JP4063690B2 - 被覆型廃棄物最終処分場の構造物の遮水工法及びその構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は屋根等で上方を覆う被覆型廃棄物最終処分場の遮水工法および遮水構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年産業廃棄物等の種々の廃棄物の増加に伴い、地面を掘り下げ、または周囲にコンクリート壁を設ける等をして、その中に廃棄物を投棄している。このような廃棄物処分場ではさらに雨水の流入の防止や風による飛散を防止するために屋根を設けた被覆型廃棄物処分場が知られている。(特許文献1)。
【0003】
投棄された廃棄物から生ずる汚水が外部の土壌にしみ出して拡散するのを防止するために処分場には汚水拡散防止のために合成樹脂等の遮水シートを敷設している。
【0004】
しかしながら屋根を設けた場合には必然的に屋根を支持するコンクリート構造物としての柱が必要となり、柱を立設するためには敷設した遮水シートを貫通させねばならず、そのために柱が遮水シートを貫通する部分の遮水手段が必要となる。
【0005】
また廃棄物の最終処分場には、場合によってコンクリート製のピットを設置することがある。このような場合も、やはり遮水シートとコンクリート構造物としてのコンクリート製のピットとの間の遮水が問題となる。
【0006】
さらに排水管を設け汚水を汚水処理場に導く必要がある場合には、その排水管が遮水シートを貫通する部分に同様な問題が生ずる。
【0007】
廃棄物処分場の遮水シートの損傷を検出するために使用される測定電極を、高い精度で、且つ設置後のずれを防止するように設置する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
又、遮水効果を確実にし、施工時における遮水シートと不織布等との剥れを防止し、不織布等の製品破壊を防止する技術も知られている。
【0008】
【特許公報1】
実用新案登録第3040303号公報(要約、図1)
【特許文献2】
特開2002-102816号公報(第3−6頁、図1)
【0009】
然るに、上述の二つの公知の技術は共に遮水シートを貫通するコンクリート構造物である柱、コンクリート製のピットや管等の貫通位置からの漏洩防止に関する技術は未だ確立していない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、遮水シートを有し、かつ埋立地の上方に延在する被覆手段によって覆う被覆型廃棄物最終処分場の、遮水シートを貫通する構造体とシートとの境界近傍の漏洩を廉価で且つ確実に防止出来る被覆型廃棄物最終処分場の遮水工法及び遮水構造を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、埋立地(1)の上方に延在する被覆手段(2)によって覆う被覆型廃棄物最終処分場(F)の遮水工法において、その被覆手段(2)を支持するためのコンクリート構造物(3)の垂直表面(3a)に遮水シート(4)を固定するための複数のアンカー付シート(5)を予めコンクリート構造物用型枠内(30)の内周面に互いに重ね代部(5c)が形成されるように配置して取付けるアンカー付シート取付け工程(図5)と、その複数のアンカー付シート(5)が取付けられた複数の型枠(30)同士を組立てる組立工程(図6)と、組立てられた型枠(30)に生コンクリート(Ca)を打設するコンクリート打設工程(図7)と、打設されたコンクリートが硬化(C)した後に型枠(30)を取り外す型枠脱型工程(図8)と、型枠(30)を取り外した後に前記重ね代部(5c)によって隣り合うアンカー付シート(5)同士を接合させる接合工程(図9)、とを有し、コンクリート構造物(3)に取付けられ隣り合う同士が接合されたアンカー付シート(5)に、敷設される遮水シート(6)を熱溶着によって接合する(請求項1)。
【0012】
前記型枠(30)のアンカー付シート(5)を取付けた上方にアンカー付シートの無い領域(K)、アンカー付シート(5)の順にアンカー付シート(5)を1回以上追加して取付ける工程と、アンカー付シート(5)に重ね代部(6c)によって重ね合わせられつつアンカー付シートの無い領域(E)を遮水シート(6)で被覆する工程とを含む(請求項2)。
【0013】
また本発明によれば、埋立地(1)の上方に延在する被覆手段(2)によって覆う被覆型廃棄物最終処分場(F)の遮水構造において、その被覆手段(2)を支持するためのコンクリート構造物(3)の垂直表面(3a)を遮水シート(4)で遮水するために、遮水シート(4、6)を固定するための複数のアンカー付シート(5)と、そのアンカー付シート(5)の隣り合う境界部が重ね代(5c)によって重ねられて垂直面を被覆されるように取付けられたコンクリート構造物(3)と、埋立地底面部(1a)及び法面部(1b)に敷設された遮水シート(4)、とを有し、前記コンクリート構造物(3)に取付けられたアンカー付シート(5)に敷設された遮水シート(4)が熱溶着によって接合されるように構成され、前記型枠(30)のアンカー付シート(5)を取付けた上方にアンカー付シートの無い領域(K)、アンカー付シート(5)の順にアンカー付シート(5)が1個以上追加され、アンカー付シートの無い領域(K)はアンカー付シート(5)に重ね合わせられた遮水シート(6)で被覆されている(請求項3)。
尚、埋立地底面部(1a)及び法面部(1b)に敷設する遮水シート(4)は、埋立地(1)表面から上方へ順に、非浸透性の例えば合成ゴム製のシート材(4A)、不織布(4B)、導電性不織布(4C)(電気式漏水検知器を設けない場合は不要)、合成樹脂製のシート材(4A)を積層して用いることが好ましい。
【0015】
上述したような工法及び構造の本発明によれば、コンクリート構造物(3)の垂直面(3a)はアンカー付シート(5)で被覆され、そのアンカー付シート(5)の上方まで埋立地(1)に敷設した遮水シート(4)が巻き上げられ、その遮水シート(4)の端部がアンカー付シート(5)に熱溶着によって接合されるので、埋立地表面(1c)のコンクリート構造物(3)の貫通位置はアンカー付シート(5)及び遮水シート(4)で完全に密封状体に被覆され、上方も構造物によって覆われているので、降雨や出水時の水は廃棄物で埋め立てられた領域(1d)には浸透することは無い。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
【0020】
先ず、図1〜図14を参照して、第1実施形態を説明する。
図1において、被覆型廃棄物最終処分場Fの、埋立地1の上方を覆う被覆手段である屋根部材2は複数のコンクリート柱3によって支持されている。図示の例では、掘削して作られた埋立地1は底面部1aと法面部1bとで形成されるすり鉢状断面の窪地1cに処分するべき廃棄物を埋め立てた埋立て領域1dとで構成されている。
【0021】
前記埋立地1の法面部1bと底面部1a及び埋立て領域1dの表面1eは、非浸透性の、例えば合成樹脂製の遮水シート4で全面が被覆されている。
【0022】
図2〜図4は、埋立地1の法面部1bと底面部1a及び埋立て領域1dの表面1eに被覆した遮水シート4を貫通するように立設したコンクリート柱3の貫通位置及び柱3自身の遮水構造を説明するための図であり、実際の処分場Fのコンクリート柱3の位置を示すものではない。図2、3は法面部1bに立設した柱3の周囲、図4は底面部1aに立設した柱3の周囲を示している。尚、図2中、符号3cはコンクリート柱3の基礎部を示す。
【0023】
図2において、法面部1bには予め遮水シート4によって被覆されており、その遮水シート4を貫通するようにコンクリート柱3が法面1bに立設されている。
【0024】
図5〜図8をも参照して、そのコンクリート柱3の垂直表面3aの断面構造について説明する。図5は図2のA部、図6は図2のB部、図7は図2のC部、図8は図2のD部をそれぞれ示している。すなわち前記遮水シート4を液密に固定するための遮水機能を有するアンカー付シート50がアンカー部50bをコンクリートの内部に埋め込まれ、シート部50aが柱表面3aを覆うように取付けられている。
【0025】
そして、上下2箇所のアンカー付シートの間の所定の間隔Lをあけた領域Kには、専用の遮水シート6が巻き付けられ、シート4の端部が上下2箇所のアンカー付シート50に熱溶着T3、T4によって固定されている。
【0026】
図7(図2のC部)を参照して、更に詳しく当該部位の遮水構造について説明する。図示の例では、遮水シート4は、埋立地表面(法面1b)から上方に順に、非浸透性の例えば合成樹脂製の透水シート材4A、不織布4B、導電性不織布4C、遮水シート材4Aを積層して構成されている。
ここで導電性不織布4Cは、図示しない漏水検知器を用いて例えば廃棄処分土壌に含まれる物体或いは上方からシート4上面に落下する物体等によってシート4全体が破れ、漏水が発生した場合に生じる電流値または電位差等の変化を漏水検知器に伝えるために積層されている。
また、不織布4Bは遮水シート4の上面から衝撃的に外力が加わってもその衝撃を受け止め、最下層のシート材4Aの破損を防止するために積層されている。
【0027】
積層された遮水シート4は、最下層の遮水シート4Aがコンクリート柱3の垂直面3a(アンカー付シート5の垂直面)に沿って所定の高さhまで立ち上げられる。
以降の遮水施工の工程に関しては、次のアンカー付シート5のコンクリート柱3への取付け工程の説明の後に説明する。
【0028】
アンカー付シート5のコンクリート柱3への取付け工程を図10〜図14を参照して説明する。
図10において、遮水シート4を固定するための複数のアンカー付シート5を予めコンクリート構造物用型枠30の内周面に図示では明確には示していないが、互いに重ね代部が形成されるように配置して取付ける。尚、型枠30に取付けるに際して、アンカー部5bは形成されるコンクリート柱の中心を向くように配置される。
【0029】
次の図11では、その複数のアンカー付シート5が取付けられた複数(図示の例では4個)の型枠30同士を組立てる。そして、組立てられた型枠30に生コンクリートCaを打設する(図12)。打設されたコンクリートが硬化(C)した後に、型枠30を取り外し(図13)、型枠(30)を取り外した後に前記重ね代部(5c)によって隣り合うアンカー付シート(5)同士を例えば熱溶着して接合させる(図14)。
【0030】
再び図7を参照して、前記遮水シート4の最下層の遮水シート4Aはコンクリート柱3の垂直面3a(アンカー付シート5)に沿って所定の高さhまで立ち上げられており、その最下層の遮水シート4Aの端部をコンクリート柱3に被覆したアンカー付シート5に熱溶着T1させて接合する。
【0031】
さらに、不織布4B、導電性不織布4Cを挟み込んだまま最上層の遮水シート4Aの端部を前述の熱溶着したよりも上方まで巻き上げ、その位置で最上層の遮水シート4Aのシートをアンカー付シート5に熱溶着T2させて接合する。
【0032】
そのように、最上層の遮水シート4Aのシートをそれ以下の層のシート4C、4Bを包み込むようにしてアンカー付シート5に液密に接合するため、コンクリート柱3の垂直面を伝わって、遮水シート4のコンクリート柱3の貫通による隙間から直下の埋立地1内に水が圧力により侵入することが防止される。
【0033】
図7が法面の上方側の遮水構造を示しているのに対して、図8は同じコンクリート柱の法面の下方側の遮水構造を示すもので、基本構造は同じである。
ここで、符号4Aは合成樹脂製シート、4Bは不織布、4Cは導電性不織布であり、遮水シート4は4層で構成されている。
【0034】
図6は、図2のB部を詳細に示した図で、コンクリート柱3を被覆したアンカー付シート5の上端部近傍を示している。ここでは、アンカー付シート5の上方のむき出しになったコンクリート柱3を別の遮水シート6によって被覆する様を示した例である。C部(図7)の例と同様に、遮水シート6は熱溶着T3によってアンカー付シート5に接合される。
【0035】
図5は、図2のA部を詳細に示した図で、別の遮水シート6の上方のコンクリート柱3にアンカー付シート50が被覆してあり、遮水シート6の上端部をアンカー付シート50に熱溶着T4により接合している様を示している。
【0036】
図3の例は、図2の例に対して、更にコンクリート柱3の上方に遮水シート60とアンカー付シート55を追加して施工したものであり、基本構造は図2の例と同様である。
【0037】
図4は、図2及び図3が法面に立設したコンクリート柱3に対して遮水処理する場合を示したのに対して、埋立地の底面部1aに立設したコンクリート柱に対して遮水処理する場合を示している。
【0038】
図4のE部およびF部は、図9で詳細を示すように、図7及び図8と同様の構成の不織布と合成樹脂製シートよりなる遮水シート4が用いられ、したがって遮水シート4とアンカー付シート5との接合も同様な方式で行われる。
【0039】
上述したような方法及び構造の第1実施形態によれば、埋立地1の表面を被覆する遮水シート4におけるコンクリート柱3の貫通部は遮水シート4がコンクリート柱3の垂直面3aの所定の高さまで巻き上げられ、且つ、コンクリート柱3に組み込まれたアンカー付シート5と遮水シート4は熱溶着によって、液密にシールされるので埋立地1上方の水が水圧により埋立地1内への浸入することは阻止される。
遮水処理には、金属性の材料を使用しないので、電気式漏水検知器を用いる廃棄物最終処分場では、計測・解析環境の向上及び精度の確保が可能となる。
さらに、建築物のコンクリート製地中杭等にも適用することで、地中杭等が地質や地下水質の影響で腐食することを防止することも出来る。
【0040】
次に図15及び図16を参照して、第2実施形態を説明する。
図1〜図14の第1実施形態はコンクリート柱3が埋立地1の法面部1b及び底面部1aに立設した際のコンクリート柱3が埋立地表面1eを被覆する遮水シート4を貫通するのに対する遮水方法及び構造を説明するものであったのに対して、図15及び図16の第2実施形態は、法面部1b上方に設置されたコンクリート製のピット8が埋立地1を被覆する遮水シート4を貫通するのに対する遮水方法及びその構造を示したものである。
【0041】
原水ピット8の垂直面の表面を被覆するように取付けられたアンカー付シート57の形状及び大きさは、第1実施形態のアンカー付シート5と異なるものの、遮水シート4及びアンカー付シート57への遮水シート4の接合方法及び構造は図7に示した例と同様である。
【0042】
図17〜図19の第3実施形態は、埋立地1の端部の保護コンクリート構造物Cの端面30eから突出する浸出水集水管90および浸透水排水管95の突出部90a、95a近傍の遮水方法及びその構造を示したものである。以下に、埋立地の端部の保護コンクリート構造物Cの端面30eに突出する浸出水集排水管90および浸透水集排水管95の突出部90a、95a近傍の遮水方法及びその構造について説明する。
【0043】
図17及び図18において、埋立地1の端部の保護コンクリート構造物Cには、集水溝M及び排水溝Nが隣接して設けられている。その集水溝M及び排水溝Nに流れ込むように埋立地1に埋設された浸出水集排水管90および浸透水集排水管95が埋立地1の端部の保護コンクリート構造物Cの端面30aから突出している。
【0044】
図18のX−X断面図である図19をも参照して、一方、埋立地1の端部の保護コンクリート構造物Cの端面30aは、浸出水集排水管90および浸透水集排水管95の突出部90a、95aを貫通させる穴部40a(90aに対応、95aに対応の穴部は図示していない)が形成された遮水シート40で被覆する。尚、図19では浸出水集排水管90のみが描かれており、したがって以降は浸出水集排水管90周りについてのみ説明するが、浸透水集排水管95についても同様である。
【0045】
その遮水シート40は、端面30aから外方(図示では左方)に向かって順に非浸透性の遮水シート材40A、不織布40B、導電性不織布40C、遮水シート材40Aを積層して構成されている。尚、図示では明確に示されていないが、保護コンクリート構造物の端面30aには第1実施形態及び第2実施形態で用いたアンカー付シートと同様のシートが事前に設けられる。そして、前記内方及び外方の遮水シート40Aがそのアンカー付シートに熱溶着T5、T6によって接合される。
【0046】
他方、浸出水集排水管90の突出部90aには、突出部90aの所定の長さだけ被覆(65b)し、前記遮水シート40に重ね合わされる円形の鍔部65aを有するシール用遮水シート65を貫通する。そして、該円形の鍔部65aは、前記遮水シート40に重ね合わされた後、遮水シート40と熱溶着T7によって接合する。
【0047】
係る工法及び構造を有する第3実施形態によれば、浸出水集排水管90、95の突出部90a、95aは、遮水シート40およびシール用遮水シート65よって液密に接合されるため、埋立地1からは浸出水集排水管90、95を除くいかなる場所からも埋立地1内の汚水等が外部に漏洩しない。
廃棄物最終処分場における柱他立坑に限らず、ピット、桝、集排水管保護コンクリート、監査廊など、遮水シートを貫通するあらゆるコンクリート構造物に適用出来る。
また、廃棄物最終処分場に限らず、溜池、ダムなど遮水シートによる遮水を施す施設にも適用することが出来る。
【0048】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記載ではなく、例えば、第1実施形態のコンクリート柱3及びその型枠30の水平断面は図示の例では矩形であるが、円形断面であってもよい。
また、第3実施形態のシール用遮水シート65の鍔部、及び遮水シート40の突出部よけの穴部40aは円形であるが、矩形としてもよい。
更に、遮水シートの材料は、塩化ビニルに限るものではなく、合成ゴム、ポリエチレン、ウレタン等廃棄物最終処分場の遮水材料として一般的に用いられる材料の全てが適用可能である。
又、アンカー付シートは、従来のコンクリート構造物施工方法と同様に、構造物の構造・形状等に応じて使用される型枠の形状・大きさに分割・切断加工することが可能である。
【0049】
【発明の効果】
本発明の作用効果を、以下に列挙する。
(1) 埋立地の表面を被覆する遮水シートにおける構造物の貫通部は遮水シートが構造物の垂直面の所定の高さまで巻き上げられ、且つ、構造物に組み込まれたアンカー付シートと遮水シートは熱溶着によって、液密にシールされるので埋立地上方の水が水圧によって埋立地内へ浸入することは阻止される。
(2) 金属性の材料を使用しないので、電気式漏水検知器を用いる廃棄物最終処分場では、計測・解析環境の向上及び精度の確保が可能となる。
(3) 建築物のコンクリート製地中杭等にも適用することで、地中杭等が地質や地下水質の影響で腐食することを防止することも出来る。
(4) 浸出水集排水管の突出部は、遮水シートおよびシール用遮水シートよって液密に接合されているため、埋立地からは浸出水集排水管を除くいかなる場所からも埋立地内の汚水等が外部に漏洩しない。
(5) 廃棄物最終処分場における柱他立坑に限らず、ピット、桝、集排水管保護コンクリート、監査廊など、遮水シートを貫通するあらゆるコンクリート構造物に適用出来る。
(6) 廃棄物最終処分場に限らず、溜池、ダムなど遮水シートによる遮水を施す施設にも適用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1〜第3実施形態の被覆型廃棄物最終処分場の断面図。
【図2】本発明の第1実施形態の法面部に立設するコンクリート柱周辺の遮水構造の一例を示す模式図。
【図3】本発明の第1実施形態の法面部に立設するコンクリート柱周辺の遮水構造の他の例を示す模式図。
【図4】本発明の第1実施形態の底面部に立設するコンクリート柱周辺の遮水構造を示す模式図。
【図5】図2〜図4のA部詳細断面図。
【図6】図2〜図4のB部詳細断面図。
【図7】図2及び図3のC部詳細断面図。
【図8】図2及び図3のD部詳細断面図。
【図9】図4のF部詳細断面図。
【図10】本発明の第1実施形態における施工手順を順に説明する第1工程図。
【図11】本発明の第1実施形態における施工手順を順に説明する第2工程図。
【図12】本発明の第1実施形態における施工手順を順に説明する第3工程図。
【図13】本発明の第1実施形態における施工手順を順に説明する第4工程図。
【図14】本発明の第1実施形態における施工手順を順に説明する第5工程図。
【図15】本発明の第2実施形態の構成及び構造を示した構造説明図。
【図16】図15の要部詳細断面図。
【図17】本発明の第3実施形態の概略構成を示す側面図。
【図18】図17に対応する正面図。
【図19】図18のX−X断面詳細図。
【符号の説明】
1・・・埋立地
2・・・屋根
3・・・コンクリート構造物(コンクリート柱又は構造物)
4、40・・・遮水シート
5、50、55・・・アンカー付シート
6、65・・・遮水シート
8・・・原水ピット
30・・・型枠
65・・・シール用遮水シート
90・・・浸出水集排水管
95・・・浸透水集排水管
Claims (3)
- 埋立地の上方に延在する被覆手段によって覆う被覆型廃棄物最終処分場の遮水工法において、その被覆手段を支持するためのコンクリート構造物の垂直表面に遮水シートを固定するための複数のアンカー付シートを予めコンクリート構造物用型枠の内周面に互いに重ね代部が形成されるように配置して取付けるアンカー付シート取付け工程と、その複数のアンカー付シートが取付けられた複数の型枠同士を組立てる組立工程と、組立てられた型枠内に生コンクリートを打設するコンクリート打設工程と、打設されたコンクリートが硬化した後に型枠を取り外す型枠脱型工程と、型枠を取り外した後に前記重ね代部によって隣り合うアンカー付シート同士を接合させる接合工程とを有し、コンクリート構造物に取付けられ隣り合う同士が接合されたアンカー付シートに、敷設される遮水シートを熱溶着によって接合することを特徴とする被覆型廃棄物最終処分場の構造物の遮水工法。
- 前記型枠のアンカー付シートを取付けた上方にアンカー付シートの無い領域、アンカー付シートの順にアンカー付シートを1回以上追加して取付ける工程と、アンカー付シートに重ね代部によって重ね合わされつつアンカー付シートの無い領域を遮水シートで被覆する工程とを含むことを特徴とする請求項1の被覆型廃棄物最終処分場の構造物の遮水工法。
- 埋立地の上方に延在する被覆手段によって覆う被覆型廃棄物最終処分場の遮水構造において、その被覆手段を支持するためのコンクリート構造物の垂直表面を遮水シートで遮水するために、遮水シートを固定するための複数のアンカー付シートと、該アンカー付シートの隣り合う境界部が重ね代によって重ねられて垂直面を被覆されるように取付けられたコンクリート構造物と、埋立地底面部及び法面部に敷設された遮水シート、とを有し、前記コンクリート構造物に取付けられたアンカー付シートに敷設された遮水シートが熱溶着によって接合されるように構成され、前記型枠のアンカー付シートを取付けた上方にアンカー付シートの無い領域、アンカー付シートの順にアンカー付シートが1個以上追加され、アンカー付シートの無い領域はアンカー付シートに重ね代部によって重ね合わせられた遮水シートで被覆されていることを特徴とする被覆型廃棄物最終処分場の構造物の遮水構造。
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