JP4059330B2 - Gtoサイリスタのゲートドライブ装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、アノード、カソード及びゲートを有し、自己消弧可能なラッチングタイプのパワー半導体、即ち、GTOサイリスタ(Gate Turn-Off Thyristor )のゲートドライブ装置に関する。この発明は、より詳しくいうと、「GCTサイリスタ」(Gate Commutated Turn-off Thyristor:ゲート転流形ターンオフサイリスタ)と呼ばれる転流機能が改良されたGTOサイリスタのゲートドライブ装置に関する。
【0002】
この発明によるゲートドライブ装置は、特に、大容量インバータに使用されるGCTサイリスタを制御するのに特に好適であるが、このようなインバータの外に、パルス制御形電源装置、電力系統関係におけるSVC(Static Var Compensator:静止形無効電力補償装置) やVSC(Voltage Source Converter:電圧源コンバータ) 等の種々の電力変換装置において、高圧乃至大電流並列接続の形式で使用されるGCTサイリスタを制御するのに適している。
【0003】
【従来の技術】
従来のGTOサイリスタのゲートドライブにおいては、一般に、GTOサイリスタをターンオフする際に、アノード主電流IA とターンオフゲート電流IGQの比IA /IGQで表わされるターンオフゲインGoが“3”〜“5”の間で遮断していた。この場合、従来のGTOサイリスタは、ターンオフ時の蓄積時間tsが長いために、素子のばらつきによりターンオフピーク電圧のばらつき発生が顕著になり、多数のサイリスタを直/並列接続して動作させることが困難であり、従って、このようなばらつきのない素子を厳選する必要があった。また、従来のGTOサイリスタは、ターンオフ時のdv/dtを抑制してターンオフ動作を確実にするために、スナバコンデンサCを備えたスナバ回路(通常、抵抗R、コンデンサC及びダイオードDから成る)が必要であり、このスナバコンデンサ放電時のスナバ損失が無視し得ないほど大きいものであった。
【0004】
このような従来型のGTOサイリスタの問題に対して、サイリスタのターンオフ時に、非常に大きなゲート電流上昇率dig/dt(ig:ゲート電流の瞬時値)とし、主電流IA をすべてゲート回路に転流させて、ターンオフゲインGo(=IA /IGQ)=1でサイリスタパワー半導体素子のターンオフを行う方法が考え出された。このような方法は、例えば、米国特許第5,237,225号、第5,345,096号及び第5,493,247号明細書に示されている。そして、このようなゲインGo=1でのターンオフを実現するために、例えば、「トランジスタ技術」1997年5月号第372〜373頁に示されるように、従来のGTOサイリスタとはゲート電極周りの構造を若干異ならせて素子ゲートの低インダクタンス化を図る等、種々の改良を施した大容量のパワー半導体素子が、所謂「GCTサイリスタ」として登場した。
【0005】
図1及び図2には、従来技術によるGTOサイリスタのゲートドライブの回路及び構造が示されており、図1(a)は、従来型GTOサイリスタTHについて、回路各部のインダクタンス成分を等価的に表わした従来のターンオフ・ゲート回路を示し、図1(b)は、上述の改良型GTOサイリスタつまりGCTサイリスタGTについて、回路各部のインダクタンス成分を等価的に表わした従来のターンオフ・回路を示し、図1(c)は、GCTサイリスタGTの従来のゲートドライブ回路(ドライバ)GDを簡略化して示している。また、図2は、GCTサイリスタGTの従来のゲートドライブ装置を上面及び側面から見た実装構造を示し、図中、G及びKはサイリスタGTのゲート及びカソード電極を、SPはゲートドライバ支持プレート(カソード電極Kと同電位)を、LSは、上面にゲート電極Gに接続される導体が設けられ下面にカソード電極Kに接続される導体が設けられた多層基板を、MS及びFSはネジ及びネジ取付リングを、IBは絶縁ブッシュを、WSはワッシャを、そして、SRは金属製スペースリングをそれぞれ表わす。
【0006】
図2に示されるように、GCTサイリスタGTは、ターンオフゲインGo=1での転流を実現するために、サイリスタパッケージGTの外周部にリング状のゲート電極Gを設ける等、ゲート取出し構造を改良したものであり、“Coaxial GTO”(同軸GTO)とも呼ばれる。そして、このようなゲート電極Gの採用によって、パワー素子内部のインダクタンスを、例えば、従来型GTOサイリスタTH〔図1(a)“30nH(ナノヘンリ)”〕の約10分の1に低減することができる〔図1(b)“2nH”〕。また、この外に、ゲートドライバGDとパワー素子GTとを積層プリント基板LSで接続する等、ゲートリードの改良によって、ゲート回路のトータルインダクタンスを大幅に、例えば、同軸ケーブルを使用する従来型GTOサイリスタTH〔図1(a)〕に比べて約100分の1に低減することができ、ゲート電流上昇率dig/dtを非常に大きなものにしている〔図1(b)参照〕。
【0007】
このようなGCTサイリスタによると、蓄積時間tsは、大幅な低減が達成され、例えば、従来のGTOサイリスタに比べて約10分の1という値が得られている。従って、GCTサイリスタを用いると、多数のサイリスタの直/並列接続が非常に容易になる。また、GCTサイリスタでは、従来のGTOサイリスタで必要とされていたdv/dt抑制用スナバ回路を用いることなく(スナバレス)ターンオフすることもできるので、大容量IGBT(Integrated Gate Bipolar Transistor)と同様にクランプ回路のみで遮断可能になり、スナバ損失をなくして装置のトータル損失を大幅に低減することができる。さらに、GCTサイリスタは、ゲート蓄積電荷量が従来のGTOサイリスタの約半分に低減可能となり、これにより、ゲートドライバの消費電力をも低減することができる。
【0008】
さて、従来のゲートドライブ装置の実装構造については、図2に示されるように、GTO或いはGCTパワー半導体素子GTのゲート及びカソード電極G,Kに接続される積層プリント基板LS上に、ターンオン電流及びターンオフ電流のゲートへの供給をオン/オフするためのスイッチング素子Qon,Qoff や、ターンオン電流及びターンオフ電流を供給するための電荷を蓄積するためのコンデンサCon,Coff などの回路要素が搭載され、例えば、スイッチング素子Qon,Qoff には多数のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Trsnsistor )を使用し、コンデンサCon,Coff にはアルミニウム電解コンデンサのようなケミカルコンデンサを多数使用している。この場合、これらの多数の要素を並列に並べるなどの方法で、ゲート回路の低インダクタンス化を図り、大きなゲート電流上昇率dig/dtを得るようにしている。
【0009】
しかしながら、ここでターンオン/オフ電流の供給に使用されるケミカルコンデンサCon,Coff は、インダクタンスが大きく、また、低温時には等価直流抵抗(ESR)も大きいという問題を抱えているので、コンデンサ容量を必要以上に増やさねばならない。つまり、所望のターンオン/オフ機能を達成するには、容量の大きいコンデンサを、所要の等価直列抵抗値やインダクタンスが得られるまで、複数個並列に並べる必要があるが、等価直列抵抗やインダクタンスが大きいケミカルコンデンサを使用した場合には、ターンオン/オフに必要な電荷量を超えるコンデンサ容量になってしまう。従って、ゲートドライバGDの実装が大きくなる上、配線インダクタンスが大きくなり、ゲート回路のインダクタンスをあまり低下させることができないという問題点がある。
【0010】
さらに、積層プリント基板は、中間の絶縁層の厚みに比例してインダクタンスが増大するが、従来は、GTOサイリスタ、GCTサイリスタなどのパワー素子GTとゲート回路とを接続したり、MOSFETやケミカルコンデンサ等の回路要素を搭載するのに、図2のように厚手の積層プリント基板LSを利用していたので、インダクタンスを小さくするという面で非常に不利である。また、これらのGTO、GCTパワー半導体素子の遮断能力については、スナバレスの場合、ゲート電流上昇率dig/dtは、「ゲート電圧Vg/ゲート回路の合計インダクタンスLg」に比例するので、低インダクタンス化は所望の性能を確保する上での必要条件であるが、このように低インダクタンス化を図れないという事情によって、ゲート電流上昇率dig/dtをあまり大きくすることができず、スナバレス時には遮断電流を大きくすることができないという欠点を呈する。
【0011】
また、GCTサイリスタなどの改良型GTOサイリスタをターンオンする際に、ゲート電流上昇率dig/dtを大きくすることは、ターンオン時のスイッチング損失を減らす効果をもたらすと共に、パルス電源装置などのように急激な立上り電流を得るのに必要とされる技術である。この観点からいうと、従来のターンオン・ゲート回路は、パワー半導体素子のゲート及びカソードに直列に繋がるスイッチング素子とコンデンサの間に、電流制限及び共振防止用の抵抗が直列に挿入されていたので、大きいゲート電流上昇率dig/dtを見込むことができず、従って、ハードオンができない或いはターンオン損失が大きいなどの問題がある。
【0012】
GTO、GCTサイリスタなどのパワー半導体素子の従来のターンオン回路では、図1(c)のターンオン回路GDonに示されるように、パワー半導体素子GTをターンオンさせる瞬間に大きな電流をゲート電極Gに流し込むために、トランスTrの出力をダイオードDa,Dbで整流した後、平滑用インダクタンスLfや電流制限用の直列抵抗Rsを介して適当な容量の主コンデンサConにターンオン電荷を予め充電させておく。そして、ターンオン信号ONを入力することによって、スイッチング用パワーMOSFET素子Qonを適当な時間だけオンさせ、主コンデンサCに充電された電荷を直列抵抗Rsを介してパワー素子GTのゲート電極Gに流し込むのである。
【0013】
この場合、インダクタンスLf及び抵抗Rsの大きさがゲートドライブ装置内に実装する上で大きな制約になるだけではなく、それと同時に、抵抗Rsに実際上存在する直列インダクタンス成分によってターンオンゲート電流の立上りを早くすることや、パワー半導体素子GTのターンオン時のスイッチングロスを減らすことができない上、抵抗Rs自体の損失が生じるなどの欠点を露呈することになる。
【0014】
また、電源回路に平滑用インダクタンスLfが存在することによって、Lf−Rs−Conの直列回路が構成されるので、Rs<2(Lf/Con)1/2 の場合には、インダクタンスLfとゲート電流供給用コンデンサConで共振現象が生じ、素子Qonがオフした後にコンデンサConの端子電圧がトランスTrの出力電圧以上にオーバシュートしてコンデンサConが過電圧に充電されたり、コンデンサConの充電時間が延びてしまいスイッチング周波数を上げることができない等の欠点がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、GCTサイリスタを含むGTOサイリスタ(以下、単に「GTOサイリスタ」という。)のゲート・カソード間の低インダクタンス化を図ると共に、ゲートドライブ回路を小型化し、しかもその信頼性を向上することができるGTOサイリスタ用ゲートドライブ装置を提供することを目的とする。
【0016】
この発明の別の目的は、特に、ターンオン回路のスイッチング素子のゲート制御を改良することにより、スイッチング素子・コンデンサ間にあった抵抗を不要にして一層小型化を図ることができ、しかも、ターンオン時のゲート電流上昇率dig/dtを大きく増大させることができるGTOサイリスタ用ゲートドライブ装置を提供することにある。
【0017】
さらに、この発明の他の目的は、ターンオン/オフ電流供給用の充電コンデンサをオーバシュートや電力損失なく高速充電することができ、しかも、充電のための回路構成を簡単化し、さらに動作の高速化及び装備の小型化を図ったGTOサイリスタ用ゲートドライブ装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明によると、コンデンサに蓄積した電荷を用いてGTOサイリスタのターンオン及びターンオフを行うGTOサイリスタ用ゲートドライブ装置において、GTOサイリスタのカソード及びゲートにそれぞれ接続される第1及び第2の板状導体、第1の板状導体に一方の電極が接続される複数個のチップ型コンデンサ、これらのチップ型コンデンサの他方の電極に接続される第3の板状導体、及び、第2及び第3の導体間に第1及び第2の主電極が接続される複数個のスイッチング素子を具備し、第2及び第3の板状導体を薄い絶縁層を介して対向させ、第1及び第3の板状導体が対向する空間内に、一方及び他方の電極が対向する複数個のチップ型コンデンサを設けることによって、課題が解決される。なお、これらのチップ型コンデンサは、セラミックコンデンサであり、チップの厚さ方向の非電極面が互いに隣接し合うように整列配置され、両電極面を第1及び第3の板状導体の表面にそれぞれ接続される。
【0019】
一般に、GTOサイリスタにおいては、アノード主電流IA とターンオフゲート電流IGQの比であるターンオフゲインGo=IA /IGQ=1としてスナバレスにした場合、主電流の遮断能力はゲート電流上昇率dig/dtの大きさで決定され、また、ターンオンの場合も、ターンオン損失はゲート電流上昇率dig/dtの大きさで決定される。一方、GTOサイリスタのゲート・カソード間自体に存在するGTOサイリスタパッケージの内部インダクタンス、ゲートとゲートドライブ回路との間のインダクタンス及びゲートドライブ回路のインダクタンスを合計したものを合計インダクタンスLgkとすると、ゲート電流上昇率dig/dtは、GTOサイリスタのゲート・カソード間に接続される回路とGTOサイリスタ自体のゲート−カソード回路に存在する合計インダクタンスLgkとの比Vgk/Lgkで決定される。
【0020】
このため、ゲート電流上昇率dig/dtを大きくするには、ゲート電圧Vgkを大きくするか、或いは、合計インダクタンスLgkを小さくする必要がある。しかしながら、ゲート電圧Vgkを大きくすると、ゲートドライブ回路の構成を複雑化させたり消費電力を増大させることになる。そこで、この発明では、GTOサイリスタのゲート・カソード間にスイッチング素子に直列接続されるコンデンサとして、従来使用されてきたアルミニウム電解コンデンサに代えて、チップ型セラミックコンデンサのような、両電極をチップの両端部に備えるチップ型コンデンサを多数用い、さらに、フレキシブルで幅広の板状の2枚の導体(第2及び第3の導体)を薄い絶縁層を介して設け、これらのチップ型コンデンサを、チップの厚さ方向の非電極面が互いに隣接するように並置され両導体間にサンドウィッチ状に挟まれた状態で、両導体に取り付けるようにしている。
【0021】
つまり、この発明においては、セラミックコンデンサ等のチップ型コンデンサは等価直流抵抗値及びインダクタンスが小さく、また、コンデンサの両端子面に接続される2枚の導体も薄い絶縁層を介して極く狭い間隔で対向しているためインダクタンスが非常に小さいので、GTOサイリスタのゲート・カソード間の回路インダクタンスは大幅に低下される。従って、合計インダクタンスLgkを大幅に低下させ、非常に大きいゲート電流上昇率dig/dtを得ることができる。
【0022】
また、これらの導体には銅板などの金属導体板が使用されるが、このような導体板に連接されるセラミックコンデンサ等のチップ型コンデンサは、このような金属導体に比べると膨張係数が相当小さくしかも脆いため、ゲートドライブ装置の駆動時には、大きなターンオン/オフ電流がこれらの導体に通流して温度上昇が生じ、壊われ易くなるという事態が憂慮される。しかしながら、この発明のコンデンサ及び導体の配置構造によると、導体の熱膨張はコンデンサの隣接する非電極面間で吸収されるので、導体との熱膨張差によるコンデンサの破損を防止することができる。
【0023】
また、この発明の別の特徴によると、複数個のチップ型コンデンサはターンオン用コンデンサとして使用され、複数個のスイッチング素子はゲート電極を備え、さらに、GTOサイリスタのオン期間中に第2の導体を介してGTOサイリスタのゲートに一定のゲート保持電流を流す保持電流供給手段、及び、時定数要素を備えるスイッチング素子用ゲート信号制御回路を具備し、このスイッチング素子用ゲート信号制御回路は、GTOサイリスタのゲート電流がゲート保持電流に達するまで指数関数的に減少するゲート電圧をスイッチング素子のゲート電極に供給することによって、課題が解決される。
【0024】
つまり、この発明の別の特徴的構成に従えば、ターンオン回路のスイッチング用パワーMOSFETのゲート信号電圧を指数関数的に減少するように制御することによって、ターンオン回路に抵抗を挿入することなく、ターンオン当初に高いピーク値を有し所望の時間的変化で減少するターンオン電流をGTOサイリスタのゲートに供給し、ターンオン時のゲート電流上昇率dig/dtを大きく増大させることができる。
【0025】
また、この発明の他の特徴によると、複数個のチップ型コンデンサはターンオン用コンデンサとして使用され、複数個のスイッチング素子はゲート電極を備え、さらに、電源絶縁用のスイッチングトランスを備える絶縁電源のコンデンサ充電用整流回路を具備し、このスイッチングトランスを高周波矩形波電圧で駆動し、その整流出力を第1及び第3の導体を介して直接ターンオン用コンデンサに供給することによって、課題が解決される。
【0026】
つまり、この発明の他の特徴的構成においては、コンデンサ充電用整流回路のスイッチングトランスのリーケージインダクタンス及び高速スイッチング動作を利用してトランス出力を整流した後、インダクタンスや抵抗を挿入することなく、直接ターンオン用コンデンサに与えることによって、オーバシュートや電力損失がなく高速充電することができ、しかも、ターンオン用ゲート回路の構成を非常に簡略化することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の好適な実施例を詳述する。先ず、この発明の一実施例によるGTOサイリスタのゲートドライブ装置の回路構成を図3に示す。GTOサイリスタ1は、アノード電極1a、カソード電極1k及びゲート電極1gを備え、アノード電極1a及びカソード電極1kが電力主回路に直列に介挿接続され、カソード電極1k及びゲート電極1gはカソード及びゲート導体2,3を介してゲートドライブ回路4に接続される。このゲートドライブ回路4は、主として、ターンオン回路5、ターンオフ回路6及び電源回路7で構成され、電源回路7は、導体2の接地電位0V〔ボルト〕を基準電位として、正及び負の出力電圧を正及び負導体8,9上にそれぞれ印加する。
【0028】
ターンオン回路5は、スイッチング素子として並列接続された複数個(i個;図示の例ではi=2)のパワーMOSFET素子Q11〜Q1iを備えており、これらのソース電極S11〜S1iはゲート導体3に接続され、ドレイン電極D11〜D1iは正導体8に接続される。カソード導体2と正導体8との間には、ターンオン電荷を蓄積するためのターンオン用コンデンサとして機能する複数個(m個)のセラミックコンデンサC11〜C1mが並列接続されている。また、ゲート導体3には図示しない保持電流供給回路が接続され、サイリスタ1のオン期間には、この保持電流供給回路から保持電流Ihがサイリスタゲート電極1gに供給される。
【0029】
パワーMOSFETQ11〜Q1iのゲート電極は、RC時定数回路TCからゲート抵抗R11〜R1iを介してゲート制御信号を受ける。この時定数回路TCは、バイアス抵抗Rbを有しターンオン指令信号Sonを受けるMOSFETスイッチ素子Qt、並びに、この素子Qtに直列接続される抵抗Rt1〜Rt3及びコンデンサCtを備える抵抗−コンデンサ回路で構成され、正導体8からダイオードDfとを介して充電される平滑コンデンサCfにより付勢される。
【0030】
ターンオフ回路6は、ターンオン回路5と同様に、スイッチング素子として並列接続された複数個(j個;図示の例ではj=11)のパワーMOSFET素子Q21〜Q2jを備えており、これらのソース電極S21〜S2jは負導体9に接続され、ドレインD21〜D2jは導体3に接続される。また、同じく、カソード導体2と負導体9との間には、ターンオフ電荷を蓄積するためのターンオフ用コンデンサとして機能する複数個(n個)のセラミックコンデンサC21〜C2nが並列接続されている。素子Q11〜Q1iのゲート電極は、ゲート抵抗R21〜R2j及びバイアス抵抗R5を介してターンオフ指令信号Soff を受ける。
【0031】
電源回路7は、高周波矩形波電圧を一次巻線に受ける電源絶縁用のスイッチングトランスThf、及び、この高周波用スイッチングトランスThfの二次巻線の両端に入力端子が接続されるダイオードD1〜D4からなる中間端子付き全波整流回路を備え、この全波整流回路の正及び負の出力端子はそれぞれ正及び負導体8,9に接続され、スイッチングトランスThfの二次巻線の中間端子は、基準電位0Vのカソード導体2に接続される。また、スイッチングトランスThfのリーケージ(漏洩)インダクタンスを高周波矩形波電圧の周波数とマッチングさせており、このリーケージインダクタンス及び高速スイッチング動作を利用することによって、トランスThfの出力にインダクタンスや抵抗などの電流制限回路要素を何ら付加することなく、正及び負導体8,9並びにカソード導体2を介して適当なピーク電流値の整流出力をコンデンサC11〜C1m,C21〜C2nに直接供給することができる。
【0032】
次に、図4には、この発明の一実施例によるGTOサイリスタのゲートドライブ装置の実装構造の上面図が示され、図5(a)には、この実装構造を図4の下側から見た概略的な側面図が示されている。ゲートドライブ回路4を実装するゲートドライブ装置を支持するための金属製の支持プレート10は、一方側(図示左側)にGTOサイリスタ1が載置され、サイリスタ1のカソード電極1kに接続されこれと同電位にされる。GTOサイリスタ1は、ゲート電極1gの外周リング部に設けられた複数個(図示の例では16個)の穴を挿通するネジ11及びネジ取付けリング12によりねじ留めされる。このねじ留め部分は、図5(a)の下部左側に拡大断面図が示されるように、ネジ11・リング12間に、スプリングワッシャ13、平ワッシャ14、絶縁ブッシュ15、ゲート電極1g、ラミネート板16、金属製(導電性)スペースリング(カラー)17及び支持プレート10を順次挟持して構成される。
【0033】
ラミネート板16は、数十μm程度という極く薄い厚さと所定の幅(図4で上下方向の長さ)と所定の長さ(図4で左右方向の長さ)とを有する絶縁層16iの両面に、第1〜第4導体16a〜16dを接着したフレキシブルな板状体であり、これらの導体16a〜16dは、例えば、数十〜百数十μm程度の厚さをもつ銅等の金属製薄板で形成され、ラミネート板16上面にほぼ全板幅にわたって設けられた第1導体16aは、ゲート導体3を構成する。
【0034】
一方、ラミネート板16の下面には、カソード導体2の一部を構成する第2導体16b、正導体8を構成し所定の幅を有する第3導体16c、及び、負導体9を構成し所定の幅を有する第4導体16dが互いに離隔されて設けられ、第2導体16bは、ラミネート板16下面左側のサイリスタ(ねじ留め部分)近傍の第1領域に全板幅にわたって形成される。従って、第1導体16a(ゲート導体3)は、絶縁ブッシュ14を介してGTOサイリスタ1のゲート電極1gにネジ11で締め付けられてゲート電極1gに接続され、第2導体16b(カソード導体2)は、カラー16を介して支持プレート10にGTOサイリスタ1のカソード電極1kに接続される。
【0035】
この第2導体16bの終端部(図示右端)は、カソード導体2の他部を構成する第5導体18に接続される。第5導体18は、例えば、数十〜百数十μm程度の厚さをもつ銅等のフレキシブルな金属製薄板であり、支持プレート10上に絶縁層19を介して配設される。ラミネート板16下面中央部の第2領域及び第3領域には、第3及び第4導体16b,16cが他の導体と互いに離隔して形成され、これらの導体16b,16cと第5導体18との間には、それぞれ、ターンオン用及びターンオフ用のチップ型セラミックコンデンサC11〜C1m,C21〜C2nの両電極が接続される。
【0036】
図5(b)には、これらのコンデンサの配置接続状態を説明するための例として、ラミネート板16を除いて見た場合のターンオン用コンデンサの一部の取付状態が斜視図で示されており、図6(a)及び図6(b)には、それぞれ、図4の切断面A−A’,B−B’の下方からみたゲートドライブ装置のターンオン及びターンオフ部の要部縦断面図が拡大されて示されている。
【0037】
支持プレート10上にシート状の絶縁層19を介して設けられた第5導体18上には、それぞれ複数のチップ型セラミックコンデンサC11〜C1m又はC21〜C2nから成るターンオン/オフ用のコンデンサセット(図では夫々2列)が、図示のように、チップの厚さ方向の非電極面が互いに隣接し合うように配列され、対向する両電極面を上下にして載置される。ターンオン用のコンデンサセットC11〜C1mは、第3導体16cと第5導体18とによりサンドウィッチ状に挟まれ、上下の電極面は、導電性接着剤(半田)を介して夫々対応する導体16c,18に接続される。また、ターンオフ用のコンデンサセットC21〜C2nは、第4導体16dと第5導体18とによりサンドウィッチ状に挟まれ、同様に、両電極面が導体16d,18に接続される。なお、各セラミックコンデンサは、内部に、両電極から非電極面に平行に交互に対向するように突設された複数の荷電用極板を備える。
【0038】
支持プレート10の他方側(図示左側)には絶縁層19を介してプリント基板20が設けられ、このプリント基板20上には、MOSFET素子Q11〜Q1i,Q21〜Q2j、並びに、電源回路7、ターンオン/オフ制御用の回路、論理回路等の種々の制御回路(何れも図示せず;図の更に右側)が搭載されている。このプリント基板20のサイリスタ側端部の上面にラミネート板16を連設し下面には第5導体18が延在させて、第1乃至第5導体16a〜16dを、プリント基板20に形成された導体路を介してこれらの制御回路に接続している。
【0039】
MOSFET素子Q11〜Q1i,Q21〜Q2jについては、ターンオン用素子Q11〜Q1iのソース電極S11〜S1i及びターンオフ用素子Q21〜Q2jのドレイン電極D11〜D1jは、何れも、ゲート導体3を構成する第1導体16aに接続される。一方、ターンオン用素子Q11〜Q1iのドレイン電極D11〜D1iは、正導体8を構成する第3導体16cに接続され、ターンオフ用素子Q21〜Q2jのソース電極S11〜S1jは、負導体9を構成する第4導体16dに接続される。
【0040】
一般に、2枚の平板状導体に生ずる漂遊インダクタンス(ストレイインダクタンス)Lsは、次式(1)で表わすことができる:
Ls〔μH〕 = 1.26×d×l/w ……(1)
ここで、d:中間絶縁層の厚さ〔m〕、
l:導体の長さ〔m〕、
w:導体の幅〔m〕。
【0041】
この点からみると、この発明では、上記実施例のように、ラミネート板16の中間絶縁層16iの厚さを、例えば、50μmと極く薄く形成し、導体の幅についても、ターンオン側で20mm以上、ターンオフ側で110mm以上とし、また、実効的な長さもほぼ数十mmとすることができるので、GTOサイリスタ1のゲート1g・カソード1k間に直列接続されるコンデンサ・MOSFET間の配線インダクタンスを、例えばnH以下というような通常の計測手段では測定不能な低い値にまで、大幅に低減することが可能になり、ターンオン時やターンオフ時に大きなゲート電流上昇率を得ることができる。
【0042】
また、ゲートドライブ装置の駆動時には、第4及び第5導体16d,18間に例えば3000A(アンペア)以上という大きなターンオフ電流が流れ温度が上昇することによって、これらの導体とセラミックコンデンサとの間に熱膨張差が起っても、セラミックコンデンサの隣接する非電極面間で熱膨張差を吸収するので、セラミックコンデンサの破損を未然に防止し、信頼性を向上することができる。しかも、これらのセラミックコンデンサは、第3及び第4導体16c,16dと第5導体18との間に整列配置されコンパクトに収容されるので、ゲートドライブ装置全体の小型化にも大きく寄与する。
【0043】
さて、上述したようにターンオン時のピーク電流を流す際、ターンオン回路5内には抵抗がないので、大きなゲート電流上昇率とピーク電流が得られるが、電源回路7の漂遊インダクタンスとターンオン用コンデンサC11〜C1mの容量との間で発振回路が形成され、動作が不安定になるおそれがある。そこで、この発明では、図3に示されるように、抵抗Rt1〜Rt3及びコンデンサCtからなるRC時定数回路TCを採用し、MOSFET素子Q11〜Q1iのゲート・ソース間電圧Vgsを指数関数的に減少させて、MOSFET素子Q11〜Q1iのドレイン電流Idを時間的に変化する制御を行っている。
【0044】
図7(a)には、MOSFET素子Q11〜Q1iのドレイン電流Id対ゲート・ソース間電圧Vgs特性の一例(ドレイン・ソース間電圧Vds=5V)が示され、図7(b)には、時定数回路TCによるゲート・ソース間電圧Vgsの時間的変化の設計例が示されている。具体的には、図3の回路に対して、次のような設計式が得られる:
Vgs = Vgs1+(Vgs0−Vgs1)exp(−t/τ) ……(2)
ここで、
Vgs0=(Vtc−Vgk0)×Rt3/(Rt1+Rt3) …(3)
Vgs1=(Vtc−Vgk1)×Rt3/(Rt1+Rt2+Rt3) …(4)
τ =CtRt2×(Rt1+Rt3)/(Rt1+Rt2+Rt3) …(5)
Vgk0:ターンオン直後のGTOサイリスタ1のゲート・カソード間電圧
Vgk1:GTOサイリスタ1のゲート電流Igが保持電流Ihまで低下した時のゲート・カソード間電圧
Vtc :時定数回路TCへの印加電圧。
【0045】
例えば、Vtc=18.3V、Vgk0=Vgk1= 0.8V、Ct= 0.2μF、Rt1=27Ω、Rt2= 220Ω、Rt3=51Ωとすると、Vgs0=10V、Vgs1= 3V、τ=11.5μsとなり、図7(b)に示されるようなMOSFET素子Q11〜Q1iのゲート電圧変化が得られ、図7(a)のId対Vgs特性を用いてドレイン電流Idの時間的変化を求めることができる。
【0046】
この場合、ドレイン電流Idがゼロになる以前に、MOSFETスイッチ素子Qtのゲートに与えられているターンオン信号Sonをオフにすると、ドレイン電流Idが急減し、回路の漂遊インダクタンスのためにスパイク電圧が発生するおそれがあるので、ドレイン電流Idがゼロになってからターンオン信号Sonをオフにする必要がある。
【0047】
また、この発明では、図3に示されるように、高周波用スイッチングトランスThfの出力を整流ダイオードD1,D2で整流した後、直接、ターンオン用コンデンサC11〜C1mに供給している。つまり、トランスThfのリーケージインダクタンスと高周波矩形波による高速スイッチング作用を利用することによって、従来これらのコンデンサとの間に介挿していた平滑用インダクタンスや電流制限用抵抗を廃止して、コンデンサC11〜C1mの高速充電を図っている。図8には、その原理が示されている。
【0048】
図8(a)は、図3の電源回路7・ターンオン回路5間の等価回路を示し、例えば、トランスThfのリーケージインダクタンスl1=l2= 1.4μH、内部抵抗r1=r2=0.06Ωであり、コンデンサC11〜C1mの総合容量は 200μFである。図8(b)は、トランスThfの二次側内部起電力Vt1,Vt2の波形を示し、例えば、この起電力の繰返し周波数frは80kHz、ピーク値は±20Vである。また、図8(c)は、例示されたこれらの数値条件の下で、コンデンサC11〜C1mを0Vから充電する場合の各ダイオードD1,D2の整流出力電流i1,i2を示している。
【0049】
すなわち、各ダイオード出力電流i1,i2は、図8(c)に示されるように、ピークが指数関数的に減少する三角波形となり(立下りはダイオードD1,D2の逆回復電流による)、トランスThfの外部にインダクタンスや抵抗素子を挿入しなくても、トランスThfの内部起電力Vt1,Vt2、リーケージインダクタンスl1,l2及びチョッピング周波数frによって、一定値以下に抑えられる。従って、コンデンサC11〜C1mは、オーバシュートすることなく、なだらかに指数関数的に充電される。
【0050】
次に、図9には、上述の例のように 200μFのコンデンサC11〜C1mを使用した場合、GTOサイリスタ1のオン動作開始から34μsが経過するまでの回路各部の実測波形例が示されている。即ち、図9(a)はMOSFET素子Q11〜Q1iのゲート・ソース間電圧Vgs及びGTOサイリスタ1のゲート・カソード間電圧(ゲート電圧)Vgkを、図9(b)はMOSFET素子Q11〜Q1iのドレイン電流Idを、そして、図9(c)はターンオン回路5への入力電圧Viを、それぞれ示す。なお、図9(a)において、波形“Vgs+Vgk”の電圧値から波形“Vgk”の電圧値を差し引いた値で表わされる電圧Vgsのピーク値が 8.5V程度になっているのは、GTOサイリスタ1のオフ状態でのゲート電圧Vgk=−20Vから立ち上がっているためであり、また、漂遊インダクタンスによるヒゲがゲート電圧Vgkのピーク点に発生している。
【0051】
また、図10には、同様の条件で、GTOサイリスタ1を 200μs幅でオン動作させ1300μs幅でオフ動作させた場合のオン開始から2msが経過するまでの回路各部の実測波形例が示されている。即ち、図10(a)は電圧Vgs,Vgkを、図10(b)はMOSFET素子Q11〜Q1iのドレイン電流Idを、GTOサイリスタ1のゲート電圧Vgkを、図10(c)はターンオン回路入力電圧Viをターンオン回路5への入力電圧を、そして、図10(d)はターンオン回路5への入力電流Iiを、それぞれ表わし、所望の制御動作を実現していることが確認された。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によると、GCTサイリスタを含む改良型GTOサイリスタのターンオン/オフ時にさらに大きいゲート電流上昇率が得られ、これによって、スナバレスにした場合にもGTOサイリスタのターンオフ時の遮断能力を増大し、ターンオン時の電力損失を減少し、また、di/dt耐量を向上し、さらに、高速の制御動作を可能にして多数のGTOサイリスタを容易に直列並列使用に供することができる。また、ターンオン/オフ用のコンデンサとしてチップ型のセラミックコンデンサを使用し、ターンオン回路のコンデンサに直列に挿入されていた平滑用インダクタンスや電流制限用抵抗などの回路素子を用いないようにしたこと等によって、ゲートドライブ装置の小型化及び信頼性向上を図り、消費電力を低減し、スイッチング周波数を高める等の優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)及び図1(b)は、それぞれ、従来型GTOサイリスタTH及び改良型GTOサイリスタ(GCTサイリスタ)GTについて、回路各部のインダクタンス成分を等価的に表わした従来のターンオフ・ゲート回路を示し、図1(c)は、GCTサイリスタGTの従来のゲートドライブ回路を簡略化して示す。
【図2】図2は、従来技術によるゲートドライブ装置の実装構造を示す。
【図3】図3は、この発明の一実施例によるゲートドライブ装置の回路構成を示す。
【図4】図4は、この発明の一実施例によるゲートドライブ装置の実装構造の上面図である。
【図5】図5(a)は、上記実装構造の側面図であり、図5(b)は、上記実装構造におけるコンデンサの配置接続状態を示す斜視図である。
【図6】図6(a)は、上記実装構造のターンオン部を拡大した側断面図であり、図6(b)は、同じく、ターンオフ部を拡大した側断面図である。
【図7】図7(a)は、ターンオン用スイッチング素子のドレイン電流対ゲート・ソース間電圧特性の一例を示し、図7(b)は、時定数回路によるゲート・ソース間電圧の時間的変化の設計例を示す。
【図8】図8(a)は、この発明の一実施例によるターンオン回路の等価回路を示し、図8(b)は、スイッチングトランスの二次側内部起電力波形を示し、図8(c)は、各ダイオードの整流出力電流を示す。
【図9】図9(a)はターンオン用スイッチング素子のゲート・ソース間電圧及びGTOサイリスタのゲート・カソード間電圧を例示し、図9(b)はターンオン用スイッチング素子のドレイン電流を例示し、図9(c)はターンオン回路入力電圧Viを例示するものである。
【図10】図10(a)は、ターンオン用スイッチング素子のゲート・ソース間電圧及びGTOサイリスタのゲート・カソード間電圧の実測波形例を示し、図10(b)はターンオン用スイッチング素子のドレイン電流Idの実測波形例を示し、図10(c)は、ターンオン回路入力電圧Viの実測波形例を示し、図10(d)はターンオン回路入力電流Iiの実測波形例を示す。
【符号の説明】
1 GCTサイリスタを含む改良型GTOサイリスタ、
2 サイリスタ1のカソード電極1kに接続されるカソード導体(零電位)、
3 サイリスタ1のリング状ゲート電極1gに接続されるゲート導体、
4 ターンオン回路5、ターンオフ回路6及び電源回路7を備えるゲートドライブ回路、
8,9 正導体及び負導体、
Q11〜Q1i ターンオン・スイッチング用パワーMOSFET素子、
C11〜C1m ターンオン用チップ型セラミックコンデンサ、
TC 抵抗Rt1,Rt2,Rt3及びコンデンサCtから成る時定数回路、
Qt ターンオン信号Sonを受けるMOSFETスイッチ、
Q21〜Q2j ターンオフ信号Soff を受けるターンオフ・スイッチング用パワーMOSFET素子、
C21〜C2n ターンオフ用チップ型セラミックコンデンサ、
Thf 高周波矩形波電圧を受ける電源絶縁用スイッチングトランス、
10 ゲートドライブ装置支持用の金属製支持プレート(零電位)、
11,12 スプリングワッシャ13、平ワッシャ14及び絶縁ブッシュ15と共にネジ留め部材となるネジ及び取付けリング、
16 絶縁層16iの上面に第1導体16aを備え、下面に第2〜第4導体16b〜16dを備えるフレキシブルなラミネート板、
16a ゲート導体3を構成する第1導体、
16b カソード導体2の一部を構成する第2導体、
16c 正導体8を構成する第3導体、
16d 負導体9を構成する第4導体、
17 金属製(導電性)スペースリング(カラー)、
18 カソード導体2の他部を構成する第5導体、
19 シート状絶縁層、
20 プリント基板20。
Claims (4)
- コンデンサに蓄積した電荷を用いてGTOサイリスタのターンオン及びターンオフを行うGTOサイリスタのゲートドライブ装置において、
GTOサイリスタのカソード及びゲートにそれぞれ接続される第1及び第2の板状導体、
第1の板状導体に一方の電極が接続される複数個のチップ型コンデンサ、
これらのチップ型コンデンサの他方の電極に接続される第3の板状導体、及び、
第2及び第3の導体間に第1及び第2の主電極が接続される複数個のスイッチング素子
を具備し、
第2及び第3の板状導体は薄い絶縁層を介して対向しており、
複数個のチップ型コンデンサは、一方及び他方の電極がチップの両端部に対向して設けられ、第1及び第3の板状導体が対向する空間内に設けられる
ことを特徴とするGTOサイリスタのゲートドライブ装置。 - 複数個のチップ型コンデンサは、セラミックコンデンサであり、チップの厚さ方向の非電極面が互いに隣接し合うように整列配置され、両電極面が第1及び第3の板状導体の表面にそれぞれ接続されることを特徴とする請求項1に記載のGTOサイリスタのゲートドライブ装置。
- 複数個のチップ型コンデンサはターンオン用コンデンサとして使用され、
複数個のスイッチング素子はゲート電極を備え、
さらに、
GTOサイリスタのオン期間中に第2の導体を介してGTOサイリスタのゲートに一定のゲート保持電流を流す保持電流供給手段、及び、
時定数要素を備えるスイッチング素子用ゲート信号制御回路
を具備し、
このスイッチング素子用ゲート信号制御回路は、GTOサイリスタのゲート電流がゲート保持電流に達するまで指数関数的に減少するゲート電圧をスイッチング素子のゲート電極に供給する
ことを特徴とする請求項1に記載のGTOサイリスタのゲートドライブ装置。 - 複数個のチップ型コンデンサはターンオン用コンデンサとして使用され、
複数個のスイッチング素子はゲート電極を備え、
さらに、電源絶縁用のスイッチングトランスを備える絶縁電源のコンデンサ充電用整流回路を具備し、
このスイッチングトランスを高周波矩形波電圧で駆動し、その整流出力を第1及び第3の導体を介して直接ターンオン用コンデンサに供給する
ことを特徴とする請求項1に記載のGTOサイリスタのゲートドライブ装置。
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