JP4058866B2 - ボンディングペーストの塗布装置および塗布方法 - Google Patents
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Description
本発明は、基板にチップボンディング用のボンディングペーストを塗布するボンディングペーストの塗布装置および塗布方法に関するものである。
【従来の技術】
半導体装置製造のダイボンディング工程では、リードフレームなどの基板に半導体チップを接着するためのボンディングペースト(以下、単に「ペースト」と略称する)が塗布される。このペーストの塗布は、ディスペンサから吐出されるペーストを塗布ノズルに導き基板の塗布エリア内に塗布することにより行われる。この塗布方法の一つとして、塗布ノズルを塗布エリア内で移動させながらペーストを吐出することにより塗布を行う描画塗布が知られている。
【発明が解決しようとする課題】
この描画塗布においては、接着対象のチップの形状やサイズによって所要の塗布パターンが異なるため、描画時の描画パターンなどの塗布条件を接着対象に応じて設定する必要がある。ところが従来のボンディングペーストの塗布装置では、上述のような描画塗布を行う際の描画パターンの設定に、その都度複雑なデータ入力などの手間を必要として操作性が悪いとともに、適切な設定が行われない場合には良好な塗布品質が得られないという問題点があった。
そこで本発明は、操作性に優れ良好な塗布品質を得ることができるボンディングペーストの塗布装置および塗布方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のボンディングペーストの塗布装置は、基板のチップ搭載位置において塗布ノズルからボンディングペーストを吐出しながら塗布ノズルを移動させることによりボンディングペーストを描画塗布するボンディングペーストの塗布装置であって、塗布口からペーストを吐出して基板に塗布する塗布ノズルと、この塗布ノズルを基板に対して相対的に移動させる移動手段と、この移動手段を描画パターンに基づいて制御する制御手段と、前記描画パターンを設定する描画パターン設定手段とを備え、描画パターン設定手段は描画パターンを構成する描画要素別に描画パターンを編集する。
請求項2記載のボンディングペーストの塗布方法は、基板のチップ搭載位置においてノズルからボンディングペーストを吐出しながら塗布ノズルを移動させることによりボンディングペーストを描画塗布するボンディングペーストの塗布方法であって、前記塗布ノズルを移動させる移動手段の制御に用いられる描画パターンの設定に際し、描画パターンを構成する描画要素別に描画パターンを編集するようにした。
本発明によれば、塗布ノズルを移動させる移動手段の制御に用いられる描画パターンの設定に際し、描画パターンを構成する描画要素別に描画パターンを編集することにより、既設定の描画パターンを必要に応じて容易に修正でき、塗布対象に応じた適正な描画パターンを操作性よく設定して、良好な塗布品質を確保することができる。
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態のダイボンディング装置の斜視図、図2は同ダイボンディング装置の制御系の構成を示すブロック図、図3は同ダイボンディング装置のペースト塗布処理の処理機能を示す機能ブロック図、図4は同ペースト塗布の描画パターン編集処理のフロー図、図5(a)は同描画パターンの説明図、図5(b)は同描画パターンの描画要素を示す図、図6は同ペースト塗布の描画パターン編集処理画面を示す図である。
まず図1を参照してダイボンディング装置の構造を説明する。図1においてチップ供給部1にはウェハシート2が図示しない保持テーブルによって保持されている。ウェハシート2には多数の半導体素子であるチップ3が貼着されている。チップ供給部1の側方には搬送路5が配設されており、搬送路5は基板であるリードフレーム6を搬送し、ペースト塗布位置およびボンディング位置にリードフレーム6を位置決めする。チップ供給部1の上方にはボンディングヘッド4が配設されており、ボンディングヘッド4は図示しない移動機構により水平移動および上下動する。
搬送路5の側方にはペースト塗布部9が配設されている。ペースト塗布部9は移動テーブル10にL型のブラケット15を介して塗布ノズル18を装着して構成されている。塗布ノズル18は、不動のプレート21上に固定配置されたペースト吐出手段であるディスペンサ16と可撓性の管部材であるチューブ17によって連結されており、更にエアチューブ20を介して吐出制御バルブ19と接続されている。
図2に示すようにディスペンサ16は、マニホールドブロック25の上面に装着されたシリンジ26内のペースト7をモータ31によって往復駆動されるピストン32によって吐出させるものである。ペースト7のシリンジ26からの吸入、ピストン32による吐出は、往復駆動機構28によって駆動される第1のバルブ27、往復駆動機構29によって駆動される第2のバルブ30によって制御される。
シリンジ26内はバルブ34を介してエア源33から供給されるエアによって加圧されており、ディスペンサ16を駆動することにより、ペースト7がチューブ17を介して塗布ノズル18へ圧送される。そして塗布ノズル18の下端部に設けられた塗布口より吐出されてリードフレーム6の塗布エリア6aに塗布される。塗布ノズル18からのペースト吐出の断続は、吐出制御バルブ19によって制御される。
移動テーブル10は、Y軸テーブル11上にX軸テーブル12を段積みし、さらにその上にL型のブラケット13を介してZ軸テーブル14を垂直方向に結合して構成されている。Y軸テーブル11、X軸テーブル12、Z軸テーブル14は、それぞれY軸モータ11a、X軸モータ12a、Z軸モータ14aを備えている。X軸モータ12a、Y軸モータ11aおよびZ軸モータ14aを駆動することにより、塗布ノズル18はリードフレーム6上で水平方向および上下方向に移動する。したがって、移動テーブル10は塗布ノズル18をリードフレーム6に対して相対的に移動させる移動手段となっている。
リードフレーム6上面のチップ3の搭載位置は、ペースト7が塗布される塗布エリア6aとなっている。塗布ノズル18を塗布エリア6a内に位置させ、塗布ノズル18からペースト7を吐出させながら塗布ノズル18を移動させることにより、塗布エリア6a内には所定の描画パターンでチップボンディング用のペースト7が描画塗布される。
このペースト塗布後、リードフレーム6は搬送路5上をボンディング位置8に送られ、位置決めされる。そして塗布エリア6a内に塗布されたペースト7上に、ボンディングヘッド4のノズル4aによってチップ供給部1からピックアップされたチップ3がボンディングされる。
次に図2を参照してダイボンディング装置の制御系の構成を説明する。図2において、ディスペンサ駆動部40は、ピストン32を駆動するモータ31、第1のバルブ27および第2のバルブ30をそれぞれ往復動させる往復動機構28,29を駆動して、ディスペンサ16によるペースト7の吐出を制御する。吐出制御バルブ駆動部41は、吐出制御バルブ19の開閉を駆動することにより塗布ノズル18に供給される制御エアを制御し、塗布ノズル18の開閉を行う。
Z軸モータ駆動部42、Y軸モータ駆動部43、X軸モータ駆動部44は、移動テーブル10のZ軸モータ14a、Y軸モータ11a、X軸モータ12aをそれぞれ駆動する。ボンディングヘッド駆動部45は、チップ3をボンディングするボンディングヘッド4を駆動する。記憶部46は、各部の動作や処理に必要なプログラムや塗布パターンのデータを記憶する。制御部47は、記憶部46に記憶されたプログラムに基づいて各部の動作を制御する。操作・入力部48は、キーボードやマウスなどの入力手段であり制御コマンドの入力やデータ入力を行う。表示部49はディスプレイ装置であり、操作入力時の画面を表示する。
次に図3を参照して、ダイボンディング装置のペースト塗布処理の処理機能について説明する。図3において枠46で囲まれた各部は図2に示す記憶部46に記憶されるデータの内容を示すものである。また図3に示す各要素のうち、入力処理部50、表示処理部51、速度パターン算出部55、座標データ算出部56、描画処理部58は、図2に示す制御部47によって行われる処理を示している。
まず記憶部46を構成する各個別の記憶部について説明する。チップサイズ記憶部52は、ボンディング対象のチップサイズ、すなわちチップ3の幅や長さのデータを記憶する。描画パターン記憶部53は、次の3つの記憶部より成る。描画設定データ記憶部53aは、描画パターン設定のために必要なデータ、すなわち描画パターンを構成する各塗布線の幾何形状設定のための数値データを記憶する。ここでは、チップのサイズや種類別にこれらのデータを記憶し、さらにこの幾何形状設定のためにどのような計算式を用いるかを定めたデータを記憶している。
速度パターン算出式記憶部53bは各描画パターン毎に速度パターンを算出する計算式を記憶する。座標データ算出式記憶部53cは、描画パターンの通過点や折り返し点の座標を算出するための計算式を各描画パターン毎に記憶する。座標データ算出部56は、座標データ算出式記憶部53cに記憶された計算式を用いて描画パターンの画面表示用の座標データを算出する。座標データ記憶部54は、座標データ算出部56によって算出された座標データを記憶する。この座標データは、表示部49のモニタ画面に描画パターンをグラフィック表示する場合にも用いられる。
速度パターン算出部55は、描画パターンに基づいて塗布ノズルを移動させる移動手段、すなわち移動テーブル10のZ軸モータ14a、Y軸モータ11a、X軸モータ12aの速度パターンを算出する。この速度パターン算出は、速度パターン算出式記憶部53bの速度パターン算出式を用いて行われる。速度パターン記憶部57は、速度パターン算出部55によって算出された速度パターンを記憶する。描画処理部58は、速度パターンに基づいてX軸モータ駆動部44、Y軸モータ駆動部43、Z軸モータ駆動部42、吐出制御バルブ駆動部41、ディスペンサ駆動部40を駆動して、塗布ノズル18を速度パターンに基づいて移動させると共に塗布ノズル18からペーストを吐出させる描画塗布を行うための処理を行う。
入力処理部50は、操作・入力部48から入力される操作入力信号を処理し、各部への制御コマンドを出力するとともに、記憶部46へのデータ書き込みを行う。表示処理部51は、記憶部46に記憶されたデータを処理して描画パターン設定時の編集画面を表示部49に表示させる。描画パターンの設定は、この表示画面上で、データ入力することによりおこなわれる。すなわち、操作・入力部48、入力処理部50、表示処理部51、表示部49は、描画パターンを設定する描画パターン設定手段となっている。
次に描画パターン編集処理について、図5、図6を参照して説明する。ここでは、図5(a)に示すように塗布エリア6a内に2つの十字線を組み合わせたパターンによってペースト7の描画塗布を行う例について説明する。すなわちこの例では描画パターンは、図5(b)の(イ)、(ロ)、(ハ)にそれぞれ示すように、塗布エリア6aの対角方向にクロスする十字線(直線ACおよび直線BD)である対角十字要素E1、横線要素E2(直線FH)および縦線要素E3(直線EG)を組み合わせたものとなっており、これらの対角十字要素E1、横線要素E2および縦線要素E3は、この描画パターンを構成する描画要素となっている。
この描画パターンの編集処理は、予め基本パターンとして設定されている基準描画パターンを構成する各描画要素(この例では対角十字要素E1、横線要素E2および縦線要素E3)毎に、これらの描画要素の実際の位置や寸法を設定することにより、描画パターンを設定するものである。すなわち、ここでは描画パターンは各描画要素を編集することにより設定される。
この編集処理は、表示部49に表示される画面上で行われる。図6において、画面60には接着対象のチップに対応した塗布エリアを示す表示枠61が表示され、表示枠61内には、描画パターンを構成する各描画要素が表示されている。この描画パターンは、このような正方形形状の塗布エリアに対して描画塗布を行う場合の基準となる描画パターンの1例であり、実際の塗布対象のチップに対応する描画パターンの設定に際しては、各塗布線の具体的な位置や長さ、すなわち塗布線を特定する位置座標を設定する必要がある。この設定は、以下に説明する描画設定データを入力することにより行われる。
図6に示すように、各塗布線の位置座標は、すべて接着対象のチップサイズLx,Lyに基づいて決定されるようになっている。すなわち、描画パターンの編集に際し、まず画面60上で入力枠62,63にチップのX寸法、Y寸法を示すチップサイズLx,Lyが入力される。
次いで、描画パターンを構成する各塗布線の位置や長さを、チップサイズLx,Lyとの相対関係で示す描画設定データが、各描画要素毎に入力される。すなわち、対角十字要素E1の設定に際しては、対角十字線の端点とチップ外形端点(塗布エリア端点)との距離を示す寸法a,bを、チップサイズLx,Lyとの百分比率の形式で入力欄64,65に入力する。また横線要素E2および縦線要素E3を示す寸法d,cについても同様に、チップサイズLx,Lyとの百分比率の形式で入力枠66,67に入力する。寸法a,b,c,dの入力は、長さを直接数値入力するようにしてもよい。
次いでペースト塗布厚さtを入力枠68に入力して、全てのデータ入力が完了する。このように、描画パターンの設定に際し、ペースト塗布線の長さや位置の設定を描画要素毎に個別に設定することにより、ペーストの塗布量分布の設定をチップの種類やサイズに応じてより高い自由度で行うことが可能となっている。以下、描画パターン設定処理の個々のフローについて図4を参照して説明する。まず、編集画面を表示する(ST1)。これにより、図6に示す描画パターン編集画面が表示され、入力待ち状態となる(ST2)。そして、次に入力データ種類を判断する(ST3)。ここで、すでに設定されている描画設定データをそのまま流用する場合、または既設定の描画設定データの修正が完了した場合には、編集終了コマンドが入力され、後述する速度パターンの計算が行われる。
既設定の描画設定データを修正するためのデータが入力されたならば、描画設定データの修正処理が行われる(ST4)。ここでは、上述の描画設定データが各入力枠に入力される。
次いで、基準描画パターンおよび修正入力された各データに基づいて、描画要素を構成する各塗布線の座標データが座標データ算出部56によって計算される(ST5)。
そして(ST1)に戻り、(ST5)にて計算され座標データ記憶部54に記憶された座標データに基づいて、再び画面60上で新たに設定された描画パターンの塗布線が表示される。画面60上で当該描画パターンの形状が良好であることが確認されたならば編集作業を終了する。
そして(ST3)にて編集終了コマンドが入力され、新たに編集された描画パターンに基づいて速度パターンの計算が行われる(ST6)。計算結果は、速度パターン記憶部57に記憶される。当該チップを対象としたペーストの塗布は、記憶された速度パターンに基づいて行われる。そして新たに設定された描画設定データは、当該チップの名称、種類・サイズなどのデータに関連づけられて描画設定データ記憶部53aに記憶され登録される(ST7)。
このように、描画パターンを表示画面上で描画要素毎に編集することにより、塗布エリア6a内でのペースト塗布量の分布を、対象チップに応じてより精細に設定することが可能となり、基準描画パターンをチップ寸法に案分比例した形で単に拡大・縮小することにより描画パターンを設定する場合と比較して、より適切な描画パターンの設定を操作性よく行うことができる。そしてこのようにして対象チップに応じて適切に設定された描画パターンに基づいてペースト塗布を行うことにより、常に良好な塗布品質を確保することができる。
【発明の効果】
本発明によれば、塗布ノズルを移動させる移動手段の制御に用いられる描画パターンの設定に際し、描画パターンを構成する描画要素別に描画パターンを編集することにより、既設定の描画パターンを必要に応じて容易に修正でき、対象のチップに応じた適正な描画パターンを操作性よく設定して、良好な塗布品質を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のダイボンディング装置の斜視図
【図2】本発明の一実施の形態のダイボンディング装置の制御系の構成を示すブロック図
【図3】本発明の一実施の形態のダイボンディング装置のペースト塗布処理の処理機能を示す機能ブロック図
【図4】本発明の一実施の形態のペースト塗布の描画パターン編集処理のフロー図
【図5】(a)本発明の一実施の形態の描画パターンの説明図
(b)本発明の一実施の形態の描画パターンの描画要素を示す図
【図6】本発明の一実施の形態のペースト塗布の描画パターン編集処理画面を示す図
【符号の説明】
3 チップ
6 リードフレーム
6a 塗布エリア
7 ペースト
10 移動テーブル
16 ディスペンサ
18 塗布ノズル
47 制御部
53 描画パターン記憶部
58 描画処理部
Claims (2)
- 基板のチップ搭載位置において塗布ノズルからボンディングペーストを吐出しながら塗布ノズルを移動させることによりボンディングペーストを描画塗布するボンディングペーストの塗布装置であって、塗布口からペーストを吐出して基板に塗布する塗布ノズルと、この塗布ノズルを基板に対して相対的に移動させる移動手段と、この移動手段を描画パターンに基づいて制御する制御手段と、前記描画パターンを設定する描画パターン設定手段とを備え、描画パターン設定手段は描画パターンを構成する描画要素別に描画パターンを編集することを特徴とするボンディングペーストの塗布装置。
- 基板のチップ搭載位置においてノズルからボンディングペーストを吐出しながら塗布ノズルを移動させることによりボンディングペーストを描画塗布するボンディングペーストの塗布方法であって、前記塗布ノズルを移動させる移動手段の制御に用いられる描画パターンの設定に際し、描画パターンを構成する描画要素別に描画パターンを編集することを特徴とするボンディングペーストの塗布方法。
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