JP4058393B2 - 無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板 - Google Patents

無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板 Download PDF

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Description

本発明は、無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板に関する。
自動車、家電、建材等の用途に用いられる亜鉛系メッキ鋼板には、従来、耐食性の向上や塗膜密着性の向上等を目的として、リン酸塩処理やクロメート処理が一般に行われている。特に、リン酸亜鉛処理を施した後に、クロメートによるシーリング処理を行う方法は、耐食性や塗料密着性の向上に効果が大きいために広く実施されてきた。しかし、近年、環境問題の高まりを背景に、毒性の大きいクロメートを用いない表面処理技術の開発が望まれ、下記のような技術が提案されている。
亜鉛系メッキ鋼板の表面に、第1層としてニッケル、マンガン及びマグネシウムの中から選ばれる少なくとも1種を含有する付着量0.2〜2.5g/mのリン酸亜鉛処理皮膜層を有し、その上部に第2層としてエチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂及びアクリル系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種の有機樹脂を主成分とする有機系皮膜を有するリン酸亜鉛複合処理鋼板が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
鋼板表面に、亜鉛系メッキ皮膜、0.3g/m以上のリン酸亜鉛処理皮膜、0.3〜2g/mの有機被膜が順次形成されており、リン酸亜鉛被膜がMgを含有し、リン酸亜鉛処理皮膜中のMg/P(質量比)が0.15以上でかつMg量が20mg/m以上である有機複合亜鉛系メッキ鋼板が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
このような処理を施した亜鉛系メッキ鋼板は、通常、プレス成形されアルカリ脱脂洗浄した後、そのまま、あるいは塗装して使用される。特に、自動車用途では、上述の処理が施された亜鉛系メッキ鋼板を用いた車体は、塗装ラインにのせられ、アルカリ脱脂、リン酸亜鉛処理、電着塗装、中塗り塗装、上塗り塗装が順次施される。このため、亜鉛系メッキ鋼板に形成された皮膜は、アルカリ脱脂液やリン酸亜鉛処理液との接触によっても溶解又は劣化することがないような強靭な皮膜であることが要求される。
しかしながら、上述したような方法等によって得られるリン酸亜鉛複合処理皮膜鋼板及び有機複合亜鉛系メッキ鋼板は、成形後にアルカリ脱脂処理を施すと、皮膜が溶解又は劣化してしまうため、その脱脂処理後の耐食性に劣り、塗膜密着性も劣るものとなってしまう。
特開2001−105528号公報(第2頁) 特開2001−131763号公報(第2頁)
本発明は、上記現状に鑑み、処理された皮膜中に有害なクロメートを含有せず、優れたアルカリ脱脂後の耐食性及び塗膜密着性が得られる無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板を提供することを目的とするものである。
本発明は、亜鉛系メッキ鋼板の表面に、皮膜量が0.3〜5g/mのリン酸亜鉛処理皮膜を有し、その上に、皮膜量が0.01〜1g/mの、チオカルボニル基含有化合物、スルフィド基含有化合物及びグアニジル基含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(A)、有機樹脂(B)、架橋剤(C)、並びに、無機防錆剤(D)を含有する後処理皮膜を有し、架橋剤(C)は、エポキシ化合物及びシラン化合物を含有し、架橋剤(C)は、更に、有機チタン化合物、アミノ樹脂、ブロックイソシアネート化合物及びカルボジイミド化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板である。
上記リン酸亜鉛処理皮膜は、マグネシウムを含有するものであり、上記リン酸亜鉛処理皮膜中のマグネシウム/リン(質量比)が0.1以上であり、かつ、マグネシウム量が20mg/m以上であることが好ましい。
上記後処理皮膜は、0.1〜10質量%のチオカルボニル基含有化合物、スルフィド基含有化合物及びグアニジル基含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(A)、40〜80質量%の有機樹脂(B)、5〜30質量%の架橋剤(C)、並びに、10〜40質量%の無機防錆剤(D)の組成であることが好ましい。
上記有機樹脂(B)は、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の中和物(B1)と、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びエポキシ樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂(B2)とからなり、上記中和物(B1)は、アルカリ金属による中和率が30〜90%であり、上記樹脂(B2)は、カルボキシル基、水酸基及びアミド基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するものであり、上記中和物(B1)と上記樹脂(B2)との質量比は、100:0〜20:80であることが好ましい。
上記無機防錆剤(D)は、シリカ粒子、リン酸化合物及びニオブ化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板は、亜鉛系メッキ鋼板の表面に、リン酸亜鉛処理皮膜を有し、更にその上に、後処理皮膜を有するものであり、この2種の皮膜を有することにより、アルカリ脱脂後耐食性及び塗膜密着性を向上させたものである。
本発明の無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板は、亜鉛系メッキ鋼板の表面に、第1の皮膜としてリン酸亜鉛処理皮膜が形成されたものである。これにより、亜鉛系メッキ鋼板に、ある程度の耐食性、塗膜密着性及び潤滑性を付与することができる。
上記リン酸亜鉛処理皮膜は、リン酸イオン及び亜鉛イオンを含有する従来公知のリン酸亜鉛処理剤によって形成することができる。
上記亜鉛イオンの供給源としては、亜鉛を含有する化合物であれば特に限定されず、例えば、亜鉛、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硝酸亜鉛等を挙げることができる。
上記リン酸イオンの供給源としては、リン酸を含有する化合物であれば特に限定されず、例えば、リン酸、五酸化リン、リン酸二水素ナトリウム等を挙げることができる。また、リン酸亜鉛処理剤に使用される他の成分を適宜含有してもよい。
上記リン酸亜鉛処理皮膜は、マグネシウムを含有するものであることが好ましい。これにより、亜鉛系メッキ鋼板の耐食性をより向上させ、かつ、後処理皮膜との密着性を高めることができる。
上記リン酸亜鉛処理皮膜がマグネシウムを含有するものである場合、上記リン酸亜鉛処理皮膜は、皮膜中のマグネシウム/リン(皮膜中のマグネシウムとリンとの質量比)が0.1以上であることが好ましい。0.1未満であると、添加による耐食性の向上がみられないおそれがある。より好ましくは、0.15〜0.5である。
上記リン酸亜鉛処理皮膜がマグネシウムを含有するものである場合、上記リン酸亜鉛処理皮膜は、皮膜中のマグネシウム量が20mg/m以上であることが好ましい。20mg/m未満であると、耐食性の向上がみられないおそれがある。より好ましくは、30〜70mg/mである。
上記リン酸亜鉛処理皮膜は、下限0.3g/m、上限5g/mの皮膜量で形成されたものである。0.3g/m未満であると、耐食性が不十分であるおそれがあり、5g/mを超えると、厳しい加工を実施した場合に皮膜の剥離が発生するおそれがある。上記下限は、0.5g/mであることがより好ましく、上記上限は、2.5g/mであることがより好ましい。
上記リン酸亜鉛処理皮膜を形成する処理液としては、リン酸イオン、亜鉛イオンを主成分として、更に亜鉛以外の金属イオン、硝酸イオン、フッ化物イオン等も必要に応じて添加された市販の処理液が使用できる。リン酸亜鉛処理皮膜中にマグネシウムを含有させる場合には、硝酸マグネシウムを上記のリン酸亜鉛処理液に添加した浴が好適に用いられる。皮膜中のマグネシウムの量及びマグネシウム/リンの比は、硝酸マグネシウムの添加量によって制御できる。
上記リン酸亜鉛処理剤による亜鉛系メッキ鋼板のリン酸亜鉛処理方法としては、反応型処理、塗布型処理のいずれの方法によってもリン酸亜鉛処理皮膜を形成させることが可能である。反応型処理としては、たとえば、亜鉛系メッキ鋼板に脱脂、水洗、表面調整を行った後に、上記リン酸亜鉛処理液と接触させ、水洗、乾燥を行うことによりリン酸亜鉛処理皮膜を形成することができる。リン酸亜鉛処理皮膜の皮膜量は、たとえば処理時間や処理剤濃度を変化させることにより調整できる。
塗布型処理としては、たとえば、亜鉛系メッキ鋼板に、必要な皮膜量に応じた量の上記リン酸亜鉛処理液をロールコート法により塗布するほか、浸漬法やスプレー法により塗布した後にロール絞り法により必要な塗布量に調整する方法もある。リン酸亜鉛処理剤を亜鉛系メッキ鋼板に塗布した後、乾燥炉等を用いて乾燥させることにより、リン酸亜鉛処理皮膜を形成させる。
本発明の無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板は、上記リン酸亜鉛処理皮膜上に、第2の皮膜として、チオカルボニル基含有化合物、スルフィド基含有化合物及びグアニジル基含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(A)、有機樹脂(B)、架橋剤(C)、並びに、無機防錆剤(D)を含有する後処理皮膜が形成されたものである。上記リン酸亜鉛処理皮膜上に、後処理皮膜が形成されることにより、アルカリ脱脂後耐食性、塗膜密着性を向上させることができる。
即ち、上記リン酸亜鉛処理皮膜のみが形成された亜鉛系メッキ鋼板では、鋼板表面において、緻密なリン酸亜鉛処理皮膜が形成されていない部位が存在する場合があり、これが原因となって耐食性が劣ることがある。また、リン酸亜鉛のような無機系皮膜のみが形成された亜鉛系メッキ鋼板に塗装する場合、折り曲げや耐水試験後に行われる密着性試験に対しては、塗膜の密着性が十分ではないことがある。一方、本発明の無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板は、上記リン酸亜鉛処理皮膜上に、更に、チオカルボニル基含有化合物、スルフィド基含有化合物及びグアニジル基含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(A)、有機樹脂(B)、架橋剤(C)、並びに、無機防錆剤(D)を含有する後処理皮膜を形成したものであり、これにより、緻密なリン酸亜鉛処理皮膜が形成されていない部位も含めた鋼板の全面を均一、かつ、強靭な皮膜で覆ったものである。従って、本発明の無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板は、これを更に成形し、アルカリ脱脂処理を行う場合にも、脱脂処理によって、形成された後処理皮膜が劣化したり溶解したりすることが抑制され、結果として、優れた脱脂後耐食性、塗膜密着性を得ることができる。
上記後処理皮膜は、チオカルボニル基含有化合物、スルフィド基含有化合物及びグアニジル基含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(A)、有機樹脂(B)、架橋剤(C)、並びに、無機防錆剤(D)を含有する後処理剤を使用することによって形成することができる。
上記チオカルボニル基含有化合物、スルフィド基含有化合物及びグアニジル基含有化合物は、亜鉛イオンに対する親和性が高いため、亜鉛メッキ系鋼板の白錆防止に有効である。
上記チオカルボニル基含有化合物は、下記一般式(1)で表されることが好ましい。これにより、亜鉛系メッキ鋼板の耐食性をより向上させることができる。
Figure 0004058393
式中、X、Yは、同一又は異なって、H、OH、SH若しくはNHを表すか、又は、置換基としてOH、SH若しくはNHを有していてもよく、かつ、−O―、―NH―、―S−、−CO−若しくは−CS−を含んでもいてもよい炭素数1〜15の炭化水素基を表し、XとYとが結合して環を形成してもよい。
上記一般式(1)で表されるチオカルボニル基含有化合物とは、下記式(I)に示すチオカルボニル基
Figure 0004058393
を有する化合物を指し、その中でも下記式(II)に示す窒素原子や酸素原子を有するチオカルボニル基が好ましい。
Figure 0004058393
また、水溶液中や酸又はアルカリの存在下の条件においてチオカルボニル基含有化合物を形成することのできる化合物も使用することができる。
上記チオカルボニル基含有化合物の例としては、下記式(III)
Figure 0004058393
で表されるチオ尿素及びその誘導体、例えば、メチルチオ尿素、ジメチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、エチルチオ尿素、ジエチルチオ尿素、1,3−ジブチルチオ尿素、フェニルチオ尿素、ジフェニルチオ尿素、1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオ尿素、エチレンチオ尿素、プロピレンチオ尿素、チオペンタール、チオカルバジド、チオカルバゾン類、チオシアヌル酸類、チオヒダントイン、2−チオウラミル、3−チオウラゾール、下記式(IV)
Figure 0004058393
で表されるチオアミド化合物及びその誘導体、例えば、チオホルムアミド、チオアセトアミド、チオプロピオンアミド、チオベンズアミド、チオカルボスチリル、チオサッカリン、下記式(V)
Figure 0004058393
で表されるチオアルデヒド化合物、例えば、チオホルムアルデヒド、チオアセトアルデヒド、下記式(VI)
Figure 0004058393
で表されるカルボチオ酸類及びその塩類、例えば、チオ酢酸、チオ安息香酸、ジチオ酢酸、メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸トリエチルアミン塩、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピぺリジン塩、ピペコリルジチオカルバミン酸ピペコリン塩、o−エチルキサントゲン酸カリウム、下記式(VII)
Figure 0004058393
で表されるチオ炭酸類、例えば、エチレントリジチオカルボネート、その他上記式(I)の構造を有する化合物、例えば、チオクマゾン、チオクモチアゾン、チオニンブルーJ、チオピロン、チオピリン、チオベンゾフェノン等が挙げられる。これらのチオカルボニル基含有化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、上記チオカルボニル基含有化合物のうち水に溶解しないものは、アルカリ溶液で一旦溶解させた後、後処理剤中に配合する。
上記チオカルボニル基含有化合物は、下記一般式(2)で表される側鎖を有し、重量平均分子量が1000000以下である重合体であることが好ましい。このような重合体である場合には、亜鉛系メッキ鋼板の耐食性をより向上させることができる。
Figure 0004058393
Zは、−(CHCOO−Aを表し、aは、1〜8の整数であり、Aは、アンモニア、アミン又は1価金属イオンを表す。
上記一般式(2)で表される側鎖をする重合体としては特に限定されず、例えば、下記一般式(3)で表されるものを挙げることができる。
Figure 0004058393
m及びnは、重合体の重量平均分子量が1000000となる整数である。n/n+mは、0.2〜0.8であり、好ましくは0.3〜0.6である。0.2未満の場合には、重合体の水溶性が低下する、一方、0.8を超えると、耐食性が低下する。Aは、同一又は異なっていてもよい。B、Cは、重合体の主鎖を表し、例えば、下記一般式(4)で表されるものを挙げることができる。側鎖が結合している位置は、下記一般式(4)に特に示していない場合には、いずれの炭素原子に結合していてもよいことを表す。B、Cは、同一又は異なっていてもよい。
Figure 0004058393
p、q及びrとしては、重合体の重量平均分子量が1000000以下となる整数であれば特に限定されない。
上記チオカルボニル基含有化合物は、上記一般式(2)で表される側鎖を有し、重量平均分子量が1000000以下である重合体であることが好ましい。1000000を超えると粘度が高くなり、均一な皮膜が得られにくいおそれがある。
上記スルフィド基含有化合物は、上記チオカルボニル基含有化合物と同様の効果を有し、後処理皮膜中に含有させることによって、薄膜での優れた耐食性を付与することができる。
上記スルフィド基含有化合物としては、スルフィド基を含有する化合物であれば特に限定されないが、耐食性の観点から、水酸基含有スルフィド化合物であることが好ましい。
上記水酸基含有スルフィド化合物としては、水酸基及びスルフィド基を含有する化合物であれば特に限定されず、例えば、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)エタン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)ブタン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)−2−プロパノール、3−(2−アミノフェニルチオ)−1,2−プロパンジオール、(2,3−ジヒドロキシプロピルチオ)−2−メチル−プロパンスルホン酸ナトリウム、(2,3−ジヒドロキシプロピルチオ)−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2−ヒドロキシプロピルメルカプタン、3−(2−アミノフェニルチオ)−2−ヒドロキシプロピルメルカプタン等を挙げることができる。
上記グアニジル基含有化合物は、上記チオカルボニル基含有化合物と同様の効果を有し、後処理皮膜中に含有させることによって、薄膜での優れた耐食性を付与することができる。
上記グアニジル基含有化合物としては、グアニジル基を含有する化合物であれば特に限定されないが、下記式(5)で表される化合物であることが好ましい。これにより、亜鉛系メッキ鋼板の耐食性をより向上させることができる。
Figure 0004058393
式中、X′及びY′は、同一又は異なって、H、NH、フェニル基若しくはメチルフェニル基(トリル基)を表すか、又は、置換基としてH、NH、フェニル基若しくはメチルフェニル基(トリル基)を有していてもよく、かつ、−C(=NH)−、−CO−若しくは−CS−を含んでもいてもよい。
上記グアニジル基含有化合物の例としては、グアニジン、アミノグアニジン、グアニルチオ尿素、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、1,3−ジフェニルグアニジン等を挙げることができる。
上記グアニジル基含有化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記チオカルボニル基含有化合物、スルフィド基含有化合物及びグアニジル基含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(A)の含有量(後処理皮膜中のチオカルボニル基含有化合物、スルフィド基含有化合物及びグアニジル基含有化合物の合計量)は、下限0.1質量%、上限10質量%であることが好ましい。0.1質量%未満であると、薄膜での耐食性が十分でないおそれがあり、10質量%を超えると、塗膜密着性が低下するおそれがある。上記下限は、0.2質量%であることがより好ましく、上記上限は、5質量%であることがより好ましい。
上記有機樹脂(B)を後処理皮膜中に含有させることによって、均一な後処理皮膜を形成させることができるため、チオカルボニル基含有化合物、スルフィド基含有化合物及びグアニジル基含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(A)、無機防錆剤(D)を皮膜中に好適に固定でき、上塗り塗膜の密着性も向上させることができる。
上記有機樹脂(B)としては特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を使用することができるが、上塗り塗料や電着塗料との密着性を向上させることや、上記のチオカルボニル基含有化合物、スルフィド基含有化合物及びグアニジル基含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(A)、後述する無機防錆剤(D)を皮膜中で好適に固定させることができることから、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の中和物(B1)を必須成分として含有することが好ましい。
上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンとメタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸とを高温高圧下でラジカル重合させて得られるコポリマーである。
上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の中和物(B1)は、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体に含有されるカルボキシル基の一部が塩基性化合物によって中和されたものを意味する。
上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の中和物(B1)は、アルカリ金属による中和率が30〜90%であって、アルカリ金属とともにアンモニア、有機アミンで一部が中和されるものであってもよい。即ち、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体に含有されるカルボキシル基の30〜90%が、NaOH、KOH、RbOH、CsOH等の塩基性アルカリ金属化合物により供給されるアルカリ金属によって中和され、必要に応じて、更にアルカリ金属によって中和されずに存在するカルボキシル基の一部又は全部をアンモニア、有機アミンで中和されるものであること意味するものである。
上記有機アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、エタノールアミン等を挙げることができる。上記アンモニア、有機アミンは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の中和物(B1)は、上記アルカリ金属化合物による中和率が30%未満の場合は、皮膜の強靱性が低下して耐食性が不足するおそれがあり、また、90%を超えると、皮膜の耐水性が低下して耐食性が不足するおそれがある。
上記有機樹脂(B)として、上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の中和物(B1)を含むものである場合には、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の中和物(B1)を変性させたものであってもよい。
また、上記有機樹脂(B)として、上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の中和物(B1)以外に、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂(B2)を有機樹脂(B)として使用する場合には、上記樹脂(B2)は、カルボキシル基、水酸基及びアミド基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するものであることが好ましい。これにより、上記樹脂(B2)は、上記架橋剤(C)と反応して強靱な皮膜を形成する。また、上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の中和物(B1)と上記樹脂(B2)とを併用することによって、塗膜密着性をより向上させることができる。
上記有機樹脂(B)として、上記中和物(B1)及び上記樹脂(B2)を含有する場合には、上記中和物(B1)と上記樹脂(B2)との質量比(B1:B2)は、100:0〜20:80であることが好ましい。上記中和物(B1)がB1)とB2との合計量100質量%に対して20質量%未満であると、強靭な皮膜を形成することができないおそれがある。より好ましくは、100:0〜30:70である。
上記有機樹脂(B)の含有量は、上記後処理皮膜中に、下限40質量%、上限80質量%であることが好ましい。40質量%未満であると、強靭な塗膜が形成されないおそれがあり、また、塗膜密着性が低下するおそれもある。80質量%を超えると、アルカリ脱脂後耐食性が低下するおそれがある。上記下限は、50質量%であることがより好ましく、上記上限は、75質量%であることがより好ましい。
上記架橋剤(C)を後処理剤中に含有させることによって、上記架橋剤(C)が有機樹脂(B)中のカルボキシル基、水酸基等の官能基と反応して架橋し、皮膜の耐アルカリ性、耐溶剤性を向上させることができる。
上記架橋剤(C)は、反応性官能基を複数個有する化合物であれば特に限定されないが、強靭な皮膜を形成することができる点、皮膜の耐アルカリ性、耐溶剤性を向上させる点から、エポキシ化合物、シラン化合物、有機チタン化合物、アミノ樹脂、ブロックイソシアネート化合物及びカルボジイミド化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記エポキシ化合物は、オキシラン環を複数個有する化合物であれば特に限定されず、例えば、アジピン酸グリシジルエステル、フタル酸グリシジルエステル、テレフタル酸グリシジルエステル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグルシジルエーテル、ポリグルセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグルセロールポリグリシジルエーテル、グルセロールポリグリシジルエーテル、トリメチルプロパンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレンレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレンレングリコールジグリシジルエーテル、2,2−ビス−(4′−グリシジルオキシフェニル)プロパン、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル等のグリシジル基含有化合物を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記シラン化合物は、反応性官能基を複数個有するシラン化合物であれば特に限定されず、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルエトキシシラン、N−〔2−(ビニルベンジルアミノ)エチル〕−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカブトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。上記シラン化合物は、シランの加水分解物も含むものである。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記有機チタン化合物は、チタンを含有する有機化合物であれば特に限定されず、例えば、ジプロポキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン、ジプロポキシ・ビス(ジエタノールアミナト)チタン、ジブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン、ジブトキシ・ビス(ジエタノールアミナト)チタン、ジプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジブトキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジヒドロキシ・ビス(ラクタト)チタンモノアンモニウム塩、ジヒドロキシ・ビス(ラクタト)チタンジアンモニウム塩、プロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、オキソチタンビス(モノアンモニウムオキサレート)、イソプロピルトリ(N−アミドエチル・アミノエチル)チタネート等を挙げることができる。これらは単独でも良く、2種以上を併用してもよい。
上記アミノ樹脂としては特に限定されず、例えば、メラミン、尿素、ベンゾクアナミン、アセトグラナミン、ステログタナミン、スプログアナミン等のアミノ成分とホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒド類との反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂等を挙げることができる。上記メチロール化アミノ樹脂のメチロール基はアルキルエーテル化されていてもよい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ブロックイソシアネート化合物としては特に限定されず、例えば、脂肪族系、脂環族系、芳香族系のポリイソシアネート化合物のイソシアネート基を、活性水素を有する化合物でブロックした化合物が挙げられる。上記活性水素を有する化合物としては、フェノール系、アルコール系、活性メチレン系、オキシム系、亜硝酸塩系等の化合物が挙げられる。
また、上記カルボジイミド化合物としては特に限定されず、例えば、脂肪族ジイソシアネートの脱炭酸縮合反応により得られたものが挙げられる。
上記架橋剤(C)の含有量は、上記後処理皮膜中に、下限5質量%、上限30質量%であることが好ましい。5質量%未満であると、有機樹脂(B)の架橋が不十分となり、皮膜の耐アルカリ性、耐溶剤性が低下するおそれがあり、30質量%を超えると、架橋剤が過剰となり、皮膜の強靱性が低下し、耐食性、塗膜密着性が低下するおそれがある。
上記無機防錆剤(D)を後処理皮膜中に含有させることによって、腐食環境で安定な金属の腐食生成物を生成し、腐食の進行を抑制することかでき、優れた耐食性を付与することができる。
上記無機防錆剤(D)は、防錆作用を有する無機化合物であれば特に限定されないが、腐食をより抑制できる点から、シリカ粒子、リン酸化合物、ニオブ化合物であることが好ましい。
上記シリカ粒子としては特に限定されないが、後処理皮膜が薄膜であることから、一次粒子径が5〜50nmのコロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、イオン交換シリカ等のシリカ微粒子であることが好ましい。市販品としては、例えば、スノーテックスO、スノーテックスN、スノーテックスC、スノーテックスIPA−ST(日産化学工業)、アデライトAT−20N、AT−20A(旭電化工業)、アエロジル200(日本アエロジル)等を挙げることができる。
上記リン酸化合物としては、リンを含有する化合物であれば特に限定されず、例えば、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸等のリン酸類;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)等のホスホン酸類;フィチン酸等の有機リン酸及びその塩等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ニオブ化合物としては、ニオブを含有する化合物であれば特に限定されず、例えば、酸化ニオブ、ニオブ酸及びその塩、フルオロニオブ酸塩、フルオロオキソニオブ酸塩等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記無機防錆剤(D)の含有量は、上記後処理皮膜中に、下限10質量%、上限40質量%であることが好ましい。10質量%未満であると、腐食の進行を抑制することができないおそれがあり、40質量%を超えると、塗膜密着性が低下するおそれがある。上記下限は、15質量%であることがより好ましく、上記上限は、35質量%であることがより好ましい。
上記後処理皮膜には、更に、顔料、染料、界面活性剤、潤滑剤等の他の添加剤が配合されていてもよい。上記顔料としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、カーボンブラック等の無機顔料や、有機着色顔料等を用いることができる。上記界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等を挙げることができる。潤滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、変性ポリエチレンワックス、四フッ化エチレン樹脂等を用いることができる。
上記後処理皮膜は、下限0.01g/m、上限1g/mの皮膜量で形成されたものである。0.01g/m未満であると、アルカリ脱脂後耐食性、塗膜密着性の向上がみられないおそれがあり、1g/mを超えると、導電性が低下し、溶接性や電着塗装に支障が出るおそれがある。上記下限は、0.03g/mであることがより好ましく、上記上限は、0.7g/mであることがより好ましい。
上記後処理皮膜は、上記リン酸亜鉛処理皮膜が形成された亜鉛系メッキ鋼板に、上記後処理剤を塗布することによって形成することができる。上記塗布方法としては特に限定されず、例えば、ロールコート、エアスプレー、エアレススプレー、浸漬等を挙げることができる。上記後処理剤によって形成された皮膜の硬化性を高めるために、あらかじめ被塗物を加熱しておくか、コーティング後に被塗物を加熱乾燥させることが好ましい。被塗物の加熱温度は、到達板温で、下限50℃、上限250℃の範囲内であることが好ましい。上記下限は、70℃であることが好ましく、上記上限は、200℃であることが好ましい。加熱温度が50℃未満では、水分の蒸発速度が遅く十分な成膜性が得られないため、耐溶剤性や耐アルカリ性が低下する。一方、250℃を超えると樹脂の熱分解が生じて耐溶剤性や耐アルカリ性が低下する。
本発明の無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板に使用する亜鉛系メッキ鋼板としては特に限定されず、例えば、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛−ニッケルメッキ鋼板、亜鉛−鉄メッキ鋼板、亜鉛−クロムメッキ鋼板、亜鉛−マンガンメッキ鋼板、亜鉛−アルミニウムメッキ鋼板、亜鉛−マグネシウムメッキ鋼板、等の亜鉛系の電気メッキ、溶融メッキ、蒸着メッキ鋼板等の亜鉛又は亜鉛系合金メッキ鋼板等を挙げることができる。
本発明の無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板は、亜鉛系メッキ鋼板の表面に、リン酸亜鉛処理皮膜を0.3〜5g/mの皮膜量で形成し、その上に、チオカルボニル基含有化合物、スルフィド基含有化合物及びグアニジル基含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(A)、有機樹脂(B)、架橋剤(C)、並びに、無機防錆剤(D)を含有する後処理皮膜を0.01〜1g/mの皮膜量で形成することにより得られるものであることから、鋼板の全面を均一、かつ、強靭な皮膜で覆うことができる。これにより、本発明の無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板を更に成形し、アルカリ脱脂処理を行う場合に、脱脂処理によって上記無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板に形成された後処理皮膜が劣化したり溶解したりすることを抑制することができる。従って、本発明の無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板は、優れたアルカリ脱脂後耐食性、塗膜密着性を有するものである。
本発明の無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板は、上述した構成よりなるので、クロメートを必要とせずに、アルカリ脱脂後耐食性及び塗料密着性の諸特性に優れた亜鉛系メッキ鋼板を得ることができる。更に、上記無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板は、製造方法も簡易でコスト的にも優れ、自動車、家電、建材等各種の用途に好適に使用することができる。
以下本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限り「質量部」を意味する。
(亜鉛メッキ鋼板の処理方法)
表1に示したメッキ原板を使用し、アルカリ脱脂処理の後、リン酸亜鉛処理、後処理を順次行い試験板を調整した。
リン酸亜鉛処理は、市販のTiOコロイド系表面調整処理の後、表2に示すように調製した浴を使用して、スプレー法により、温度45℃で処理時間1〜10秒間で行い、更に、水洗して乾燥した。
後処理は、表3に示す成分を10質量部含有する水性処理剤をロールコーターを用いて塗布した。
Figure 0004058393
Figure 0004058393
Figure 0004058393
実施例1〜8及び比較例1〜5
表4に示した条件(原板の種類、リン酸亜鉛処理の処理浴、リン酸亜鉛処理皮膜の皮膜量、後処理剤、後処理皮膜の皮膜量)となるように試験板を製造した。原板としては表1中のEG20又はGI70を使用し、リン酸亜鉛処理浴としては表2中のNo.1〜3を使用し(なお、比較例1は、リン酸亜鉛処理を行わなかった。)、後処理剤としては表3中のNo.1〜8を使用した。リン酸亜鉛処理後の皮膜量は、クロム酸でリン酸亜鉛処理皮膜を溶解し、前後の質量差から算出した。リン酸亜鉛処理後のサンプルに、各後処理剤を塗布し、到達板温80℃で乾燥して放置、冷却した。塗布前後の質量差から後処理皮膜の皮膜量を算出した。
(性能評価方法)
耐食性
サンプルのエッジ・裏面をテープシールし、SST(JIS−Z−2371)試験を行った。72Hr後の白錆発生状況を観察した。評価基準は、以下のようにした。
〇;白錆発生なし
△;白錆10%未満
×;白錆10%超
脱脂後耐食性
サンプルのエッジ・裏面をテープシールし、市販のアルカリ脱脂液(pH=12.5、40℃、1分浸漬)で脱脂した後、SST(JIS−Z−2371)試験を行った。72Hr後の白錆発生状況を観察した。評価基準は、以下のようにした。
〇;白錆発生なし
△;白錆10%未満
×;白錆10%超
塗料密着性
サンプルを市販のアルカリ脱脂液(pH=10.5、40℃、1分浸漬)で脱脂した後、メラミンアルキド塗料(日本ペイント社製、スーパーラック100)を乾燥膜厚が30μmとなるよう塗布し、120℃で25分間焼付けした。一昼夜放置後沸騰水に30分間浸漬し、取り出して1日放置の後、1mm間隔の碁盤目カット疵を入れ、更にエリクセン7mm押し出しを行い、テープでの剥離を行った。評価基準は、以下のようにした。
〇;剥離皆無
△;カット疵周辺で剥離
×;剥離
以上の評価結果を表4に示した。
Figure 0004058393
実施例9〜14及び比較例6〜8
表5に示した条件(原板の種類、リン酸亜鉛処理の処理浴、リン酸亜鉛処理皮膜の皮膜量、マグネシウム/リン質量比、マグネシウム量、後処理剤、後処理皮膜の皮膜量)となるように試験板を製造した。原板としては表1中のEG30又はGI70を使用し、リン酸亜鉛処理浴としては表2中のNo.3、4を使用し、後処理剤としては表3中のNo.1、3、5、6、7、8を使用した。リン酸亜鉛処理皮膜の皮膜量と組成は、クロム酸でリン酸亜鉛処理皮膜を溶解し、ICP分析により定量、算出した。リン酸亜鉛処理後のサンプルに、各後処理剤を塗布し、到達板温150℃で乾燥して水冷後、乾燥放置した。塗布前後の質量差から後処理皮膜の皮膜量を算出した。
(性能評価方法)
耐食性
サンプルのエッジ・裏面をテープシールし、カッターでクロスカット疵(地鉄に達する疵)を入れ、CCT試験を行った。15サイクル後の赤錆発生状況を観察した。
[CCT試験条件]
塩水噴霧(5%NaCl、35℃)6時間→乾燥(50℃、45%RH)3時間→湿潤(50℃、95%RH)14時間→乾燥(50℃、45%RH)1時間、を1サイクルとした繰り返しを行った。
評価基準は、以下のようにした。
〇;赤錆発生なし
△;疵部付近より赤錆発生
×;全面赤錆発生
脱脂後耐食性
サンプルのエッジ・裏面をテープシールし、カッターでクロスカット疵(地鉄に達する疵)を入れ、更に市販のアルカリ脱脂液(pH=12.5、40℃、1分浸漬)で脱脂した後、CCT試験を行った。15サイクル後の赤錆発生状況を観察した。CCT試験条件は、耐食性の評価と同様に行った。評価基準は、以下のようにした。
〇;赤錆発生なし
△;疵部付近より赤錆発生
×;全面赤錆発生
塗料密着性
サンプルを市販のアルカリ脱脂液(pH=10.5、40℃、1分浸漬)、自動車用化成処理(日本ペイント社製サーフダイン2500MZL)を施した後、自動車用カチオン電着塗装(日本ペイント社製V20、20μm、170℃、20分焼き付け)を行った。一昼夜放置後、50℃温水に浸漬し、10日後取り出して2mm間隔の碁盤目カット疵を入れ、更にエリクセン7mm押し出しを行い、テープでの剥離を行った。評価基準は、以下のようにした。
〇;剥離皆無
△;カット疵周辺で剥離
×;剥離
以上の評価結果を表5に示した。
Figure 0004058393
EG20、リン酸亜鉛処理浴Nо.1、2を使用した試験板(実施例1〜6、8)は、各性能に優れるものであった。また、EG30を使用した場合であっても、リン酸亜鉛処理浴Nо.3、4を使用する場合(実施例9〜11、13、14)と、各性能に優れるものを得ることができた。更に、GI70を使用した場合(実施例7、12)も各性能に優れるものを得ることができた。一方、比較例により得られた試験板は、各性能のすべてが優れているものを得ることはできなかった。
本発明の無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板は、アルカリ脱脂後の耐食性及び塗膜密着性に優れるものであることから、自動車、家電、建材等の用途に用いることができる。

Claims (5)

  1. 亜鉛系メッキ鋼板の表面に、皮膜量が0.3〜5g/mのリン酸亜鉛処理皮膜を有し、その上に、皮膜量が0.01〜1g/mの、チオカルボニル基含有化合物、スルフィド基含有化合物及びグアニジル基含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(A)、有機樹脂(B)、架橋剤(C)、並びに、無機防錆剤(D)を含有する後処理皮膜を有し、
    架橋剤(C)は、エポキシ化合物及びシラン化合物を含有し、
    架橋剤(C)は、更に、有機チタン化合物、アミノ樹脂、ブロックイソシアネート化合物及びカルボジイミド化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する
    ことを特徴とする無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板。
  2. リン酸亜鉛処理皮膜は、マグネシウムを含有するものであり、
    前記リン酸亜鉛処理皮膜中のマグネシウム/リン(質量比)が0.1以上であり、かつ、マグネシウム量が20mg/m以上である請求項1記載の無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板。
  3. 後処理皮膜は、0.1〜10質量%のチオカルボニル基含有化合物、スルフィド基含有化合物及びグアニジル基含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(A)、40〜80質量%の有機樹脂(B)、5〜30質量%の架橋剤(C)、並びに、10〜40質量%の無機防錆剤(D)の組成である請求項1又は2記載の無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板。
  4. 有機樹脂(B)は、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の中和物(B1)と、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びエポキシ樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂(B2)とからなり、
    前記中和物(B1)は、アルカリ金属による中和率が30〜90%であり、
    前記樹脂(B2)は、カルボキシル基、水酸基及びアミド基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するものであり、
    前記中和物(B1)と前記樹脂(B2)との質量比は、100:0〜20:80である、
    請求項1、2又は3記載の無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板。
  5. 無機防錆剤(D)は、シリカ粒子、リン酸化合物及びニオブ化合物からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1、2、3又は4記載の無機−有機複合処理亜鉛系メッキ鋼板。
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