JP3535442B2 - 工具参照面計算方法、工具参照面計算プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び工具参照面計算装置 - Google Patents

工具参照面計算方法、工具参照面計算プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び工具参照面計算装置

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JP3535442B2 JP2000056843A JP2000056843A JP3535442B2 JP 3535442 B2 JP3535442 B2 JP 3535442B2 JP 2000056843 A JP2000056843 A JP 2000056843A JP 2000056843 A JP2000056843 A JP 2000056843A JP 3535442 B2 JP3535442 B2 JP 3535442B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工具参照面計算方
法、工具参照面計算プログラムを記録したコンピュータ
読み取り可能な記録媒体及び工具参照面計算装置に係
り、特に、数値制御工作機械に取り付けられた工具を経
路に沿って移動させて工作物を加工する際に、工具の逆
形状分膨らませた工具参照面を生成する工具参照面計算
方法、工具参照面計算プログラムを記録したコンピュー
タ読み取り可能な記録媒体及び工具参照面計算装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチックや金属のダイキャス
ト製品、板金製品の製造等に用いられる金型には、複雑
な曲面形状を有するものが多い。このような金型の多く
は、ボールエンドミル、フラットエンドミル、ラウンド
エンドミルなどの工具を用いた数値制御加工(NC(Nu
merical Control)切削加工)等により製作される。金
型加工では、工具により工作物を深く彫り込むことが多
いため、剛性に優れた3軸制御の工作機械の利用が一般
的である。この3軸制御の工作機械を用いた金属加工で
は、工具の位置を代表する点(以後この点を、参照点と
よぶ)の移動経路を工作機械の制御装置へ入力すること
で、希望する形状を切削することが知られている。
【0003】図27は、金型加工で用いられるエンドミ
ルの種類((a)ボールエンドミル、(b)フラットエ
ンドミル、(c)ラウンドエンドミル)と、それらの工
具参照点(Cutter reference point)の位置を示す図で
ある。金型加工では、先端の切刃が半球形のボールエン
ドミルが用いられることが多いが、作業効率が重視され
る粗加工では、フラットエンドミルが用いられ、同じ
く、なだらかな曲面形状の加工では、フラットエンドミ
ルの周囲に円環状の切刃が取り付けられた、ラウンドエ
ンドミルが用いられることがある。3軸のNC加工で
は、これらの工具の位置を代表する点(以後、この点を
工具参照点(Cutter reference point)とよぶ)の移動
経路を、Gコードとよばれるプログラム形式で記述し、
それを工作機械の制御装置へ入力することで、希望する
形状を削り出す。ボールエンドミルでは、工具参照点と
して切刃の中心点を用いることが一般的である。一方、
フラットエンドミルでは、工具先端の中心点を、またラ
ウンドエンドミルでは工具先端の中心点から、円環状の
切刃の半径分内側の点を、それぞれ工具参照点として用
いることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】金型のような凹凸の多
い形状の加工では、工具は、例えば、膨大な回数の微小
な直線移動を繰り返しおこない、素形材から少しずつ不
要部を除去していく。このような複雑な工具経路の計算
には、高速な計算機を用いても長時間(例えば、数十分
程度)の処理時間を要するため、その高速化が待望され
ている。
【0005】金型のような複雑な形状を加工する場合に
は、簡易な工具経路の計算法では、工具が金型製品の内
部へ削り込む、いわゆるガウジ(Gouge)と呼ばれる問
題が発生しやすい。図28は、金型加工における削り込
みの一例を示す説明図であり、金型表面の曲率半径が切
削工具(例えば、ボールエンドミル)の半径よりも小さ
くなる部分で発生する、削り込みの一例を示している。
すなわち、製品表面との接触を保ちつつ、図中の左から
右へ移動するボールエンドミルは、金型表面の曲率半径
が工具半径よりも小さくなる部分(図中、斜線で示した
ガウジング領域)において、このガウジング領域との接
触を見逃すと、そのまま金型製品の内側へ削り込んでし
まう。工具経路の自動生成プログラムは、その計算時間
の大半を、このようなガウジの防止処理に費やしてい
る。
【0006】このガウジを防止するためには、金型製品
の形状を切削工具の逆形状分膨らませた、工具参照面と
よばれる形状を生成すればよい。この工具参照面は、金
型製品の表面に沿って工具の逆形状を縦横に滑らせた時
の、掃引形状の上面に相当する。ここで、掃引形状の計
算は、立体モデリングの分野での古典的な問題であり、
既に幾つかの計算法が開発されている。例えば、境界表
現法(B-reps)などの、立体の位相情報を取り扱うモデ
リング技術では、掃引形状や工具参照面を得る手続き
は、非常に複雑なものになる。そのためNC切削加工の
分野では、掃引形状の上面を稠密な点集合として近似的
に計算する、「逆オフセット法」がよく用いられる。
【0007】この逆オフセット法では、まず、工具の回
転軸方向をZ軸とする座標系を考え、そのXY平面上に
1000×1000個程度の十分に細かい直交格子を用
意する。そして、各格子の中心からZ軸に平行な直線を
伸ばし、掃引形状の最上面との交点を計算することで、
掃引形状の上面を覆う稠密な点群を得る。最後に、点群
の隙間を多角形で補間することで、工具参照面を表す多
面体を生成する。
【0008】この逆オフセット法は、処理が単純なため
プログラム化が容易であり、計算も安定している。しか
し、膨大な数の格子のそれぞれについて交点計算を繰り
返すため、結果として多大な計算時間を要することが実
用の障害になっている。Choiらは、工具の幾何的な特徴
を利用して、計算の手間を数分の一に軽減する技術を開
発している。しかし、このような技術を駆使しても、工
具参照面の計算に数十分を要することが報告されてお
り、処理のさらなる高速化が強く求められている。
【0009】本発明は、以上の点に鑑み、3次元グラフ
ィックス表示装置を利用し、工具参照面を高速計算する
ことを目的とする。本発明は、工具参照面の計算結果に
基づいて生成した工具経路を瞬時に算出することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、逆オフセ
ット法による工具参照面の離散的な計算技術と、3次元
グラフィックス表示装置を利用した処理技術を組み合わ
せて用いることで、工具参照面の安定かつ高速な計算を
実現した。この手法は、ボールエンドミル、フラットエ
ンドミル、ラウンドエンドミル工具を用いた加工のため
の工具参照面の計算に適用できるが、これら以外の形状
の工具に対して適用可能となるように手法を拡張するこ
とは容易である。本発明では、加工対象の金型の形状が
多面体表現されていることを仮定する。ただし辺の左右
どちらか一方にしか多角形が接続していない、穴の開い
た形状も多面体とみなす。任意の曲面形状は、希望する
精度でこのような多面体として近似表現できる。
【0011】このような多面体化技術は、コンピュータ
グラフィックスの分野でよく研究されており、幾つかの
高速なアルゴリズムが既に知られている。逆オフセット
法において最も手間を要するのは、各格子から伸びる直
線と掃引形状の最上面の交点を計算する処理である。こ
の計算は、3次元グラフィックス表示装置に標準的に備
えられている、隠面消去機能を用いることで高速に実行
できる。ハードウェアの機能を活用するためには、掃引
形状を構成する球面や円筒面を、適切に多面体近似する
必要がある。隠面消去に要する時間は、多面体化された
曲面の総多角形数にほぼ比例する。そこで掃引形状を構
成する曲面から、工具参照面の計算に影響を与えない部
分を除去し、残りの部分だけを選択的に多面体化するこ
とで、さらに高速な処理を実現した。
【0012】幾何的な処理のハードウェア化について
は、CGSモデルの描画処理の高速化(J.P.Menon, R.
J.Marisa and J.Zagajac: More Powerful Solid Modeli
ng through Ray Representations, IEEE Computer Grap
hics and Appl., 14, 3 (1994)22.)、3次元測定機の
プローブの可接近範囲の解析(S.N.Spitz, A.J.Spyridi
and A.A.G.Requicha: Accessibility Analysis for Pla
nning of DimensionalInspection with Coordinate Mea
suring Machines, IEEE Trans. Robotics andAutomatio
n, 15, 4 (1999) 714.)、離散的なボロノイ図の計算
(K.E.Hoff III,T.Culver, J.Keyser, M.C.Lin and D.M
anocha: Fast Computation of Generalized Voronoi D
iagrams Using Graphics Hardware, Computer Graphic
s Proc.,SIGGRAPH 99 (1999) 277.)などの研究が知ら
れている。また本発明者らは、本発明とほぼ同様の技術
を利用して、切削加工のシミュレーションを高速化する
手法を既に出願している(特願平11−35296)。
しかし工具経路の生成に重要な役割を果たす、工具参照
面の計算をハードウェアにより高速化した例は、本発明
以外には全く知られていない。
【0013】本発明の第1の解決手段によると、数値制
御工作機械に取り付けられた工具を経路に沿って移動さ
せて工作物を加工する際に、工具の逆形状分膨らませた
工具参照面を生成する工具参照面計算方法及び工具参照
面計算プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能
な記録媒体であって、加工対象物の多面体モデル及び工
具形状に関する情報を入力するステップと、前記入力す
るステップにより入力された加工対象物の多面体モデル
及び工具形状に関する情報に基づいて、頂点部分に対応
する第1の形状及び辺部分に対応する第2の形状及び多
角形部分に対応する第3の形状、又は、前記第2の形状
及び第3の形状を配置することにより、工具の中心を表
す参照点が加工対象物の表面に沿って移動するときの掃
引形状を生成するステップと、前記生成するステップに
より生成された形状に基づき、隣接した各々の形状の内
部に入り込んでいる部分を除去するステップと、前記除
去するステップにより得られた形状の部分的な形状につ
いて、多面体化するステップと、前記多面体化するステ
ップにより得られた多面体に基づき、法線方向が所定の
向きの多角形のみ選択することにより、多角形データを
生成するステップと、前記多角形データを生成するステ
ップにより得られた多角形データを3次元グラフィック
ス表示部に与えるステップと、3次元グラフィックス表
示部によるハードウェア処理で求められた掃引形状の最
上面の高さを表すデプス値を受けるステップと、前記受
けるステップにより得られたデプス値に基づき、掃引形
状の上面を覆う格子状の点群を得るステップと、前記点
群を得るステップにより得られた点群に基づき、隣接す
る点を選択し多角形へ置換することで工具参照面を得る
ステップとを備えた工具参照面計算方法及び工具参照面
計算プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な
記録媒体を提供する。
【0014】本発明の第2の解決手段によると、数値制
御工作機械に取り付けられた工具を経路に沿って移動さ
せて工作物を加工する際に、工具の逆形状分膨らませた
工具参照面を生成する工具参照面計算装置であって、加
工対象物の多面体モデル及び工具形状に関する情報を入
力する入力部と、工具参照面を計算する処理部とを備
え、前記処理部は、前記入力部により入力された加工対
象物の多面体モデル及び工具形状に関する情報に基づい
て、頂点部分に対応する第1の形状及び辺部分に対応す
る第2の形状及び多角形部分に対応する第3の形状、又
は、前記第2の形状及び第3の形状を配置することによ
り、工具の中心を表す参照点が加工対象物の表面に沿っ
て移動するときの掃引形状を生成する手段と、前記生成
する手段により生成された形状に基づき、隣接した各々
の形状の内部に入り込んでいる部分を除去する手段と、
前記除去する手段により得られた形状の部分的な形状に
ついて、多面体化する手段と、前記多面体化する手段に
より得られた多面体に基づき、法線方向が所定の向きの
多角形のみ選択することにより、多角形データを生成す
る手段と、前記多角形データを生成する手段により得ら
れた多角形データを3次元グラフィックス表示部に与え
る手段と3次元グラフィックス表示部によるハードウェ
ア処理で求められた掃引形状の最上面の高さを表すデプ
ス値を受ける手段と、前記受ける手段により得られたデ
プス値に基づき、掃引形状の上面を覆う格子状の点群を
得る手段と、前記点群を得る手段により得られた点群に
基づき、隣接する点を選択し多角形へ置換することで工
具参照面を得る手段とを備えた工具参照面計算装置を提
供する。
【0015】
【発明の実施の形態】1.逆オフセット法を用いた掃引
形状の上面の近似的な計算手法 図1は、ボールエンドミルによる工具参照面と掃引形状
を示す説明図である。図1(a)は、製品表面を滑るボ
ールエンドミルの参照点の描く工具参照面を示した図で
あり、図1(b)は、工具の逆形状の参照点が製品表面
を滑る時の掃引形状を示した図である。図1(a)に示
すように、ボールエンドミルが、金型製品との接触を保
ちつつ(内部へ削り込むことなく)製品表面を縦横に滑
るとき、ボールエンドミルの工具参照点の軌跡の描く面
を、工具参照面(Cutter reference surface)とする。
この工具参照面が得られれば、ボールエンドミルを、そ
の参照点が常にこの面の上側に存在するように移動させ
ることで、削り込みを生じない工具経路を高速に計算で
きる。工具参照面は、以下の手順で計算できる。まず、
ボールエンドミルを、工具参照点を中心に180度回転
させた逆形状を得る。次に、この逆形状を、図1(b)
に示すように、その参照点が常に製品の表面(Designed
surface)に存在するように保ちつつ縦横に移動させ、
その掃引形状を生成する。このとき掃引形状の最上面が
工具参照面に対応する。
【0016】この計算法は、フラットエンドミルやラウ
ンドエンドミルを用いた切削加工にも適用できる。図2
は、フラットエンドミルによる工具参照面と掃引形状を
示す説明図である。図2(a)は、フラットエンドミル
を用いて製品表面を切削するときの、工具参照点の軌跡
の描く面の様子を示した図であり、図2(b)は、フラ
ットエンドミルの逆形状を考え、その参照点が製品表面
を縦横に滑るときの、掃引形状の状態を示した図であ
る。
【0017】図3は、ラウンドエンドミルによる工具参
照面と掃引形状を示す説明図(1)である。図3(a)
は、製品表面を滑るラウンドエンドミルの参照点の描く
工具参照面を示した図であり、図3(b)は、工具の逆
形状の参照点が製品表面を滑る時の掃引形状を示した図
である。図4は、ラウンドエンドミルによる工具参照面
と掃引形状を示す説明図(2)である。図4(a)は、
半径(r)のボールエンドミルの逆形状の表面にそっ
て、半径(R−r)のフラットエンドミルの逆形状を滑
らせた様子を示した図であり、図4(b)は、半径
(r)のボールエンドミルの逆形状の掃引形状を計算
し、さらにその上面にそって半径(R−r)のフラット
エンドミルの逆形状を滑らせた結果を示した図である。
図4(a)に示すように、軸部の半径(R)、円環状の
切刃の半径(r)のラウンドエンドミルの逆形状は、半
径(R−r)のフラットエンドミルの逆形状を、半径
(r)の細いボールエンドミルの表面にそって滑らせた
ときの、掃引形状と見なすことができる。したがって、
図4(b)に示すように、ラウンドエンドミルの逆形状
の掃引形状は、半径(r)のボールエンドミルの逆形状
を、金型表面にそって滑らせ掃引形状を生成し、次に得
られた形状の上面にそって、半径(R−r)のフラット
エンドミルの逆形状を滑らせることで計算できる。ま
た、ラウンドエンドミルの逆形状は、半径(r)のボー
ルエンドミルの逆形状を、半径(R−r)のフラットエ
ンドミルの逆形状にそって滑らせたときの掃引形状とも
見なせるので、逆の手順でも、ラウンドエンドミルの逆
形状の掃引形状を計算できる。
【0018】すなわち、切削加工にフラットエンドミ
ル、ラウンドエンドミルをそれぞれ用いた場合も、工具
参照面と掃引形状の上面が同一形状になっていることが
分かる。したがって、工具参照面を得るためには、工具
の逆形状の掃引形状を計算し、その上面を選択する処理
をおこなえばよいことになる。
【0019】以下の議論では、説明の都合上、また処理
速度を考慮して、加工対象の製品の形状が多面体である
と仮定する。ただし、各辺の左右に1枚ずつ多角形が接
続している、通常の閉じた多面体だけでなく、辺の左ま
たは右のどちらか一方にしか多角形が接続していない、
「開いた」形状を許すことができる。一般に、任意の曲
面形状は、希望する精度でこのような多面体として近似
表現できる(後述の図16及びその説明箇所等参照)。
曲面形状を多面体化する技術は、コンピュータグラフィ
ックスの分野においてよく研究されており、幾つかの高
速なアルゴリズムが既に知られている。なお、ラウンド
エンドミルの逆形状の掃引形状は、上述したように、ボ
ールエンドミルとフラットエンドミルの逆形状の掃引形
状が計算できれば、それらを組み合わせることで、計算
できる。このため、以下では、ボールエンドミルとフラ
ットエンドミルの逆形状の掃引形状を計算する手法につ
いて述べる。これらを組み合わせることで、ラウンドエ
ンドミルの逆形状の掃引形状も計算することができる。
【0020】図5は、ボールエンドミルによる掃引形状
の説明図である。図5(a)は、ボールエンドミルによ
る切削加工での、球の掃引形状を構成する、球面の一例
を示した図であり、同じく図5(b)は、円筒形の一例
を示した図であり、同じく図5(c)は、厚板形状の一
例を示した図である。半径(r)のボールエンドミルに
よる切削加工の場合では、工具参照面にあたる掃引形状
の上面は、ボールエンドミルの逆形状の上端の、半球形
の切刃の移動により生成される。そこで、工具の逆形状
の代わりに、切刃と同一半径の球を、その中心が常に製
品表面に存在するように滑らせた時の掃引形状の計算を
考える。製品が多面体形状のとき、球の掃引形状は、多
面体の頂点、辺、多角形を、以下の手順で球面、円筒
形、厚板形状にそれぞれ置き換えた時の、これらの和形
状となる。 [頂点]・・・その頂点(v)を中心とする、半径
(r)の球面に置き換える(図5(a)参照)。 [辺]・・・その辺(e)を中心軸とする、半径(r)
の円筒形に置き換える(図5(b)参照)。 [多角形]・・・その多角形(f)を中心とする、厚さ
(2r)の厚板形状に置き換える(図5(c)参照)。
【0021】図6は、フラットエンドミルによる掃引形
状の説明図である。図6(a)は、フラットエンドミル
による切削加工での、円板の掃引形状を構成する、斜円
筒形の一例を示した図であり、同じく図6(b)は、厚
板形状の一例を示した図である。半径(r)フラットエ
ンドミルによる切削加工の場合では、工具参照面にあた
る掃引形状の上面は、フラットエンドミルの逆形状の上
端の、円板状の切刃の移動により生成される。製品が多
面体形状のとき、円板の掃引形状は、多面体の辺と多角
形を、以下の手順でそれぞれ斜円筒形と厚板形状に置き
換えた時の、これらの和形状となる。 [辺]・・・その辺(e)の両端の頂点に与えられた、
半径(r)の2枚の水平な円板を結ぶ斜円筒形に置き換
える(図6(a)参照)。 [多角形]・・・多角形(f)の周囲の全頂点に、半径
(r)の水平な円板を配置し、多角形を水平に移動さ
せ、全ての円板の外周と接するように位置決めする。こ
のような位置は二ヶ所考えられる。そこで、各場所に配
置された2枚の多角形に挟まれた領域に対応する厚板形
状を生成し、多角形(f)をこの厚板形状に置き換える
(図6(b)参照)。
【0022】したがって、複雑な曲面形状を多面体化し
た場合、その多角形数はしばしば数万から数十万枚とな
る。辺や頂点の数も多角形数に比例するので、上述した
手法による掃引形状の計算では、膨大な数の球面、円筒
形、厚板形状の集合演算を繰り返すことになる。本発明
では、逆オフセット法は、工具参照面として最終的に必
要となるのが、掃引形状の上面だけであることに着目
し、以下の手順で処理することで、工具参照面の効率的
かつ安定な計算を実現する。
【0023】図7は、ボールエンドミル加工用の工具参
照面を得るため説明図である。図7には、ボールエンド
ミル加工用の工具参照面を得るために、球の掃引形状を
構成する球面、円筒形、厚板形状と、格子の中心を通過
するZ軸に平行な直線の交差を調べ、最も上側の交点を
選択する様子を示した。同じく、図8は、フラットエン
ドミル加工用の工具参照面を得るため説明図である。図
8には、フラットエンドミル加工用の工具参照面を得る
ために、円板の掃引形状を構成する斜円筒形や厚板形状
と、格子の中心を通過するZ軸に平行な直線の交差を調
べ、最も上側の交点を選択する様子を示した。
【0024】まず、図7及び図8に示すように、処理の
基準となる直交座標系を、そのZ軸がボールエンドミル
及びフラットエンドミルの回転軸の上向き方向と一致す
るように与える。次に、基準座標系のXY平面上に、X
軸とY軸に平行かつ等間隔な直交格子を、これから計算
する掃引形状の、XY平面への投影を覆うように生成す
る。ボールエンドミル加工の場合も、フラットエンドミ
ル加工の場合も、掃引形状の投影図形は、製品形状の投
影図形をエンドミルの半径分膨らませたものに相当する
ので、この膨らんだ図形を覆うように直交格子を生成す
ればよい。格子の間隔(W)を小さくするほど精密な計算
が可能になるが、(1/W)の平方に比例して格子数が増
加するため、必要な記憶容量が膨大なものになる。そこ
でこの値は、要求される加工精度と利用可能な記憶容量
の兼ね合いで決めることになる。工具参照面を計算する
場合には、一例として、格子の間隔が50〜200μm
になるように、また格子の総数が1000×1000個
以下になるように調整する場合が多いが、これに限られ
ず適宜の間隔・総数を用いることができる。
【0025】各格子について、その中心を通過するZ軸
に平行な直線を考え、この直線と掃引形状を構成する全
ての形状要素の交差を調べる。例えば、ボールエンドミ
ル加工用の工具参照面を計算する場合には、図7に示す
ように、各格子の中心を通過する直線と、頂点に配置さ
れた球面、辺に配置された円筒形、多角形に配置された
厚板形状の交差を調べる。そして、最も上側の交点、す
なわち、Z座標値が最大の交点を選択する。一方、フラ
ットエンドミル加工用の工具参照面を計算する場合も、
図8に示すように、各直線と、辺に配置された斜円筒形
および多角形に配置された厚板形状の交差を調べ、最も
上側の交点を選択する。これらの処理を全ての格子につ
いて繰り返すと、工具参照面を覆う稠密な点群を得るこ
とができる。これらの点群は格子状に配置されているの
で、隣接する点を適切に選択し多角形へ置き換えること
で、工具参照面を表す多面体を計算できる。
【0026】2.3次元グラフィックス表示装置の利用 逆オフセット法では、各格子の中心を通過するZ軸に平
行な直線と、掃引形状を構成する形状要素(頂点に配置
された球面、辺に配置された円筒形など)の交点計算
を、格子と形状要素の全ての組み合わせについて繰り返
す必要がある。そのため素朴な実装法では、処理に多大
な時間を要することになり、実用的とはいえない。本発
明においては、3次元グラフィックス表示装置の隠面消
去機能を利用することで、この処理を高速化する。
【0027】図9は、デプスバッファの利用による二つ
の立方体の隠面消去画像の説明図である。3次元コンピ
ュータグラフィックスでは、他の面に隠されて観察者か
ら見えない「隠面」を消去した画像を生成するために、
デプスバッファを用いる。図示のように配置された2個
の立方体201及び202を図の左側から観察した画像
を、平行投影により画面へ描く場合を例に、この技術を
説明する。
【0028】ここで、立方体201及び202が、図示
のような位置関係にある場合、観察者の視点203から
の可視画像を考える。フレームバッファ204は、その
際の可視画像を投影する2次平面である。立方体201
及び202を視点203から観察した画像を、平行投影
によりフレームバッファ204に描く。図示してあるよ
うに、フレームバッファ204上では、立方体201の
面上の点P及びP、立方体202の面上の点P
びPが、同一のピクセル205で表される。なお、図
中のX軸、Y軸、Z軸は、それぞれ処理の基準となる座
標を表している。3次元コンピュータグラフィックスで
は、立体の面のうち、他の面に隠されて観察者から見え
ない隠面を消去した画像を生成するために、デプスバッ
ファ(又は、Z−バッファ)と呼ばれるデータ構造を用
いる。このデプスバッファを用いることで、視点203
及びフレームバッファ204に最も近い点Pが選択さ
れ、点Pに相当する色・パターン・模様等の情報がピ
クセル205に与えられる。例えば、相当する情報が色
の場合は、フレームバッファ204は、該当する色に染
められる。
【0029】次に、2個の立方体201及び202の隠
面を消去した画像を、平行投影によりフレームバッファ
204へ描く具体的処理技術を説明する。以下の説明で
は、一例として、各面に該当する色を各ピクセルに与え
る場合について説明する。図示のように、処理の基準と
なる座標系を、フレームバッファ204上の任意の位置
に定め、そのZ軸の方向を、観察者の視点203方向と
逆向きになるように定める。また、フレームバッファ2
04の各ピクセルと1対1に対応する要素からなる、デプ
スバッファと呼ばれる配列を用意し、ここでは、各要素
に初期値として十分に小さな数値を与えておき、立方体
を構成する各多角形を、平行投影により順にフレームバ
ッファ204へ描画していく。その際に、各ピクセルへ
投影される多角形(正方体)上の点のZ軸座標値を計算
し、ピクセルに対応するデプスバッファ要素の値(これ
をデプス値とよぶ)と比較する。そして、Z軸座標値が
デプス値よりも大きいときには、ピクセルを面上の点の
色で染め、さらに、Z軸座標値を新しいデプス値として
記録する。この一連の処理をデプスバッファ処理とい
う。このような処理を全ての面について繰り返すと、結
果として隠面を消去した画像がフレームバッファ204
に描かれることになる。
【0030】ボールエンドミルの回転軸の下向き方向を
観察者の視線方向に定め、画面のピクセル群をXY平面
上の直交格子と対応付けると、「図7及び図8に示し
た、全ての格子について、その中心を通過するZ軸に平
行な直線と、球や円板の掃引形状の最上面の交点を計算
すること」と、「図9に示した、掃引形状を構成する全
ての形状要素(球面、円筒形、厚板形状など)を平行投
影した画像を、デプスバッファを用いて描くこと」と
は、全く同等の処理になることがわかる。全ての形状要
素を描き終えたとき、デプスバッファの各要素には、対
応する直線と掃引形状の最も上側の交点のZ座標値がデ
プス値として格納されることになるので、工具参照面を
表す点群を容易に得ることができる。
【0031】多くの3次元グラフィックス表示装置は、
デプスバッファを用いた多面体の隠面消去処理を、ハー
ドウェアで直接実行する機能を備えている。したがっ
て、掃引形状を構成する球面や円筒形などを適切に多面
体近似し、得られた多角形群を平行投影した画像を、3
次元グラフィックス表示装置を用いて描画することで、
工具参照面を高速に計算できる。3次元グラフィックス
表示装置は、今後の高速化が最も期待されている半導体
デバイスなので、デプスバッファを用いた多面体の隠面
消去処理では、さらなる高速化が期待できる。
【0032】3.描画が不要な部分の除去 金型の多くの部分は、滑らかな曲面形状を有している。
このような形状を多面体化すると、その表面を覆うほと
んどの多角形は、隣接する他の多角形と、非常になだら
かな状態で接続することになる。したがって、ボールエ
ンドミル加工用の工具参照面を計算するために、多面体
の頂点、辺、多角形のそれぞれに、球面、円筒形、厚板
形状を配置すると、各円筒形のほとんどの部分は、その
左右に配置された厚板形状の内部に入り込んでしまうた
め、球の掃引形状の上面にはなり得ない。同様に、多面
体の頂点に配置された球面も、ほとんどの部分は、その
頂点に接続する辺に配置された円筒形の内部に入り込ん
でしまうため、掃引形状の上面とは無関係である。
【0033】そこで、球面や円筒形を多面体化する前
に、隣接する円筒形や厚板形状の内部に入り込んでい
て、掃引形状の上面にはなり得ない部分を除去してお
く。近似球面や近似円筒面の多角形数は、その表面積に
ほぼ比例するので、不要な曲面部分を除去してから多面
体化することで、隠面消去処理をおこなう多角形数を大
幅に削減でき、結果として工具参照面の計算をさらに高
速化できる。
【0034】図10は、円筒形と厚板形状との組み合わ
せを示す図である。図10は、一例として、多面体のあ
る辺に配置された円筒形Cと、その辺の左右に接続す
る二枚の多角形に配置された厚板形状PとPの様子
を示した図である。図示のように、円筒形Cのほとん
どの部分は、厚板形状PとPの内部に入り込んでい
る。そこで、円筒形からこれらの部分を除去し、残りの
細長いくさび形状(図中の白い部分)だけを多面体化す
ることで、多角形数を削減する。
【0035】図11は、球面と円筒形との組み合わせを
示す図である。図11(a)は、ある頂点に配置された
球面Sと、この頂点に接続する3本の辺に配置された
円筒形C、C、Cの様子を示した図である。円筒
形の場合と同様に、球面Sのほとんどの部分は、円筒
形C、C、Cの内部に入り込んでいるため、掃引
形状の上面とは無関係である。そこで、球面からこれら
の部分を除去した残りの形状(図中央の、太線で囲まれ
た三角形状の部分)だけを、多面体化すればよいことに
なる。
【0036】また、頂点に多数の辺が接続している場
合、この残りの形状の計算はかなり面倒なものになる。
そこで本発明では、図11(b)に示すように、頂点に
最も滑らかに接続している2辺を選択し、球面からこれ
ら2辺に対応する円筒形の内部に入り込んでいる部分だ
けを取り除くことで、計算の手間を省く。つまり、球面
から、例えば、円筒形CとCの中に入り込んで
いる部分だけを除去する。円筒形CとCの端面は、
球面Sの中心を通過しているので、これらの部分を除
去すると、「すいか」のような形状が残ることになる。
工具参照面を計算する際には、この「すいか」形状を多
面体化し描画すればよい。
【0037】一方、フラットエンドミル加工用に工具参
照面を計算する場合にも、ほぼ同様の手法で多角形数を
削減できる。多面体の辺と多角形のそれぞれに、斜円筒
形と厚板形状を配置すると、斜円筒形のほとんどの部分
は、その左右に配置された厚板形状の内部に入り込んで
しまうため、掃引形状の上面にはなり得ない。図12
は、斜円筒形と厚板形状との組み合わせを示す図であ
る。図12は、多面体のある辺に配置された斜円筒形C
と、その辺の左右に接続する二枚の多角形に配置され
た厚板形状PとPの様子を示した図である。斜円筒
形Cのほとんどの部分は、隣接する厚板形状PとP
の内部に入り込んでいる。そこでこれらの部分を除去
し、残りの「斜くさび形状」(図中の白い部分)だけを
多面体化することで、描画する多角形数を削減する。
【0038】4.不要部を除去後の形状の多面体化 図13は、不要部を除去後の形状の多面体化手法の説明
図である。図13(a)は、くさび形状の多面体化手
法、図13(b)は、すいか形状の多面体化手法、図1
3(c)は、斜くさび形状の多面体化手法をそれぞれ示
す。図示のように、不要部を除去することで得られた、
くさび形状、すいか形状及び斜くさび形状を、以下の手
順で多面体化する。 (1)円筒形から不要部を除去した残りのくさび形状
は、等しい幅の長方形を鎧状につないだものとして多面
体近似する(図13(a)参照)。 (2)球面から不要部を除去した残りのすいか形状は、
球面部を幾つかの等幅な細片へ分割し、それらをさらに
等しい間隔で分割することで、微小な四辺形(細片の両
端のみ三角形)の集合として多面体近似する(図13
(b)参照)。 (3)斜円筒形から不要部を除去した残りの斜くさび形
状は、くさび形状を多面体化する場合と同様に、細長い
長方形をつないだものとして多面体近似する(図13
(c)参照)。
【0039】このようにして得られた多角形のうち、一
例として、その法線方向が下向きのものは、掃引形状の
上面にはなり得ない。そこで、これらの下向きの多角形
を隠面の消去処理の対象から除外することで、処理時間
をさらに短縮できる。上述の多面体化手法では、曲面の
近似精度は、くさび形状を構成する長方形片の幅や、す
いか形状を構成する四辺形の最大サイズ(図13中の長
さd)により決まる。長さdを大きくすると近似曲面の
多角形数は減少するが、形状誤差が大きくなるため、得
られる工具参照面の精度が低下してしまう。ここで、多
面体化に伴う誤差の許容量をεとすると、例えば、長さ
dは、以下の不等式を満たす必要がある(ただし、rは
球面や円筒形の半径をあらわす)。 d<8rε
【0040】工具参照面の計算では、近似誤差の許容量
εを0.001mm程度に抑えれば十分なので、球面や円
筒形の半径rが1.0mmの場合、長さdが0.1mm以下
になるように多面体化すればよい。
【0041】5.ハードウェアの構成 図14は、本発明に関するハードウェアの構成図であ
る。このハードウェアは、中央処理装置である処理部
(CPU)1と、データを入力する入力部2と、入力さ
れたデータを記憶する記憶部3と、出力部4と、3次元
グラフィックス表示部5とを有する。また、CPU1、
入力部2、記憶部3、出力部4及び3次元グラフィック
ス表示部5は、スター又はバス等の適宜の接続手段で接
続されている。
【0042】3次元グラフィックス表示部5は、上述の
隠面消去の画像を、デプスバッファを用いることにより
生成するハードウェアの装置である。3次元グラフィッ
クス表示部5は、ハードウェア処理により高速にデプス
バッファ処理を行うことができる。また、3次元グラフ
ィックス表示部5は、例えば、ボード、カード又は他の
装置として構成され、CPU1等と一体に構成されてい
ても、別個の構成であってもよい。出力部4は、3次元
グラフィックス表示部5で生成され、フレームバッファ
へ描画された隠面消去の画像をディスプレイ上に表示す
る又は他の装置に出力する装置である。なお、出力部4
は、バスに直接接続されるように構成することもでき
る。
【0043】6.処理アルゴリズムの流れ 図15は、本発明に関する工具参照面の計算手順につい
てのフローチャート(1)である。まず、工具参照面の
計算を行うために必要な、加工対象物(金型製品)の多
面体モデルと切削工具(例えば、ボールエンドミルもし
くはフラットエンドミル)の形状データを入力する(S
100)。次に、処理の基準となる直交座標系を、その
Z軸がボールエンドミルの回転軸の上向き方向と一致す
るように与えると共に、基準座標系のXY平面上に、X
軸とY軸に平行かつ等間隔な直交格子を、製品形状のX
Y平面への投影図形を工具半径分膨らませた形状を覆う
ように生成する(S101)。もし、製品形状の一部に
関する工具参照面だけを、特に高精度に計算したい場合
には、直交格子を、高精度に計算したい部分のXY平面
への投影図形だけを覆うように生成する(S102)
(後述)。
【0044】切削工具としてボールエンドミルを用いる
場合、まず、切刃と同一半径の球を、その中心(即ち、
工具参照点)が常に製品表面に存在するように保ちつつ
縦横に移動させたときの、掃引形状の計算を考える。こ
の形状は、加工対象物モデルの頂点、辺、多角形を、そ
れぞれ球面、円筒形、厚板形状に置き換えた形状の集合
和となる(S103)。掃引形状を構成する球面と円筒
形のほとんど部分は、隣接する円筒形や厚板形状の内部
に入り込んでおり、掃引形状の上面にはなり得ない。そ
こで各球面や円筒形から、隣接する円筒形や厚板形状の
内部に入り込んでいる部分を除去し、すいか形状とくさ
び形状を生成する(S104)。さらに、すいか形状、
くさび形状、厚板形状を多面体化する(S105)。
【0045】一方、切削工具としてフラットエンドミル
を用いる場合、切刃と同一半径の水平な円板を、その中
心(即ち、工具参照点)が常に製品表面に存在するよう
に保ちつつ縦横に移動させたときの、掃引形状の計算を
考える。この形状は、加工対象物モデルの辺と多角形
を、それぞれ斜円筒形と厚板形状に置き換えた形状の集
合和となる(S106)。斜円筒形のほとんど部分は、
隣接する厚板形状の内部に入り込んでおり、掃引形状の
上面にはなり得ない。そこで各斜円筒形から、隣接する
厚板形状の内部に入り込んでいる部分を除去し、斜くさ
び形状を生成する(S107)。さらに、斜くさび形状
と厚板形状を多面体化する(S108)。なお、ボール
エンドミル又はフラットエンドミルの一方のみに対応さ
せる場合は、ステップS102の後の判断を、ステップS
103〜S105の処理又はステップS106〜S108
の処理のいずれか一方を含めばよい。
【0046】次に、得られた多面体群を覆う多角形のう
ち、掃引形状の上面になり得るのは、ここでは、その法
線方向が上向きのものだけである。そこでこのような上
向き多角形を選択し、その必要な又は全ての多角形デー
タを3次元グラフィックス表示装置へ送る(S10
9)。ここから、3次元グラフィック表示装置によるハ
ードウェア処理が開始される。すなわち、XY平面上の
直交格子と1対1に対応する要素からなる、デプスバッ
ファを用意する。選択された多角形群を、Z軸の正方向
から観察した画像を、平行投影により画面へ描画する。
3次元グラフィックス表示装置が、隠面消去の手順にし
たがってデプスバッファの内容を更新する(S11
0)。次に、全ての多角形を描き終えたとき、デプスバ
ッファの各デプス値は、対応する格子中心を通過するZ
軸に平行な直線と球や水平な円板の掃引形状の、最も上
側の交点のZ座標値を表している。そこで得られた必要
な又は全てのデプス値を、ソフトウェア側の処理へ渡す
(S111)。なお、3次元グラフィックス表示装置に
備えられた表示部では、ハードウェア処理の様子を示す
色、パターン、模様等の画像を表示することができる。
【0047】こうして再び、ソフトウェアによる処理が
開始される。直交格子の位置情報とデプス値に基づい
て、工具参照面を覆う稠密な点群を生成する(S11
2)。点群は格子状に配置されているので、隣接する点
を適切に選択し多角形へ置き換えることで、工具参照面
を表す多面体を生成する(S113)。得られた工具参
照面を、工具経路生成用のCAMソフトウェアへ送る
(S114)。CAMソフトウェアでは、得られた工具
参照面に基づき、グラフィック表示等による表示、所望
の加工シミュレーション、実際の加工等の適宜の処理を
実行する。
【0048】ここで、ステップS102に関して説明す
る。逆オフセット法で用いる、XY平面上の直交格子の
格子数は1000×1000程度である。加工対象物全
体に、このような格子をあてはめて工具参照面を計算す
ると、加工対象物の一部に急激に変化する形状がある場
合には、その部分に関して十分な精度の工具参照面が得
られない場合がある。そこで高精度の計算が要求される
場合には、そのような形状変化が激しい部分形状の投影
図形だけを覆うように直交格子を生成し、工具参照面の
計算をおこなう。ごく一部の形状に1000×1000
の格子をあてはめて計算することになるので、この部分
に関してより高精度の工具参照面を得ることができる。
【0049】図16(a)には、加工対象物全体に格子
をあてはめて、逆オフセット法により工具参照面を計算
する様子を示している。このようにすると、急激に形状
が変化する部分があっても、この部分に少数の格子しか
あてはめることができないため、得られる工具参照面の
精度が不十分なものになってしまう。図16(b)に
は、この形状変化が激しい部分の投影図形だけを覆うよ
うに直交格子を生成し、工具参照面を計算する様子を示
した。この部分に関して、より高精度の工具参照面が得
られることが分かる。
【0050】ここで、切削工具としてラウンドエンドミ
ルを用いる場合について説明する。図17は、本発明に
関する工具参照面の計算手順についてのフローチャート
(2)である。ここで、説明の便宜上、図4に示したよ
うに、ラウンドエンドミルの軸部の半径をR、円環状の
切刃の半径をrとした。まず、ラウンドエンドミルの円
環状の切刃の半径rを有するボールエンドミルについて
工具形状に関する情報として入力し(S201)、上述
のフローチャートのステップS101〜S113に従
い、工具参照面の計算方法を実行する(S203)。さ
らに、ステップS113で得られる工具参照面の多面体
モデルを、ステップS100での加工対象物の多面体モ
デルに関する情報として入力し(S205)、また、ラ
ウンドエンドミルの軸部の半径Rから、円環状の切刃の
半径rを引いた、半径R−rを有するフラットエンドミ
ルについて工具形状に関する情報として入力し(S20
7)、再び、上述のフローチャートのステップS101
〜S114に従い、工具参照面の計算方法を実行する
(S209)。これにより、切削工具としてラウンドエ
ンドミルを用いた場合の工具参照面を得ることができ
る。
【0051】なお、本発明の工具参照面計算方法は、工
具参照面計算プログラムを記録したコンピュータ読み取
り可能な記録媒体又は工具参照面計算プログラム製品に
より提供することができる。
【0052】7.実験および比較 ここで、発明した手法の有効性を検証するために、3次
元グラフィックス表示装置のデプスバッファ処理機能を
利用して工具参照面を計算するプログラムを作成し、計
算実験をおこなった。実験には、格子数が1000×1
000個になるように調整した直交格子を用いた。利用
した計算機は、PentiumIII(450MHZ)をCPUとす
る、主記憶486MBのワークステーションである。こ
のワークステーションには、Cobaltと呼ばれる3
次元グラフィックス表示のための専用ハードウェアが備
えられている。描画する多角形の形状を、OpenGL
(Open Graphics Library)とよばれるライブラリの仕
様にしたがってプログラムに記述すると、デプスバッフ
ァ処理をハードウェアで実行する機械語コードを、コン
パイラが自動生成する。
【0053】図18に、30,528枚の多角形からな
る多面体を示す。図19に、この多角形数30,528
枚の多面体を、半径5mmのボールエンドミルを用いて切
削加工するために、工具参照面を計算した結果を示す。
この計算に要した時間は1.84秒であった。また、図
20に、工具参照面の計算結果に基づいて、多面体の表
面を切刃が滑るように往復する全長約40,000mmの
工具経路を生成した様子を示し、図21に、その経路に
基づいて切削加工のシミュレーションをおこなった結果
を示す。工具参照面の計算が終了しているため、工具経
路の算出は瞬時に終わる。加工シミュレーションの結果
から、削り込みの生じない適切な工具経路が生成されて
いることが分かる。
【0054】図22に、この多角形数30,528枚の
多面体を、半径5mmのフラットエンドミルを用いて切削
加工するために、工具参照面を計算した結果を示す。こ
の計算に要した時間は1.30秒であった。図23に
は、工具参照面の計算結果に基づいて工具経路を生成し
た様子を示し、図24に、その経路に基づいて切削加工
のシミュレーションをおこなった結果を示す。シミュレ
ーション結果から、この例でも適切な経路が生成されて
いることが分かる。
【0055】次に、逆オフセット法による工具参照面の
計算を、全てソフトウェアでおこなうプログラムと、3
次元グラフィックス表示装置のデプスバッファ処理機能
を用いておこなうプログラムを用意し、同一条件下で処
理に要する時間を比較した。なお全てをソフトウェアで
処理するプログラムも、ボックスチェックなどの方法を
最大限活用し、無駄な計算を行わないように工夫してあ
る。実験に利用した計算機の仕様は、上述したものと同
じである。
【0056】図24は、ボールエンドミル加工用の工具
参照面の計算に要する時間を比較した結果を示した図で
ある。図24(a)は、多角形数1,908枚の単純な
多面体を用いて計算実験を行った結果を表している。最
初の列は、用いたボールエンドミルの半径を示してい
る。2列目は、必要な計算を全てソフトウェアでおこな
った場合の処理時間を示し、3列目は、同じ計算を3次
元グラフィックス表示装置の機能を用いておこなった場
合の処理時間を示している。また、4列目の数値は、こ
れらの処理時間の比を表している。
【0057】図24(b)及び図24(c)に、同じ実
験を、それぞれ多角形数23,184枚及び30,52
8枚の、比較的複雑な多面体に適用した結果を示す。な
お、多角形数30,528枚の多面体を半径5mmの工具
で切削する場合が、図18及び図19に対応している。
これにより、最大で約40倍の高速化が実現できると共
に、この高速化の度合いは、複雑な多面体に対して、より
大きな半径の工具を適用する場合ほど顕著になることが
わかる。
【0058】図25は、同じ比較実験を、フラットエン
ドミル加工用の工具参照面の計算に関しておこなった結
果を示す図である。なお、多角形数30,528枚の多
面体を半径5mmの工具で切削する場合が、図18及び図
22に対応している。これにより、フラットエンドミル
加工の場合も、ボールエンドミル加工の場合と同様に、
複雑な多面体に対して、より大きな半径の工具を適用す
る場合ほど、高速化の度合いが顕著になることがわか
る。
【0059】なお、本発明では、工具は、ボールエンド
ミル、フラットエンドミル及びラウンドエンドミルに限
らず、切削工具、型どり用工具等の適宜の工具が使用可
能であり、また、掃引形状は球面及び円筒形に限らず工
具の先端形状により楕円面、多角形面、凹凸面など適宜
の形状のものなどにも使用できる。また、工作物は金型
に限らず、プラスチック、金属等の各材料の様々な工作
物にも本発明を適用することが可能である。上述の説明
では、主に、必要な又は全デプスデータ、必要な又は全
多角形データを処理部と3次元グラフィックス表示部等
に入力又は出力しているが、必要な又は全ての各データ
に限らず、一部の各データをやりとりするようにしても
良い。さらには、表面の近似として多面体及び多角形と
して三角形を例に説明したが、これに限らず適宜の多角
形を用いることができる。
【0060】
【発明の効果】本発明によると、3次元グラフィックス
表示装置を利用し、工具参照面を高速計算することがで
きる。また、本発明によると、工具参照面の計算結果に
基づいて生成した工具経路を瞬時に算出することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、製品表面を滑るボールエンドミルの
参照点の描く工具参照面を示し、(b)は、工具の逆形
状の参照点が製品表面を滑る時の掃引形状を示す説明
図。
【図2】(a)は、製品表面を滑るフラットエンドミル
の参照点の描く工具参照面を示し、(b)は、工具の逆
形状の参照点が製品表面を滑る時の掃引形状を示す説明
図。
【図3】(a)は、製品表面を滑るラウンドエンドミル
の参照点の描く工具参照面を示し、(b)は、工具の逆
形状の参照点が製品表面を滑る時の掃引形状を示す説明
図。
【図4】(a)は、半径(r)のボールエンドミルの逆
形状の表面にそって、半径(R−r)のフラットエンド
ミルの逆形状を滑らせた様子を示し、(b)は、半径
(r)のボールエンドミルの逆形状の掃引形状を計算
し、さらにその上面にそって半径(R−r)のフラット
エンドミルの逆形状を滑らせた結果を示す説明図。
【図5】(a)は、ボールエンドミルによる切削加工で
の、球の掃引形状を構成する、球面を示し、同じく
(b)は、円筒形を示し、同じく(c)は、厚板形状の
一例を示す図。
【図6】(a)は、フラットエンドミルによる切削加工
での、円板の掃引形状を構成する、斜円筒形を示し、同
じく(b)は、厚板形状の一例を示す図。
【図7】ボールエンドミル加工用の工具参照面を得るた
めに、球の掃引形状を構成する球面、円筒形、厚板形状
と、格子の中心を通過するZ軸に平行な直線の交差を調
べ、最も上側の交点を選択する様子を示す図。
【図8】フラットエンドミル加工用の工具参照面を得る
ために、円板の掃引形状を構成する斜円筒形や厚板形状
と、格子の中心を通過するZ軸に平行な直線の交差を調
べ、最も上側の交点を選択する様子を示す図。
【図9】デプスバッファの利用による二つの立方体の隠
面消去画像の説明図。
【図10】多面体のある辺に配置された円筒形Cと、
その辺の左右に接続する二枚の多角形に配置された厚板
形状PとPの様子を示す図。
【図11】(a)は、ある頂点に配置された球面S
と、この頂点に接続する3本の辺に配置された円筒形
、C、Cの様子を示し、(b)は、(a)の頂
点に最も滑らかに接続している2辺を選択し、球面から
これら2辺に対応する円筒形の内部に入り込んでいる部
分だけを取り除く様子を示す図。
【図12】多面体のある辺に配置された斜円筒形C
と、その辺の左右に接続する二枚の多角形に配置され
た厚板形状PとPの様子を示す図。
【図13】(a)は、不要部を除去後のくさび形状の多
面体化手法を示し、同じく(b)は、すいか形状の多面
体化手法を示し、同じく(c)は、斜くさび形状の多面
体化手法を示す図。
【図14】本発明に関するハードウェアの構成図。
【図15】本発明に関する工具参照面の計算手順につい
てのフローチャート(1)。
【図16】(a)は、加工対象物全体に格子を当てはめ
て工具参照面を計算する様子を示し、同じく(b)は、
加工対象物のうち、形状が急激に変化する部分だけに格
子を当てはめて、高精度の工具参照面を計算する様子を
示す図。
【図17】本発明に関する工具参照面の計算手順につい
てのフローチャート(2)。
【図18】30,528枚の多角形からなる多面体を示
す図。
【図19】多角形数30,528枚の多面体を、半径5
mmのボールエンドミルを用いて切削加工するために、工
具参照面を計算した結果を示す図。
【図20】図19の工具参照面の計算結果に基づいて、
多面体の表面を切刃が滑るように往復する全長約40,
000mmの工具経路を生成した様子を示す図。
【図21】図20の経路に基づいて切削加工のシミュレ
ーションをおこなった結果を示す図。
【図22】多角形数30,528枚の多面体を、半径5
mmのフラットエンドミルを用いて切削加工するために、
工具参照面を計算した結果を示す図。
【図23】図22の工具参照面の計算結果に基づいて工
具経路を生成した様子を示す図。
【図24】図23の経路に基づいて切削加工のシミュレ
ーションをおこなった結果を示す図。
【図25】(a)は、ボールエンドミル加工による多角
形数1,908枚の多面体に関する計算実験の結果を示
し、同じく(b)は、多角形数23,184枚の多面体
に関する計算実験の結果を示し、同じく(c)は、多角
形数30,528枚の多面体に関する計算実験の結果を
示す図。
【図26】(a)は、フラットエンドミル加工による多
角形数1,908枚の多面体に関する計算実験の結果を
示し、同じく(b)は、多角形数23,184枚の多面
体に関する計算実験の結果を示し、同じく(c)は、多
角形数30,528枚の多面体に関する計算実験の結果
を示す図。
【図27】(a)は、金型加工で用いられるボールエン
ドミルとその工具参照点の位置を示し、(b)は、同じ
くフラットエンドミルとその工具参照点の位置を示し、
(c)は、同じくラウンドエンドミルとその工具参照点
の位置を示す説明図。
【図28】金型加工における削り込みの一例を示す図。
【符号の説明】
1 処理部 2 入力部 3 記憶部 4 出力部 5 3次元グラフィックス表示部

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】数値制御工作機械に取り付けられた工具を
    経路に沿って移動させて工作物を加工する際に、工具の
    逆形状分膨らませた工具参照面を生成する工具参照面計
    算方法であって、 加工対象物の多面体モデル及び半径rのボールエンドミ
    ルの工具形状に関する情報を入力するステップと、座標系を用意し、多面体モデルのXY平面への投影図形
    を、工具半径r分膨らませた図形を覆うように、直交格
    子を生成するステップと、 前記入力するステップにより入力された加工対象物の多
    面体モデル及びボールエンドミルの工具形状に関する情
    報に基づいて、工具の中心を表す工具参照点を中心に工
    具を180度回転させて工具参照点が加工対象物の表面
    に沿って移動させたときの工具の掃引形状の最上面を工
    具参照面として生成する際、加工対象物の多面体モデル
    頂点部分に対応して半径rの球形状及び辺部分に対応
    して半径rの円筒形状及び多角形部分に対応して厚さ2
    rの厚板形状をそれぞれ配置するステップと、 前記配置するステップにより生成された工具参照面を形
    成する球形状、円筒形状及び厚板形状に基づき、(1)
    辺に対応する円筒形状とその辺の両側に接続された厚板
    形状が配置されている部分について、円筒形状から厚板
    形状の内部に入りこんでいる部分を除去したくさび形状
    を求め、(2)頂点に対応する球形状とこの頂点に接続
    する円筒形状が配置されている部分について、球形状か
    ら2辺に対応する円筒形状の内部に入りこんでいる部分
    を除去したすいか形状を求め、隣接した各々の形状の内
    部に入り込んでいる部分を除去するステップと、 前記除去するステップにより得られた工具参照面を形成
    する各形状について、くさび形状を等しい幅の長方形を
    鎧状につないだものとして多面体化し、すいか形状を球
    面部分を複数の等幅な細片に分割し、さらに細片を等し
    い間隔で四辺形及び三角形に分割することを含み、工具
    参照面を多面体化するステップと、 前記多面体化するステップにより得られた多面体に基
    づき、法線方向が向きの多角形のみ選択することによ
    り、多角形データを生成するステップと、 前記多角形データを生成するステップにより得られた多
    角形データを、隠面消去のハードウェア処理を実行する
    3次元グラフィックス表示部のデプスバッファに与える
    ステップと、 3次元グラフィックス表示部のデプスバッファによるハ
    ードウェア処理で求められた掃引形状の最上面の高さを
    表すデプス値を受けるステップと、 前記受けるステップにより得られたデプス値に基づき、
    格子状に配置され、工具参照面を覆う点群を得るステッ
    プと、 前記点群を得るステップにより得られた点群に基づき、
    隣接する点を選択し点群の隙間を三角形で補間すること
    で工具参照面を得るステップとを含む工具参照面計算方
    法。
  2. 【請求項2】数値制御工作機械に取り付けられた工具を
    経路に沿って移動させて工作物を加工する際に、工具の
    逆形状分膨らませた工具参照面を生成する工具参照面計
    算方法であって、 加工対象物の多面体モデル及び半径rのフラットエンド
    ミルの工具形状に関する情報を入力するステップと、座標系を用意し、多面体モデルのXY平面への投影図形
    を、工具半径r分膨らませた図形を覆うように、直交格
    子を生成するステップと、 前記入力するステップにより入力された加工対象物の多
    面体モデル及びフラットエンドミルの工具形状に関する
    情報に基づいて、工具の中心を表す工具参照点を中心に
    工具を180度回転させて工具参照点が加工対象物の表
    面に沿って移動させたときの工具の掃引形状の最上面を
    工具参照面として生成する際、加工対象物の多面体モデ
    ルの辺部分に対応して水平方向に半径rの斜円筒形状及
    び多角形部分に対応して水平方向に厚さ2rの厚板形状
    それぞれ配置するステップと、 前記配置するステップにより生成された工具参照面を形
    成する円筒形状及び厚板形状に基づき、辺に対応する斜
    円筒形状とその辺の両側に接続された厚板形状が配置さ
    れている部分について、円筒形状から厚板形状の内部に
    入りこんでいる部分を除去した斜くさび形状を求め、
    接した各々の形状の内部に入り込んでいる部分を除去す
    るステップと、 前記除去するステップにより得られた工具参照面を形成
    する各形状について、斜くさび形状を等しい幅の長方形
    を鎧状につないだものとして多面体化することを含み、
    工具参照面を多面体化するステップと、 前記多面体化するステップにより得られた多面体に基
    づき、法線方向が向きの多角形のみ選択することによ
    り、多角形データを生成するステップと、 前記多角形データを生成するステップにより得られた多
    角形データを、隠面消去のハードウェア処理を実行する
    3次元グラフィックス表示部のデプスバッファに与える
    ステップと、 3次元グラフィックス表示部のデプスバッファによるハ
    ードウェア処理で求められた掃引形状の最上面の高さを
    表すデプス値を受けるステップと、 前記受けるステップにより得られたデプス値に基づき、
    格子状に配置され、工具参照面を覆う点群を得るステッ
    プと、 前記点群を得るステップにより得られた点群に基づき、
    隣接する点を選択し点群の隙間を三角形で補間すること
    で工具参照面を得るステップとを含む工具参照面計算方
    法。
  3. 【請求項3】加工対象製品の形状の少なくとも一部を、
    高精度に計算させるために、その一部の投影図形だけを
    覆うように直交格子を生成するステップを備えた請求項
    又は2に記載の工具参照面計算方法。
  4. 【請求項4】得られた工具参照面に基づき、工具経路を
    求めるステップをさらに備えた請求項1乃至3のいずれ
    に記載の工具参照面計算方法。
  5. 【請求項5】工具参照面及び/又は工具経路を表示する
    ステップをさらに備えた請求項1乃至のいずれかに記
    載の工具参照面計算方法。
  6. 【請求項6】前記入力するステップにおいて、ラウンド
    エンドミルの円環状の端部半径を有するボールエンドミ
    ルについて工具形状に関する情報として入力し、請求項
    1に記載の工具参照面の計算方法を実行して工具参照面
    を得て、 さらに、前記入力するステップにおいて、得られた前記
    工具参照面を多面体モデルに関する情報として入力し、
    前記ラウンドエンドミルの軸部の半径から前記端部半径
    を引いた半径を有するフラットエンドミルについて工具
    形状に関する情報として入力し、再び、請求項に記載
    の工具参照面の計算方法を実行することでラウンドエン
    ドミルの工具参照面を得ることを特徴とする請求項1乃
    のいずれかに記載の工具参照面計算方法。
  7. 【請求項7】数値制御工作機械に取り付けられた工具を
    経路に沿って移動させて工作物を加工する際に、工具の
    逆形状分膨らませた工具参照面を生成する工具参照面計
    算プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記
    録媒体であって、 加工対象物の多面体モデル及び半径rのボールエンドミ
    ルの工具形状に関する情報を入力するステップと、座標系を用意し、多面体モデルのXY平面への投影図形
    を、工具半径r分膨らませた図形を覆うように、直交格
    子を生成するステップと、 前記入力するステップにより入力された加工対象物の多
    面体モデル及びボールエンドミルの工具形状に関する情
    報に基づいて、工具の中心を表す工具参照点を中心に工
    具を18 0度回転させて工具参照点が加工対象物の表面
    に沿って移動させたときの工具の掃引形状の最上面を工
    具参照面として生成する際、加工対象物の多面体モデル
    頂点部分に対応して半径rの球形状及び辺部分に対応
    して半径rの円筒形状及び多角形部分に対応して厚さ2
    rの厚板形状をそれぞれ配置するステップと、 前記配置するステップにより生成された工具参照面を形
    成する球形状、円筒形状及び厚板形状に基づき、(1)
    辺に対応する円筒形状とその辺の両側に接続された厚板
    形状が配置されている部分について、円筒形状から厚板
    形状の内部に入りこんでいる部分を除去したくさび形状
    を求め、(2)頂点に対応する球形状とこの頂点に接続
    する円筒形状が配置されている部分について、球形状か
    ら2辺に対応する円筒形状の内部に入りこんでいる部分
    を除去したすいか形状を求め、隣接した各々の形状の内
    部に入り込んでいる部分を除去するステップと、 前記除去するステップにより得られた工具参照面を形成
    する各形状について、くさび形状を等しい幅の長方形を
    鎧状につないだものとして多面体化し、すいか形状を球
    面部分を複数の等幅な細片に分割し、さらに細片を等し
    い間隔で四辺形及び三角形に分割することを含み、工具
    参照面を多面体化するステップと、 前記多面体化するステップにより得られた多面体に基
    づき、法線方向が向きの多角形のみ選択することによ
    り、多角形データを生成するステップと、 前記多角形データを生成するステップにより得られた多
    角形データを、隠面消去のハードウェア処理を実行する
    3次元グラフィックス表示部のデプスバッファに与える
    ステップと、 3次元グラフィックス表示部のデプスバッファによるハ
    ードウェア処理で求められた掃引形状の最上面の高さを
    表すデプス値を受けるステップと、 前記受けるステップにより得られたデプス値に基づき、
    格子状に配置され、工具参照面を覆う点群を得るステッ
    プと、 前記点群を得るステップにより得られた点群に基づき、
    隣接する点を選択し点群の隙間を三角形で補間すること
    で工具参照面を得るステップとをコンピュ−タに実行さ
    せるための工具参照面計算プログラムを記録したコンピ
    ュータ読み取り可能な記録媒体。
  8. 【請求項8】数値制御工作機械に取り付けられた工具を
    経路に沿って移動させて工作物を加工する際に、工具の
    逆形状分膨らませた工具参照面を生成する工具参照面計
    算プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記
    録媒体であって、 加工対象物の多面体モデル及び半径rのフラットエンド
    ミルの工具形状に関する情報を入力するステップと、座標系を用意し、多面体モデルのXY平面への投影図形
    を、工具半径r分膨らませた図形を覆うように、直交格
    子を生成するステップと、 前記入力するステップにより入力された加工対象物の多
    面体モデル及びフラットエンドミルの工具形状に関する
    情報に基づいて、工具の中心を表す工具参照点を中心に
    工具を180度回転させて工具参照点が加工対象物の表
    面に沿って移動させたときの工具の掃引形状の最上面を
    工具参照面として生成する際、加工対象物の多面体モデ
    ルの辺部分に対応して水平方向に半径rの斜円筒形状及
    び多角形部分に対応して水平方向に厚さ2rの厚板形状
    それぞれ配置するステップと、 前記配置するステップにより生成された工具参照面を形
    成する円筒形状及び厚板形状に基づき、辺に対応する斜
    円筒形状とその辺の両側に接続された厚板形状が配置さ
    れている部分について、円筒形状から厚板形状の内部に
    入りこんでいる部分を除去した斜くさび形状を求め、
    接した各々の形状の内部に入り込んでいる部分を除去す
    るステップと、 前記除去するステップにより得られた工具参照面を形成
    する各形状について、斜くさび形状を等しい幅の長方形
    を鎧状につないだものとして多面体化することを含み、
    工具参照面を多面体化するステップと、 前記多面体化するステップにより得られた多面体に基
    づき、法線方向が向きの多角形のみ選択することによ
    り、多角形データを生成するステップと、 前記多角形データを生成するステップにより得られた多
    角形データを、隠面消去のハードウェア処理を実行する
    3次元グラフィックス表示部のデプスバッファに与える
    ステップと、 3次元グラフィックス表示部のデプスバッファによるハ
    ードウェア処理で求められた掃引形状の最上面の高さを
    表すデプス値を受けるステップと、 前記受けるステップにより得られたデプス値に基づき、
    格子状に配置され、工具参照面を覆う点群を得るステッ
    プと、 前記点群を得るステップにより得られた点群に基づき、
    隣接する点を選択し点群の隙間を三角形で補間すること
    で工具参照面を得るステップとをコンピュ−タに実行さ
    せるための工具参照面計算プログラムを記録したコンピ
    ュータ読み取り可能な記録媒体。
  9. 【請求項9】数値制御工作機械に取り付けられた工具を
    経路に沿って移動させて工作物を加工する際に、工具の
    逆形状分膨らませた工具参照面を生成する工具参照面計
    算装置であって、 加工対象物の多面体モデル及び工具形状に関する情報を
    入力する入力部と、 工具参照面を計算する処理部とを備え、 前記処理部は、 加工対象物の多面体モデル及び半径rのボールエンドミ
    ルの工具形状に関する情報を入力する手段と、座標系を用意し、多面体モデルのXY平面への投影図形
    を、工具半径r分膨らませた図形を覆うように、直交格
    子を生成する手段と、 前記入力する手段により入力された加工対象物の多面体
    モデル及びボールエンドミルの工具形状に関する情報に
    基づいて、工具の中心を表す工具参照点を中心に工具を
    180度回転させて工具参照点が加工対象物の表面に沿
    って移動させたときの工具の掃引形状の最上面を工具参
    照面として生成する際、加工対象物の多面体モデルの
    点部分に対応して半径rの球形状及び辺部分に対応して
    半径rの円筒形状及び多角形部分に対応して厚さ2rの
    厚板形状をそれぞれ配置する手段と、 前記配置する手段により生成された工具参照面を形成す
    る球形状、円筒形状及び厚板形状に基づき、(1)辺に
    対応する円筒形状とその辺の両側に接続された厚板形状
    が配置されている部分について、円筒形状から厚板形状
    の内部に入りこんでいる部分を除去したくさび形状を求
    め、(2)頂点に対応する球形状とこの頂点に接続する
    円筒形状が配置されている部分について、球形状から2
    辺に対応する円筒形状の内部に入りこんでいる部分を除
    去したすいか形状を求め、隣接した各々の形状の内部に
    入り込んでいる部分を除去する手段と、 前記除去する手段により得られた工具参照面を形成する
    形状について、くさび形状を等しい幅の長方形を鎧状
    につないだものとして多面体化し、すいか形状を球面部
    分を複数の等幅な細片に分割し、さらに細片を等しい間
    隔で四辺形及び三角形に分割することを含み、工具参照
    面を多面体化する手段と、 前記多面体化する手段により得られた多面体に基づ
    き、法線方向が向きの多角形のみ選択することによ
    り、多角形データを生成する手段と、 前記多角形データを生成する手段により得られた多角形
    データを、隠面消去のハードウェア処理を実行する3次
    元グラフィックス表示部のデプスバッファに与える手段
    と、 3次元グラフィックス表示部のデプスバッファによるハ
    ードウェア処理で求められた掃引形状の最上面の高さを
    表すデプス値を受ける手段と、 前記受ける手段により得られたデプス値に基づき、格子
    に配置され、工具参照面を覆う点群を得る手段と、 前記点群を得る手段により得られた点群に基づき、隣接
    する点を選択し点群の隙間を三角形で補間することで工
    具参照面を得る手段とを備えた工具参照面計算装置。
  10. 【請求項10】数値制御工作機械に取り付けられた工具
    を経路に沿って移動させて工作物を加工する際に、工具
    の逆形状分膨らませた工具参照面を生成する工具参照面
    計算装置であって、 加工対象物の多面体モデル及び工具形状に関する情報を
    入力する入力部と、 工具参照面を計算する処理部とを備え、 前記処理部は、 加工対象物の多面体モデル及び半径rのフラットエンド
    ミルの工具形状に関する情報を入力する手段と、座標系を用意し、多面体モデルのXY平面への投影図形
    を、工具半径r分膨らませた図形を覆うように、直交格
    子を生成する手段と、 前記入力する手段により入力された加工対象物の多面体
    モデル及びフラットエンドミルの工具形状に関する情報
    に基づいて、工具の中心を表す工具参照点を中心に工具
    を180度回転させて工具参照点が加工対象物の表面に
    沿って移動させたときの工具の掃引形状の最上面を工具
    参照面として生成する際、加工対象物の多面体モデルの
    辺部分に対応して水平方向に半径rの斜円筒形状及び多
    角形部分に対応して水平方向に厚さ2rの厚板形状を
    れぞれ配置する手段と、 前記配置する手段により生成された工具参照面を形成す
    る円筒形状及び厚板形状に基づき、辺に対応する斜円筒
    形状とその辺の両側に接続された厚板形状が配置されて
    いる部分について、円筒形状から厚板形状の内部に入り
    こんでいる部分を除去した斜くさび形状を求め、隣接し
    た各々の形状の内部に入り込んでいる部分を除去する手
    段と、 前記除去する手段により得られた工具参照面を形成する
    各形状について、斜くさび形状を等しい幅の長方形を鎧
    状につないだものとして多面体化することを含み、工具
    参照面を多面体化する手段と、 前記多面体化する手段により得られた多面体に基づ
    き、法線方向が向きの多角形のみ選択することによ
    り、多角形データを生成する手段と、 前記多角形データを生成する手段により得られた多角形
    データを、隠面消去のハードウェア処理を実行する3次
    元グラフィックス表示部のデプスバッファに与える手段
    と、 3次元グラフィックス表示部のデプスバッファによるハ
    ードウェア処理で求められた掃引形状の最上面の高さを
    表すデプス値を受ける手段と、 前記受ける手段により得られたデプス値に基づき、格子
    に配置され、工具参照面を覆う点群を得る手段と、 前記点群を得る手段により得られた点群に基づき、隣接
    する点を選択し点群の隙間を三角形で補間することで工
    具参照面を得る手段とを備えた工具参照面計算装置。
  11. 【請求項11】前記処理部の前記与える手段により得ら
    れた多角形データに基づき、隠面消去処理を実行し、デ
    プスバッファの各要素のデプス値を更新又は記憶する、
    デプスバッファ処理を実行する手段と、 前記デプスバッファ処理を実行する手段により記憶され
    たデプスバッファに基づき、各要素に記憶された掃引形
    状の最上面の高さを表すデプス値を得る手段と、 前記デプス値を得る手段により得られたデプス値を前記
    処理部へ出力する手段とを有する3次元グラフィック表
    示部をさらに備えた請求項9又は10に記載の工具参照
    面計算装置。
  12. 【請求項12】工具参照面又は工具加工状態又は工具加
    工シミュレーション状態を表示する手段又は出力する手
    段をさらに備えた請求項9乃至11のいずれかに記載の
    工具参照面計算装置。
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