JP4060425B2 - Nc工作機向け加工データ生成方法および記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレス金型や樹脂成形金型といった成形品を加工するにあたって、NC工作機といった加工機に用いられる加工データを生成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
CAD/CAM(コンピュータ支援設計/製造自動化システム)を用いて三次元形状の成形品を設計/製造することは広く行われている。こうしたシステムでは、成形品の三次元面が点の集合として捉えられる。三次元面上の各点に三次元座標を与えれば、任意の座標系(例えばxyz座標系)内で成形品の三次元面を規定することができるのである。こうした三次元座標点の集合は形状データとして利用される。素材片に対して三次元座標系を設定すれば、形状データで規定される三次元面をその素材片に投影することができる。
【0003】
成形品の加工には例えばNC(数値制御)工作機を用いることができる。NC工作機では、軸回りで回転する工具(例えばボールエンドミルやフラットエンドミル、ブルノーズミル)の先端を素材片に接触させることによってその素材片が成形品に切削加工される。こうしたNC工作機で三次元面を加工する場合には、素材片に投影された三次元面上で連続する三次元座標点を順番に結ぶように工具先端が移動する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来では、NCデータを生成するにあたって、xy座標値が等間隔となるように三次元座標点が抽出された(例えば特開平7−136900号公報の図6を参照のこと)。しかしながら、こうして抽出された三次元座標点に基づき成形品を加工してみると、加工された三次元面の加工精度(特に面粗度)にむらが生じることが判明した。例えば、傾斜角が小さな傾斜面では高い精度で加工がなされる一方で、その傾斜面に連続する傾斜角が大きな傾斜面では加工精度が粗くなるといった具合である。たとえxy座標値が等間隔に設定されてもz座標値の変動に応じて実際の三次元座標点同士の距離が均一に保たれないことが加工精度のむらを誘引していると考えられる。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、加工後の成形品における加工精度のむらをなくし、高精度な加工表面を形成することができるNC工作機向け加工データ生成方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、形状データに基づいて、その形状データが規定する三次元形状を基準に等間隔に配列された三次元点データを生成することを特徴とするNC工作機向け加工データ生成方法が提供される。
【0007】
NC工作機では、加工データ(NCデータ)を用いることによって素材片に対して工具が相対移動する。工具は、三次元形状に基づき生成される複数の三次元点データをつなぎ合わせるように移動する。本発明に係る加工データ生成方法によれば、三次元点データが三次元形状を基準に等間隔に配列されることから、従来と異なり、どのような面に対しても工具の移動ピッチを均一化することができる。特に、前記三次元形状が傾斜の大きさの異なる複数面を備える場合に、面ごとに移動ピッチが異なることが回避され、その結果、面粗度に代表される加工精度のむらが解消される。
【0008】
前記三次元点データには、一連の加工順番を付与することができる。その結果、工具の移動経路を規定することができることとなる。
【0009】
本発明に係るNC工作機向け加工データ生成方法は、任意の平面内に、対向する2つの加工端輪郭線を含む加工範囲の輪郭を設定する工程と、前記加工順番の付与により、一方の加工端輪郭線から他方の加工端輪郭線に至る複数列の加工軌道を設定する工程とを備えていてもよい。少なくとも加工軌道同士の間隔は前記三次元点データの間隔によって規定されれば、加工軌道同士の間隔が等間隔となる。したがって、加工軌道を横切る方向に沿って傾斜の大きさの異なる複数面を前記三次元形状が備えていても、面ごとに移動ピッチが異なることが回避されることとなる。面粗度に代表される加工精度のむらが解消される。
【0010】
前記三次元点データを生成するにあたっては、前記一方の加工端輪郭線から前記他方の加工端輪郭線に至る複数列の二次元面移動経路を設定する工程と、各二次元面移動経路の長さを測定し、最長の二次元面移動経路を抽出する工程と、最長の二次元面移動経路を複数の分割点で等分割する工程と、最長の二次元面移動経路と同数の分割点で他の二次元面移動経路を等分割する工程と、全ての二次元面移動経路にわたって対応する分割点同士を結び分割線を描く工程とが用いられればよい。描いた分割線を前記三次元形状に投影させ、投影された分割線に沿って等間隔に前記三次元点データは抽出される。分割線を横切る方向に、抽出された三次元点データに加工順番を付与すれば、前記加工軌道を得ることができることとなる。特に、最長の二次元面移動経路を基準に分割点の個数を決定することによって、必ず一定の加工精度を確保することが可能となる。最長の二次元面移動経路以外の二次元面移動経路では、設定された等分割の間隔よりも大きい間隔を有する隣接分割点が発生することはないからである。
【0011】
前記二次元面移動経路を設定するにあたっては、前記2つの加工端輪郭線同士を結ぶ2つの輪郭線を特定する工程と、各輪郭線を複数の分割点によって等分割する工程と、2つの輪郭線で対応する分割点同士を直線で結ぶ工程と、各直線を等分割する工程とが用いられればよい。等分割された直線に基づいて前記二次元面移動経路は設定されることができる。これらの工程によって、加工範囲内で等間隔に並列する二次元面移動経路が得られることとなる。
【0012】
前記輪郭線を等分割するにあたっては、輪郭線の両端に延長線を付加する工程をさらに備えてもよい。こうした延長線の付加によれば、加工端輪郭線の形状に拘わらず、加工範囲全体にわたって前記二次元面移動経路を発生させることが可能となる。
【0013】
特に、前記三次元点データは、使用されるNC工作機の工具と前記三次元形状との干渉に基づいて生成されることが望ましい。そうすれば、工具の種類や形状が異なっても、三次元形状に忠実な精度の高い成形品を切削加工することができるからである。例えば、前記三次元点データは、前記工具が前記三次元形状に接触する際の工具先端の三次元座標値によって規定されればよい。
【0014】
本発明に係る加工データ生成方法は、パソコンやワークステーション、その他のコンピュータによって実行されればよい。こうした場合には、本発明に係る加工データ生成方法を実施するソフトウェアが、持ち運び可能な記録媒体やネットワークによってコンピュータにインストールされればよい。持ち運び可能な記録媒体には、例えば、フロッピーディスク(FD)に代表される磁気記録媒体や、コンパクトディスク(CD)に代表される光学記録媒体、光磁気記録媒体といったものが用いられればよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
【0016】
図1は、本発明に係るNC工作機向け加工データ生成装置の構成を示す。この加工データ生成装置10は、例えばパソコンやワークステーションに代表されるコンピュータ本体11を備える。コンピュータ本体11には、持ち運び可能な記録媒体12a、12bから情報を読み取ったり、そういった記録媒体12a、12bに情報を書き込んだりするデータ読取り/書込み装置13が接続される。記録媒体12a、12bには、例えば、フロッピーディスク(FD)に代表される磁気記録媒体や、コンパクトディスク(CD)に代表される光学記録媒体、光磁気記録媒体といったものが用いられればよい。
【0017】
コンピュータ本体11には中央演算装置(CPU)14が搭載される。CPU14は、データ読取り/書込み装置13が記録媒体12aから読み取ったNCデータ作成ソフトウェアを実行する。ソフトウェアの実行にあたっては、NCデータ作成ソフトウェアが一旦内部記憶装置15に記憶された後、CPU14がそのソフトウェアを実行するようにしてもよい。内部記憶装置15には、例えばハードディスクやRAMが用いられればよい。データ読取り/書込み装置13は、CPU14がNCデータ作成ソフトウェアを実行するにあたって、持ち運び可能な記録媒体12bから形状データを取り込むことができる。こうした形状データやNCデータ作成ソフトウェアは、予め内部記憶装置15に記憶させておいてもよく、ネットワークを通じて取得させるようにしてもよい。
【0018】
コンピュータ本体11にはディスプレイ装置16が接続される。このディスプレイ装置16は、ソフトウェアの実行過程を視覚的に表示することができる。ディスプレイ装置16の画面上には、必要に応じ、操作者の情報入力を促す指示が表示されてもよい。操作者は、キーボードやマウスといった入力装置17を用いて、画面に表示される指示に応じる場合のほか、任意に情報や指令をCPU14に向けて入力することができる。入力装置17は、例えば液晶タブレットのようにディスプレイ装置16と一体化されていてもよい。
【0019】
いま、本発明に係る加工データ生成装置10を用いて、図2に示すNC工作機20向けのNCデータ(加工データ)を生成する場合を考える。図2に示すように、このNC工作機20では、テーブル21に配置される素材片22に対してxyz軸座標の三次元座標系が設定されている。テーブル21は、例えば床面に固定された台座(図示せず)上で水平面に沿ってx軸方向23に移動可能に支持される。テーブル21には工具24が対向する。工具24は、水平面に直交するz軸回りに回転することができる。工具24は、この工具24を回動自在に支持する支持アーム(図示せず)の動きを通じて、z軸に沿った垂直姿勢を維持したままy軸方向25に移動することができるとともにz軸方向26に上下動することができる。なお、工具24には、図示されたボールエンドミルのほか、フラットエンドミルやブルノーズミルが使用されてもよい。
【0020】
工具24の回転動作や移動、テーブル21の移動は、NC制御回路28によって制御される。NC制御回路28は、入力されるNCデータに基づき、工具回転機構29、工具移動機構30およびテーブル移動機構31に制御指令を供給する。工具回転機構29は、制御指令を受け取ると、NCデータで規定される回転速度に従って工具24を回転駆動する。工具移動機構30は、制御指令を受け取ると、例えばNCデータで規定されるz軸方向移動速度に従ってz軸方向26に工具24を移動させながら、NCデータで規定されるy軸方向移動速度に従ってy軸方向25に工具24を移動させる。テーブル移動機構31は、制御指令を受け取ると、NCデータで規定されるx軸方向移動速度に従ってx軸方向23にテーブル21を移動させる。工具回転機構29、工具移動機構30およびテーブル移動機構31は、例えば、駆動モータやパルスモータと、これらに連結される駆動機構とによって構成されればよい。
【0021】
次に、NCデータ作成ソフトウェアを用いたNCデータの作成方法を説明する。NCデータ作成ソフトウェアが実行されると、まず、加工したい三次元形状の加工品の形状データが取り込まれる。形状データは、CAD/CAMを用いて作成されればよい。こうした形状データによれば、加工品の三次元面が任意の三次元座標系(例えばxyz座標系)における三次元座標点の集合として規定される。図3に示されるように、CPU14は、取り込んだ形状データに基づいて加工品の三次元面40をディスプレイ装置16の画面上に表示する。図3から明らかなように、この三次元面40では、部位ごとに傾斜の大きさが異なっている。
【0022】
三次元面40が画面上に映し出されると、CPU14は、入力装置17の操作を通じて工具24の種類や素材片22の材質といった情報を入力することを操作者に要求する。CPU14は、入力された情報に基づいて工具24の回転速度を決定する。また、CPU14は、工具24の種類に応じて座標点ピッチを決定する。この座標点ピッチは、後述する三次元点データ同士の距離を規定することとなる。工具24は、隣接する三次元点データ同士を直線的に移動することから、座標点ピッチの大きさに応じて三次元面の加工精度すなわち面粗度が決定されてしまうこととなる。例えば、工具24が曲面を成形する場合、座標点ピッチが小さければ小さいほど成形された曲面が滑らかになる。工具24の回転速度や座標点ピッチは入力装置17の操作によってCPU14に入力されてもよい。
【0023】
続いて、CPU14は、映し出された三次元面40に対して加工範囲を設定することを操作者に要求する。この要求に応じて、まず操作者は、映し出された三次元面40に対してNC工作機20のxy平面を設定する。このとき、xy平面に対する三次元面の傾斜の大きさが一定範囲に収まるようにxy平面が選択されることが好ましい。例えば90度で立ち上がる壁面が存在する場合に、その壁面を45度に傾けるようにxy平面を選択するといった具合である。
【0024】
ここでは、xy平面が画面平面に設定される。したがって、画面上の三次元面40を回転させたりチルトさせたりして観察者の視点の位置を変更させれば、三次元面40に対してxy平面は変化する。例えば図3に示す矢印41方向に視線を合わせた場合、図4に示す三次元面40が画面上に表示されることとなる。こうした視点の位置を変更させる操作やソフトウェア処理は当業者に自明であるので、ここでは詳細な説明は省略される。
【0025】
操作者は、表示された三次元面40に対して、画面の二次元面内で加工範囲の輪郭42を描く。この輪郭42は、画面の二次元面内に、対向する2つの加工端輪郭線44、45を含んでいる。輪郭42は、図示されるように、正方形や長方形に限られるものではなく、その他の多角形であったり、一部に曲線等を含んでいてもよい。加工範囲は、一連の加工で加工しやすい範囲に設定されればよい。例えば形状変化の激しい三次元面に加工を施す場合には、形状変化が均一化された範囲ごとに加工範囲を設定することができる。加工範囲の設定には、例えば、画面上のマウスポインタで輪郭をなぞるといった手法が採用されればよい。なぞられた輪郭は、xy平面におけるxy座標値として記憶されることとなる。輪郭は、xy平面における点の集合として捉えられればよい。
【0026】
こうして二次元面内で加工範囲の設定が完了すると、CPU14の演算処理が実行され、図5に示すような工具の移動経路が決定される。この移動経路は、一方の加工端輪郭線44から始まって他方の加工端輪郭線45に達する複数列の加工軌道46を備える。加工軌道45同士は任意の間隔で互いに並列する。このような加工軌道46によれば、工具24が加工端輪郭線44、45の間を行き来することによって三次元面40が切削加工される。1つの加工軌道46に沿って連続的に加工を実施した工具24は、加工端輪郭線44、45に行き着くと、隣接する加工軌道46に移り再び加工端輪郭線44、45から加工を実施していくことになる。決定された移動経路は、画面上の三次元面40に重ね合わされて表示されることとなる。したがって、操作者は、決定された移動経路を視認することができる。
【0027】
移動経路が決定されると、CPU14は、NC工作機20のNC制御回路28に供給されるNCデータを作成する。このNCデータは、テーブル21上に設置された素材片22と工具24との相対位置関係を規定する。本実施形態では、決定された移動経路に従って工具24が素材片22上を移動するように、工具24のz軸方向移動速度やy軸方向移動速度、テーブル21のx軸方向移動速度がNCデータによって規定されることとなる。
【0028】
ここで、CPU14の演算処理を詳細に説明する。xy平面内に加工範囲が設定されると(図4参照)、CPU14は、図6に示すように、互いに並列する複数列の二次元面移動経路49をその加工範囲に設定する。各二次元面移動経路49は、一方の加工端輪郭線44から他方の加工端輪郭線45に至る。加工端輪郭線44、45は、加工範囲の設定にあたって入力装置17を通じて指定されればよい。例えば、マウスポインタで輪郭線をなぞる際に加工端輪郭線44、45の始点および終点をクリック動作等でCPU14に知らせればよい。加工範囲内で二次元面移動経路49同士は等間隔に配置されており、二次元面移動経路49の配置方法は後述される。全ての二次元面移動経路49を規定するxy座標値は一旦記憶される。二次元面移動経路49は、順番が付与されたxy平面内の点の集合として捉えられればよい。
【0029】
続いて二次元面移動経路49には、図7に示すように、等分割処理が施される。この等分割処理では、まず、各二次元面移動経路49の長さが測定され、最長の二次元面移動経路49aが抽出される。この最長の二次元面移動経路49aは複数の分割点50で等分割される。分割点50の個数は座標点ピッチに基づいて設定される。十分に滑らかな三次元面が形成されるように分割点50の個数が設定されればよい。ただし、操作者の経験に基づき入力装置17から分割点50の個数がCPU14に入力されるようにしてもよい。
【0030】
分割点50の個数が設定されると、その個数に従って他の全ての二次元面移動経路49が等分割される。隣接する二次元面移動経路49で対応する分割点50同士は互いに直線でつなぎ合わせられ、分割線52が描かれる。このように最長の二次元面移動経路49aを基準に分割点50の個数すなわち等分割の間隔を設定することから、必ず一定の加工精度が確保されることとなる。最長の二次元面移動経路49a以外の二次元面移動経路49では、設定された等分割の間隔よりも長い間隔を有する隣接分割点50が発生することはないからである。分割線52を規定するxy座標値は一旦記憶される。
【0031】
得られた分割線52を用いて、図8に示されるように、投影処理が施される。この投影処理では、まず、分割線52がz軸方向に投影され、三次元面40上で対応する1列の三次元座標点が分割線52ごとに抽出される。続いて、抽出された三次元座標点と工具24の形状との干渉が判断される。このとき、三次元座標点に接触する工具24の位置が決定され、この位置の工具24先端の三次元座標値に基づいて分割線52ごとに1列の三次元点データが生成される。算出された三次元点データのxyz座標値は一旦記憶されてもよい。
【0032】
続いて、算出された三次元点データには、図9に示すように、抽出処理が施される。この抽出処理では、まず、分割線52ごとに1列に並んだ三次元点データが取り出される。取り出された1列の三次元点データから、xyz座標系で等間隔に三次元点データが抽出される。こうして形状データが規定する三次元面40を基準に等間隔に配列された三次元点データが生成される。生成された三次元点データには、分割線52を横切る方向に沿って一連の加工順番が付与される。この加工順番に従って三次元点データがつなぎ合わされると、加工軌道46が生成される。この実施形態によれば、加工軌道46を横切る方向に沿って傾斜の異なる面では、実際の三次元面形状を基準に三次元点データが配列されるので、座標点ピッチの距離は均一となり、加工精度すなわち面粗度のむらは解消される。
【0033】
次に、図10に示すように、簡略化した加工範囲の輪郭42を用いて二次元面移動経路49の配置方法を詳述する。まず、加工範囲の輪郭42に着目し、2つの加工端輪郭線44、45を結ぶ輪郭線55、56を特定する。特定された2つの輪郭線55、56の両端には所定長さの延長線57が付加される。この延長線57は、輪郭線55、56の各端で輪郭線55、56に接する円の接線として規定される。こうした延長線57の付加によって、向き合う延長線57の終端57a同士を直線58で結んだ際に、その直線58の内側に全ての加工範囲が収まればよい。直線の長さは、加工範囲を収めるように設定され、予めソフトウェアに設定されていてもよく、入力装置17を通じてソフトウェアに取り込ませてもよい。
【0034】
延長線57を含めた2つの輪郭線55、56には、図11に示すように、等分割処理が施される。この等分割処理では、延長線57を含めた2つの輪郭線55、56は同数の分割点60で等分割される。2つの輪郭線55、56で対応する分割点60同士は互いに直線61でつなぎ合わされる。分割点60の個数は、座標点ピッチを考慮しつつ長い方の輪郭線56に基づいて設定されればよい。そうすれば、短い方の輪郭線55で等分割の間隔が座標点ピッチに対して極端に長くなることがない。
【0035】
続いて、図12に示すように、各直線61に等分割処理が施される。この等分割処理では、全ての直線61が同数の分割点62で等分割される。隣接する直線61で対応する分割点62同士は互いに直線63でつなぎ合わされる。つなぎ合わされた直線63を輪郭42で区切ったものが二次元面移動経路49(図6参照)となる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、形状データが規定する三次元形状を基準に等間隔に三次元点データが配列されるので、三次元形状の傾斜が異なっていても均一なピッチを保証することが可能となる。その結果、こうした三次元点データを用いてNC工作機向け加工データを生成すれば、加工精度にむらのない滑らかな三次元形状(面)を成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るNC工作機向け加工データ生成装置の構成を示す概略図である。
【図2】 NC工作機の構成を示す概略図である。
【図3】 画面に映し出された三次元面の一具体例を示す図である。
【図4】 画面上で設定された加工範囲の輪郭を示す平面図である。
【図5】 図3に対応し、設定された工具の移動経路を示す図である。
【図6】 図4に対応し、設定された二次元面移動経路を示す図である。
【図7】 等分割処理が施された二次元面移動経路を示す図である。
【図8】 投影処理が施された分割線を示す図である。
【図9】 抽出処理が施されて決定された加工軌道を示す図である。
【図10】 延長線が付与された加工範囲の輪郭の概略図である。
【図11】 輪郭線に等分割処理を施した加工範囲の輪郭の概略図である。
【図12】 得られた直線に等分割処理を施した加工範囲の輪郭の概略図である。
【符号の説明】
10 NC工作機向け加工データ生成装置、12a NCデータ作成ソフトウェアが格納された記憶媒体、20 NC工作機、24 工具、40 三次元形状としての三次元面、42 加工範囲の輪郭、44、45 加工端輪郭線、46 三次元点データが規定する加工軌道、49 二次元面移動経路、49a 最長の二次元面移動経路、50 分割点。
Claims (11)
- 形状データで規定される三次元形状に基づいて、NC工作機のxy平面に対して三次元形状の表面の傾斜の大きさが一定の範囲に収まるようにコンピュータ内の三次元空間内に設定されるNC工作機のxy平面内に、対向する2つの加工端輪郭線を含む加工範囲の輪郭を設定する工程と、一方の加工端輪郭線から他方の加工端輪郭線に至る複数列の二次元面移動経路の長さを測定し、最長の二次元面移動経路を抽出する工程と、所定の加工精度を確保する間隔に基づき設定される個数の分割点で最長の二次元面移動経路を等分割する工程と、最長の二次元面移動経路上の分割点の個数と同数の分割点で他の二次元面移動経路を等分割する工程と、全ての二次元面移動経路にわたって対応する分割点同士を結び分割線を描く工程と、描いた分割線をxyz座標系内で前記三次元形状に投影させ、投影された分割線上で等間隔に三次元点データを生成する工程とを備えることを特徴とするNC工作機向け加工データ生成方法。
- 請求項1に記載のNC工作機向け加工データ生成方法において、前記三次元点データに一連の加工順番を付与することを特徴とするNC工作機向け加工データ生成方法。
- 請求項2に記載のNC工作機向け加工データ生成方法において、前記加工順番の付与により、一方の加工端輪郭線から他方の加工端輪郭線に至る複数列の加工軌道を設定する工程を備えることを特徴とするNC工作機向け加工データ生成方法。
- 請求項3に記載のNC工作機向け加工データ生成方法において、前記2つの加工端輪郭線同士を結ぶ2つの輪郭線を特定する工程と、各輪郭線を複数の分割点によって等分割する工程と、2つの輪郭線で対応する分割点同士を直線で結ぶ工程と、各直線を等分割する工程と、等分割された直線に基づいて前記二次元面移動経路を設定する工程とを備えることを特徴とするNC工作機向け加工データ生成方法。
- 請求項3または4に記載のNC工作機向け加工データ生成方法において、前記三次元形状は、少なくとも前記加工軌道を横切る方向に沿って傾斜の異なる2面を備えることを特徴とするNC工作機向け加工データ生成方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のNC工作機向け加工データ生成方法において、前記三次元点データは、使用されるNC工作機の工具と前記三次元形状との干渉に基づいて生成されることを特徴とするNC工作機向け加工データ生成方法。
- 請求項6に記載のNC工作機向け加工データ生成方法において、前記三次元点データは、前記工具が前記三次元形状に接触する際の工具先端の三次元座標値によって規定されることを特徴とするNC工作機向け加工データ生成方法。
- 請求項1または2に記載のNC工作機向け加工データ生成方法において、前記三次元形状は、少なくとも傾斜の異なる2面を備えることを特徴とするNC工作機向け加工データ生成方法。
- 形状データで規定される三次元形状に基づいて、NC工作機のxy平面に対して三次元形状の表面の傾斜の大きさが一定の範囲に収まるようにコンピュータ内の三次元空間内に設定されるNC工作機のxy平面内に、対向する2つの加工端輪郭線を含む加工範囲の輪郭が設定されると、一方の加工端輪郭線から他方の加工端輪郭線に至る複数列の二次元面移動経路の長さを測定し、最長の二次元面移動経路を抽出する工程と、所定の加工精度を確保する間隔に基づき設定される個数の分割点で最長の二次元面移動経路を等分割する工程と、最長の二次元面移動経路上の分割点の個数と同数の分割点で他の二次元面移動経路を等分割する工程と、全ての二次元面移動経路にわたって対応する分割点同士を結び分割線を描く工程と、描いた分割線をxyz座標系内で前記三次元形状に投影させ、投影された分割線上で等間隔に三次元点データを生成する工程とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- 請求項9に記載の記録媒体において、前記三次元点データに一連の加工順番を付与する工程をさらにコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- 請求項10に記載の記録媒体において、前記加工順番の付与により、一方の加工端輪郭線から他方の加工端輪郭線に至る複数列の加工軌道を設定する工程をさらにコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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JPH11231922A (ja) | 1999-08-27 |
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