JP2007253391A - インクジェット記録装置のメンテナンス方法 - Google Patents

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政史 辻村
Shinichi Hakamata
慎一 袴田
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定之 須釜
Takashi Imai
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【課題】 顔料インクを使用するに際し、記録ヘッドの吐出面に対するワイピング動作を長期にわたって確実で安定した状態で行うことができるインクジェット記録装置のメンテナンス方法を提供する
【解決手段】 記録ヘッド107に、少なくとも1種の顔料インクと該顔料インクに対して良溶媒である水溶性有機溶媒を少なくとも1種含有するクリアインクとからなるインクセットを搭載する。記録ヘッドの顔料インクの吐出口及びクリアインクの吐出口が配された吐出面31を払拭するためのワイパー123を設ける。ワイパーで吐出面を払拭するときにクリアインクの吐出口からワイパーにクリアインクを吐出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、記録ヘッドから記録媒体へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置のメンテナンス方法に関する。
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置は、画像情報に基づいて紙、布、プラスチックシート、OHP用シート等の記録媒体に画像(文字や記号等を含む)を記録するように構成されている。記録装置における記録方式にはシリアルタイプとラインタイプがある。シリアルタイプは、記録ヘッドを記録媒体に沿って移動させる主走査と記録媒体を所定ピッチずつ搬送する副走査とを交互に繰り返しながら画像を記録していく方式である。ラインタイプは、記録媒体の幅方向に延びる記録ヘッドを用いることにより、一括して1ライン分を記録しながら記録媒体副走査のみで画像を記録していく方式である。また、記録装置は、記録ヘッドの記録方法によって、インクジェット記録装置、熱転写記録装置、レーザー記録装置、感熱記録装置、ワイヤドット記録装置などに分けることができる。
このうち、記録ヘッドから記録媒体へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置においては、インク組成物の色材として優れた発色性及び安定性を有する染料が使用されている。しかし、染料は上記長所を有するものの、記録された画像の耐水性や耐光性などに十分でない場合があり、改良が要求されている。そこで、これらを改良するために、染料の代わりに有機顔料やカーボンブラックを用いたいわゆる顔料インクが数多く提案されている。一方、微細な吐出口からインクを吐出するインクジェット記録装置においては、記録の際に記録ヘッドの吐出口の近傍にインクやゴミ等が付着し、インク吐出の安定性が阻害されることがある。また、時間経過と共に吐出口近傍の付着インクが増粘したり固着したりすると、吐出口に目詰まりが生じることがある。
そこで、インクジェット記録装置においては、記録動作の前、途中、又は後に、記録ヘッドをクリーニングするシステムが設けられている。その1つとして、記録ヘッドの吐出面(吐出口が配された面)をワイパーで拭き取り清掃することが行われている。つまり、吐出面とワイパーとの相対移動を利用して吐出面上のインク等の異物を払拭する機構が設けられている。ワイパーとしては、一般にゴムブレード等の可撓性ワイパーが使用されるが、場合によっては、樹脂発泡体等のインク吸収性を有するワイパーが使用されることもある。
特開平2−95862号公報 特開平8−39828号公報
前述のような状況下で、顔料インクを用いるインクジェット記録装置においては、程度の差はあるにしても、吐出面をクリーニングするワイパーに顔料インクが付着することになる。そして、本発明者によれば、顔料インクをインクジェット記録装置に搭載して種々の評価を行う過程において、顔料インクがワイパーに付着し、付着した顔料インクがワイパー上で固着堆積してしまうことが明らかとなった。このような状態で記録ヘッドの吐出面をワイピングすると、十分な拭き取りができずに吐出面にインクが残留するだけでなく、ワイパー上の顔料固着堆積物によって吐出面にさらに汚染されことがある。このようなワイパー上の顔料インク固着物による汚染がさらに進むと、吐出口に目詰まりが生じ、吐出不良(不吐出を含む)になることが認識されるに至った。
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、顔料インクを使用するに際し、記録ヘッドの吐出面に対するワイピング動作を長期にわたって確実で安定した状態で行うことができるインクジェット記録装置のメンテナンス方法を提供することである。
本発明は、記録ヘッドから記録媒体へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置のメンテナンス方法に関する。そして、前記記録ヘッドに、少なくとも1種の顔料インクと該顔料インクに対して良溶媒である水溶性有機溶媒を少なくとも1種含有するクリアインクとからなるインクセットを搭載する。また、前記記録ヘッドの前記顔料インクの吐出口及び前記クリアインクの吐出口が配された吐出面を払拭するためのワイパーを設ける。そこで、前記ワイパーで前記吐出面を払拭するときに前記クリアインクの吐出口から前記ワイパーに該クリアインクを吐出する。
本発明によれば、顔料インクを使用するに際し、記録ヘッドの吐出面に対するワイピング動作を長期にわたって確実で安定した状態で行うことができるインクジェット記録装置のメンテナンス方法が提供される。また、記録ヘッドの吐出口の目詰まりや吐出口におけるインクの混色などの不都合を軽減することもできる。
以下、本発明の実施形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。
〔インクジェット記録装置〕
先ず、インクジェット記録装置について説明する。図1は本発明を適用したインクジェット記録装置の一実施形態を示す斜視図である。図1において、給紙部115から1枚ずつ給送される記録用紙等の記録媒体は、シャーシ103に保持された搬送ローラ105によりプラテン106上を通して搬送される。記録媒体の幅方向に往復移動可能なキャリッジ101には、プラテン106と所定隙間をもって対向する記録ヘッド107が搭載されている。記録ヘッド107を搭載したキャリッジ101は、ガイドシャフト102及びガイドレール104に沿って往復移動可能に案内支持されている。このキャリッジの往復移動は、不図示の駆動源からの駆動力をベルト109を介して伝達することにより行われる。
そこで、搬送ローラ105とピンチローラ111並びに排紙ローラ112と排紙補助ローラ(拍車等)の間に挟持されながらプラテン106上を搬送される記録媒体に対し、記録ヘッド107による画像が記録される。すなわち、記録データ(情報)に基づいて記録ヘッドから記録媒体へインクを吐出することにより記録が行われる。キャリッジの移動による1ライン分の記録と、搬送ローラ105による紙送りを交互に繰り返すことにより、記録媒体全体の画像記録が行われる。記録された記録媒体は排紙ローラ112を通して装置本体外へ排出される。
インクジェット記録装置では、記録ヘッド107の吐出面に設けられた微細な吐出口からインクを吐出して記録することから、記録画像の品位を保持するためには吐出口の目詰まりを防ぐ必要がある。このための手段として、記録領域を外れた所定位置(例えば記録ヘッドのホームポジション)に、吐出口の目詰まり等を防止してインク吐出性能を維持回復するための回復機構部120が設けられている。この回復機構部には、非記録時に記録ヘッドの吐出面にキャップ121を密着させて吐出口を覆うキャッピング手段が設けられている。また、回復機構部120には、キャップ121に接続された負圧発生手段としての吸引ポンプ122が設けられている。さらに、回復機構部120には、記録ヘッド107の吐出面(吐出口が配列された面)との相対移動を利用して該吐出面上の付着物を拭き取り清掃するためのワイパー123が設けられている。
吸引ポンプ122は、キャッピング状態において作動することにより、吐出口に負圧を作用させることで、吐出口から増粘インクや気泡等をインクと共に吸引排出させるものである。このような強制的なインクの吸引排出により、吐出口内のインクをリフレッシュし、記録ヘッドのインク吐出性能を維持回復することができる。吸引ポンプ122としてチューブポンプやピストンポンプなどの負圧発生手段が使用される。チューブポンプは、弾性材のチューブをローラで扱いていくことにより、チューブ内に負圧を発生させるように構成されている。
図2は図1中の記録ヘッド107の斜視図である。図2において、本実施形態の記録ヘッド107はインク吐出部21とインク収容部22とで構成されている。インク収容部22は、後述するクリアインクが収容されたクリアインク収容部22Lと、各色のインクが収容された色インク収容部22Bk、22C、22M、22Yとで構成されている。22Bは黒インク収容部であり、22Cはシアンインク収容部であり、22Mはマゼンタインク収容部であり、22Yはイエローインク収容部である。このようにして、本実施形態に係るインクジェット記録装置においては、記録ヘッド107に、少なくとも1種の顔料インクとクリアインクとからなるインクセットが搭載されている。
インク収容部22は、インク吐出部21と一体構造でも良く、着脱可能であっても良い。また、インク収容部は、各インクを一括して交換する構造でも良く、各インクごとに個別に交換可能に構成しても良い。なお、以下の説明では、各インクごとに区別する場合は、番号の後に、クリアインクの場合は「L」を、黒インクの場合は「Bk」を、シアンインクの場合は「C)を、マゼンタインクの場合は「M」を、イエローインクの場合は「Y」を、それぞれ追加して示す。また、任意のインクを示す場合、あるいは全てのインクを示す場合は、これらを追加しない共通の番号で示す。
図3は図2中の矢印3−3から見た記録ヘッド107の吐出面31を示す正面図である。吐出面31には、各インクを吐出する吐出口列33が形成されている。33Lはクリアインクを吐出するクリアインク吐出口列であり、33Bkは黒インクを吐出する黒インク吐出口列33Bである。また、33Cはシアンインクを吐出するシアンインク吐出口列であり、33Mはマゼンタインクを吐出するマゼンタインク吐出口列であり、33Yはイエローインクを吐出するイエローインク吐出口列である。図示の例では、各吐出口列は、一定ピッチで直線状に配列された複数の吐出口35で構成されている。このように、本実施形態では、色調の異なる4色のインクに加えてクリアインクが使用されている。そして、各インクは、独立して個別に吐出できるように、それぞれのインク収容部と吐出口列とは別々のインク流路で接続されている。
図4は、図1中の回復機構部120のキャップ121及び吸引ポンプ122を、記録ヘッド107と共に示す斜視図である。図5は図1中の回復機構部120のキャップ121の構造を示す縦断面図である。図4及び図5において、キャップ121はキャップホルダ125に保持されており、キャップホルダは不図示のばねを介して上下方向へ昇降駆動されるように構成されている。記録ヘッド107が対向位置にあるとき、キャップホルダ125を上昇させることにより、キャップ121を吐出面31に密着させることができる。キャップ121は、浅い盆状のキャップゴム41を深い盆状のキャップカバー42に密着嵌合した構造を有し、キャップゴム41の開口端縁には吐出面31に封止状態で当接するリップ部(封止部)43が形成されている。
キャップゴム41の一部(例えば中央部)には吸引孔44が形成されている。この吸引孔は、キャップカバー42の開口部45を通して外部(図示の下方)へ突出しており、キャップホルダ125に形成された開口部46において吸引チューブ47に気密状態で接続されている。この吸引チューブ47は負圧発生手段である吸引ポンプ122に接続されている。本実施形態のキャップ121は、記録ヘッド121の全ての吐出口列33(従って全ての吐出口35)を覆うようにして吐出面31に密着可能に構成されている。そこで、キャップ121の内部(図示の例ではキャップゴム41の内部)には、高いインク吸収性を有するインク吸収体(キャップ吸収体)48が装填(配設)されている。この場合、吸引孔44をキャップゴム41の中央部(従ってインク吸収体48の中央部)に設けることで、キャップ121内に排出されたインクを滞留させることなく吸引することができる。また、吐出面の中央部及び端部に配列された全ての吐出口35から均等にインクを吸引することができる。
吸引ポンプ122は、図4に示すように、廃インクチューブ49を介して廃インク回収部126内のインク吸収体127に接続されている。この廃インク回収部は、例えば記録装置の底部のスペース等を利用して設置されている。インク吸収体127も、キャップ121内の上記インク吸収体48と同様、高いインク吸収性を有する吸収体で構成されている。キャップ121は、吐出口35を密閉する機能に加えて、上述の吸引回復動作や予備吐出動作で吐出口から排出されるインクを受け取る機能を有している。つまり、吸引回復動作や予備吐出動作で受け取ったインクは、吸引ポンプ122により吸引され、廃インク回収部126のインク吸収体127に導入されて廃インクとして処理される。
前記吸引ポンプ122としては、種々の構成のものを使用することができ、例えば、ピストン・シリンダ式のポンプ、あるいはチューブポンプなどが使用される。このチューブポンプは、キャップに接続された可撓性チューブをコロ等でしごくことにより該チューブ内に負圧吸引力を発生させるものである。この吸引ポンプは、回復機構部の駆動源である不図示の回復モータによって駆動される。なお、吸引ポンプ122として使用されるチューブポンプの構成及び動作を開示する文献には、例えば、特開2000−110874号公報(特願平10−293116号)、特開2000−127450号公報(特願平10−321534号)などがある。さらに、特開2000−15844号公報(特願平10−199684号)、特開平11−342637号公報(特願平10−166334号)などもある。
キャップ121のキャップゴム41は、吐出面31の吐出口35を密閉し得るゴム状弾性材料、例えば、塩素化ブチルゴム等の弾性を有する適宜な材料で形成される。キャップホルダ125とその支持部材との間に装着されるキャップばね(不図示)は、吐出面31にキャップ121を適正圧力で当接させるのに有効である。この場合、キャップホルダ125の支持部をピン結合構造にすることで、キャップ121の全周面を吐出面に均一に密着させることができる。キャップ121内のインク吸収体48及び廃インク回収部126内のインク吸収体の材質としては、例えば発泡スポンジなどのインク伝達性に優れた材料が選ばれる。また、これらの材料からなるインク吸収体は、例えば、抜き型によって作られる。
図6は、回復機構部120におけるワイパー123の駆動機構を示す模式図である。本実施形態では、回復機構部120と対向する位置に停止している記録ヘッド107に対し、弾性部材からなるブレード状のワイパー123の先端部を吐出面31に押し当てて弓なりに弾性変形させた状態で摺擦していく。摺擦方向(ワイピング方向)は、吐出口列33の方向(吐出口の配列方向)であっても良く、これと交差する方向であっても良い。
図6において、ゴム弾性材からなるブレード状のワイパー123はワイパーホルダ131に保持されている。ワイパーホルダ131は、回復機構部120に設けられたガイド132に沿って往復移動可能に案内支持されている。ワイパーホルダ131の下部にはラックギア(可動ラックギア)133が形成されている。一方、回復機構部120のベース134には、ラックギア(固定ラックギア)135が設けられている。これらのラックギア133、135の間には、回復モータ等の駆動源で回転駆動されるダブルギア136が配置されている。このダブルギアには、可動側(ワイパーホルダ側)のラックギア133と噛み合うギア137と固定側のラックギア135と噛み合うギア138とが一体に形成されている。139は、回復モータ等で駆動されるダブルギア136の軸を示す。
図6の構成によれば、ダブルギア136を回転駆動することで、ワイパー123をガイド132に沿って移動させることができ、その正逆回転によってワイパーの移動方向(両矢印E−Bで示すワイピング方向及び戻り方向)を制御することができる。図6は、ワイパー123を記録ヘッド107の吐出面31に押し付けた状態で図示右方向(ワイピング方向)に移動させることにより、吐出面31を拭き取り清掃(ワイピング)している状態を示す。
図7は、記録ヘッド107のインク吐出部21の別の構成例を示す部分斜視図である。図7において、記録ヘッド107には、不図示の各色インクのインクカートリッジが着脱可能に装着されている。記録ヘッド107のインク吐出部21には、各インクカートリッジから供給されるインクを保持するための個別の液室(又はサブタンク)24が設けられている。すなわち、クリアインクの液室24Lには、クリアインクのカートリッジから液路25Lを通してクリアインクが供給される。黒インクの液室24には、黒インクのカートリッジから液路25Bkを通して黒インクが供給される。同様に、イエロー、マゼンタ及びシアンの液室24Y、24M及び24Cのそれぞれには、液路25Y、25M及び25Cを通して、イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクがそれぞれ個別に供給される。
本発明は、以上説明したように、記録ヘッドから記録媒体へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置における新規なメンテナンス方法を提供するものである。本実施形態に係るインクジェット記録装置のメンテナンス方法においては、記録ヘッドに、少なくとも1種の顔料インクと該顔料インクに対して良溶媒である水溶性有機溶媒を少なくとも1種含有するクリアインクとからなるインクセットを搭載する。また、記録ヘッドの顔料インクの吐出口及びクリアインクの吐出口が配された吐出面を払拭するためのワイパーを設ける。そこで、ワイパーで吐出面を払拭するときにクリアインクの吐出口からワイパーに該クリアインクを吐出するように構成される。
かかる構成によれば、次のような作用効果が得られる。すなわち、各色インクとして顔料インクを使用する場合でも、クリアインクをワイパーに付与することにより、ワイパー上の顔料インク、もしくは、すでにワイパー上に存在している顔料固着堆積物に対しても流動性を付与することができる。このため、ワイパー上の顔料インクの固着堆積物を減少させ、さらには除去することができる。これによって、ワイピング動作の長期安定性が確保される。
すなわち、本発明によれば、顔料インクを使用するに際し、記録ヘッドの吐出面に対するワイピング動作を長期にわたって確実で安定した状態で行うことができるインクジェット記録装置のメンテナンス方法が提供される。さらに、記録ヘッドの吐出口の目詰まりや吐出口におけるインクの混色などの不都合を軽減することもできる。
本実施形態に係るインクジェット記録装置のメンテナンス方法においては、前記良溶媒の少なくとも1種が低揮発性溶剤であることが好ましい。また、前記顔料インクの顔料がアルカリ可溶型顔料であることが好ましい。また、前記クリアインクのPHが、前記顔料インクのPHよりも高いことが好ましい。
本実施形態においては、キャップ121内のインク吸収体48及び廃インク回収部126内のインク吸収体127の材質としては、例えば、紙の積層シート、高分子吸収体を含んだ吸収体が好ましい。また、フェルト等の高密度繊維構造体ポリウレタン、セルローズ、PVA、EVA等による発泡形成材料を使用しても良い。さらに、アクリル酸グラフトでんぷん、アクリル塩グラフトでんぷん、ビニルアルコールアクリル酸ブロックコポリマー、ビニルアルコールアクリル塩ブロックコポリマーなどの吸水性高分子ポリマーを含有する後述の吸水性材料などを使用しても良い。さらには、架橋ポリアクリル酸、架橋ポリアクリル塩、変成PVA、ポリスチレンスルホン酸、セルロースエーテル、カルボキシメチルセルロース等の吸水性高分子ポリマーを含有する後述の吸水性材料などを使用しても良い。また、これらの材料からなるインク吸収体は、例えば抜き型によって作ることができる。
以下に、本発明の好適な実施形態について、具体的に説明する。
〔クリアインク及びメンテナンス方法〕
先ず、本発明における良溶媒について説明する。その定義の詳細は後述するが、顔料の分散方法に関わらず、水溶性有機溶剤共存下にて顔料の分散安定性を維持できるものを良溶媒とする。逆に、顔料の分散安定性を阻害するものは貧溶媒とする。本発明で使用する良溶媒を選択する場合は、溶媒に対する顔料の分散状態の安定性を観察し、その結果から選択することが好ましい。本発明者らは、良溶媒の選択を以下のようにして行った。先ず、選択しようとする溶媒が満たされたシャーレに使用する顔料インクを滴下し、1日静置した後、この溶媒中での顔料の拡散の程度を観察した。顔料インク滴下後に顔料が溶媒中で拡散するものを良溶媒、拡散せずに凝固しているものを貧溶媒とした。
例えば、スチレン−アクリル酸共重合体で分散される顔料を顔料インクに用いる場合の良溶媒としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられる。本発明で用いられるクリアインクは、顔料インクの固着堆積を抑制する機能と、顔料固着堆積物を再分散させる機能とを担う。このため、クリアインクは上記したような良溶媒を含有することが必須となる。
このようなクリアインクをワイパーに吐出することで、該ワイパー上に付与することで、ワイパー上の顔料インク又はワイパー上に既に存在している顔料堆積物に対して流動性を付与することができる。このため、ワイパー上の顔料インクの固着堆積物を低減することができ、さらには除去することができる。これによって、記録ヘッドの吐出面をクリーニングするためのワイピング動作を長期にわたって安定した確実なものに維持することができる。さらに、確実なワイピングが維持されることから、記録ヘッドの吐出口の目詰まりや吐出口におけるインクの混色などの不都合も一層確実に軽減することが可能となる。
図8〜図11は、本実施形態におけるワイパー(ワイパーブレード)123によって記録ヘッド107の吐出面31を払拭(ワイピング)するシーケンスを示す模式図である。図示の払拭動作は湿式(インクで濡らした状態)で行われている。図8はワイピング開始時にワイパー123が吐出面31に接触している状態を示す。図9は吐出方向を傾斜させた記録ヘッドの吐出面31を払拭する場合の図8と同様にワイパー123がワイピング開始時に吐出面31に接触している状態を示す。図10は図8又は図9の状態からワイパー123が移動してその先端部が吐出口35に接近したときの状態を示す。図11は図8〜図10で説明したワイピング動作を行った後の記録ヘッド107及びワイパー123の状態を示す。
図8において、記録ヘッド107の吐出面31には吐出口35が形成されている。この吐出口35は、複数の吐出口を列を成して配置した吐出口列33によって構成されている。図8に示す記録ヘッド107では、吐出口35(又はそのノズル)は吐出面31に対して垂直方向に形成されている。そこで、図8に示すように吐出面31のワイピングが開始されると、該吐出面31に形成された吐出口35からワイパー123へ向けてクリアインクの吐出を開始する。このクリアインクの吐出により、ワイパー123の先行表面123aにクリアインクが付着する。また、吐出されたクリアインクの一部は、ワイパー123から逸れて、吐出面31の吐出口35より払拭方向上流側領域52及び払拭方向下流側領域53の両方に付着する。
図9は、吐出口(そのノズル)が吐出面に垂直な方向から傾斜する方向に形成された記録ヘッドをワイピングするに際し、ワイピング開始時にワイパーが記録ヘッドの吐出面に接触している状態(図8と同様のタイミングの状態)を示す。図9では、記録ヘッド107の吐出口35は、吐出面31に対して垂直方向から払拭方向上流側へ約10度傾斜する方向に形成されている。このため、ワイパーの先行表面123aとインク吐出方向との間の角度が大きくなり、吐出されたクリアインクは下流側領域53よりも上流側領域52に多く集まるようになる。また、上流側領域52における付着インクを容易に除去しやすくするためには、ワイパー123で払拭する前に上流側領域52を十分に湿らせることが好ましい。従って、図9の傾斜吐出口は、このような観点で好適なものである。
上流側領域52及び吐出口35の開口部に付着しているクリアインクは、拭き取り中に下流側領域53の方へ押しやられる。下流側領域53は、この押しやられたクリアインクによっても十分に湿るので、吐出面31の拭き取り開始の前に下流側領域53を湿らせることは、上流側領域52ほど重要ではない。本実施形態における湿式拭き取りにおいては、図8の垂直方向の吐出口及び図9の傾斜方向の吐出口のいずれを使用しても良く、また、同一記録ヘッドで両者を併用しても良い。しかし、このような構成では、図9の記録ヘッドの場合より、上流側領域52に集まるクリアインクが少なく、下流側領域53に集まるクリアインクが多くなる。そのため、上流側領域52は十分に湿らず、拭き取り効果が図9の場合より低下することがある。
図10は、図8又は図9の状態からワイパー123が移動してその先端部が吐出口35に接近したときの状態を示す模式図である。図10の状態では、ワイパー123の先行表面123aには、図8又は図9の状態よりも多くのクリアインクが蓄積されている。また、吐出面31の吐出口35の上流側領域52及び下流側領域53のそれぞれにも、図8又は図9の状態よりも多くのクリアインクが集まっている。そこで、本実施形態では、ワイパー123の先端部が吐出口35に到達する前に、クリアインクの吐出を停止する。
以上のようなワイピング動作によって吐出口35の上流側領域52及び下流側領域53が払拭され、そのクリアインクの湿り具合により、払拭前に吐出面31に付着したインク(固着インクを含む)の拭き取り性能がさらに向上する。つまり、クリアインクで湿らせた状態で拭き取る湿式払拭により、吐出面31上の顔料固着堆積物を含む付着物を一層容易にかつ確実に除去することが可能となる。本実施形態によれば、ワイパー上にクリアインクを吐出して付着させることによりワイパー上の顔料の固着堆積を防ぐことができる。さらに、ワイパー及び吐出面をクリアインクで湿らせた状態で拭き取りすることにより、吐出面のクリーニング効果を格段に向上させることができる。これによって、顔料インクを使用するに際し、記録ヘッドの吐出面に対するワイピング動作を長期にわたって確実で安定した状態で行うことができるインクジェット記録装置のメンテナンス方法が提供される。さらに、記録ヘッドの吐出口の目詰まりや吐出口におけるインクの混色などの不都合を軽減することもできる。
図11は図8〜図10で説明したワイピング動作を行った後の記録ヘッド107及びワイパー123の状態を示す模式図である。本実施形態によれば、吐出面31のクリーニングのみならず、ワイパー123上の付着物も容易にかつ長期にわたって確実にクリーニングすることが可能になる。すなわち、本実施形態によれば、ワイパー上にクリアインクを吐出するので、ワイパー上の顔料インクや顔料固着堆積物が付着している場合でも、クリアインクによってこれらを溶解することができる。このため、ワイピングによってワイパー上に蓄積された顔料固着堆積物を含む種々の付着物のクリーニング効果も向上させることができ、これらの付着物も容易にかつ長期にわたって確実に除去することができる。
本実施形態によれば、ワイパー上にクリアインクを付与するのでワイパー上の顔料の固着堆積を防止できる。また、クリアインクで湿らせたワイパーで吐出面を払拭するので、吐出面の拭き取り効果を向上させることができる。この場合、ワイパーを常に湿らせた状態にして吐出面のクリーニング効果を維持するためには、クリアインク中に含有される良溶剤のうち少なくとも一つは低揮発性を有する必要がある。従って、以上説明したように、本実施形態で用いられるクリアインクに含有される水溶性有機溶媒は、顔料インクに対して良溶媒であり、且つ底揮発性を有することが好ましい。
本発明における低揮発性溶剤とは、20°Cにおいて蒸気圧が10Pa以下のものを指す。具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール1,3ブタンジオール、1,5ペンタンジオール等が挙げられる。さらに、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量が200〜600のものが好ましい)、グリセリン、ジグリセリン、1,2,6ヘキサントリオール、3メチルペンタン、1,3,5トリオール等を挙げることができる。上記した溶剤種はあくまで例示である。実際に用いる水溶性有機溶剤は、用いる顔料インクの特性次第でもあるが、以下に示すような水溶性有機溶剤種の中から適宜選択することができる。
例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類が挙げられる。また、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が挙げられる。また、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類が挙げられる。さらに、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類が挙げられる。さらに、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類が挙げられる。
また、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の低級アルキルエーテルアセテート、及びグリセリンが挙げられる。また、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類が挙げられる。さらに、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の多価アルコール、並びに、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
水としては、脱イオン水を使用するのが望ましい。本発明におけるクリアインク中に含有される上記水溶性有機溶剤の含有量は特に限定されないが、クリアインク全質量に対して約3〜50質量%の範囲が好適である。また、クリアインク中の水の含有量は、クリアインク全質量に対して約50〜95質量%の範囲が好適である。さらに、上記の成分の他に、必要に応じて、保湿剤を添加することは勿論、所望の物性値を持つインクとするために界面活性剤、消泡剤、防腐剤あるいは防黴剤等を添加しても良い。
本発明における顔料の分散の程度がpH値に依存するようであれば、顔料の分散を促進するようなpH領域にクリアインクのPH値を調整することが好ましい。例えば、アルカリ可溶型の顔料を用いる顔料インクの場合は、クリアインクのpHを顔料インクよりも高い値に調整することにより、顔料固着堆積物の生成を一層有効に抑制することができる。さらに、本発明の効果を阻害しない範囲で、記録媒体のカールやコックリングを抑制するための溶剤等を添加しても良い。これによって、印刷物のカールやコックリングを抑制するなど更なる機能を付与することができる。
〔顔料インク組成物〕
本発明におけるインク組成物に用いられる色材としては、顔料(マイクロカプセル化顔料、さらには着色樹脂等も顔料の範疇とする)が挙げられる。以下この色材について詳述する。使用される顔料としては、例えば、カーボンブラックや有機顔料などが挙げられる。
(カーボンブラック)
カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料を使用することができる。この場合、例えば、レイヴァン(Raven)7000、レイヴァン5750、レイヴァン5250、レイヴァン5000、レイヴァン3500、レイヴァン2000(以上コロンビア社製)を使用することができる。また、レイヴァン1500、レイヴァン1250、レイヴァン1200、レイヴァン1190ULTRA−II、レイヴァン1170、レイヴァン1255(以上コロンビア社製)を使用することができる。
さらに、カーボンブラックとしては、例えば、ブラックパールズ(Black Pearls)L、リーガル(Regal)400R、リーガル330R、リーガル660R(以上キャボット社製)を使用することができる。また、モウグル(Mogul)L、モナク(Monarch)700、モナク800、モナク880(以上キャボット社製)を使用することができる。さらに、モナク900、モナク1000、モナク1100、モナク1300、モナク1400、ヴァルカン(Valcan)XC−72R(以上キャボット社製)を使用することができる。また、カラーブラック(Color Black)FW1、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW18、カラーブラックFW200(以上デグッサ社製)を使用することができる。また、カラーブラックS150、カラーブラックS160、カラーブラックS170(以上デグッサ社製)を使用することができる。
また、プリンテックス(Printex)35、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス140U、プリンテックス140V(以上デグッサ社製)を使用することができる。さらに、スペシャルブラック(Special Black)6、スペシャルブラック5、スペシャルブラック4A、スペシャルブラック4(以上デグッサ社製)を使用することができる。カーボンブラックとしては、さらに、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上三菱化学社製)等を使用することができる。しかし、これらに限定されるものではなく、従来公知のカーボンブラックを使用することが可能である。また、マグネタイトやフェライト等の磁性体微粒子やチタンブラック等を黒色顔料として用いても良い。
(有機顔料)
有機顔料の具体例として、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッド等の不溶性アゾ顔料が挙げられる。また、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料が挙げられる。また、アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体が挙げられる。また、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料が挙げられる。さらに、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系顔料、並びにペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系顔料などが挙げられる。
有機顔料の具体例としては、さらに、イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系顔料、及び、ベンズイミダゾロンエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンレッド等のイミダゾロン系顔料が挙げられる。また、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系顔料が挙げられる。また、チオインジゴ系顔料、縮合アゾ系顔料、チオインジゴ系顔料などが挙げられる。さらに、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、キノフタロンエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレットなど、その他の顔料が挙げられる。
本発明における有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで示すと、C.I.ピグメントエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86、93等を例示できる。また、C.I.ピグメントエロー109、110、117、120、125、128、137、138、147、148、151、153、154、166、168等を例示できる。また、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61等を例示できる。また、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149等を例示できる。さらに、C.I.ピグメントレッド168、175、176、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240等を例示できる。また、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50等を例示できる。また、C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:1、15:4、15:6、22、60、64等を例示できる。さらに、C.I.ピグメントグリーン7、36、並びに、C.I.ピグメントブラウン23、25、26等を例示できる。これらの有機顔料の他にも、従来公知の有機顔料を使用することも可能である。
(分散剤)
上記したカーボンブラックや有機顔料を用いる場合には分散剤を併用することが好ましい。分散剤としては、アニオン性基の作用によって上記の顔料を水性媒体に安定に分散させ得るものを使用することが好ましい。分散剤の具体例としては、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体が挙げられる。また、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体が挙げられる。また、スチレン−無水マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体が挙げられる。さらには、これらの共重合体の塩なども挙げることができる。そして、これらの分散剤は、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲内のものが好ましく、特に、3,000〜15,000の範囲のものが好ましい。
(自己分散型顔料)
色材として、顔料表面にイオン性基(アニオン性基)を結合させることによって分散剤なしで水性媒体に分散させることができる顔料、すなわち自己分散型顔料を用いることもできる。このような顔料の一例として、例えば、自己分散型カーボンブラックを挙げることができる。自己分散型カーボンブラックとしては、例えば、アニオン性基がカーボンブラック表面に結合したものを挙げることができる。
「アニオン性カーボンブラック」
アニオン性カーボンブラックとしては、カーボンブラックの表面に少なくとも1つのアニオン性基を結合させたものが挙げられる。このようなアニオン性カーボンブラックの具体例として、例えば、−COO(M2)、−SO3(M2)、−PO3H(M2)、−PO3(M2)2のうちの少なくとも1つのアニオン性基を結合させたものが挙げられる。これらのアニオン性基において、M2は水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、もしくは有機アンモニウムを表す。これらの中で特に−COO(M2)や−SO3(M2)をカーボンブラック表面に結合することによりアニオン性に帯電させたカーボンブラックは、インク中の分散性が良好なため、本発明の実施において特に好適に用いられる。
ところで上記親水性基中にM2で表したもののうちのアルカリ金属の具体例としては、例えばLi、Na、K、Rb及びCs等が挙げられる。また、有機アンモニウムの具体例としては、例えば、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム等が挙げられる。また、メタノールアンモニウム、ジメタノールアンモニウム、トリメタノールアンモニウム等を挙げることもできる。そして、M2をアンモニウムもしくは有機アンモニウムとした自己分散型カーボンブラックを含むインクは、記録画像の耐水性をより向上させることができ、この点において特に好適に用いることができる。これは、当該インクが記録媒体上に付与されると、アンモニウムが分解し、アンモニアが蒸発する影響によるものと考えられる。
ここでM2をアンモニウムとした自己分散型カーボンブラックは、例えば、M2がアルカリ金属である自己分散型カーボンブラックをイオン交換法を用いることにより、M2をアンモニウムに置換する方法等が挙げられる。また、酸を加えてH型とした後に水酸化アンモニウムを添加してM2をアンモニウムにする方法等も挙げられる。アニオン性に帯電している自己分散型カーボンブラックの製造方法としては、例えば、カーボンブラックを次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法が挙げられる。この方法によれば、カーボンブラック表面に−COONa基を化学結合させることができる。
ところで、上記した種々の親水性基はカーボンブラックの表面に直接結合させても良い。あるいは、他の原子団をカーボンブラック表面と親水性基との間に介在させ、親水性基をカーボンブラック表面に間接的に結合させても良い。ここで他の原子団の具体例としては、例えば、炭素原子数1〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、置換又は未置換のフェニレン基、置換又は未置換のナフチレン基が挙げられる。また、フェニレン基及びナフチレン基の置換基の具体例としては、例えば、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が挙げられる。また、他の原子団と親水性基との組合わせの具体例としては、例えば、−C2H4COO(M2)、−Ph−SO3(M2)、−Ph−COO(M2)など(但し、Phはフェニル基を表す)が挙げられる。
なお、自己分散型カーボンブラックについては、列挙した上記の中から2種もしくはそれ以上を適宜選択してインクの色材に用いても良い。また、インク中の自己分散型カーボンブラックの添加量としては、インク全質量に対して0.1〜15質量%、特には1〜10質量%の範囲とすることが好ましい。この範囲とすることで、自己分散型カーボンブラックはインク中で十分な分散状態を維持することができる。さらに、インクの色調の調整等を目的として、自己分散型カーボンブラックに加えて染料を色材として添加しても良い。
「着色微粒子及びマイクロカプセル化顔料」
色材としては、上記したものの他に、ポリマー等でマイクロカプセル化した顔料や、樹脂粒子の周囲を色材で被覆した着色微粒子などを用いることができる。マイクロカプセルに関しては、本来的に水性媒体に対する分散性を有するが、分散安定性を高めるために上記したような分散剤をさらにインク中に共存させても良い。また、着色微粒子を色材として用いる場合には、上記したアニオン系分散剤等を用いることが好ましい。
〔水性媒体〕
上記したような色材を分散させる水性媒体は特に限定されるものでないが、具体的には以下に例示するようなものがある。例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類が挙げられる。また、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、並びに、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類が挙げられる。さらに、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、並びに、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類が挙げられる。
さらに、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類が挙げられる。さらに、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類が挙げられる。また、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の低級アルキルエーテルアセテートが挙げられる。また、グリセリン、並びに、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類が挙げられる。さらに、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の多価アルコール、並びに、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
上記したような水溶性有機溶剤は、単独でも、あるいは混合物としても使用することができる。また、水としては脱イオン水を使用することが好ましい。また、前記クリアインクに用いる水性媒体として上記したような水溶性有機溶剤と同様なものを用いることにより、本発明の効果を一層高めることができる。本発明で使用されるインク組成物中に含有される水溶性有機溶剤の含有量は、特に限定されないが、インク組成物全質量に対して約3〜50質量%の範囲が好ましい。また、インク組成物に含有される水の含有量は、インク組成物全質量に対して約50〜95質量%の範囲が好ましい。さらに、上記の成分の他に、必要に応じて保湿剤を添加することが好ましい。また、所望の物性値を持つインクとするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤あるいは防黴剤等を添加しても良い。
〔インクセット〕
前記クリアインクと組み合わせてインクセットを構成するインクの色調については、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、オレンジ、レッド、グリーン、ブルー、バイオレット及びブラックのうちから選ばれる少なくとも1つの色調を示すインクとすればよい。ただし、インクの色調はこれらに限定されるものではない。具体的には、所望の色調のインクとなるように、前記した色材の中から適宜選択して用いることができる。ここで、各インク中の色材の含有量は、例えば、インクジェット記録に用いる場合は、インクが優れた吐出特性を備えるように選択するとともに、所望の色調や濃度を有するように適宜選択すれば良い。この場合の目安としては、例えば、色材の含有量をインク全質量に対して約1〜50質量%の範囲にすることが好ましい。また、インクに含有される水の量は、インク全質量に対して50〜95質量%の範囲が好ましい。
〔インク特性〕
(インクジェット吐出特性、記録媒体への浸透性について)
本発明に用いるインクセットは、インクジェット記録用のインクセットとして好適なものである。インクジェット記録方法としては、インクに力学的エネルギーを作用させて液滴を吐出する記録方法、並びにインクに熱エネルギーを加えてインクの発泡により液滴を吐出する記録方法などがあり、上記に記載のインクはこれらの記録方法に特に好適なものである。 本発明におけるインクは、インクジェット記録装置の記録ヘッドから吐出可能である特性を有する。液体インクの特性としては、例えば、その粘度が1〜15cpsで、表面張力が40mN/m(dyne/cm)以下であることが好ましい。また、ブリストウ法によるKa値は、1ml・m−2・msec−1/2以上であることが好ましい。特には、粘度が1〜5cpsであり、表面張力が25〜35mN/m(dyne/cm)であり、Ka値が1〜5ml・m−2・msec−1/2であることが好ましい。
以下に、本発明の実施例を比較例を用いて具体的に説明する。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、以下の実施例により限定されるものではない。なお、以下の記載で、「部」又は「%」とあるものは特に断らない限り質量基準である。
〔顔料インクの調製〕
(ブラックインクの調整)
顔料(カーボンブラック)10部と、アニオン系高分子P−120部と、純水70部と、を混合した。ここでは、上記カーボンブラックは、「製品名:Mogul L、キャブラック製」とした。また、上記アニオン系高分子P−1は、「スチレン−アクリル酸共重合体、酸価200、重量平均分子量10,000、固形分10%の水溶液、中和剤:水酸化カリウム」とした。
そして、以下に示す材料をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを150部充填し、水冷しつつ、5時間分散処理を行った。この分散液を遠心分離機にかけ粗大粒子を除去した後、最終調整物の固形分は約12%、重量平均粒径は120nmの顔料分散体「Bk」を得た。
(ブラックインクの組成)
・顔料分散体Bk 30部
・グリセリン 9部
・ジエチレングリコール 6部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1部
・水 54部
こうして得られたブラックインクのpHは7.9であった。
(シアンインクの調製)
顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)を10部とし、アニオン系高分子P−1を20部とし、純水を70部として、これらを混合した。ここで、上記C.I.ピグメントブルー15:3は、「製品名:ファストゲンブルーFGF、大日本インキ化学株式会社製」とした。また、上記アニオン系高分子P−1は、「スチレン−アクリル酸共重合体、酸価200、重量平均分子量10,000、固形分10%の水溶液、中和剤:水酸化カリウム」とした。これらをバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを150部充填し、水冷しつつ、5時間分散処理を行った。この分散液を遠心分離機にかけ粗大粒子を除去した後、最終調整物の固形分が約12%、重量平均粒径が100nmの顔料分散体「C」を得た。
(シアンインクの組成)
・顔料分散体C 30部
・グリセリン 9部
・ジエチレングリコール 6部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1部
・水 54部
こうして得られたシアンインクのpHは、8.0であった。
(マゼンタインクの調製)
顔料(C.I.ピグメントレッド122)を10部とし、アニオン系高分子P−1を20部とし、純水を70部とし、これらを混合した。ここで、上記C.I.ピグメントレッド122は「大日本インキ化学株式会社製」とした。また、上記アニオン系高分子P−1は、「スチレン−アクリル酸共重合体、酸価200、重量平均分子量10,000、固形分10%の水溶液、中和剤:水酸化カリウム」とした。そして、これらの材料をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを150部充填し、水冷しつつ、5時間分散処理を行った。この分散液を遠心分離機にかけ粗大粒子を除去した後、最終調整物の固形分が約12%、重量平均粒径が150nmの顔料分散体「M」を得た。
(マゼンタインクの組成)
・顔料分散体M 30部
・グリセリン 9部
・ジエチレングリコール 6部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1部
・水 54部
こうして得られたマゼンタインクのpHは、7.8であった。
(イエローインクの調製)
顔料(C.I.ピグメントイエロー180)を10部とし、アニオン系高分子P−1を20部とし、純水を70部とし、これらを混合した。ここで、上記C.I.ピグメントイエロー180は「製品名:ノバパームイエローPH−G、ヘキスト社製」とした。また、上記アニオン系高分子P−1は「スチレン−アクリル酸共重合体、酸価200、重量平均分子量10,000、固形分10%の水溶液、中和剤:水酸化カリウム」とした。これらの材料をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを150部充填し、水冷しつつ、5時間分散処理を行った。この分散液を遠心分離機にかけ粗大粒子を除去した後、最終調整物の固形分が約12%、重量平均粒径が125nmの顔料分散体「Y」を得た。
(イエローインクの組成)
・顔料分散体Y 30部
・グリセリン 9部
・ジエチレングリコール 6部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1部
・水 54部
こうして得られたイエローインクのpHは、8.1であった。
そこで、上記のシアンインク、マゼンタインク及びイエローインクを顔料インクセットとする。
〔使用する水溶性有機溶剤の良溶媒及び貧溶媒の判定方法、並びに低揮発性溶剤の判定方法〕
上記顔料分散体中の顔料、もしくは顔料と分散剤に対する良溶媒と貧溶媒とを選択するため、また、低揮発性溶剤を判定するため、以下の実験を行った。
先ず、シャーレに満たされた表1に記載の溶剤に対して、上記顔料インクBk、C、M、Yを滴下し、1日静置後の溶剤中における顔料の拡散の程度を観察した。
(判定方法)
・溶剤中が顔料が拡散していた:○
・溶剤中で顔料が拡散していない:×
表1に判定結果を示す。
Figure 2007253391
表1より、本発明に好適な水溶性有機溶剤は、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパンが挙げられる。勿論、これらに限定されるものではない。
〔クリアインクの調整〕
表2に示す成分を混合し、十分攪拌し溶解した後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過することで、クリアインクを調製した。pHは水酸化ナトリウム又は酢酸を添加して調整した。
表2に各クリアインクの成分を示す。
Figure 2007253391
表3の組み合わせでインクセットを作成し、実施例及び比較例とした。
Figure 2007253391

インクジェット記録装置として、オンデマンド型マルチ記録ヘッドを有する「キヤノン製BJF900」の改造機を用いた。このインクジェット記録装置の記録ヘッドに、上記実施例及び上記比較例に示したようなインクセットを搭載した。そして、記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与することにより記録ヘッドからインクを吐出させ、その結果に基づいて以下の評価を行った。
〔評価方法〕
(ワイパーブレードの観察及び吐出性の評価)
温度30°C、湿度10%の環境下にて、各色7.5%の記録密度の記録画像を3500枚まで記録耐久を行った。これを以下の評価基準によって評価した。
〇:最後まで、ワイパーブレード上に顔料堆積物が観察されず、良好な記録が持続し、吐出性に問題は見当たらなかった。
×:途中かちワイパーブレード上に顔料堆積物が観察され、記録に乱れが生じ、吐出性に問題が生じた。
表4は評価結果を示す。
Figure 2007253391
以上説明した実施形態は、記録ヘッドから記録媒体へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置のメンテナンス方法に係る。そして、記録ヘッドに、少なくとも1種の顔料インクと該顔料インクに対して良溶媒である水溶性有機溶媒を少なくとも1種含有するクリアインクとからなるインクセットを搭載する。また、記録ヘッドの顔料インクの吐出口及びクリアインクの吐出口が配された吐出面を払拭するためのワイパーを設ける。そこで、ワイパーで吐出面を払拭するときにクリアインクの吐出口からワイパーに該クリアインクを吐出する。
かかる実施形態によれば、顔料インクを使用するに際し、記録ヘッドの吐出面に対するワイピング動作を長期にわたって確実で安定した状態で行うことができるインクジェット記録装置のメンテナンス方法が提供される。さらに、記録ヘッドの吐出口の目詰まりや吐出口におけるインクの混色などの不都合を軽減することもできる。
なお、以上の実施形態では、記録媒体に沿って移動するキャリッジに搭載された記録ヘッドで記録するシリアルタイプのインクジェット記録装置を例に挙げて説明した。本発明は、フルライン記録用の記録ヘッドなどを用いて副走査のみで記録するラインタイプのインクジェット記録装置に対しても同様に適用可能であり、同様の作用効果を奏するものである。また、本発明は、インクジェット記録装置であれば、記録ヘッドの数や、使用するインクの種類数や性状等に関わらず、同様に適用可能なものであり、同様の作用効果を奏するものである。さらに、本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、撮像画像形成装置などの単体装置のみならず、これらを組み合わせた複合装置やコンピュータシステムなどの複合装置における記録装置としても広く適用可能であり、同様の作用効果を奏するものである。
本発明のメンテナンス方法を実施するのに好適なインクジェット記録装置の斜視図である。 図1のインクジェット記録装置の記録ヘッドの斜視図である。 図2の記録ヘッドの吐出面における吐出口の配列を示す正面図である。 本発明のメンテナンス方法を実施するのに好適な回復機構部の吸引回復機構を示す斜視図である。 図4中のキャップの縦断面図である。 図1中の回復機構部のワイピング機構を示す縦断面図である。 図1のインクジェット記録装置の記録ヘッドの別の構成例を示す斜視図である。 本発明を適用したインクジェット記録装置において記録ヘッドの吐出面を払拭する動作を開始するときにワイパーが記録ヘッドの吐出面に接触している状態を示す模式図である。 本発明を適用したインクジェット記録装置において吐出口の方向を傾斜させた記録ヘッドの吐出面を払拭する動作を開始するときにワイパーが記録ヘッドの吐出面に接触している状態を示す模式図である。 図8又は図9の状態からワイパーが移動してその先端部が吐出口に接近したときの状態を示す模式図である。 図8乃至図10で説明したワイピング動作を行った後の記録ヘッド及びワイパーの状態を示す模式図である。
符号の説明
21 インク吐出部(記録ヘッド)
22 インク収容部
24 液室
31 吐出面(記録ヘッド)
33 吐出口列
35 吐出口
41 キャップゴム
42 キャップカバー
43 リップ部(封止部)
44 吸引孔
47 吸引チューブ
48 インク吸収体
49 廃インクチューブ
52 吐出口より払拭方向上流側領域
53 吐出口より払拭方向下流側領域
101 キャリッジ
102 ガイドシャフト
103 シャーシ
105 搬送ローラ
106 プラテン
107 記録ヘッド
112 排紙ローラ
115 給紙部
120 回復機構部
121 キャップ
122 吸引ポンプ(負圧発生手段)
123 ワイパー
125 キャップホルダ
126 廃インク回収部
127 インク吸収体
131 ワイパーホルダ
132 ガイド
133、135 ラックギア
136 ダブルギア

Claims (4)

  1. 記録ヘッドから記録媒体へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置のメンテナンス方法であって、
    前記記録ヘッドに、少なくとも1種の顔料インクと該顔料インクに対して良溶媒である水溶性有機溶媒を少なくとも1種含有するクリアインクとからなるインクセットを搭載し、
    前記記録ヘッドの前記顔料インクの吐出口及び前記クリアインクの吐出口が配された吐出面を払拭するためのワイパーを設け、
    前記ワイパーで前記吐出面を払拭するときに前記クリアインクの吐出口から前記ワイパーに該クリアインクを吐出することを特徴とするインクジェット記録装置のメンテナンス方法。
  2. 前記良溶媒の少なくとも1種が低揮発性溶剤であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置のメンテナンス方法。
  3. 前記顔料インクの顔料がアルカリ可溶型顔料であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置のメンテナンス方法。
  4. 前記クリアインクのPHが、前記顔料インクのPHよりも高いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置のメンテナンス方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013059926A (ja) * 2011-09-14 2013-04-04 Brother Industries Ltd 液体吐出装置
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JP2018094786A (ja) * 2016-12-13 2018-06-21 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 記録ヘッドの回復システム及びそれを備えたインクジェット記録装置、並びに記録ヘッドの回復方法

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