JP6152350B2 - 吸収体物品 - Google Patents

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Description

本発明は、吸収体物品に関する。
吸収体物品は、おむつ(子供用及び大人用おむつ)、生理用ナプキン、失禁対策商品、トレーニングパンツ等の着用者から排出された体液を、高吸収性樹脂(以下「SAP」ともいう。)やフラッフ状にした木材パルプ等を用いた吸収体により、吸収し、処理する物品である。
従来の吸収体物品においては、体液は、着用者の排出器から直接に吸収体の表面に排出され、吸収体の表面における拡散と吸収体の表面から内部への移行とにより、吸収体に吸収され、処理される。
したがって、吸収体物品からその外部への体液のリーク(漏れ)を防ぐためには、吸収体物品と着用者の身体との間に間隙が生じないように、吸収体の表面と着用者の肌、特に、排出器とを密着させることが必要であった。
しかしながら、このような状態で吸収体物品を使用すると、体液の排出後には、着用者の肌が体液で濡れている吸収体の表面に密着した状態となる。着用者の肌が体液に接触している状態が長時間続くと、着用者にとって不快であるだけでなく、皮膚を膨化させ、細菌増殖の原因となり、かぶれや炎症を引き起こす事態を招くことにもなるという問題点があった。
本発明者は、このような従来の吸収体物品の問題点を解決するための新しい提案として、吸収体、特に、着用者の排泄器に相当する位置であるクロッチ部(股下部)に体液を直接に移行させないように、吸収体の前後に体液の移動、分配を可能にするユニットを吸収体の表面と着用者の肌との間に新たに導入することにより、排出された体液と着用者の肌との接触を効果的に回避する手法を提案した。
特許文献1においては、前記ユニットは、フローティングレッグギャザーとして提案されている。特許文献2においては、前記ユニットは、体液の移動通路として提案されている。特許文献3においては、前記ユニットは、体液受容キャナルとして提案されている。これらの提案に係るユニットは、いずれも、左右一対の頭部と左右一対の頭部に結合されて、垂下する垂下部とを持ち、左右一対の頭部のみが着用者の肌に接触する点で共通するものである。
特許第5086492号公報 特許第5236121号公報 特許第5236122号公報
本発明者は、特許文献1〜3に記載された、各種のユニットを有する吸収体物品の研究を進めたところ、特許文献3における体液受容キャナルにおいて、排出された体液と着用者の肌との接触をより効果的に回避することができる余地があるのではないかと考えた。
本発明者は、谷形の立体形状の体液受容キャナルを形成する吸収体物品において、少なくとも股下部で、吸収体が下側に凸型の形状を呈するようにし、また、少なくとも股下部で、吸収体の表面と体液受容キャナルの底面の下面に相当するキャナルシートの部分とが結合した底面結合部を設け、かつ、少なくとも股下部で、吸収体の表面と体液受容キャナルの左右側面の外側に相当するキャナルシートの部分とが結合した側面結合部を設けることにより、体液受容キャナルの谷形の立体形状を安定的に保持することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(11)を提供する。
(1)シート状の防漏体と、前記防漏体の上部に少なくとも1層配置された体液を吸収しうるシート状の吸収体とを有する吸収体物品本体と、
前記吸収体物品本体の前端部から前身頃、股下部及び後身頃を経て後端部にわたって配置され、前記吸収体物品本体と前記前端部及び前記後端部において結合する、左右一対の頭部伸縮体と、
左右縁部がそれぞれ前記左右一対の頭部伸縮体と結合するキャナルシートとを有し、
前記キャナルシートが前身頃、股下部及び後身頃において、前記頭部伸縮体の下側に、凸型に垂下するように構成され、前記左右一対の頭部伸縮体の間隙が上部開口となり、前記キャナルシートの左右縁部付近が側面、前記キャナルシートの左右方向の中央付近が底面となる、谷形の立体形状の体液受容キャナルを形成する吸収体物品であって、
少なくとも股下部において、前記吸収体が下側に凸型の形状を呈し、
少なくとも股下部において、前記吸収体物品本体の表面と前記体液受容キャナルの底面の下面に相当する前記キャナルシートの部分とが結合した底面結合部を有し、かつ、少なくとも股下部において、前記吸収体物品本体の表面と前記体液受容キャナルの左右側面の外側に相当する前記キャナルシートの部分とが結合した側面結合部を有する、前記体液受容キャナルの谷形の立体形状が安定的に保持される、吸収体物品。
(2)前記吸収体物品本体が、左右方向の中央部付近において折れ曲がりやすくなっている、上記(1)に記載の吸収体物品。
(3)前記吸収体の左右方向の中央部付近の厚さがその両側の部分の厚さより薄くなっていることにより、前記吸収体物品本体が、左右方向の中央部付近において折れ曲がりやすくなっている、上記(1)に記載の吸収体物品。
(4)前記吸収体物品本体の左右方向の中央部付近において、前記吸収体が存在しないことにより、前記吸収体物品本体が、左右方向の中央部付近において折れ曲がりやすくなっている、上記(1)に記載の吸収体物品。
(5)前記吸収体が、前記吸収体物品本体の前端部から前身頃、股下部及び後身頃を経て後端部にわたって配置される全体吸収体と、前記全体吸収体の上側に、股下部を含む領域のみに配置されるシート状の部分吸収体とから構成され、
前記部分吸収体が、左右方向の少なくとも1箇所において折れ曲がりやすくなっている、上記(1)に記載の吸収体物品。
(6)前記吸収体が、股下部において、左右縁部から中央に向かう切り込みを有し、左右縁部から中央に向かって折れ曲がる部分を有する、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の吸収体物品。
(7)前記底面結合部と前記側面結合部とが、連続的に形成されている、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の吸収体物品。
(8)前記底面結合部及び前記側面結合部が、いずれも股下部を含む領域で前後方向に延在している、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の吸収体物品。
(9)着用時に、前記防漏体が、少なくとも股下部において、下側に凸型の形状となる、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の吸収体物品。
(10)前記吸収体が、高吸水性樹脂の含有量が70質量%以上のシート状吸収体により構成されている、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の吸収体物品。
(11)前記全体吸収体が、パルプと高吸水性樹脂との混合物からなり、かつ、前記部分吸収体が、高吸水性樹脂の含有量が70質量%以上のシート状吸収体により構成されている、上記(5)に記載の吸収体物品。
本発明の吸収体物品は、谷形の立体形状の体液受容キャナルを形成する吸収体物品において、少なくとも股下部で、吸収体が下側に凸型の形状を呈するようにし、また、少なくとも股下部で、吸収体の表面と体液受容キャナルの底面の下面に相当するキャナルシートの部分とが結合した底面結合部を設け、かつ、少なくとも股下部で、吸収体の表面と体液受容キャナルの左右側面の外側に相当するキャナルシートの部分とが結合した側面結合部を設けることにより、体液受容キャナルの谷形の立体形状を安定的に保持することができ、排出された体液と着用者の肌との接触をより効果的に回避することができる。
本発明の吸収体物品の模式的な正面図である。 本発明の吸収体物品の実施態様の例を示す模式図である。 本発明の吸収体物品の種々の実施態様の例を示す模式図である。 本発明の吸収体物品の種々の実施態様の例を示す模式図である。 本発明の吸収体物品の種々の実施態様の例を示す模式図である。 本発明の吸収体物品の実施態様の別の例を示す模式図である。 従来の吸収体物品の模式的な正面図である。
1、1’、100、100a、100b、100c、100d、100e、100f、100g、100h、100i、101 吸収体物品
2、2’、10、10a 防漏体
3、3’、12、12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g、12h、12i、12j 吸収体
4、4’ スタンディングレッグギャザー(SLG)
5、14、14a 頭部伸縮体
6、16、16a キャナルシート
12g’、12h’、12i’、12j’ 全体吸収体
12g”、12h”、12i”、12j” 部分吸収体
13 サイドシート
18 前端結合部
20 後端結合部
22、34、34a 結合部
24、24a、24b、24c、24d、24e、24f、24g、24h、24i、24j 底面結合部
26、26a、26b、26c、26d、26e、26f、26g、26h、26i、26j 側面結合部
28 アウターレッグギャザー(OLG)
30 着脱部材
32、32a、32b、32c 切り込み
36 サーフェスシート
38、38a、38b、38c 部分吸収体結合部
40 プレス線
42 切欠き
C 股下部
Ca 体液受容キャナル
F 前身頃
R 後身頃
W 着用者
以下、本発明の吸収体物品を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、本明細書においては、本発明の吸収体物品を実際に着用した場合に、着用者の肌に近い側を「上」といい、遠い側を「下」という。また、本発明の吸収体物品を実際に着用した場合に、着用者の体の前側に対応する側を「前」といい、後側に対応する側を「後」という。また、各図中、理解を容易にするために、実際には接触している部材を離間させて示すことがある。添付した図面中の各平面図においては、図の左側に吸収体物品等の前側が位置するように図示してある。
また、本明細書においては、「吸収体物品本体」とは、吸収体物品の構成部材である防漏体、防漏体上に設けることができるトップシート、その他吸収体物品に設けることができる各種部材を総称していうものである。
さらに、本明細書においては、「吸収体の表面」とは、吸収体が露出している場合は、その表面を意味し、吸収体が拡散シート、アクイジションシート、トップシート(サーフェスシート)、コアラップシート等で被覆されている場合は、被覆している拡散シート、アクイジションシート、トップシート(サーフェスシート)、コアラップシート等の表面を意味する。
初めに、本発明の吸収体物品のコンセプトを、従来の吸収体物品との対比において説明する。
図1は、本発明の吸収体物品の模式的な正面図である。図1(A)は、着用前の状態を示し、図1(B)は、着用時の状態を示している。なお、図1においては、本来、正面からは見えない吸収体、頭部伸縮体、キャナルシート及びスタンディングレッグギャザー(以下「SLG」ともいう。)を可視的に示している。
また、図7は、従来の吸収体物品の模式的な正面図である。図7(A)は、着用前の状態を示し、図7(B)は、着用時の状態を示している。なお、図7においては、本来、正面からは見えない吸収体及びSLGを可視的に示している。
図1に示される本発明の吸収体物品1及び図7に示される従来の吸収体物品1’は、それぞれパンツ型おむつとして構成されている。
従来の吸収体物品は、着用前においては、図7(A)に示されるように、防漏体2’及び吸収体3’は左右方向に自然に伸びており、SLG4’は起立している状態にある。
しかしながら、着用時になると、図7(B)に示されるように、ウエスト部が左右に広がり、防漏体2’及び吸収体3’は着用者Wの排出器周辺に接触するように引き上げられ、同時に、狭い股下部に押し込まれて、不均一な複数のひだを形成した状態(いわゆる「バンチング状態」)に変形し、また、SLG4’は着用者Wの大腿部に接触して押しつぶされ、フラット化する。このような状態になると、股下部からの横漏れが発生しやすくなり、また、吸収体3’の表面が着用者の排泄器周辺の肌に密着するため、皮膚のかぶれを引き起こしやすい。
本発明の吸収体物品1は、頭部伸縮体5と結合するキャナルシート6が谷形の立体形状の体液受容キャナルCaを形成する一方で、吸収体3が下側に凸型の形状を呈するようになっている。
本発明の吸収体物品1は、着用前においては、図1(A)に示されるように、防漏体2及び吸収体3は左右方向に伸びており、SLG4は起立している状態にある。この点で、従来の吸収体物品1’と実質的な差異はない。また、キャナルシート6は、左右方向に伸び切ってほぼU字型を呈している。
また、着用時においては、図1(B)に示されるように、ウエスト部は左右に広がるが、防漏体2は股下部で左右から押されてV字型になり、吸収体3は伸び切って下側に凸型の形状を呈する。頭部伸縮体5は着用者Wの排泄器の左右両縁に位置して保持され、キャナルシート6は伸びきって谷形の立体形状の体液受容キャナルCaを形成し、SLG4は起立している状態を保持している。
このように、本発明の吸収体物品1は、後に詳述する構成を採ることにより、股下部において、体液受容キャナルCaの谷形の立体形状を安定的に保持させ、排出された体液と着用者Wの肌との接触を効果的に回避するものである。これにより、着用者Wの肌のかぶれが効果的に防止される。また、吸収体3が伸び切っているため、ブロッキングが起こりにくくなり、体液の吸収能を十分に発揮することができるようになり、吸収体3により吸収されない体液による漏れが効果的に防止される。
つぎに、本発明の吸収体物品の具体的な実施形態について説明する。
図2は、本発明の吸収体物品の実施態様の例を示す模式図である。図2(A)は、吸収体物品に応力を加えない場合の(弛緩状態の)股下部における横端面図である。図2(B)及び図2(C)は、吸収体物品に応力を加えて前後方向及び左右方向に引っ張って展開し、ほぼ平面状にした状態(緊張状態)を模式的に示した展開平面図である。図2(B)には、頭部伸縮体及びキャナルシート以外の部分を、図2(C)には、頭部伸縮体及びキャナルシートの部分を示しているが、実際には、図2(C)に示される各種の結合部により、図2(C)中のキャナルシートと図2(B)中の吸収体等とが結合している。なお、図2(A)は、図2(B)及び図2(C)中のIIA−IIA線に沿った横端面図となっている。
図2に示される吸収体物品100は、子供用テープ型おむつ(Mサイズ(体重6〜11kg程度用))として構成されている。
以下に説明する吸収体物品100の各部材の大きさは、Mサイズである場合の一例であり、適宜変更することができるものであり、また、吸収体物品のサイズが異なれば、当然各部材の大きさも変わってくる。また、以下に説明する吸収体物品100の各部材の大きさは、特に記載のない限り、緊張状態のものである。
図2に示される本発明の吸収体物品100は、基本的に、シート状の防漏体10と、防漏体10の上部に少なくとも1層配置された、体液を吸収しうる吸収体12とを有する吸収体物品本体と、前記吸収体物品本体の前後方向の前端部から前身頃F、股下部C及び後見頃Rを経て、後端部にわたって配置され、前記吸収体物品本体と前記前端部及び前記後端部において結合する、左右一対の頭部伸縮体14と、左右縁部がそれぞれ左右一対の頭部伸縮体14と結合するキャナルシート16とを有している。
防漏体10の材質は、一般に、バックシートとして用いられているものを用いることができる。具体的には、例えば、PE、PP、PET、EVA等の樹脂のフィルム;前記樹脂の発泡シート等の体液不透過性シートを用いることができる。体液不透過性シートは、通気性フィルム等の通気性を有するものも好適に用いられる。
また、前記樹脂のフィルムを用いる場合には、感触や外観を向上させるために、フィルムと不織布との複層シートとして用いることもできる。この場合、不織布としては、比較的低目付のSB、SMS、サーマルボンド不織布(例えば、エアスルータイプ)等が好適に用いられる。
また、前記樹脂のフィルムと後述するシート状吸収体との複層シートを用いることもできる。
また、高耐水性不織布を用いることもできる。高耐水性不織布としては、例えば、耐水度100mmH2O以上の耐水性を有するSMS、マイクロウェブの細孔をミクロフィブリル化セルロース(MFC)やワックスで充填することにより耐水性を付与されたSMSが挙げられる。この場合、単独で用いてもよく、フィルムと高耐水性不織布との複層シートとして用いることもできる。
防漏体10は、複数の部材から構成されていてもよい。
防漏体10は、シート状であり、吸収体12等を上部に収納し、かつ、頭部伸縮体14及びキャナルシート16を配置することができる。
防漏体は、図2(A)に示されるように、少なくとも股下部Cにおいて、下側に凸型の形状となるのが好ましい。
防漏体10としては、例えば、通気性PEフィルム(例えば、厚さ20μm)にSMS不織布(例えば、目付量13g/m2)を積層したものを好適に使用することができる。
防漏体10は、吸収体物品本体の前端部から後端部までわたって配置されている。防漏体10は、前後方向の長さを、例えば、440mm、左右方向の幅を、例えば、270mmとすることができる。
本発明に用いられる吸収体12は、体液を吸収しうるものであり、かつ、シート状のものである。本件明細書において、「シート状」とは、ばらばらにならず一体化してシートとして取り扱いできることを意味する。
本発明においては、例えば、従来公知の吸収体物品に用いられるフラッフ状の木材パルプや、粉体状のSAPを単独で又は混合して使用したものであっても、マット状に成形されその上下部をティシュや不織布などのコアラップシートで被覆し、形態を安定化しSAPやパルプの脱落を防止して一体として取り扱いうるものを、シート状吸収体として用いることができる。また、後述するようなSAPの含有量を高め、形態安定性とSAPの脱落防止性能とを有するシート状吸収体を用いることもできる。また、シート状吸収体に、上述したフラッフ状パルプや粉末状SAPを上面や下面に追加して、併用することもできる。さらに、従来公知のシート状吸収体を用いることもできる。
シート状吸収体の中でも、SAPを50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上含有する高吸水性シートであるのが好ましい。また、高吸水性シートにおけるSAPの含有量は、高吸水性シートの安定性等の点で、95質量%以下であるのが好ましい。
高吸水性シートは、SAPを主成分とする極薄のシート状吸収体である。高吸水性シートは、SAPの含有量が極めて高いため、厚さが極めて薄い。高吸水性シートの厚さは、1.5mm以下であるのが好ましく、1mm以下であるのがより好ましい。
高吸水性シートは、SAPを主成分とする極薄のシート状吸収体であれば、構成や製造方法を特に限定されない。
例えば、Air Laid法で得られる高吸水性シートが挙げられる。Air Laid法は、粉砕した木材パルプとSAPとを混合し、結合剤を添加してシート状に成形して高吸水性シートを得る方法である。この方法で得られる高吸水性シートとしては、例えば、米国レオニヤ(Rayonier)社製のNOVATHIN(米国登録商標)、王子キノクロス社製のB−SAPが知られている。
また、SAPの分散スラリーを不織布等の体液透過性シートの上にコーティングする方法で得られる高吸水性シートも挙げられる。ここで、SAPの分散スラリーは、SAPとミクロフィブリル化セルロース(MFC)とを、水とエタノールとの混合溶媒に分散させたものであるのが好ましい。この方法で得られる高吸水性シートとしては、例えば、(株)日本吸収体技術研究所製のMegaThin(登録商標)が知られている。
そのほかに、例えば、起毛状不織布にSAPを大量に担持させ、ホットメルトバインダー、エマルションバインダー、水性繊維等で固定する方法で得られる高吸水性シート、繊維状SAPをPET(ポリエチレンテレフタレート)繊維と混合してウェブ状に成形する方法で得られる高吸水性シート、SAP層の上下をティッシュで挟んだSAPシートが挙げられる。
シート状吸収体は、全面にSAPを担持する態様であってもよく、例えば、前後方向又は左右方向にストライプ状にSAPを担持する箇所とSAPを担持しない箇所とを有する態様であってもよい。
吸収体12は、防漏体10の上部に、少なくとも1層配置される。すなわち、吸収体12は、1層であってもよく、2層以上(複数層)であってもよい。
また、吸収体12は、折りたたんだ状態で配置することもできる。
吸収体12としては、例えば、SAPとパルプとの混合物をホットメルト接着剤で結合するAir Laid法により得られた、長方形状(例えば、前後方向の長さ350mm、左右方向の幅100mm)のシート状吸収体(目付量SAP150g/m2、パルプ200g/m2)を好適に使用することができる。
吸収体12は、防漏体10の上に、左右方向の中央部に、前身頃Fから股下部Cを経て後身頃Rまで配置されている。
吸収体12には、左右両縁から中央部に向けて、それぞれ2本ずつの切り込み32が設けられている。前方の切り込みは、前身頃Fの後端付近において、縁部から中央部に行くに従い前から後ろになるように斜めに設けられており、後方の切り込みは、股下部Cの後端付近において、縁部から中央部に行くに従い後ろから前になるように斜めに設けられている。
吸収体12においては、縁部と2本の切り込み32と左右方向の中央の折り曲げ部(図2(B)中、破線で示す。)とで形成される、台形部分(例えば、折り曲げ部の長さ90mm、縁部の長さ120mm、左右方向の幅45mm)が形成される。この台形部分は、防漏体10とは結合されておらず、折り曲げ部を基点に上側に立ち上がって、後述するように、キャナルシート16の側面と結合される。これにより、吸収体12は、股下部Cにおいて、下側に凸型の形状を呈する。
吸収体12の台形部分を除く部分は、前身頃F及び後身頃R、並びに、股下部Cの左右方向の中央の帯状の部分において、下面が結合部34で、防漏体10の上面とホットメルト接着剤により結合し、固定されている。
吸収体物品本体は、上述した防漏体10と、吸収体12とを有し、他の構成部材を有していてもよい。例えば、サーフェスシートを有していてもよい。サーフェスシートは、例えば、防漏体の上側及び吸収体の上側を全面的に被覆する態様とすることができる。
サーフェスシートとしては、例えば、親水化処理を施した液透過性のPPスパンボンド(例えば、目付量13g/m2)を好適に使用することができる。
左右一対の頭部伸縮体14は、吸収体物品本体の前後方向の前端部から前身頃F、股下部C及び後見頃Rを経て、後端部にわたって配置され、吸収体物品本体と前記前端部及び前記後端部において結合している。具体的には、前端結合部18及び後端結合部20において結合している。結合の方法は、特に限定されず、例えば、ホットメルト接着剤、熱シール接着等を用いて結合することができる。
ここで、「吸収体物品本体」とは、吸収体物品の部材である防漏体、防漏体上に設けることができるトップシート、サーフェスシート、その他吸収体物品に設けることができる各種部材を総称していうものである。頭部伸縮体は、防漏体に結合して設けられてもよく、防漏体上に設けられたトップシートやその他の部材に結合して設けられてもよく、複数の部材にわたって結合して設けられてもよい。
左右一対の頭部伸縮体14は、弾性体によって構成される。弾性体は帯状、テープ状、糸状等の形状を採りうるが、中でも、糸状の弾性糸が好適に用いられる。
弾性糸は、特に限定されず、例えば、天然ゴム糸、合成ゴム糸、ポリウレタンフィラメント、弾性フィルムの細分化テープ等の糸状を呈する材料である。
弾性糸は、長さが、例えば、約1.2〜約3倍の範囲となるように応力を加えて伸長した状態にして、薄い不織布等の基材上に、2本以上、好ましくは3本〜10本、並列に並べて接着剤等の結合剤で固定して用いることができる。応力を加えるのを止めると、収縮し、短くなる。
左右一対の頭部伸縮体14としては、例えば、3本のポリウレタンフィラメント(例えば、600dtex)を並列に配置したものを好適に使用することができる。頭部伸縮体14は、SMMS不織布(例えば、目付量15g/m2)により被覆されている。頭部伸縮体14は、例えば、前後方向の長さ440mm、左右方向の幅35mmとすることができる。
左右一対の頭部伸縮体は、弾性糸が吸収体物品本体の前端部から後端部まで存在する態様でもよく、弾性糸が前端部から後端部までの一部(例えば、前端部付近及び/又は後端部付近)には存在しない態様であってもよい。後者の態様の場合、例えば、左右一対の頭部伸縮体を被覆する部材(例えば、不織布からなるシート状部材(キャナルシートを構成する部材の延長であってもよい。)。)のみが吸収体物品本体と前端部及び後端部と結合していてもよい。
キャナルシート16は、左右縁部の上面がそれぞれ左右一対の頭部伸縮体14と、頭部伸縮体14の前後方向の全長にわたる結合部22において、結合している。
キャナルシートは、左右一対の頭部伸縮体の前後方向の全長にわたって存在していてもよく、左右一対の頭部伸縮体の前後方向の一部(例えば、前端部及び/又は後端部)を除いた部分において存在していてもよい。
キャナルシート16は、前身頃F、股下部C及び後身頃Rにおいて、図2(A)に示されるように、頭部伸縮体14の下側に、凸型に垂下するように構成されている。
キャナルシートは、材料を特に限定されないが、例えば、PE、PP、PET、ポリウレタン、SBR系ゴム、PVA、EVA等の合成樹脂のフィルム、開孔シート及びネット状シート;PE繊維、PP繊維、PET繊維、PE/PP複合繊維、PE/PET複合繊維等の合成繊維を構成成分とする乾式不織布、湿式不織布、スパンボンド不織布、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド積層体に代表されるスパンメルト不織布;木材パルプ、コットン、レーヨン、リヨセル、アセテート等のセルロース類を主成分とする親水性繊維を構成成分とする乾式不織布、湿式不織布及びスパンボンド不織布が好適に挙げられる。
キャナルシート16は、例えば、表面親水化処理したPE/PPスパンボンド不織布(例えば、目付量15g/m2)が好適に用いられる。
キャナルシート16は、例えば、前後方向の長さ440mm、左右方向の幅150mmとすることができる。
吸収体物品100においては、図2(A)に示されるように、キャナルシート16が頭部伸縮体14の下側に、凸型に垂下するように構成され、左右一対の頭部伸縮体14の間隙が上部開口となり、キャナルシート16の左右縁部付近が側面、その左右方向の中央部付近が底面となる、谷形(V字形、U字形とも呼ばれる。)の立体形状の体液受容キャナルCaを形成している。体液受容キャナルCaは、前身頃、股下部及び後身頃において、形成される。
吸収体物品100は、少なくとも股下部Cにおいて、吸収体物品本体のうちの吸収体12の表面と体液受容キャナルCaの底面の下面に相当するキャナルシート16の部分とが結合した底面結合部24を有する。
底面結合部24は、キャナルシート16の左右方向の中央の位置で、前身頃Fの後端付近から、股下部Cを経て、後身頃Rの前端付近に至る線状(帯状)に設けられている(図2(C)参照)。底面結合部24は、前後方向の長さが、例えば、180mmである。キャナルシート16の下面の一部と吸収体12の表面とを結合する方法は、特に限定されず、例えば、ホットメルト接着剤、熱シール接着等を用いて結合することができる。
また、吸収体物品100は、少なくとも股下部Cにおいて、吸収体物品本体のうちの吸収体12の台形部分の表面と体液受容キャナルCaの左右側面の外側に相当するキャナルシート16の部分とが結合した側面結合部26を有する。
側面結合部26は、キャナルシート16の左右両側において、前身頃Fの後端付近から股下部Cの後端付近に至る線状(帯状)に設けられている(図2(C)参照)。側面結合部26は、前後方向の長さが、例えば、100mmである。キャナルシート16の左右側面の一部と吸収体12の表面とを結合する方法は、特に限定されず、例えば、ホットメルト接着剤、熱シール接着等を用いて結合することができる。
このように、股下部Cにおいては、下側に凸型の形状を呈する吸収体12の台形部分と、凸型に垂下するように構成されたキャナルシート16とが、底面結合部24及び側面結合部26において結合し、吸収体12の上面とキャナルシート16の下面とが互いに沿うようになっている。
上述したように、キャナルシート16は、前端結合部18、後端結合部20、底面結合部24及び左右一対の側面結合部の合計5か所で吸収体物品本体と結合されている。
吸収体物品100は、弛緩状態では、図2(A)に示されるように股下部Cにおいて、底面結合部24を中心に谷形の立体形状の体液受容キャナルCaが左右対称に立ち上がり、その側面に添うように、下側に凸型の形状を呈する吸収体12の台形部分が結合し、キャナルシート16の側面が吸収体12で補強された状態になっている。
防漏体10上においては、吸収体12の左右両側に弾性糸が配置され、サイドシート13により被覆されることにより固定され、アウターレッグギャザー(OLG)28を構成している。
サイドシート13は、疎水性であり、例えば、SMMS不織布(例えば、目付量15g/m2)を用いることができる。サイドシート13は、左右方向の幅が、例えば、80mmである。
弾性糸としては、例えば、3本のポリウレタンフィラメント(例えば、470dtex)を用いることができる。これらの弾性糸は、並列に配置され、これらを上下から挟んで固定する防漏体10及びサイドシート13とともに、左右方向における左右一対の頭部伸縮体14が存在する位置よりも外側に、更に、左右一対のOLGを構成する。
本発明においては、OLGは、この構成に限定されず、例えば、従来公知の吸収体物品に用いられるOLGの構成を用いることができる。
防漏体10の後端付近の左右両側には、着脱部材30が設けられている。防漏体10の前端付近の下面には、着脱部材と互いに着脱自在となるように、着脱部材(図示せず)が設けられている。これらの着脱部材は、例えば、各種面ファスナーにより構成することができる。
吸収体物品100においては、上述したように、(i)左右一対の頭部伸縮体14と、左右縁部がそれぞれ左右一対の頭部伸縮体14と結合するキャナルシート16とを有し、キャナルシート16が前身頃F、股下部C及び後身頃Rにおいて、頭部伸縮体14の下側に、凸型に垂下するように構成され、左右一対の頭部伸縮体14の間隙が上部開口となり、キャナルシート16の左右縁部付近が側面、キャナルシート16の左右方向の中央付近が底面となる、谷形の立体形状の体液受容キャナルCaを形成していること、(ii)少なくとも股下部Cにおいて、吸収体12が下側に凸型の形状を呈していること、(iii)少なくとも股下部Cにおいて、吸収体12の表面と体液受容キャナルCaの底面の下面に相当するキャナルシート16の部分とが結合した底面結合部24を有し、かつ、少なくとも股下部Cにおいて、吸収体12の表面と体液受容キャナルCaの左右側面の外側に相当するキャナルシート16の部分とが結合した側面結合部26を有するという構成を採る。
これにより、股下部Cにおけるキャナルシート16が、吸収体12により、特に、両側面において補強され、体液受容キャナルCaの谷形の立体形状が安定的に保持される。そのため、体液受容キャナルCaの存在による物理的空間の生成により、着用者の肌と吸収体12の表面との離間距離が十分に保たれ、肌の濡れを確実に防止し、かぶれの発生を抑制することができる。
そして、着用者が体液を排出した場合において、体液受容キャナルCaが体液をその内部に受容し、受容した体液を体液受容キャナルCaの内部で前後に移動し、キャナルシート16に設けられた通路から吸収体12の表面に移送し、体液の吸収を完了する、という一連の体液吸収システムが完成する。
吸収体物品100は、着用時においては、着用者の肌に直接接する部位が体液受容キャナルCaの両縁に浮上状態で存在する頭部伸縮体14のみとなり、尿排出器も肛門も、左右一対の頭部伸縮体14の間の開口に収容される。
したがって、着用者が尿を排出すると、排出された尿はその全量が、まずこの体液受容キャナルCa内に収容され、尿が吸収体12の表面に直接排出されることはない。
体液受容キャナルCa内に貯留された尿は、その後、体液の出口から吸収体12の表面に分配して、供給される。
吸収体物品100においては、体液受容キャナルCaにおいて、出口が明示されていないが、キャナルシート16が親水性の不織布により構成され、液透過性となっており、この不織布の有する多数の細孔が体液の出口となっている。よって、体液受容キャナルCa内に貯留された尿は、その後、多数の細孔を通じて、吸収体12の表面に分配して、供給される。
このように、キャナルシートの一部又は全部が親水性の不織布により構成されているのは、本発明の好適な態様の一つである。
上述したように、体液受容キャナルCaは、着用者から排出された体液の受容及び吸収体12への移行を可能とする。また、体液は、体液受容キャナルCa内を移動し、体液受容キャナルCaの出口を通じて吸収体12に分配される。
吸収体物品100の着用時においては、尿の1回目の排出のみならず、2回目以降の排出についても、排出された尿は全量がまず体液受容キャナルCa内に収容され、直接吸収体12の表面に排出されることはない。
したがって、着用開始時から着用終了時まで、体液受容キャナルCaがバリヤーとなり、着用者の肌が吸収体12の表面に接触して肌を濡らす状態とはならない。
吸収体物品100においては、排出された体液は、体液受容キャナルCaにより全量が受容され、一時的に貯留された後、キャナルシート16が全面的に液透過性を有しているので、キャナルシート16の比較的広い領域から滲み出して吸収体12の表面に供給される。この際、着用体位、排出速度、排出量等の影響を受けるが、吸収体12の比較的広い範囲の部分を利用することができ、股下部Cの部分に対する負荷は大幅に抑制される。
なお、着用者が便を排出した場合には、便中の液成分はキャナルシート16の細孔から吸収体12の表面に移行するが、固形成分は全量体液受容キャナルCa内にとどまる。
吸収体物品100においては、以下のような派生的効果も奏する。
下側に凸型の形状を呈している吸収体12がキャナルシート16を下から支持しているため、これにより頭部伸縮体14と着用者の肌との接触状態が安定し、隙間の発生が抑制され、その結果、着用者の肌を伝っての伝い漏れが防止される。
また、下側に凸型の形状を呈している吸収体12がキャナルシート16を補強しているため、キャナルシート16の上下方向のへたりや座屈現象が生じにくくなるため、キャナルシート16に着用者の体重等に起因する加重が掛かっても、つぶれることなく、安定な空間が確保されるため、体液受容キャナルCaの内部における前後方向の体液の移動が円滑に行われる。
さらに、下側に凸型の形状を呈している吸収体12がキャナルシート16を底面結合部24のみならず、側面結合部26においても固定しているため、股下部Cから前身頃Fにかけての領域、及び、股下部Cから後身頃Rにかけての領域において、尿や便の受容に係わる、左右一対の頭部伸縮体14の間隙からなる上部開口の左右方向の幅が、一定に確保され、着用者の動きによる幅の変化が抑制されるため、尿や便を安定的に収容することができる。なお、前身頃Fから前端部にかけての領域、及び、後身頃Rから後端部にかけての領域においては、吸収体12がキャナルシート16と結合していないので、頭部伸縮体14の可動性が高まり、上部開口の左右方向の幅は狭くなり、深いポケットを形成し、上部開口からの受容した体液のオーバーフローが防止される。
さらに、キャナルシート16の表面特性と、吸収体12の吸収膨潤特性とを適宜組み合わせることにより、股下部Cにおける体液の吸収体12の表面への移送が調節され、体液受容キャナルCa内での体液の移動状態を良好に調節することができる。例えば、キャナルシート16が液透過性の場合には、股下部Cでは、キャナルシート16の下側から沿って支持する吸収体12が体液を吸収して膨潤するため、キャナルシート16が擬似的に液不透過性となる。
一般に、吸収体は、吸収体物品の構成部材に対して多くの割合(例えば、70質量%程度)を占める部材であり、厚く、かつ、剛性が高く、他方で、不織布等から構成されるキャナルシートは、薄く、かつ、柔軟であるため、極めて変形しやすい。
したがって、キャナルシートの側面と吸収体の表面とを結合すると、通常は、先行技術文献として挙げた特許第5236122号公報の図4(B)に示される態様、図4(C)に示される態様、図6(F)〜図6(H)に示される態様、及び、図6(I)〜図6(K)に示される態様のように、キャナルシートは、吸収体の形状に沿った形状となる。
本発明の吸収体物品においては、キャナルシートが、股下部でV字型の断面と最大の深度を持ち、頭部の間隔が狭くなる構造を安定的に取るようにするために、吸収体の形状を下側に凸型の形状になるようにする。
図3〜図5は、それぞれ、本発明の吸収体物品の種々の実施態様の例を示す模式図である。
図3(A)、図3(C)、図3(E)、図4(A)、図4(C)、図4(E)、図5(A)、図5(C)及び図5(E)は、それぞれ前後方向及び左右方向に引っ張って展開し、ほぼ平面状にした状態の展開平面図であり、図3(B)、図3(D)、図3(F)、図4(B)、図4(D)、図4(F)、図5(B)、図5(D)及び図5(F)は、それぞれ応力を加えない場合の(弛緩状態の)股下部における横端面図(例えば、図3(B)は、図3(A)中のIIIB−IIIB線に沿った横端面図)である。なお、各展開平面図においては、頭部伸縮体及びキャナルシートは、図示を省略している。
図3に示される吸収体物品は、いずれも、吸収体物品本体が、左右方向の中央部付近において折れ曲がりやすくなっている態様である。本明細書において、「折れ曲がりやすくなっている」とは、例えば、「左右方向の中央部付近において折れ曲がりやすくなっている」についていえば、吸収体物品本体の左右方向の中央部付近における剛性が、吸収体物品本体の左右方向の中央部付近以外の部分(例えば、吸収体物品本体の左右方向の中央部付近と左右縁部との間に存在する部分)における剛性よりも低くなっており、吸収体物品本体を前後方向に延在する折れ線を設けて折り曲げようとした場合に、左右方向の中央部付近において折れ曲がるような状態をいう。
図3(A)及び図3(B)に示される吸収体物品100aにおいては、防漏体10aの上に長方形状の吸収体12aが配置され、その上側において防漏体10aの全面をサーフェスシート36が被覆している。
吸収体12aは、左右方向の中央部付近の厚さがその両側の部分の厚さより薄くなっている。
吸収体12aとキャナルシート16aとは、前身頃Fの後端から股下部Cを経て後身頃Rの前端にかけて前後方向に線状に延在する底面結合部24aと、股下部Cにおいて前後方向に線状に延在する側面結合部26aとにより、サーフェスシート36を介して結合している。底面結合部24aは、吸収体12aの薄い部分において設けられ、側面結合部26aは、吸収体12aの厚い部分において設けられている。
吸収体物品100aは、上記の構成により、吸収体物品本体が、左右方向の中央部付近(図3(A)の一点鎖線部)において折れ曲がりやすくなっている。その結果、吸収体12aは、下側に凸型の形状を呈し、頭部伸縮体14aの下側に凸型に垂下するように構成されるキャナルシート16aに沿った形状となり、キャナルシート16aが形成する体液受容キャナルCaの谷形の立体形状を安定的に保持する。
図3(C)及び図3(D)に示される吸収体物品100bは、基本的に、吸収体物品100aと同様であるが、吸収体の形状及び配置状態が異なる。
吸収体12bは、吸収体物品本体の左右方向の中央部付近の両側に配置されており、吸収体物品本体の左右方向の中央部付近においては吸収体が存在しない。
吸収体物品本体のうちのサーフェスシート36とキャナルシート16aとは、前身頃Fの後端から股下部Cを経て後身頃Rの前端にかけて前後方向に線状に延在する底面結合部24bにより、結合している。また、吸収体物品本体のうちの吸収体12bとキャナルシート16aとは、股下部Cにおいて前後方向に線状に延在する側面結合部26bにより、サーフェスシート36を介して結合している。
吸収体物品100bは、上記の構成により、吸収体物品本体が、左右方向の中央部付近(図3(C)の一点鎖線部)において折れ曲がりやすくなっている。その結果、吸収体12bは、左右方向の中央部付近においては存在しないが、全体的に下側に凸型の形状を呈し、頭部伸縮体14aの下側に凸型に垂下するように構成されるキャナルシート16aに沿った形状となり、キャナルシート16aが形成する体液受容キャナルCaの谷形の立体形状を安定的に保持する。
図3(E)及び図3(F)に示される吸収体物品100cは、基本的に、吸収体物品100aと同様であるが、吸収体の形状及び配置状態が異なる。
吸収体12cは、SAP担持部分が前後方向にストライプ状に配置されたシート状吸収体であり、吸収体物品本体の左右方向の中央部付近においてはSAPを担持していない。
吸収体物品本体のうちの吸収体12cとキャナルシート16aとは、前身頃Fの後端から股下部Cを経て後身頃Rの前端にかけて前後方向に線状に延在する底面結合部24cと、股下部Cにおいて前後方向に線状に延在する側面結合部26cとにより、サーフェスシート36を介して結合している(なお、底面結合部24cは、吸収体12cのSAPを担持していない部分と結合している。)。
吸収体物品100cは、上記の構成により、吸収体物品本体が、左右方向の中央部付近(図3(E)の一点鎖線部)において折れ曲がりやすくなっている。その結果、吸収体12cは、全体的に下側に凸型の形状を呈し、頭部伸縮体14aの下側に凸型に垂下するように構成されるキャナルシート16aに沿った形状となり、キャナルシート16aが形成する体液受容キャナルCaの谷形の立体形状を安定的に保持する。
図4に示される吸収体物品は、いずれも、吸収体が、股下部において、左右縁部から中央に向かう切り込みを有し、左右縁部から中央に向かって折れ曲がる部分を有する態様である。
図4(A)及び図4(B)に示される吸収体物品100dにおいては、防漏体10aの上に長方形状の吸収体12dが配置されている。
吸収体12dは、均一なマット状のシート状吸収体である。
吸収体12dには、左右両縁から中央部に向けて、それぞれ2本ずつの切り込み32aが設けられている。前方の切り込みは、前身頃Fの後端付近において、縁部から中央部に行くに従い前から後ろになるように斜めに設けられており、後方の切り込みは、股下部Cの後端付近において、縁部から中央部に行くに従い後ろから前になるように斜めに設けられている。この切り込み32aの態様は、吸収体物品100における切り込み32の態様とほぼ同じである。
吸収体12dにおいては、縁部と2本の切り込み32aと左右方向の中央の折り曲げ部(図4(A)中、破線で示す。)とで形成される、台形部分が形成される。この台形部分は、防漏体10aとは結合されておらず、折り曲げ部を基点に上側に立ち上がって、キャナルシート16aの側面と結合される。
吸収体12dの左右方向の中央部には、前身頃Fの後端付近から股下部Cを経て後身頃Rの前端付近に至る範囲に底面結合部24dが設けられている。また、吸収体12dの台形部分には、側縁付近に側面結合部26dが設けられている。
吸収体物品100dは、上記の構成により、吸収体12dが、股下部Cにおいて、下側に凸型の形状を呈し、頭部伸縮体14aの下側に凸型に垂下するように構成されるキャナルシート16aに沿った形状となり、キャナルシート16aが形成する体液受容キャナルCaの谷形の立体形状を安定的に保持する。
図4(C)及び図4(D)に示される吸収体物品100eは、基本的に、吸収体物品100dと同様であるが、吸収体の構造及び切り込みの態様が異なる。
吸収体12eは、SAP担持部分が左右方向にストライプ状に配置されたシート状吸収体である。
吸収体12eには、左右両縁から中央部に向けて、それぞれ2本ずつの切り込み32bが設けられている。前方の切り込み及び後方の切り込みは、いずれも、左右方向に平行に設けられている。
吸収体12eにおいては、縁部と2本の切り込み32bと左右方向の中央の折り曲げ部(図4(C)中、破線で示す。)とで形成される、長方形部分が形成される。この長方形部分は、防漏体10aとは結合されておらず、折り曲げ部を基点に上側に立ち上がって、キャナルシート16aの側面と結合される。
吸収体12eの左右方向の中央部には、前身頃Fの後端付近から股下部Cを経て後身頃Rの前端付近に至る範囲に底面結合部24eが設けられている。また、吸収体12eの長方形部分には、側縁付近に側面結合部26eが設けられている。
吸収体物品100eは、上記の構成により、吸収体12eが、股下部Cにおいて、下側に凸型の形状を呈し、頭部伸縮体14aの下側に凸型に垂下するように構成されるキャナルシート16aに沿った形状となり、キャナルシート16aが形成する体液受容キャナルCaの谷形の立体形状を安定的に保持する。
また、吸収体物品100eは、前後方向に曲げやすいという利点を有する。
図4(E)及び図4(F)に示される吸収体物品100fは、基本的に、吸収体物品100dと同様であるが、吸収体の構造及び切り込みの態様が異なる。
吸収体12fは、SAP担持部分が前後方向にストライプ状に配置されたシート状吸収体である。
吸収体12fには、左右両縁から中央部に向けて、それぞれ2本ずつの切り込み32cが設けられている。前方の切り込みは、前身頃Fの後端付近において、縁部から中央部に行くに従い後ろから前になるように斜めに設けられており、後方の切り込みは、股下部Cの後端付近において、縁部から中央部に行くに従い前から後ろになるように斜めに設けられている。
吸収体12fにおいては、縁部と2本の切り込み32cと左右方向の中央の折り曲げ部(図4(E)中、破線で示す。)とで形成される、台形部分が形成される。この台形部分は、防漏体10aとは結合されておらず、折り曲げ部を基点に上側に立ち上がって、キャナルシート16aの側面と結合される。
吸収体12fの左右方向の中央部には、前身頃Fの後端付近から股下部Cを経て後身頃Rの前端付近に至る範囲に底面結合部24fが設けられている。また、吸収体12fの長方形部分には、側縁付近に側面結合部26fが設けられている。
吸収体物品100fは、上記の構成により、吸収体12fが、股下部Cにおいて、下側に凸型の形状を呈し、頭部伸縮体14aの下側に凸型に垂下するように構成されるキャナルシート16aに沿った形状となり、キャナルシート16aが形成する体液受容キャナルCaの谷形の立体形状を安定的に保持する。
また、吸収体物品100fは、吸収体物品本体が、左右方向の中央部付近において折れ曲がりやすいという利点を有する。
図3及び図4に示される各吸収体物品においては、吸収体の平面形状が、長方形状でなくてもよく、例えば、砂時計型であってもよい。また、防漏体の左右側縁に伸縮性部材を配置して、レッグギャザーを構成してもよい。
図5に示される吸収体物品は、いずれも、吸収体が、吸収体物品本体の前端部から前身頃、股下部及び後身頃を経て後端部にわたって配置される全体吸収体と、前記全体吸収体の上側に、股下部を含む領域のみに配置されるシート状の部分吸収体とから構成され、前記部分吸収体が、左右方向の少なくとも1箇所において折れ曲がりやすくなっている態様である。
図5(A)及び図5(B)に示される吸収体物品100gにおいては、吸収体12gが、全体吸収体12g’と部分吸収体12g”とにより構成され、配置されている。全体吸収体12gは、パルプとSAPとの混合物からなる均一なマット状のシート状吸収体である。部分吸収体12g”は、SAPの含有量が70質量%以上のシート状吸収体である。
具体的には、防漏体10aの上に吸収体物品本体の前端部から前身頃F、股下部C及び後身頃Rを経て後端部にわたって配置される前後方向に長い長方形状の全体吸収体12g’が配置され、全体吸収体12g’の上側に、股下部Cのみに、左右方向に長い長方形状の部分吸収体12g”が配置されている。
全体吸収体12g’の下面と防漏体10aの上面とは、例えば、ホットメルト接着剤のスプレー塗布により全面において結合している。
部分吸収体12g”の下面と全体吸収体12g’の上面とは、左右方向の中央部において、前後方向に帯状に延在する部分吸収体結合部38によって結合されている。部分吸収体結合部38の位置は、後述するキャナルシート16aと部分吸収体12g”との底面結合部24gの位置と、上下でほぼ同一になっている。
部分吸収体12g”には、左右の側縁付近に側面結合部26gが設けられている。
全体吸収体12g’の左右方向の中央部には、プレス機により付けられた折り目である、プレス線40が設けられ、吸収体物品本体が、折り曲げられやすくなっている。
吸収体12gのうち部分吸収体12g”は、下側に凸型の形状を呈し、頭部伸縮体14aの下側に凸型に垂下するように構成されるキャナルシート16aに沿った形状となり、キャナルシート16aが形成する体液受容キャナルCaの谷形の立体形状を安定的に保持する。
図5(C)及び図5(D)に示される吸収体物品100hは、基本的に、吸収体物品100gと同様であるが、部分吸収体がスリットを有する点、及び、全体吸収体がプレス線を有しない点で異なる。
吸収体12hは、全体吸収体12h’と部分吸収体12h”とにより構成されている。
部分吸収体12h”は、左右方向の中央部に、股下部において前後方向に延在するスリット状の切欠き42を有している。これにより、部分吸収体12h”は、左右方向の中央部で折り曲がりやすくなっている。
全体吸収体12h’は、全体吸収体12g’と同様であるが、プレス線を有しない点で異なる。
底面結合部24h及び部分吸収体結合部38aは、それぞれ、底面結合部24g及び部分吸収体結合部38と、ほぼ同様であるが、切欠き42が存在する部分においては、キャナルシート16aの下面と、全体吸収体12h’とが直接結合している点で、異なる。
側面結合部26hは、側面結合部26gと同様である。
吸収体12hのうち部分吸収体12h”は、下側に凸型の形状を呈し、頭部伸縮体14aの下側に凸型に垂下するように構成されるキャナルシート16aに沿った形状となり、キャナルシート16aが形成する体液受容キャナルCaの谷形の立体形状を安定的に保持する。
図5(E)及び図5(F)に示される吸収体物品100iは、基本的に、吸収体物品100gと同様であるが、部分吸収体がSAP担持部分がストライプ状のシート状吸収体である点、及び、全体吸収体がプレス線を有しない点で異なる。
吸収体12iは、全体吸収体12i’と部分吸収体12i”とにより構成されている。
部分吸収体12i”は、SAP担持部分が前後方向にストライプ状に配置されたシート状吸収体である。部分吸収体12i”は、左右方向の中央部においては、SAP担持部分を有しておらず、これにより、部分吸収体12i”は、左右方向の中央部で折り曲がりやすくなっている。
全体吸収体12i’は、全体吸収体12g’と同様であるが、プレス線を有しない点で異なる。
底面結合部24i、側面結合部26i及び部分吸収体結合部38bは、それぞれ、底面結合部24g、側面結合部26g及び部分吸収体結合部38と、同様である。
吸収体12iのうち部分吸収体12i”は、下側に凸型の形状を呈し、頭部伸縮体14aの下側に凸型に垂下するように構成されるキャナルシート16aに沿った形状となり、キャナルシート16aが形成する体液受容キャナルCaの谷形の立体形状を安定的に保持する。
図5に示される各吸収体物品においては、部分吸収体として、薄くて、自己支持性のあるシート状吸収体が用いられているが、本発明は、これに限定されず、パルプ単独の吸収体であってもよく、パルプとSAPとの混合物からなる吸収体であってもよい。また、シート状吸収体をそのまま使用してもよいが、表面をコアラップシート等により被覆してもよいし、また、裏面を防漏性シートで被覆してもよい。
また、図5に示される各吸収体物品においては、部分吸収体の平面形状が長方形状であるが、部分吸収体の形状は、これに限定されず、適宜選択することができる。例えば、台形であってもよく、半円形であってもよい。
さらに、図5に示される各吸収体物品においては、全体吸収体の平面形状が、長方形状でなくてもよく、例えば、砂時計型であってもよい。また、防漏体の左右側縁に伸縮性部材を配置して、レッグギャザーを構成してもよい。
図3〜図5の各吸収体物品においては、吸収体とキャナルシートとの結合部は、底面結合部と左右それぞれ1か所の側面結合部の合計3か所から構成されているが、本発明は、これに限定されない。底面結合部は、例えば、2か所であってもよく、側面結合部は、例えば、左右それぞれ上縁及び下縁の2か所の合計4か所であってもよい。
また、底面結合部及び側面結合部は、それぞれ、左右方向において、幅広であってもよく、幅が狭くてもよい。側面結合部及び底面結合部は、左右方向において、両方とも幅広であってもよいし、左右方向に連結して、連続的に形成されていてもよい。
底面結合部及び側面結合部は、股下部を含む領域で、前後方向において、延在していてもよいし、点状に形成されていてもよい。延在の態様は、連続的に延在していてもよいし、鎖線状に延在していてもよい。中でも、底面結合部及び側面結合部が、いずれも股下部を含む領域で前後方向に連続的に延在しているのが本発明の好ましい態様の一つである。
以下、本発明の吸収体物品の実施態様を示し、更にその効果を説明する。
図6は、本発明の吸収体物品の実施態様の別の例を示す模式図である。図6(A)は、吸収体物品に応力を加えて前後方向及び左右方向に引っ張って展開し、ほぼ平面状にした状態(緊張状態)を模式的に示した展開平面図である。図6(B)は、図6(A)中のVIB−VIB線に沿った緊張状態の横端面図である。図6(C)は、吸収体物品に応力を加えない場合の(弛緩状態の)図6(A)中のVIB−VIB線に沿った横端面図である。
図6に示される吸収体物品101は、子供用テープ型おむつ(Mサイズ(体重6〜11kg程度用))として構成されている。
図6に示される吸収体物品101は、基本的に、図2に示される吸収体物品100と同様であるが、吸収体の構造、配置及びキャナルシートとの結合状態が異なる。
吸収体物品101においては、吸収体12jが、全体吸収体12j’と部分吸収体12j”とにより構成されている。
全体吸収体12j’は、パルプとSAPとの均一混合物(例えば、目付量パルプ200g/m2、SAP100g/m2)からなるマット状を、その上下をテイッシュペーパー(例えば、目付量20g/m2)で被覆したシート状吸収体である。
全体吸収体12j’の平面形状は、砂時計型であり、前後方向の長さが350mm、左右方向の幅が、広い部分で120mm、狭い部分で90mmである。
全体吸収体12j’は、その下面と防漏体10の上面とがホットメルト接着剤のスプレー塗布により全面に存在する結合部34aで結合している。
部分吸収体12j”は、嵩高不織布にSAPを担持させたSAP含有量80質量%のシート状吸収体(例えば、目付量150g/m2)である。
部分吸収体12j”の平面形状は、正方形状であり、一辺の長さは90mmである。
部分吸収体12j”は、股下部Cにおいて、全体吸収体12j’の上に配置され、左右方向の中央部において、部分吸収体12j”の下面と全体吸収体12j’の上面とが、前後方向に帯状に90mm延在する部分吸収体結合部38cによって結合されている。
部分吸収体結合部38cの位置は、後述するキャナルシート16aと部分吸収体12j”との底面結合部24jの位置と、上下でほぼ同一になっている。
キャナルシート16の下面は、股下部Cにおいては、部分吸収体12j”の表面と、前身頃F及び後身頃Rにおいては、全体吸収体12j’の表面と、前後方向に帯状に180mm延在する底面結合部24jによって結合されている。
キャナルシート16の側面の外側は、股下部Cにおいて、部分吸収体12j”の左右縁部の付近と、側面結合部26jによって結合されている。
吸収体物品101は、股下部Cにおいては、底面結合部24jを中心にキャナルシート16aが左右に立ち上がり、キャナルシート16aの外側側面には部分吸収体12j”の上縁付近が結合され、キャナルシート16aの側面が部分吸収体12j”で補強された状態になっている。
吸収体物品101は、吸収体物品100と同様の効果を奏する上、吸収体12jが、全体吸収体12j’と部分吸収体12j”とにより構成されているので、股下部Cにおける体液の吸収量が多いという効果も奏する。
以上、本発明の吸収体物品を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、例えば、各部の構成は、同様の機能を発揮しうる任意の構成と置換することができる。
また、各実施形態における各部の構成を任意に組み合わせて、別の実施形態とすることもできる。
本発明の吸収体物品は、テープ型及びパンツ型の紙おむつ(子供用及び大人用)、失禁用品、トレーニングパンツ、女性用生理用品等に好適に用いられる。

Claims (11)

  1. シート状の防漏体と、前記防漏体の上部に少なくとも1層配置された体液を吸収しうるシート状の吸収体とを有する吸収体物品本体と、
    前記吸収体物品本体の前端部から前身頃、股下部及び後身頃を経て後端部にわたって配置され、前記吸収体物品本体と前記前端部及び前記後端部において結合する、左右一対の頭部伸縮体と、
    左右縁部がそれぞれ前記左右一対の頭部伸縮体と結合するキャナルシートとを有し、
    前記キャナルシートが前身頃、股下部及び後身頃において、前記頭部伸縮体の下側に、凸型に垂下するように構成され、前記左右一対の頭部伸縮体の間隙が上部開口となり、前記キャナルシートの左右縁部付近が側面、前記キャナルシートの左右方向の中央付近が底面となる、谷形の立体形状の体液受容キャナルを形成する吸収体物品であって、
    少なくとも股下部において、前記吸収体が下側に凸型の形状を呈し、
    少なくとも股下部において、前記吸収体物品本体の表面と前記体液受容キャナルの底面の下面に相当する前記キャナルシートの部分とが結合した底面結合部を有し、かつ、少なくとも股下部において、前記吸収体物品本体の表面と前記体液受容キャナルの左右側面の外側に相当する前記キャナルシートの部分とが結合した側面結合部を有する、前記体液受容キャナルの谷形の立体形状が安定的に保持される、吸収体物品。
  2. 前記吸収体物品本体が、左右方向の中央部付近において折れ曲がりやすくなっている、請求項1に記載の吸収体物品。
  3. 前記吸収体の左右方向の中央部付近の厚さがその両側の部分の厚さより薄くなっていることにより、前記吸収体物品本体が、左右方向の中央部付近において折れ曲がりやすくなっている、請求項1に記載の吸収体物品。
  4. 前記吸収体物品本体の左右方向の中央部付近において、前記吸収体が存在しないことにより、前記吸収体物品本体が、左右方向の中央部付近において折れ曲がりやすくなっている、請求項1に記載の吸収体物品。
  5. 前記吸収体が、前記吸収体物品本体の前端部から前身頃、股下部及び後身頃を経て後端部にわたって配置される全体吸収体と、前記全体吸収体の上側に、股下部を含む領域のみに配置されるシート状の部分吸収体とから構成され、
    前記部分吸収体が、左右方向の少なくとも1箇所において折れ曲がりやすくなっている、請求項1に記載の吸収体物品。
  6. 前記吸収体が、股下部において、左右縁部から中央に向かう切り込みを有し、左右縁部から中央に向かって折れ曲がる部分を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の吸収体物品。
  7. 前記底面結合部と前記側面結合部とが、連続的に形成されている、請求項1〜6のいずれかに記載の吸収体物品。
  8. 前記底面結合部及び前記側面結合部が、いずれも股下部を含む領域で前後方向に延在している、請求項1〜7のいずれかに記載の吸収体物品。
  9. 着用時に、前記防漏体が、少なくとも股下部において、下側に凸型の形状となる、請求項1〜8のいずれかに記載の吸収体物品。
  10. 前記吸収体が、高吸水性樹脂の含有量が70質量%以上のシート状吸収体により構成されている、請求項1〜9のいずれかに記載の吸収体物品。
  11. 前記全体吸収体が、パルプと高吸水性樹脂との混合物からなり、かつ、前記部分吸収体が、高吸水性樹脂の含有量が70質量%以上のシート状吸収体により構成されている、請求項5に記載の吸収体物品。
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