JP3617114B2 - 電子楽器の自動演奏装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子楽器の自動演奏装置に関し、特に、自動伴奏装置あるいはデータ打ち込み音楽装置における打楽器パートの自動演奏などに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動伴奏装置あるいはデータ打ち込み音楽装置において、打楽器パートを自動演奏することが知られている。これは、どの打楽器音が発音されるかを示すイベント情報と該イベント情報の発生タイミングを示すタイミング情報とを含む演奏情報を各リズムの種類毎に1〜複数小節分記憶装置に記憶しておき、該記憶装置から指定されたリズムの演奏情報を繰り返し読み出して、ドラム、シンバル等の打楽器音を自動的に発音させるものである。
しかしながら、このような従来の装置は、楽譜に表記されたとおりのタイミングで当該リズムパターンを発音させているので、非常に正確ではあるが、単調で、いかにも機械的な感じのするリズムを発音するものであった。
【0003】
そこで、このような自動演奏装置において、人間の演奏にみられるような微妙な「のり」を表現するために、従来より各種の工夫がなされていた。
例えば、アフタービートのアクセント感を強調するために、2拍目と4拍目といった所定の拍位置にある音の音量を増大させることが行なわれていたが、それだけでは、アクセント感をあまり向上させることはできなかった。
また、各拍の発音タイミングにランダムに「揺らぎ」を付加することも行なわれていた。しかし、これは、機械発音の良さである正確さを損なうだけで、あまり人間の演奏の「のり」の良さの表現につながるものではなかった。
さらに、拍位置に応じて、演奏タイミングを楽譜に表記されたとおりの正規の発音タイミングから所定の音符長だけずらすことにより、「のり」の良さを出そうというものが提案されている。たとえば、偶数拍の発音タイミングを所定の音符長だけ遅らせる、あるいは4拍目にある音は所定の音符長分タイミングを早めて演奏するというように、発音する音が何拍目にあるかに応じて、その発音タイミングを正規のタイミングからずらすようにするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術のものは、拍位置に応じて演奏タイミングをずらすことにより、「のり」の感じを表現することができるものであるが、ずれ量を音符の長さで設定するものであるため、テンポの速い演奏のときには、ずれの時間が短くなり、演奏タイミングをずらすことによる効果が減少するという問題点があった。
そこで、本発明は、どのようなテンポで演奏させたときであっても、「のり」の感じを表現することができる電子楽器の自動演奏装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の電子楽器の自動演奏装置は、イベント情報と該イベント情報の発生タイミングを示すタイミング情報とを含む演奏情報を記憶する記憶部と、周期的に前記記憶部から前記演奏情報を読み出して対応する発音処理を行なう再生部と、前記再生部が前記記憶部から演奏情報を読み出す周期を設定するテンポ設定部と、前記読み出された演奏情報中に含まれるイベント情報のうち所定のイベント情報については、当該タイミング情報により指定される発音タイミングよりも所定時間前または後にずらされたタイミングで発音されるように前記再生部を制御する発音タイミング制御部とを有し、前記所定時間は前記テンポ設定部により設定されるテンポに関わらず一定となるようになされたものである。
【0006】
また、本発明の電子楽器の自動演奏装置は、イベント情報と該イベント情報の発生タイミングを示すタイミング情報とを含む演奏情報を記憶する記憶部と、周期的に前記記憶部から前記演奏情報を読み出して対応する発音処理を行なう再生部と、前記再生部が前記記憶部から演奏情報を読み出す周期を設定するテンポ設定部と、前記読み出された演奏情報中に含まれるイベント情報のうち所定のイベント情報については、当該タイミング情報により指定される発音タイミングよりも所定の音符長分だけ前または後にずらされたタイミングで発音されるように前記再生部を制御する発音タイミング制御部とを有し、前記所定の音符長は前記テンポ設定部において設定されたテンポに対応して、該テンポが遅いときは短く、該テンポが速いときは長く変化されるようになされているものである。そして、前記所定時間または前記所定の音符長は、選択可能となされており、また、前記演奏情報中に含まれるイベント情報のうちの所定のイベント情報毎に、前記テンポに対応する前記所定の音符長の変化特性が異なっているようになされているものである。
【0007】
【作用】
このように構成された本発明の自動演奏装置においては、演奏情報を記憶する記憶部から演奏情情報報を繰り返し読み出して発音処理を行なうときに、演奏情報中のイベント情報のうち所定のイベントについては、タイミング情報により規定された正規の発音タイミングから、設定されたテンポに対応して変化される音符長分だけずらして発音されることとなる。したがって、どのようなテンポで演奏したときであっても、ずれの絶対時間をほぼ一定とすることができ、「のり」の感じを表現することができるようになる。
【0008】
【実施例】
図1は本発明が適用される電子楽器の一実施例の全体構成を示す図である。この図において、1は装置各部を制御するCPU(中央処理装置)、2はタイマであり、CPU1により設定される一定時間が経過する毎にCPU1に割り込みをかけるものである。3はROMであり、制御プログラム等が格納されているものである。4はRAMであり、処理に必要な各種データが記憶されるものである。5はバスであり、各構成要素間のデータの転送はこのバスを介して行なわれる。6は鍵盤、7は鍵盤6の押鍵を検出するための押鍵検出回路、8は各種設定を行なうためのスイッチ群であり、演奏のテンポを設定するためのスイッチ、演奏させるリズムパターンを選択するためのスイッチおよび後述するレベルを選択するためのスイッチ等が含まれている。9はスイッチ群8の操作を検出するためのスイッチ検出回路である。10は装置の動作状態や各種設定情報を表示するための表示回路、11は楽音信号を生成する音源回路、12は音源回路11により生成された楽音信号に対して各種の効果を施すための効果回路、13は効果回路12からの楽音信号を増幅し音響信号に変換するためのサウンドシステムである。14はMIDIインタフェース回路、15は磁気記憶媒体などの外部記憶との間で演奏情報などの読出、書込を行なうためのディスク装置である。
【0009】
また、上記ROM3あるいはRAM4中には、各リズム毎に、イベント情報と該イベントのタイミング情報とを含む演奏情報、当該リズムパターンにおける発音位置をずらされるべきイベントを示す情報およびテンポとずれ量の対応テーブルとが記憶されている。なお、これらのデータをRAM4中に格納するように構成した場合には、これらのデータを鍵盤6あるいはディスク装置15などから入力することができるように構成されている。
【0010】
このように構成された電子楽器において、リズムパターンなどの演奏を行なうとき、操作者は、まず、リズムパターンの選択スイッチにより演奏すべきリズムパターンを選択し、また、テンポ設定スイッチにより演奏のテンポを設定し、さらに、レベル選択スイッチによりずれ量のレベルを設定する。自動演奏処理が開始されると、例えば、4分音符長の1/96(以下、1クロックという)の周期毎に、ROM3あるいはRAM4中に格納されている各リズムに対応した演奏情報の中から選択されたリズムの演奏情報が読み出される。そして、該演奏情報中の所定のイベント情報については、設定されたテンポおよびレベル設定スイッチにより設定されたレベルに応じて定まる量だけその発音タイミングがずらされて、また、その他のイベントについては演奏情報中のタイミング情報により指定される正規のタイミングで、音源回路11に供給され、音源回路11において対応する楽音信号が生成される。この音源回路11において生成された楽音信号は効果回路12においてエフェクトがかけられた後、サウンドシステム13において増幅発音される。
【0011】
本発明の一実施例を、フォービートの場合を例にとってさらに詳細に説明する。図2の(a)に、フォービートのトップシンバルとハイハットシンバルのパートの一例を示す。このフォービートのリズムにおけるシンバルの音の「のり」を改善して、スウィング感を向上させるために、本発明においては、図2の(a)に記載された音符の演奏情報を読み出して再生するときに、トップシンバルの第1拍目と第3拍めのAとA’、および、ハイハットシンバルのBとB’の音は、いずれも、音符に記載されたとおりの正規のタイミングよりもずれ量(α)だけ前または後にずらして発音し、トップシンバルのCとC’の音は正規のタイミングよりもずれ量(β)だけ前または後にずらして発音させる。なお、主たるアクセント拍である2拍目と4拍目にあるDとD’は、ずらされることなく、音符に記載されたとおりの正規のタイミングで発音される。
【0012】
図2の(b)は、ずれ量(α)とテンポとの関係を示す図であり、図2の(c)は、ずれ量(β)とテンポとの関係を示す図である。いずれの図においても、横軸はテンポを表わし、縦軸は、ずれ量を4分音符の長さを単位として表わしている。また、ずれ量をクロック(1クロック=4分音符長の1/96)を単位として表わしたものが、縦軸の括弧内に示されている。なお、図中におけるレベル1〜3は、ずれ量の絶対値を表わすもので、操作者が好みに応じて選択することができるものである。図2の(b )に示すように、A、A’、BおよびB’のずれ量(α)は、レベル1〜3のいずれの場合においても、テンポに正比例している。すなわち、テンポが早くなるほどずれ量(α)も大きくなる。例えば、レベル1において、4分音符が1分間に60回刻まれるテンポ(以下、テンポ=60と記す)のときにずれ量(α)=4分音符長の1/96であり、テンポ=240のときにずれ量(α)=4分音符長の1/24となっている。すなわち、テンポが4倍になったときに音符長で表わしたずれ量(α)は4倍になっているので、ずれ量の絶対時間はテンポに関わらず一定となる。このことは、レベル2およびレベル3の場合においても同様である。また、図2の(c)に示すように、CおよびC’のずれ量(β)も、テンポに正比例している。図2の(b)と(c)とから明らかなように、CおよびC’のずれ量(β)は、テンポ=60のときに0となり、テンポが早くなるにしたがって、増加するようになされている。
【0013】
本発明においてこのようにずれ量が設定されているのは、次のような理由によるものである。
まず、人間の聴覚がオンビートの位置では鋭く、オフビートの位置では弱く感じることから、主たるアクセント拍ではない1拍目のAおよび3拍目のA’を正しい位置より前または後にずらすことによって、この1拍目および3拍目を弱く聞こえるようにする。これにより、正確な位置にある2拍目および4拍目が結果として強調され、スウィング感を向上することができる。なお、これと同時に、上述した従来技術のように音量も制御すれば、より大きな効果を得ることができる。
【0014】
また、ハイハットシンバルのBおよびB’を同様にずらすのは、この部分はトップシンバルのDおよびD’と重音となっているので、正確に同じ位置で発音したときには音が沢山鳴っていることが分かりにくくなるため、これを少しずらして発音させることにより、複数音の発音であることを明瞭にし、この拍全体の音量感を増大させるようにするためである。また、このように発音をずらすことによって、これらの発音された音を鋭く聞き取ることが困難になり、鋭い打撃であるにも係わらず、伸びのあるサウンドであるようなイメージを与えることができる。すなわち、「カチッ、カチッ」という鳴りの弱い切れた音から「カシャー、カシャー」という余韻があって存在感のある音に変化し、いわゆる「シンバルレガート」の効果を出すことができるようになる。
【0015】
さらに、CおよびC’の発音タイミングを、図2の(c)に示すように、テンポ=60のスローテンポのときには変化させず、テンポが早くなるにつれて変化させるのは、スローテンポのときには比較的正確に音符を聞き取ることができるが、アップテンポになってくると正確に音符を聞き取ることが困難になってくるため、音間隔が狭いCからA’およびC’からAの音がだんご状態となって美しく聞こえなくなるので、これを補正するためである。人間が演奏するときも、実際にはこのような打撃とならざるを得ないので、このことは経験的にも違和感がない。
【0016】
テンポによって、発音タイミングをずらす量が4分音符の長さの1/96〜1/8と変化されるのは、人間の耳が、スローテンポのときほど正確にタイミングを聞き取ることができ、アップテンポになる程あいまいにしか聞き取ることができなくなるために、ずれ量の絶対時間をほぼ一定になるようにするためである。また、ずれ量の絶対値は好みに応じてレベル1〜3を選択することにより設定することができる。
また、ずれを楽譜通りのタイミングより前方へ取る方が一般的感覚にはマッチしているが、ずれを後方へ取っても所期の目的を達成することができる。ただし、この場合はやや間延びした3連符的な感覚の音に聞こえることとなる。
【0017】
ずれを楽譜通りのタイミングより前方に取るようにした場合における再生処理の実施例を図3〜5を用いて説明する。この再生処理は、タイマ2の出力により1クロック(4分音符の長さの1/96)毎に起動されるものであり、その周期は設定されたテンポに応じて変化される。この再生処理が起動されると、図3に示すように、まず、通常発音処理20が実行され、続いて先行発音処理40が実行され、そしてステップ60が実行されて当該周期における再生処理が終了する。
【0018】
通常発音処理20の詳細を図4に基づいて説明する。通常発音処理20が開始されると、まず、ステップ21において、現在位置にイベントがあるか否かを判定する。現在位置とは、記憶されているリズムパターン内における現在演奏されている位置を示すものであり、4分音符の1/96を単位として該リズムパターン内における位置を表わすものである。ステップ21において、当該位置に処理すべきイベントがあるか否かが判定される。もし、現在位置にイベントがなければ、通常発音処理20は終了される。現在位置にイベントがあるときは、ステップ21の判定結果がYESとなり、ステップ22に進む。
【0019】
ステップ22においては、当該イベントがトップシンバルであるか否かが判定される。この判定がYESのときはステップ23に進み、ステップ23において現在位置がAまたはA’であるか否かが判定される。現在位置がAまたはA’でこの判定結果がYESのときは、後述するように先行発音処理40において対応する発音処理が行なわれているはずであるから、このAまたはA’に位置するトップシンバルのイベントに対しては、発音処理は行なわれない。また、ステップ23の判定結果がNOのときは、ステップ24において現在位置がCまたはC’であるか否かが判定される。この判定結果がYESのときは、現在位置がAまたはA’のときと同様に、先行発音処理40において対応する発音処理が既に行なわれているはずであるから、何も行なわれない。一方、ステップ24の判定結果がNOのときは、発音位置がずらされるべき拍位置にあるイベントではないから、ステップ25においてトップシンバルの発音処理が行なわれる。
【0020】
また、ステップ22の判定結果がNO、すなわち、現在位置にあるイベントがトップシンバルではないときには、ステップ26に進み、当該イベントがハイハットシンバルであるか否かが判定される。この判定結果がYESのときは、ステップ27に進み、現在位置がBまたはB’であるか否かが判定される。この判定結果がYESのときは、後述するように先行発音処理40において既に対応するハイハットシンバルの発音処理が行なわれているはずであるから、発音処理は行なわれない。一方、この判定結果がNOのときは、発音位置をずらされる拍位置にあるイベントではないから、ステップ28に進みハイハットシンバルの発音処理が行なわれる。また、ステップ26の判定結果がNOのとき、すなわち、現在位置にあるイベントがトップシンバルでもハイハットシンバルでもないときには、同様に、ステップ28において対応する発音処理が行なわれる。
なお、図4中には明記されていないが、現在位置に複数個のイベントがあるときには、上記ステップ21〜28が、未処理のイベントがなくなるまで、繰り返し実行される。
【0021】
次に、図5に基づいて、先行発音処理40について説明する。先行発音処理40が開始されると、まず、ステップ41においてテンポとレベルに応じて、A、A’、BおよびB’のずれ量(α)を決定する。すなわち、操作者が設定したレベルとテンポに応じて、図2の(b)に示す特性を有するずれ量の1クロックを単位とする値αをテーブルを参照して求める。なお、実際には、αは整数値であるから、テーブル中に格納されている値は図2の(b)のグラフのように一本の直線ではなく階段状とされている。次に、ステップ42において現在位置+αの位置がリズムパターン中におけるAまたはA’の位置に該当するか否かを判定する。この判定結果がYESのとき、すなわち、現在位置がAまたはA’の位置よりもずれ量αだけ先行した位置にあるときには、ステップ43において、現在位置+αの位置にあるのが、トップシンバルのイベントであるか否かが判定される。この判定結果がYESのときはステップ44において該トップシンバルの発音処理を実行する。これにより、AまたはA’に位置するトップシンバルのイベントは、それよりもずれ量αだけ先行して発音されることとなる。
なお、ステップ43における判定結果がNOのとき、すなわち、AまたはA’にトップシンバルのイベントがないときには、先行発音処理40は終了される。
【0022】
ステップ42の判定結果がNOのときには、ステップ45において、現在位置+αの位置がBまたはB’の位置に該当するか否かが判定される。この判定結果がYESのときはステップ46において、BまたはB’の位置にハイハットシンバルのイベントがあるか否かが判定される。この判定結果がYESのときにはステップ47において該ハイハットシンバルの発音処理が行なわれる。また、BまたはB’の位置にハイハットシンバルのイベントがないときには、先行発音処理40は終了される。
【0023】
一方、ステップ45の判定結果がNOのときは、ステップ48に進み、ステップ48において、テンポとレベルに応じてCまたはC’に対するずれ量の1クロックを単位とする値βが決定される。このずれ量βは、図2の(c)に示す特性を有するもので、ずれ量αと同様にテーブルなどを用いて決定される。ステップ48においてずれ量βが決定された後、ステップ49において、現在位置よりもβだけ後方の位置がCまたはC’の位置に該当するか否かが判定される。この判定結果がYESのときは、ステップ50において該位置にトップシンバルのイベントがあるか否かが判定され、その判定結果がYESのときはステップ51において該トップシンバルの発音処理が行なわれる。また、ステップ50の判定結果がNOのとき、および、ステップ49における判定結果がNOのときは、いずれも、先行発音処理40は終了される。先行発音処理40が終了した後は、ステップ60において、次回の再生処理のために、現在位置を一つ進めて、今回の再生処理は終了する。そして、4分音符の1/96の時間経過後に、再び、再生処理が起動されることとなる。
なお、上述したフローにおいては、パターンメモリの第1回目の読出しにおけるトップシンバルの第1拍目だけは発音されないこととなるが、このことは実用上何ら問題となることはない。また、もし、必要があるならば、第1回目の第1拍の音だけは、別途強制的に発音させるようにするなどの手当を行うことにより、この点は容易に解消することができる。
【0024】
次に、図6〜7により、ずれを楽譜通りのタイミングよりも後方に取るようにした場合における再生処理の実施例について説明する。この実施例の場合には、RAM4中に、時間データとイベントデータとからなるデータを格納するためのバッファを確保することが必要である。図6の(a)はこの実施例における再生処理のフローチャートである。図3に示した再生処理と同様に、この処理も1クロック(4分音符長の1/96)毎に起動される。まず、ステップ70の通常発音処理が実行される。この通常発音処理70の詳細を図7に示す。ステップ71において現在位置にイベントがあるか否かが判定される。この判定結果がNOのときは、通常発音処理70は終了される。ステップ71の判定結果がYESのときはステップ72に進み、そのイベントがトップシンバルであるか否かが判定される。
【0025】
現在位置にトップシンバルのイベントが存在し、ステップ72の判定結果がYESのときは、ステップ73に進み、現在位置がAまたはA’の位置に該当するか否かが判定される。この判定結果がYESのときはステップ74に進み、該ステップ74において、設定されているテンポとレベルに応じて、テーブルを参照し対応するずれ量αを決定する。続いてステップ75において、前記バッファに、時間データとして該ずれ量αを、また、イベントデータとして当該イベントを書き込み、通常発音処理70を終了する。また、ステップ73における判定結果がNOのときは、ステップ76に進み、現在位置がCまたはC’であるか否かが判定される。この判定結果がNOのときは、ステップ79において対応する発音処理を行い通常発音処理70を終了する。一方、この判定結果がYESのときはステップ77に進む。ステップ77では、設定されているテンポとレベルに応じて、テーブルを参照し、対応するずれ量βを決定し、続いてステップ78において該ずれ量βと当該イベントをバッファに書き込んで、通常発音処理70を終了する。
【0026】
現在位置に存在するイベントがトップシンバルではなく、ステップ72の判定結果がNOのときは、ステップ80に進み、そのイベントがハイハットシンバルであるか否かが判定される。その判定結果がNOのときは、ステップ84においてそのイベントに対応する発音処理を行って通常発音処理70を終了する。一方、そのイベントがハイハットシンバルであるときはステップ80の判定結果がYESとなり、ステップ81において、現在位置がBまたはB’の位置であるか否かを判定する。この判定結果がNOのときは、ステップ84においてそのハイハットシンバルの発音処理を行って通常発音処理70を終了する。現在位置がBまたはB’の位置であるときは、ステップ82に進み、設定されているテンポとレベルに応じて、テーブルを参照し、対応するずれ量αを決定する。そして、ステップ83において、該ずれ量αと該イベントをバッファに書き込み、通常発音処理70を終了する。
【0027】
通常発音処理70が終了した後、図6(b)に示す遅延発音処理90が実行される。遅延発音処理90においては、まず、ステップ91において、バッファの中に時間=0のイベントがあるか否かが判定される。この判定結果がNOのときはステップ94に分岐する。一方、この判定結果がYESのときは、ステップ92に進み、そのイベントの発音処理を行い、ステップ93において、その発音処理を行ったイベントをバッファから削除して、ステップ94に進む。ステップ94において、バッファ中に書き込まれているすべてのイベントデータに対応する時間データをデクリメントして、次回の遅延発音処理に備えてから、遅延発音処理90を終了する。
遅延発音処理90が終了した後、ステップ99において現在位置を一つ進めて、この回の再生処理が終了する。
【0028】
上記した実施例においては、図2(b)および(c)に示すように、テンポに対してずれ量が一次関数で変化するような特性に設定したが、これに限られることはなく、例えば、図8に示すような、テンポが速くなるにしたがってずれ量が飽和するような特性などの非線形な特性を有するように設定してもよい。また、、特性の異なるずれテーブルを複数種類用意しておいて、それらを選択して使用するようにしてもよい。さらに、テーブルを用いる代わりに、演算によりずれ量を求めるようにしてもよい。
【0029】
また、上記実施例においては、ずれ量を音符の長さで表わし、先行発音処理や遅延発音処理を音符の長さを基準とする所定周期毎の処理によって実行するようにしたが、このようにする必要はなく、ずれ量を絶対的な時間で表わし、本来の発音タイミングからこの絶対的な時間だけずれたタイミングで発音を行なうように構成してもよい。すなわち、上記A、A’、BおよびB’のずれ量のように、テンポに関わらず一定のずれ量を与える場合に、ずれ量を絶対的時間で表わすようにしてもよい。
【0030】
さらに、上記実施例においては、予め設定した位置に存在するイベント情報を発音タイミングをずらす対象としたが、必ずしもこれに限られることはなく、予め設定した位置に存在するイベント情報およびその近傍に存在するイベント情報を対象として発音タイミングをずらすようにしてもよい。
さらにまた、上記実施例においては、トップシンバルおよびハイハットシンバルの音を例にとって説明したが、これに限られることはなく、他の楽器の音の場合にも本発明を適用することができる。また、対象とするリズムも、フォービートに限ることはなく他のリズムにおいても適用することができることは明らかである。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、設定されたテンポに応じてずれ量を変更させるようにしたので、どのようなテンポで演奏させたときにおいても、「のり」の表現をすることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動演奏装置が適用される電子楽器の一構成例を示す図である。
【図2】本発明が適用されるフォービートのリズムパターンおよびテンポとずれ量の関係を示す図である。
【図3】所定のイベントを正規の発音タイミングよりも前方にずらすようにした場合における再生処理の一実施例を示すフローチャートである。
【図4】図3に示す実施例における通常発音処理20を説明するためのフローチャートである。
【図5】図3に示す実施例における先行発音処理40を説明するための図である。
【図6】所定のイベントを正規の発音タイミングよりも後方にずらすようにした場合における再生処理の一実施例を示す図およびその遅延発音処理90を説明するための図である。
【図7】図6に示す実施例における通常発音処理70を説明するための図である。
【図8】テンポとずれ量との対応関係の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 CPU、2 タイマ、3 ROM、4 RAM、5 バス、6 鍵盤、7押鍵検出回路、8 スイッチ群、9 スイッチ検出回路、10 表示回路、11 音源回路、12 効果回路、13 サウンドシステム、14 MIDIインタフェース回路、15 ディスク装置

Claims (4)

  1. イベント情報と該イベント情報の発生タイミングを示すタイミング情報とを含む演奏情報を記憶する記憶部と、
    周期的に前記記憶部から前記演奏情報を読み出して対応する発音処理を行なう再生部と、
    前記再生部が前記記憶部から演奏情報を読み出す周期を設定するテンポ設定部と、
    前記読み出された演奏情報中に含まれるイベント情報のうち所定のイベント情報については、当該タイミング情報により指定される発音タイミングよりも所定時間前または後にずらされたタイミングで発音されるように前記再生部を制御する発音タイミング制御部とを有し、
    前記所定時間は前記テンポ設定部により設定されるテンポに関わらず一定となるように構成されていることを特徴とする電子楽器の自動演奏装置。
  2. イベント情報と該イベント情報の発生タイミングを示すタイミング情報とを含む演奏情報を記憶する記憶部と、
    周期的に前記記憶部から前記演奏情報を読み出して対応する発音処理を行なう再生部と、
    前記再生部が前記記憶部から演奏情報を読み出す周期を設定するテンポ設定部と、
    前記読み出された演奏情報中に含まれるイベント情報のうち所定のイベント情報については、当該タイミング情報により指定される発音タイミングよりも所定の音符長分だけ前または後にずらされたタイミングで発音されるように前記再生部を制御する発音タイミング制御部とを有し、
    前記所定の音符長は前記テンポ設定部において設定されたテンポに対応して、該テンポが遅いときは短く、該テンポが速いときは長く変化されるようになされていることを特徴とする電子楽器の自動演奏装置。
  3. 前記所定時間または前記所定の音符長は、選択可能となされていることを特徴とする請求項1あるいは2のいずれかに記載の電子楽器の自動演奏装置。
  4. 前記演奏情報中に含まれるイベント情報のうちの所定のイベント情報毎に、前記テンポに対応する前記所定の音符長の変化特性が異なっていることを特徴とする請求項2記載の電子楽器の自動演奏装置。
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