JP4058610B2 - 導電性ボール搭載装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性ボールを被搭載物の搭載面に搭載する装置の改良に関するもので、主として半田ボールマウント装置における吸着ヘッドの吸着ボールの搭載動作後の動作制御を主眼に開発されたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半田ボールマウント装置において、吸着ヘッド先端に吸着されている半田ボールの有無を検出する手段は採用されていた。特にボール搭載動作後の吸着ヘッドに保持されている半田ボールは、ウエハ等の搭載物の搭載面に搭載されなかった搭載ミスボールであるので、残ったボールはボール廃棄箱に破棄し、新たな半田ボールを吸着し、再度搭載するのが常であった。
【0003】
しかし、搭載ミスボールを発見したとき、すなわちボール搭載動作後の吸着ヘッドのボール有りを検出したとき、残ったボールを破棄し、新たなボールを吸着するのは時間的無駄が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、搭載部での導電性ボールの搭載動作の後、吸着ヘッドへの導電性ボールの保持の有無を検出し、導電性ボールの保持が検出された場合には、直接、再度の搭載動作を行うこととして、ボールの破棄箱への破棄、再度のボール供給動作を省くことのできる導電性ボール搭載装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、導電性ボール搭載装置に以下の手段を採用した。
第1に、導電性ボールを吸着保持する吸着孔が1個形成された吸着ヘッドと、吸着ヘッドに導電性ボールを供給するボール供給手段と、吸着ヘッドで保持した導電性ボールが搭載される被搭載物を支持する支持手段と、吸着ヘッドによる導電性ボールの保持の有無を検出する検出手段と、ボール供給手段と支持手段の間で吸着ヘッドを相対的に移動させる移動機構と、吸着ヘッドに導電性ボールを吸着保持させ、保持した導電性ボールを被搭載物に搭載させる制御手段とを備えた導電性ボール搭載装置とする。
第2に、被搭載物への導電性ボールの搭載動作の後、吸着ヘッドを上昇させて、上昇位置で吸着ヘッドへの導電性ボールの保持の有無を検出する。
第3に、導電性ボールの保持が検出された場合には、吸着ヘッドを下降させて、再度搭載動作を行う。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面に従って、実施例と共に本発明の実施の形態について説明する。実施例では、本発明における導電性ボールとして半田ボール5、被搭載物としてウエハ1が選択されている。実施例では直径1mm以下の半田ボール5が用いられている。具体的には0.1mmの半田ボールが用いられている。勿論、本発明における導電性ボールが上記半田ボールに限定されるものではなく、被搭載物もウエハ1に限定されるものでもない。
【0007】
図3は、本発明の1実施例である半田ボール搭載装置の全体を示す斜視説明図であり、該半田ボール搭載装置には、本発明における吸着ヘッドとなる半田ボール5を真空吸引して保持する吸着ノズル6と、ウエハ1が載置され、支持されるX−Yテーブル4と、半田ボール5を1個ずつ繰り出すボール供給装置8と、図示されていない真空源が設けられている。本実施例での半田ボール搭載装置は、吸着孔が一個だけ形成された吸着ノズル6に1個の半田ボール5を吸着し、搭載する装置としているが、吸着ノズル6に相当する吸着ヘッドが、複数個の半田ボール5を吸着し、搭載する半田ボール搭載装置にも利用可能であることは勿論である。
【0008】
X−Yテーブル4は、被搭載物であるウエハ1が載置支持されるもので、X軸駆動テーブル2及びY軸駆動テーブル3上に設置されており、平面移動可能に構成され、搭載位置に位置する半田ボール5を保持した吸着ノズル6に対して、ウエハ1を位置合わせするようになっている。
【0009】
真空源としては、真空ポンプ22が用いられている。該真空ポンプ22は、開閉弁24により切り替えられ、半田ボール5を吸着ノズル6の吸着孔14に吸引保持するための必要十分な吸引力を発生させるための負圧源となる。尚、図中23は、吸着ノズル6が半田ボール5を搭載した後に、開閉弁25にて接続され真空を破壊するための圧縮エアー源である。又、図中26は、上記真空破壊後に吸着ノズル6内を大気圧とするための大気開放弁である。
【0010】
吸着ノズル6は、一個の半田ボール5を吸着保持するよう吸着孔14が一個だけ形成されたノズルである。実施例での吸着孔14の穴径(直径)は、半田ボール5の直径より小さく、具体的には直径0.1mmの半田ボール5で、吸着孔14の穴径(直径)は、0.056mm(単位ミリメートル)である。
【0011】
吸着ノズル6は、真空ポンプ22と、吸引通路の一部となるエアーホース12により接続されている。実施例でのエアーホース12は、外径1.8mmで、内径1.0mmのものが用いられている。尚、吸引通路は、エアーホース12及び吸着ノズル6内の吸引通路28、及び後述する連結金具17内の吸引通路18を含むものである。
【0012】
真空ポンプ22と吸着孔14を接続する吸引通路の途中には、吸引通路の断面積を縮小させる絞り部材として、図2に示されるように吸着孔14と同程度の開口断面積を有する絞り穴15を穿設した絞りプレート16を設けている。
【0013】
絞り部材を設けることにより、絞り部材から吸着孔14までの吸引通路内からの吸引流量は低下する。絞り部材により縮小された吸引通路の断面積が、上記例のように吸着孔14の開口断面積とほぼ同じであれば、絞り部材からの吸引流量と吸着孔14からの吸引流量は近似してその間の真空度は低下するので、真空源である真空ポンプ22から絞り部材までの吸引通路内の内部圧力に対して顕著な差圧を生じる。この状態で吸着孔14が半田ボール5によって塞がれると、絞り部材から吸着孔14までの吸引通路内の圧力は真空源から絞り部材までの吸引通路内の真空度と等しくなるので、吸引圧力の変動を検出することにより吸着孔14に半田ボール5が吸着保持されているか否かを検出することが可能となる。
【0014】
実施例での絞りプレート16の板厚は0.05mmで、絞り穴15の穴径(直径)も、吸着孔14の穴径(直径)0.056mmに近似した0.05mmとされている。ボール吸着保持のため真空源の吸引力を有効に作用させるためには、絞り穴15の開口面積は吸着孔14の開口断面積とほぼ同じかそれ以上に大きくすることが望ましい。勿論、絞り穴15の開口面積は、吸着孔14より小さくてもボール吸着に支障がなければ問題はなく、又、絞り穴15の開口面積が吸着孔14より大きくても、ボール吸着の有無による圧力変動を検出できるレベルで有れば問題はない。尚、絞り部材は、実施例では絞りプレート16という別部材を準備しているが、同じ大きさの吸着孔14を有する吸着ノズルを利用することもできる。
【0015】
絞りプレート16は、吸着ノズル6の吸着孔14の穴径に合わせて、交換可能なるよう連結金具17間に交換可能に挟持されている。連結金具17には、当然吸引通路18が形成されると共に、押さえ金具19と受け金具20に分割され、両者を止めボルト21で着脱自在に固定したものとされている。押さえ金具19は吸引通路18が直径4mmで下流側に向かってテーパ状に直径1mmに絞られ、その下流側に絞りプレート16が配置されている。受け金具20の吸引通路18の直径は2mmである。尚、上記吸着ノズルを絞り部材として利用する場合には、連結金具17の受け金具20の吸引通路18にねじ込んで固定する。
【0016】
更に、吸着孔14と絞りプレート16の間の吸引通路の途中に、吸着ノズル6の内部圧力の変化を検出する圧力センサ7が接続されている。図示の実施例では絞りプレート16より若干吸着ノズル6側によった連結金具17に装着されている。
【0017】
圧力センサ7は、絞りプレート16と吸着孔14の間の圧力を検出するのである。該検出結果に基づいて吸着孔14への半田ボール5の保持の有無を検出する。実施例では、半田ボール吸着有りで、内部圧力マイナス11.7kpa(単位キロパスカル)、半田ボール吸着無しで内部圧力マイナス6.4kpaとなった。
【0018】
半田ボール搭載装置には、吸着ノズル6の移動装置として、Z軸移動装置9とX軸移動装置10を有している。Z軸移動装置9は、吸着ノズル6をウエハ1の搭載面に接近隔離させる昇降装置であり、X軸移動装置10は、水平移動装置である。このZ軸移動装置9とX軸移動装置10により、吸着ノズル6を、ボール供給装置8がボールを供給する位置とXーYテーブル4上のウエハ1のボール搭載位置に移動させて、供給動作及び搭載動作を行う。勿論吸着ノズル6の位置の移動は、相対的なものであっても良いこと勿論である。
【0019】
図1及び図3中符号13は、吸着ノズル6をX軸移動装置10に取り付けるための取付アームである。そして、このZ軸移動装置9及びX軸移動装置10は、制御装置11により制御されている。
【0020】
実施例で吸着ノズル6をウエハ1に接近させるためには、Z軸移動装置9を用いている。従って、ウエハ1への接近離隔の方向は実施例では上下方向であるが、これに限定されるものではない。
【0021】
尚、X軸移動装置10は、吸着ノズル6がボール供給装置8へ半田ボール5を取りに行くために用いられるもので、X軸方向のみの移動装置である。
【0022】
次に、本実施例における半田ボール搭載装置の動作手順について、図4のフロー図に従って説明する。
先ず、X軸移動装置10が作動し、吸着ノズル6はボール供給装置8上方に移動する。次に、開閉弁24を開いて吸着孔14に吸引力を発生させると共に、Z軸移動装置9の作動により、吸着ノズル6は下降し、ボール供給装置8より半田ボール5を吸着孔14に吸着し、半田ボール5を吸着したら、再びZ軸移動装置9により上昇する。
【0023】
上昇位置で圧力センサ7の信号を入力してボール吸着保持の有無を検出する。半田ボール5の吸着有り(YES)を検出した場合、吸着ノズル6は、X軸移動装置によりウエハ1上のボール搭載位置上方に移動する。圧力センサ7が吸着無し(NO)を検出した場合、Z軸移動装置9により吸着ノズル6を下降させて、再度、ボール吸着動作を繰り返す。
【0024】
ボール搭載位置上方に移動した吸着ノズル6が、Z軸移動装置9の作動によりウエハ1上のボール搭載位置に下降し、半田ボール5をウエハ1上に搭載し、開閉弁24を閉じ、開閉弁25を開き、圧縮エアーを供給して真空破壊し、吸着保持していた半田ボール5を開放する。
【0025】
その後、開閉弁25を閉じ、大気開放弁26を開き、大気開放してから吸着ノズル6をZ軸移動装置9により上昇させる。上昇位置で大気開放弁26を閉じ、開閉弁24を開き、吸着ノズル6の吸着孔14に吸引力を発生させてから、圧力センサ7の信号を入力し、ボール吸着保持の有無を検出する。このとき、吸着有り(吸着OFFに対しNO)が検出されたら、吸着ノズル6をZ軸移動装置9により下降させて、再度、ボール搭載動作を繰り返す。
【0026】
吸着無し(吸着OFFに対してYES)が検出された場合、開閉弁24を閉じて吸引を解除し、一連の動作を完了する。尚、搭載動作と吸着有無の検出は、数回繰り返すようにしても良いし、2回目の搭載動作で成功しなかった場合には動作を停止させて警報信号を出力するようにしても良い。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、如上のように構成され、被搭載物への導電性ボールの搭載動作の後、吸着ヘッドへの導電性ボールの保持の有無を検出し、導電性ボールの保持が検出された場合には、再度搭載動作を行うことを特徴とする導電性ボール搭載装置としたので、導電性ボールの廃棄箱への廃棄動作、及び再度のボール供給動作を行うことなく、再度の搭載動作に移行できるものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】絞りプレート装着位置を示す説明図
【図2】吸着孔と絞りプレートの関係を示す説明図
【図3】本実施例に係る半田ボール搭載装置の全体を示す斜視説明図
【図4】半田ボール搭載装置の動作手順を示すフロー図
【符号の説明】
1......ウエハ
2......X軸駆動テーブル
3......Y軸駆動テーブル
4......X−Yテーブル
5......半田ボール
6......吸着ノズル
7......圧力センサ
8......ボール供給装置
9......Z軸移動装置
10.....X軸移動装置
11.....制御装置
12.....エアーホース
13.....取付アーム
14.....吸着孔
15.....絞り穴
16.....絞りプレート
17.....連結金具
18,28..吸引通路
19.....押さえ金具
20.....受け金具
21.....ボルト
22.....真空ポンプ
23.....圧縮エアー源
24,25..開閉弁
26.....大気開放弁
Claims (1)
- 導電性ボールを吸着保持する吸着孔が1個形成された吸着ヘッドと、吸着ヘッドに導電性ボールを供給するボール供給手段と、吸着ヘッドで保持した導電性ボールが搭載される被搭載物を支持する支持手段と、吸着ヘッドによる導電性ボールの保持の有無を検出する検出手段と、ボール供給手段と支持手段の間で吸着ヘッドを相対的に移動させる移動機構と、吸着ヘッドに導電性ボールを吸着保持させ、保持した導電性ボールを被搭載物に搭載させる制御手段とを備えた導電性ボール搭載装置において、被搭載物への導電性ボールの搭載動作の後、吸着ヘッドを上昇させて、上昇位置で吸着ヘッドへの導電性ボールの保持の有無を検出し、導電性ボールの保持が検出された場合には、吸着ヘッドを下降させて、再度搭載動作を行うことを特徴とする導電性ボール搭載装置。
Priority Applications (1)
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JP2002088469A JP4058610B2 (ja) | 2002-03-27 | 2002-03-27 | 導電性ボール搭載装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002088469A JP4058610B2 (ja) | 2002-03-27 | 2002-03-27 | 導電性ボール搭載装置 |
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JP2003282620A JP2003282620A (ja) | 2003-10-03 |
JP4058610B2 true JP4058610B2 (ja) | 2008-03-12 |
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- 2002-03-27 JP JP2002088469A patent/JP4058610B2/ja not_active Expired - Fee Related
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