿空気供給流路58及び給気管8を介して室内ユニット2へ送出されている状態になっているものとする。
酸素富化ユニット6では、吸着ファン56によって供給される除湿空気が酸素富化ユニット空気入口流路59を介して酸素富化膜モジュール61の1次側空間S1内を流れている状態(図2の矢印F9、F11参照)で真空ポンプ65が駆動されると、酸素富化膜モジュール61に導入された空気が、酸素富化膜63を透過して酸素富化空気となる。そして、酸素富化空気は、真空ポンプ65によって、加湿ファン等配置空間SPに排出され(図2の矢印F10参照)、加湿ファン等配置空間SPを流れる加熱空気又は加湿空気に混合された後に加湿ファン54により給気管8に送られて、室内ユニット2に供給される(図2の矢印F7参照)。ここで、酸素富化空気から結露水が生じる場合、その結露水は、ドレンパン91に溜められ、加湿ファン54の空気吸い込みによって生じる空気流れにより蒸発・乾燥されるとともに、加熱空気又は加湿空気とともに給気管8に送られて、室内ユニット2に供給される(図2の矢印F7参照)。
(6)空気調和装置の特徴
本実施形態の空気調和装置1には、以下のような特徴がある。
(A)
本実施形態の空気調和装置1では、減圧ポンプ65から伸びる酸素富化空気供給流路67がオプショナルユニット15内の加湿ファン等配置空間SPに導かれており、減圧ポンプ65から酸素富化空気供給流路67を介して加湿ファン等配置空間SPに排出される酸素富化空気は、加湿ファン54によって室内ユニット2に供給される。また、この空気調和装置1では、減圧ポンプ65が加湿ファン等配置空間SPよりも高い位置に配置され、酸素富化空気供給流路67が減圧ポンプ65から加湿ファン等配置空間SPに向かって下り勾配になるように配置される。さらに、この空気調和装置1では、酸素富化空気から結露水が生じた場合、その結露水は、ドレンパン91に溜められ、加湿ファン54の空気吸い込みによって生じる空気流れにより蒸発・乾燥されるとともに、加熱空気又は加湿空気とともに給気管8に送られて、室内ユニット2に供給される。このため、この空気調和装置1では、あぶく音の発生が防止され、安定した酸素濃度を有する酸素富化空気が室内に供給される。
(B)
本実施形態の空気調和装置1では、加湿ファン54が、酸素富化空気とともに加湿空気あるいは加熱空気を室内ユニット2に供給する。このため、この空気調和装置1では、室内の酸素富化を行うと同時に室内の加湿や給気換気を行うことができる。
(C)
本実施形態の空気調和装置1では、酸素富化膜モジュール61の1次側空間S1に供給される空気が、除湿空気である。このため、この空気調和装置1では、酸素富化空気供給流路67において酸素富化空気から結露水が生じるのを抑制することができる。また、例え、結露水が生じたとしてもその発生量を低減することができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(1)
前記実施形態では、加湿ユニット及び酸素富化ユニットは、室外冷媒ユニットの上側に段積みに配置されているが、この配置に限定されるものではなく、例えば、室外冷媒ユニットの上側において、両ユニットを並べて配置してもよいし、両ユニットを室外冷媒ユニットとは別置きにしてもよい。
(2)
前記実施形態では、全ての除湿空気を酸素富化ユニットに供給しているが、除湿空気の一部だけを酸素富化ユニット6に供給して、残りの除湿空気を外部に排出するようにしてもよい。
(3)
前記実施形態では、酸素富化空気供給流路67の出口の下直方向にドレンパン91が配置されたが、加湿ファン等配置空間SPを構成する側壁に酸素富化空気供給流路67の出口を設け、その出口の下にドレンパン91を配置するようにしてもよい。このようにすれば、結露水は、側壁を伝ってドレンパン91に受けられるため、水の跳ね返り音などの発生を防止することができる。
(4)
前記実施形態では、加湿ファン等配置空間SPにドレンパン91が配置されたが、加湿ファン等配置空間SPの近傍に電装品などがない場合は、ドレンパン91を取り除いてもよい。
(5)
前記実施形態では、加湿ファン等配置空間SPにドレンパン91が配置されたが、ドレンパン91の代わりに排水口を設け、結露水を室外機3の外に排出するようにしてもよい。
(6)
前記実施形態では、酸素富化空気は加湿空気または加熱空気とともに室内ユニット2に供給されたが、吸湿ロータ51から加湿ファン等配置空間SPに至る加湿ユニット空気入口流路60に、制御弁を設け、酸素富化空気の供給と加湿空気または加熱空気の供給とを選択的に行うようにしてもよい。
(7)
前記実施形態に係る空気調和装置1に代えて、図6に示されるような空気調和装置101を採用してもよい。この空気調和装置101は、オプショナルユニット150の加湿ユニット105を除き、前記実施形態の空気調和装置1と同様の構成を有する。また、加湿ユニット105は、第1流路切換ダンパ95a、第2流路切換ダンパ95b、および屋外に通ずる室内空気排出路97が設けられることを除き、前記実施形態の加湿ユニット5と同様の構成を有する。したがって、ここでは、これらの構成部品等の機能等を中心として加湿ユニット105について説明する。
第1流路切換ダンパ95aおよび第2流路切換ダンパ95bは、給気ファン設置空間SPに配置されている。これらの流路切換ダンパ95a,95bは、連動して制御され、加湿ユニット105を第1状態と第2状態とに切り換えることができる。第1状態では、第1流路切換ダンパ95aにより加湿ユニット空気入口流路60が加湿ファン54の吸込口に接続され、かつ、第2流路切換ダンパ95bにより給気管8が加湿ファン54の吹出口に接続される。この結果、第1状態では、前記実施形態の<酸素富化ユニットの運転>の欄で説明した酸素富化運転が行われる(実線矢印参照)。一方、第2状態では、第1流路切換ダンパ95aにより給気管8が加湿ファン54の吸込口に接続され、かつ、第2流路切換ダンパ95bにより室内空気排出路97が加湿ファン54の吹出口に接続される。この結果、第2状態では、加湿ファン54により室内空気が給気管8を介して屋外に排出される(破線矢印参照)。したがって、この空気調和装置101では、室内の酸素富化のみならず室内の排気換気をも行うことができる。
なお、流路切換ダンパ95a,95bは、例えば、回転式にするなどして一体化してもかまわない。
本発明に係る酸素富化装置は、あぶく音が居室などに伝播するおそれを取り除くことができ、かつ、酸素富化空気の酸素濃度が意図なく薄められることを防ぐことができる特徴を有し、空気調和装置に適用することもできる。
本発明の実施の形態に係る空気調和装置の外観図である。 本発明の実施の形態に係る空気調和装置の室内ユニット内及び室外ユニット内の各機器の配置を示す図である。 本発明の第1実施形態が採用された空気調和装置の冷媒回路の概略構成図、加湿ユニットの概略構成図及び酸素富化ユニットの概略構成図である。 酸素富化膜モジュールの模式図である。 真空ポンプと加湿ファン等配置空間との位置関係を表す斜視図である。 他の実施形態(7)が採用された空気調和装置の冷媒回路の概略構成図、加湿ユニットの概略構成図及び酸素富化ユニットの概略構成図である。
符号の説明
1 空気調和装置
2 室内ユニット(室内機)
4 室外冷媒ユニット(室外機)
8 給気管(酸素等富化空気導入路)
15 オプショナルユニット(酸素富化装置)
51 吸湿ロータ(吸着剤)
54 加湿ファン(給気ファン)
60 加湿ユニット空気入口流路(外気導入路)
61 酸素富化膜モジュール
62 酸素富化ユニットケーシング
63 酸素富化膜
65 減圧ポンプ(真空ポンプ)
67 酸素富化空気供給流路(酸素等富化空気排出路)
91 ドレンパン
95a 第1流路切換ダンパ(流路切換機構)
95b 第2流路切換ダンパ(流路切換機構)
S1 1次側空間
S2 2次側空間
SP 加湿ファン等配置空間(給気ファン設置空間)

Claims (8)

  1. ケーシング(62)と、前記ケーシング内の空間を1次側空間(S1)と2次側空間(S2)とに分割するように前記ケーシング内に配置され空気に含まれる酸素および水分を選択的に透過させることが可能な酸素等富化膜(63)とを有する酸素富化膜モジュール(61)と、
    前記1次側空間に供給される前記空気が前記2次側空間側に向かって前記酸素等富化膜を透過するように前記2次側空間を減圧して前記2次側空間において前記酸素および前記水分が富化された空気である第1酸素等富化空気を生成させるための減圧ポンプ(65)と、
    酸素富化を行う対象となる空間である酸素富化対象空間へ前記第1酸素等富化空気を供給するための給気ファン(54)と、
    前記第1酸素等富化空気を前記減圧ポンプから前記給気ファンが設置される空間である給気ファン設置空間(SP)に排出するための酸素等富化空気排出路(67)と、
    屋外の空気である外気を前記給気ファン設置空間に導くための通路である外気導入通路(60)と、
    を備え
    前記給気ファンは、前記第1酸素等富化空気と前記外気とが混合された空気である第2酸素等富化空気を前記酸素富化対象空間に供給することが可能である
    酸素富化装置(15)。
  2. 前記減圧ポンプは、前記給気ファン設置空間よりも高い位置に配置され、
    前記酸素等富化空気排出路は、前記減圧ポンプから前記給気ファン設置空間に向かって下り勾配になるように配置される、
    請求項1に記載の酸素富化装置。
  3. 前記酸素等富化空気排出路は、前記第1酸素等富化空気から結露水が生成した場合において前記結露水が前記給気ファンの空気吸い込みによって生じる空気流れによって乾燥されるように前記給気ファン設置空間に接続される、
    請求項1または2に記載の酸素富化装置。
  4. 前記給気ファン設置空間のうち前記給気ファンの空気吸い込みに起因して空気流れが生じる領域である空気流れ発生領域内に配置される、前記第1酸素等富化空気から生じる結露水を受けるためのドレンパン(91)をさらに備える、
    請求項1から3のいずれかに記載の酸素富化装置。
  5. 前記外気を加湿して加湿外気を生成するための加湿手段をさらに備え、
    前記給気ファンは、前記第1酸素等富化空気と前記加湿外気とが混合された空気である第3酸素等富化空気を前記酸素富化対象空間に供給することが可能である
    請求項1から4のいずれかに記載の酸素富化装置。
  6. 前記給気ファンから吹き出される前記酸素等富化空気を前記酸素富化対象空間へと導くための酸素等富化空気導入路(8)と、
    前記給気ファンにより前記酸素等富化空気を前記酸素等富化空気導入路を介して前記酸素富化対象空間へと供給する第1状態と、前記給気ファンにより前記酸素富化対象空間に存在する空気を前記酸素等富化空気導入路を介して屋外へ排出する第2状態とを切換可能である流路切換機構(95a,95b)と、
    をさらに備える、
    請求項1からのいずれかに記載の酸素富化装置。
  7. 空気中の水分を吸着する吸湿剤(51)をさらに備え、
    前記酸素富化膜モジュールの前記1次側空間に供給される前記空気は、前記吸湿剤により除湿された除湿空気である、
    請求項1からのいずれかに記載の酸素富化装置。
  8. 室内機(2)と、
    室外機(4)と、
    前記室外機に取り付けられる請求項1からのいずれかに記載の酸素富化装置(15)と、
    を備え空気調和装置(1)。
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