JP4057380B2 - 吸収体および吸収体製品 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、子供用オムツ、大人用オムツ、女性用生理用品等として好適に用いられる吸収体製品およびそれに用いられる吸収体に関する。
【0002】
【従来の技術】
使い捨てオムツに代表される従来の吸収体製品は、天然資源である木材パルプを吸収体として大量に使用する点で、浪費のシンボルとして社会的非難を受けている。また、従来の吸収体製品は、製品自体が嵩張るため、販売時におけるいわゆる「棚効率」が低く、販売店が取扱意欲を持つ高利益商品とはなっていない。したがって、吸収体製品の省資源化およびコンパクト化は、「自然への優しさ」を求める社会的要請であり、また、物流および商流の合理化につながるため、大きな課題となっている。
【0003】
吸収体製品のコンパクト化は、従来、吸収体製品の主要部である吸収体部を木材パルプを、より単位質量あたりの吸水能力の高い高吸水性樹脂(Super Absorbent Polymer、以下「SAP」ともいう。)で置換するすることによって行われてきた。現在、ほとんどの吸収体製品がウルトラ・シン(超薄型)と称するようになっている。このウルトラ・シン製品の吸収体は、SAPを40〜50質量%含有するのが通常であり、現在ではSAPを80質量%以上も含有するような、シート状吸収体(いわゆる「SAPシート」)の使用も始まっている。
【0004】
このSAPシートを使用した吸収体製品は、SAPシートの吸収能力から計算すると、理論的には肌着や下着のレベルまで薄くなるはずであるが、現状では、肌着や下着のレベルの薄さは実現されていない。その原因としては、(1)SAPシートの主成分であるSAPは、初期の吸収速度が遅いため、尿等の水性液の排出速度との差を埋めるため、水性液を一時的に貯留するアクイジション層という厚い補助層を設ける必要があること、および(2)SAPシートが十分に吸収体としての機能を発揮するためには、SAPが拘束を受けずに膨潤することができる空隙(膨潤スペース)をあらかじめ確保しておく必要があることが挙げられる。
【0005】
本発明者は、極薄であり、かつ、十分な膨潤スペースを有する吸収体として、SAPシートをチューブ状に成形したチューブ状吸収体およびその実施態様を提案した(特許文献1参照。)
【0006】
【特許文献1】
特開平10−314217号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者は、更に鋭意研究した結果、上記チューブ状吸収体のチューブ状構造を効果的に活かすためには、水性液がチューブ状吸収体に供給される状態を制御することが極めて重要であることを見出した。
即ち、水性液がチューブ状吸収体に局部的に集中して供給されたり、不均一に供給されたりすると、水性液を供給された部分のみが膨張を始め、他の部分は元のまま薄い状態を維持するため、吸収体は不均一な変形を生じ、吸収体のチューブ状構造が活かされないばかりでなく、水性液の漏れが発生したり、ごわごわした使用感となったりするなどの欠点を有することが分かってきたのである。
【0008】
したがって、本発明は、水性液をチューブ状吸収体の全体に迅速にかつ均一に分配させることができ、水性液の漏れが少なく、使用感がよい吸収体およびそれを用いた吸収体製品を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意研究した結果、チューブ状吸収体を特定の配置にすることにより、水性液をチューブ状吸収体の全体に迅速にかつ均一に分配させることができ、その結果、チューブ状吸収体の持つ機能を十分に発揮させることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
即ち、本発明は、以下の(1)〜(14)を提供する。
(1)高吸水性樹脂を含有し水性液を吸収しうる高吸水性シートをチューブ状に成形して得られるチューブ状吸収ユニットを複数個有する吸収体であって、
複数個の前記チューブ状吸収ユニットが1〜10mmの間隙を設けて並列に配置されており、
前記チューブ状吸収ユニットの水性液の供給される側の面と水性液の供給される側と反対の側の面との両方に、前記間隙を通って、拡散補助シートが設けられている、吸収体。
(2)前記拡散補助シートが、前記チューブ状吸収ユニットの水性液の供給される側の面の一部を被覆し、前記間隙を通って、水性液の供給される側と反対の側の面の全部を被覆するように配置されている上記(1)に記載の吸収体。
(3)前記拡散補助シートが、前記チューブ状吸収ユニットの水性液の供給される側の面の全部を被覆し、前記間隙を通って、水性液の供給される側と反対の側の面の一部を被覆するように配置されている上記(1)に記載の吸収体。
(4)前記拡散補助シートが、前記チューブ状吸収ユニットの水性液の供給される側の面の全部を被覆し、前記間隙を通って、水性液の供給される側と反対の側の面の全部を被覆するように配置されている上記(1)に記載の吸収体。
(5)前記拡散補助シートとは別の拡散補助シートが、複数個のチューブ状吸収ユニットのうち少なくとも2個の、水性液の供給される側と反対の側の面を横断するように配置されている上記(2)に記載の吸収体。
(6)前記チューブ状吸収ユニットを2〜6個有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の吸収体。
(7)前記チューブ状吸収ユニットが、断面における幅が長さ方向に一定であるチューブ状吸収ユニットである上記(1)〜(6)のいずれかに記載の吸収体。
(8)前記チューブ状吸収ユニットが、断面における幅が長さ方向に異なるチューブ状吸収ユニットである上記(1)〜(6)のいずれかに記載の吸収体。
(9)前記チューブ状吸収ユニットの少なくとも一つが、側面に孔を有する上記(1)〜(8)のいずれかに記載の吸収体。
(10)水性液の供給される側の面およびその反対の側の面のいずれもが、水性液透過性シートで被覆されている上記(1)〜(9)に記載の吸収体。
(11)水性液の供給される側の面が、水性液透過性シートで被覆されており、かつ、その反対の側の面が、水性液不透過性シートで被覆されている上記(1)〜(9)に記載の吸収体。
(12)前記吸収体が、水性液の供給される側の面およびその反対の側の面の少なくとも一方で、前記シートに接着されている上記(10)または(11)に記載の吸収体。
(13)前記高吸水性シートが、前記高吸水性樹脂の含有量が50質量%以上であり、かつ、厚さが1.5mm以下である上記(1)〜(12)のいずれかに記載の吸収体。
(14)着用時に着用者の対象部位が入る内部空間を形成しうる吸収体製品本体と、
前記吸収体製品本体に隣接し、前記内部空間に連通する吸収体収納部と、
前記吸収体収納部に収納される、上記(1)〜(13)のいずれかに記載の吸収体と
を具備する吸収体製品。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の吸収体および吸収体製品を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1に、本発明の吸収体の一実施形態の模式的な斜視図を示す。
図1に示される吸収体10は、高吸水性樹脂を含有し水性液を吸収しうる高吸水性シートをチューブ状に成形して得られるチューブ状吸収ユニット12と、チューブ状吸収ユニット12に設けられた拡散補助シート14とをそれぞれ2個ずつ有し、更に、チューブ状吸収ユニット12および拡散補助シート14を被覆するトップシート16を有する。
【0027】
チューブ状吸収ユニット12は、高吸水性樹脂を含有し水性液を吸収しうる高吸水性シートをチューブ状に成形して得られる。
本発明に用いられる高吸水性シートは、SAPを主成分とする極薄のシート状吸収体である。高吸水性シートは、SAPの含有量が50質量%以上であるのが好ましく、60〜95質量%であるのがより好ましい。本発明に用いられる高吸水性シートは、このようにSAPの含有量が極めて高いため、厚さが極めて薄い。高吸水性シートの厚さは、1.5mm以下であるのが好ましく、1mm以下であるのがより好ましい。
【0028】
本発明に用いられる高吸水性シートは、SAPを主成分とする極薄のシート状吸収体であれば、構成や製造方法を特に限定されない。
例えば、Air Laid法で得られる高吸水性シートが挙げられる。AirLaid法は、粉砕した木材パルプとSAPとを混合し、結合剤を添加してシート状に成形して高吸水性シートを得る方法である。この方法で得られる高吸水性シートとしては、例えば、米国レオニヤ(Rayonier)社製のNovaThin(米国登録商標)、王子キノクロス社製のキノクロス(登録商標)が知られている。
また、SAPの分散スラリーを不織布等の水性液透過性シートの少なくとも一方の面の上にコーティングする方法で得られる高吸水性シートも挙げられる。ここで、SAPの分散スラリーは、SAPと超微細セルロース繊維(MFC:Microfibrillated Cellulose)とを、水とエタノールとの混合溶媒に分散させたものであるのが好ましい。この方法で得られる高吸水性シートとしては、例えば、(株)日本吸収体技術研究所製のメガシン(登録商標)が知られている。
そのほかに、例えば、起毛状不織布にSAPを大量に担持させ、ホットメルトバインダー、エマルションバインダー、水性繊維等で固定する方法で得られる高吸水性シート、繊維状SAPをPET(ポリエチレンテレフタレート)繊維と混合してウェブ状に成形する方法で得られる高吸水性シートが挙げられる。
【0029】
チューブ状吸収ユニット12の形状は、リングの形態の断面を有するチューブ状であれば特に限定されない。以下に、断面形状および平面形状の具体例を挙げて説明する。なお、図1以下の各図面においては、分かりやすくするために、各部材間に隙間を空けて示し、また、各部材の厚さを大きく描いたが、実際には、各部材間に隙間はなくてよく、また、各部材の厚さは長さや幅に比べて極めて薄いものである。
【0030】
図2に、種々のチューブ状吸収ユニット12の模式的な断面図を示す。
図2(A)のチューブ状吸収ユニット12aは、高吸水性シート18が閉じたリングの形態の断面を有するように成形され、その両縁部の重ね合わせ部分で、接着剤20により接着されてチューブ状となっている。
図2(B)のチューブ状吸収ユニット12bは、高吸水性シート18が閉じたリングの形態の断面を有するように成形され、その両縁部の突き合わせ部分で、接着剤20により接着されてチューブ状となっている。
これらにおいて、接着剤20は、特に限定されず、例えば、ホットメルト接着剤が挙げられる。また、接着剤20の代わりに、粘着剤等を用いることもできる。
【0031】
図2(C)のチューブ状吸収ユニット12cは、高吸水性シート18が閉じたリングの形態の断面を有するように成形され、その両縁部が補強部材22により被覆されて結合され、チューブ状となっている。
補強部材22は、特に限定されず、例えば、粘着テープ、熱融着フィルム、ホットメルト加工不織布が挙げられる。
【0032】
図3に、種々のチューブ状吸収ユニット12の模式的な上面図を示す。
図3(A)においては、左側の長方形の高吸水性シート18aの長辺にあたる左右の縁部を点線で内側に折り畳んで重ね合わせ部分で接着させ、右側のチューブ状吸収ユニット12a′を得ている。
図3(B)においては、左側の長方形の高吸水性シート18bの短辺にあたる左右の縁部を点線で内側に折り畳んで重ね合わせ部分で接着させ、右側のチューブ状吸収ユニット12b′を得ている。
図3(C)においては、左側の菱形の高吸水性シート18cの対角線に平行に左右の縁部を点線で内側に折り畳んで重ね合わせ部分で接着させ、右側のチューブ状吸収ユニット12c′を得ている。
図3(D)においては、左側の扇形の一部の形状を持つ高吸水性シート18dの左右の縁部を点線で内側に折り畳んで重ね合わせ部分で接着させ、右側のチューブ状吸収ユニット12d′を得ている。この場合、得られたチューブ状吸収ユニット12d′は、長さ方向において径が異なる。
なお、折り畳みは、単に曲げるだけであってもよい。
【0033】
図1に示される吸収体10には、チューブ状吸収ユニット12に拡散補助シート14が設けられている。拡散補助シート14は、後述するように、水性液の上下方向への拡散を補助するために設けられる
【0034】
拡散補助シート14は、後述する水性液の上下方向への拡散を補助するものであれば、特に限定されないが、例えば、親水性の不織布、ティッシュペーパー等の親水性部材が好適に挙げられる。親水性の不織布としては、例えば、レーヨン、コットン、リヨセル等のセルロース系繊維素材を主成分とする不繊布;ポリプロピレン、ポリエステル等の合繊不織布に界面活性剤等により親水加工を施した不織布が好適に挙げられる。
【0035】
拡散補助シート14の形態および配置状態は、チューブ状吸収ユニットの水性液の供給される側の面と水性液の供給される側と反対の側の面との両方に、複数個のチューブ状吸収ユニットの間隙を通って、設けられていれば、特に限定されない。
図4に、拡散補助シート14の種々の配置状態を示す模式的な断面図を示す。
図4(A)においては、拡散補助シート14aが、チューブ状吸収ユニット12の上側(水性液の供給される側。以下同じ。)の面の一部を被覆し、間隙を通って、チューブ状吸収ユニット12の下側(水性液の供給される側と反対の側。以下同じ。)の面の全部を被覆するように配置されている。
図4(B)においては、拡散補助シート14bが、チューブ状吸収ユニット12の上側の面の全部を被覆し、間隙を通って、チューブ状吸収ユニット12の下側の面の一部を被覆するように配置されている。
図4(C)においては、拡散補助シート14cが、チューブ状吸収ユニット12の上側の面の全部を被覆し、間隙を通って、チューブ状吸収ユニット12の下側の面の全部を被覆するように配置されている。
図4(D)においては、拡散補助シート14aが、図4(A)と同様に配置されているうえ、拡散補助シート14dが、2個のチューブ状吸収ユニット12の下側の面を横断するように配置されている。なお、図4(D)において、拡散補助シート14aと拡散補助シート14dとが外側端部において連結しているのも好ましい態様の一つである(実施例の実験番号No.12参照。)。
【0036】
図1に示される吸収体10には、トップシート16が設けられている。トップシート16は、本発明において必須の部材ではない。
トップシート16としては、従来公知の水性液透過性シート部材を用いることができる。水性液透過性シート部材は、一般に、スキンコンタクトシートとして用いられているもの、例えば、PP不織布、ポリオレフィン・ポリエステル不織布(例えば、PE(ポリエチレン)/PET複合不織布)、これらと綿とを混紡したものを用いることができる。
【0037】
図1に示される吸収体10は、チューブ状吸収ユニット12と拡散補助シート14とをそれぞれ2個ずつ有し、更に、トップシート16を有するが、本発明の吸収体はこれに限定されない。
例えば、チューブ状吸収ユニット12は、2個に限定されず、複数個であればよい。
【0038】
また、図1に示される吸収体10は、水性液の供給される側の面およびその反対の側の面のいずれもが、水性液透過性シート(トップシート16)で被覆されているが、水性液の供給される側の面が、水性液透過性シートで被覆されており、かつ、その反対の側の面が、水性液不透過性シートで被覆されているものであってもよい。この場合、後述する吸収体製品の吸収体収納部の内部表面を構成する材料が、防漏性を有していなくても、漏れをある程度防止することができる。水性液不透過性シートとしては、例えば、PEフィルム、PEフィルムと不織布との複合体が好適に挙げられる。
いずれの場合においても、吸収体が、水性液の供給される側の面およびその反対の側の面の少なくとも一方で、前記シート(水性液透過性シートおよび水性液不透過性シート)に接着されていると、吸収体とシートとの間でずれが生じない点で、好ましい。
【0039】
本発明においては、複数個のチューブ状吸収ユニットが1〜10mmの間隙を設けて並列に配置されていることが特徴の一つである。複数個のチューブ状吸収ユニットは、それぞれ隣接するチューブ状吸収ユニットと1〜10mmの間隙を設けて配置されている。
間隙が広すぎると、後述するチューブ状吸収ユニットの長さ方向への水性液の分配の効率が悪くなる。また、間隙が狭すぎると、後述するチューブ状吸収ユニットの上下方向への水性液の分配の効率が悪くなる。
本発明においては、間隙の距離はチューブ状吸収ユニットの長さ方向に一定であってもよく、異なっていてもよい。したがって、本発明において「並列」とは、完全に平行であることを意味せず、後述するような、水性液をチューブ状吸収体の全体に迅速にかつ均一に分配させることができる機能を持つような配置であればよい。
【0040】
つぎに、本発明の吸収体10の作用について説明する。
図5に、本発明の吸収体10に水性液が供給された場合における水性液の移動の状態の説明図を示す。図5(A)は斜視図であり、図5(B)は断面図である。なお、図5においては、拡散補助シートは省略してある。
本発明の吸収体10に水性液が供給されると、図5(A)に示されるように、水性液が供給された部分から、チューブ状吸収ユニット12の長さ方向の両側に、間隙を流路(チャネル)として、水性液が分配されると同時に、図5(B)に示されるように、水性液が供給された上側から、間隙を流路として、下側へと水性液が分配される。
このように、本発明の吸収体においては、複数個のチューブ状吸収ユニットが1〜10mmの間隙を設けて並列に配置されているため、その間隙が水性液の流路となって、水性液をチューブ状吸収ユニットの全体に迅速にかつ均一に分配させることができるのである。
【0041】
このようにして水性液が供給されたチューブ状吸収ユニットは、水性液を吸収して膨潤する。
図6に、本発明に用いられるチューブ状吸収ユニットと、チューブ状に成形していない高吸水性シートとの水性液を吸収する前後の状態を比較した説明図を示す。
図6(A)は、チューブ状吸収ユニット12の水性液を吸収する前後の状態を示す模式的な断面図である。チューブ状吸収ユニット12は、水性液吸収前においては、通常、扁平状態となっている。チューブ状吸収ユニット12は、水性液を吸収すると膨潤とともに変形を起こし、水性液吸収後においては、ほぼ円形の外観となる。したがって、図6における横方向の大きさの変化はほとんど起こらない。
【0042】
一方、図6(B)は、チューブ状に成形していない高吸水性シート18′の水性液を吸収する前後の状態を示す模式的な断面図である。高吸水性シート18′は、水性液を吸収すると厚さ方向だけでなく、幅方向にも膨潤する。
また、図6(C)は、チューブ状に成形しておらず、両端部付近で他の部材、例えば、バックシート24に接着されている高吸水性シート18″の水性液を吸収する前後の状態を示す模式的な断面図である。高吸水性シート18″は、水性液を吸収すると、バックシート24と接着されているため、幅方向への膨潤が制限されるので、水性液を供給された中央部付近が隆起する。
【0043】
図6を用いて説明したように、本発明の吸収体10に用いられるチューブ状吸収ユニット12は、チューブ状に成形していない高吸水性シート18′および18″とは異なり、チューブの内部に膨潤スペースを有している。これにより、水性液吸収前は極薄であるが、水性液吸収時にはチューブの内部に十分な膨潤スペースが確保された吸収体10を実現することができる。吸収体10は、チューブの内部という外力による拘束が小さい空間を膨潤スペースとして有しているので、チューブ状に成形していない高吸水性シートを用いる場合に比べ、SAPの単位質量あたりの水性液の吸収量が格段に高くなる。
【0044】
図7に、高吸水性シートとして、SAPを支持体の片面に保持するシートを用いた場合(図7(A))と、SAPを支持体の両面に保持するシートとを用いた場合(図7(B))の水性液を吸収する前後の状態の断面図を示す。
図7(A)に示されるチューブ状吸収ユニット12dは、支持体26の内側の面にのみSAP28を保持しており、図7(B)に示されるチューブ状吸収ユニット12eは、支持体26の内側の面と外側の面の両方にSAP28を保持している。いずれのチューブ状吸収ユニットにおいても、水性液吸収後にはほぼ円形の外観となる。
なお、図示していないが、チューブ状吸収ユニットとして、支持体の外側の面にのみSAPを保持しているものも用いることができる。
【0045】
図8に、2個のチューブ状吸収ユニットからなる本発明の吸収体と、チューブ状に成形していない高吸水性シートとの水性液を吸収する経過の状態を比較した実験の説明図を示す。
図8に示される各吸収体は、いずれもSAP量の合計が300g/m2 となるようにチューブ状吸収ユニットまたは高吸水性シートを組み合わせたものである。この実験においては、各吸収体に、300mLの生理食塩水を20g/m2 の加圧下で供給して、吸収が終了するまでの時間を測定し、また、形態変化の状態を観察した。
図8より、本発明の吸収体は、生理食塩水の吸収が終了するまでの時間が短いことが分かる。また、生理食塩水の吸収が、吸収体の全体において均一に起きていることが分かる。
【0046】
更に、本発明の吸収体10の水性液をチューブ状吸収ユニット12の全体に均一に分配させる機能(水性液分配機能)について、説明する。
図9に、本発明の吸収体10における水性液を吸収する前後の状態を模式的に示す断面図(図9(A))および上面図(図9(B))を示す。
図9(A)および図9(B)に示されるように、吸収体10の有するチューブ状吸収ユニット12は、水性液を吸収することにより、幅wがWに、高さhがHになり、また、チューブ状吸収ユニット12同士の間隙の幅dは、Dになる。ここで、図9(A)に示されるように、水性液吸収後の間隙の幅Dは、吸収前の間隙の幅dよりも若干大きくなり、それと同時に間隙を形成するチューブ状吸収ユニット12の面が上下方向に伸びるため、水性液を上下方向へ分配させる機能は、水性液を吸収するに従って大きくなる。これにより、吸収体10において、チューブ状吸収ユニット12の吸収能力の限界に近づいた後における吸収速度が、水性液が供給された直後における吸収速度と比べ、同等に保たれ、または、あまり低減しないという効果が得られる。
【0047】
上述したように、本発明の吸収体10において、チューブ状吸収ユニット12は、複数個であれば特に限定されないが、多すぎると製造工程が複雑になるため、2〜11個であるのが好ましく、2〜6個であるのがより好ましく、2〜4個であるのが特に好ましい。
図10に、チューブ状吸収ユニット12が2〜4個である吸収体10a、10bおよび10cのそれぞれについて、水性液吸収前後の状態を模式的に示す図を示す。図10(A)は、チューブ状吸収ユニット12が2個である吸収体10a、図10(B)は、チューブ状吸収ユニット12が3個である吸収体10b、図10(C)は、チューブ状吸収ユニット12が4個である吸収体10cをそれぞれ示す。
【0048】
つぎに、拡散補助シート14の作用について説明する。
拡散補助シート14は、親水性の不織布等により構成されているため、本発明の吸収体10に水性液が供給されると、水性液を速やかに拡散させる。これにより、チューブ状吸収ユニット12自体が有する、間隙を流路として水性液を上側から下側へと分配する機能が、一層強く発揮されることとなる。その結果、水性液をチューブ状吸収体の全体に、より迅速にかつ均一に分配させることができるようになる。
上述したように、拡散補助シート14の形態および配置状態は、チューブ状吸収ユニットの水性液の供給される側の面と水性液の供給される側と反対の側の面との両方に、複数個のチューブ状吸収ユニットの間隙を通って、設けられていれば、特に限定されず、チューブ状吸収ユニット12の個数、吸収体10の用途等に応じて適宜決定することができるが、図4において上記効果が最も大きいのは、(D)の配置状態である。
【0049】
本発明の吸収体においては、側面に孔を有するチューブ状吸収ユニットを用いるのも好適な態様の一つである。
図11に、側面に孔13aを有するチューブ状吸収ユニット13の成形方法の一例の説明図を示す。
図11の左側に示される切り欠きを有する高吸水性シート19をチューブ状に成形することにより、右側に示される側面に孔13aを有するチューブ状吸収ユニット13を得ることができる。
図11においては、チューブ状吸収ユニット13は台形の孔13aを2個有するが、孔の形状、個数、位置等は特に限定されない。ただし、孔の面積が大きすぎると、チューブ状吸収体ユニットの有する上下方向および長さ方向への水性液分配機能が小さくなるので、チューブ状吸収ユニットの側面積に対する孔の面積の合計を50%以下とするのが好ましく、20%以下とするのがより好ましい。また、チューブ状吸収ユニット13の成形方法も図11に示される方法に限定されず、切り欠き部とせず、切れ目を入れてチューブの内側または外側に折り曲げるだけでもよい。
【0050】
図12に、側面に孔を有するチューブ状吸収ユニット13を用いた本発明の吸収体11(11a、11b、11cおよび11d)の模式的な上面図を示す。
図12(A)に示される吸収体11aは、側面に2個の孔13aを有するチューブ状吸収ユニット13を孔が向かい合うような状態で2個有している。
図12(B)に示される吸収体11bは、側面に2個の孔13aを有するチューブ状吸収ユニット13を孔が反対側を向くような状態で2個有している。
図12(C)に示される吸収体11cは、側面に2個の孔13aを有するチューブ状吸収ユニット13を孔が同一の方向(図中、右方向)に存在するような状態で3個有している。
図12(D)に示される吸収体11dは、両側の側面に計4個の孔13aを有するチューブ状吸収ユニット13′を1個と、その孔に向かい合うように側面に2個の孔を有するチューブ状吸収ユニット13を2個有している。
【0051】
チューブ状吸収ユニットが側面に孔を有していない場合には、水性液はチューブ状吸収ユニットの外側から供給されるだけであるため、チューブ状吸収ユニットの内部に存在するSAPに水性液が吸収されるには時間がかかる。
これに対して、チューブ状吸収ユニットが側面に孔を有している場合には、チューブ状吸収ユニットの内部に存在するSAPに水性液が直接供給されるため、極めて効率よく水性液が吸収される。
【0052】
つぎに、本発明の吸収体製品について説明する。
図13に、本発明の吸収体製品の一実施形態の模式図を示す。図13(A)は正面図、図13(B)は着用時の上面図、図13(C)は断面図である。図13(A)および図13(B)においては、着用者Mは図示していない。
図13に示される吸収体製品30は、着用時に着用者Mの対象部位が入る内部空間を形成しうる吸収体製品本体32と、吸収体製品本体32に隣接し、前記内部空間に連通する吸収体収納部34と、吸収体収納部34に収納される、本発明の吸収体10とを具備する。
【0053】
吸収体製品本体32は、平編み、例えば、メリヤス編みのニット製品であると、着用時のフィット性が良好になるので好ましい。
【0054】
吸収体収納部34の内部表面を構成する材料は、防漏性を有するのが好ましい。本発明の吸収体製品30においては、本発明の吸収体10の水性液の吸収速度が速いが、水性液の供給初期において吸収体10が吸収しきれない水性液が生じる場合がある。この場合に、水性液を吸収体収納部34の内部に貯留しておき、その後、貯留された水性液を吸収体10に吸収させるようにすることにより、水性液の全量を漏れを生じることなく取り扱うことができる。この場合、水性液はSAPに固定されると、自由水としてはほとんど存在しなくなるので、吸収体10の表面は乾いた状態とほぼ同じようになる。
【0055】
図13に示される本発明の吸収体製品30は、吸収体製品本体32と吸収体収納部34とが直接連通しているが、両者の間に水性液透過性シートを介して連通していてもよい。水性液透過性シートは、一般に、スキンコンタクトシートとして用いられているものを用いることができる。具体的には、例えば、PP不織布、ポリオレフィン・ポリエステル不織布、これらと綿とを混紡したものを用いることができる。また、メッシュ素材を用いることもできる。
【0056】
図13に示される本発明の吸収体製品30は、吸収体製品本体32に立体ギャザー36を具備する。立体ギャザー36は、従来公知の構成とすることができる。
【0057】
本発明の吸収体製品は、本発明の吸収体を用いているので、水性液の吸収速度に優れており、子供用オムツ、大人用オムツ、女性用生理用品等として好適に用いられる。
【0058】
以上、本発明の吸収体および吸収体製品を添付図面に示す好適実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の変更や改良を行ってもよい。例えば、各部の構成は、同様の機能を発揮しうる任意の構成と置換することができる。
【0059】
【実施例】
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
(実験例1)
1.吸収体の製造
(1)高吸水性シートの製造
超微細セルロース繊維(特種製紙社製、商品名「S−MFC」、水分散体)を、エタノールと水の混合溶媒(エタノール/水=70/30)中に分散させて、濃度0.4質量%の分散液を調製した。この分散液8kgに対し、SAP(サンダイヤポリマー社製、商品名「AP211D」)2kgを加えてかくはんし、超微細セルロース繊維とSAPとの共分散スラリーを得た。
この共分散スラリーを支持体(40g/m2 のPP.SB(ポリプロピレン製スパンボンド)/PET繊維の複合不織布)の一方の表面に、6mm間隔で幅10mmの複数の帯状にラインコーティングし、脱溶媒後、乾燥させて、高吸水性シートを得た。この高吸水性シートは、厚さ約0.6mm、SAP含有量150g/m2 であり、シート全体におけるSAPの占める割合は79質量%であった。
【0060】
(2)チューブ状吸収ユニットの製造
上記で得られた高吸水性シートを220mm×90mmの大きさに裁断した。ついで、図14に示すように、高吸水性シートをSAPが塗布された面を内側にしてチューブ状になるように折り曲げ、両縁部の重ね合わせ部分を接着剤により接着させて、幅45mm、長さ220mmのチューブ状吸収ユニットを得た。得られたチューブ状吸収ユニットは、幅45mm、厚さ1mmであった。
【0061】
(3)チューブ状吸収ユニットの膨潤試験
上記で得られたチューブ状吸収ユニットに生理食塩水65mLを注ぐことによって膨潤試験を行った。その結果、図15に示すように、幅42mm、厚さ10mmの楕円形横断面を持つチューブ状に膨潤した。
【0062】
(4)吸収体の製造
上記で得られたチューブ状吸収ユニット2個を0mm、5mmおよび10mmのいずれかの間隙を設けて並列に配置し、各吸収体を得た。なお、ここで、間隙が「0mm」とは、2個のチューブ状吸収ユニットがほぼ接触している状態を示し、間隙が「5mm」または「10mm」とは、間隙が5mm前後または10mm前後であることを示す。
得られた吸収体を目付20g/m2 のPE/PET複合不織布(3d×51mmのPEとPETの複合繊維を原料とした不織布)からなるトップシートで被覆し、更に、吸収体におけるチューブ状吸収ユニットの下側の面とトップシートとの間を接着剤で接着させて、図16に示す吸収体を得た。
【0063】
2.吸収体の膨潤試験
上記で得られた各吸収体に生理食塩水を100mL注ぐことによって膨潤試験を行った。
吸収体の性状および膨潤試験の結果を図17に示す。なお、図17(A)は各吸収体の配置を示す図であり、図17(B)は図17(A)中の各記号の説明図である。図17(B)中、トップシートは省略してある。
図17から、間隙が5mmまたは10mmである場合は、間隔が0mmである場合に比べ、吸収速度が極めて速いことが分かる。
【0064】
(実験例2)
1.吸収体の製造
幅を変更した以外は、実験例1と同様にして得たチューブ状吸収ユニット1〜6個を2mmの間隙を設けて並列に配置し、目付20g/m2 のPE/PET複合不織布からなるトップシートで被覆し、両縁部の重ね合わせ部分で接着剤により接着させて、各吸収体を得た。なお、吸収体とトップシートとの間は下側の面のみ粘着剤で接合させた。
【0065】
2.吸収体の加圧下の吸収速度試験
上記で得られた各吸収体に、75mm×100mmの平面板に20mmの穴を設けた給液板を用い、0.1psi(70.3g/cm2 )の荷重をかけて、生理食塩水100mLを注いで、加圧下の吸収速度試験を行った。
【0066】
吸収体の性状および吸収速度試験の結果を図18に示す。
図18から、間隙(チャネル)が1〜5個である場合は、間隔がない場合に比べ、吸収速度が極めて速いことが分かる。
【0067】
(実験例3)
1.吸収体の製造
実験例1と同様にして得たチューブ状吸収ユニット2個を所定の間隙を設けて並列に配置した。また、拡散補助シートとして、セルロース製不織布(二村化学社製、商品名「TCF#602」)を所定の配置で設けた(なお、チューブ状吸収ユニットの長さ方向の両端部においては拡散補助シートを折り返した。)。更に、目付20g/m2 のPE/PET複合不織布からなるトップシートで被覆し、両縁部の重ね合わせ部分で接着剤により接着させて、各吸収体を得た。
【0068】
2.吸収体の加圧下の吸収速度試験
上記で得られた各吸収体に、実験例2と同様の方法により、加圧下の吸収速度試験を行った。
【0069】
吸収体の性状および吸収速度試験の結果を図19に示す。
図19から、拡散補助シートを設けることにより吸収速度が向上することが分かる。なお、チューブ状吸収ユニットの下側に拡散補助シートを配置すると、チューブ状吸収体の断面および側面から下側への滲み出しが少なく、また、チューブ状吸収ユニットの上側に拡散補助シートを配置すると、吸収体を用いて吸収体製品とした場合に、着用者に水性液が接触することによる不快感が減少する(特に、スキンコンタクトシートがないとき)。したがって、本発明においては、着用感をよくし、かつ、漏れを少なくするために、上側の面と下側の面との両方に拡散補助シートを配置する
【0070】
3.吸収体製品の製造および吸収体製品の着用試験
図19における実験番号No.12の吸収体を図13に示した吸収体製品本体の吸収体収納部に組み込み、吸収体製品を得た。
得られた吸収体製品を用いて、立位および座位における着用試験を行った。着用者は女性3人で、各人2回、計6回の試験を行った。
その結果、尿を1回あたり200〜270g吸収し、平均吸収量は250gであった。6回の試験で、いずれも漏れは発生しなかった。
なお、No.12の吸収体は、設計吸水量(加圧下での使用を想定し、SAPの水性液の吸収量を加圧なしのときと比べて低く見積もって、SAPの総量から算出する値)が、200gであった。したがって、上記平均吸水量は、設計吸水量よりも大幅に水性液の吸収量が多かった。これは、上記吸収体製品が、チューブ状吸収ユニットを用いており、外力による拘束が小さい状態でSAPが水性液を吸収したためと考えられる。
【0071】
(実験例4)
1.側面に孔を有するチューブ状吸収ユニットの製造
実験例1と同様にして得た、幅45mm、長さ220mmのチューブ状吸収ユニットの側面の2箇所に10mm×15mmの大きさで切り込みを入れ、内側に折り返して孔を設けた。図20に、得られた側面に孔を有するチューブ状吸収ユニットの性状を示す模式的な図を示す。図20(A)は上面図であり、図20(B)は斜視図である。
【0072】
2.吸収体の製造
上記で得られた側面に孔を有するチューブ状吸収ユニットを用いた以外は、実験例3と同様にして、各吸収体を得た。
【0073】
3.吸収体の加圧下の吸収速度試験
上記で得られた各吸収体に、実験例2と同様の方法により、加圧下の吸収速度試験を行った。
【0074】
吸収体の性状および吸収速度試験の結果を図21に示す。なお、実験番号No.13は実験例3における実験番号No.11と同一である。
図21から、チューブ状吸収ユニットの側面に孔を設けることにより吸収速度が向上することが分かる。
【0075】
【発明の効果】
本発明の吸収体は、極薄であり、外力による拘束が小さい膨潤スペースを十分に有し、かつ、水性液をチューブ状吸収体の全体に迅速にかつ均一に分配させることができる。したがって、本発明の吸収体を用いた本発明の吸収体製品は、従来品と同等以上の性能を担保しつつ、極薄とすることができるため、子供用オムツ、大人用オムツ、女性用生理用品等として、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の吸収体の一実施形態の模式的な斜視図である。
【図2】 図2は、種々のチューブ状吸収ユニット12の模式的な断面図である。
【図3】 図3は、種々のチューブ状吸収ユニット12の模式的な上面図である。
【図4】 図4は、拡散補助シート14の種々の配置状態を示す模式的な断面図である。
【図5】 図5は、本発明の吸収体10に水性液が供給された場合における水性液の移動の状態の説明図である。
【図6】 図6は、本発明に用いられるチューブ状吸収ユニットと、チューブ状に成形していない高吸水性シートとの水性液を吸収する前後の状態を比較した説明図である。
【図7】 図7は、高吸水性シートとして、SAPを支持体の片面に保持するシートを用いた場合(図7(A))と、SAPを支持体の両面に保持するシートとを用いた場合(図7(B))の水性液を吸収する前後の状態の断面図である。
【図8】 図8は、2個のチューブ状吸収ユニットからなる本発明の吸収体と、チューブ状に成形していない高吸水性シートとの水性液を吸収する経過の状態を比較した実験の説明図である。
【図9】 図9は、本発明の吸収体10における水性液を吸収する前後の状態を模式的に示す断面図(図9(A))および上面図(図9(B))である。
【図10】 図10は、チューブ状吸収ユニット12が2〜4個である吸収体10a、10bおよび10cのそれぞれについて、水性液吸収前後の状態を模式的に示す図である。
【図11】 図11は、側面に孔を有するチューブ状吸収ユニット13の成形方法の一例の説明図である。
【図12】 図12は、側面に孔を有するチューブ状吸収ユニット13を用いた本発明の吸収体11(11a、11b、11cおよび11d)の模式的な上面図である。
【図13】 図13は、本発明の吸収体製品の一実施形態の模式図である。図13(A)は正面図、図13(B)は着用時の上面図、図13(C)は断面図である。
【図14】 図14は、実験例1で用いたチューブ状吸収ユニットの成形方法を示す模式的な断面図である。
【図15】 図15は、実験例1で用いたチューブ状吸収ユニットの吸収前後の状態を示す模式的な断面図である。
【図16】 図16は、実験例1で用いた吸収体の模式的な断面図である。
【図17】 図17は、実験例1の吸収体の性状および膨潤試験の結果を示す図である。
【図18】 図18は、実験例2の吸収体の性状および吸収速度試験の結果を示す図である。
【図19】 図19は、実験例3の吸収体の性状および吸収速度試験の結果を示す図である。
【図20】 図20は、実験例4で用いたチューブ状吸収ユニットを示す図である。
【図21】 図21は、実験例4の吸収体の性状および吸収速度試験の結果を示す図である。
【符号の説明】
10、11、11a、11b、11c、11d 吸収体
12、12a、12b、12c、12d、12e、13 チューブ状吸収ユニット
13a 孔
14 拡散補助シート
16 トップシート
18、18′、18″、19 高吸水性シート
20 接着剤
22 補強部材
24 バックシート
26 支持体
28 SAP
30 吸収体製品
32 吸収体製品本体
34 吸収体収納部
36 立体ギャザー
M 着用者

Claims (14)

  1. 高吸水性樹脂を含有し水性液を吸収しうる高吸水性シートをチューブ状に成形して得られるチューブ状吸収ユニットを複数個有する吸収体であって、
    複数個の前記チューブ状吸収ユニットが1〜10mmの間隙を設けて並列に配置されており、
    前記チューブ状吸収ユニットの水性液の供給される側の面と水性液の供給される側と反対の側の面との両方に、前記間隙を通って、拡散補助シートが設けられている、吸収体。
  2. 前記拡散補助シートが、前記チューブ状吸収ユニットの水性液の供給される側の面の一部を被覆し、前記間隙を通って、水性液の供給される側と反対の側の面の全部を被覆するように配置されている請求項に記載の吸収体。
  3. 前記拡散補助シートが、前記チューブ状吸収ユニットの水性液の供給される側の面の全部を被覆し、前記間隙を通って、水性液の供給される側と反対の側の面の一部を被覆するように配置されている請求項に記載の吸収体。
  4. 前記拡散補助シートが、前記チューブ状吸収ユニットの水性液の供給される側の面の全部を被覆し、前記間隙を通って、水性液の供給される側と反対の側の面の全部を被覆するように配置されている請求項に記載の吸収体。
  5. 前記拡散補助シートとは別の拡散補助シートが、複数個のチューブ状吸収ユニットのうち少なくとも2個の、水性液の供給される側と反対の側の面を横断するように配置されている請求項に記載の吸収体。
  6. 前記チューブ状吸収ユニットを2〜6個有する請求項1〜のいずれかに記載の吸収体。
  7. 前記チューブ状吸収ユニットが、断面における幅が長さ方向に一定であるチューブ状吸収ユニットである請求項1〜のいずれかに記載の吸収体。
  8. 前記チューブ状吸収ユニットが、断面における幅が長さ方向に異なるチューブ状吸収ユニットである請求項1〜のいずれかに記載の吸収体。
  9. 前記チューブ状吸収ユニットの少なくとも一つが、側面に孔を有する請求項1〜のいずれかに記載の吸収体。
  10. 水性液の供給される側の面およびその反対の側の面のいずれもが、水性液透過性シートで被覆されている請求項1〜に記載の吸収体。
  11. 水性液の供給される側の面が、水性液透過性シートで被覆されており、かつ、その反対の側の面が、水性液不透過性シートで被覆されている請求項1〜に記載の吸収体。
  12. 前記吸収体が、水性液の供給される側の面およびその反対の側の面の少なくとも一方で、前記シートに接着されている請求項10または11に記載の吸収体。
  13. 前記高吸水性シートが、前記高吸水性樹脂の含有量が50質量%以上であり、かつ、厚さが1.5mm以下である請求項1〜12のいずれかに記載の吸収体。
  14. 着用時に着用者の対象部位が入る内部空間を形成しうる吸収体製品本体と、
    前記吸収体製品本体に隣接し、前記内部空間に連通する吸収体収納部と、
    前記吸収体収納部に収納される、請求項1〜13のいずれかに記載の吸収体と
    を具備する吸収体製品。
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