JP4066285B2 - 船艇の空気取り入れ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、船体の内部に設けられた推進駆動用の内燃機関に対し、船体の外部の空気を供給可能とさせるための船艇の空気取り入れ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記船艇には、従来、次のように構成されたものがある。
【0003】
即ち、船艇の船体の上面側に運転者が乗船可能とされている。また、上記船体の内部に内燃機関が設けられ、この内燃機関に燃焼用の空気を供給させるため、上記船体の外部から内部に空気を導入させる空気導入通路が設けられている。一方、上記船体の後部にジェット噴射手段が設けられ、このジェット噴射手段は上記内燃機関に連動連結されている。
【0004】
上記内燃機関を駆動させれば、この内燃機関の吸気作用により、上記船体の外部の空気が上記空気導入通路を通して船体の内部に導入され、その空気は上記内燃機関に吸入されて燃焼に供される。
【0005】
そして、上記内燃機関から出力される動力が上記ジェット噴射手段に伝達されると、このジェット噴射手段により水が船体の後方に向って噴射させられ、この噴射の反力により、上記船艇が前方に向って推進させられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の技術では、船体の内部に設けた内燃機関から生じる吸気騒音や排気騒音が、上記空気導入通路を通して船体の外部に排出させられることとなり、このため、この騒音によって上記船艇への運転者の乗り心地が低下させられるおそれを生じる。
【0007】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、船体の内部に内燃機関を設けた場合に、この内燃機関から生じる騒音によって、この船艇への乗り心地が低下させられないようにすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の船艇の空気取り入れ装置は、船体3の内部に内燃機関24を設け、上下方向に延び、その上端部が船体3の外部に開口する一方、下端部が船 体3の内部に開口し、上記船体3の外部から内部に空気32を導入させる空気導入通路30a,31aを設けた船艇の空気取り入れ装置において、
【0009】
上記空気導入通路30a,31aを左右一対設け、上記船体3の幅方向における中央位置7を基準として、上記両空気導入通路30a,31aのうち、一方の空気導入通路30aの上端部を上記船体3の一側部に位置させると共に、その下端部を船体3の他側部に位置させ、他方の空気導入通路30aの上端部を船体3の他側部に位置させると共に、その下端部を船体3の一側部に位置させ、上記各空気導入通路30a,31aの中途部から分岐した分岐通路51にそれぞれ連通する共鳴室52を設け、上記一方の空気導入通路30aに連通する共鳴室52を上記船体3の他側部に位置させ、他方の空気導入通路31aに連通する共鳴室52を上記船体3の一側部に位置させたものである。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、船艇1の通常姿勢で、互いに連通する上記分岐通路51と共鳴室52との各底面を、この共鳴室52側から上記空気導入通路30a,31a側に向って斜め下方に傾斜させたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
【0013】
図1,2は、第1の実施の形態を示している。
【0014】
図1,2において、符号1は跨座式(換言すれば、鞍乗式)の小型の船艇であり、水2に浮かべられている。また、矢印Frは、上記船艇1の進行方向の前方を示し、下記する左右方向とは、上記前方に向っての上記船艇1の船体3の幅方向をいうものとする。
【0015】
上記船艇1は滑走型の船艇であり、つまり、この船艇1は水2面に対して小さい傾角の前上がりのほぼ一定姿勢で水2面上を滑走するように高速推進可能とされている。上記船艇1の船体3は繊維で強化された樹脂(FRP)製で、その下部がハル4、上部がデッキ5であり、これらハル4とデッキ5は上下方向から互いに結合させられており、その結合部がガンネル6である。
【0016】
上記ハル4は船体3の左右方向における中央位置7の部分から緩い傾斜角で左右方向の各外側上方に延びる底板8と、この底板8の各外側縁からほぼ垂直上方に一体的に延びる側板9とを備えている。
【0017】
一方、上記デッキ5の左右方向の中央位置7の部分は上方に向って膨出しその上面にシート10を着脱自在に載置させるシート台11が形成されている。上記シート10とシート台11は前後方向に長く延びるよう形成され、上記シート10の前部にライダーが前方に向って跨って着座可能とされ、後部にタンデムライダーが前方に向って跨って着座可能とされている。上記シート台11はほぼ垂直に延びる左右一対の側板12,12と、これら左右側板12,12の各上端縁を互いに一体的に結合させる天井板13とを備え、この天井板13の上面に上記したようにシート10が着脱自在に載置されている。
【0018】
上記デッキ5の左右各側部にはそれぞれステップ16が形成されている。これら各ステップ16は上記シート台11の各側板12の下端縁からそれぞれ外側方に一体的に延出し、上記シート10に着座した各ライダーの足がそれぞれ上記各ステップ16に載置可能とされている。
【0019】
上記各ステップ16の外側縁は上方に向ってほぼ垂直に延出してこれが上記デッキ5の側板17とされ、上記ハル4の側板9の上端縁と、上記デッキ5の側板17の上端縁とが互いに結合され、これが前記ガンネル6となっている。
【0020】
上記船体3の内部をエンジンルームである前部室18と、後部室19とに前後に仕切る仕切壁(バルクヘッド)20が設けられている。この仕切壁20は上記ハル4とデッキ5とを互いに強固に結合させ、船体3の前後方向の中途部における強度と剛性とを向上させる補強材となっている。なお、上記仕切壁20には、上記前部室18と後部室19とを互いに連通させる空気通路が形成されている。
【0021】
上記船体3に搭載されて、この船体3を推進させる推進装置23が設けられている。この推進装置23は、上記前部室18に設けられる内燃機関24を有している。この内燃機関24は船体3の幅方向(左右方向)の上記中央位置7である中央部分に配置され、弾性でゴム製の緩衝体25により上記ハル4の底板8に支持されている。上記内燃機関24には吸気系部材26が取り付けられている。この吸気系部材26は気化器27やキャブカバー28を備え、上記吸気系部材26を通し船体3の内部が上記内燃機関24の内部に連通させられている。
【0022】
上記船体3の外部をその内部である上記前部室18に連通させる空気導入管29が設けられ、また、上記船体3の外部をその内部である上記後部室19に連通させる左右一対の他の空気導入管30,31が設けられている。上記各空気導入管29,30,31は、それぞれ樹脂パイプ製とされてほぼ垂直に延び、その各上端部が上記デッキ5に締結などにより支持されている。上記空気導入管29,30,31の各内孔が、それぞれ上記船体3の外部から内部に空気32を導入させる空気導入通路29a,30a,31aとされている。
【0023】
一方、上記内燃機関24から排気管33が延出し、この排気管33は互いに列設される第1排気管34、逆流防止箱35、および第2排気管36を有し、上記排気管33を通し上記内燃機関24の内部が船体3の外部に連通させられている。
【0024】
一方、上記船体3の後部にはジェット噴射手段38が設けられている。このジェット噴射手段38は上記船体3の後部の下方を上記船体3の後方に連通させる水通路39と、この水通路39内に設けられるインペラー40(この符号は図示していない)とを備え、このインペラー40は上記内燃機関24に推進軸41により連動連結されている。
【0025】
上記水通路39の後方に操舵管42が設けられ、この操舵管42は上記船体3の後部に可動自在に支持されている。一方、上記シート10の前方で、上記船体3の前上部に操舵用のハンドル43が支承され、このハンドル43に上記操舵管42が連動連結されている。上記シート10に着座した運転者により、上記ハンドル43が把持可能とされている。
【0026】
上記内燃機関24を駆動させれば、この内燃機関24の吸気作用により、上記船体3の外部の空気32が上記各空気導入通路29a,30a,31aを通して上記船体3の内部に導入され、更に、その空気32は上記吸気系部材26を通し燃料と共に上記内燃機関24に吸入されて、燃焼に供される。一方、この燃焼により生じた燃焼ガスは排気47として、上記排気管33を通し船体3の外部に排出される。
【0027】
そして、上記内燃機関24から出力される動力が、上記推進軸41を介して上記ジェット噴射手段38のインペラー40に伝達されると、このインペラー40が回転させられて上記水通路39内の水2が船体3の後方に向って噴射させられ、この噴射の反力により、上記船艇1が前方に向って推進させられる。この場合、上記運転者が、ハンドル43を操作し、上記操舵管42の姿勢を変更調整すれば、上記噴射の方向が変化し、船艇1が所望の方向に操舵される。
【0028】
上記各空気導入管29,30,31の長手方向の中途部にそれぞれ分岐管49が突設され、これら各分岐管49の突出端にそれぞれ共鳴箱50が取り付けられている。上記の場合、各分岐管49の内孔が上記各空気導入通路29a,30a,31aの中途部から分岐した分岐通路51とされ、この分岐通路51に上記共鳴箱50内の共鳴室52が連通させられている。また、上記各分岐管49はその中途部で分断されており、この分断点で上記各空気導入管29,30,31と、各共鳴箱50とは別体とされており、これら両部材はバンド53によって着脱自在に互いに固着されている。
【0029】
上記構成によれば、空気導入通路29a,30a,31aの中途部から分岐した分岐通路51に連通する共鳴室52が設けられているため、船体3の内部に設けた内燃機関24が駆動して、この内燃機関24から生じる騒音が、上記空気導入通路29a,30a,31aを通して船体3の外部に排出させられようとするとき、この騒音は上記共鳴室52によって減衰させられる。
【0030】
よって、船体3の外部の騒音が低下させられることから、船体3の外部の乗員にとって、上記船艇1への乗り心地が向上する。
【0031】
また、上記の場合、各空気導入通路29a,30a,31aの各上端部には、その断面積を小さくさせる絞り部55が取り付けられ、この絞り部55は、上記各空気導入管29,30,31に直交する面で切断した断面でみて、ハニカム形状をした多数の小孔である空気通路で構成されている。
【0032】
上記したように絞り部55を設けたため、上記空気導入通路29a,30a,31aを騒音が通るとき、上記絞り部55により一旦絞られ、その分、騒音がより効果的に減衰させられる。
【0033】
また、上記他の空気導入管30,31のうち、一方の空気導入管30(もしくは他方の空気導入管31)は、その上端部が上記中央位置7からみて左右方向の一側部(もしくは他側部)に位置し下端側に進むに従い他側部に位置するよう傾斜させられており、上記空気導入管30(もしくは空気導入管31)はその中途部が上記中央位置7を横切ることとされている。
【0034】
このため、上記船艇1が転覆し、かつ、これを復元させるような場合で、上記船艇1が背面視(正面視)のほぼ中央を通って前後に延びる中央線を中心として回転したとき、上記他の空気導入管30,31の上記各上端部側(転覆時の下端部側)からこれらの空気導入通路30a,31aを通して、外部の水2が船体3の内部に流入するということが防止される。
【0035】
また、上記の場合、船艇1の通常姿勢で、互いに連通する上記各分岐通路51と共鳴室52の各底面は、上記共鳴室52側から空気導入通路29a,30a,31a側に向って斜め下方に傾斜させられている。
【0036】
このため、上記分岐通路51や共鳴室52に水が貯留しようとしても、これは直ちに流出させられて、上記貯留は防止される。
【0037】
更に、上記したように各他の空気導入管30,31は斜め下方に傾斜させられていて、その各上方には余剰空間が生じており、この余剰空間にそれぞれ上記共鳴箱50の共鳴室52が配設されている。このため、この共鳴箱50は、騒音の減衰という機能を発揮する上で、形状が大きくなりがちではあるが、上記余剰空間の利用により、上記他の空気導入管30,31等で構成される空気取り入れ装置がコンパクトに構成される。
【0038】
また、上記分岐管49内の分岐通路51の下端縁は、船艇1に運転者が乗船してシート10に着座した際の水面(喫水線)よりも、上方に位置させられている。
【0039】
ここで、上記船体3の内部には不図示の浮体が設けられており、船体3の内部に浸水があったとしても、その水位が船体3の外部の水面よりも高くなることは、上記浮体により防止される。この条件下で、上記のように構成されたため、船体3の内部に浸水があったとしても、その水が上記分岐通路51を通り上記共鳴室52に浸水してここに溜るということは防止される。
【0040】
なお、以上は図示の例によるが、各空気導入管29,30,31のうち、空気導入管29のみ、もしくは他の空気導入管30,31のみを設けてもよく、また、上記船体3の前部に上記空気導入管29に代えて左右一対の他の空気導入管30,31を設けてもよい。また、上記各空気導入管29,30,31は可撓性弾性体のチューブ製としてもよく、このようにすれば、上記内燃機関24の騒音が上記各空気導入通路29a,30a,31aを通るとき、上記弾性によって上記騒音が緩和され、より効果的に減衰される。
【0041】
また、上記各空気導入管29,30,31と、これに対応する共鳴箱50とは互いに一体成形してもよく、このようにすれば、バンド53が不要になるなど構成が簡単になる。
【0042】
(第2の実施の形態)
【0043】
図3〜7は、第2の実施の形態を示している。
【0044】
この実施の形態は、前記第1の実施の形態と構成、作用において多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。
【0045】
図3,4において、上記空気導入管29に対応するデッキ5の天井板13の部分には、円形の支持孔60が貫通するよう形成されている。上記空気導入管29は、上記支持孔60に貫通するよう嵌入されて支持される口元管62と、一端部がこの口元管62に外嵌されて支持され、他端部が下方に延びる導入管本体63とを備え、この導入管本体63に共鳴箱50が取り付けられている。
【0046】
上記口元管62は樹脂製で、軸心64がほぼ鉛直方向に延び断面が円形とされて上記支持孔60に嵌入される口元管本体65と、この口元管本体65の軸方向の中途部の外周面に一体成形される外向きフランジ66とを備え、この外向きフランジ66は上記支持孔60の開口縁である天井板13の上面に当接させられてこの天井板13にねじなどの締結具67で着脱自在に締結され、これによって、上記天井板13に口元管62が支持されている。また、上記口元管本体65の下端部の外周面には係止突条68が形成されている。
【0047】
上記導入管本体63は樹脂製の蛇腹式チューブで、上下方向に延びて各部断面が円形とされ、その上端部が上記口元管本体65の下部に外嵌されて係止突条68で係止されると共に不図示のバンドにより固着され、もって、上記導入管本体63の上端部は上記口元管62を介して天井板13により支持されている。一方、上記導入管本体63の下端部は自由端とされている。
【0048】
上記口元管62の口元管本体65の軸方向の中途部に絞り部55が一体成形されている。この絞り部55は上記口元管62の軸心64に沿って延びかつ水平方向に延びる複数の仕切板70を備え、これら各仕切板70は樹脂製の平板形状をなして、互いに平行で等間隔に配設されている。また、上記絞り部55は、上記口元管62の軸心64に沿って延びかつ上記各仕切板70と直交するように水平方向に延びる複数の他の仕切板71を備え、これら各仕切板71も樹脂製の平板形状をなして、互いに平行で等間隔に配設されている。
【0049】
上記両仕切板70,71は互いに一体成形され、これら仕切板70,71群により上記絞り部55は全体として円板形状とされている。上記各仕切板70,71で囲まれた各空間は上記軸心64に沿った視線でみて碁盤目状に配設され、この軸心64に沿って直線的に延びる小孔の空気通路73とされている。これら各空気通路73群の断面積は上記空気導入管29の他部の断面積よりも小さくされ、つまり、上記絞り部55で、空気導入通路29aが絞られている。
【0050】
上記したように、絞り部55は口元管62に一体成形されているため、上記絞り部55によって騒音を低減させる上で、上記口元管62に対する最適位置に一旦上記絞り部55を成形すれば、この絞り部55は船艇1が走行中に振動したとしても、上記最適位置に確実に保持される。
【0051】
また、上記絞り部55は、上記口元管62の上端縁の近傍に位置させられており、上記絞り部55は上記口元管62の上部の内部空間を通して上記デッキ5の天井板13の上方に直接的に開放されている。
【0052】
このため、上記絞り部55の上面に、空気32の吸入に伴いゴミ等が引っ掛ったとしても、これの除去が、上記天井板13の上方から容易にできることとなる。
【0053】
また、上記絞り部55の上面は、上記口元管62の上端縁よりも下側に低くなるよう位置させられている。
【0054】
このため、天井板13の上方から内燃機関24の保守、点検作業をする場合など、作業者がその手に持った工具を無意図的に上記絞り部55の上面に衝突させてしまうということが防止される。
【0055】
よって、上記絞り部55は多数の仕切板70,71で形成されていて外力により損傷し易いものではあるが、上記絞り部55の無用の損傷が防止される。
【0056】
図5〜7において、上記他の空気導入管30,31も、それぞれ上記した空気導入管29と構成、作用効果において、多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき説明する。
【0057】
上記空気導入管30,31の口元管本体65は、ほぼL字形状に折れ曲っており、つまり、軸心64がほぼ鉛直方向に延びて上記支持孔60に嵌入される縦向き部65aと、この縦向き部65aの下端からほぼ水平方向に延びる横向き部65bとを備えている。
【0058】
上記縦向き部65aの長手方向の中途部に上記絞り部55が取り付けられている。より具体的には、上記縦向き部65aの上部が径大部、下部が径小部とされており、これらの間に段差部65cが形成されている。上記絞り部55は上記口元管62とは別体とされて、上記縦向き部65aの上部に着脱自在に圧入状に嵌入されている。この場合、この嵌入は、上記絞り部55の下端面が上記段差部65cの上面に当接するまでなされ、これにより、上記空気導入管30に対する絞り部55の位置決めがなされている。また、この圧入状の嵌入で、上記空気導入管30に対し絞り部55は弾性的に圧接して、これにより生じる摩擦力で、所定位置に保持されている。よって、上記空気導入管30に対する絞り部55の交換時など、空気導入管30に対する絞り部55の取り付け、取り外し作業は容易にできる。
【0059】
上記構成によれば、上記絞り部55を他の新しいものや、絞りの程度などが異なる他の仕様のものに容易に交換でき、つまり、騒音を低減させる上での自由度が向上する。
【0060】
なお、以上は図示の例によるが、図3,4で示したものを空気導入管30,31に適用してもよく、図6,7で示したものを空気導入管29に適用してもよい。
【0061】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、船体の内部に内燃機関を設け、上下方向に延び、その上端部が船体の外部に開口する一方、下端部が船体の内部に開口し、上記船体の外部から内部に空気を導入させる空気導入通路を設けた船艇の空気取り入れ装置において、
【0062】
上記空気導入通路を左右一対設け、上記船体の幅方向における中央位置を基準として、上記両空気導入通路のうち、一方の空気導入通路の上端部を上記船体の一側部に位置させると共に、その下端部を船体の他側部に位置させ、他方の空気導入通路の上端部を船体の他側部に位置させると共に、その下端部を船体の一側部に位置させ、上記各空気導入通路の中途部から分岐した分岐通路にそれぞれ連通する共鳴室を設け、上記一方の空気導入通路に連通する共鳴室を上記船体の他側部に位置させ、他方の空気導入通路に連通する共鳴室を上記船体の一側部に位置させてある。
【0063】
このため、船体の内部に設けた内燃機関が駆動して、この内燃機関から生じる騒音が、上記空気導入通路を通して船体の外部に排出させられようとするとき、この騒音は上記共鳴室によって減衰させられる。
【0064】
よって、船体の外部の騒音が低下させられることから、船体の外部の乗員にとって、上記船艇への乗り心地が向上する。
【0065】
請求項2の発明は、船艇の通常姿勢で、互いに連通する上記分岐通路と共鳴室との各底面を、この共鳴室側から上記空気導入通路側に向って斜め下方に傾斜させている。
【0066】
このため、上記分岐通路や共鳴室に水が貯留しようとしても、これは直ちに流出させられて、上記貯留は防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態で、図2の1‐1線矢視断面図である。
【図2】 第1の実施の形態で、船艇の全体側面部分断面図である。
【図3】 第2の実施の形態で、空気導入管の部分拡大断面図である。
【図4】 第2の実施の形態で、図3で示したものの平面図である。
【図5】 第2の実施の形態で、図1に相当する図である。
【図6】 第2の実施の形態で、図5の部分拡大断面図である。
【図7】 第2の実施の形態で、図6で示したものの平面図である。
【符号の説明】
1 船艇
2 水
3 船体
4 ハル
5 デッキ
7 中央位置
8 底板
9 側板
10 シート
11 シート台
12 側板
24 内燃機関
30,31 空気導入管
30a,31a 空気導入通路
32 空気
51 分岐通路
52 共鳴室
60 支持孔
62 口元管
63 導入管本体
Claims (2)
- 船体の内部に内燃機関を設け、上下方向に延び、その上端部が船体の外部に開口する一方、下端部が船体の内部に開口し、上記船体の外部から内部に空気を導入させる空気導入通路を設けた船艇の空気取り入れ装置において、
上記空気導入通路を左右一対設け、上記船体の幅方向における中央位置を基準として、上記両空気導入通路のうち、一方の空気導入通路の上端部を上記船体の一側部に位置させると共に、その下端部を船体の他側部に位置させ、他方の空気導入通路の上端部を船体の他側部に位置させると共に、その下端部を船体の一側部に位置させ、上記各空気導入通路の中途部から分岐した分岐通路にそれぞれ連通する共鳴室を設け、上記一方の空気導入通路に連通する共鳴室を上記船体の他側部に位置させ、他方の空気導入通路に連通する共鳴室を上記船体の一側部に位置させた船艇の空気取り入れ装置。 - 船艇の通常姿勢で、互いに連通する上記分岐通路と共鳴室との各底面を、この共鳴室側から上記空気導入通路側に向って斜め下方に傾斜させた請求項1に記載の船艇の空気取り入れ装置。
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JP4531792B2 (ja) * | 2007-06-06 | 2010-08-25 | 川崎重工業株式会社 | 小型滑走艇 |
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1998
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