JP4060017B2 - 加熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱源としてハロゲンランプが用いられ、このハロゲンランプにより気体や液体等の加熱媒体を加熱して被加熱体に吹き付けるようにした加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体の製造装置等には、素子を封装した樹脂を乾燥したり、純水やエッチング液等を所定の温度に加熱保持するために気体や流体を加熱する加熱装置が工程中に設置されている。また、加熱装置は、例えば部品等を接着剤によって接合する工程中に設置されて、塗布された接着剤を素早く乾燥、硬化させるために用いられている。かかる加熱装置には、その熱源として、一般に温度制御が容易であるとともに比較的構造が簡易でありかつクリーン度も高い電気熱源が備えられている。
【0003】
電気熱源には、特にニクロム線ヒータと比較して、熱効率が良好であるとともに長寿命でありかつランニングコストも廉価であるといった特性からハロゲンランプや赤外線ランプ或いは放電灯等のランプヒータが多く用いられている。ハロゲンランプを加熱源とした加熱装置としては、例えば特開平5−231712号公報、特開平8−35724号公報或いは特開平10−122656号公報等に開示されている。
【0004】
かかる先願加熱装置においては、長軸の両口型ハロゲンランプが用いられるとともに、このハロゲンランプをハウジングによって全長に亘って被覆してなる。ハウジングは、ハロゲンランプの両端部を支架しかつこの両端部に設けられた口金を電気的に接続するとともに、その内部に加熱媒体となる気体や液体等の流路が構成されている。先願加熱装置においては、ハウジングの一端部に加熱媒体の供給口が設けられるとともに、他端部に送出口が設けられている。先願加熱装置においては、供給口から供給された加熱媒体をハウジングの内部を流れる途中でハロゲンランプによって加熱し、送出口を介して被加熱体に吹き付けてこれを加熱する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の加熱装置においては、上述したように両口型ハロゲンランプがその両端部をハウジング内に支架されるとともに電気的接続が行われる構造であるために、このハロゲンランプの支持部と内部空間とのシールド構造が複雑となるとともにその交換操作が面倒であるといった問題があった。また、従来の加熱装置においては、ハロゲンランプの交換に際して、位置決めされた状態からハウジングを移動してその操作を行う必要があるために再設定操作が面倒であるといった問題があった。
【0006】
また、従来の加熱装置においては、加熱媒体を被加熱体に効率的に吹き付けるようにするために送出口と被加熱体との間に適宜のガイド部材を設ける必要があり、さらにこのガイド部材を設けた場合にはその内部を通過する際に加熱媒体の温度が低下して特性が変化するといった問題があった。さらに、従来の加熱装置においては、被加熱体に対して加熱媒体をスポット的に吹き付ける等に用いる場合には、送出口やガイド部材と被加熱体との位置決めが面倒であるといった問題があった。
【0007】
さらにまた、従来の加熱装置においては、比較的大型であるとともに上述したガイド部材等が付設される構成から工程中に専用に設置され、品種の切替等に伴う工程変更等に簡易に対応し得ないとともに手持ち状態で簡易に使用することも困難であるといった問題があった。また、従来の加熱装置は、比較的高価な長軸の両口型ハロゲンランプを用いるとともに、その構造も複雑であるために全体として高価となっていた。
【0008】
したがって、本発明は、取扱いが簡便で廉価であり、熱損失を抑制して被加熱媒体に対して加熱媒体を的確かつ効率的に吹き付け得るようにしたハロゲンランプを加熱源とする加熱装置を提供することを目的に提案されたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明にかかる加熱装置は、一端部に設けた口金部を口金部材に装着することによって片持ち状態に支持される片口型ハロゲンランプと、このハロゲンランプよりも大きな内径を有して全長に亘って被覆するに足る全体略筒状を呈して形成されハロゲンランプとの間に一端部から供給される加熱媒体を加熱する加熱流路を構成するとともに自由端部が細径に絞られて加熱媒体の吹出し口が設けられた熱交換部材と、この熱交換部材を全長に亘って被覆するに足る全体略筒状に形成された断熱部材と、熱交換部材と断熱部材の一端側を同心状態でそれぞれ着脱自在に片持ち状態に支持するとともに口金部材を熱交換部材と同心状態で支持して熱交換部材の加熱流路内に加熱媒体を供給する供給部が設けられたホルダ部材と、熱交換部材の吹出し口に着脱自在に装着されて加熱流路内でハロゲンランプにより加熱された加熱加熱媒体を被加熱体に向けて噴出させるノズル部材とを備えて構成される。
【0010】
以上のように構成された本発明にかかる加熱装置によれば、ホルダ部材に設けたハンドルを把持し或いはホルダ部材をスタンド部材により保持し、ホルダ部材に設けられた熱交換部材の吹出し口を被加熱体に向けた状態で、ホルダ部材の供給部から熱交換部材の内部に供給された加熱媒体を加熱流路内でハロゲンランプによって所定の温度に加熱し、自由端部の吹出し口を介して被加熱体に直接吹き付ける。したがって、加熱装置によれば、加熱媒体を被加熱体に対して直接吹き付けることで熱損失の抑制が図られて、被加熱体を効率的に加熱する。また、加熱装置は、片口型ハロゲンランプを用いることで、その交換操作が設置状態でも片側から可能とされ操作性の向上が図られる。さらに、加熱装置は、被加熱体に対する加熱媒体の吹付け位置が自由端部の吹出し口を介して漏出するハロゲンランプの光によって照明されることで吹付け位置の設定が容易かつ正確に行われ、被加熱体をより効率的に加熱するとともにスポット加熱も可能となる。加熱装置は、小型簡易であるとともに取扱いや操作が簡便であることから工程変更等の対応も簡易に図られ、さらに手持ちでの使用も可能であり汎用性が極めて高い。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。実施の形態として示す加熱装置1は、図1及び図2に示すように、加熱源のハロゲンランプ2と、熱交換部材3と、ホルダ部材4と、口金部材5と、断熱部材6等の部材によって本体部が構成される。加熱装置1は、この本体部がベース部材7に対して2個のディスタンスロッド8及び通しボルト9とを介して片持ち状態で支持される。加熱装置1には、ホルダ部材4に供給パイプ10が接続されて供給源から空気やガス或いは水等の加熱媒体が取り入れられるとともに、ベース部材7から引き出された電源コード11が図示しない電源スイッチやスライダック等の電圧調整器に接続される。
【0012】
ハロゲンランプ2には、棒状の発光部の一端側に口金2aが設けられたいわゆる片口型ハロゲンランプが用いられる。ハロゲンランプ2は、詳細を省略するが石英ガラス管の内部にハロゲン元素と不活性ガスとが封入されるとともに、タングステンフィラメントが封装されてなる。ハロゲンランプ2は、口金2aを口金部材5に装着することによって片持ち状態で支持される。片口型ハロゲンランプ2は、両口型ハロゲンランプと比較して廉価であり、部品費の低減が図られるようになる。
【0013】
熱交換部材3は、耐熱性、熱伝導率が良好な金属材、例えば真鍮や銅、アルミニウム等によってハロゲンランプ2を全長に亘って被覆するに足る全体略筒状に形成されてなる。熱交換部材3は、その内径がハロゲンランプ2の外径よりも大径とされるとともに、一端部に外周ネジ3aが形成されかつ他端部が細径に絞られて加熱媒体の吹出し口3bを構成している。熱交換部材3は、後述するように外周ネジ3aをねじ込むことによってホルダ部材4に対して片持ち状態で着脱自在に組み付けられる。なお、熱交換部材3は、上述した金属材ばかりでなく、熱伝導率がやや小さなステンレス材やその他の金属材によって形成してもよいことは勿論である。
【0014】
ホルダ部材4は、ステンレス材等の金属材によって全体矩形盤状を呈して形成され、後述するようにその一方主面4a側に熱交換部材3や断熱部材6が組み付けられるとともに他方主面4b側にハロゲンランプ2を装着する口金部材5が組み付けられる。ホルダ部材4には、その略中央部に段付きの口金部材取付け孔12が貫通して形成されている。ホルダ部材4には、その一方主面4aに、口金部材取付け孔12と同心の熱交換部材取付け溝13と断熱部材取付け溝14とが形成されている。
【0015】
熱交換部材取付け溝13及び断熱部材取付け溝14は、それぞれ円形溝からなり、詳細を省略するがその内壁に内周ネジが形成されている。これら熱交換部材取付け溝13及び断熱部材取付け溝14には、熱交換部材3や断熱部材6がその一端部に形成した外周ネジ3a、6aがねじ込まれて着脱自在とする。
【0016】
ホルダ部材4には、その内部に一端が外周面に開口されるとともに他端が口金部材取付け孔12に開口されて加熱媒体流路15が形成されている。ホルダ部材4には、他方主面4bに、図示しないがそれぞれ通しボルト9の先端部がねじ込まれるネジ孔が形成されている。また、ホルダ部材4には、その加熱媒体流路15の一端部に供給パイプ10の一端部が接続される。供給パイプ10は、他端部が図示しない加熱媒体の供給源と接続されている。
【0017】
口金部材5は、詳細を省略するがハロゲンランプ2の口金2aが装着される開口部を有するソケットが内蔵されるとともに、他端側から電源コード11が引き出されてなる。口金部材5は、その基部を図示しない取付けねじによってベース部材7に固定されている。口金部材5は、シーリング部材16を介してそのソケット側の先端部が口金部材取付け孔12に嵌合されることによってホルダ部材4に組み付けられる。口金部材5は、後述するようにホルダ部材4に対してベース部材7を組み付けることによってシーリング部材16を口金部材取付け孔12に圧着することで、加熱媒体流路15を主面4b側において封止している。
【0018】
断熱部材6は、熱伝導率が比較的小さな合成樹脂材料やステンレス材等によって熱交換部材3を全長に亘って被覆するに足る全体略筒状に形成されてなる。断熱部材6は、一端部に外周ネジ6aが形成され、この外周ネジ6aを断熱部材取付け溝14にねじ込むことによってホルダ部材4に対して片持ち状態で着脱自在に組み付けられる。
【0019】
ベース部材7は、金属材や合成樹脂等によってホルダ部材4とほぼ等しい外形の矩形板として形成され、図示しないがその中央部に口金部材5から引き出された電源コード11の引出し孔が形成されている。ベース部材7には、ホルダ部材4のネジ孔にそれぞれ対応して貫通孔が形成されている。各貫通孔は、詳細を省略するが、ディスタンスロッド8の外径よりも小径とされている。
【0020】
ベース部材7は、ホルダ部材4との対向主面7aに口金部材5を取り付けた状態で、ディスタンスロッド8及び通しボルト9を介してその対向間隔を保持されてホルダ部材4に組み付けられる。すなわち、ベース部材7は、貫通孔から差し込んだ通しボルト9をディスタンスロッド8に貫通させ、その先端部をねじ孔にねじ込むことによりホルダ部材4に組み付けられる。ディスタンスロッド8は、上述したシーリング部材16が口金部材取付け孔12内において圧縮状態とされるように、ホルダ部材4とベース部材7との対向間隔を保持するに足る軸長を以って形成されている。
【0021】
なお、ホルダ部材4とベース部材7とは、ディスタンスロッド8と通しボルト9とによって所定の対向間隔を以って組み付けられるが、かかる構成に限定されるものでは無いことは勿論である。ホルダ部材4とベース部材7とは、例えばホルダ部材4側にスタッドボルトを立設し、このスタッドボルトをベース部材7の貫通孔に貫通させた状態でナットを締め付ける構造であってもよい。また、シーリング部材16は、例えばOリングやゴムパッキン等によって構成される。
【0022】
ホルダ部材4には、その外周部にねじ孔が形成されており、このネジ孔に取付部のねじをねじ込むことによって図2に示すようにハンドル18が取り付けられる。ハンドル18は、これを把持することによって、加熱装置1を手持ちで使用することを可能とする。ハンドル18は、加熱装置1をスタンド部材等に支持して固定して使用する場合、或いは持運び時や保管時にホルダ部材4から取り外される。
【0023】
加熱装置1においては、ホルダ部材4の一方主面4b側から、ベース部材7に取り付けられた口金部材5がその外周部にシーリング部材16を装着した状態で口金部材取付け孔12に嵌合される。加熱装置1においては、通しボルト9を締め付けることによってホルダ部材4に対してベース部材7が強固に固定されるとともに、口金部材5が口金部材取付け孔12内に押し込まれてシーリング部材16によりこの口金部材取付け孔12と加熱媒体流路15との間が封止される。
【0024】
加熱装置1においては、ソケットに口金2aが嵌合されることによって口金部材5に対してハロゲンランプ2が片持ち状態で装着されており、このハロゲンランプ2が口金部材取付け孔12を介してホルダ部材4を貫通してその一方主面4a側から突出されている。加熱装置1においては、熱交換部材取付け溝13に外周ネジ3aがねじ込まれることによって、ホルダ部材4に対して熱交換部材3が片持ち状態で組み付けられる。
【0025】
加熱装置1においては、ハロゲンランプ2と熱交換部材3との間に、加熱媒体を加熱する加熱流路17が構成されている。加熱流路17は、その一端部がホルダ部材4の加熱媒体流路15に連通するとともに、他端部が上述した吹出し口3bとして構成される。加熱装置1においては、断熱部材取付け溝14に外周ネジ6aがねじ込まれることによって、ホルダ部材4に対して断熱部材6が片持ち状態で組み付けられる。断熱部材6は、熱交換部材3を全長に亘って被覆することで、危険防止を図るとともに、熱交換部材3の放熱を抑制して加熱媒体の加熱がより有効に行われるようにする。
【0026】
以上のように構成された加熱装置1は、図示しないスタンド部材等に支持して工程中に設置される。加熱装置1は、電源スイッチが閉成されるとともに所定の電圧に調整操作されることでハロゲンランプ2が点灯し、またポンプ等が起動されて供給パイプ10から加熱媒体流路15内に加熱媒体が供給される。加熱装置1は、ハロゲンランプ2の発熱により、短時間でかつ安定した状態で加熱流路17内を加熱雰囲気にするとともに熱交換部材3も加熱される。加熱装置1は、電圧調整によってハロゲンランプ2の発熱、発光状態が適宜調整され、加熱媒体の温度、吹出し量の管理が確実かつ容易に行われる。
【0027】
加熱装置1においては、加熱媒体流路15から加熱流路17内へと流れ込んだ加熱媒体を、ハロゲンランプ2による直接加熱、加熱状態の熱交換部材3からの熱交換或いは加熱流路17の加熱雰囲気によって効率的に加熱する。加熱装置1は、熱交換部材3の先端部に細径の吹出し口3bを形成したことにより、加熱媒体を加速かつ収束した状態で外部へと吹き出して被加熱体に吹き付けてこれを加熱する。
【0028】
加熱装置1においては、点灯されたハロゲンランプ2の光が、吹出し口3bを介して加熱媒体の吹出し側へと放射されて被加熱体をスポット照射する。したがって、加熱装置1においては、加熱媒体の吹出し位置がスポット光によって確認されることで、面倒な位置合わせ操作等を不要として被加熱体に対して加熱媒体を効率的かつ正確に吹き付け得ることが可能となる。
【0029】
加熱装置1においては、ハロゲンランプ2が切れる等の事態が発生した場合には、ホルダ部材4からベース部材7を取り外すことによってその交換処理が行われる。加熱装置1においては、通しボルト9を取り外した状態でベース部材7を引き出すことにより、口金部材5とハロゲンランプ2とが口金部材取付け孔12から引き出される。加熱装置1においては、これによってハロゲンランプ2の交換を行い、逆の操作によって各部材の組み付けが行われる。
【0030】
加熱装置1においては、上述したハロゲンランプ2の交換に際して、ホルダ部材4と熱交換部材3とがスタンド部材等に位置決めされた状態のままに保持することが可能であることから、加熱媒体の吹出し位置を再調整する操作が不要である。したがって、加熱装置1においては、上述したハロゲンランプ2を用いることによる加熱媒体の温度や吹出し量の管理或いはその交換処理を含めて、取り扱いが極めて簡便である。
【0031】
本発明は、上述した加熱装置1に限定されるものでは無く、構成各部材や各部が種々変更される。第2の実施の形態として図3乃至図5に示した加熱装置20は、上述した加熱装置1と基本的な構成を同様とするが、被加熱体に対して加熱媒体をより効率的に吹き付けるノズル部材21と、加熱媒体の供給量を調整する流量調整機構22とが付設された構成に特徴がある。加熱装置20も、加熱源として片口型ハロゲンランプ2が用いられ、熱交換部材23と、ホルダ部材24と、口金部材25と、断熱部材26等の部材によって本体部が構成される。
【0032】
熱交換部材23は、上述した熱交換部材3とその構成をほぼ同等とされ、一端部に外周ネジ23aが形成されたハロゲンランプ2の全長を被覆するに足る全体略筒状を呈してなる。熱交換部材23は、先端部23bが細径に絞られるとともに、その外周部に外周ネジ23cが形成されている。熱交換部材23には、外周ネジ23cを介してノズル部材21が着脱自在に組み付けられる。
【0033】
ノズル部材21は、金属材によって形成され、図3に示すように熱交換部材23の外周ネジ23cにねじ込まれる内周ネジが形成されたやや太径の基部21aと、この基部21aから一体に突設されノズル孔21cが形成されたノズル部21bとからなる。ノズル部材21は、加熱媒体をより加速かつ収束した状態で被加熱体に吹き付けるようにすることによって、加熱効率を大幅に向上させる。
【0034】
なお、ノズル部材21は、被加熱体の加熱条件等によってノズル孔21cの口径を異にしたものが適宜選択されて熱交換部材23の先端部23bに取り付けられる。また、ノズル部材21は、加熱装置20が比較的低温の加熱媒体を吹き出すようにする場合には、例えば軽量かつ廉価な合成樹脂によって成形してもよいことは勿論である。
【0035】
ホルダ部材24は、図4に示すように金属材や合成樹脂材によって全体略有底筒状に形成されており、側面部24aに筒状のコード引出し部27が一体に突設されている。ホルダ部材24には、外周部24bの開口縁の内周部に熱交換部材23の外周ネジ23aがねじ込まれる内周ネジ24cが形成されている。ホルダ部材24には、外周部24bに、内部に連通する加熱媒体流路が形成された筒状の加熱媒体供給管28がシーリングされた状態で取り付けられている。加熱媒体供給管28は、ホルダ部材24に熱交換部材23を取り付けた状態で、熱交換部材23の内部に構成された加熱流路31に連通されて、図示しない加熱媒体供給部から加熱媒体を供給する。
【0036】
ホルダ部材24には、その内部に口金部材25が組み付けられている。口金部材25は、そのソケット部を開口部に向けて基部がホルダ部材24の側面部24aの内面に接着剤29によって固定されている。口金部材25は、基部から電源コード11が引き出され、この電源コード11がコード引出し部27の内部を導通されて外方へと引き出される。ホルダ部材24は、パッキン30がコード引出し部27に嵌合されることよって、このコード引出し部27が封止されている。
【0037】
断熱部材26も、熱伝導率が比較的小さな合成樹脂材料やステンレス材等によって熱交換部材3及びホルダ部材24とをほぼ全長に亘って被覆するに足る全体略筒状に形成されてなる。断熱部材26は、その内径がホルダ部材24の外径とほぼ等しく形成されるとともに、一端部の内周壁に内周ネジを形成し、ホルダ部材24の外周部に形成した外周ネジにねじ込むことによって組み付ける。断熱部材26には、図3に示すようにその基部を加熱媒体供給管28が貫通してホルダ部材24の内部に臨ませられている。
【0038】
加熱装置20においては、ハロゲンランプ2と熱交換部材23との間に、加熱媒体を加熱する加熱流路31が構成されている。加熱流路31は、上述したようにその一端部がホルダ部材24の加熱媒体供給管28に連通するとともに、他端部が熱交換部材23の先端部23bに取り付けたノズル部材21を吹出し部として構成されてなる。加熱装置20においては、後述するように加熱媒体供給管28から供給された加熱媒体が加熱流路31内においてハロゲンランプ2によって加熱され、ノズル部材21のノズル孔21cから噴出させる。
【0039】
加熱装置20は、流量調整機構22によって、加熱流路31に供給される加熱媒体の供給量が調整される。流量調整機構22は、内部に接続孔が形成され、その一端側に加熱媒体供給管28が接続されるとともに他端側に供給パイプ10が接続された弁部材32と、調整つまみ部材33とから構成される。弁部材32には、図示しないが内部に調整つまみ部材33を回転操作することによって接続孔の開口径を調整する弁機構が設けられている。かかる流量調整機構22は、調整つまみ部材33により、使用条件によってノズル部材21のノズル孔21cから噴出される加熱媒体の噴出量を調整する。
【0040】
加熱装置20は、図5に示すようにスタンド部材34に支持されて工程中に設置される。スタンド部材34は、スタンド台35と、このスタンド台35に対して首振り自在かつ高さ調整自在に支持された第1の調整部材36と、この第1の調整部材36に対して首振り自在かつスライド自在に支持された第2の調整部材37等によって構成される。スタンド部材34は、第2の調整部材37によって加熱装置20のホルダ部材24を回転自在に保持する。
【0041】
スタンド部材34は、例えば図5に示すようにホルダ部材24の電源コード引出し部27の外周部を保持する。スタンド部材34は、この状態で第1の調整部材36と第2の調整部材37との取り付け位置を適宜調整することによって、工程中に供給される被加熱体に対する加熱装置20のノズル部材21の位置を調整させる。
【0042】
加熱装置20は、電源スイッチが閉成されるとともに所定電圧の調整操作が行われることでハロゲンランプ2が点灯し、またポンプ等が起動されて供給パイプ10から流量調整機構22に加熱媒体が供給される。加熱装置20においては、調整つまみ部材33を操作することによって供給量が適宜調整され、加熱媒体が流量調整機構22から加熱媒体供給管28を介して加熱流路31内へと供給される。加熱装置20においては、ハロゲンランプ2の発熱により、短時間でかつ安定した状態で加熱流路31内を加熱雰囲気にするとともに熱交換部材23も加熱される。加熱装置20においては、電圧調整によってハロゲンランプ2の発熱、発光状態が適宜調整され、加熱媒体の温度管理が確実かつ容易に行われる。
【0043】
加熱装置20においては、加熱流路31内へと供給された加熱媒体が、ハロゲンランプ2によって直接加熱されるとともに、加熱状態の熱交換部材23からの熱交換による加熱或いは加熱雰囲気にある加熱流路31からの加熱によって効率的に加熱される。加熱装置20は、所定の温度に加熱した加熱媒体を熱交換部材23の先端部23bに取り付けたノズル部材21のノズル孔21cから、加速かつ収束した状態で外部へと吹き出して被加熱体に吹き付けてこれを加熱する。
【0044】
加熱装置20においても、点灯されたハロゲンランプ2の光が、ノズル部材21のノズル孔21cから放射されて被加熱体をスポット照射する。したがって、加熱装置20においては、加熱媒体の吹出し位置がスポット光によって確認されることで、面倒な位置合わせ操作等を不要として被加熱体に対して加熱媒体を効率的かつ正確に吹き付け得ることが可能となる。
【0045】
加熱装置20においては、ハロゲンランプ2が切れる等の事態が発生した場合には、ホルダ部材24から熱交換部材23が取り外された後に、その交換処理が行われる。加熱装置20においては、この状態でハロゲンランプ2が口金部材25から取り外されて交換される。加熱装置20においては、これによってハロゲンランプ2の交換を行い、逆の操作によって各部材の組み付けが行われる。
【0046】
加熱装置20においても、上述したハロゲンランプ2の交換に際して、ホルダ部材24がスタンド部材34に取り付けられて位置決めされた状態に保持されることから、加熱媒体の吹出し位置を再調整する操作が不要である。したがって、加熱装置20においては、上述したハロゲンランプ2を用いることによる加熱媒体の温度や吹出し量の管理或いはその交換処理を含めて、取り扱いが極めて簡便であり、被加熱体の効率的な加熱を行う。
【0047】
なお、上述したノズル部材21や流量調整機構22は、第1の実施の形態の加熱装置1に付設してもよいことは勿論である。
【0048】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明にかかる加熱装置によれば、片口型ハロゲンランプを加熱源として用いるとともにホルダ部材に片持ち支持した熱交換部材の基端側から加熱媒体を供給し、この加熱媒体を熱交換部材の内部に構成された加熱流路内で加熱するとともに先端部から吹き出して被加熱体を直接加熱するようにしたことから、熱損失の抑制が図られて、被加熱体の加熱が効率的に行われるようになる。また、加熱装置によれば、小型軽量であるとともに、片口型ハロゲンランプの交換操作が設置状態でも片側から可能とされることで、操作性が極めて高くかつ様々な被加熱体に対してもその目的に応じて適用が可能であり、また手持ちでの使用も可能であることから汎用性が極めて高い。さらに、加熱装置は、被加熱体に対する加熱媒体の吹付け位置が自由端部の吹出し部を介して漏出するハロゲンランプの光によって照明されることで吹付け位置の設定を容易かつ正確に行うことが可能であり、被加熱体をより効率的に加熱するとともにスポット加熱も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態として示す加熱装置の要部縦断面図である。
【図2】 同加熱装置の本体部を示す要部縦断面図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態として示す加熱装置の要部縦断面図である。
【図4】 同加熱装置の本体部を示す分解斜視図である。
【図5】 同加熱装置をスタンド部材に支持した状態の斜視図である。
【符号の説明】
1 加熱装置、2 ハロゲンランプ、2a 口金、3 熱交換部材、3a 吹出し部、4 ホルダ部材、5 口金部材、6 断熱部材、7 ベース部材、17 加熱流路、20 加熱装置、21 ノズル部材、22 流量調整機構、23 熱交換部材、24 ホルダ部材、25 口金部材、26 断熱部材、31 加熱流路、34 スタンド部材
Claims (1)
- 一端部に設けた口金部を口金部材に装着することによって片持ち状態に支持される片口型ハロゲンランプと、
上記ハロゲンランプよりも大きな内径を有して全長に亘って被覆するに足る全体略筒状を呈して形成され、上記ハロゲンランプとの間に一端部から供給される加熱媒体を加熱する加熱流路を構成しかつ自由端部が細径に絞られて加熱媒体の吹出し口を構成している熱交換部材と、
上記熱交換部材を全長に亘って被覆するに足る全体略筒状に形成された断熱部材と、
上記熱交換部材と上記断熱部材の一端側を同心状態でそれぞれ着脱自在に片持ち状態に支持するとともに上記口金部材を上記熱交換部材と同心状態で支持し、上記熱交換部材の上記加熱流路内に加熱媒体を供給する供給部が設けられたホルダ部材と、
上記熱交換部材の上記吹出し口に着脱自在に装着され、上記加熱流路内で上記ハロゲンランプにより加熱された上記加熱加熱媒体を被加熱体に向けて噴出させるノズル部材とを備え、
上記ホルダ部材に設けたハンドルを把持し或いは上記ホルダ部材をスタンド部材により保持して上記熱交換部材の上記吹出し口を上記被加熱体に向けた状態で、上記ホルダ部材に設けた上記供給部から供給された上記加熱媒体を上記加熱流路内で上記ハロゲンランプによって加熱し、上記熱交換部材の上記吹出し口或いはこの吹出し口に装着した上記ノズル部材から上記被加熱体に吹き付けて加熱することを特徴とする加熱装置。
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