JP4057378B2 - 膨張弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば車両の空調装置の冷凍サイクルに装備される膨張弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開平8−152232号公報は、膨張弁本体に対してダイアフラム室を有する機能部品を別体に構成し、この別体の機能部品を弁本体に組み込むことで、膨張弁を構成するものを開示している。そして、感温ケース内にバネを設けて、バネ受けとの間の長さをねじ機構により調整するものが記載されている。同様の構成は、特開平11−351440号公報にも記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特開平8−152232号公報に記載された膨張弁にあっては、感温ケースの取付部にねじ機構を備え、また機能部品全体を弁本体に固定する手段としてもねじ機構を使用しており、全体として複雑な構成とならざるを得ない。
本発明は、膨張弁を配管部材と膨張弁の機能を有するカセットユニットで構成することによって、より簡素化された構造を備える膨張弁を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の膨張弁は、基本的な手段として、空調装置の各機器に連通される配管が接続される冷媒の通路を有するハウジングと、ハウジングの段付内径部に挿入されるカセットユニットを備える。そして、前記カセットユニットは、フランジ部と、フランジ部と一体に形成される段付チューブ部材と、チューブ部材の内部に固定されるガイド部材、オリフィス部材及び調整プレート部材と、前記オリフィス部材が前記調整プレート部材との間に形成する弁室内に配備される弁体と、前記調整プレート部材と前記弁体の間に設けられて該弁体を前記オリフィス部材側へ向けて付勢するスプリングと、前記弁体を操作するように前記ガイド部材によりガイドされるシャフト部材と、前記フランジ部に溶接される蓋部材と、蓋部材と前記フランジ部との間に挟まれてガスチャージ室を形成するダイアフラムと、ダイアフラムの変位を前記シャフト部材に伝達するストッパ部材を備えるものであることを前提にした上で、請求項1に係る第1の発明による膨張弁にあっては、前記ハウジングの内径部の底部には内ねじ部を、また、前記カセットユニットの前記調整プレート部材の外周部には外ねじ部をそれぞれ設け、前記ハウジング側の内ねじ部に前記カセットユニット側の外ねじ部を螺合させることにより、前記カセットユニットを前記ハウジングに組付けるようにしたことを特徴とするものであり、請求項2に係る第2の発明による膨張弁にあっては、前記ハウジングの前記内径部の底部には内ねじ部を、また、前記カセットユニットの前記チューブ部材の下端部の外周部には外ねじ部をそれぞれ設け、前記ハウジング側の内ねじ部に前記カセットユニット側の外ねじ部を螺合させることにより、前記カセットユニットを前記ハウジングに組付けるようにしたことを特徴とするものであり、請求項4に係る第3の発明による膨張弁にあっては、前記カセットユニットの前記調整プレート部材の外周部には外ねじ部を、また、前記ハウジングの底部の内径部の定位置において回動自在に装着されたプラグ部材には内ねじ部をそれぞれ設け、前記カセットユニット側の外ねじ部を前記プラグ部材側の内ねじ部に螺合させた上で該プラグ部材を回動させることにより前記カセットユニットを前記ハウジングに組付けるようにしたことを特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のカセット構造を有する膨張弁の一実施形態を示す説明図である。
全体を符号1で示す膨張弁は、別部材で構成されるハウジング10と、カセットユニット100を備える。
ハウジング10は、適宜の材料例えばアルミニウムで形成される本体20を有し、本体20には図示しないコンプレッサ側から供給される冷媒の配管が接続される通路30、蒸発器側(図示せず)へ向かう冷媒の配管が接続される通路32、蒸発器から戻る冷媒の配管が接続される通路34、コンプレッサ側へ戻る冷媒の配管が接続される通路36が形成される。
【0006】
本体20の中心部には、冷媒の通路に直交する方向に、段付の内径部40,42,44,46が加工される。内径部46は、有底の穴を形成するとともに、内ねじ部46aが設けられる。
ハウジング10の本体20の内径部に挿入されるカセットユニット100は、例えばステンレス材を絞り加工等により形成するチューブ部材110を有する。チューブ部材110は、フランジ部111と一体に形成され、チューブ部材110は、段付部113,115が設けられる。チューブ部材110は、フランジ部111とは反対側の端部は開口している。
【0007】
フランジ部111には、ストッパ部材140が配設され、ストッパ部材140の上面に当接するダイアフラム130の周辺部を挟んだ状態で蓋部材120が一体に溶接される。蓋部材120とダイアフラム130はガスチャージ室122を形成し、所定のガスが充填され、栓体124により封止される。このガスチャージ室122とダイアフラム130は、弁体の駆動機構を構成する。
蓋部材120の頭部121は、例えば、六角形の平面形状を有する。
【0008】
チューブ部材110には、冷媒が通過する貫通穴112,114,116が形成されている。ストッパ部材140の下面には、シャフト部材150が当接され、シャフト部材150はガイド部材170、オリフィス部材180を貫通し、弁室161内に配置される弁体160に当接する。
球形の弁体160は、支持部材162により支持され、支持部材162はスプリング164を介して調整プレート部材266に支持される。
【0009】
ガイド部材170にはシール部材174が挿入され、保持部材172により固定される。シール部材174は、シャフト部材150をガイドするとともに、蒸発器へ向かう冷媒の通路32と、蒸発器から戻る冷媒の通路34との間の冷媒の漏れをシールする。ガイド部材170はチューブ部材110に対してカシメ加工部K1により固定される。さらに、オリフィス部材180と調整プレート部材266もそれぞれカシメ加工部K,Kにより固定される。
【0010】
カセットユニット100と本体20の内径部との間には、3個のシール部材62,64,66が嵌着され、カセットユニット100の外周部とハウジング10の本体20の内径部との間のシール部を形成する。
【0011】
かかる構成により、蒸発器からコンプレッサ側に送出される冷媒の通路34,36内の低圧冷媒の温度がシャフト部材150及びストッパ部材140を介してガスチャージ室122に伝達され、ガスチャージ室122内に封入された冷媒の圧力が変化し、この圧力変化がダイアフラム130及びシャフト部材150により弁体160に伝達され、上記圧力変化とスプリング164の付勢力及び上記通路34,36内の冷媒圧力の釣り合う位置に弁体160が駆動されて、コンプレッサ側から供給される冷媒の通る通路30から蒸発器に送出される冷媒の量が制御される。
【0012】
カセットユニット100をハウジング10に固着する構造は以下の通りである。
ハウジング10の底部の内径部46には、内ねじ部46aが形成される。そして、調プレート部材266の外周には、外ねじ部266aが形成される。
カセットユニット100の蓋部材120の頭部121は、平面形状が六角形に形成されている。そこで、カセットユニット100をハウジング10内にシール部材とともに挿入し、蓋部材120の頭部121にレンチ等の工具を当接し、調プレート部材266の外ねじ部266aをハウジング10の内ねじ部46aに螺合する。
シール部材62が弾性変形し、カセットユニット100は、ハウジング10に対して確実に固着される。
【0013】
図2は、本発明の他の実施形態を示す説明図である。
この膨張弁のカセットユニット100aは、フランジ部111とチューブ部材110が一体に形成されており、チューブ部材110の下端部117の外周に外ねじ部117aが設けられている。
ハウジング10の底部の内径部46には、内ねじ部46aが設けられている。
【0014】
カセットユニット100aの蓋部材120の頭部121は、平面形状が六角形に形成されている。そこで、カセットユニット100aをハウジング10内にシール部材とともに挿入し、蓋部材120の頭部121にレンチ等の工具を当接し、チューブ部材117の外ねじ部117aをハウジング10の内ねじ部46aに螺合する。
シール部材62が弾性変形し、カセットユニット100aは、ハウジング10に対して確実に固着される。
【0015】
図3は、本発明の更に他の実施の形態を示す説明図である。
この膨張弁のカセットユニット100bは、チューブ部材110の下端部に調整プレート部材266が固着され、調整プレート部材266は外ねじ部266aを有する。
プラグ部材300は、弁本体20の底部に形成される内径部48に挿入される円筒形状のもので、調整プレート部材266へ外ねじ部266aに螺合する内ねじ部310と、六角穴320を有する。プラグ部材300の外周部には、シール部材68が取付けられる。
【0016】
カセットユニット100bを本体20に取付ける手段は、次のとおりである。本体20の内径部にカセットユニット100bを軸方向に挿入する。この際に、チューブ部材110の貫通穴112,114,116が本体20の通路に同致する姿勢でカセットユニット100bを挿入する。
【0017】
次に、本体20の底部の内径部48にプラグ部材300を挿入し、プラグ部材300の内ねじ部310を調整プレート部材266の外ねじ部266aに螺合する。この作業は、六角レンチをプラグ部材300の六角穴320に挿入して行う。
プラグ部材300を閉め込むことにより、カセットユニット100bはハウジング10の本体20の内部に引き込まれ、シール部材62等が弾性変形し、確実な固着が達成される。
【0018】
【発明の効果】
本発明の膨張弁は以上のように、空調装置の各機器を結ぶ配管が取付けられるハウジングと、膨張弁の主要な機器を装備したカセットユニットを別体にして用意し、このカセットユニットをハウジングに対して組付けることで、膨張弁を完成するものである。
ハウジングに対するカセットユニットの固着手段として、ねじ機構を採用して全体の構造の簡素化を図っている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す説明図。
【図2】本発明の他の実施形態を示す説明図。
【図3】本発明の他の実施形態を示す説明図。
【符号の説明】
1 膨張弁
10 ハウジング
20 本体
30,32,34,36 冷媒通路
40,42,44,46 内径部
100 カセットユニット
110 チューブ部材
111 フランジ部
120 蓋部材

Claims (4)

  1. 調装置の各機器に連通される配管が接続される冷媒の通路を有するハウジングと、ハウジングの段付内径部に挿入されるカセットユニットを備えてなる空調装置に装備されて冷媒の流量を制御する膨張弁において、
    前記カセットユニットは、フランジ部と、フランジ部と一体に形成される段付チューブ部材と、チューブ部材の内部に固定されるガイド部材、オリフィス部材及び調整プレート部材と、前記オリフィス部材が前記調整プレート部材との間に形成する弁室内に配備される弁体と、前記調整プレート部材と前記弁体の間に設けられて該弁体を前記オリフィス部材側へ向けて付勢するスプリングと、前記弁体を操作するように前記ガイド部材によりガイドされるシャフト部材と、前記フランジ部に溶接される蓋部材と、蓋部材と前記フランジ部との間に挟まれてガスチャージ室を形成するダイアフラムと、ダイアフラムの変位を前記シャフト部材に伝達するストッパ部材を備えると共に、前記ハウジングの内径部の底部に内ねじ部を、また、前記カセットユニットの前記調整プレート部材の外周部に外ねじ部をそれぞれ設け、前記ハウジング側の内ねじ部に前記カセットユニット側の外ねじ部を螺合させることにより、前記カセットユニットを前記ハウジングに組付けるようにしたことを特徴とする膨張弁。
  2. 調装置の各機器に連通される配管が接続される冷媒の通路を有するハウジングと、ハウジングの段付内径部に挿入されるカセットユニットを備えてなる空調装置に装備されて冷媒の流量を制御する膨張弁において、
    前記カセットユニットは、フランジ部と、フランジ部と一体に形成される段付チューブ部材と、チューブ部材の内部に固定されるガイド部材、オリフィス部材及び調整プレート部材と、前記オリフィス部材が前記調整プレート部材との間に形成する弁室内に配備される弁体と、前記調整プレート部材と前記弁体の間に設けられて該弁体を前記オリフィス部材側へ向けて付勢するスプリングと、前記弁体を操作するように前記ガイド部材によりガイドされるシャフト部材と、前記フランジ部に溶接される蓋部材と、蓋部材と前記フランジ部との間に挟まれてガスチャージ室を形成するダイアフラムと、ダイアフラムの変位を前記シャフト部材に伝達するストッパ部材を備えると共に、前記ハウジングの前記内径部の底部に内ねじ部を、また、前記カセットユニットの前記チューブ部材の下端部の外周部に外ねじ部をそれぞれ設け、前記ハウジング側の内ねじ部に前記カセットユニット側の外ねじ部を螺合させることにより、前記カセットユニットを前記ハウジングに組付けるようにしたことを特徴とする膨張弁。
  3. 前記カセットユニットの前記蓋部材は、平面形状が六角形に形成されていことを特徴とする請求項1又は2に記載の膨張弁。
  4. 調装置の各機器に連通される配管が接続される冷媒の通路を有するハウジングと、ハウジングの段付内径部に挿入されるカセットユニットを備えてなる空調装置に装備されて冷媒の流量を制御する膨張弁において、
    前記カセットユニットは、フランジ部と、フランジ部と一体に形成される段付チューブ部材と、チューブ部材の内部に固定されるガイド部材、オリフィス部材及び調整プレート部材と、前記オリフィス部材が前記調整プレート部材との間に形成する弁室内に配備される弁体と、前記調整プレート部材と前記弁体の間に設けられて該弁体を前記オリフィス部材側へ向けて付勢するスプリングと、前記弁体を操作するように前記ガイド部材によりガイドされるシャフト部材と、前記フランジ部に溶接される蓋部材と、蓋部材と前記フランジ部との間に挟まれてガスチャージ室を形成するダイアフラムと、ダイアフラムの変位を前記シャフト部材に伝達するストッパ部材を備えると共に、前記カセットユニットの前記調整プレート部材の外周部に外ねじ部を、また、前記ハウジングの底部の内径部の定位置において回動自在に装着されたプラグ部材には内ねじ部をそれぞれ設け、前記カセットユニット側の外ねじ部を前記プラグ部材側の内ねじ部に螺合させた上で該プラグ部材を回動させることにより前記カセットユニットを前記ハウジングに組付けるようにしたことを特徴とする膨張弁。
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