JP4065141B2 - 汚染土壌の浄化方法 - Google Patents

汚染土壌の浄化方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4065141B2
JP4065141B2 JP2002150697A JP2002150697A JP4065141B2 JP 4065141 B2 JP4065141 B2 JP 4065141B2 JP 2002150697 A JP2002150697 A JP 2002150697A JP 2002150697 A JP2002150697 A JP 2002150697A JP 4065141 B2 JP4065141 B2 JP 4065141B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
dioxins
soil
contaminated soil
separated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002150697A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003340422A (ja
Inventor
伸一 武田
正利 小林
正明 細見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2002150697A priority Critical patent/JP4065141B2/ja
Publication of JP2003340422A publication Critical patent/JP2003340422A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4065141B2 publication Critical patent/JP4065141B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Extraction Or Liquid Replacement (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイオキシン類に汚染された土壌を浄化する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、プラスチック材料の燃焼等によって発生したダイオキシン類(ポリ塩化ジベンゾ−p−ダイオキシン(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)、コプラナ−PCB(Co−PCB)等)による環境汚染が問題となっている。また、このダイオキシン類は、空気中に滞在したり、降雨等によって土壌に浸透したりし、土壌のダイオキシン類による汚染が問題となっている。
【0003】
従って、ダイオキシン類に汚染された土壌を清浄化する技術が、例えば、熔融固化法(ジオメルト法)、アルカリ触媒化学分解法(BCD法)、超臨界水酸化法、メカノケミカル法、真空加熱分解法、バイオメデレーション法(微生物分解法)等、提案されている。
【0004】
しかし、これら従来の土壌の清浄化技術は、高温高圧条件や真空条件等の特殊な条件が必要なものや、除去時間が非常にかかるものや、使用する薬品による二次汚染の問題があるものなど、実施が困難な種々の問題を有している。また、これら従来の土壌の清浄化技術はいずれもコスト高である。
【0005】
特に、ダイオキシン類に汚染されている土壌における該ダイオキシン類の量は微量であり、このような微量のダイオキシン類を除去する為に前記のような実施が厄介でコスト高の方法は採用しにくい。
【0006】
本発明は、上記現状に鑑みて発明されたもので、簡単且つコスト安で土壌からダイオキシン類を分離して該土壌を清浄化できる実用性に秀れた汚染土壌の浄化方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
ダイオキシン類Cに汚染された土壌Aに油Bを接触せしめ該土壌Aに混入している前記ダイオキシン類Cを該油Bに抽出することで該土壌Aを浄化する方法であって、焼却灰や飛灰などの無機マトリックスDに隠蔽されたダイオキシン類Cが混入している土壌Aと、パルチミン酸,ステアリン酸,オイレン酸若しくはリノール酸を含む油Bとを攪拌装置を用いて繰り返し攪拌混合し、前記無機マトリックスD同士及び前記無機マトリックスDと前記土壌Aとを擦り合わせて物理的に破壊せしめると共に、前記無機マトリックスDを前記油Bに含まれるパルチミン酸,ステアリン酸,オイレン酸若しくはリノール酸の酸化作用により化学的に分解することで前記無機マトリックスDから前記ダイオキシン類Cを露出させて該ダイオキシン類Cが前記油Bと接触可能な状態を作出せしめることで、前記ダイオキシン類Cを前記油Bに抽出することを特徴とする汚染土壌の浄化方法に係るものである。
【0009】
また、請求項1記載の汚染土壌の浄化方法において、前記土壌Aに混入している前記ダイオキシン類Cを前記油Bに抽出した後、この土壌Aから前記ダイオキシン類Cを含む前記油Bを分離し、続いて、この油Bに含まれている前記ダイオキシン類Cを無害化する無害化処理を行うことを特徴とする汚染土壌の浄化方法に係るものである。
【0010】
また、請求項1記載の汚染土壌の浄化方法において、前記土壌Aに混入している前記ダイオキシン類Cを前記油Bに抽出した後、前記土壌Aと前記油Bと前記ダイオキシン類Cとの混合物をふるいを用いて粗粒区分と該粗粒区分以外の細粒区分とに分離し、その後、前記粗粒区分から前記ダイオキシン類Cを含む前記油Bを分離し、この分離物中の前記ダイオキシン類Cを無害化する無害化処理を行うことを特徴とする汚染土壌の浄化方法に係るものである。
【0011】
また、請求項1記載の汚染土壌の浄化方法において、前記土壌Aに混入している前記ダイオキシン類Cを前記油Bに抽出した後、前記土壌Aと前記油Bと前記ダイオキシン類Cとの混合物をふるいを用いて粗粒区分と該粗粒区分以外の細粒区分とに分離し、その後、前記細粒区分から前記ダイオキシン類Cを含む前記油Bを分離し、この分離物中の前記ダイオキシン類Cを無害化する無害化処理を行うことを特徴とする汚染土壌の浄化方法に係るものである。
【0012】
また、請求項2〜4いずれか1項に記載の汚染土壌の浄化方法において、前記ダイオキシン類Cを含む前記油Bを分離した後、この分離物を前記土壌Aに接触せしめる前記油Bとして再利用することを特徴とする汚染土壌の浄化方法に係るものである。
【0013】
また、請求項2〜4いずれか1項に記載の汚染土壌の浄化方法において、前記ダイオキシン類Cを含む前記油Bを分離した後、この分離物を前記土壌Aに接触せしめる前記油Bとして繰り返し利用し、この繰り返し利用した分離物中の前記ダイオキシン類Cが所定濃度以上となったら、この分離物中の前記ダイオキシン類Cを無害化する無害化処理を行うことを特徴とする汚染土壌の浄化方法に係るものである。
【0014】
また、請求項2〜6いずれか1項に記載の汚染土壌の浄化方法において、前記ダイオキシン類Cを無害化する無害化処理を行った前記油Bを前記土壌Aに接触せしめる前記油Bとして再利用することを特徴とする汚染土壌の浄化方法に係るものである。
【0015】
また、請求項1記載の汚染土壌の浄化方法において、前記土壌Aに混入している前記ダイオキシン類Cを前記油Bに抽出した後、前記土壌Aと前記油Bと前記ダイオキシン類Cとの混合物をふるいを用いて粗粒区分と該粗粒区分以外の細粒区分とに分離し、その後、この粗粒区分から前記油B及び前記ダイオキシン類Cを分離すると共にこの分離物から前記油Bと前記ダイオキシン類Cとを分離することを特徴とする汚染土壌の浄化方法に係るものである。
【0016】
また、請求項1記載の汚染土壌の浄化方法において、前記土壌Aに混入している前記ダイオキシン類Cを前記油Bに抽出した後、前記土壌Aと前記油Bと前記ダイオキシン類Cとの混合物をふるいを用いて粗粒区分と該粗粒区分以外の細粒区分とに分離し、その後、この細粒区分から前記油B及び前記ダイオキシン類Cを分離すると共にこの分離物から前記油Bと前記ダイオキシン類Cとを分離することを特徴とする汚染土壌の浄化方法に係るものである。
【0017】
また、請求項8記載の汚染土壌の浄化方法において、前記粗粒区分から前記油B及び前記ダイオキシン類Cを分離した後、この分離物を前記土壌Aに接触せしめる前記油Bとして繰り返し利用し、この繰り返し利用した分離物中の前記ダイオキシン類Cが所定濃度以上となったら、この分離物から前記油Bと前記ダイオキシン類Cとを分離することを特徴とする汚染土壌の浄化方法に係るものである。
【0018】
また、請求項9記載の汚染土壌の浄化方法において、前記細粒区分から前記油B及び前記ダイオキシン類Cを分離した後、この分離物を前記土壌Aに接触せしめる前記油Bとして繰り返し利用し、この繰り返し利用した分離物中の前記ダイオキシン類Cが所定濃度以上となったら、この分離物から前記油Bと前記ダイオキシン類Cとを分離することを特徴とする汚染土壌の浄化方法に係るものである。
【0019】
また、請求項1〜11いずれか1項に記載の汚染土壌の浄化方法において、前記油Bとして油脂類を採用したことを特徴とする汚染土壌の浄化方法に係るものである。
【0020】
また、請求項1〜12いずれか1項に記載の汚染土壌の浄化方法において、前記土壌Aに前記油Bを接触せしめた後、この土壌Aに前記油Bを分散する性質を有する分散液を混合することを特徴とする汚染土壌の浄化方法に係るものである。
【0021】
また、ダイオキシン類Cに汚染された土壌Aに油Bを接触せしめ該土壌Aに混入している前記ダイオキシン類Cを該油Bに抽出することで該土壌Aを浄化する方法であって、焼却灰や飛灰などの無機マトリックスDに隠蔽されたダイオキシン類Cが混入している土壌Aと、パルチミン酸,ステアリン酸,オイレン酸若しくはリノール酸を含む油Bとを攪拌装置を用いて該油Bを分散する性質を有する分散液と共に攪拌混合し、前記無機マトリックスD同士及び前記無機マトリックスDと前記土壌Aとを擦り合わせて物理的に破壊せしめると共に、前記無機マトリックスDを前記油Bに含まれるパルチミン酸,ステアリン酸,オイレン酸若しくはリノール酸の酸化作用により化学的に分解することで前記無機マトリックスDから前記ダイオキシン類Cを露出させて該ダイオキシン類Cが前記油Bと接触可能な状態を作出せしめ、続いて、この油Bと土壌Aと分散液との混合物をふるいを用いて粗粒区分と該粗粒区分以外の細粒区分とに分離し、続いて、この粗粒区分若しくは細粒区分に対し、前記油B及び分散液を分離する処理を行い、続いて、この分離した油B若しくは分散液に含まれる前記ダイオキシン類Cが所定濃度以下であったらそのまま前記土壌Aに加える油若しくは分散液として再利用し、この分離した油B若しくは分散液に含まれる前記ダイオキシン類Cが所定濃度以上であったら該油B若しくは分散液に前記ダイオキシン類Cを無害化する無害化処理を行った後に再利用することを特徴とする汚染土壌の浄化方法に係るものである。
【0022】
【発明の作用及び効果】
ダイオキシン類Cは、油Bに溶け易いという性質を有しており、ダイオキシン類Cに汚染された土壌Aに油Bを接触せしめると、土壌Aに混入していたダイオキシン類Cが油Bに抽出される。
【0023】
また、焼却灰や煙道で発生する飛灰に由来するダイオキシン類Cは、灰等の無機マトリックスDに取り込まれて隠蔽された状態にあり、この状態のダイオキシン類Cは抽出しにくいが、本発明の場合であれば、脂肪酸(パルチミン酸,ステアリン酸等の飽和脂肪酸やオレイン酸,リノール酸等の不飽和脂肪酸)を含む油B(オリーブ油,コーン油,ナタネ油,鯨油等)を採用した場合に、該脂肪酸の酸化作用によって無機マトリックスDを分解することができ、よって、ダイオキシン類Cが油Bと接触可能な状態となって該ダイオキシン類Cが油Bに良好に抽出されることになる。
【0024】
また、土壌Aから油Bを分離する技術は凝集分離技術や遠心分離技術等として既に確立されており、土壌Aとダイオキシン類Cと油Bとの混合物から油Bを分離することは容易である。また、この油Bの分離の際、該油Bに抽出されているダイオキシン類Cも土壌Aから一緒に分離されることになり、よって、土壌Aからダイオキシン類Cが分離され、該土壌Aが清浄化されることになる。
【0025】
本発明は上述のようにするから、ダイオキシン類に汚染された土壌を簡単且つコスト安で浄化できる実用性に秀れた汚染土壌の浄化方法となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図面は本発明の一実施例を図示したものであり、以下に説明する。
【0027】
ダイオキシン類Cに汚染された土壌Aをホッパー10から混合装置11に導入する。
【0028】
続いて、混合装置11に油B(図1では液体1と記載した。)を導入し、この油Bを前記土壌Aと混合する。
【0029】
ダイオキシン類Cは高い脂溶性を有していて油Bに溶け易いから、この工程により、土壌Aに混入(付着)していたダイオキシン類Cは油Bに抽出される(図2参照)。
【0030】
また、合成樹脂の燃焼等によって発生したダイオキシン類Cは、燃焼の際に形成される灰分(無機マトリックスD)に閉じ込められた状態となっていることが多く、この場合、無機マトリックスDがダイオキシン類Cの油Bへの抽出を阻害する。しかし、本実施例の場合、油Bには脂肪酸が含まれているものが多く、よって、この油Bに含まれている脂肪酸が前記無機マトリックスDを酸化分解した後、ダイオキシン類Cが油Bへ抽出されることになり、該ダイオキシン類Cの油Bへの抽出は良好に行われる(図3参照)。
【0031】
混合装置11は、土壌Aと油Bとの混合撹拌が繰り返し行われるように構成する。この混合撹拌が繰り返し行われることにより、土壌Aを構成する土粒が微細化されて該土壌Aの深くに存在するダイオキシン類Cが油Bに良好に抽出されることになる。また、土壌Aの表面において油Bが繰り返し接触することで該土壌Aに付着しているダイオキシン類Cが油Bと繰り返し接触し、該油Bに良好に抽出されることになる。また、無機マトリックスDが土壌Aや他の無機マトリックスDと擦り合わされて物理的に破壊され、該無機マトリックスDに閉じ込められた状態となっているダイオキシン類Cが油Bにより一層良好に抽出されることになる。
【0032】
また、この混合装置11は、市販の解こう機、撹拌機(ダム用の強制撹拌混合装置等)、混気高圧ジェット流機、振動撹拌機等を採用すると良い。
【0033】
油Bは、ダイオキシン類Cを良好に抽出でき且つ環境汚染の問題が少ない性質を有する生物由来の天然油脂類、例えば、オリーブ油,コーン油,ナタネ油,鯨油等を採用すると良い。尚、鉱物油よりも油脂類の方がダイオキシン類Cを抽出する能力が高い。
【0034】
また、油Bは、無機マトリックスDを良好に分解でき且つ環境汚染の問題が少ない性質を有する脂肪酸(飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でも良い)、例えば、パルチミン酸,ステアリン酸,オレイン酸,リノール酸等を多く含む油脂類を採用すると良い。パルチミン酸,ステアリン酸,オレイン酸及びリノール酸は、いずれも無機マトリックスDを酸化する作用を発揮し、この酸化作用によって無機マトリックスDは分解されることになる。
【0035】
また、無機マトリックスDの分解をより一層効率的に行う為、油Bに炭酸ナトリウム水溶液等の補助分解液を混合しても良い。
【0036】
混合装置11における土壌Aと油Bとの所定時間の撹拌混合の後、該混合装置11に、油Bを分散する性質を有する分散液(図1では液体2と記載した。)を導入し、前記油B(ダイオキシン類Cを少し含む)を分散液中に分散する。
【0037】
この分散液は、前記油Bを分散し易い石鹸等の界面活性剤を含む水溶液を採用すると良い。
【0038】
尚、ダイオキシン類Cは水に非常に溶けにくい性質を有している為、水溶液中に分散しない。
【0039】
続いて、この混合装置11内の土壌A,油B及び分散液の混合物をフルイ装置12に導入し、このフルイ装置12で粗粒区分(図1では粗粒分と記載した。)と細粒区分(図1では細粒分と記載した。)とに分離する。
【0040】
粗粒区分は、ダイオキシン類Cが分離除去された清浄な土壌Aが主成分であり、この粗粒区分は、そのまま整地材や埋め戻し材等として使用する。
【0041】
尚、粗粒区分を使用する前に、必要に応じて該粗粒区分を浄化し、通常の水切り(自然なままの水切り)や遠心分離により、該粗粒区分中の土壌Aに付着している油分等を完全除去しても良い。
【0042】
一方、細粒区分は、微細な土壌(粒径2mm乃至74μmの砂分、粒径74乃至5μmのシルト、粒径5μm以下の粘土),油B及び分散液が主成分であり、ダイオキシン類Cが含まれている。従って、この細粒区分には更に浄化処理を施す。
【0043】
フルイ装置12は、2mm以上の粒径のものを粗粒区分、その他を細粒区分として分離する構成のものを採用すると良い。
【0044】
細粒区分は、フルイ装置12で分離された後、一旦、細粒区分受け槽13に溜められ、その後に油分分離装置14に導入される。
【0045】
油分分離装置14では、例えば、公知の気泡連行法や泡沫浮上法等によって前記油Bが分離される。この分離した油Bは土壌Aから容易に分離できるもので、ダイオキシン類Cの含有量が少ないものであり、前記土壌Aに混合する油Bとして再利用する。
【0046】
分離した油B以外の区分は泥水状であり、微細な土壌,ダイオキシン類Cが濃縮された状態で含まれている油B及び分散液が含まれている。この泥水区分は、一旦、泥水区分受け槽15に溜められた後、沈降装置16に導入される。
【0047】
沈降装置16では、沈殿法によって前記泥水区分を微細な土壌と上澄み液とに分離する。また、この際、上澄み液は、ダイオキシン類Cが濃縮された状態で含まれている油B及び分散液(ダイオキシン類Cが微量含まれている)とに分離する。
【0048】
この微細な土壌と上澄み液との分離を良好に行う為には、前記泥水区分受け槽15において、泥水区分に凝集剤(商品名「PAC」等。図1ではPACと記載した。)を混合しておいた方が良い。
【0049】
沈降装置16で沈殿した微細な土壌は、フィルタープレス装置17によって過剰な分散液を除去した後、整地材として使用したり、また、廃棄物処理等の適宜な処理を施す(図1の細粒分。)。
【0050】
上澄み液の内のダイオキシン類Cが濃縮された状態で含まれている油Bは、所定量が溜まった後に必要に応じて無害化処理し、土壌Aに混合する油Bとして再利用する。
【0051】
また、上澄み液の内のダイオキシン類Cが微量含まれている分散液は、前記フィルタープレス装置17で除去された過剰な分散液と共に、水受け槽18に溜め、所定量が溜まった後に必要に応じて無害化処理し、土壌Aに混合する分散液として再利用する。
【0052】
また、油Bの無害化処理及び分散液の無害化処理は、再利用を繰り返すことによって夫々ダイオキシン類Cの濃度が高くなってから行った方が処理効率に秀れ、コスト安となる為、良い。
【0053】
上述の本実施例によれば、ダイオキシン類で10,000pg−TDQ/g(土壌1gが2,3,7,8−四塩化ダイオキシンの10,000pg分の毒性となっている状態)程度の高濃度に汚染された土壌Aを150pg−TDQ/g以下にまで清浄化できることが実験により確認されている。
【0054】
本実施例は上述のようにするから、ダイオキシン類Cに汚染された土壌Aに油Bを加え、その後に土壌Aと油Bとを分離するだけの簡易な方法で該土壌Aをダイオキシン類Cに汚染されていない清浄な土壌とすることができる実用性,コスト性に秀れた汚染土壌の浄化方法となる。
【0055】
また、ダイオキシン類Cは油B、特に油脂に溶け易いから、ダイオキシン類C土壌Aから油Bに良好に抽出されることになり、よって、土壌Aの清浄化は確実に実施することができる。
【0056】
また、土壌Aと油Bとを混合したり分離したりする為の装置は、夫々一般的に使用されている簡易なものを採用できるから、汚染現場で土壌Aを清浄化することができ、よって、土壌Aを長距離にわたって運搬したりする必要も無く、それだけコスト安で実施することができる。
【0057】
また、無機マトリックスDを分解してからダイオキシン類Cを油Bに抽出する方法であるから、ダイオキシン類Cを含む焼却灰や飛灰等によって汚染された土壌Aでも確実にダイオキシン類Cを除去して清浄化することができる。
【0058】
また、油Bは生物由来物を使用しているから、この油Bによる二次環境汚染の問題も少なく、よって、この点において土壌Aの清浄化が良好に実施されることになる。
【0059】
また、生物由来の油Bは市販物として容易に入手できる為、本実施例は良好に実施することができる。
【0060】
また、ダイオキシン類Cの抽出に使用した油Bや分散液等は繰り返し循環再利用するから、それだけコスト安で廃液の発生も少なく、環境性に秀れることになる。
【0061】
また、繰り返し循環再利用することにより、油Bや分散液中のダイオキシン類Cが徐々に濃縮されて高濃度となり、このダイオキシン類Cが高濃度となった状態でダイオキシン類Cの無害化処理を行うから、該無害化処理の処理効率は高く、この点において実用性,効率性に秀れることになる。
【0062】
また、土壌Aと油Bとを混合した後、油B(ダイオキシン類C)を殆ど含まない粗粒区分と,油B(ダイオキシン類C)を多く含む細粒区分とに分離するから、油Bの分離処理やダイオキシン類Cの分離処理を行う量を可及的に少なくすることができ、よって、それだけコスト安,実施性に秀れることになる。
【0063】
以上、本実施例は、従来であれば土壌Aの油汚染を懸念して使用されることがなかった油Bを用いてダイオキシン類Cを除去しようとする画期的な汚染土壌の浄化方法となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例のフローチャートである。
【図2】 本実施例のダイオキシン類の抽出を示す説明面図である。
【図3】 本実施例の無機マトリックスの分解及びダイオキシン類の抽出を示す説明面図である。
【符号の説明】
A 土壌
B 油
C ダイオキシン類
D 無機マトリックス

Claims (14)

  1. ダイオキシン類に汚染された土壌に油を接触せしめ該土壌に混入している前記ダイオキシン類を該油に抽出することで該土壌を浄化する方法であって、焼却灰や飛灰などの無機マトリックスに隠蔽されたダイオキシン類が混入している土壌と、パルチミン酸,ステアリン酸,オイレン酸若しくはリノール酸を含む油とを攪拌装置を用いて繰り返し攪拌混合し、前記無機マトリックス同士及び前記無機マトリックスと前記土壌とを擦り合わせて物理的に破壊せしめると共に、前記無機マトリックスを前記油に含まれるパルチミン酸,ステアリン酸,オイレン酸若しくはリノール酸の酸化作用により化学的に分解することで前記無機マトリックスから前記ダイオキシン類を露出させて該ダイオキシン類が前記油と接触可能な状態を作出せしめることで、前記ダイオキシン類を前記油に抽出することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  2. 請求項1記載の汚染土壌の浄化方法において、前記土壌に混入している前記ダイオキシン類を前記油に抽出した後、この土壌から前記ダイオキシン類を含む前記油を分離し、続いて、この油に含まれている前記ダイオキシン類を無害化する無害化処理を行うことを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  3. 請求項1記載の汚染土壌の浄化方法において、前記土壌に混入している前記ダイオキシン類を前記油に抽出した後、前記土壌と前記油と前記ダイオキシン類との混合物をふるいを用いて粗粒区分と該粗粒区分以外の細粒区分とに分離し、その後、前記粗粒区分から前記ダイオキシン類を含む前記油を分離し、この分離物中の前記ダイオキシン類を無害化する無害化処理を行うことを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  4. 請求項1記載の汚染土壌の浄化方法において、前記土壌に混入している前記ダイオキシン類を前記油に抽出した後、前記土壌と前記油と前記ダイオキシン類との混合物をふるいを用いて粗粒区分と該粗粒区分以外の細粒区分とに分離し、その後、前記細粒区分から前記ダイオキシン類を含む前記油を分離し、この分離物中の前記ダイオキシン類を無害化する無害化処理を行うことを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  5. 請求項2〜4いずれか1項に記載の汚染土壌の浄化方法において、前記ダイオキシン類を含む前記油を分離した後、この分離物を前記土壌に接触せしめる前記油として再利用することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  6. 請求項2〜4いずれか1項に記載の汚染土壌の浄化方法において、前記ダイオキシン類を含む前記油を分離した後、この分離物を前記土壌に接触せしめる前記油として繰り返し利用し、この繰り返し利用した分離物中の前記ダイオキシン類が所定濃度以上となったら、この分離物中の前記ダイオキシン類を無害化する無害化処理を行うことを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  7. 請求項2〜6いずれか1項に記載の汚染土壌の浄化方法において、前記ダイオキシン類を無害化する無害化処理を行った前記油を前記土壌に接触せしめる前記油として再利用することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  8. 請求項1記載の汚染土壌の浄化方法において、前記土壌に混入している前記ダイオキシン類を前記油に抽出した後、前記土壌と前記油と前記ダイオキシン類との混合物をふるいを用いて粗粒区分と該粗粒区分以外の細粒区分とに分離し、その後、この粗粒区分から前記油及び前記ダイオキシン類を分離すると共にこの分離物から前記油と前記ダイオキシン類とを分離することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  9. 請求項1記載の汚染土壌の浄化方法において、前記土壌に混入している前記ダイオキシン類を前記油に抽出した後、前記土壌と前記油と前記ダイオキシン類との混合物をふるいを用いて粗粒区分と該粗粒区分以外の細粒区分とに分離し、その後、この細粒区分から前記油及び前記ダイオキシン類を分離すると共にこの分離物から前記油と前記ダイオキシン類とを分離することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  10. 請求項8記載の汚染土壌の浄化方法において、前記粗粒区分から前記油及び前記ダイオキシン類を分離した後、この分離物を前記土壌に接触せしめる前記油として繰り返し利用し、この繰り返し利用した分離物中の前記ダイオキシン類が所定濃度以上となったら、この分離物から前記油と前記ダイオキシン類とを分離することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  11. 請求項9記載の汚染土壌の浄化方法において、前記細粒区分から前記油及び前記ダイオキシン類を分離した後、この分離物を前記土壌に接触せしめる前記油として繰り返し利用し、この繰り返し利用した分離物中の前記ダイオキシン類が所定濃度以上となったら、この分離物から前記油と前記ダイオキシン類とを分離することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  12. 請求項1〜11いずれか1項に記載の汚染土壌の浄化方法において、前記油として油脂類を採用したことを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  13. 請求項1〜12いずれか1項に記載の汚染土壌の浄化方法において、前記土壌に前記油を接触せしめた後、この土壌に前記油を分散する性質を有する分散液を混合することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  14. ダイオキシン類に汚染された土壌に油を接触せしめ該土壌に混入している前記ダイオキシン類を該油に抽出することで該土壌を浄化する方法であって、焼却灰や飛灰などの無機マトリックスに隠蔽されたダイオキシン類が混入している土壌と、パルチミン酸,ステアリン酸,オイレン酸若しくはリノール酸を含む油とを攪拌装置を用いて該油を分散する性質を有する分散液と共に攪拌混合し、前記無機マトリックス同士及び前記無機マトリックスと前記土壌とを擦り合わせて物理的に破壊せしめると共に、前記無機マトリックスを前記油に含まれるパルチミン酸,ステアリン酸,オイレン酸若しくはリノール酸の酸化作用により化学的に分解することで前記無機マトリックスから前記ダイオキシン類を露出させて該ダイオキシン類が前記油と接触可能な状態を作出せしめ、続いて、この油と土壌と分散液との混合物をふるいを用いて粗粒区分と該粗粒区分以外の細粒区分とに分離し、続いて、この粗粒区分若しくは細粒区分に対し、前記油及び分散液を分離する処理を行い、続いて、この分離した油若しくは分散液に含まれる前記ダイオキシン類が所定濃度以下であったらそのまま前記土壌に加える油若しくは分散液として再利用し、この分離した油若しくは分散液に含まれる前記ダイオキシン類が所定濃度以上であったら該油若しくは分散液に前記ダイオキシン類を無害化する無害化処理を行った後に再利用することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
JP2002150697A 2002-05-24 2002-05-24 汚染土壌の浄化方法 Expired - Fee Related JP4065141B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002150697A JP4065141B2 (ja) 2002-05-24 2002-05-24 汚染土壌の浄化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002150697A JP4065141B2 (ja) 2002-05-24 2002-05-24 汚染土壌の浄化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003340422A JP2003340422A (ja) 2003-12-02
JP4065141B2 true JP4065141B2 (ja) 2008-03-19

Family

ID=29768489

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002150697A Expired - Fee Related JP4065141B2 (ja) 2002-05-24 2002-05-24 汚染土壌の浄化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4065141B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005014873A1 (ja) * 2003-08-06 2005-02-17 Nisshin Steel Co., Ltd. ステンレス鋼の加工硬化材

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI674154B (zh) * 2017-11-10 2019-10-11 中國石油化學工業開發股份有限公司 受汙染土壤之整治方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005014873A1 (ja) * 2003-08-06 2005-02-17 Nisshin Steel Co., Ltd. ステンレス鋼の加工硬化材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003340422A (ja) 2003-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
PL171613B1 (pl) Sposób usuwania szkodliwych substancji organicznych z zanieczyszczonych cial stalych PL
JP6619160B2 (ja) 土壌浄化工法、土壌浄化システム、及びスパージングロッド組立体
JP4065141B2 (ja) 汚染土壌の浄化方法
JP2006247483A (ja) 汚染土壌の処理方法
JP3918657B2 (ja) 汚染土壌の浄化方法及び浄化装置
US20220001394A1 (en) Washing treatment system and washing treatment method for contaminated soil
KR20100077479A (ko) 잔류성 유기화합물 및 중금속에 오염된 토양의 복원 세척방법.
JP3748000B2 (ja) 石油系油汚染土壌の修復方法
JP3236219B2 (ja) 土壌浄化工法及び装置
TW201918296A (zh) 受汙染土壤之整治方法
JP2000102794A (ja) 有害物質処理方法およびその装置
JP2920137B1 (ja) 飛灰の無毒化と塩の分離と資源化を一貫処理するプロセス
JP3221558B2 (ja) 土壌浄化工法及び装置
JP2004113976A (ja) 土壌浄化剤及び土壌浄化方法
JP2002233859A (ja) 油脂性の有害物質を含有する汚染土壌等の浄化方法及びその浄化設備並びに浄化システム
JP2006192413A (ja) 汚染土壌の浄化方法
JP2006043650A (ja) 汚染土壌の浄化処理装置
JP2001300506A5 (ja)
JP2000167531A (ja) 土壌、水またはスラッジ中の有機系有害物質除去方法
JP2004057886A (ja) 有機塩素化合物系有害物を含む固形の汚染材料から同有害物を除去する方法
KR100235561B1 (ko) 오염토양 복원용 계면활성제 조성물 및 이를이용한 오염토양복원방법
JP2004322073A (ja) 汚染土壌の処理方法
JP4319531B2 (ja) 使用残農薬の処理方法とその装置
EP3429768A1 (en) Process for treating soils contaminated by organic non-hydrocarbon water insoluble pollutants
JP2003211143A (ja) 土壌浄化装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050322

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070402

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4065141

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120111

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130111

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees