JP4065467B2 - インクジェット記録装置、およびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置、およびインクジェット記録方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法に関する。更に詳しくは、夫々、水性黒色顔料インクと他の色相のインク(以下カラーインクという)とを用い、例えばインクジェット式プリンタ等のインク記録装置において、記録上必要とする予備吐出,吸引回復,加圧回復等の回復手段により発生する廃インクを、装置内を汚さずに確実に回収し得る手段を提供するインクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばインクジェットプリンタ等のインク記録装置においては、記録ヘッドの印字に際し、気泡の混入,ごみ,ノズル先端でのインク吐出口メニスカス後退等により吐出不良を生じ、鮮明な印字が得られなくなることがあるため、回復操作や、あらかじめ吐出特性を安定化するためのインク予備排出処理等が行われている。このように記録媒体への付与の目的以外の目的で吐出口から吐出、もしくは排出されたインク等を捨てたり、一時的に溜めておくために、廃インク溜めが設けられている。そして廃インク溜めとしては、例えば廃インク溜めへの供給口からインクが外部へ漏れないようにするため、吸水力の高い部材(廃インク吸収体)を内蔵した廃インク収容カートリッジが使用される。そして廃インク吸収体としては、例えば吸水紙、フェルト等の高密度繊維構造体、ポリウレタン、PVA(ポリビニルアルコール)等による発泡成形材料、あるいは吸水性高分子ポリマーを含有する前記吸収部材等が用いられるのが一般的である。
【0003】
(自己分散型CB)
一方、より高品質なインクジェットカラー画像を安定して記録することを目的として種々のインクの開発がなされており、その内の一つとして、いわゆる自己分散型カーボンブラックを色材として用いた黒色インク、及びそれを用いたインクジェット記録方法が研究されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そして本発明者らは、自己分散型カーボンブラックを含む黒色インクを実際のインクジェットプリンタに装着して種々の評価を行なう過程において、このインクが廃インク吸収体に徐々に吸収されなくなってしまうことがあることを見出した。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的はインクジェット記録時に行われる予備吐出,吸引回復,加圧回復等の回復手段によって発生する廃インクのインク吸収体への吸収を長期に亘り安定化し、その結果として装置内の汚れを防ぎ、高品位な記録を長期間、安定して行なうことのできるインクジェット記録装置を提供する点にある。
【0007】
また本発明は、廃インクによる装置内の汚れを防止した、高品質な画像を長期間安定して記録することのできるインクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成することができるインクジェット記録装置、黒インク及びカラーインクを個別に収容しているインク収容部と、該黒インク及びカラーインクの各々を吐出させるためのヘッド部と、該ヘッド部から排出される該黒インク及びカラーインクを吸収し、保持する廃インク吸収体と、を備えているインクジェット記録装置において、該黒インクが、自己分散型カーボンブラック及び水性媒体を含有し、該カラーインクが色材、尿素又は尿素誘導体及び水性媒体を含有し、且つ、該黒インクと該カラーインクが該廃インク吸収体中で接触することを特徴とするものである。
【0016】
更にまた上記目的を達成することのできるインクジェット記録方法は、前記したインクジェット記録装置を用いて記録媒体に、該黒インクと該カラーインクとの各々を付与せしめる工程を有することを特徴とするものである。
【0018】
即ち、本願発明者らは自己分散型カーボンブラックを色材として含む黒インクの廃インク吸収体への吸収が徐々に低下してしまう理由について検討した。その結果、1回の吐出不良回復操作やインク予備排出処理で生じる廃インクの量は少量であり、この様なインクを吸収する廃インク吸収体においては、少量の廃インクの吸収後の乾燥という現象が繰り返されるという知見を得た。更にインク吸収体において、自己分散型カーボンブラックを含む少量の黒インクの吸収と乾燥という現象が繰り返されると、インク吸収体表面に自己分散型カーボンブラックが徐々に析出し、これが廃インク吸収体のインク吸収性を妨げるとの知見を得るに至った。
【0019】
そして係る知見、及び廃インク吸収体には黒インクばかりでなく色インクの廃インクも吸収されることに着目して更なる検討を重ねた結果、自己分散型カーボンブラックを含む黒インクと共にカラー画像の記録に用いるカラーインク中に尿素または尿素誘導体を含有させた場合、インクジェット記録用のカラーインクとしての性能に影響を与えることなしに、廃インク吸収体上への自己分散型カーボンブラックの析出とそれによるインク吸収性の経時劣化を極めて有効に防ぐことができることを見出し、本発明を為すに至った。尿素又はその誘導体を含有してなるカラーインクが係る効果をもたらす理由は明らかでないが、かかるカラーインクを用いた場合には廃インク吸収体上の自己分散型カーボンブラックの析出が殆ど認められないことから、尿素又は尿素誘導体を含むカラーインクが、尿素又はその誘導体の吸湿能により廃インク吸収体上に残っている自己分散型カーボンブラックを再分散させ、廃インク吸収体内部への吸収を促しているものと考えられる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
【0022】
(黒インク)
(自己分散型カーボンブラック)
黒インク中の自己分散型カーボンブラックとは、少なくとも一種の親水性基がカーボンブラック表面に直接、若しくは、他の原子団を介して結合し、分散剤を用いることなしに水性媒体中に分散させることのできる様なカーボンブラックである。この様なカーボンブラックを用いることによって、従来の顔料インクのように、顔料を分散させるための分散剤の添加が不要となり、オリフィスからのインクの吐出安定性のより一層の向上を図ることができる。また自己分散型カーボンブラックとしては、表面がイオン性を有するものが好ましい。
【0023】
アニオン性に帯電したカ−ボンブラックは、カーボンブラック表面に直接、もしくは間接的に結合されている親水性基が、例えば下記化学式で示される基からなるグループから選ばれる少なくとも1つの基であるものが挙げられる。
【0024】
−COOM、-SO3M、−PO3HM、−PO32、−SO2NH2、及び
−SO2NHCOR1
【0025】
上記化学式中、Mは水素原子、アルカリ金属(例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等)、アンモニウム又は有機アンモニウム(モノ乃至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアンモニウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウム等)を表わす。またR1は、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、又は置換基を有してもよいナフチル基を表わす。ここでフェニル基またはナフチル基に結合していてもよい置換基としては、例えば炭素数1〜6程度の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基等が挙げられる。
【0026】
そして特に−COOM、−SO3Mがカーボンブラック表面に結合してアニオン性に帯電しているカーボンブラックは水性媒体中での分散性が良好なため好適に用いられる。
【0027】
アニオン性に帯電している自己分散型カーボンブラックを製造する方法としては、例えば、カーボンブラックを次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法が挙げられる。これによってカーボンブラック表面に−COONa基を結合させることができる。
【0028】
この様にカーボンブラック表面への親水性基の導入によってアニオン性に帯電させたカーボンブラックは、イオンの反発によって優れた水分散性を有する為、水性インク中に含有させた場合にも分散剤等を添加しなくても安定した分散状態を維持する。
【0029】
ところで上記した様な種々の親水性基は、カーボンブラックの表面に直接結合させてもよい。或いは他の原子団をカーボンブラック表面と該親水性基との間に介在させ、該親水性基をカーボンブラック表面に間接的に結合させても良い。ここで他の原子団の具体例としては例えば炭素原子数1〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、置換もしくは未置換のフェニレン基、置換もしくは未置換のナフチレン基が挙げられる。ここでフェニレン基及びナフチレン基の置換基としては例えば炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。また他の原子団と親水性基の組合わせの具体例としては、例えば−C2H4-COOM、−Ph-SO3M、−Ph-COOM 等(但し、Phはフェニル基を表す。Mは前記した定義に準ずる)が挙げられる。
【0030】
ところで本実施態様において上記した自己分散型カーボンブラックの中から2種若しくはそれ以上を適宜選択してインクの色材に用いてもよい。
【0031】
(カーボンブラックの含有量)
本実施態様にかかる黒インク中の自己分散型カーボンブラックの含有量としては、インク全重量に対して0.1〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%の範囲とすることが好ましい。この範囲とすることで、カーボンブラックは十分な分散状態を維持し、黒色インクのインクジェット吐出の安定化と高い画像品位とを達成することができる。
【0032】
(水性媒体)
本実施態様にかかるインクに用いられる水性媒体の例としては例えば水、或いは水と水溶性有機溶剤との混合溶媒が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、インクの乾燥防止効果を有するものが特に好ましい。具体的には例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、nープロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオ−ル、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の低級アルキルエーテルアセテート;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の多価アルコール;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。上記のごとき水溶性有機溶剤は、単独でもあるいは混合物としても使用することができる。
【0033】
又、水としては脱イオン水を用いることが望ましい。
【0034】
本実施態様に係わるインク中に含有される水溶性有機溶剤の含有量は特に限定されないが、インク全重量に対して3〜50wt%の範囲が好適である。又インクに含有される水の含有量はインク全重量に対して好ましくは50〜95重量%の範囲である。
【0035】
(インクのインクジェット吐出特性について)
本実施態様にかかる黒インクは、インクジェット記録用インクとして用いることができる。インクジェット記録方法としては、インクに力学的エネルギ−を作用させ、液滴を吐出する記録方法、及びインクに熱エネルギ−を加えてインクの発砲により液滴を吐出する記録方法があり、本実施態様の黒インクは、基本的にはカーボンブラックを分散させる分散剤を含有させる必要がないことから、これらのインクジェット記録方法に特に好適である。ところでこのインクをインクジェット記録用に用いる場合には、該インクはインクジェットヘッドから安定して吐出可能である特性を有することが好ましいが、インクジェットヘッドからの吐出性という観点からは、該液体の特性としては、例えばその粘度を1〜15cps、表面張力が25dyn/cm以上、特には粘度を1〜5cps、表面張力が25〜50dyn/cmとすることが好ましい。そしてインクに上記したような特性を担持させられる好ましい水性媒体としては、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、チオジグリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール及びイソプロピルアルコールから選ばれる少なくとも1つのアルコールを含むものが好ましい。又、本態様の黒インクは、上記の成分のほかに必要に応じて所望の物性値を持つインクとするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤等を添加してもよく、例えば界面活性剤の一例として、例えば下記化学式Iで表わされるアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物等を挙げることができる。更にインクの色調の調製等を目的として、自己分散型カーボンブラックに加えて水溶性染料等を他の色材として添加してもよい。
【0036】
【外1】
Figure 0004065467
(上記式中、R4、R5、R6及びR7はアルキル基、具体的には例えば炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基を表わし、mおよびnは夫々整数を表わし、m=0かつn=0、もしくは1≦m+n≦30であって、m+n=1の場合はmまたはnは0である。)
【0037】
(カラーインク)
本実施態様にかかるインクセットに用いられるカラーインクは、尿素又は尿素誘導体、色材及び水性媒体を含有していることが好ましい。該尿素又は尿素誘導体 を添加することで、廃インク吸収体表面に黒インクの自己分散型カーボンブラックが析出してしまい、該インク吸収体のインク吸収能力が低下している場合にも、該インク吸収体のインク吸収能を回復させることができる。ここで尿素誘導体としては、例えば R2R3NCONHCH2CH2OH(但し、R2及びR3は各々独立して水素原子、若しくはCnH2nOH(n=2又は3)を表わし、R2及びR3は同時には水素原子でない)等が挙げられる。そしてカラーインク中の尿素及び尿素誘導体の総量としては、例えばインク全重量に対して、0.1〜20重量%、より好ましくは、1〜15重量%とすることが好ましい。この範囲は、カラーインクのインクジェット吐出安定性や画像品質に殆ど影響を与えることがなく、且つ廃インク吸収体のインク吸収能の低下の防止、もしくは回復に有効なものである。
【0038】
(カラーインクの色材)
ここで上記インクセットに用いることのできるカラーインクの色材としては公知の染料や顔料を用いることができる。染料としては例えば酸性染料、直接染料等を用いることができる。例えばアニオン性染料としては既存のものでも、新規に合成したものでも適度な色調と濃度を有するものであれば、大抵のものを用いることができる、またこれらのうちの 何れかを混合して用いることも可能である。アニオン性染料の具体例を以下に挙げる。
【0039】
(イエロー用の色材)
CIダイレクトイエロー8、11、12、27、28、33、39、44、50、58、85、86、87、88、89、98、100、110
CIアシッドイエロー1、3、7、11、17、23、25、29、36、38、40、42、44、76、98、99
CIリィアクティブイエロー2、3、17、25、37、42
CIフードイエロー3
(レッド用の色材)
CIダイレクトレッド2、4、9、11、20、23、24、31、39、46、62、75、79、80、83、89、95、197、201、218、220、224、225、226、227、228、229
CIアシッドレッド6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、42、51、52、80、83、87、89、92、106、114、115、133、134、145、158、198、249、265、289
CIリィアクティブレッド7、12、13、15、17、20、23、24、31、42、45、46、59
CIフードレッド87、92、94
(ブルー用の色材)
CIダイレクトブルー1、15、22、25、41、76、77、80、86、90、98、106、108、120、158、163、168、199、226
CIアシッドブルー1、7、9、15、22、23、25、29、40、43、59、62、74、78、80、90、100、102、104、117、127、138、158、161
CIリィアクティブブルー4、5、7、13、14、15、18、19、21、26、27、29、32、38、40、44、100
(ブラック用色材)
CIアシッドブラック2、4、8、51、52、110、115、156
CIフードブラック1、2
【0040】
(色材の含有量)
ここで各カラーインク中の色材の含有量は、例えばインクジェット記録に用いる場合には該インクが優れたインクジェット吐出特性を備え、また所望の色調や濃度を有するように適宜選択すればよいが、目安としては例えばインク全重量に対して0.1〜20wt%の範囲が好ましい。またインクに含有される水の量はインク全重量に対して50〜95wt%の範囲が好ましい。
【0041】
(溶剤)
上記したようなカラーインク用の色材を含むインクの溶媒または分散媒としては例えば水、或いは水と水溶性有機溶剤との混合溶媒が挙げられる。そして水溶性有機溶剤としては前記第1の実施態様にて記載したのと同様のものが挙げられる。また該カラーインクをインクジェット法(例えばバブルジェット法等)で記録媒体に付着せしめる場合には、前述したように優れたインクジェット吐出特性を有する様にインクが所望の粘度、表面張力を有する様に調製することが好ましい。そしてカラーインク中の上記水溶性有機溶剤の含有量は、例えばインク全重量に対して3〜50重量%の範囲とすることが好ましく、またカラーインク中に含まれる水の含有量はインク全重量に対して50〜95重量%の範囲とすることが好ましい。
【0042】
(インクのインクジェット吐出特性について)
本実施態様にかかるカラーインクは、インクジェット記録用インクとして用いることができる。インクジェット記録方法としては、インクに力学的エネルギ−を作用させ、液滴を吐出する記録方法、及びインクに熱エネルギ−を加えてインクの発砲により液滴を吐出する記録方法がある。このインクをインクジェット記録用に用いる場合には、該インクはインクジェットヘッドから安定して吐出可能である特性を有することが好ましいが、インクジェットヘッドからの吐出性という観点からは、該液体の特性としては、例えばその粘度を1〜15cps、表面張力が25dyn/cm以上、特には粘度を1〜5cps、表面張力が25〜50dyn/cmとすることが好ましい。そしてインクに上記したような特性を担持させられる好ましい水性媒体としては、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、チオジグリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール及びイソプロピルアルコールから選ばれる少なくとも1つのアルコールを含むものが好ましい。
【0043】
又、本態様のカラーインクは、上記の成分のほかに必要に応じて所望の物性値を持つインクとするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤等を添加することができ、さらに、市販の水溶性染料などを添加することもできる。例えば界面活性剤としては、下記化学式Iで示されるアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物等等を挙げることができる。
【0044】
【外2】
Figure 0004065467
(上記式中、R4、R5、R6及びR7はアルキル基、具体的には例えば炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基を表わし、mおよびnは夫々整数を表わし、m=0かつn=0、もしくは1≦m+n≦30であって、m+n=1の場合はmまたはnは0である。)
【0045】
(インクセットを用いた記録装置、記録方法)
本実施態様にかかる、前記した黒インクと、上記したカラーインクを備えたインクセットとしては、
例えば該黒インクとイエロー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、ブルー及びブラックの色相を有する該カラーインクから選ばれる少なくとも1つのカラーインクとを、1個のインクタンク内の各々のインク収納部に収納し、且つ各々のインクを吐出させる為の記録ヘッドを一体的に備えた記録ユニット、具体的には例えば図1に示す様に自己分散型カーボンブラックを含む黒インクを黒インク収納部101Bkに、また尿素又は尿素誘導体を各々含むイエロー、シアン及びマゼンタのカラーインクを各々カラーインク収納部101Y、101M及び101Cに収納し、更に黒インク及び各カラーインクを各々個別に吐出させることができる様にインク流路を分けて構成した記録ヘッド103を備えている様な記録ユニット100が挙げられる。
【0046】
また黒インクとイエロー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、ブルー及びブラックのカラーインクから選ばれる少なくとも1つのカラーインクとを1個のインクタンク内の各々のインク収納部に収容し、各々のインクを吐出させる為の記録ヘッドに対して着脱可能に構成され、且つ各々のインクが該記録ヘッドに供給可能に構成されているインクカートリッジもまた本発明のインクセットの一態様に包含されるものである。図2はそのようなインクカートリッジの一例を示すものであり、インクカートリッジ201は黒インクを収納している部分203Bkとカラーインクを収納している部分203Cとを有し、該カートリッジは図3に示す様に各々のインクを吐出せしめる記録ヘッド301に着脱可能に構成されてなると共に、該カートリッジ201を記録ヘッド301に装着した状態では黒インク及びカラーインクが記録ヘッド301に供給される様に構成されているものである。
【0047】
また本発明のインクセットは、図1、図3に示した様に黒インクとカラーインクとが物理的に一体化されているものばかりでなく、例えば図4に示す様に、黒インクを収納したカートリッジ401Bkとカラーインクを収納したカートリッジ401Cとを各々のインクを吐出させる共通の記録ヘッド403に装着し、該黒インクと該カラーインクとを用いてインクジェットカラー画像の記録を行なうことのできる様に構成されているもの、更には
図5に示す様に、黒インクを収納し、該黒インクを吐出せしめる記録ヘッドを備えた記録ユニット501Bkとイエロ、マゼンタ及びシアンのカラーインクを各々収納し、各々のカラーインクを吐出せしめる記録ヘッドを備え3つの記録ユニット501Y、501M及び501Cをキヤリッジ503上に並べ、カラー画像の記録が行なえる状態にある様な黒インク及びカラーインクもまた本発明のインクセットの範囲内のものである。
【0048】
以上のように本発明のインクセットは、インクジェット記録で用いられる際に特に効果的である。インクジェット記録方法としては、インクに力学的エネルギ−を作用させ、液滴を吐出する記録方法、及びインクに熱エネルギ−を加えてインクの発砲により液滴を吐出する記録方法があり、それらの記録方法に本発明のインクは特に好適である。
【0049】
(インクジェット記録装置)
次に本発明にかかるインクセットが用いられるインクジェット記録装置の概略について説明する。まず第一に熱エネルギ−を利用したインクジェット記録装置の主要部であるヘッドの構成例を図6及び図7に示す。図6はインク流路に沿ったヘッド601の断面図であり、図7は図6のAA線における切断面図である。ヘッド601はインクを通す流路(ノズル)603を有するガラス、セラミック、シリコン又はプラスチック板等と発熱素子基板604とを接着して得られる。発熱素子基板604は酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン等で形成される保護層605、アルミニウム、金、アルミニウム−銅合金等で形成される電極607-1、607-2、HfB2、TaN、TaAl等の高融点材料から形成される発熱抵抗体層609、熱酸化シリコン、酸化アルミニウム等で形成される畜熱層611、シリコン、アルミニウム、窒化アルミニウム等の放熱性の良い材料で形成される基板613より成り立っている。上記ヘッドの電極607−1及び607−2にパルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基板604のnで示される領域が急速に発熱し、この表面に接しているインク614に気泡が発生し、その発生する圧力でメニスカス615が突出し、インクがヘッドのノズル103を通して吐出し、吐出オリフィス617よりインク小滴619となり、記録媒体621に向かって飛翔する。
【0050】
図8は、図6に示したヘッドを多数並べたマルチヘッドの概略斜視図である。このマルチヘッドはマルチノズル801を有するガラス板803と図1に説明したものと同じ様な発熱ヘッド805とを接着して作られている。
【0051】
図9及び図10はこのようなヘッドを組込んだインクジェット記録装置の一態様の概略説明図である。このインクジェット記録装置において、
インクジェット記録ヘッド901は、ガイドシャフト903とガイドレール907に摺動自在なキャリッジ905に搭載され、該キャリッジ905の移動はシャーシ909に保持されたキャリッジモータ911によりプーリー913に巻回されたタイミングベルト915の一部をキャリッジ905に固定させることで(不図示)行われ、前記キャリッジモータ911の回転方向を変えることで、往復駆動される。なお、ガイドシャフト903及びガイドレール907はシャーシ909に保持されている。記録ヘッド901としては、例えば図1に示した様にインク収容部と記録ヘッドとが一体化された記録ユニット100や、インクカートリッジを着脱可能にした図3の301を用いることができる。そしてこの様な記録ヘッドは、図11に示した様にオリフィスが列状に配置され、各色のインクを各々のオリフィス(1101〜1104)から個別に吐出させることができる様にインク流路を分けて構成されており、制御回路からの信号に基づいて列状に配置された複数個の吐出口から各々のインクを記録媒体であるシート状の記録紙917に向けて吐出させるものである。記録紙917は圧板919の上面にセットされ、圧板919の右端部に一体的に形成された解除レバー919Aの左側壁に記録紙917の右端を合わせて積載される。ここで図10に示すように、セットされた記録紙917の先端はベース921に下部を固定された弾性体923の下方に突き当たって保持される。従って、給紙スタック部がベース921及び下部をベースに固定された弾性体923によって形成されていることになる。ここで、不図示のコントローラの給送命令により不図示の紙送りモータが回転すると、図示しないギア列により回転が伝達されピックアップゴム925が矢印A方向に回転してカム部が外れ、圧板バネ(不図示)により圧板919が引き上げられて圧板919に積載された記録紙917が給送ローラ軸927に設けられたピックアップゴム925に圧接される。なお、給送ローラ軸927には摩擦係数の大きいピックアップゴム925がその外径が給送ローラ軸927の最大外径より大きくなるように嵌着されており、圧板919上のピックアップゴム925に対向する位置には記録紙917のスリップを防ぐ摩擦部材である分離パットが固定されている。従って、更に給送ローラ軸927が回転するとピックアップゴム925の摩擦力により前方に押し出された記録紙917はベース921に下部を固定された弾性体923を撓ませこの弾性体923の抵抗力の作用により、最上位の記録紙917が一枚ずつ分離されて、送り出されることになる。従って、この弾性体923が分離手段となり、ベース921に保持されることになる。更に、分離給送された記録紙917はシャーシ909に両端部が支持された搬送ローラ929及びベ−ス921に設けられたピンチローラ931に挟持されながらキャリッジ905の下方、すなわちベース921の上方に搬送される。ここは一般的にはプラテン部と呼ばれ、記録紙をガイドするリブや、記録紙が撓んだときに下側から支持するリブ等が設けられる。なお、記録紙917はキャリッジ905の下方に搬送される前に逆回転している搬送ローラ929及びピンチローラ931に突き当たって先端を整列させた後、搬送ローラ929を正転させてキャリッジ905の下方まで搬送される。この状態で、キャリッジモータ911を駆動させることでキャリッジ905が記録紙917の搬送方向と直行する方向に走査するとともに記録命令によりキャリッジ905上の記録ヘッド901からインクを吐出することで記録紙917に印字が実行される。
【0052】
(キヤップ機構/ポンプ機構)
記録ヘッド901の全面をキャップするキャップ部材933は、例えば記録ヘッド901を密閉し得る弾性材料、例えば塩素化ブチルゴム等の弾性を有する適宜な材料で形成される。前記キャップ部材933はキャップホルダー935に一体的に保持されている。そして前記キャップホルダー935はシリンダ(不図示)から一体的に伸びた腕部937に回転自在に保持される。シリンダは内部に不図示のピストンを有しておりピストン軸を駆動することで、シリンダ内に負圧を発生することが可能となっている。また、キャップ933にはキャップ933と一体的に形成された柔軟性を有するジョイント部を有しており、このジョイント部をシリンダに設けたジョイント部に締め代をもって圧入することで、シリンダとキャップ933はシールされた状態で接合される。次に記録ヘッド901に対するキャップ933の圧接、解除方法について説明する。前述のようにキャップホルダ935に一体的に保持されたキャップ933はシリンダと密閉をもって結合されており、更に、キャップホルダー935はシリンダに対してシリンダ腕部937に回転自在に保持されている。また、シリンダはシリンダ制御部939が一体的に形成されており、シリンダ制御部939の先端はベース15に回転自在に保持されたポンプカムギア941のカム部943に当接している。
【0053】
従ってシリンダの回転はシリンダ制御部939を介してポンプカムギア941のカム部943によって制御されることになる。すなわちポンプカムギア941のカム部943に沿ってシリンダ制御部939が上下動することによってシリンダを介してキャップ933が記録ヘッド901に対してキャッピング及びキャッピング解除が可能となる。なお、ベース921により保持されているポンプカムギア941及び駆動伝達部はベース921の記録紙搬送経路を避けた右端部に設けられ、ポンプカムギア941は搬送ローラ929に圧入軸着されたLFギア945と選択的に接続可能になっており、不図示の紙送りモータの駆動を不図示のギア列を介してLFギア945に伝え、キャリッジ905の動きでクラッチ動作(不図示)を行うことで、紙送りモーターの駆動をポンプカムギア941に伝えることが可能となる。以上説明したようにポンプ機構部においては、ベース921によって保持され、かつベース921とキャップホルダー935間にキャップバネを介在させることでキャップ933を記録ヘッド901に圧接することが可能となる。従って、非記録時に記録ヘッド901をキャッピングし、ノズルの乾燥を防ぐとともにノズル内に発生した泡や、ノズル部に付着したゴミによる吐出不良時にキャッピング動作中にポンプ部を作動させ、記録ヘッド901のノズル部よりインクを吸引することで、吐出を正常化させることができる。
【0054】
(廃インク吸収体)
次に廃インク吸収体について図10を用いて説明する。前述のポンプ機構部により、キャップ933を介して記録ヘッド901より吸引された廃インクは、シリンダ内に入り、不図示のピストンの動きによりシリンダ端部よりインクが排出される。シリンダ端部はべース921内に差し込まれており、ベース921により回転自在に保持されている。シリンダの他端は前述したようにシリンダキャップギア(不図示)を介してベース921に回転自在に保持されているため、ポンプ機構部全体がベース921に回転自在に保持されていることになる。廃インクが排出されるシリンダ端部にはシリンダ吸収体947が差し込まれている。シリンダ吸収体947にはシリンダ内にある廃インクを効率よく外部に排出する性能が要求されるため、インクの伝達性の良い材料が選ばれ、例えば発泡スポンジにより形成される。シリンダ吸収体947はベース921内部にて廃インク吸収体949、951、953に挟まれており、圧接状態にある。従ってシリンダ内の廃インクはシリンダ吸収体947から廃インク吸収体949, 951, 953及び955へと伝播される。ここで廃インク吸収体949, 951, 953及び955は図10に示すようにベース内部に保持されるが、ベース921はピンチローラ部及び排紙ローラ部を有しており、その断面は一様でない。従ってベース921内に効率よく配置し廃インク容量を多く確保するために複数の廃インク吸収体をベース921内に収められることが好ましい。
【0055】
廃インク吸収体949, 951, 953及び955には、インク保持能力の高い材料を用いることが好ましい。インク吸収体の材料としては、例えば紙の積層シート、高分子吸収体を含んだ吸収体、更にはフェルト等の高密度繊維構造体ポリウレタン,セルローズ,PVA,EVA等による発泡成形材料、あるいはアクリル酸グラフトでんぷん,アクリル塩グラフトでんぷん,ビニルアルコールアクリル酸ブロックコポリマー,ビニルアルコールアクリル塩ブロックコポリマー,架橋ポリアクリル酸,架橋ポリアクリル塩,変性PVA,ポリスチレンスルホン酸,セルロースエーテル,カルボキシメチルセルロース等の吸水性高分子ポリマーを含有する前述の吸水材料等が挙げられる。またこれらの材料からなる廃インク吸収体は、例えば抜き型により作られる。
【0056】
本実施態様において、廃インク吸収体は4枚構成(949, 951, 953及び955)とし、また廃インク吸収体949、951及び953に挟まれる形でシリンダ吸収体947が圧接され配置される構成としたが、廃インク吸収体の構成や配置はこれに限定されない。
【0057】
(インク吐出に力学的エネルギーを利用するヘッドの態様)
インクの吐出エネルギーとして力学的エネルギーを利用したインクジェット記録装置の形態として、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧により圧力発生素子を変位させ、インクの小液滴をノズルから吐出させるオンデマンドインクジェット記録ヘッドを挙げることができる。その記録装置の主要部である記録ヘッドの構成例を図12に示す。図12に於いて、ヘッドはインク室(不図示)に連通したインク流路1201と、所望の体積のインク滴を吐出するためのオリフィスプレート1203と、インクに直接圧力を作用させる振動板1205と、この振動板1205に接合され、電気信号により変位する圧電素子1207と、オリフィスプレート1203や振動板1205等を支持、固定するための基板1209とから構成されている。図12においてインク流路1201は、感光性樹脂等で形成され、オリフィスプレート1203は、ステンレス、ニッケル等の金属を電鋳やプレス加工による穴あけ等により吐出口1211が形成され、振動板1205はステンレス、ニッケル、チタン等の金属フィルム及び高弾性樹脂フィルム等で形成され、圧電素子1207は、チタン酸バリウム、PZT等の誘電体材料で形成される。
【0058】
以上のような構成の記録ヘッドは、圧電素子1207にパルス状の電圧を与え、ひずみ応力を発生させ、そのエネルギーが圧電素子1207に接合された振動板を変形させ、インク流路1201内のインクを垂直に加圧しインク滴(不図示)をオリフィスプレートの吐出口1211より吐出して記録を行うように動作する。
【0059】
この様な記録ヘッドは図9、10に示したものと同様な記録装置に組み込んで使用される。記録装置の細部の動作は例えば前記した動作と同様に行われる。
【0060】
【実施例】
以下、実施例および比較例を用いてさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、下記実施例により限定されるものではない。尚以下の記載で、部、%とあるものは特に断らない限り重量基準である。
【0061】
顔料分散体
5.3gの水に5gの濃塩酸をとかした5℃の希塩酸溶液にアントラニル酸1.58gを加え、これをアイスバスで攪拌して常に10℃以下に保たれた状態で、5℃の8.7gの水に1.78gの亜硝酸ナトリウムを加えた溶液を加えた。これに更に、15分攪拌後、表面積が320m2/gでDBP吸油量が120ml/100gのカ−ボンブラック20gを混合した状態のまま加えた後、更に15分攪拌した。得られたスラリ−を東洋濾紙No2(アドバンティス社製)で濾過し、顔料粒子を十分に水洗し、110℃のオ−ブンで乾燥させ、さらに、この顔料に水を足して顔料濃度10重量%の顔料水溶液を作製した。以上の方法によりカーボンブラックの表面に下記式に示す基を導入した。
【0062】
−Ph−COO-(但し、Phはフェニレン基を示す)
【0063】
ブラックインク1
以下の成分を混合し十分攪拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過し、ブラックインク1を調製した。
・ 上記の顔料分散体:30部
・ グリセリン:7.5部
・ エチレングリコ−ル:7.5部
・ 前記式Iのアセチレングリコ−ルエチレンオキサイド付加物
(R4及びR7:(CH3)2CHCH2- ; R5及びR6 : CH3-)
(商品名:アセチレノ−ルEH):0.2部
・ 水:54.8部
【0064】
イエローインク1
以下の成分を混合し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過し、イエローインク1を調製した。
・尿素:7.5部
・アセチレノールEH:1部
・ジエチレングリコール:7.5部
・グリセリン:7.5部
・C.I.ダイレクトイエロー86:3部
・水:73.5部
【0065】
マゼンタインク1
以下の成分を混合し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過し、マゼンタインク1を調製した。
・尿素:7.5部
・アセチレノールEH:1部
・ジエチレングリコール:7.5部
・グリセリン:7.5部
・C.I.アシッドレッド35:3部
・ 水:73.5部
【0066】
シアンインク1
以下の成分を混合し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過し、シアンインク1を調製した。
・尿素:7.5部
・アセチレノールEH:1部
・ジエチレングリコール:7.5部
・ グリセリン:7.5部
・ C.I.アシッドブルー9:3部
・水:73.5部
【0067】
イエローインク2
以下の成分を混合し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過し、イエローインク2を調製した。
・尿素エチレンオキサイド付加物:7.5部
・アセチレノールEH:1部
・ジエチレングリコール:7.5部
・グリセリン:7.5部
・C.I.ダイレクトイエロー86:3部
・水:73.5部
【0068】
マゼンタインク2
以下の成分を混合し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過し、マゼンタインク2を調製した。
・尿素エチレンオキサイド付加物:7.5部
・アセチレノールEH:1部
・ジエチレングリコール:7.5部
・グリセリン:7.5部
・C.I.アシッドレッド35:3部
・ 水:73.5部
【0069】
シアンインク2
以下の成分を混合し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過し、シアンインク2を調製した。
・尿素エチレンオキサイド付加物:7.5部
・アセチレノールEH:1部
・ジエチレングリコール:7.5部
・ グリセリン:7.5部
・ C.I.アシッドブルー9:3部
・水:73.5部
【0070】
イエローインク3
以下の成分を混合し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過し、イエローインク3を調製した。
・アセチレノールEH:1部
・ジエチレングリコール:7.5部
・グリセリン:7.5部
・C.I.ダイレクトイエロー86:3部
・水:81部
【0071】
マゼンタインク3
以下の成分を混合し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過し、マゼンタインク3を調製した。
・アセチレノールEH:1部
・ジエチレングリコール:7.5部
・グリセリン:7.5部
・C.I.アシッドレッド35:3部
・ 水:81部
【0072】
シアンインク3
以下の成分を混合し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過し、シアンインク3を調製した。
・アセチレノールEH:1部
・ジエチレングリコール:7.5部
・ グリセリン:7.5部
・ C.I.アシッドブルー9:3部
・水:81部
【0073】
実施例1
記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与することによってインクを吐出させるオンデマンド型マルチ記録ヘッドを有するインクジェットプリンタ(商品名:BJC4000;キヤノン株式会社製)に以下の組み合せのインクセットが装着されたことを想定し、上記インクジェットプリンタに用いられているフェルトからなる廃インク吸収体(千代田インテグレ社製、100cm3)を用意し、温度35℃、湿度10%の環境下で30分間隔で廃インク吸収体から5cmの高さからBk→Y→M→Cの順に各0.3cc同一個所に滴下し、各計60ccとなるまで滴下を繰り返した。滴下終了後のインク吸収体の、インク滴下部位を目視にて観察し、下記の基準で評価した。
・ ブラックインク1
・ イエローインク1
・ マゼンタインク1
・ シアンインク1
【0074】
(評価基準)
○:廃インク吸収体上に残カーボンが見られない。
△:廃インク吸収体上に若干の残カーボンが見られる。
×:廃インク吸収体上に残カーボンが見られ、固まりになっている。
【0075】
実施例2
以下の組合わせのインクセットが装着されたことを想定し、実施例1と同じ様にインク吸収体への滴下を行ない、評価した。
・ ブラックインク1
・ イエローインク2
・ マゼンタインク2
・ シアンインク2
【0076】
比較例1
以下の組み合せのインクセットが装着されたことを想定し、実施例1と同じ様にインク吸収体への滴下を行ない、評価した。
・ ブラックインク1
・ イエローインク3
・ マゼンタインク3
・ シアンインク3
【0077】
実施例1、2及び比較例1の結果を下記表1に示す。
【0078】
【表1】
Figure 0004065467
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によればインクジェットプリンタを用いた記録の際に行われるインクの予備吐出、吸引回復、加圧回復等の操作により発生する自己分散型カーボンブラックを含む廃インクを廃インク吸収体に確実に、且つ安定的に吸収させることができる。その結果、廃インク吸収体からの廃インクのもれ等を防ぐことができ、その結果として高品位な記録を長期に亘り安定して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクセットの一実施態様にかかる記録ユニットの概略斜視図である。
【図2】本発明のインクセットの一実施態様にかかるインクカートリッジの概略平面図である。
【図3】図2のインクカートリッジが記録ヘッドに装着された状態を示す概略平面図である。
【図4】黒インク及びカラーインクを各々収納したインクカートリッジが1つの記録ヘッドに装着された状態をしめす概略平面図である。
【図5】本発明のインクセットの一実施態様にかかる、黒インクを収納した記録ユニットとカラーインクを収納した記録ユニットとが同一キヤリッジ上に装着された状態を示す概略図である。
【図6】バブルジェットプリンタの記録ヘッド部の拡大断面図である。
【図7】図6のAA線切断面図である。
【図8】マルチヘッドの概略斜視図である。
【図9】インクジェットプリンタの概略斜視図である。
【図10】図9のインクジェットプリンタの概略断面図である。
【図11】図9のインクジェットプリンタの記録ヘッド部の一態様のオリフィス部の拡大図である。
【図12】インクに力学的エネルギを印加してインクを吐出させる方式のインクジェット記録方法に用いられる記録ヘッドの概略断面図である。
【符号の説明】
100 記録ユニット
103 記録ヘッド
201 インクカートリッジ
203 インク収納部
301 記録ヘッド
401 インクカートリッジ
403 記録ヘッド
501 記録ユニット
503 キヤリッジ
601 記録ヘッド
603 ノズル
604 発熱素子基板
605 保護層
607 電極
609 発熱抵抗体層
611 蓄熱層
613 基板
615 メニスカス
617 吐出オリフィス
621 記録媒体
801 マルチノズル
803 ガラス板
805 発熱ヘッド
901 記録ユニット
903 ガイドシャフト
905 キヤリッジ
907 ガイドレール
909 シャーシ
911 キヤリッジモータ
913 プーリ
915 タイミングベルト
917 記録紙
919 圧板
921 ベース
923 弾性体
925 ピックアップラバー
927 給送ローラ軸
929 搬送ローラ
931 ピンチローラ
933 キヤップ部材
935 キヤップホルダ
937 腕部
939 シリンダ制御部
941 ポンプギア
943 カム
945 LFギア
947 シリンダ吸収体
949、951、953、955 廃インク吸収体
1101、1103、1105、1107 吐出オリフィス
1201 インク流路
1203 オリフィスプレート
1205 振動板
1207 圧電素子
1209 基板
1211 吐出口

Claims (7)

  1. 黒インク及びカラーインクを個別に収容しているインク収容部と、該黒インク及びカラーインクの各々を吐出させるためのヘッド部と、該ヘッド部から排出される該黒インク及びカラーインクを吸収し、保持する廃インク吸収体と、を備えているインクジェット記録装置において、
    該黒インクが、自己分散型カーボンブラック及び水性媒体を含有し、該カラーインクが色材、尿素又は尿素誘導体及び水性媒体を含有し、
    且つ、該黒インクと該カラーインクが該廃インク吸収体中で接触することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 該自己分散型カーボンブラックが、カーボンブラックの表面に、少なくとも1種の親水性基が直接若しくは炭素原子数1〜12のアルキレン基、置換基を有してもよいフェニレン基又は置換基を有してもよいナフチレン基を介して結合しており、該親水性基が下記に示される親水性基の中から選択される少なくとも1つである請求項1に記載のインクジェット記録装置。
    −COOM、−SOM、−POHM、−PO、−SONH、−SONHCOR1
    (但し、式中のMは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表わし、R1は炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基を表わす。)
  3. 該尿素又は尿素誘導体を0.1〜20%含有する請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 該尿素又は尿素誘導体を1〜15%含有する請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記カラーインクが、色材として酸性染料、或いは直接染料を含有する請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の黒インク及びカラーインクの各々に対してエネルギーを印加してオリフィスから吐出させ、記録媒体に付与せしめて該記録媒体上にカラー画像を記録する工程及びヘッド部から排出される黒インク及びカラーインクを廃インク吸収体により吸収、保持する工程を含むインクジェット記録方法において、該黒インクが、自己分散型カーボンブラック及び水性媒体を含有し、該カラーインクが色材、尿素又は尿素誘導体及び水性媒体を含有し、且つ、該黒インクと該カラーインクが該廃インク吸収体中で接触することを特徴とするインクジェット記録方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録装置を用いて記録媒体に、該黒インクと該カラーインクとの各々を付与せしめる工程を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
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