JP4066239B2 - 深絞り加工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属薄板から筒状容器を成形するための深絞り加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
製缶分野では、有底円筒形状や有底角筒形状の容器をアルミニウム等の金属薄板から成形するために、深絞り加工装置と呼ばれる一種のプレス成形機が利用されている。図13は、従来の一般的な深絞り加工装置を用いた成形手順を示す概略図である。
【0003】
深絞り加工装置は、主要要素としてダイス11、ポンチ13及びブランクホルダ(シワ抑え板)14を有する。加工対象である金属薄板(通常、ブランクと呼ばれるため本明細書でもブランクと称す)10がブランクホルダ14によってダイス11に押圧保持された状態(図13(A)参照)から、ポンチ13が下降することにより、ブランク10の中央部をダイス11の貫通穴12に押し込む(図13(B)参照)。その押圧に伴ってブランク10の周縁部は貫通穴12に徐々に引き込まれ、ブランクホルダ14とダイス11との間に挟持されつつ摺動する。そして、最終的には図13(C)に示すように、ブランク10の周縁部全て又はその多くがダイス11の貫通穴12内に引き込まれ、ポンチ13の側周面に被さって容器の側壁を形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
こうした従来の深絞り加工方法では、引張りによるブランク10のシワの発生を抑えるには、ブランクホルダ14によるブランク10の周縁部の押圧力を大きくすることが好ましいが、そうすると、ブランク10の周縁部がダイス11とブランクホルダ14との間隙で摺動しにくくなり、ポンチ13の下降に伴い、ブランク10の一部、特にポンチ13先端の角部付近やダイス11の肩の付近で板厚が薄くなり過ぎて、破れなどが生じ易くなる。こうした影響は、ポンチ13の進出長が大きくなるほど大きくなる。そこで、例えばビール缶などの底の深い缶を成形する場合には、貫通穴12及びポンチ13の径の相違する複数の成形型を用意しておき、成形型を交換する(又は別の装置を用いる)ことにより、容器を段階的に深く成形する必要があった。そのため、装置(成形型)のコストが大きく、また成形時間が長くなるために製造効率の向上を阻む一因となっていた。
【0005】
また、従来の深絞り加工法は、ポンチ13の周りでほぼ均一にブランク10を貫通穴12内に引き込むことができる円筒容器の成形には対応しているものの、底面形状が例えば正方形であるような角筒容器の成形には適さない。何故なら、角筒容器のコーナ部と直辺部とでは、ポンチ13が下降するに伴って貫通穴12内に引き込まれるブランクの移動量が相違するため、板厚が不均一になって破れを生じ易いためである。
【0006】
本発明はこうした課題を解決するために成されたものであり、その第1の目的とするところは、多数種類のダイスとポンチとを用いることなく、従来よりも効率よく筒状容器を成形することができ、ひいてはコストの削減が可能である深絞り加工装置を提供することである。
【0007】
また、本発明の第2の目的とするところは、円筒容器のみならず角筒容器についても、1種類又は少数種類のダイスとポンチとを用いて効率よく絞り成形を行うことができる深絞り加工装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、深絞り加工方法を長年研究する過程で、平成13年度塑性加工春季講演会「Friction Aided Deep Drawing Using Tapered Blank-holder Divided Into Four Segments(分割式可動しわ抑え板を用いた摩擦援用深絞り法の開発)」において、新しい構造の深絞り加工装置を提案している。この深絞り加工装置では、上面円環状のブランクホルダを放射状に4つに等分割し、ポンチを挟んで対向する2個のホルダ分割片を1組として、組毎に交互にそのホルダ分割片を内周方向に移動させるようにする。その移動に伴って、該ホルダ分割片とダイスとで挟持されたブランク周縁部は能動的にダイスの貫通穴内に送り込まれる。これにより、従来のいわば一体型のブランクホルダを使用した場合よりも、ポンチの進出に応じてブランクが円滑に貫通穴へと引き込まれるため、引き込みによる無理な力がブランクに掛かりにくく、1種類のダイス及びポンチを用いながら或る程度の深い容器を成形することが可能である。
【0009】
しかしながら、ブランクホルダを4分割した構成では、対向する1組のホルダ分割片を中心方向に向けて移動させたとき、他の1組のホルダ分割片とダイスとの間ではブランクの周縁部が外向きに膨らむことが判明した。そのため、組毎に交互にホルダ分割片の移動を繰り返しても、ブランク周縁部が能動的に貫通穴内へと送り込まれる効率は必ずしも高くはない。その結果、繰り返し回数を非常に大きくしなければならず、その分、加工時間が長引いてしまう。
【0010】
そこで、上記課題に加え、こうした点についても改善を図るために、本発明に係る深絞り加工装置は、被成形素材であるブランクから有底筒状容器を成形するために、穴状又は凹形状の外型が設けられたダイスと、該ダイスの外型内に進出するポンチと、前記ブランクを前記ダイスとの間で挟持するブランクホルダと、を具備する深絞り加工装置において、
前記ブランクホルダは、前記ポンチの周りで放射状に分割された上面扇形状の2n(nは3以上)個の分割片を含み、
前記ポンチを外型内に進出させる際に、前記2n個の分割片のうちの、周方向に1個おきのn個の分割片と、他のn個の分割片とをそれぞれ1組として、各組毎に交互に、内周方向に向かって移動するべく力を付与する駆動手段を、備えることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態、及び効果】
本発明に係る深絞り加工装置では、例えばnが3であるときには分割片は6個であるから、ポンチの周りに等分割すると各分割片の開き角度は60°である。また、nが4であるときには分割片は8個であるから、ポンチの周りに等分割すると各分割片の開き角度は45°である。すなわち、或る1組の分割片のうちの隣り合う2個の分割片で挟まれる部分(つまりは他の1組の分割片のうちの1個の分割片)の角度幅は狭くなっている。駆動手段により付与される力によって、或る1組の分割片が内周方向に向かって移動するとき、それら分割片に直接接している部分のブランク周縁部は内周方向に移動する。一方、その1組の分割片のうちの隣り合う2個の分割片で挟まれる部分に位置するブランク周縁部には、その両側からそれぞれ圧縮力が加わるが、上記のように角度幅が狭いため、圧縮力のうちの外向き方向の成分は小さく、そのため、ブランク周縁部は外向きに移動(膨らみ)が生じにくい。
【0012】
したがって、本発明に係る深絞り加工装置によれば、ダイスとブランクホルダとで挟持されたブランクの周縁部が効率よくダイスの外型内へと送り込まれるので、より短時間で底の深い容器を成形することができる。また、こうした底の深い容器を成形する場合でも、多数種類のダイス及びポンチを必要とせず、1種類又は少数種類のダイス及びポンチのみを用いて良好な深絞り成形を行うことができる。それによって、筒状容器の製造コストを引き下げることができる。
【0013】
また、本発明に係る深絞り加工装置は、円筒形状の容器を成形する際に利用することができるのは当然であるが、特に、角筒形状の容器を成形する際に非常に有用である。すなわち、本発明の一実施形態による深絞り加工装置は、底面形状がn角形である角筒容器の深絞り加工を行う深絞り加工装置であって、前記ブランクホルダの前記2n個の分割片のうちの、周方向に1個おきのn個の分割片は前記角筒容器のコーナ部に、他のn個の分割片は該コーナ部の間の直辺部に対応したものである構成とすることができる。
【0014】
この構成によれば、全ての直辺部と全てのコーナ部とがそれぞれ交互に内周方向にほぼ一斉に外型へと送られるので、周方向の変形や歪が生じにくく、破れ等を発生させずに深い容器を成形することができる。したがって、1種類のダイスとポンチとの組み合わせによって、深い角筒容器を効率よく成形することができる。
【0015】
なお、本発明の深絞り加工装置においては、nを大きくするほどブランク周縁部の外型内への送り込みの効率はよくなるが、その反面、ブランクホルダや駆動手段の構成が複雑になり実用的でなくなる。したがって、一実施形態としてはnを4とするとよい。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の一実施例である深絞り加工装置について図面を参照して説明する。この実施例の深絞り加工装置は、底面形状が略正方形状である有底角筒容器を絞り成形するものである。
【0017】
図1は本実施例の深絞り加工装置のブランクホルダの上面図である。図2は図1中のA−A’線における本深絞り加工装置の縦断面図である。図3は本装置における成形動作の説明図であり、(A)は図1中のA−A’線における縦端面図、(B)は同じくB−B’線における縦端面図である。図4はブランクホルダの押し込みによるブランク周縁部の変形の状態を示す図であり、(A)は直辺方向の押し込み、(B)はコーナ方向の押し込みの状態である。図1〜4において、図13と同一又は相当する構成要素には同一符号を付して、特に必要としない限り説明を略す。
【0018】
本実施例の深絞り加工装置では、ブランク10を押さえるためのブランクホルダ14は、ポンチ13の周りにほぼ8等分に分割された、上面形状が扇形状であるホルダ分割片14a1〜14a4、14b1〜14b4と、上面形状が円環状であって、その上面が内周側から外周側へ向かうに従い下向きに傾斜する扁平円錐状の傾斜面15aである台座15と、から成る。台座15の傾斜面15a上には径方向に放射状に延在するガイド片(図示しない)が突設されており、ホルダ分割片14a1〜14a4、14b1〜14b4の底面に設けられた溝にそのガイド片が嵌合することにより、ホルダ分割片14a1〜14a4、14b1〜14b4はそれぞれ傾斜面15aに沿って径方向に摺動自在となっている。
【0019】
なお、8個のホルダ分割片14a1〜14a4、14b1〜14b4はポンチ13の周りに1個おきの4個が1組となっており、符号14a1〜14a4を付した1組のホルダ分割片(以下、単に符号14aと記す)は角筒容器の直辺部を形成するものであり、符号14b1〜14b4を付した他の1組のホルダ分割片(以下、単に符号14bと記す)は適度なコーナ半径を有する角筒容器のコーナ部を形成するものである。
【0020】
上記2組のホルダ分割片14a、14bは、図示しない駆動機構によって、組毎に中心方向に連動して移動するべく外周側から押圧されるように構成される。或る1組のホルダ分割片14a又は14bが中心方向に移動するように押圧されるとき、他の1組のホルダ分割片14b又は14aに対する押圧は解除されており、径方向に自在に移動可能である。したがって、例えば図1中の矢印M1に示すように、1組のホルダ分割片14aが中心方向に向かって移動(前進)すると、該ホルダ分割片14aに挟まれた他の組のホルダ分割片14bはそれに押されて図1中の矢印M2に示すように外周方向に移動(後退)する。
【0021】
上述したようにホルダ分割片14a、14bは傾斜した台座15上を摺動するため、前進したホルダ分割片14a又は14bの上面はせり上がり、逆に外周方向へと後退したホルダ分割片14b又は14aの上面は沈み込む。そのため、図1に示す移動の場合、図3(A)に示すように、中心方向へと前進するホルダ分割片14a(図3(A)では14a2、14a4)の上面がブランク10の周縁部の下面に接触し、該ブランク10に強い摩擦力を与えながら中心方向へと押す。他方、図3(B)に示すように、外周方向へ後退するホルダ分割片14b(図3(B)では14b1、14b3)の上面はブランク10の下面から離間し、該ブランク10に対する摩擦力が解除される。
【0022】
ダイス11の下面には、ブランク10との間の摩擦をできる限り軽減するように、例えば潤滑性の高い潤滑剤を貼着しておく。これにより、中心方向に移動するホルダ分割片14a又は14bに従って、ブランク10の周縁部はダイス11の下面を摺動し、貫通穴12内に送り込まれる。
【0023】
本実施例の深絞り加工装置では、ポンチ13の進出動作(本実施例では上昇動作)の際に、上記のようなホルダ分割片14a、14bの移動動作を交互に行うことにより、ブランク10から角形筒状容器を深絞り成形する。具体的に言うと、図3中に矢印P2に示すようにポンチ13が進出してブランク10を押し上げる際に、図4(A)に示すように、直辺部10aに位置する4個のホルダ分割片14aを前進させる動作(コーナ部10bに位置する4個のホルダ分割片14bは後退)と、図4(B)に示すように、コーナ部10bに位置する4個のホルダ分割片14bを前進させる動作(直辺部10aに位置する4個のホルダ分割片14aは後退)とを交互に繰り返す。これら前進動作は、ポンチ13による貫通穴12内へのブランク10の引き込みを積極的に補助する。
【0024】
図4(A)に示すように、ブランク10の周縁部にあってホルダ分割片14aによる押し込み力(図中の矢印M3)を受ける面は、摩擦力によってホルダ分割片14aとほぼ等しく中心方向へ変位する。一方、上記押し込み力を受けない部分では、前進したホルダ分割片14aによる周方向の圧縮力及びポンチ13による引張力が作用する。両側からの圧縮力を合成すると径方向に外向きの成分が生じるが、この成分よりもポンチ13による引張力が大きければブランク10の周縁部は中心方向へと移動する。本実施例では、各ホルダ分割片14a、14bの開き角度が比較的小さいため、上記径方向に外向きの成分は小さい。そのため、この部分のブランク10周縁部も確実に中心方向へと移動する。なお、このとき、この部分にはホルダ分割片14bによるシワ抑え力が作用しないため、若干のシワが発生する。しかしながら、このシワは押し込みを繰り返す過程で順次押し潰されるので、次第に平坦化されていって最終的にはほぼ完全に消去される。このようにして、ブランク10の外周縁を徐々に縮めながら、ブランク10をダイス11の貫通穴12内に絞り込むことができる。
【0025】
図5は、本発明者らが作製した本実施例の深絞り加工装置のパラメータと加工条件とを示す図である。図6は、本装置による角筒容器の成形の際の、ブランク10の周縁部の各半径位置における押し込み回数と中心方向への変位量との関係を実測した結果を示す図である。押し込み回数が奇数であるときには直辺方向(図1でのA−A’線上)のホルダ分割片14aによる押し込みを行い、押し込み回数が偶数であるときにはコーナ方向(図1でのB−B’線上)のホルダ分割片14bによる押し込みを行っている。また、境界方向とは、直辺方向のホルダ分割片14aと、それに隣接するコーナ方向のホルダ分割片14bとが接する直線の方向である。
【0026】
図6より、直辺方向及びコーナ方向のいずれにおいても、押し込み力を受ける回数時には全て、半径位置においてホルダ分割片14a又は14bの移動量(1mm)とほぼ等しく変位していることがわかる。一方、押し込み力を受けない回数時には変位量に分布が生じており、半径方向に伸びが生じたことがわかる。また、ダイス11の肩付近での変位量が直辺方向で約1mmであるのに対し、コーナ方向ではその半分程度になっている。更にまた、境界方向では、押し込みの方向に拘わらず、常にホルダ分割片14a、14bの移動量の中心方向成分(cos22.5°=0.92)にほぼ等しく変位していることがわかる。
【0027】
図7は多数回の押し込みを繰り返したときのブランク10の上面図、図8はブランク10から形成された角筒容器の斜視図である。また、ブランク10の変形の状態を確認し易いように、ブランク10には周方向に22.5°間隔の放射線状のけがき線と、径方向に2mm間隔の同心円状のけがき線を入れた場合の、成形後の容器側壁のけがき線の状態を図9に示す。
【0028】
上記のような変位量の状況から、直辺方向とコーナ方向との交互の押し込みを繰り返してゆくと、境界方向の変位量が他の部分よりも大きくなり、その結果、ブランク10の周縁部には8つの耳10cが形成されてゆく。
【0029】
一方、図9より、ホルダ分割片14a、14bの境界方向での貫通穴12内への流入量が他の部分に比べて大きくなっていることがわかる。また、境界方向のけがき線が直辺方向及びコーナ方向のけがき線とほぼ平行になっていることから、境界方向を跨いだブランク10の周方向への移動は殆ど生じておらず、ホルダ分割片14a、14bによる押圧によって、ブランク10の変形が適切に規制されていることがわかる。
【0030】
発明者らの実験によると、本実施例による深絞り加工装置を用いて、図8に示すような、対辺長さの2倍に相当する高さ(深さ)の有底角筒容器も容易に得ることができることを確認できた。
【0031】
上記実施例は角筒容器を成形するための深絞り加工装置であるが、円筒容器を成形する場合においても、ブランクホルダ14の分割数を8程度以上にすることが有用である、という点について次に説明する。
【0032】
図10(A)は円筒容器成形用の8分割のブランクホルダ14を示す上面図、図10(B)は4分割のブランクホルダ14を示す上面図である。また、図11は、8分割ブランクホルダを用いた深絞り加工装置での円筒容器成形の際の、ブランクの周縁部の各半径位置における押し込み回数と中心方向への変位量との関係を実測した結果を示す図、図12は4分割ブランクホルダを用いた深絞り加工装置での円筒容器成形の際の同様の実測結果を示す図である。
【0033】
図11及び図12より、A−A’方向及びB−B’方向のいずれにおいても、押し込み力を受ける回数時には全て、半径位置においてホルダ分割片14a又は14bの移動量(1mm)とほぼ等しく変位していることがわかる。これに対し、押し込み力を受けない回数時の変位量には、8分割ブランクホルダと4分割ブランクホルダとでは大きな相違がある。
【0034】
すなわち、4分割ブランクホルダでは、A−A’方向及びB−B’方向のいずれにおいても、押し込み力を受けない回数時に半径位置が24mmよりも外周側では変位量がマイナスになっている。これは、その回の押し込み力を受ける前よりも外向きに変位している(つまり膨らんだ)ことを意味している。その理由は、4分割のブランクホルダでは1個のホルダ分割片の開き角度が大きいため、両側から受ける圧縮力を合成した力のうちの径方向外向きの成分が大きくなるからである。したがって、例えば、押し込み力を受ける回数時に押し込みによって1mm中心方向へ変位したとしても、次の押し込み力を受けない回数時には外向きに0〜0.4mm変位してしまい、その結果、1回ずつの交互の押し込み動作によって、最悪0.6mm程度ずつしか押し込みの効果が得られないことになる。これに対し、8分割ブランクホルダでは、押し込み力を受けない回数時にも変位量はプラスを保ち、確実に中心方向へ前進していることがわかる。すなわち、この差が成形時の効率の差となって現れる。
【0035】
したがって、8分割ブランクホルダを用いた場合、4分割ブランクホルダを用いた場合よりも、同じ高さの円筒容器を成形するめに必要とする押し込みの繰り返し回数が少なくて済み、より短時間で、つまり低コストで円筒容器を絞り成形することができる。
【0036】
なお、上記実施例はいずれも本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜変形や追加を行えることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である深絞り加工装置におけるブランクホルダの上面図。
【図2】 図1中のA−A’線における本実施例の深絞り加工装置の縦断面図。
【図3】 本実施例の深絞り加工装置における成形動作の説明図であり、(A)は図1中のA−A’線における縦端面図、(B)は同じくB−B’線における縦端面図。
【図4】 ブランクホルダの押し込みによるブランク周縁部の変形の状態を示す図であり、(A)は直辺方向の押し込み、(B)はコーナ方向の押し込みの状態。
【図5】 本実施例の深絞り加工装置のパラメータと加工条件とを示す図。
【図6】 本実施例の深絞り加工装置による角筒容器の成形の際の、ブランク周縁部の各半径位置における押し込み回数と中心方向への変位量との関係を実測した結果を示す図。
【図7】 本実施例の深絞り加工装置を用いて多数回の押し込みを繰り返したときのブランクの上面図。
【図8】 本実施例の深絞り加工装置を用いてブランクから形成された角筒容器の斜視図。
【図9】 成形後の容器側壁のけがき線の状態を示す図。
【図10】 円筒容器成形用の8分割のブランクホルダを示す上面図(A)、及び4分割のブランクホルダを示す上面図(B。
【図11】 8分割ブランクホルダを用いた深絞り加工装置での円筒容器成形の際の、ブランクの周縁部の各半径位置における押し込み回数と中心方向への変位量との関係を実測した結果を示す図。
【図12】 4分割ブランクホルダを用いた深絞り加工装置での円筒容器成形の際の同様の実測結果を示す図。
【図13】 従来の一般的な深絞り加工装置を用いた成形手順を示す概略図。
【符号の説明】
10…ブランク
10a…直辺部
10b…コーナ部
11…ダイス
12…貫通穴
13…ポンチ
14…ブランクホルダ
14a、14a1〜14a4、14b、14b1〜14b4…ホルダ分割片
15…台座
15a…傾斜面
Claims (3)
- 被成形素材であるブランクから有底筒状容器を成形するために、穴状又は凹形状の外型が設けられたダイスと、該ダイスの外型内に進出するポンチと、前記ブランクを前記ダイスとの間で挟持するブランクホルダと、を具備する深絞り加工装置において、
前記ブランクホルダは、前記ポンチの周りで放射状に分割された上面扇形状の2n(nは3以上)個の分割片を含み、
前記ポンチを外型内に進出させる際に、前記2n個の分割片のうちの、周方向に1個おきのn個の分割片と、他のn個の分割片とをそれぞれ1組として、各組毎に交互に、内周方向に向かって移動するべく力を付与する駆動手段を、備えることを特徴とする深絞り加工装置。 - 底面形状がn角形である角筒容器の深絞り加工を行う深絞り加工装置であって、前記ブランクホルダの前記2n個の分割片のうちの、周方向に1個おきのn個の分割片は前記角筒容器のコーナ部に、他のn個の分割片は該コーナ部の間の直辺部に対応したものであることを特徴とする請求項1に記載の深絞り加工装置。
- 前記nは4であることを特徴とする請求項1又は2に記載の深絞り加工装置。
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