JP4062461B2 - スイッチ用防塵カバー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防塵、防水性が求められるスイッチの保護カバー構造に関し、スイッチの操作形態によって発生するカバーの浮上がりを防止するスイッチ用防塵カバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスイッチ用防塵カバーは図7に示すように、パッキン26の周囲に設けられた圧入溝27にカバー30のリブ31を軽く圧入して構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のスイッチ用防塵カバーにあっては押しボタンスイッチ等のように操作方向が押下方向のみの場合はパッキンとカバーの嵌合強度はそれ程強い必要がないが、ロッカスイッチのようにカバーに横方向の剥離荷重が加えられるとカバーがパッキンから浮上がってしまう場合があった。
このような場合、カバーとパッキンは接着によって固定される必要があり、接着工数がかかるだけでなく、接着されたカバーがメンテナンスの障害となっていた。
本発明は以上の課題を解決するために発明されたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
フランジ部を設けたスイッチ本体に装着し、スイッチの操作部を覆う防塵カバーであって、枠体からなるパッキンと柔軟な弾性部材により形成されたカバーからなり、前記パッキンの上面の周囲に圧入溝を設けるとともに該圧入溝の一部に溝幅が広い段部を有する貫通孔を複数穿設し、しかも前記圧入溝に対向して連なる凸部を前記カバーに設けるとともに前記貫通孔に対応する凸部にアンダカット部を形成して前記パッキンの圧入溝に前記カバーの凸部を圧入するとともに前記貫通孔の段部と前記アンダカット部で凹凸係合させるように構成する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以上のように構成することにより、操作の度に横荷重が加えられるロッカスイッチ等の防塵カバーに使用することが可能となり、カバーとパッキンの組合わせが容易で嵌合強度に優れた防塵カバーを得ることができる。
【0006】
【実施例】
以下、本実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明のスイッチ用防塵カバーの実施例を表す正面断面図であり、図2はその平面図(カバーは図示せず)、図3はそのカバーとパッキンの分解斜視図である。また、図4は図2における断面B−B部の部分拡大断面図であり、図5は図2における断面A−A部の部分拡大断面図である。そして図6はカバーの底面外観図である。
【0007】
これらの図において、波形の操作部からなるボタン3とこのボタン外周を取り巻く長方形のフランジ部を有するロッカスイッチ本体1がそのフランジ部2を略額縁状のパッキン6に掛止した状態で取付けられ、さらにボタン3を覆うようにパッキン6にカバー10が被せてロッカスイッチ操作部側からの塵埃等の侵入を防止する。
【0008】
カバー10はロッカスイッチの操作性やボタン3の切換状況を外部から目視できるように柔軟な透明部材などから形成され、底面部の周囲には連続したリブ11が形成されている。このリブ11はカバー10の柔軟な特性を利用して図4のB−B拡大断面図に示すように断面を金型構造上無理抜き形状に形成し、さらに対向した短辺の2辺には部分的に図5のA−A拡大断面図のように略くさび形状の明確なアンダカット部12を形成している。(図6D部拡大図参照)
【0009】
そしてパッキン6の上面の外周部には前記カバー10のリブ11に対向して圧入溝7が穿設されている。図4のB−B拡大断面図のように金型上圧入溝7の形状が若干の逆テーパ形状を形成するため、カバー10同様無理抜き構造となているがパッキン6の材質は防塵カバーの外郭を形成するため、若干の弾性はあるがカバー10ほど柔軟ではなく、金型構造上、逆テーパは緩やかなものになっており、カバー10のリブ11と圧入されてカバー10がパッキン6から浮上がることを防止する程度の嵌合力を有しているが、さらにカバー10との嵌合強度を十分なものにするため、カバー10の前記アンダカット部12に対向したパッキン6の圧入溝7の一部を図5のA−A拡大断面図のよう下方の溝幅が広い貫通孔8を穿設して前記アンダカット部を掛合する段部9を形成し、カバー10とパッキン6の嵌合強度を向上している。
【0010】
この貫通孔8は前記の段部9の面で金型のパーティングラインを構成するため、構造上無理抜きとする必要がなく、さらにカバー10との嵌合を強固なものとするため、図5に示すようにパッキン段部に鋭角な凸部14を形成することが可能である。(図3C部拡大図参照)
【0011】
従来ロッカスイッチは、ボタンの操作により、操作方向左右にカバーが著しく変形してカバーとパッキンの嵌合部に大きな剥離荷重が加わるため、カバー外れが想定され、塵埃の多量発生環境下で特にボタンの周りに隙間が発生するロッカスイッチについてはカバーを接着付けしていたが、前述の通りに構成した本発明のスイッチ用防塵カバーは、前記したパッキンの圧入溝を強い逆テーパにすることができない欠点を解決し、カバーとの嵌合強度を十分なものにできるため、接着付けが不要となった。また、本発明はロッカスイッチだけに限定されるものでなく、様々な形態のスイッチ用防塵カバーに応用することが可能である。
【0012】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば次のような効果を奏することができる。
(1)パッキンに設けた溝の一部に溝幅が広い段部を有する貫通孔を穿設し、しかも前記貫通孔に対向して連なる凸部の一部にアンダカット部を形成したので、カバーとパッキンの嵌合力が増大し、スイッチの横操作によってもカバーがパッキンから浮き上ることがない防塵カバーを得ることができ、特にロッカスイッチに効果がある。
(2)パッキンに設けた溝の一部に溝幅が広い段部を有する貫通孔を穿設し、しかも前記貫通孔に対向して連なる凸部の一部にアンダカット部を形成したので、パッキンに設けた圧入溝とカバーに設けた凸部を圧入することが、貫通孔とアンダカット部の凹凸係合の案内となるため、パッキンとカバーの組付け作業が極めて容易に行えるとともに強固に組み付けられる効果がある。
(3)パッキンに設けた溝の一部に溝幅が広い段部を有する貫通孔を穿設し、しかも前記貫通孔に対向して連なる凸部の一部にアンダカット部を形成したので、カバーとパッキンの嵌合力が増大し、コストアップの要因である接着作業が不要となる。
(4)パッキンに設けた溝の一部に溝幅が広い段部を有する貫通孔を穿設したので、金型構造が容易で成形性に優れたパッキンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスイッチ用防塵カバーの実施例を表す正面断面図である。
【図2】本発明のスイッチ用防塵カバーの実施例を表す平面図である。
【図3】本発明のスイッチ用防塵カバーの実施例を表す分解斜視図と要部拡大図である。
【図4】本発明のスイッチ用防塵カバーの実施例を表わす部分拡大断面図である。
【図5】本発明のスイッチ用防塵カバーの実施例を表わす部分拡大断面図である。
【図6】本発明のスイッチ用防塵カバーの実施例を表わすカバーの底面外観図と要部拡大図である。
【図7】従来のスイッチ用防塵カバーの正面断面図である。
【符号の説明】
1 ロッカスイッチ本体
2 フランジ部
3、23 ボタン
6、26 パッキン
7、27 圧入溝
8 貫通孔
9 段部
10、30 カバー
11、31 リブ
12 アンダカット部
13 凹部
14 凸部
21 押しボタンスイッチ本体
Claims (1)
- フランジ部を設けたスイッチ本体に装着し、スイッチの操作部を覆う防塵カバーであって、枠体からなるパッキンと柔軟な弾性部材により形成されたカバーからなり、前記パッキンの上面の周囲に圧入溝を設けるとともに該圧入溝の一部に溝幅が広い段部を有する貫通孔を複数穿設し、しかも前記圧入溝に対向して連なる凸部を前記カバーに設けるとともに前記貫通孔に対応する凸部にアンダカット部を形成して前記パッキンの圧入溝に前記カバーの凸部を圧入するとともに前記貫通孔の段部と前記アンダカット部を凹凸係合させたことを特徴とするスイッチ用防塵カバー。
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