JP4066796B2 - 可変バルブタイミング機構付内燃機関 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸気弁と排気弁とのバルブオーバラップ量を機関運転状態に応じて可変制御する可変バルブタイミング機構と、吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射装置とを備えた、可変バルブタイミング機構付内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、一般的な自動車エンジンとして特に吸気ポート噴射型のエンジンにおけるバルブタイミング及び燃料噴射タイミングを示す模式的なタイミングチャートである。この図6に示すように、排気弁閉時期ECよりも吸気弁開時期IOを早く設定して、吸気バルブと排気バルブとが共に開いた期間、いわゆるバルブオーバラップ期間を設けることにより吸気及び排気の慣性力を利用して吸排気効率を向上させることが、自動車エンジンでは一般的に行なわれている。
【0003】
また、吸気ポート噴射型のエンジンでは、吸気ポートに噴射された燃料が吸気行程において燃焼空気と混合されて燃焼室に流入するが、燃料の霧化する期間を長くして上記混合が十分行なわれるよう、図示するように排気行程に燃料噴射を行なうのが一般的である。例えば特許文献1に開示された可変バルブタイミング機構付エンジンでは、吸気弁の開弁よりも前に燃料噴射を完了して燃料噴射時に吸気ポートが排気ポートから遮断されるようにし、バルブオーバラップ期間中の排気の吹き返しによるインジェクタの燃料噴射口への燃料の堆積(いわゆるバルブデポジット)や熱によるインジェクタの損傷を防止できるようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−317209
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、発明の実施の形態で図4を参照して後述するように、吸気ポート噴射型のエンジンではバルブオーバラップ期間(バルブオーバラップ量)を通常の期間(クランク角度で30度程度)よりも拡大することにより、機関運転状態が低速高負荷領域(エンジン回転速度が低速であってエンジン負荷が高負荷の領域)のときには、排気脈動の負圧波の発生をこのバルブオーバラップ期間に同期させて掃気効果の増大ひいては吸気量の増大により体積効率を向上させエンジン出力トルクを増大できることを、本願の発明者らは実験を行なって確認している。
【0006】
しかしながら、このようにバルブオーバラップ量を通常よりも拡大した設定を、吸気弁が開弁されるよりも前に燃料噴射を完了させる上記の特許文献1に適用すると、バルブオーバラップ量の拡大によりバルブオーバラップ期間の掃気効果が増大することから、燃料噴射量の多い高負荷時においてはオーバラップ期間に多量の噴射済燃料が燃焼しないまま吸気ポートから排気ポートに吹き抜けてしまい、却ってエンジン出力の低下や燃費の悪化を招く虞がある。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、機関運転状態が所定の低回転高負荷領域にある場合において、燃費の悪化を防止でき、エンジン出力を効果的に向上させることができるようにした、可変バルブタイミング機構付内燃機関を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明の可変バルブタイミング機構付内燃機関では、機関運転状態が高負荷低回転領域にあるときには、バルブオーバラップ量が多めに設定されるので、排気脈動の負圧波をバルブオーバラップ中に同期させることができ、掃気効果により吸気が効果的に行なわれて体積効率が向上し、また、高負荷のため燃料噴射量が比較的多くなるが、燃料噴射時期が吸気行程に設定されるので噴射された燃料は気ポートへ吹き抜けずに筒内で燃焼する。また、機関運転状態が所定の低負荷低回転領域にあるときには、バルブオーバラップ量が多めに設定されるのでポンピングロスが低減し、さらに、燃料噴射時期が排気行程に設定されるので、低負荷のため燃料噴射期間が短いことからこの燃料噴射時期はバルブオーバラップ期間と重ならず燃料の吹き抜けが未然に防止されつつ、噴射燃料の気化が促進される。さらに、機関運転状態が所定の高回転領域にあるときには、バルブオーバラップ量が小さめ且つ燃料噴射時期が排気行程に設定されるので、燃料は排気ポートへ吹き抜けることなく燃料の気化が促進される。
【0009】
請求項2記載の本発明の可変バルブタイミング機構付内燃機関では、上記の吸気行程における燃料噴射が、排気弁の閉弁直後に開始されるので噴射燃料の気ポートへの吹き抜けが確実に防止され、また、上記の吸気行程における燃料噴射が吸気行程中期に終了するように設定されるので噴射された燃料は効率的に筒内へ吸入される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図5は、本発明の一実施形態としての可変バルブタイミング機構付内燃機関(以下、エンジンともいう)について示す図である。
【0012】
本実施形態のエンジン1は、自動車に搭載され、図1に示すように、吸気ポート7に燃料を噴射する吸気ポート噴射型エンジンであり、また、エンジン回転速度Neやエンジン負荷状態を示す有効圧力Peなどの機関運転状態に応じて吸気弁5と排気弁6とのバルブオーバラップ量を可変制御する可変バルブタイミング機構(VVT)30をそなえている。
【0013】
以下、本エンジンについてさらに説明すると、図1に示すように、エンジン1のシリンダヘッド2には、各シリンダ3毎に点火プラグ11が設けられ、また、シリンダ3内には、クランクシャフト(図示略)に連結されたピストン4が装備されている。シリンダヘッド2には、吸気弁5を介して燃焼室4と連通しうる上記吸気ポート7と排気弁6を介して燃焼室4と連通しうる排気ポート8とが形成されている。そして、各吸気ポート7にはそれぞれインジェクタ(燃料噴射装置)10が装備されており、これらのインジェクタ10により上述したように吸気ポート7に燃料が噴射されるようになっている。
【0014】
また、カムシャフト20,21と吸気弁5,排気弁6との間には、上述したように可変バルブタイミング機構30がそれぞれ装備されており、これらの可変バルブタイミング機構30により吸気弁5を駆動するカム20aのクランクシャフトに対する位相や排気弁6を駆動するカム21aのクランクシャフトに対する位相を変更することで、吸気弁5の開弁時期や排気弁6の閉弁時期を変更してバルブオーバラップ量を可変制御できるようになっている。可変バルブタイミング機構30には、公知の種々のものを適用できるのでその説明は省略するが、吸排気弁5,6の開閉弁時期を連続的に変更できる形式であっても良いし、開閉弁時期を複数の設定の中から選択して切り換えるような形式であっても良い。また、ここでは可変バルブタイミング機構30が各吸排気弁5,6にそれぞれ設けられているが、可変バルブタイミング機構30が吸排気弁5,6の何れか一方にだけ設けられるような構成であっても良い。
【0015】
さて、吸気系は、上流側からエアクリーナ(図示略)や、吸気管7Aやサージタンク7Bや吸気マニホールド7Cなどをそなえて構成され、吸気マニホールド7Cの下流端部には上記吸気ポート7が設けられている。また、この吸気系には、さらに、アクセル開度に応じて燃焼室4内へ流入する空気の量を調整するスロットル弁71や、吸入空気流量を検出するエアフローセンサ72や、スロットル弁71のスロットル開度を検出するスロットルポジションセンサ73が設けられている。
【0016】
排気系には、排気ポート8を有する排気マニホールド8Aがそなえられ、また、図示しない排ガス浄化用の三元触媒やO2センサなどが設置されている。
この他、このエンジン1には、図示しないが、エンジン回転速度Neを検出するためのクランク角センサやアクセル開度θAを検出するためのアクセルポジションセンサなどが装備されている。
【0017】
そして、点火プラグ11,インジェクタ10といった各エンジン制御要素の作動を制御するために、内燃機関の制御手段としての機能を有するECU40がそなえられている。このECU40には、入出力装置,制御プログラムや制御マップ等の記憶を行なう記憶装置,中央処理装置,タイマやカウンタ等がそなえられており、前述の種々のセンサ類からの検出情報などに基づいて、このECU40が、上述の各エンジン制御要素の制御を行なうようになっている。
【0018】
また、ECU40には、燃料噴射時期を設定する燃料噴射時期設定手段41と、この燃料噴射時期設定手段41により設定された燃料噴射時期に燃料を噴射するようにインジェクタ10の作動を制御するインジェクタ制御手段42と、バルブオーバラップ量を設定するバルブオーバラップ量設定手段43と、このバルブオーバラップ量となるように可変バルブタイミング機構30を制御する可変バルブタイミング機構制御手段44とがそなえられている。
【0019】
燃料噴射時期設定手段41及びバルブオーバラップ量設定手段43は、何れも、エンジン回転速度Ne、及びエンジン負荷状態を示す有効圧力Pe(エンジン回転速度Ne及びアクセル開度θAから算出される)に基づき、燃料噴射時期又はバルブオーバラップ量を設定するようになっている。
【0020】
具体的には、燃料噴射時期及びバルブオーバラップ量は図2のマップに示すように機関運転状態に応じて設定されるようになっている。
つまり、エンジン回転速度Neが、所定回転速度Ne2(例えば2500〜3500rpm)よりも高い高回転領域R5では、排気脈動による負圧波の発生をバルブオーバラップ期間に同期させづらく掃気効果が得られにくいため、吸気の充填が効果的に行なわれるようにバルブオーバラップ量が比較的少な目に設定され、また、このようにバルブオーバラップ量が比較的少な目に設定されるので、早期に燃料を噴射しても未燃焼のまま排気通路へ吹き抜けてしまう燃料は少ないと予想されるため、ここでは噴射された燃料の気化期間を長く取れるよう、燃料噴射時期は排気行程に設定されるようになっている。
【0021】
また、エンジン回転速度Neが、所定の回転速度Ne2以下であって有効圧力Peが所定圧力Pe3(例えば850KPa)よりも高い低回転高負荷領域R1では、低回転時(低エンジン回転速度時)には高い掃気効果が得られることからバルブオーバラップ量は比較的多めに設定され、また、高負荷で燃料噴射量が多いため燃料噴射時期を排気行程に設定するとバルブオーバラップ期間において排気通路へ吹き抜ける未燃燃料が多くなってしまうことから、燃料噴射時期は吸気行程に設定されるようになっている。ここでは、この吸気行程における燃料噴射時期は、図3(a)に示すように、燃料噴射が、排気弁閉ECの直後に開始されるとともに吸気行程中期〔例えば上死点後(ATDC)でクランク角度で90度〜120度)〕に終了されるように設定されており、噴射燃料の吹き抜けを確実に防止しつつも、極力早期に燃料噴射を完了させて安定して噴射燃料を気化させ筒内へ供給できるようにしている。
【0022】
さらに、機関運転状態が、上記の所定の回転速度Ne2よりも低く有効圧力Peが所定圧力Pe2(例えば500KPa)よりも低い領域であって後述の領域R4を除いた低回転低負荷領域R3では、ポンピングロスを低減できることからバルブオーバラップ量が比較的多めに設定されるとともに、高負荷帯R1に較べ燃料噴射期間が短いので燃料噴射時期を排気行程に設定しても燃料噴射とバルブオーバラップとが同時に行なわれないことから、噴射燃料の気化時間を多く取れるように燃料噴射時期は排気行程に設定されるようになっている〔図3(b)参照〕。
【0023】
また、機関運転状態が、低回転領域のこの他の領域にある場合、つまり、有効圧力Peが所定圧力Pe2以上且つ所定圧力Pe3以下の中負荷領域R2にある場合と、有効圧力Peが所定圧力Pe1(例えば250KPa)よりも低くエンジン回転速度Neが所定回転速度Ne1(例えば1750rpm)よりも低い領域及び有効圧力Peが所定圧力Pe0(例えば100KPa)よりも低くエンジン回転速度Neが所定回転速度Ne1〜所定回転速度Ne2にある領域を併せた領域(つまりアイドル領域及びその近傍からなる領域)R4にある場合とでは、上記の低回転低負荷領域R3と同様に高負荷帯R1に較べ燃料噴射期間が短いので燃料噴射時期は排気行程に設定されるとともに、バルブオーバラップ量は比較的少な目に設定されるようになっている。
【0024】
領域R2でバルブオーバラップ量が比較的少な目に設定されるのは、吸気位相を遅角して吸気弁閉時期ICを遅くすることで、ポンピングロスを低減するとともに実圧縮比を下げノッキングを抑制することで点火時期を進角させることが可能となり、熱効率を向上させ燃費を向上させることができるためである。
また、領域R4でバルブオーバラップ量が比較的少な目に設定されるのは、吸気弁閉時期ICの遅角によりポンピングロスを低減するためと、内部EGRを低減させて燃焼の安定を確保するためである。
【0025】
ここで、バルブオーバラップ量VOLが比較的少な目に設定されるとは、バルブオーバラップ量VOLが、従来エンジンにおいて通常設定されている量(以下、通常量といい、例えばクランク角で30度程度である)よりも少なく設定されることであり、バルブオーバラップ量VOLが比較的多めに目に設定されるとは、バルブオーバラップ量VOLが上記通常量よりも大きく設定されることである。
【0026】
なお、各運転領域R1〜R5において、同一領域内ではバルブオーバラップ量を一定としても良いし、例えばエンジン冷却水温などの機関運転状態に応じて変化させるようにしても良い。
【0027】
本発明の一実施形態としての可変バルブタイミング機構付内燃機関は上述したように構成されており、図4及び図5を参照してその作用・効果を説明する。
図4は、機関高負荷時におけるエンジン回転速度Neと、バルブオーバラップ期間(吸気弁開時期IOから排気弁閉時期ECまでの期間)VOL,体積効率及びエンジントルク出力との関係を示す示す模式的なチャートである。図4中の「●」,「○」,「□」及び「△」は実測値であり、「●」は吸排VVT(吸気弁及び排気弁にそれぞれ可変バルブタイミング機構が備えられていること)であるとともに燃料噴射完了時期が吸気行程に設定されている場合の実測値、「○」及び「□」は吸排VVTであるとともに燃料噴射完了時期が排気行程に設定されている場合の実測値、「△」は吸気VVT(吸気弁にだけ可変バルブタイミング機構が備えられていること)であるとともに燃料噴射完了時期が排気行程に設定されている場合の実測値である。
【0028】
この図4からも明らかなように、エンジン回転速度Neが低い低回転域において、吸排VVTにより吸気弁開弁時期IOを進角させるとともに排気弁閉時期ECを遅角させて、吸気VVTにより吸気弁開弁時期IOだけを進角させるよりも長い期間バルブオーバラップを行なったほうが(つまりバルブオーバラップ期間VOLが長いほど)体積積効率を向上させることができ、高いエンジントルク出力が得られる。
【0029】
図5は、エンジン高負荷時にバルブオーバラップ量を比較的多めに設定した場合における、燃料噴射完了時期(°BTDC)と、エンジンにかかる各種状態値など〔下から点火時期,排気マニホールド(EXマニ)の集合部における排気温度,エンジン出口における未燃HC(炭化水素)濃度,体積効率及びエンジン出力トルク〕との関係を示す模式的なチャートであり、図中の「○」は実測値である。バルブオーバラップ量を比較的多めに設定した場合、図示するように、燃料噴射を排気行程中に行なうよりも吸気行程中に行なうほうが、排気弁の開弁状態において、気ポートひいてはエンジン外に吹き抜けてしまうHCを含む未燃燃料を減少させることができ、これに伴ってエンジントルク出力を増加させるとともに排気温度を低下させることができる。
【0030】
なお、図示するように、燃料噴射の完了時期を吸気行程に設定した場合において一部点火時期を進角させているが、これは、燃料気化潜熱により吸気が冷却され、ノッキングを抑制できるので、点火時期をMBT(Minimum advance for the Best Torque)に近づけて出力を向上させるためである。
本エンジンでは、上述したように、機関運転状態が高負荷低回転領域にあるときには、バルブオーバラップ量が多めに設定されるとともに燃料噴射時期が吸気行程に設定されるので、上記図3及び図4を参照して説明した実測データから明らかなように、排気脈動の負圧波をバルブオーバラップ中に同期させることで掃気効果により吸気が効果的に行なわれて体積効率を向上させることができ、高負荷のため比較的燃料噴射期間が長く燃料噴射量が多くなるが、この噴射燃料が開弁状態の排気弁を通過して未燃焼まま吸気ポートへ吹き抜けてしまうことを抑制できるようになる。したがって、燃費の悪化を防止しながらエンジン出力を効果的に向上させることができる利点がある。
【0031】
特に、ここでは、上記の吸気行程における燃料噴射を、排気弁直後に開始し、且つ、吸気行程中期に完了するので、上記の噴射燃料の吹き抜けを確実に防止しながら、燃料噴射から吸気弁が閉弁するまでの時間を比較的長く取れるようになるので噴射燃料を気化させて効率よく筒内へ吸入させることができるようになる。
【0032】
また、機関運転状態が所定の低負荷低回転領域(エンジン回転速度が低速であってエンジン負荷が低負荷の領域)R3にあるときには、バルブオーバラップ量が多めに設定されるので、排気弁開時期EOの遅角による高膨張比化や、排気弁閉時期ECの遅角によるポンプロス低減(内部EGR量の増大に伴う新気量の減少によりポンプロスが低減する)が可能となって燃費を低減でき、また、内部EGR量が増加するので排気を効果的に浄化できる。
【0033】
さらに、燃料噴射時期が排気行程に設定されるので、低負荷のため燃料噴射量が少なく燃料噴射期間が短いためバルブオーバラップ期間と燃料噴射期間とが重ならず燃料の吹き抜けを抑制できるとともに、燃料が早めに噴射されることとなるので、吸気行程が開始されるまでの噴射燃料の気化が促進されることから筒内での燃焼を安定させることができる利点がある。
【0034】
また、機関運転状態が高回転領域にあるときには、バルブオーバラップ量を多目に設定しても排気脈動の負圧波をバルブオーバラップ中に同期させることが困難で掃気効果が得にくいため、掃気よりも吸気の燃焼室内への充填が安定して行なわれるようにバルブオーバラップ量を少な目に設定するようにしており、エンジン出力を向上できるようになる。
【0035】
なお、本発明の可変バルブタイミング機構付内燃機関は上述の実施形態の限定されず、本発明の趣旨を外れない範囲で種々変更できる
【0036】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明の可変バルブタイミング機構付内燃機関によれば、制御手段により、機関運転状態が所定の低回転高負荷領域にある場合には、バルブオーバラップ量が、機関運転状態が高回転領域にある場合よりも大きく設定されると共に燃料噴射装置による燃料噴射時期が吸気行程に設定されるので、排気脈動の負圧波の掃気効果により体積効率を向上させることができる上記低回転高負荷領域の場合には、高負荷のため比較的燃料噴射量が多くなるが、この噴射燃料の吹き抜けを抑制でき、上記掃気効果が得られない上記高回転領域の場合には吸気の充填が効率的に行なわれるようになるので、機関運転状態が高回転領域にある場合のエンジン出力の安定を保持しつつ、機関運転状態が所定の低回転高負荷領域にある場合において、燃費の悪化を防止でき、エンジン出力を効果的に向上させることができる利点がある。
また、機関運転状態が所定の低負荷低回転領域にある場合には、バルブオーバラップ量が大きく設定されるのでポンピングロスひいては燃費を低減できるとともに内部EGR量を増大させて排気を効率的に清浄化することができ、また、燃料噴射時期が排気行程に設定されるが、燃料噴射期間が短くバルブオーバラップ期間と重ならないことから燃料の吹き抜けを防止しつつ、噴射燃料の気化を促進して筒内での燃焼を安定させることができる利点がある。
さらに、機関運転状態が所定の高回転領域にある場合には、燃料噴射時期が排気行程に設定されて燃料が早期に噴射されるが、バルブオーバラップ量が小さく設定されるので排気ポートへ吹き抜けることなく、燃料の気化を促進して筒内での燃焼を安定させることができる利点がある。
【0037】
また、制御手段により、上記の吸気行程での燃料噴射が排気弁の閉弁直後に開始するとともに内燃機関の吸気行程中期に終了するように燃料噴射時期が設定されるので、上記の噴射燃料の吹き抜けを確実に防止しながら、燃料噴射から吸気弁が閉弁するまでの時間を比較的長く取れるようになるので噴射燃料を効率よく筒内へ吸入させることができるようになる(請求項2)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての可変バルブタイミング機構付内燃機関の構成を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態としての可変バルブタイミング機構付内燃機関の燃料噴射時期の設定及びバルブオーバラップ量の設定を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態としての可変バルブタイミング機構付内燃機関の燃料噴射時期の設定を示す図であって、(a)は機関運転状態が低速高負荷領域にある場合の燃料噴射時期設定を示す模式図、(b)は機関運転状態が低速低負荷領域にある場合の燃料噴射時期設定を示す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態としての可変バルブタイミング機構付内燃機関の作用・効果を説明するための模式図である。
【図5】本発明の一実施形態としての可変バルブタイミング機構付内燃機関の作用・効果を説明するための模式図である。
【図6】従来の可変バルブタイミング機構付内燃機関の課題を説明するための図であって、燃料噴射時期設定を示す模式図ある。
【符号の説明】
1 エンジン(可変バルブタイミング機構付内燃機関)
5 吸気弁
6 排気弁
7 吸気ポート
8 排気ポート
10 インジェクタ(燃料噴射装置)
30 可変バルブタイミング機構
40 ECU(制御手段)
41 燃料噴射時期設定手段
42 インジェクタ制御手段
43 バルブオーバラップ量設定手段
44 可変バルブタイミング機構制御手段

Claims (2)

  1. 吸気弁と排気弁とのバルブオーバラップ量を機関運転状態に応じて可変制御する可変バルブタイミング機構と、吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射装置とを備えた、可変バルブタイミング機構付内燃機関において、
    該機関運転状態が所定の低回転高負荷領域にある場合には、該バルブオーバラップ量を該機関運転状態が高回転領域にある場合よりも大きく設定すると共に該燃料噴射装置による燃料噴射時期を吸気行程に設定し、該機関運転状態が所定の低回転低負荷領域にある場合には、該高回転領域にある場合よりも該バルブオーバラップ量を大きく設定すると共に該燃料噴射時期を排気行程に設定し、該機関運転状態が該高回転領域にある場合には、該燃料噴射時期を排気行程に設定する制御手段を備えた
    ことを特徴とする、可変バルブタイミング機構付内燃機関。
  2. 該制御手段は、燃料噴射が該排気弁の閉弁直後に開始するとともに該内燃機関の吸気行程中期に終了するように上記の吸気行程での燃料噴射時期を設定する
    ことを特徴とする、請求項1記載の可変バルブタイミング機構付内燃機関
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