JP4066176B2 - 発音条件設定装置及び発音条件設定プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発音される楽音の発音条件を設定する発音条件設定装置及び発音条件設定プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子楽器、音源装置、エフェクタ、シンセサイザ等(以下、ディジタル楽音装置と記す)では、音響効果を施した後に楽音を出力することが可能であり、音響効果の代表的なものとして、楽音の要素の一つである周波数(ピッチ)や振幅を周期的に変化させる、ビブラートやトレモロなどが知られている。音響効果等の発音条件は、通常、演奏者がスイッチなどの設定手段を使用して予め設定するが、下記特許文献1には、電子楽器内部で発生させた乱数を使用して、演奏中に音響効果の条件を自動的に変化させる方法が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−85157号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した特許文献1では、発生させた乱数を、1つの押鍵操作に対応する楽音を発音している間保持することから、1つの楽音が発音している間は、低周波発振器の発振周波数は変化せず、発音中の楽音に対してさらなる制御を行うことができなかった。
【0005】
従って、ビブラート等の音響効果を不規則に変化させる程度も限定的なものとなっており、多様な意外性のある楽音の創作には適していなかった。
【0006】
本発明は、上記の問題に対して、1つの楽音の出力中においても、楽音の発音条件を多様に変更することができる発音条件設定装置及び発音条件設定プログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、以下の手段によって達成される。即ち、本発明に係る第1の発音条件設定装置は、記録されたディジタル楽音データを所定の条件で読み出して出力するディジタル楽音装置に搭載され、前記ディジタル楽音データの発音条件を設定する発音条件設定装置であって、乱数を発生する乱数発生手段と、発振信号を出力する低周波発振手段と、前記発振信号に応じて発生中の楽音の要素を変更する楽音要素変更手段と、前記乱数に応じて前記発振信号の周波数を変化させる周波数変更手段と、前記乱数発生手段が乱数を発生した後、当該時点において前記低周波発生手段が出力している発振信号の周波数から、次に前記乱数発生手段が乱数を発生するタイミングを設定するタイミング設定手段と、前記タイミング設定手段で設定されたタイミングが到来したときに、前記乱数発生手段によって乱数が発生されるように制御する制御手段とを備え、前記乱数発生手段が、前記制御手段の制御に従って、所定の時間間隔で、1つの楽音の出力中に複数回乱数を発生することを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係る発音条件設定プログラムは、記録されたディジタル楽音データを所定の条件で読み出して出力するディジタル楽音装置に搭載され、前記ディジタル楽音データの発音条件を設定する発音条件設定装置に、所定の時間間隔で、1つの楽音の出力中に複数回乱数を発生する機能、発振信号を出力する機能、前記乱数に応じて前記発振信号の周波数を変化させる機能、及び前記発振信号に応じて発生中の楽音の要素を変更する機能を実現させ、乱数を発生する前記機能が、乱数を発生した後、当該時点において出力している前記発振信号の周波数から、次に乱数を発生するタイミングを設定し、設定された該タイミングが到来したときに、乱数を発生させる機能であることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る発音条件設定装置が搭載されたディジタル楽音装置(電子楽器)の内部構成を示すブロック図である。本電子楽器は、全体を制御する中央処理装置(以下、CPUと記す)1と、制御プログラムを記録したROM2と、演奏中の情報などを記録するフラグ、レジスタとして使用されたり、データ処理のワークエリアとして使用されるRAM3と、演奏条件の設定や演奏などに使用される操作子4と、操作子4が操作される状態を検出する検出部5と、演奏条件(音程、音量など)を表示する液晶パネルなどの表示部6と、表示部6に対して表示対象のデータを出力する表示回路7と、楽音の発音条件の設定信号を出力する設定部8と、楽音信号を出力する音源部9と、音源部9から出力される楽音信号(電気信号)を音として出力するアンプとスピーカからなるサウンドシステム(以下、SSと記す)10と、外部の記録装置や通信ネットワークを介してサーバーコンピュータなどとデータを交換するための通信インターフェース部11と、各部の間で情報を交換する通信バス12とを備えている。
【0012】
図2は、楽音の要素の一つであるピッチを変更する場合の、設定部8及び音源部9の内部構成を示すブロック図である。設定部8は、乱数発生部81及びレート生成部82を備え、音源部9は、低周波発振部(以下、LFOと記す)91、加算部92、波形読出部93、波形メモリ94、及びエンベロープ付与部95を備えている。
【0013】
図3は、本電子楽器の演奏の概要を説明するフローチャートである。図3に従って、本電子楽器の演奏の概要を説明する。以下において、CPU1は、演奏中に、操作子4からの操作情報などの制御に必要なパラメータをRAM3に一時記録し、各ステップの処理においてそれらを適宜更新することとする。また、CPU1による各部に対する制御は、各部に装備されているレジスタに所定の値を書き込むことで行われ、各部はレジスタの値に応じた処理を行うこととする。また、特に断らない限り、CPU1が行う処理として説明する。
【0014】
電子楽器の電源がオンされると、ステップS1において、ROM2から所定の制御プログラムを読出し、初期設定(RAM3のレジスタ、フラグ等への所定値のセット)を行い、操作子4からの設定操作や演奏操作などを受け付ける状態になる。
【0015】
ステップS2において、演奏条件を変更するためのスイッチ(図示せず)が操作されたか否かを判断する。操作されていないと判断すれば、ステップS4に移行し、操作されたと判断すれば、ステップS3に移行して、スイッチの設定に対応するデータを取得し、RAM3の対応するレジスタに記録する。LFO91が発生する発振信号の基準周波数(基準値F0)の設定、ピッチ変調を行うか否かの設定、ランダム処理を行うか否かの設定は、ここで行われる。
【0016】
ステップS4において、ピッチ変調(ビブラート処理など)及びランダム処理を行うように設定されているか否かを判断する。この判断は、例えば、RAM3に記録された該当するフラグが1か0の何れであるかを判断することによって行なわれる。ピッチ変調及びランダム設定の何れか一方又は両方がオフ(フラグが0)であれば(ステップS4 NO)、ピッチ変調とランダム設定の両方がオンになるまでステップS2〜S3の設定変更とステップS4〜S5の通常の発音処理が繰り返し行われる。そして、ピッチ変調及びランダム設定の両方がオン(フラグが1)に設定されると(ステップS4 YES)、ステップS6において後述するランダム処理が行われる。
【0017】
ステップS5において、操作子4(鍵盤)での演奏操作が検出されると、検出部5によって操作子4の機械的変化が電気信号(ディジタルデータ)に変換されて、CPU1に伝送され、CPU1は取得したデータをRAM3のバッファに記録する。具体的には、操作された鍵に関する押鍵情報(押鍵された鍵、押鍵の強度などの情報)がCPU1に伝送され、RAM3のバッファに記録される。CPU1は、取得した押鍵情報から対応する楽音の音高(ピッチ)Fnを決定し、ピッチFnを音源部9の対応するレジスタにセットする。音源部9では、加算部92が入力される音高情報Fnをそのまま波形読出部93に出力し(Fn’=Fn)、波形読出部93が、波形メモリ94に記録されている複数の楽音データ(発音する楽音の波形をサンプリングした波形データ)の中から対応する楽音データを、指定された音高(ピッチFn’)に対応するタイミングで読み出す。読み出された楽音データは、エンベロープ付与部95によって所定のエンベロープに従って振幅が変更された後、SS10に出力され、SS10が音として出力する。ここで、エンベロープは、電子楽器の種類、操作子4の種類、波形メモリ94に記録されている楽音の種類などによって予め設定されているが、例えば押鍵の強度やアフタータッチによってエンベロープを変化させてもよい。また、離鍵されるまで、レジスタにセットされた押鍵に対応するピッチFnが保持され、離鍵が発生すると、それまでレジスタに保持されていた音高Fnが消去される。音高Fnが保持されていないときには、加算部92から加算結果Fn’も出力されない。
【0018】
以上が、ステップS5における基本的な演奏(ピッチ変調が設定されていない状態での演奏)であるが、ビブラートなどのピッチ変調が設定されている場合、ステップS5では、LFO91が発振出力するピッチ変更信号PLF(数十Hz以下の低周波数)を使用して、押鍵情報から決定された音高(ピッチFn)を変調する処理が行われる。
【0019】
具体的には、レート生成部82がレートRtをLFO91に出力し、LFO91が、入力される所定周波数(音源部9で扱うサンプリング周波数)のクロックCLKのタイミング毎に、内部の累算部(図示せず)で、レートRtによって決定される所定の数ΔNを累算する。累算結果が所定値MAXに達したら、累算結果をリセットするように設定されており、レートRtによって決定される数ΔN、クロックCLK及び累算の上限値MAXによって、ピッチ変更信号PLFの波形、従ってその周波数fが決まる。無論、ピッチ変更信号PLFの波形は周知の技術により種々の変形を加えることができるが、その説明は割愛する。加算部92は、押鍵情報から決定されたピッチFnにピッチ変更信号PLFを加算して、新たなピッチFn’として出力する。ピッチ変更信号PLFは、クロックCLKのタイミング毎に加算部92に入力され、加算部92は、ピッチ変更信号PLFが入力される毎に新たな加算結果Fn’を算出して、波形読出部93に出力する。クロックCLKの周期は、1つの楽音が発音されている時間よりも十分に短いので、1つの楽音が発音されている間に、その楽音の音高をピッチ変調信号PLFによって変動させることができ、例えばビブラートが掛かった楽音データが出力される。ステップS5では、ランダム処理が設定されていない場合の処理を行うので、レート生成部82は、レートRtを、演奏者によって設定された基準値F0から決定する。このレートRtは、演奏者により基準値F0が変更されるまで同じ値が保持される。
【0020】
ここで、ピッチFnは実際の周波数の対数値であり、ピッチ変更信号PLFは、変化させる対象のピッチFnに対する割合を対数値で表したものとしている。従って、ピッチの変更は、加算部92による加算処理で行うことができる。各データが対数値でない場合にも、加算処理の代わりに積算処理を行う点を除いて同様に処理することができる。
【0021】
ステップS6は、上記したようにピッチ変調が設定されており、且つランダム処理が設定されている場合に実行される。この場合、設定部8の乱数発生部81によって発生された乱数Rに応じて、LFO91が発振出力するピッチ変更信号PLFの周波数fを、基準値F0に対応する周波数f0から不規則に変化させる。これにより、加算部92から出力される指定ピッチFn’の値や波形読出部93での楽音データの読み出しタイミングが不規則に変化し、音源部9から出力される楽音信号のピッチの変化周期、例えばビブラートの周期が不規則に変化することとなる。ここで、乱数Rは、後述するように、押鍵などの演奏操作(何らかの発音指示)によって楽音が発音されている間に複数回発生され、よって、1つの押鍵に対する楽音が発音されている間に複数回ピッチが変更されることになる。これによって、例えば、演奏者によって予め設定された一定の周波数f0(基準値F0によって決定される)でピッチを変化させる、単調なビブラートに不規則な変化を持たせることができる。
【0022】
最後に、ステップS7において、電子楽器の電源オフ等の終了指示があったか否かを判断し、終了指示があるまで、ステップS2〜S6の処理を繰り返す。
【0023】
次に、ステップS6のランダム処理の詳細を説明する。図4は、ランダム処理に関するフローチャートである。
【0024】
ステップS10において、発音指示(押鍵)があったか否かを繰り返し判断し、押鍵されたと判断した場合、ステップS11に移行する。
【0025】
ステップS11において、ステップS5での処理に関して上記したように、レート生成部82が基準値F0に基づいてレートRtを決定して出力し、LFO91が、基準値F0に基づくレートRtに対応する周波数f0でピッチ変更信号PLFの発振出力を開始する。また、押鍵で指示された音高Fnは加算部92へ入力される。これによって、加算部92、波形読出部93、エンベロープ付与部95での処理が行われ、押鍵に対応する楽音として周波数f0でピッチが変化する楽音がSS10から出力され始める。そして、この楽音の出力は図4のランダム処理と並行して、音源部9とSS10で実行される。
【0026】
ステップS12において、ランダム処理に関する初期設定を行う。即ち、計時手段(図示せず)から現在時刻を取得して基準時刻TIMEにセットし、現在のピッチ変更信号PLFの周波数fから周期(1/f(秒))を計算して特定時間Δtにセットし、下限値Rminに0をセットし、上限値Rmaxに基準値F0の2倍の値をセットする。ここで、セットされた上限値Rmaxが、演奏者が設定可能な基準値F0の上限値を超える場合には、その上限値をセットする。例えば、基準値の設定範囲が7ビット(0〜127)である場合、2×F0が127を超えるときには、上限値Rmaxには127をセットする。
【0027】
ステップS13において、計時手段から現在時刻を取得し、取得した現在時刻とステップS12においてセットされた基準時刻TIMEとの差が特定時間Δtよりも大きいか否かを繰り返し判断する。その差が特定時間Δtよりも大きいと判断した場合、ステップS14に移行する。
【0028】
ステップS14において、乱数発生部81を制御して乱数Rを発生させる。ここで乱数Rは、例えば所定のアルゴリズムに従って生成される擬似乱数である。
【0029】
ステップS15において、ステップS14で発生させた乱数Rが、ステップS12でセットした下限値Rmin〜上限値Rmaxの範囲内の値であるか否を判断する。乱数Rが下限値Rmin〜上限値Rmaxの範囲外であると判断した場合、ステップS14に戻り、新たな乱数Rを発生させ、下限値Rmin〜上限値Rmaxの範囲内の乱数Rを取得するまでステップS14、S15を繰り返す。
【0030】
乱数Rが下限値Rmin〜上限値Rmaxの範囲内であれば、レート生成部82は、ステップS16において、基準値F0の代わりに、決定した乱数Rから出力するレートRtを決定(以下、乱数Rから決定されたレートをRt(R)と記す)し、ステップS17において、レートRt(R)をLFO91へ出力する。これによって、ステップS5での処理に関して上記したように、LFO91は、入力される所定周波数のクロックCLKのタイミング毎に、累算部で、レートRt(R)によって決定される所定数ΔNを累算して形成される波形を、新たなピッチ変更信号PLFとして出力し始める。従って、ピッチ変更信号PLFの周波数fは、レートRt(R)、即ち乱数Rによって決定されたことになる。新たなピッチ変更信号PLFはクロックCLKのタイミング毎に加算部92に入力され、加算部92は、このピッチ変更信号PLFが入力される毎に新たな加算結果Fn’を算出して、波形読出部93に出力する。これによって、発音中の楽音にかかっていたビブラートの変化動向が、レートRt(R)に基づいて形成される新たなピッチ変更信号PLFに沿ったものへと変化することになる。
【0031】
ステップS18において、ランダム設定がオフされたか否かを判断し、オフされていないと判断した場合、ステップS19において、レートRt(R)によって決定された周波数fのピッチ変更信号PLFの周期(=1/f)を特定時間Δtにセットし、ステップS12に戻り、ランダム設定がオフされたと判断するまで、ステップS12〜S19の処理を繰り返す。
【0032】
以上の処理においては、LFO91が出力しているピッチ変更信号PLFの周期(=1/f)を使用して乱数Rを発生させるタイミングを決定しており、通常、LFO91が発振している発振信号の周期は、1回の発音指示によって1つの楽音が発音されている時間よりも十分に短いので、ステップS12で決定される特定時間Δtも1つの楽音が発音されている時間よりも十分に短い時間となり、1つの楽音の発音中に複数回乱数Rを発生させることができる。そして、乱数Rが発生するごとに、その発生したタイミングでLFO91が発振出力するピッチ変更信号PLFの周波数fが(ステップS17において)変更されることになる。
【0033】
以上においては、楽音の要素の一つであるピッチ(音高)を、乱数Rに応じて変調する場合、特にビブラート処理を行う場合に関して説明したが、これに限定されず、その他の楽音の要素を乱数Rに応じて変化させてもよい。例えば、LFO91からエンベロープ付与部95に対して乱数Rに応じた周波数の信号を出力するように構成し、トレモロ、コーラスなどの音響効果が不規則に変化するように、エンベロープ波形を変化させてもよい。
【0034】
また、乱数Rを発生するタイミングは、計時を開始してからLFO91の発振周波数の1周期の時間が経過したときとしたが(図4のステップS13)、これに限定されるものではない。乱数Rの発生タイミングが、LFO91の発振している低周波の自然な区切り位置になるようにするには、特定時間Δtを上記したように、LFO91の発振周波数の変化に応じて設定することが望ましいが、1つの楽音が発音されている間に、複数回乱数Rを発生できる時間であればよい。例えば、特定時間Δtとして、予め所定の時間に決めておくことや、LFO91の発振信号の振幅が所定のレベルになる時間を使用してもよく、1周期を基準として決定される1周期よりも短い時間、例えば、4分の1周期(1/(4f)(秒))、2分の1周期(1/(2f)(秒))、4分の3周期(3/(4f)(秒))などであってもよい。
【0035】
また、乱数Rが所定のアルゴリズムによって生成される場合を説明したが、これに限定されず、電気信号の熱雑音の電圧レベルを検出し、これを使用して乱数Rを生成するなどの手段を使用してもよい。また、所定のタイミングになったときに、乱数Rを発生する場合を説明したが、これに限定されず、予め所定の手段で生成した複数の乱数からなる乱数列をメモリに記録しておき、これを読み出して使用してもよい。
【0036】
また、乱数Rが所定の許容範囲内である場合にのみ処理を行うこととし、その範囲の上限値を基準値F0の2倍の値としたが、これに限定されるものではない。例えば、許容範囲は、演奏者によって設定される基準値F0によって決まり、且つ基準値F0を含む範囲であればよい。これによって、乱数Rの発生に演奏者の意図を反映させることができる。また、基準値F0とは全く異なる値によってLFO91の発振周波数が決定され、楽音がその発振周波数によって制御されて不自然な楽音となることを抑制することができる。このように、基準値F0を含む範囲を許容範囲として使用することが望ましいが、許容範囲をなくすことも可能であり、所定のタイミングで発生させた乱数Rを、その大きさに依らずに常に使用するようにしてもよい。
【0037】
また、レートRt(R)は発生した乱数Rのみから決定することに限定されない。乱数Rを利用してレートRt(R)が決定されればよい。例えば、基準値F0に乱数Rを加減乗除してレートRt(R)を決定する方法であってもよい。
【0038】
また、ROM2に制御プログラムが記録されている場合を説明したが、コンピュータ用のハードディスクやCD−ROMなどの記録媒体に制御プログラムや設定データなどを記憶させておき、通信インターフェース部11を介してこれらをRAM3に読み込み、上記したランダム処理を行うようにしてもよい。また、通信ネットワークを介してサーバーコンピュータの記録装置に記録された制御プログラムや設定データなどを、通信インターフェース部11を介してRAM3にダウンロードし、上記したランダム処理を行うようにしてもよい。
【0039】
また、サウンドシステム10を備え、これによって発音する場合を説明したが、発音手段を備えていないMIDIコントローラなどであってもよい。
【0040】
また、本発明に係る機能を実現するための処理の順序は、図3、4に示したフローチャートに限定されず、種々の変更が可能である。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、1つの楽音の出力中に楽音の要素を不規則に変化させることができ、発音される楽音の単調さを解消することが可能となる。
【0042】
また、低周波発振部で発振出力される制御信号の周波数を出力中に変化させるので、楽音を構成する複数の要素(音高、音量、発音長など)の調和を保ったまま、多様に変化する楽音を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る発音条件設定装置を搭載する電子楽器の内部構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る発音条件設定装置の構成を示す側面図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係る発音条件設定装置を搭載する電子楽器の演奏方法を説明するフローチャートである。
【図4】 本発明の実施の形態に係る発音条件設定装置のランダム処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 中央処理装置(CPU)
2 ROM
3 RAM
4 操作子
5 検出部
6 表示部
7 表示回路
8 設定部
9 音源部
10 サウンドシステム(SS)
11 通信インターフェース部
12 通信バス
81 乱数発生部
82 レート生成部
91 低周波発振部(LFO)
92 加算部
93 波形読出部
94 波形メモリ
95 エンベロープ付与部
Claims (2)
- 記録されたディジタル楽音データを所定の条件で読み出して出力するディジタル楽音装置に搭載され、前記ディジタル楽音データの発音条件を設定する発音条件設定装置であって、
乱数を発生する乱数発生手段と、
発振信号を出力する低周波発振手段と、
前記発振信号に応じて発生中の楽音の要素を変更する楽音要素変更手段と、
前記乱数に応じて前記発振信号の周波数を変化させる周波数変更手段と、
前記乱数発生手段が乱数を発生した後、当該時点において前記低周波発生手段が出力している発振信号の周波数から、次に前記乱数発生手段が乱数を発生するタイミングを設定するタイミング設定手段と、
前記タイミング設定手段で設定されたタイミングが到来したときに、前記乱数発生手段によって乱数が発生されるように制御する制御手段とを備え、
前記乱数発生手段が、前記制御手段の制御に従って、所定の時間間隔で、1つの楽音の出力中に複数回乱数を発生することを特徴とする発音条件設定装置。 - 記録されたディジタル楽音データを所定の条件で読み出して出力するディジタル楽音装置に搭載され、前記ディジタル楽音データの発音条件を設定する発音条件設定装置に、
所定の時間間隔で、1つの楽音の出力中に複数回乱数を発生する機能、
発振信号を出力する機能、
前記乱数に応じて前記発振信号の周波数を変化させる機能、及び
前記発振信号に応じて発生中の楽音の要素を変更する機能を実現させ、
乱数を発生する前記機能が、乱数を発生した後、当該時点において出力している前記発振信号の周波数から、次に乱数を発生するタイミングを設定し、設定された該タイミングが到来したときに、乱数を発生させる機能であることを特徴とする発音条件設定プログラム。
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