しかしながら、上記のような優先度選択スイッチを備えたマルチスロットリーダ/ライタは、下位OSを備えたPCであっても別途専用ドライバソフトをインストールすることなく全てのスロットにアクセスすることができるものの、優先度選択スイッチによって選択されたスロットにしかアクセスすることができない。
即ち、下位OSの場合、優先度選択スイッチにて設定された一つのスロットにのみドライブの割り当てがなされるが、このドライブ割り当てを変更するためには、優先度選択スイッチを切り替えてから、PLUG AND PLAY機能を再度動作させる必要があるという問題があった。ここで、PLUG AND PLAY機能を再度動作させるとは、具体的にはPCのOSの再起動又はUSBケーブルをPCのUSB端子から一旦抜き取った後、再度PCのUSB端子に挿入して装着するという再度の挿抜を意味する。
また、優先度選択スイッチを備えた上記マルチスロットリーダ/ライタを含め、従来から知られている一般的なマルチリーダ/ライタでは、上位OSを備えたPCに接続して使用する場合に、各スロットそれぞれにドライブが割り当てられることに起因する問題も生じる。
具体的には、例えばCF用、SM用、MS用、SD用の各スロット、及び内蔵フラッシュメモリを備えたマルチリーダ/ライタと、上位OSを備えたPCとをUSB接続すると、PCのOSにおいて、例えば、AドライブがFDDに、CドライブがHDDに、DドライブがCDD(CD−ROM用ドライブ)に、Eドライブが内蔵フラッシュメモリに、FドライブがCF用のスロットに、GドライブがSM用のスロットに、HドライブがMS用のスロットに、IドライブがSD用のスロットに、それぞれ割り当てられる。このうち、マルチリーダ/ライタの内蔵フラッシュメモリ及び各スロットに対応した各ドライブE,F,G,H,Iは、一般に、PCでは全てリムーバブルディスクとして認識される。そして、例えば後述の図9(b)に例示するように、ドライブ構成を表示する画面(Windowsでは「マイコンピュータ」)で全て「リムーバブルディスク」として表示される。
これにより、以下の(1)〜(4)のような問題が生じてユーザの使い勝手を悪化させるおそれがあるのである。
(1)多数のリムーバブルディスクがディスプレイ上に表示されると、スロットにメディアを挿入したとき、今入れたメディアがどのドライブなのか判らず対応に苦慮する。
(2)例えば企業内における規則等でネットワークドライブのアサインを多数要求されている場合、リムーバブルディスク用のドライブレター(上記例ではE,F,G,H,I)を確保するのが困難な場合がある。
(3)HDDを多数搭載している場合、或いは多数のパーティションを切って使用している場合などは、それだけでも既に多くのドライブレターが割り振られるため、それに加えて更にリムーバブルディスク用のドライブレターを多数確保するのは困難となる場合がある。Windowsでは、Zまでしかドライブレターを割り振ることができないためである。
(4)「マイコンピュータ」内にリムーバブルディスク用のドライブが多数表示されること自体、邪魔に感じられる場合がある。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、PC等の情報処理装置において認識されるドライブを複数備える周辺装置において、PCがマルチリーダ/ライタに対応するドライバソフト(マルチ対応ドライバ)を備えていない場合に、PLUG AND PLAY機能を再度動作させるといった操作をしなくともドライブの割り当てを変更することができ、しかも、PCがマルチスロットリーダ/ライタに対応するドライバソフトを備えている場合に、ユーザの好みに応じたドライブの割り当てを可能とすることにより、ユーザの使い勝手を良好にすること、及び、そのように構成された周辺装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、少なくとも読取可能なメディアを挿入可能なスロットを複数備え、情報処理装置と接続可能な周辺装置であって、当該周辺装置は、前記情報処理装置が前記スロットに挿入されているメディアにアクセス可能なモードとして、前記複数のスロットのうちメディアが挿入されている単一のスロットにのみアクセス可能な自動切替モードと、前記複数のスロットに個別にアクセス可能なマルチドライブモードと、を備え、更に、前記自動切替モードと前記マルチドライブモードのいずれか一方を選択するためのモード選択手段と、当該周辺装置を前記モード選択手段により選択された前記いずれかのモードに設定するモード設定手段と、を備えたものである。
即ち、自動切替モードとマルチドライブモードのいずれかを任意に選択することができ、当該周辺装置はその選択されたモードに設定される。しかも、自動切替モードにおいては、メディアが挿入されているスロットに対してアクセス(つまりそのスロットに挿入されるメディアにアクセス)することができる。
そのため、本発明(請求項1)記載の周辺装置によれば、情報処理装置がマルチ対応ドライバを備えていない場合であっても、ケーブルを一旦抜いて再度挿入するといったPLUG AND PLAY機能の再度動作などの操作をすることなく、複数スロットのうち任意のスロットにメディアを挿入するだけで、ドライブの割り当てをそのスロットへ変更でき、そのままそのスロットにアクセスすることが可能となる。
しかも、情報処理装置がマルチ対応ドライバを備えている場合であっても、モード選択手段によって自動切替モードを選択すれば、当該周辺装置は自動切替モードとして動作することになり、メディアが挿入されているスロットにのみドライブの割り当てがなされる。つまり、スロットを複数備えたマルチスロットタイプの周辺装置ではあるものの、その複数のスロット全てに各々ドライブを割り当てるか、或いは、メディアを挿入した単一のスロットにのみドライブを割り当てるかを、モード選択手段によってユーザが任意に(好みに応じて)選択することができるため、使い勝手の良好な周辺装置の提供が可能となる。
なお、「アクセス」とは、スロットに挿入されたメディアに対して少なくともデータの読み取りを行うことをいい、データの読み取り・書き込みが共に可能なメディアの場合はその両者を行うことをいう。
次に、請求項2記載の発明は、少なくとも読取可能なメディアを挿入可能なスロットを複数備え、情報処理装置と接続可能な周辺装置であって、当該周辺装置は、前記情報処理装置が前記スロットに挿入されているメディアにアクセス可能なモードとして、前記複数のスロットのうちメディアが挿入されている単一のスロットにのみアクセス可能な自動切替モードと、前記複数のスロットに個別にアクセス可能なマルチドライブモードとを備え、更に、前記自動切替モードと前記マルチドライブモードのいずれか一方を選択するためのモード選択手段を備える。
そして、本発明(請求項2)の周辺装置は、前記情報処理装置から、当該周辺装置が備える前記複数のスロットに対して個別にアクセス可能であることを示すマルチR/Wコマンドを受信する受信手段を備え、モード設定手段が、初期状態では当該周辺装置を前記自動切替モードに設定し、前記モード選択手段により前記マルチドライブモードが選択されている場合であって前記受信手段が前記マルチR/Wコマンドを受信したときは当該周辺装置を前記マルチドライブモードに設定する。
つまり、上記請求項1記載の周辺装置は、モード選択手段にてマルチドライブモードを選択すると、それを受けてモード設定手段が当該周辺装置をマルチドライブモードに設定するものであったが、請求項2記載の周辺装置では、マルチドライブモードを選択した場合であっても初期状態では自動切替モードに設定される。そして、情報処理装置からのマルチR/Wコマンドを受信したときに、マルチドライブモードに設定変更する。即ち、マルチドライブモードを選択しても、マルチR/Wコマンドを受信しない限り、自動切替モードにて動作し続けるのである。
従って、請求項2記載の周辺装置によれば、上記請求項1記載の周辺装置と同様の効果が得られるのに加え、情報処理装置がマルチ対応ドライバを備えていない場合はモード選択手段の選択内容に関係なく自動切替モードに設定されるため、情報処理装置の種類(対応可能なモードの種類)に応じたより適切なモード設定がなされることになり、ユーザの使い勝手がより良好になる。
なお、マルチR/Wコマンドとは、上記のように「当該周辺装置が備える前記複数のスロットに対して個別にアクセス可能であること」を直接的に示すものに限定されず、結果としてそのことが示されているもの、言い換えれば、複数のスロットに個別(独立)にアクセス可能に構成された情報処理装置がその複数のスロットに個別にアクセスするために周辺装置へ出力するコマンド、当該周辺装置からみて情報処理装置がマルチドライブモードに対応していることを認識し得るコマンドをいう。
ここで、上述した、優先度選択スイッチを備える従来のメモリカードリーダ/ライタ(特許文献1参照)では、PCにマルチ対応ドライバがインストールされている場合、優先度選択スイッチにて設定された順番によって各スロットに対するドライブの割り当てが切り替わるので、例えばSM用のスロットに対応したドライブレターが優先度選択スイッチの状態によってDドライブになったりEドライブになったりすることになり、ユーザが混乱してしまうおそれがあるという問題があった。
そこで、上記請求項1又は2記載の周辺装置は、例えば請求項3記載のように、前記マルチドライブモードにおいて、前記情報処理装置が前記複数のスロットに挿入される各メディアに割り当てるドライブレターの順番が、固定順となるよう構成するとよい。
このように構成された周辺装置によれば、マルチドライブモードにおける各スロットのドライブレターの順番が切り替わることなく常に固定されるため、ユーザが各スロットのドライブレターについて混乱してしまうのを防止することが可能となる。
次に、請求項4記載の発明は、請求項1〜3いずれかに記載の周辺装置であって、内部メモリを備え、前記自動切替モードでは、前記複数のスロットのいずれにもメディアが挿入されていない場合にのみ、前記情報処理装置が前記内部メモリにアクセス可能となり、前記マルチドライブモードでは、前記情報処理装置は、前記複数のスロットに加え、前記内部メモリにアクセス可能となるよう構成されたものである。
つまり、複数のスロットに加えて当該周辺装置内部にメモリ(少なくとも読み出し可能)を備えているため、マルチドライブモードにおいては、情報処理装置は、スロットに挿入したメディアに加えて内部メモリにもアクセス可能となる。また、自動切替モードにおいては、複数のスロットのうちいずれか一つのスロットにメディアが挿入されている場合は、情報処理装置はそのスロットにアクセス可能となり、内部メモリにアクセスしたい場合は、全てのスロットからメディアを抜き取ればよい。
従って、請求項4記載の周辺装置によれば、メディア以外に内部メモリにもアクセスすることができ、メディアがない場合であっても当該周辺装置のみで情報処理装置がデータの読み出し又は書き込みを行うことができるため、汎用性の高い周辺装置の提供が可能となる。
尚、内部メモリとしては、例えば、ハードディスク、RAM(ランダムアクセスメモリ)、固定された(カードになっていない、または直接はんだ付けされた)フラッシュメモリ等が挙げられる。
次に、請求項5記載の発明は、少なくとも読取可能なメディアを挿入可能な複数のスロットと、内部メモリとを備え、情報処理装置と接続可能な周辺装置であって、当該周辺装置は、前記情報処理装置が前記各スロットに挿入されているメディア又は前記内部メモリにアクセス可能なモードとして、前記複数のスロットのいずれかにメディアが挿入されている場合は該メディアが挿入されている単一のスロットにのみアクセス可能であって前記複数のスロットのいずれにもメディアが挿入されていない場合は前記内部メモリに対してアクセス可能な自動切替モードと、前記複数のスロットのうちメディアが挿入されている単一のスロット及び前記内部メモリの双方に対して個別にアクセス可能なダブルドライブモードと、前記複数のスロット及び前記内部メモリに対して個別にアクセス可能なマルチドライブモードと、を備える。
そして、前記自動切替モードと前記マルチドライブモードのいずれか一方を選択するためのモード選択手段と、前記情報処理装置から、当該周辺装置が備える前記複数のスロット及び前記内部メモリに対して個別にアクセス可能であることを示すマルチR/Wコマンドを受信する受信手段と、を備え、モード設定手段が、初期状態では当該周辺装置を前記自動切替モードに設定し、前記モード選択手段により前記自動切替モードが選択されている場合であって前記受信手段が前記マルチR/Wコマンドを受信したときは当該周辺装置を前記ダブルドライブモードに設定し、前記モード選択手段により前記マルチドライブモードが選択されている場合であって前記受信手段が前記マルチR/Wコマンドを受信したときは当該周辺装置を前記マルチドライブモードに設定する。
即ち、請求項4記載の周辺装置(但し請求項2を引用したもの)に対し、更に、ダブルドライブモードを設定可能としたものであり、自動切替モードが選択されている場合であって受信手段がマルチR/Wコマンドを受信したときに当該周辺装置をダブルドライブモードに設定するようにしたものである。
従って、自動切替モードを選択した場合であっても、情報処理装置が複数スロットに対応可能なものである場合は、内部メモリと、メディアが挿入されている単一のスロットと、の双方に個別(独立)にアクセスすることが可能となる。これにより、例えば、「全てのスロット及び内部メモリに各々ドライブが割り当てられるのは好まないが、少なくとも内部メモリと、メディアが挿入されているスロットと、の2つについてはドライブが割り当てられるようにしてほしい」といったニーズがある場合により効果的となる。
そして、上記請求項4又は5のように、スロットに加えて内部メモリを備えた場合においても、請求項6に記載のように、前記マルチドライブモードにおいて、前記情報処理装置が前記複数のスロットに挿入される各メディア及び前記内部メモリに割り当てるドライブレターの順番が固定順となるよう構成するとよい。このように構成すれば、請求項3と同様、ユーザが各スロットのドライブレターについて混乱してしまうのを防止することができるという効果が得られる。
ここで、上記各請求項1〜6記載の周辺装置では、自動切替モードの場合、複数のスロットについてはメディアが挿入されている単一のスロットにのみアクセス可能となるよう構成されているが、例えば複数のスロットにそれぞれ同時にメディアが挿入されている場合、どのスロットをアクセス可能とするかを、何らかの方法で決める必要がある。
その方法は種々考えられるが、例えば請求項7に記載のように、前記複数のスロットにメディアを挿入した順番を記憶する記憶手段を備え、前記自動切替モードにおいて、前記複数のスロットのうちの2以上にメディアが挿入されている場合は、前記記憶手段に記憶された順番に基づき、メディアが挿入されている2以上のスロットのうち、メディアが最先に挿入されたスロットである最先メディア挿入スロットを設定し、該最先メディア挿入スロットを、情報処理装置がアクセス可能なスロットとするようにしてもよい。
このようにすれば、自動切替モードにおいて2つ以上のスロットにそれぞれメディアが挿入されている場合であっても、情報処理装置がアクセス可能な単一のスロットを定めることができるため、周辺装置の動作において混乱が生じることがない。
次に、請求項8記載の発明は、少なくとも読取可能なメディアを挿入可能な一つのスロットと、内部メモリとを備え、情報処理装置と接続可能な周辺装置であって、当該周辺装置は、前記情報処理装置が前記スロットに挿入されているメディア又は前記内部メモリにアクセス可能なモードとして、前記スロットにメディアが挿入されている場合は該スロットにのみアクセス可能であって該スロットにメディアが挿入されていない場合は前記内部メモリに対してアクセス可能な自動切替モードと、前記スロット及び前記内部メモリの双方に対して個別にアクセス可能なマルチドライブモードと、を備える。
そして、前記自動切替モードと前記マルチドライブモードのいずれか一方を選択するためのモード選択手段と、前記情報処理装置から、当該周辺装置が備える前記スロット及び前記内部メモリに対して個別にアクセス可能であることを示すマルチR/Wコマンドを受信する受信手段と、を備え、モード設定手段が、初期状態では当該周辺装置を前記自動切替モードに設定し、前記モード選択手段により前記マルチドライブモードが選択されている場合であって前記受信手段が前記マルチR/Wコマンドを受信したときは当該周辺装置を前記マルチドライブモードに設定する。
つまり、スロット一つと内部メモリとを備えた周辺装置において、マルチドライブモードを選択した場合であっても初期状態では自動切替モードに設定される。そして、情報処理装置からのマルチR/Wコマンドを受信したときに、マルチドライブモードに設定変更する。即ち、マルチドライブモードを選択しても、マルチR/Wコマンドを受信しない限り、自動切替モードにて動作し続けるのである。従って、この請求項8記載の周辺装置によれば、上記請求項2記載の周辺装置と同様の効果が得られる。
ここで、内部メモリを備えた上記請求項4〜8いずれかの周辺装置では、自動切替モード時に内部メモリにアクセス可能とするためには、いずれのスロットにもメディアが挿入されていない状態にする必要がある。そのため、例えば、メディアを利用しつつも主として内部メモリを利用するようなユーザにとって、内部メモリにアクセスしようとする度に各スロットのメディア挿入状況を確認するのは煩わしく感じられることが予想される。
そこで、例えば請求項9記載のように、前記情報処理装置のアクセス対象として前記スロット又は前記内部メモリのいずれか一方を選択するためのアクセス選択手段を備え、前記自動切替モードでは、前記アクセス選択手段により選択された一方にのみ前記情報処理装置がアクセス可能となるよう構成してもよい。このように構成された周辺装置によれば、自動切替モードにおけるアクセス対象を、スロット又は内部メモリのどちらかに強制的に設定することができるため、ユーザの使い勝手を更に良好にすることが可能となる。
次に、請求項10記載の発明は、請求項1〜9いずれかに記載の周辺装置であって、前記モード選択手段は、外部操作によって前記自動切替モードと前記マルチドライブモードのいずれか一方を選択可能な選択スイッチと、前記選択スイッチにより選択されたモードを取得する選択モード取得手段と、を備え、前記モード設定手段は、前記いずれかのモードを設定する際、前記選択モード取得手段の取得内容に基づいて前記モード選択手段による選択内容を判断するよう構成されたものである。
即ち、モード選択手段の具体的構成としては種々考えられ、例えば情報処理装置からの制御信号などによって選択できるよう構成することも可能ではあるが、本発明(請求項10)のように、例えば手動操作等によって外部から選択可能な選択スイッチと、その選択内容を取得する選択モード取得手段とにより構成すれば、モード選択手段を簡易的に構成することができる。
次に、請求項11記載の発明は、請求項1〜10いずれかに記載の周辺装置であって、前記情報処理装置が当該周辺装置へアクセス可能なアクセス可能状態であるか否かを判断するアクセス判断手段を備え、前記モード設定手段は、当該周辺装置が起動して前記アクセス判断手段により一旦前記アクセス可能状態と判断された後に、前記アクセス可能状態でなくなったと判断された場合、前記モード選択手段により選択された前記いずれかのモードへの設定を再び実行するよう構成されている。
上記構成の周辺装置によれば、情報処理装置の動作状態とは関係なく当該周辺装置が独立して外部から電源供給を受けて動作するよう構成されている場合に、モード設定を変更したいとき、当該周辺装置の電源を投入したまま(動作継続したまま)であっても、アクセス判断手段によってアクセス可能状態でないと判断されるような状態にすることによって、モード設定を変更することが可能となる。
なお、アクセス可能状態でない場合としては、情報処理装置と周辺装置とが例えばUSBケーブルで接続されている場合にそのUSBケーブルを抜いた場合、情報処理装置を再起動した場合、あるいは情報処理装置の電源をオフにした場合などが挙げられる。
次に、請求項12記載の発明は、請求項1〜11いずれかに記載の周辺装置と、該周辺装置から取得した画像データに基づく画像を記録媒体に記録する記録手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
各種メディアの主な用途の一つとして、既述の通り、デジタルカメラで撮影した画像データを記憶させる場合がある。そして、メディアに記憶された画像データを、プリンタ等の画像形成装置によって記録媒体に記録(例えば印刷用紙に印刷)するという用途・ニーズも多い。
そこで、本発明(請求項12)のように、画像形成装置に上記各請求項1〜11いずれかの周辺装置を搭載すれば、情報処理装置からその周辺装置にアクセスしてメディアに記憶された画像データの読み出しを行うことができると共に、その画像データに基づく画像の記録(印刷等)を指示することもでき、しかもその周辺装置が備える各スロット(又は内部メモリ)へのアクセス可能なモードを、ユーザの好みに応じて上記各請求項1〜11の通り任意に設定することができるため、より効果的である。
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態のマルチリーダ/ライタ(マルチスロットタイプのメモリカードリーダ/ライタ)の斜視図であり、図2はその概略構成を示すブロック図である。図1(a)及び図2に示す如く、周辺装置としてのマルチリーダ/ライタ1は、その前面に、第1外部メモリ(本実施形態ではCF)31挿入用の第1スロット21と、第2外部メモリ(本実施形態ではSM)32挿入用の第2スロット22と、第3外部メモリ(本実施形態ではMS)33挿入用の第3スロット23と、第4外部メモリ(本実施形態ではSD)34挿入用の第4スロット24とを備えている。
また、側面には、本マルチリーダ/ライタ1をシングルドライブモード又はマルチドライブモード(詳細は後述)のいずれのモードで動作させるかを選択的に切り替えるための切替スイッチ15が設けられている。この切替スイッチ15は、ユーザが突起部15aを上下方向に移動することによりモードを選択的に切り替えることができ、図1(a)は、ユーザがこのマルチリーダ/ライタ1をシングルドライブモードで動作させるように設定した状態を示している。そして背面には、図1(b)及び図2に示す如く、USBケーブル38を接続するためのUSB端子14が設けられている。
更に、マルチリーダ/ライタ1は、図2に示す如く、その内部に、各構成部を制御するためのCPU11と、各スロット21〜24にそれぞれ挿入される各外部メモリ31〜34に対するデータの入出力及び切替スイッチ15による選択内容の入力を制御するための入出力制御LSI12と、USB規格に基づくデータ通信の制御用コントローラであるUSBチップ13と、PC36からのファイル操作によってデータの読み書きが可能な内蔵フラッシュメモリ26とを備え、これらがバス16を介して相互に接続されている。
第1スロット21、第2スロット22、第3スロット23、及び第4スロット24は、それぞれ、第1〜第4外部メモリ31〜34が挿入されると物理的にONとなるメモリ検出スイッチ(図示略)を備えており、メモリ検出スイッチがONとなると、その検出信号は、入出力制御LSI12を介してCPU11に割り込みを行う。従って、第1〜第4スロット21〜24に外部メモリが挿入されると、CPU11はどのスロットに外部メモリが挿入されたかを認識するとともに、複数の外部メモリがそれぞれ対応するスロット挿入されると、その挿入の順序も記憶できる。
CPU11は、ROMとRAMを内蔵した構成となっている。このRAMは、第1スロット21、第2スロット22、第3スロット23、及び第4スロット24がそれぞれ備えるメモリ検出スイッチが発信する検出信号の順番を記憶する記憶手段としての機能を有する。なお、本実施形態のマルチリーダ/ライタ1は、PC36からUSBケーブル38を介して供給される電源(バスパワー)によって動作するよう構成されている。
そして、本実施形態では、図2に示す如く、マルチリーダ/ライタ1をUSBケーブル38にてPC36と接続することにより、PC36からマルチリーダ/ライタ1の各スロット21〜24及び内蔵フラッシュメモリ26にアクセスできるようにされている。
次に、上記構成のマルチリーダ/ライタ1において、切替スイッチ15による選択内容に基づくモード設定について、図3に基づいて説明する。図3は、CPU11にて実行されるモード設定処理を示すフローチャートである。マルチリーダ/ライタ1では、CPU11がROM(内蔵)からモード設定処理プログラムを読み出し、このプログラムに従って処理を実行する。このモード設定処理は、PC36の起動によりバスパワーの電源供給を受けて、マルチリーダ/ライタ1がその動作を開始したときに実行されるものである。
この処理が開始されると、まずステップ(以下「S」と略す)110にて、切替スイッチ15の設定(選択)内容を読み取る。そして、S120にて、その読み取った内容を判断する。即ち、切替スイッチ15によってシングルドライブモード(本発明の自動切替モード)が選択されているか、或いはマルチドライブモードが選択されているかを判断する。
このとき、シングルドライブモードが選択されている場合は、S130に進み、当該マルチリーダ/ライタ1の動作モードをシングルドライブモードに設定する。シングルドライブモードとは、第1スロット21、第2スロット22、第3スロット23、第4スロット24、及び内蔵フラッシュメモリ26のうち、一つのスロットのみにメディア(外部メモリ)が挿入されている場合にはそのスロットにのみ、LUN(Logical Unit Number)としてLUN0を割り振ることによってPC36がそのスロットにのみアクセス可能となり、いずれのスロットにもメディアが挿入されていない場合には内蔵フラッシュメモリ26にLUN0を割り振ることによって、PC36が内蔵フラッシュメモリ26にのみアクセス可能となるようなモードである。即ち、PC36はLUN0の割り振られたスロットに挿入されているメディア或いはLUN0の割り振られた内蔵フラッシュメモリ26にのみリード/ライトが可能になるのである。
例えば、図5(a)に示すように、第2スロット22にのみメディア(第2外部メモリ32)が挿入され、第1スロット21、第3スロット23、及び第4スロット24にはメディア(各スロットに対応する外部メモリ)が挿入されていない場合は、第2スロット22にLUN0が割り振られ、PC36は第2スロット22に挿入されている第2外部メモリ32にのみアクセス可能となる。また、第2スロット22に挿入されていたメディア(第2外部メモリ32)を抜き取り、他の1つのスロット(例えば第1スロット21)に新たにメディア(第1外部メモリ31)を挿入すると、その新たにメディアを挿入したスロットにLUN0が割り振られ、PC36はそのスロットに挿入されている外部メモリにのみアクセス可能となる。
また、図5(b)に示すように、いずれのスロットにもメディアが挿入されていない場合は、内蔵フラッシュメモリ26にLUN0が割り振られ、PC36は内蔵フラッシュメモリ26にのみアクセス可能となる。
尚、CPU11は、上述した通り、各スロット21〜24に設けられたメモリ検出スイッチからの割り込み信号により、メディアが挿入されているスロットを認識する。このとき、第1スロット21、第2スロット22、第3スロット23、第4スロット24のうち、2以上のスロットにメディアが挿入されている場合は、それらのスロットのうちで、メディアを最先に挿入したスロットにLUN0を割り振り、PC36はそのスロットに挿入されている外部メモリにのみアクセス可能となる。
例えば、図5(c)に示すように、第3スロット23、第1スロット21、第2スロット22の順番にメディアを挿入し、メディアが全て挿入したままとなっている場合は、メディアを最先に挿入した第3スロット23を最先メディア挿入スロットとしてLUN0を割り振り、PC36とアクセス可能とする。従って、PC36は、第1スロット21に挿入されている第1外部メモリ31と第2スロット22に挿入されている第2外部メモリ32にはアクセスできない。
また、図5(d)に示すように、第2スロット22、第1スロット21、第4スロット24、第3スロット23の順番でメディアを挿入したが、最先に挿入した第2スロット22からは既にメディア(第2外部メモリ32)を抜き取った場合は、メディアが残っている第1スロット21、第3スロット23、及び第4スロット24のうちで、最も先にメディアを挿入した第1スロット21を最先メディア挿入スロットとしてLUN0を割り振り、PC36とアクセス可能とする。この場合は、当然ながら、PC36は第3スロット23に挿入されている第3外部メモリ33と第4スロット24に挿入されている第4外部メモリ34にはアクセスできない。
以上の説明から明らかなように、シングルドライブモードは、何れのスロットにもメディアが挿入されていない場合には内蔵フラッシュメモリ26にLUN0が割り振られることで、PC36は内蔵フラッシュメモリ26にのみアクセスが可能となる。また、一つのメディアのみがスロットに挿入される場合は、そのメディアの挿入されたスロットにLUN0が割り振られるので、PC36はそのメディアにのみアクセス可能となる。また更に、そのメディアがスロットから引き抜かれて、別のメディアが対応するスロットに挿入された場合には、その別のメディアの挿入されたスロットにLUN0が割り振られるので、PC36はその別のメディアにのみアクセス可能となる。
一方、何れのスロットにもメディアが挿入されていない状態から複数のメディアがそれぞれ対応するスロットに挿入された場合には、最先にメディアの挿入されたスロットにLUN0が割り振られるので、PC36はそのメディアにのみアクセス可能となる。そして、そのメディアがスロットから引き抜かれた場合には、2番目にメディアの挿入されたスロットにLUN0が割り振られるので、PC36はその2番目のメディアの挿入されたスロットにのみアクセス可能となる。
従って、シングルドライブモードにおいては、各外部メモリ31〜34の挿入された各スロット21〜24又は内蔵フラッシュメモリ26のうち何れか一つにPC36はアクセス可能となる。そして、各スロット21〜24に対する各外部メモリ31〜34の挿抜に応じて、PC36がアクセス可能な各スロット21〜24又は内蔵フラッシュメモリ26が自動的に切り替わることとなる。即ち、シングルドライブモードは、PC36がアクセス可能な一つのドライブを自動的に切り替える自動切替モードであるともいえる。
尚、各スロットにメディア(外部メモリ)を挿入した順番は、CPU11内蔵のRAMに記憶されている、各スロットのメディア検出スイッチが発する割り込み信号に基づいて決定される。
一方、マルチドライブモードが選択されている場合は、S140にて当該マルチリーダ/ライタ1の動作モードをマルチドライブモードに設定する。マルチドライブモードとは、第1スロット21、第2スロット22、第3スロット23、第4スロット24、及び内蔵フラッシュメモリ26の各々にLUNを割り振ることによって、マルチ対応ドライバを備えたPC36が各スロット21〜24及び内蔵フラッシュメモリ26に対して個別(独立)にアクセス可能となるようなモードである。
LUNの割り振りは、例えば図6に示すように、各スロット21〜24及び内蔵フラッシュメモリ26に対して予め固定値として決められている。即ち、図6の例では、内蔵フラッシュメモリ26にLUN0が割り振られ、第1スロット21にLUN1が割り振られ、第2スロット22にLUN2が割り振られ、第3スロット23にLUN3が割り振られ、第4スロット24にLUN4が割り振られている。
このようにして、切替スイッチ15により選択されたモードへの設定が完了すると、以降、当該マルチリーダ/ライタ1の動作継続中は、その設定されたモードが維持される。そして、モードを変更したい場合は、例えばUSBケーブル38をUSB端子14から一旦抜いて再び接続したり、PC36を再起動させるなどの処理が必要となる。つまり、マルチリーダ/ライタ1を再起動させる必要がある。
尚、図3では図示しなかったものの、バスパワー供給開始によってマルチリーダ/ライタ1が起動すると、当該マルチリーダ/ライタ1は、PCからデバイスチェックコマンドを受信するため、ストレージクラスであることを示すコマンドをPC36へ送信する。これにより、マルチリーダ/ライタ1は、PC36によって大容量記憶装置デバイスとして認識されることになる。
一方、上記説明した図3のモード設定処理と並行して、図4のGET_MAX_LUN応答処理も実行される。GET_MAX_LUNコマンドは、PC36のOSが、PC36にインストールされている、マルチリーダ/ライタ1に対応するドライバソフトに対し、マルチリーダ/ライタ1の持つドライブ総数(スロットと内蔵フラッシュメモリの総数)を問い合わせたとき、ドライバソフトがマルチ対応ドライバである場合にのみ、そのマルチ対応ドライバからマルチリーダ/ライタ1に対して送信されるコマンドである。つまり、GET_MAX_LUNコマンドは、マルチリーダ/ライタ1が備えるドライブの総数を尋ねるコマンドであり、言い換えれば、PC36がマルチ対応ドライバを備えていることを示すコマンドである。
尚、PC36にインストールされているドライバソフトが、マルチ対応ドライバではなくシングルスロットリーダ/ライタのみに対応したものである場合は、PC36のOSからのドライブ総数の問い合わせに対し、ドライバはGET_MAX_LUNコマンドを発信することなく、ドライブ総数が1であるとOSに返答する。
そのため、PC36が備えるOSが、マルチ対応ドライバが標準でインストールされていない下位OSの場合、マルチリーダ/ライタ1にはGET_MAX_LUNコマンドは送信されてこない。つまり、図4のGET_MAX_LUN応答処理が実行されることはない。
これに対し、PC36が備えるOSが、マルチ対応ドライバが標準でインストールされている上位OSの場合は、マルチリーダ/ライタ1にはGET_MAX_LUNコマンドが送信されてくる。そのため、GET_MAX_LUNコマンドを受信したとき、割り込み処理として図4のGET_MAX_LUN応答処理が実行されることになる。
なお、図3のモード設定処理と図4のGET_MAX_LUN応答処理とは、別々に実行される処理(タスク)であるが、上位OSの場合、まず図3のモード設定処理を実行して少なくともモード設定がなされた後に、図4のGET_MAX_LUN応答処理を実行する。
GET_MAX_LUNコマンドを受信することによりこのGET_MAX_LUN応答処理が開始されると、まずS210にて、図3のモード設定処理で設定されたモードを判断する。このとき、シングルドライブモードに設定されていれば、S220にて、LUNの値として「0」をPC36へ返す。LUNの値は、PC36からアクセス可能なドライブ数から1を減じた値であり、シングルドライブモードであればメディアが挿入されている単一のスロット(未挿入時は内蔵フラッシュメモリ26)にのみアクセス可能とするために、LUN=0を返すのである。つまり、スロットを複数備えているものの、シングルドライブモードに設定されている場合は、一つのスロット(又は内蔵フラッシュメモリ26)のみにアクセス可能となるように、ドライブ総数が1つである旨をPC36へ返答するのである。
これに対し、マルチドライブモードに設定されている場合は、S230にて、LUNの値としてドライブ総数nから1を減じた値をPC36へ返す。本実施形態ではドライブ総数n=5であるため、LUN=4を返すことになる。
これにより、シングルドライブモードの場合は、PC36はアクセス可能なドライブ数が一つであることを認識する。そのため、PC36の処理内容を表示するディスプレイ(図示略)において、ドライブ構成を表示(「マイコンピュータ」を表示)させると、図9(a)に示すように、リムーバブルディスクとしてドライブEのみ表示される。つまり、PC36からみればマルチリーダ/ライタ1はあたかもドライブを一つだけ備えた装置にみえるわけである。そして、実際には、マルチリーダ/ライタ1において、メディアが挿入された単一のスロット(メディア未挿入時は内蔵フラッシュメモリ26)にLUN0を割り振るため、PC36からは、ドライブEとしてそのLUN0が割り振られたドライブにのみアクセス可能となる。
一方、マルチドライブモードの場合は、PC36はアクセス可能なドライブ数が五つであることを認識する。そのため、「マイコンピュータ」を表示させると、図9(b)に示すように、リムーバブルディスクとしてドライブE,F,G,H,Iが表示される。つまり、PC36から各スロット21〜24及び内蔵フラッシュメモリ26に対して各々個別(独立)にアクセス可能となる。尚、この場合、本実施形態では、LUN0が割り振られている内蔵フラッシュメモリ26がドライブEに割り当てられ、LUN1が割り振られている第1スロット21がドライブFに割り当てられ、LUN2が割り振られている第2スロット22がドライブGに割り当てられ、LUN3が割り振られている第3スロット23がドライブHに割り当てられ、LUN4が割り振られている第4スロット24がドライブIに割り当てられることになり、このドライブレターの割り当ては固定される。
次に、マルチリーダ/ライタ1が実行するリード/ライト動作について説明する。まず、マルチリーダ/ライタ1がシングルドライブモードに設定されているときのリード/ライト動作について説明する。
PC36がマルチリーダ/ライタ1からデータをリードするとき、図7(a)に示すように、PC36はマルチリーダ/ライタ1に対し、「LUN0を割り振られたスロットに挿入されている外部メモリをリード」のコマンドを送信する。それに対し、マルチリーダ/ライタ1は、LUN0を割り振られたスロット(図7(a)では第2スロット22)に挿入されたメディア(第2外部メモリ32)からデータを読み出し、PC36に送信する。最後に、マルチリーダ/ライタ1は、PC36に対し、OKまたはNGのステータスを送る。
また、PC36がマルチリーダ/ライタ1にデータを書き込むときは、図7(b)に示すように、PC36はマルチリーダ/ライタ1に対し、「LUN0を割り振られたスロットに挿入されている外部メモリにライト」のコマンドを送信する。それに対し、マルチリーダ/ライタ1は、LUN0を割り振られたスロット(図7(b)では第2スロット22)に挿入されたメディア(第2外部メモリ32)に、PC36から送信されたデータを書き込む。最後に、マルチリーダ/ライタ1は、PC36に対し、OKまたはNGのステータスを送る。
尚、LUN0を割り振られたスロットは、上述したように、第1スロット21、第2スロット22、第3スロット23、第4スロット24のうち、1つのスロットのみにメディア(外部メモリ)が挿入されている場合は、そのスロットとなり、2以上のスロットにメディアが挿入されている場合は、それらのスロットのうちで、メディアを最先に挿入したスロットとなり、いずれのスロットにもメディアが挿入されていないメディア未挿入時は、内蔵フラッシュメモリ26となる。
次に、マルチリーダ/ライタ1がマルチドライブモードにあるときのリード/ライト動作について説明する。マルチドライブモードでは、内蔵フラッシュメモリ26、第1スロット21、第2スロット22、第3スロット23、及び第4スロット24には、それぞれ、LUN0、LUN1、LUN2、LUN3、LUN4が固定値として割り振られている。
従って、図8(a)に示すように、PC36がマルチリーダ/ライタ1の内蔵フラッシュメモリ26からデータをリードするときは、PC36からマルチリーダ/ライタ1に対し、「LUN0を割り振られたスロットに挿入されている外部メモリをリード」のコマンドを送信し、第1スロット21に挿入されたメディア(第1外部メモリ31)からデータをリードするときは、PC36からマルチリーダ/ライタ1に対し、「LUN1を割り振られたスロットに挿入されている外部メモリをリード」のコマンドを送信し、第2スロット22に挿入されたメディア(第2外部メモリ32)からデータをリードするときは、「LUN2を割り振られたスロットに挿入されている外部メモリをリード」のコマンドを送信し、第3スロット23に挿入されたメディア(第3外部メモリ33)からデータをリードするときは、「LUN3を割り振られたスロットに挿入されている外部メモリをリード」のコマンドを送信し、第4スロット24に挿入されたメディア(第4外部メモリ34)からデータをリードするときは、「LUN4を割り振られたスロットに挿入されている外部メモリをリード」のコマンドを送信する。
これに対し、マルチリーダ/ライタ1は、該当するスロットに挿入されたメディア(外部メモリ)からデータを読み出し、PC36に送信する。最後に、マルチリーダ/ライタ1は、PC36に対し、OKまたはNGのステータスを送る。
また、図8(b)に示すように、PC36がマルチリーダ/ライタ1の内蔵フラッシュメモリ26にデータをライトするときは、PC36からマルチリーダ/ライタ1に対し、「LUN0を割り振られたスロットに挿入されている外部メモリにライト」のコマンドを送信し、第1スロット21に挿入されたメディア(第1外部メモリ31)にデータをライトするときは、PCからマルチリーダ/ライタ1に対し、「LUN1を割り振られたスロットに挿入されている外部メモリにライト」のコマンドを送信し、第2スロット22に挿入されたメディア(第2外部メモリ32)にデータをライトするときは、「LUN2を割り振られたスロットに挿入されている外部メモリにライト」のコマンドを送信し、第3スロット23に挿入されたメディア(第3外部メモリ33)にデータをライトするときは、「LUN3を割り振られたスロットに挿入されている外部メモリにライト」のコマンドを送信し、第4スロット24に挿入されたメディア(第4外部メモリ34)にデータをライトするときは、「LUN4を割り振られたスロットに挿入されている外部メモリにライト」のコマンドを送信する。
これに対し、マルチリーダ/ライタ1は、該当するスロットに挿入されたメディア(外部メモリ)にデータをライトする。最後に、マルチリーダ/ライタ1は、PC36に対し、OKまたはNGのステータスを送る。
以上説明した本実施形態のマルチリーダ/ライタ1では、PC36のOSが、マルチ対応ドライバを標準で備えていない下位OSであっても、ケーブルを一旦抜いて再度挿入するといったPLUG AND PLAY機能の再度動作などの操作をすることなく、複数スロットのうち任意のスロットにメディアを挿入するだけで、ドライブの割り当てをそのスロットへ自動的に変更でき、そのままそのスロットにアクセスすることが可能となる。
つまり、従来のマルチスロットリーダ/ライタを下位OS搭載のPCに接続して使用すると、マルチ対応ドライバがインストールされていないため、予め決められた一つのドライブしか使用できず、全てのドライブを利用するには別途専用のドライバソフトをインストールしなければならなかった。これに対し本実施形態では、下位OSに対しても、シングルドライブモードに設定することで、その下位OS標準のドライバのみで所望の1スロットにアクセスすることが可能となる。
一方、PC36のOSが、マルチ対応ドライバを標準で備えている上位OSの場合は、切替スイッチ15によって、マルチドライブモードとしてはもちろん、シングルドライブモードとしても使用することが可能であり、ユーザは使用状況や好みに応じてモード設定を選択することが可能となり、使い勝手の良好なマルチリーダ/ライタ1の提供が可能となる。
具体的には、ドライブが多数割り当てられて図9(b)のように多数のリムーバブルディスクがディスプレイに表示されるのを好まないユーザは、シングルドライブモードに設定することによって、図9(a)のように一つのリムーバブルディスクを表示させるようにすることができる。図9(a)に対して図9(b)の方がドライブを判別しにくいことは一目瞭然である(多少の個人差はあるであろうが)。
また、マルチドライブモードでは、図6に示したように各スロット21〜24及び内蔵フラッシュメモリ26に対するLUNは予め固定値として決められており、各スロット21〜24及び内蔵フラッシュメモリ26に対するドライブレターの順番が切り替わることはなく図9(b)のように固定されるため、ユーザがドライブレターについて混乱してしまうようなことがない。
更に、本実施形態では、従来のマルチスロットリーダ/ライタに対し、切替スイッチ15を追加設置すると共にそのスイッチ設定内容に応じてモードを設定するような機能を追加するだけという、比較的シンプルな設計変更を行うことによって、下位OSのPCからでも各スロットにアクセス可能とすることを実現している。そのため、例えば、機能が固定化されたチップを搭載して低価格化されたマルチスロットリーダ/ライタの単体製品が大量に普及することで、大きな設計変更を加えることがコスト的に困難な状況となっている場合であっても、本実施形態のマルチリーダ/ライタ1であれば、上記のように簡易的な設計変更(機能追加)により、従来品に対するコストアップを低く抑えつつ実現することが可能である。
更にまた、既述した従来のマルチスロットリーダ/ライタ(特許文献1参照)の場合、スロット数が3つ以上になると、優先度選択スイッチの構成も複雑となる。即ち、例えばスロットを3つ備えている場合、各スロットをそれぞれ最優先に設定できるようにするために、3種類に切替可能なスイッチ(3段切替スイッチ、ロータリスイッチなど)を用意する必要があり、コストアップを招くおそれがある。
これに対して本実施形態のマルチリーダ/ライタ1は、スロット数に関係なく、切替スイッチは2種類のモードを選択的に切替可能なものであればよいため、スロット数が多くても切替スイッチ15に起因するコストアップ分は不変である。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素の対応関係を明らかにする。本実施形態において、PC36は本発明の情報処理装置に相当し、CPU11は本発明のモード設定手段に相当し、内蔵フラッシュメモリ26は本発明の内部メモリに相当し、切替スイッチ15は本発明の選択スイッチに相当する。また、入出力制御LSI12は本発明の選択モード取得手段に相当する。
[第2実施形態]
上記第1実施形態のマルチリーダ/ライタ1は、バスパワーの供給を受けて動作するものであったため、図3のモード設定処理によってモード設定が行われた後、設定変更をする場合は、USBケーブル38を一旦抜いて再び接続するか、或いはPC36を再起動させることによって実現可能であった。
これに対し、本実施形態では、マルチリーダ/ライタ1が、バスパワーではなく自ら外部電源の供給を受けて動作するよう構成されている場合について説明する。従って、電源供給方法以外は、基本的には上記第1実施形態と同様である。
一方、このように構成された(いわゆるセルフパワータイプの)マルチリーダ/ライタ1は、その動作中に例えばUSBケーブル38を抜いたり、或いはPC36の電源をオフにしたりしても、セルフパワーであるが故に動作は継続する。そのため、図3のモード設定処理によって一旦設定されたモード設定を変更するためには、第1実施形態のようにUSBケーブル38の差し直しやPCの再起動といった方法によってマルチリーダ/ライタ1の電源をオフにすることはできない。そのため、マルチリーダ/ライタ1自体に外部電源から供給されている電源を一旦オフにして再びオンする必要がある。
そこで、本実施形態では、第1実施形態のマルチリーダ/ライタ1に対して、セルフパワータイプにしたことに伴い、当該マルチリーダ/ライタ1自身の再起動を行わなくても第1実施形態と同様にUSBケーブル38の差し直し等によってモード設定の変更ができるように構成されている。
具体的には、モード設定処理の内容が、第1実施形態で説明した図3に対して若干異なっている(処理が追加されている)。これについて、図10に基づいて説明する。図10は、本実施形態のモード設定処理を示すフローチャートである。
本実施形態では、マルチリーダ/ライタ1自身の電源が投入されてその動作が開始されたときに、図10のモード設定処理が実行される。このモード設定処理のうち、S310〜S340の処理は、図3のモード設定処理におけるS110〜S140の処理と全く同様であるため、ここではその説明を省略する。
そして、切替スイッチ15の選択内容に基づいてS330又はS340によりいずれかのモードが設定されると、S350に進み、USBホスト側(つまりPC36)との通信が遮断したか否か判断する。この判断は即ち、例えばUSBケーブル38が抜かれたか、PC36が再起動したか、或いはPC36の電源がオフしたか、等の判断であり、言い換えれば、PC36がマルチリーダ/ライタ1へアクセス可能な状態か否かの判断であるともいえる。
そのため、PC36とUSBケーブル38にて接続され、PC36からのアクセスが可能な状態である限りは、S350の判断処理が繰り返されることになる。そして、USBケーブル38抜け等によってUSBホスト(PC36)との通信が遮断されると、S350から再びS310に戻る。これにより、S310以下の処理が再び行われて、そのときの切替スイッチ15の選択内容に応じたモードに再設定されることになる。
従って、セルフパワータイプである本実施形態のマルチリーダ/ライタ1によれば、自身の動作中にUSBケーブル38抜けやPC36の再起動などが生じると、モード設定が再び行われることになるため、自身の電源をオンにしたまま(動作継続中)であっても、モード設定を変更することが可能となる。尚、図10のモード設定処理におけるS350の処理は、本発明のアクセス判断手段が実行する処理に相当する。
[第3実施形態]
上記第1,第2実施形態は、本発明をマルチリーダ/ライタ単体品として実現した場合を例に挙げて説明したが、本実施形態では、プリンタ機能とコピー機能とスキャナ機能と、ファクシミリ機能と電話機能等を備えた多機能装置に本発明を適用した場合の一例である。
まず、本実施形態の多機能装置40の全体構成を図11及び図12に基づいて説明する。多機能装置40は、その後端部に位置する給紙装置2と、給紙装置2の下部前側に位置するインクジェット式の記録装置(プリンタ)3と、記録装置3の上側に位置する、コピー機能とファクシミリ機能の為の読み取り装置(スキャナ)4と、記録装置3の前側に位置する排紙トレー5と、読み取り装置4の左側に位置する電話機6と、読み取り装置4の前端上面部に位置する操作パネル7とを備えている。操作パネル7は、LCD7aと、キーボード7bとを有している。なお、記録装置3は、本発明の記録手段に相当するものであり、各種画像データに基づいて印刷用紙等の記録媒体に画像を記録する。
また、多機能装置40は、図12に示すように、排紙トレー5の左側に、第1外部メモリ31挿入用の第1スロット21と、第2外部メモリ32挿入用の第2スロット22と、第3外部メモリ33挿入用の第3スロット23と、第4外部メモリ34挿入用の第4スロット24とを備えている。各スロット21〜24の機能・構成及び各スロットにそれぞれ挿入される各外部メモリ31〜34は、全て、第1実施形態のマルチリーダ/ライタ1が備える各スロット21〜24及び各外部メモリ31〜34と同じものである。このように、第1実施形態と同じ構成要素には第1実施形態と同じ符号を付し、その詳細説明を省略する。
また、多機能装置40は、その内部に、各構成部を制御するための制御装置41(図13参照)を備えている。次に、この制御装置41について、図13に基づいて説明する。制御装置41は、CPU43、ROM44、及びRAM45から成るマイクロコンピュータ42を有する。上記RAM45は、第1スロット21、第2スロット22、第3スロット23、及び第4スロット24がそれぞれ備えるメモリ検出スイッチが発信する検出信号の順番を記憶する記憶手段としての機能を有する。
また、制御装置41は、マイクロコンピュータ42とバス47を介して接続されたASIC46を備えている。このASIC46は、記録装置3及び読み取り装置4と電気的に接続し、また、パネルI/F51を介して、操作パネル7のLCD7a及びキーボード7bに電気的に接続している。更に、ASIC46は着脱可能メモリI/F52を介して、第1スロット21、第2スロット22、第3スロット23、及び第4スロット24と、それぞれ電気的に接続している。
また、ASIC46はUSBI/F54に接続され、更にUSBケーブル38を介してPC36に接続されている。加えて、ASIC46は、パラレルI/F53、及びNCU55を備えており、外部機器に対し、それぞれ、パラレルケーブル、電話回線により接続することができる。また、制御装置41はモデム56を備えており、このモデム56とNCU55とを介して、外部機器と接続することができる。
このように構成された多機能装置40は、PC36から各スロット21〜24に対してアクセスできるよう構成されており、これにより、各スロット21〜24にそれぞれ挿入される各外部メモリ31〜34に対するデータの読み出し・書き込みが可能である。そして、本実施形態においても、第1実施形態と同様、PC36から各スロット21へアクセスする際の多機能装置40側のモードとして、シングルドライブモード又はマルチドライブモードのいずれかに設定できるよう構成されている。
具体的には、切替スイッチによってユーザ等が外部からモードを選択することができるよう構成されており、多機能装置40は、基本的にはその選択内容に応じたモードに設定される。但し、本実施形態では、詳細は後述するが、起動時は強制的にシングルドライブモードに設定され、PC36からGET_MAX_LUNコマンドを受信したときに切替スイッチによってシングルドライブモードが選択されていれば、そのままシングルドライブモードとし、PC36からGET_MAX_LUNコマンドを受信したときに切替スイッチによってマルチドライブモードが選択されていれば、マルチドライブモードに設定変更するよう構成されている。もちろん、この切替スイッチを、例えば第1実施形態の切替スイッチ15のように物理的に単独で設けられるものとして構成してもよく、モード選択を行うことができる限りその具体的構成は限定されない。
なお、本実施形態の切替スイッチは、それ自体が単独で設けられているわけではなく、例えば、操作パネル7のキーボード7bを所定の順序で操作することによって実現されるいわゆるファンクションキーとして構成されるものであるが、説明の便宜上、これを「切替スイッチ」と称することにする。
次に、多機能装置40における上記モード設定について、図14に基づいて説明する。図14は、本実施形態のモード設定処理を示すフローチャートである。多機能装置40では、CPU43がROM44からモード設定処理プログラムを読み出し、このプログラムに従って処理を実行する。このモード設定処理は、多機能装置40の起動時に開始されるものである。
この処理が開始されると、まずS410にて、シングルドライブモードが設定される。この設定処理は第1実施形態と大きく異なる点であり、本実施形態ではユーザ等による切替スイッチのモード選択内容に関係なく、初期状態ではまずシングルドライブモードにて動作するよう設定するのである。
なお、多機能装置40をPC36にUSB接続すると、多機能装置40は、PC36からデバイスチェックコマンドを受信するので、ストレージクラスであることを示すコマンドをPCに送る。より具体的には、多機能装置40はPC36において装置全体が「USB複合デバイス」として認識され、その下に更に複数の要素機能が認識される。例えば、USB印刷サポートが要素機能0、読取装置4(スキャナ)が要素機能1、ファクシミリ用モデムが要素機能2、大容量記憶装置デバイスが要素機能3として認識される。各要素機能は別々のクラスを持つことができ、要素機能3が「ストレージクラス」となる。
そして、S420にて、PC36からGET_MAX_LUNコマンドを受信したか否かを判断し、受信しない間は常にこのS420の判断処理が繰り返されることになる。つまり、PC36のOSがマルチ対応ドライバを標準で備えていない下位OSである場合は、GET_MAX_LUNコマンドを受信することはないため、切替スイッチによるモード選択内容に関係なくシングルドライブモードにて動作することになる。尚、このS420の処理は本発明の受信手段が実行する処理に相当する。
一方、PC36のOSが上位OSの場合は、GET_MAX_LUNコマンドが送信されてくるため、それを受信するとS430に移行する。S430では、切替スイッチの設定(選択)内容を読み取る。そして、S440にて、その読み取った内容を判断する。即ち、切替スイッチによってシングルドライブモードが選択されているか、或いはマルチドライブモードが選択されているかを判断する。
このとき、シングルドライブモードが選択されている場合は、S450に進み、USBホスト側(つまりPC36)との通信が遮断されたか否かを判断する。この処理は、図10(第2実施形態)のS350の処理と全く同様の処理である。つまり、GET_MAX_LUNコマンドを受信したときに切替スイッチによってシングルドライブモードが選択されていた場合は、そのままシングルドライブモードにて動作するのである。
この場合のLUN割り振りは、第1実施形態で説明した図5と同様である(但し本実施形態の多機能装置40は内蔵フラッシュメモリ26を備えていないので、図5から内蔵フラッシュメモリ26を省略したものとなる)。また、各スロット21〜24に対するドライブの割り当ては、図9(a)と同様であり、最先にメディアが挿入されたスロットにドライブEが割り当てられる。
一方、マルチドライブモードが選択されている場合は、S460に進み、多機能装置40の動作モードをマルチドライブモードに設定して、続くS450に進む。この場合のLUNの割り振りは、第1実施形態の図6と若干異なり、第1スロット21にLUN0が割り振られ、第2スロット22にLUN1が割り振られ、第3スロット23にLUN3が割り振られ、第4スロット24にLUN3が割り振られることになる。また、各スロット21〜24に対するドライブの割り当ても、図9(b)とは若干異なり、第1スロット21がドライブEに割り当てられ、第2スロット22がドライブFに割り当てられ、第3スロット23がドライブGに割り当てられ、第4スロット24がドライブHに割り当てられることになる。このドライブレターの割り当てが固定される点については第1実施形態と同様である。
以上説明したように、本実施形態の多機能装置40によれば、PC36のOSが、マルチ対応ドライバを標準で備えていない下位OSである場合、切替スイッチの選択内容に関係なくシングルドライブモードに設定されるため、ケーブルを一旦抜いて再度挿入するといったPLUG AND PLAY機能の再度動作などの操作をすることなく、複数スロットのうち任意のスロットにメディアを挿入するだけで、ドライブの割り当てをそのスロットへ変更でき、そのままそのスロットにアクセスすることが可能となる。
しかも、上記のように強制的にシングルドライブモードに設定されるため、仮に、スイッチ設定を間違えてマルチドライブモードを選択してしまっても、PC36からGET_MAX_LUNコマンドは来ないため、多機能装置40がマルチドライブモードに設定されることはない。つまり、切替スイッチの設定ミスがあってもその影響を防ぐことが可能となる。
一方、PC36のOSが、マルチ対応ドライバを標準で備えている上位OSの場合は、切替スイッチによって、マルチドライブモードとしてはもちろん、シングルドライブモードとしても使用することが可能であり、ユーザは使用状況や好みに応じてモード設定を選択することが可能となり、使い勝手の良好な多機能装置40の提供が可能となる。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態において、PC36は本発明の情報処理装置に相当し、CP43は本発明のモード設定手段に相当する。そして、操作パネル7のキーボード7bから構成される切替スイッチが、本発明のモード選択手段に相当する。また、GET_MAX_LUNコマンドが、本発明のマルチR/Wコマンドに相当する。
[第4実施形態]
図15に、本実施形態の多機能装置60の概略構成を示す。図示の如く、多機能装置60は、上記第3実施形態の多機能装置40と比較して、内蔵フラッシュメモリ26を備えていてPC36からこの内蔵フラッシュメモリ26に対するデータの読み出し・書き込みを行うことができる点と、PC36が各スロット21〜24及び内蔵フラッシュメモリ26へアクセスする際の当該多機能装置60の動作モードとして、シングルドライブモード及びマルチドライブモードに加え、ダブルドライブモードを備えている点が異なる。
その他の構成及び動作は、基本的には第3実施形態の多機能装置40と同様である。また、この内蔵フラッシュメモリ26については、第1実施形態で説明したマルチリーダ/ライタ1(図3参照)が備える内蔵フラッシュメモリ26と同様である。従って、以下の説明においては、上記各実施形態と異なる部分に着目して説明する。
まず、本実施形態の多機能装置60におけるモード設定処理について、図16に基づいて説明する。但し、図16のモード設定処理において、S510〜S540の処理、S560の処理、及びS570の処理は、それぞれ、第3実施形態のモード設定処理(図14)におけるS410〜S440の処理、S460の処理、及びS450の処理と全く同様である。そして、本実施形態のモード設定処理において第3実施形態のモード設定処理と異なるのは、S550の「ダブルドライブモード」設定処理が加わっていることである。
即ち、PC36のOSが上位OSであって、且つ、切替スイッチによってシングルドライブモードが選択されている場合に、S540の判断処理まで進み、且つそのS540からS550に移行して、初期状態におけるシングルドライブモードからダブルドライブモードへの設定変更が行われる。ダブルドライブモードとは、各スロット21〜24のうちメディアが挿入されている単一のスロット(複数のスロットにメディアが挿入されている場合は最先にメディアが挿入されたスロット)と内蔵フラッシュメモリ26の双方に対して個別(独立)にアクセスすることが可能なモードである。
つまり本実施形態では、PC36のOSが上位OSである場合、切替スイッチによってシングルドライブモードに設定しても、ダブルドライブモードとして設定され、いずれか一つのスロット及び内蔵フラッシュメモリ26の双方にアクセスすることが可能となるのである。
この場合のLUNの割り振りは、例えば、図18(a)〜(e)に示すように、LUN0は内蔵フラッシュメモリ26に対して割り振られる。そして、LUN1が、いずれか一つのスロットに割り振られることになる。このLUN1の割り振り方法は、第1実施形態の図5においてLUN0を割り振る方法と全く同様であり、図18(a)に示すように第2スロット22にのみメディア(第2外部メモリ32)が挿入され、第1スロット21、第3スロット23、及び第4スロット24にはメディア(各スロットに対応する外部メモリ)が挿入されていない場合は、第2スロット22にLUN1が割り振られる。
また、図18(b)に示すように、いずれのスロットにもメディアが挿入されていない場合は、内蔵フラッシュメモリ26にLUN0が割り振られ、PC36は内蔵フラッシュメモリ26にのみアクセス可能となる。このとき、LUN1はいずれのスロットにも割り振られていない。そして、PC36からLUN1に対するアクセスコマンドが発行された場合は、多機能装置60はPC36に対してLUN1にはメディアが挿入されていないと通知する。そして、いずれかのスロットにメディアが挿入されたときに、そのスロットに対してCPU63によってLUN1が割り振られる。その結果、PC36は内蔵フラッシュメモリ26及びLUN1の割り振られたスロットにアクセス可能となる。
また、図18(c)に示すように、第3スロット23、第1スロット21、第2スロット22の順番にメディアを挿入し、メディアが全て挿入したままとなっている場合は、メディアを最先に挿入した第3スロット23を最先メディア挿入スロットとしてLUN1を割り振り、PC36とアクセス可能とする。
また、図18(d)に示すように、第2スロット22、第1スロット21、第4スロット24、第3スロット23の順番でメディアを挿入したが、最先に挿入した第2スロット22からは既にメディア(第2外部メモリ32)を抜いている場合は、メディアが残っている第1スロット21、第3スロット23、及び第4スロット24のうちで、先にメディアを挿入した第1スロット21を最先メディア挿入スロットとしてLUN1を割り振り、PC36とアクセス可能とする。
尚、各スロットにメディア(外部メモリ)を挿入した順番は、マイクロコンピュータ62内のRAM65に記憶されている、各スロットのメディア検出スイッチが発する割り込み信号に基づいて決定される。
一方、本実施形態の多機能装置60にて実行されるGET_MAX_LUN応答処理は、図17に示すように、図4で説明した第1実施形態のGET_MAX_LUN応答処理に対し、更に、ダブルドライブモードに設定されている場合にPC36へLUNの値として「1」を返す処理(S640)が追加される。
そして、このS640の処理により、PC36は、多機能装置60がアクセス可能な二つのドライブを備えていることを認識する。従って、PC36の処理内容を表示するディスプレイにおいて、ドライブ構成を表示(「マイコンピュータ」を表示)させると、図19に示すように、リムーバブルディスクとしてドライブE,Fが表示される。このうち、ドライブEが内蔵フラッシュメモリ26であり、ドライブFがいずれかのスロットである。
以上説明した本実施形態の多機能装置60によれば、切替スイッチによりシングルドライブモードが選択されている場合であっても、PC36のOSが上位OSである場合は、PC36は、内蔵フラッシュメモリ26と、メディアが挿入されている単一のスロットと、の双方に個別(独立)にアクセスすることが可能となる。そのため、例えば、「全てのスロット及び内蔵フラッシュメモリ26に各々ドライブが割り当てられるのは好まないが、少なくとも内蔵フラッシュメモリ26と、メディアが挿入されているスロットと、の2つについてはドライブが割り当てられるようにしてほしい」といったニーズがある場合により効果的となる。
尚、PC36が備えるOSが下位OSである場合は切替スイッチに関係なくシングルドライブモードに設定されること、及び、切替スイッチでマルチドライブモードが選択されている場合であってPC36のOSが上位OSである場合はマルチドライブモードに設定されることについては、第3実施形態と同様である。
[変形例]
尚、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、上記第1、第2実施形態はいずれも、複数のスロット21〜24に加えて内蔵フラッシュメモリ26を備えたものとして説明したが、内蔵フラッシュメモリ26を備えないマルチリーダ/ライタとして構成するようにしてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態において、スロットの数を一つのみとしてもよい。即ち、一つのスロットと内蔵フラッシュメモリ26とを備えた構成も可能である。この場合、上位OSを備えたPC36からみれば、二つのドライブを備えたマルチリーダ/ライタとみなされることになる。
また、例えば上記第3又は第4実施形態において、シングルドライブモード時にスロット又は内蔵フラッシュメモリ26のいずれか一方にのみアクセスできるようにしてもよい。具体的には、PC36がアクセスする対象が、「第1スロット21、第2スロット22、第3スロット23、及び第4スロット24のうちのいずれか」であるか、あるいは「内蔵フラッシュメモリ26」であるかを選択するアクセス選択スイッチ(アクセス選択手段)7cをキーボード7bに設ける(図13参照)。そして、このアクセス選択スイッチ7cによる選択内容に基づいて、シングルドライブモード時におけるPC36のアクセス可能対象を限定するのである。
尚、アクセス選択スイッチ7cはキーボード7b上に独立して設けられていても良いし、押下する度に各種機能を変更して表示するファンクションキーにおいて、その1つの機能として設けられていても良い。
アクセス選択スイッチ7cにおいて、「第1スロット21、第2スロット22、第3スロット23、及び第4スロット24のうちのいずれか」が選択されている場合は、PC36は最先メディア挿入スロットにアクセス可能となる。逆に、アクセス選択スイッチ7cにおいて、「内蔵フラッシュメモリ26」が選択されている場合は、PC36は内蔵フラッシュメモリ26にアクセス可能となる。
このように、シングルドライブモード時におけるアクセス可能対象を限定することで、例えば「内蔵フラッシュメモリ26は滅多に使用しない」或いは逆に「スロットは滅多に利用しない」といった場合により効果的となる。特に、「主に内蔵フラッシュメモリ26を使用する」といった場合は、スロットにメディアが挿入されたままでも内蔵フラッシュメモリ26にアクセス可能となるため効果的である。
なお、第3、第4実施形態に限らず、第1、第2実施形態のマルチリーダ/ライタ1に対してもアクセス選択スイッチ7cを設けて上記同様に動作させるようにすることができるのはいうまでもない。但し、この場合は、マルチリーダ/ライタ1にはキーボード7bが存在していないので、切替スイッチ15と同様に、アクセス選択スイッチ7cを側面に設ければよい。更には、切替スイッチ15及びアクセス選択スイッチ7cを、第1〜第4スロット21〜24の配設されている前面に設けてもよいし、USB端子14の配設されている後面に設けてもよく、操作可能であればどこに配置されていてもよい。
更に、上記第1、第2実施形態のマルチリーダ/ライタ1が備える機能・構成を、第3実施形態で説明した多機能装置、或いはプリンタやファクシミリ等の各種装置内に搭載するようにしてもよい。
逆に、第3、第4実施形態における各スロット21〜24及び内蔵フラッシュメモリ26に対するデータの書き込み・読み出しを行う構成・機能を、第1実施形態のようなマルチスロットリーダ/ライタとして(単体製品として)構成するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、シングルドライブモードの場合であって複数のスロットにメディアが挿入されている場合、最先にメディアが挿入されたスロットにLUN0が割り振られるものとしたが、最先ではなく、最後にメディアが挿入されたスロットにLUN0を割り振るようにしてもよい。つまり、常に最後にメディアを挿入したスロットにアクセスできるようにしてもよい。
1…マルチリーダ/ライタ、2…給紙装置、3…記録装置、4…読み取り装置、5…排紙トレー、6…電話機、7…操作パネル、7b…キーボード、7c…アクセス選択スイッチ、11,43,63…CPU、12…入出力制御LSI、13…USBチップ、14…USB端子、15…切替スイッチ、15a・・・突起部、16,47…バス、21…スロット、21…第1スロット、22…第2スロット、23…第3スロット、24…第4スロット、26…内蔵フラッシュメモリ、31…第1外部メモリ、32…第2外部メモリ、33…第3外部メモリ、34…第4外部メモリ、36…PC、38…USBケーブル、40,60…多機能装置、41,61…制御装置、42,62…マイクロコンピュータ、44,64…ROM、45,65…RAM、46,66…ASIC、51…パネルI/F、52…着脱可能メモリI/F、53…パラレルI/F、54…USBI/F、55…NCU、56…モデム