JP4057109B2 - 製版装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱孔版印刷装置等に用いられ、感熱性孔版マスタを用いて製版を行う製版装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
感熱性孔版マスタを用いた印刷方式として、従来より、デジタル式感熱孔版印刷が知られている。この印刷では感熱性孔版マスタと呼ばれるマスタが使用され、これは、厚みが1〜8μm程度の薄い熱可塑性樹脂フィルムに多孔質支持体としての和紙や合成繊維、あるいはこれらを混抄したものを貼り合わせたラミネート構造となっている。熱可塑性樹脂フィルムの表面には、サーマルヘッド表面への融着防止及び帯電防止のため、オーバーコート層が設けられている。このようなマスタの一例としては、特開平4−265783号公報に開示されたものがある。
このデジタル式感熱孔版印刷では、マスタのフィルム面をデジタル信号化された原稿画像の画像データに基づいてサーマルヘッド等の発熱部で加熱穿孔して製版した後、これを版胴に巻装して版胴内部よりインキを供給し、プレスローラ等の押圧部材で印刷用紙を版胴に押圧して、版胴開孔部を経てマスタ穿孔部より滲出したインキを印刷用紙に転移させることで印刷が行われている。
【0003】
ところで、上述のような和紙等からなる多孔質支持体を有するマスタでは、不可避的な内部構造のバラツキから、穿孔部を繊維が横切っている場合があり、このような場合には繊維によってインキの通過が阻害され、画像のベタ部に繊維模様が現れる、いわゆる「繊維目」と呼ばれる不具合等が発生する。
また、製版直後の印刷においては、インキが和紙等を通過しなければならないために画像の立ち上がりが悪く、印刷物としての使用価値のない「損紙」の発生を避けられなかった。
【0004】
このため、上記問題の発生原因である和紙等の多孔質支持体の厚みを薄くしたマスタや、多孔質支持体を有しない熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを用いて印刷を行う試みがなされている。
マスタを熱可塑性樹脂フィルムのみから構成した場合には上記多孔質支持体に起因する問題を一掃できるわけであるが、マスタの強度、いわゆる腰力は実質的に多孔質支持体が担っているため、熱可塑性樹脂フィルムのみで構成する場合、マスタの給・排版工程における搬送や版胴への巻装を従来と同様に行うためにはマスタの厚みを厚くする必要がある。
しかしながら、マスタを厚くした場合、穿孔時において穿孔エネルギーのバラツキや変動が生じると、開孔不良や穿孔径のバラツキ等のいわゆる穿孔ムラ現象が発生し易くなるという問題があった。
【0005】
この、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを使用した場合の問題に対処したものとして、例えば特開平8−90746号公報に記載の感熱孔版印刷装置が知られている。
この感熱孔版印刷装置は、感熱性孔版マスタに対する穿孔画像の形成時に、サーマルヘッドの全発熱部(ブロック毎に印字の際には全発熱部/ブロック数)のうち実際に通電される発熱部の割合である「ベタ率」を検知するベタ率検知手段を有しており、ベタ率に対する多段階のしきい値を設け、しきい値に対応する穿孔エネルギーをサーマルヘッドに印加することを特徴としている。
具体的には、ベタ率が高いときは、穿孔不良等をなくすべく、サーマルヘッドに印加する穿孔エネルギーを標準より大きくする、というものである。
換言すれば、サーマルヘッドの各発熱部の共通電極部での電圧降下等の影響を少なくし、ベタ率(印字率)が高い時と低い時での穿孔状態を均一なものにするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
感熱性孔版マスタの穿孔対象素材は上述のように熱可塑性樹脂であり、熱収縮特性の影響は避けられない。また、感熱性孔版マスタに具備されている熱可塑性樹脂フィルムの穿孔の際には画像信号に応じてサーマルヘッドの発熱部を発熱させ、そのジュール熱により熱可塑性樹脂フィルムを穿孔溶融した後、感熱性孔版マスタがプラテンローラとサーマルヘッドに挟まれた状態で搬送される訳であるが、その際に溶融した熱可塑性樹脂フィルムがサーマルヘッド表面に溶着してプラテンローラと感熱性孔版マスタの裏面との摩擦力が不足し、正常な意図した距離を搬送できなくなるスティッキングという問題が発生してしまう。その上述の熱可塑性樹脂フィルムの熱収縮特性及びスティッキングの結果として画像寸法再現性の劣悪化という問題が生じてしまう。
また、上述の熱可塑性樹脂フィルムの熱収縮特性及びスティッキングは、主走査方向での一度に穿孔させる数が多ければ多い程、すなわち1ラインでの印字率が高ければ高い程、搬送に対する負荷が増大してスティッキングも激しくなり、熱可塑性樹脂フィルムの熱収縮もその穿孔させる付近においては激しくなる。また、感熱性孔版マスタの搬送方向(副走査方向)に穿孔させる数が多ければ多い程、スティッキング及び熱可塑性樹脂フィルムの熱収縮も激しくなり、画像全体として画像寸法再現性の劣悪化が発生してしまう。
これが印字率が多角、隣接したドットが穿孔されるベタ画像部分においてはこの問題は顕著に出てしまい、上述のようなことが大きくなると、いわゆる「製版シワ」が発生し、印刷物としての品質が著しく低下してしまう。
【0007】
かかる観点からすれば、上記特開平8−90746号公報に記載の従来技術のように、ベタ率が大きい時に穿孔エネルギーを大きくするという手法では、ジュール熱の多さによってベタ画像部分における穿孔径が大きくなり、あるいは各穿孔間の境界が溶けて連結し、画像寸法再現性をより一層劣悪化させるとともにプラテンローラとマスタ間の摩擦力がより一層不足し、製版シワの発生を助長することになる。
なお、図11に示すように、フィルム穿孔径(感熱性孔版マスタにおける熱可塑性樹脂フィルムの穿孔箇所の径)が大きくなる程、上述した熱収縮及びスティッキングが大きくなるということが知られている。
また、この種の印刷では、印刷用紙の裏面に前の印刷用紙表面のインキが転移して汚れを生じる、いわゆる「裏移り」という現象が問題になるが、穿孔径が大きくなり、あるいは各穿孔間の境界が溶けて連なると、印刷用紙へのインキの過剰転移が生じ、裏移りの原因となる。
【0008】
そこで、本発明は、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを使用する場合においても、画像のベタ率に関係なく画像寸法再現性が良好で、製版シワの発生を極力抑制できるとともに裏移りの問題も解消でき、印刷物の品質向上に寄与できる製版装置の提供を、その目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述のように、本発明は、マスタ収縮及びスティッキングの増加による製版シワの発生がもたらす印刷物の品質への影響の大きさを最重要視し、その解決を図ったものである。
具体的には、請求項1記載の発明では、主走査方向に配列された多数の発熱部を具備したサーマルヘッドに、少なくとも熱可塑性樹脂フィルムを有する感熱性孔版マスタを押圧して接触させるとともに、主走査方向と直交する副走査方向に相対的に移動させて上記発熱部の加熱により上記感熱性孔版マスタに原稿画像の画像データに応じたドット状の製版画像を形成する製版装置において、原稿画像のベタ状態を認識をする製版画像認識手段と、該製版画像認識手段で認識したベタ状態が多い場合に上記サーマルヘッドに具備されている発熱部に印加する穿孔エネルギーを少なく調整する製版画像状態別穿孔エネルギー調整手段を有し、上記製版画像認識手段によるベタ状態の認識が、上記画像データから把握される所定ドット数のマトリクス内の印字度合いに基づいてなされる、という構成を採っている。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の構成において、上記製版画像状態別穿孔エネルギー調整手段が、上記穿孔エネルギーをその環境での標準穿孔エネルギーに対して少なく調整する、という構成を採っている。
請求項3記載の発明では、請求項1記載の構成において、上記製版画像状態別穿孔エネルギー調整手段が、上記穿孔エネルギーをその環境での熱履歴制御、コモンドロップ制御を含めた標準穿孔エネルギーに対して少なく調整する、という構成を採っている。
【0010】
請求項4記載の発明では、請求項1乃至3のうちの何れかに記載の構成において、上記サーマルヘッドの温度を検出するサーマルヘッド温度検出手段と、該サーマルヘッド温度検出手段が検出したサーマルヘッド温度に応じて、上記サーマルヘッドへの穿孔エネルギーを所定のエネルギーに調整するサーマルヘッド温度別穿孔エネルギー調整手段を有している、という構成を採っている。
【0011】
請求項5記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れかに記載の製版装置において、上記サーマルヘッドの発熱部の主走査方向の寸法が、主走査方向における発熱部ピッチの30〜95%の範囲にあり、且つ、上記発熱部の副走査方向の寸法が、上記感熱性孔版マスタの副走査方向送りピッチの30〜95%の範囲にある、という構成を採っている。
【0012】
請求項6記載の発明では、請求項1乃至5のうちの何れかに記載の製版装置において、上記サーマルヘッドのグレーズ層の厚みが60μm以下である、という構成を採っている。
【0013】
請求項7記載の発明では、請求項1乃至6のうちの何れかに記載の製版装置において、上記感熱性孔版マスタが実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみから成る、という構成を採っている。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
まず、本発明に係る製版装置を適用した感熱孔版印刷装置の全体構成とその印刷プロセスを、図2に基づいて簡単に説明する。
【0017】
符号50は、装置本体キャビネットを示す。装置本体キャビネット50の上部にある、符号80で示す部分は原稿読取部を構成し、その下方の符号90で示す部分は本発明に係る製版装置、その左側に符号100で示す部分は多孔性の印刷ドラム101が配置された印刷ドラム部、その左の符号70で示す部分は排版部、製版装置90の下方の符号110で示す部分は給紙部、印刷ドラム101の下方の符号120で示す部分は印圧部、装置本体キャビネット50の左下方の符号130で示す部分は排紙部を、それぞれ示している。
【0018】
次に、この感熱孔版印刷装置の動作についてその細部構成を含めて以下に説明する。
【0019】
先ず、原稿読取部80の上部に配置された原稿載置台(図示せず)に、印刷すべき画像を持った原稿60を載置し、図示しない製版スタートキーを押す。この製版スタートキーの押圧に伴い、先ず排版工程が実行される。すなわち、この状態においては、印刷ドラム部100の印刷ドラム101の外周面に前回の印刷で使用された使用済感熱性孔版マスタ61bが装着されたまま残っている。
【0020】
先ず、印刷ドラム101が反時計回り方向に回転し、印刷ドラム101外周面の使用済感熱性孔版マスタ61bの後端部が排版剥離ローラ対71a,71bに近づくと、同ローラ対71a,71bは回転しつつ一方の排版剥離ローラ71bで使用済感熱性孔版マスタ61bの後端部をすくい上げ、排版剥離ローラ対71a,71bの左方に配設された排版コロ対73a,73bと排版剥離ローラ対71a,71bとの間に掛け渡された排版搬送ベルト対72a,72bで矢印Y1方向へ搬送されつつ排版ボックス74内へ排出され、使用済感熱性孔版マスタ61bが印刷ドラム101の外周面から引き剥がされ排版工程が終了する。このとき印刷ドラム101は反時計回り方向への回転を続けている。剥離排出された使用済感熱性孔版マスタ61bは、その後、圧縮板75により排版ボックス74の内部で圧縮される。
【0021】
排版工程と並行して、原稿読取部80では原稿読取が行われる。すなわち、図示しない原稿載置台に載置された原稿60は、分離ローラ81、前原稿搬送ローラ対82a,82b及び後原稿搬送ローラ対83a,83bのそれぞれの回転により矢印Y2からY3方向に搬送されつつ露光読み取りに供される。このとき、原稿60が多数枚あるときは、分離ブレード84の作用でその最下部の原稿のみが搬送される。なお、後原稿搬送ローラ83aは原稿搬送ローラ用モータ83Aによって回転駆動されると共に、前原稿搬送ローラ82aは搬送ローラ83aと82aとの間に掛け渡されたタイミングベルト(図示せず)を介して回転駆動され、ローラ82b,83bはそれぞれ従動回転する。原稿60の画像読み取りは、コンタクトガラス85上を搬送されつつ、蛍光灯86により照明された原稿60の表面からの反射光を、ミラー87で反射させレンズ88を通して、CCD(光電変換素子)等から成る画像センサ89に入射させることにより行われる。すなわち、原稿60の読み取りは、公知の「縮小式の原稿読取方式」で行われ、その画像が読み取られた原稿60は原稿トレイ80A上に排出される。画像センサ89で光電変換された電気信号は、装置本体キャビネット50内のアナログ/デジタル(A/D)変換部20(図1)に入力されデジタル画像信号に変換される。
【0022】
一方、この画像読み取り動作と並行して、デジタル信号化された画像情報に基づき製版及び給版工程が行われる。すなわち、製版装置90の所定部位にセットされた感熱性孔版マスタ61は、ロール状に巻かれたロール状態から引き出され、サーマルヘッド30に感熱性孔版マスタ61を押圧しているプラテンローラ92、及び送りローラ対93a,93bの回転により、間欠的に搬送路の下流側に搬送される。このように搬送される感熱性孔版マスタ61に対して、サーマルヘッド30の主走査方向に一列に配列された多数の微小な発熱部が、上記A/D変換部20から送られてくるデジタル画像信号に応じて各々選択的に発熱し、発熱した発熱部に接触している感熱性孔版マスタ61の熱可塑性樹脂フィルムが溶融穿孔される。このように、画像情報に応じた感熱性孔版マスタ61の位置選択的な溶融穿孔により、画像情報が穿孔パターンとして書き込まれる。
【0023】
画像情報が書き込まれた製版済感熱性孔版マスタ61aの先端は、給版ローラ対94a,94bにより印刷ドラム101の外周部側へ向かって送り出され、図示しないガイド部材により進行方向を下方へ変えられ、図示する給版位置状態にある印刷ドラム101の拡開したマスタークランパ102(仮想線で示す)へ向かって垂れ下がる。このとき印刷ドラム101は、排版工程により使用済感熱性孔版マスタ61bを既に除去されている。
【0024】
そして、製版済感熱性孔版マスタ61aの先端が、一定のタイミングでマスタークランパ102によりクランプされると、印刷ドラム101は図中A方向(時計回り方向)に回転しつつ外周面に製版済感熱性孔版マスタ61aを徐々に巻きつけていく。製版済感熱性孔版マスタ61aの後端部は、製版完了後にカッタ95により一定の長さに切断される。
【0025】
一版の製版済感熱性孔版マスタ61aが印刷ドラム101の外周面に巻装されると製版及び給版工程が終了し、印刷工程が開始される。先ず、給紙台51上に積載された印刷用紙62の内の最上位の1枚が、給紙コロ111及び分離コロ対112a,112bによりフィードローラ対113a,113bに向けて矢印Y4方向に送り出され、さらにフィードローラ対113a,113bにより印刷ドラム101の回転と同期した所定のタイミングで印圧部120に送られる。送り出された印刷用紙62が、印刷ドラム101とプレスローラ103との間にくると、印刷ドラム101の外周面下方に離間していたプレスローラ103が上方に移動されることにより、印刷ドラム101の外周面に巻装された製版済感熱性孔版マスタ61aに押圧される。こうして、印刷ドラム101の多孔部及び製版済感熱性孔版マスタ61aの穿孔パターン部(共に図示せず)からインキが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙62の表面に転移されて、印刷画像としてのインキ画像が形成される。
【0026】
このとき、印刷ドラム101の内周側では、インキ供給管104からインキローラ105とドクターローラ106との間に形成されたインキ溜り107にインキが供給され、印刷ドラム101の回転方向と同一方向に、かつ、印刷ドラム101の回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ105により、インキが印刷ドラム101の内周側に供給される。なお、インキはW/O型のエマルジョンインキである。
【0027】
印圧部120において印刷画像が形成された印刷用紙62は、排紙剥離爪114により印刷ドラム101から剥がされ、吸着用ファン118に吸引されつつ、吸着排紙入口ローラ115及び吸着排紙出口ローラ116に掛け渡された搬送ベルト117の反時計回り方向の回転により、矢印Y5のように排紙部130へ向かって搬送され、排紙台52上に順次排出積載される。このようにしていわゆる試し刷りが終了する。
【0028】
次に、図示しないテンキーで印刷枚数をセットし、図示しない印刷スタートキーを押下すると上記試し刷りと同様の工程で、給紙、印刷及び排紙の各工程がセットした印刷枚数分繰り返して行われ、孔版印刷の全工程が終了する。
【0029】
次に、製版装置90を制御ブロック図である図1に基づいて詳細に説明する。図1に示すように、給版機能を有する製版装置90は、製版画像認識手段と製版画像状態別穿孔エネルギー調整手段を含む製版部24を有している。A/D変換部20でデジタル信号化された画像信号は画像処理部22に入力され、画像処理部22で画像処理された画像信号は、製版部24へと入力される。なお、製版部24へ入力される画像信号はCCDで読み取ったものでなく密着センサ等からのものでも構わない。
【0030】
製版部24へ入力された画像信号は、既に公知である熱履歴制御やコモンドロップ補正制御、及びサーマルヘッド30への各種信号制御に使用される。
製版画像認識手段は、製版部24へ入力された画像信号に基づいて、サーマルヘッド30に具備されているライン上の発熱部への書き込み印字数(ドット数)をカウントする。その印字数カウントデータは、一度マイクロプロセッサ26に入力される。ROM28には、予め実験等で求めた印字数と最適な発熱部への通電パルス幅との関係データ(表1)が記憶されており、マイクロプロセッサ26は製版画像認識手段によって認識された印字数をROM28から抽出した上記データに適用してサーマルヘッド30の発熱部への通電パルス幅を決定する。
製版画像状態別穿孔エネルギー調整手段は、決定された通電パルス幅に基づいてサーマルヘッド30へ穿孔エネルギーを供給する。ここで、マイクロプロセッサ26及びROM28は、製版画像状態別穿孔エネルギー調整手段の一部として機能するものである。
【0031】
【表1】
【0032】
本実施例においては、表1に示すように、印字数を16段階のしきい値に分割し、通電パルス幅を可変するようになっている。本実施例で使用するサーマルヘッド30の発熱部総数は4608で、これを二分割で駆動している。従って、これを16段階のしきい値で処理しているので、1段階当たりのドット数は、2304dot/16段階=144である。
表1において、標準パルス幅というのは、その環境(サーマルヘッド30の温度等)での標準パルス幅であり、Tp1等はその標準パルス幅からの減算値で、各々の値はTp1<Tp2<・・・<Tp15<Tp16の関係となっている。
なお、この減算値は、Tp1>Tp2・・・>Tp15>Tp16の関係になる場合もある。このように不等号の向きが異なるのは、サーマルヘッド30の共通電極の抵抗値によるコモンドロップの影響度の差等によるものである。
すなわち、しきい値16のときのようにベタ部が多い場合には、フィルムの穿孔を小さくする必要があり、また、しきい値1のときのようにベタ部が少ない場合にはフィルムの穿孔を大きくする必要がある。このため、上述したように、減算値Tpに関する不等号の向きが異なるいずれの場合(共通電極部でのロス(電圧効果)の大小により決められる)においても、ベタ部が多い場合にはサーマルヘッドに具備されている発熱部自体への実印加エネルギー(実穿孔エネルギー)を小さくし、また、ベタ部が少ない場合には同発熱部自体への実印加エネルギー(実穿孔エネルギー)を大きくしている。
【0033】
ベタ部が多くなるにつれマスタ収縮及びスティッキングが激しくなることから、べた部の多さに対応して通電パルス幅を調整し、すなわち発熱部へ供給する穿孔エネルギーを、その環境での標準パルス幅に基づく標準穿孔エネルギーに対して少なく調整している。具体的には、図3に示すように、通常の通電パルス幅16Aより短い通電パルス幅16Bとしている。また、既に公知である熱履歴制御及びコモンドロップ補正制御として、第2通電パルス幅17Bは第1通電パルス幅16Bの40〜95%に設定している。図3中、符号17Aは、通常の通電パルス幅16Aに対する熱履歴制御及びコモンドロップ補正制御としての第2通電パルス幅を示す。
なお、当然ではあるが、各通電パルス幅は、感熱性孔版マスタ61への穿孔状態が未穿孔にならなく、且つ印刷した際にベタ部が正確に埋まるレベル内に設定されている。
【0034】
このように、ベタ画像の多さに対応して通電パルス幅を調整し、サーマルヘッド30に具備されている発熱部への穿孔エネルギーの供給を少なくすることにより、図4(a)に示すように、ベタ部において各穿孔箇所hが独立した微細な穿孔状態を得ることができる。通常の通電パルス幅による穿孔状態は、図4(b)に示すように、各穿孔箇所hが繋がった穿孔状態となる。
各穿孔箇所hが独立し尚かつ微細な穿孔状態が得られることによって、ベタ部での感熱性孔版マスタ61とプラテンローラ92との間の摩擦力の不足を抑制することができ、これによって製版シワを極力少なくすることができるとともに、画像寸法再現性を良好にすることができる。
また、穿孔箇所hの独立化、微細化によって、印刷用紙へのインキの転移量も抑制されるので、裏移りの問題も同時に解消される。
【0035】
本実施例においては、サーマルヘッド30は平面型のものを使用しており、発熱部は矩形型としている。サーマルヘッド30としては他に、部分グレーズ型、端面型でも良く、また、発熱部としては熱集中型でもよい。
図5に示すように、発熱部32の寸法としては、発熱部32における主走査方向の寸法xを、主走査方向における発熱部32のピッチp(本実施例では63.5μm)以下とし、且つ、発熱部32の副走査方向の寸法yを発熱部32のピッチp以下とすれば、感熱性孔版マスタ61の穿孔箇所の微細化及び独立化が可能である。
【0036】
発熱部32における主走査方向の寸法xを主走査方向における発熱部32間のピッチpの95%以下とし、且つ、副走査方向の寸法yを感熱性孔版マスタ61の副走査方向送りピッチの95%以下とすれば、穿孔箇所の微細化及び独立化が一層良好となる。
さらに、発熱部32における主走査方向の寸法xを主走査方向における発熱部32のピッチpの30〜95%の範囲とし、且つ、副走査方向の寸法yを感熱性孔版マスタ61の副走査方向送りピッチの30〜95%の範囲とすれば、穿孔箇所の微細化及び独立化が一層良好となり、上述したマスタ収縮や裏移りの問題に対して特に効果的である。
【0037】
発熱部32における主走査方向の寸法xが主走査方向における発熱部32のピッチpの30%未満であり、又は、発熱部32における副走査方向の寸法yがマスタの副走査方向送りピッチの30%未満であると、穿孔径が小さすぎたり、あるいは穿孔不良等が生じ、印刷画像におけるベタ埋まりの劣悪化を来す。
また、発熱部32における主走査方向の寸法xが主走査方向における発熱部32のピッチpの95%を越え、、又は、発熱部32における副走査方向の寸法yがマスタの副走査方向送りピッチの95%を越えると、穿孔径が大きすぎて穿孔箇所の独立が得られにくく、画像寸法再現性の劣悪化を来したり、印刷用紙へのインキの転移量増大で裏移り現象を招く。
かかる観点から、本実施例では発熱部32の主走査方向の寸法xを20μm(31%)、副走査方向の寸法yを30μm(47%)としている。
【0038】
図6は本実施例におけるサーマルヘッド30の発熱部32の周辺の断面図である。
図6において、符号33は保護膜層、34はアルミ電極、35は発熱抵抗層、36はグレーズ層、37はセラミック基板、38はアルミ放熱板をそれぞれ示している。
サーマルヘッドを使用した公知のファクシミリ等では、サーマルヘッドの発熱部で発生する熱が下に逃げないように、グレーズ層36を断熱層として使用し、その厚さは65μm程度もしくはそれ以上としている。
これに対し、本実施例においては、逆にグレーズ層36での蓄熱作用を低減するために、60μm以下、好ましくは20〜60μmとの認識に立ち、グレーズ層36の厚みを40μmに設定している。上述の微細で独立した穿孔状態を得るには、グレーズ層36の薄層化が非常に有効であるからである。
【0039】
上記実施例では製版画像認識手段で認識した印字数を16段階のしきい値で処理しているが、必ずしも16段階にしなくても構わない。また、サーマルヘッド30を2分割に分割して駆動しているため、各分割ブロックごとに印字数をカウウントして認識し、穿孔エネルギーの調整をしているが、分割駆動をしている際にも、分割ブロックごとに認識しないでトータル的に主走査方向に並んでいる発熱部での印字数をカウントして認識しても構わない。
また、上記実施例では印字数のカウントで認識しているが、印字数及び前ライン以前の状態(例えば、ブロック分けする前の100〜1ライン、200〜101ライン等)を認識して各重み付けを行い処理してもよく、あるいは、印字数ではなく、製版させようとするラインにおいてどの位隣接した黒、すなわちドットがあるかを認識して処理してもよい。
また、発熱部の全数に対する実際に通電される発熱部数の割合、すなわち印字率に基づいて原稿画像のベタ状態を認識するようにしてもよい(参考例)。この場合、しきい値は印字率0〜100パーセントを例えば16段階とすることになる。
【0040】
また、本実施例では、製版部24に入力された画像信号(画像データ)において、例えば48×48ドットのマトリクスを組み、このマトリクス内で穿孔箇所が全部ある場合にはベタ状態として認識し、そのベタ状態が主走査方向及び副走査方向にどの程度存在するのか、またどの程度ベタ状態が隣接しているのかを把握してサーマルヘッド30への穿孔エネルギーを調整するものである。
本実施例では上記実施例と同様に、マトリクス数に16段階のしきい値を設け、通電パルス幅を可変している(表2)。
【0041】
【表2】
【0042】
本実施例で使用するサーマルヘッド30の発熱部総数は4608で、これを二分割で駆動している。従って、これを16段階のしきい値で処理しているので、1段階当たりのドット数は、2304dot/16段階=144である。マトリクスとしては48ドットであるので、144/48ドット=3マトリクス、すなわち、48×48ドットのマトリクスが3つ隣接した場合が1段階の上限である。
表2において、標準パルス幅というのは、その環境(サーマルヘッド30の温度等)での標準パルス幅であり、Tp1等はその標準パルス幅からの減算値で、各々の値はTp1<Tp2<・・・<Tp15<Tp16の関係となっている。
なお、この減算値は、Tp1>Tp2・・・>Tp15>Tp16の関係になる場合もある。このように不等号の向きが異なるのは、サーマルヘッド30の共通電極の抵抗値によるコモンドロップの影響度の差等によるものである。
すなわち、しきい値16のときのようにベタ部が多い場合には、フィルムの穿孔を小さくする必要があり、また、しきい値1のときのようにベタ部が少ない場合にはフィルムの穿孔を大きくする必要がある。このため、上述したように、減算値Tpに関する不等号の向きが異なるいずれの場合(共通電極部でのロス(電圧効果)の大小により決められる)においても、ベタ部が多い場合にはサーマルヘッドに具備されている発熱部自体への実印加エネルギー(実穿孔エネルギー)を小さくし、また、ベタ部が少ない場合には同発熱部自体への実印加エネルギー(実穿孔エネルギー)を大きくしている。
【0043】
ところで、最初の実施例のように、製版させようとするラインの印字数又は印字率のみで処理すると、例えば印字率50%との認識で、図7(a)に示すベタ画像10や、図8(a)に示すストライプ画像12が共に存在し得る。ベタ画像10の場合にはミクロ的に見ると、図7(b)に示すように穿孔箇所hが隣接した穿孔状態となっており、ストライプ画像12の場合にはミクロ的に見ると、図8(b)に示すように穿孔箇所hが1ドット間隔に存在する穿孔状態となっている。判り易い例を挙げて説明すると、例えば10ドット印字できるサーマルヘッドがあるとした場合に、連続して5ドット穿孔しているものと、1ドット間隔で5ドット穿孔しているものとの違いであり、共に5/10ドットで50%の印字率になるというものである。
マスタ収縮及びスティッキングというのは、ベタ画像10のような隣接したドットで穿孔されているときに激しくなるものであり、このような場合には図9に示すように、製版シワ10aが生じる。
ストライプ画像12のような穿孔状態では実際にはマスタ収縮及びスティッキングは発生せず、発生したとしても使用上問題にならないレベルである。このような穿孔状態においても印字率50%の認識がされた以上、ベタ画像10と同様の通電パルス幅を調整する制御が行われることになる。この場合、隣接ドットの影響が少なく、穿孔箇所の径が小さくなり過ぎ、最悪の場合には未穿孔状態となり、印刷物の品質が著しく低下することになる。
【0044】
このように、印字数や印字率のみで処理すると上記懸念があるが、マトリクスを組んで処理する方式ではベタ画像の認識を正確に行うことができ、穿孔箇所の径を小さくし過ぎることなく、最適な印刷画像を得ることができる。
【0045】
次に、他の実施例を説明する。
本実施例では、上記実施例の制御構成に加えてサーマルヘッド温度検出手段と、該サーマルヘッド温度検出手段が検出したサーマルヘッド温度に応じて、上記サーマルヘッドへの穿孔エネルギーを所定のエネルギーに調整するサーマルヘッド温度別穿孔エネルギー調整手段を有している。
本実施例におけるサーマルヘッド温度検出手段は、図10に示すサーミスタ15であり、サーマルヘッド温度別穿孔エネルギー調整手段は図1におけるマイクロプロセッサ26である。図10において、符号16は導膜部すなわち発熱部収容部、13はアルミ放熱支持板、14はサーマルヘッド基板をそれぞれ示す。
【0046】
サーマルヘッド30の温度検出箇所は、発熱部の表面部分、例えば電極で囲まれた発熱部中央の表面部分に近い部位であることが望ましいが、現時点における技術ではその部分での検出は不可能に近いので、ここではサーマルヘッド基板14上で温度検出を行うようにしている。なお、サーミスタ15の配置箇所は、サーマルヘッド基板14上に限らず、アルミ放熱支持板13の内部に設けてもよい。
サーミスタ15で検出された温度は、図1に示す製版部24を介してサーマルヘッド温度別穿孔エネルギー調整手段としてのマイクロプロセッサ26に取り込まれる。ROM28には予め実験等によって得られた温度と通電パルス幅との最適な関係データが記憶されており、マイクロプロセッサ26はこのデータを抽出して取り込まれた温度を適用し、最適な通電パルス幅を決定する。そして、該通電パルス幅にてサーマルヘッド30へ穿孔エネルギーを供給する。
既に公知である熱履歴制御及びコモンドロップ補正制御は上記実施例と同様に図3で示したように行われる。
【0047】
本実施例における製版装置は、印字率やマトリクスで認識して穿孔エネルギーを調整する構成と、サーマルヘッド30の温度に応じて穿孔エネルギーを調整する構成を同時に備えるものである。このように、サーマルヘッド30の温度に応じて穿孔エネルギーを調整する構成を付加することにより、より実際の状況に応じた穿孔エネルギーの適正な調整をすることができる。
【0048】
なお、上記各実施例では穿孔エネルギーの調整を通電パルス幅を変えることによって行ったが、サーマルヘッド30の個々の発熱部に流す電流値もしくは発熱部に印加する電圧値の変化によって調整してもよい。
また、感熱性孔版マスタ61としては、和紙等の多孔質支持体を可能な限り薄くしたものを含む、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものとしてもよい。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、原稿画像のベタ状態を認識し、ベタ画像が多い場合にはサーマルヘッドに具備されている発熱部に印加する穿孔エネルギーの供給量を少なく調整するようにしたので、ベタ画像部分の穿孔箇所を独立して且つ微細なものとすることができ、これによってマスタ収縮及びスティッキングの抑制、製版シワ発生の防止を図ることができるとともに良好な画像寸法の再現性を得ることができる。
また、同時に、穿孔箇所の小径化ができることにより、印刷用紙へのインキの過剰転移を抑制でき、裏移りを防止できる。
【0050】
本発明によればベタ状態の認識を、画像信号に基づいたマトリクスで行うこととしたので、ベタ状態の認識精度を向上させることができる。
【0051】
本発明によれば、原稿画像のベタ状態を認識してサーマルヘッドに具備された発熱部に印加する穿孔エネルギーの供給量を調整する制御と、サーマルヘッドの温度を検出してこれに応じて調整する制御とを併せ持つ構成としたので、実際の状況に応じた供給エネルギーの適正な調整をすることができる。
【0052】
本発明によれば、サーマルヘッドの発熱部の寸法を実際的に有効な範囲に規定したので、穿孔箇所の独立化・微細化の精度を一層向上させることができる。
【0053】
本発明によれば、サーマルヘッドのグレーズ層の厚みを薄めに限定したので、グレーズ層での蓄熱による穿孔状態への弊害を抑制できる。
【0054】
本発明によれば、感熱性孔版マスタを実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみから成る構成としたので、いわゆる繊維目現象を生じることなく上記基本的効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における製版装置の制御構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る製版装置を適用した感熱孔版印刷装置の全体概要図である。
【図3】通常の通電パルス幅と、製版画像状態別穿孔エネルギー調整手段によって調整された通電パルス幅との関係を示す図である。
【図4】ベタ部の穿孔状態を示す図で、(a)は製版画像状態別穿孔エネルギー調整手段によって調整された通電パルス幅によるもの、(b)は通常の通電パルス幅によるものである。
【図5】サーマルヘッドの発熱部の平面図である。
【図6】サーマルヘッドの要部断面図である。
【図7】穿孔画像を示す図で、(a)はベタ部、(b)はその穿孔箇所の顕微鏡レベルでの拡大図である。
【図8】穿孔画像を示す図で、(a)はストライプ画像、(b)はその穿孔箇所の顕微鏡レベルでの拡大図である。
【図9】ベタ画像で製版シワが発生した状態を示す図である。
【図10】サーマルヘッドの温度を検出するサーミスタの配置箇所を示す側面図である。
【図11】フィルム穿孔径とマスタ収縮率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
15 温度検出手段としてのサーミスタ
24 製版画像認識手段及び製版画像状態別穿孔エネルギー調整手段を含む製版部
26 サーマルヘッド温度別穿孔エネルギー調整手段
36 グレーズ層
61 感熱性孔版マスタ
Claims (7)
- 主走査方向に配列された多数の発熱部を具備したサーマルヘッドに、少なくとも熱可塑性樹脂フィルムを有する感熱性孔版マスタを押圧して接触させるとともに、主走査方向と直交する副走査方向に相対的に移動させて上記発熱部の加熱により上記感熱性孔版マスタに原稿画像の画像データに応じたドット状の製版画像を形成する製版装置において、
原稿画像のベタ状態を認識をする製版画像認識手段と、該製版画像認識手段で認識したベタ状態が多い場合に上記サーマルヘッドに具備されている発熱部に印加する穿孔エネルギーを少なく調整する製版画像状態別穿孔エネルギー調整手段を有し、上記製版画像認識手段によるベタ状態の認識が、上記画像データから把握される所定ドット数のマトリクス内の印字度合いに基づいてなされることを特徴とする製版装置。 - 請求項1記載の製版装置において、
上記製版画像状態別穿孔エネルギー調整手段が、上記穿孔エネルギーをその環境での標準穿孔エネルギーに対して少なく調整することを特徴とする製版装置。 - 請求項1記載の製版装置において、
上記製版画像状態別穿孔エネルギー調整手段が、上記穿孔エネルギーをその環境での熱履歴制御、コモンドロップ制御を含めた標準穿孔エネルギーに対して少なく調整することを特徴とする製版装置。 - 請求項1乃至3のうちの何れかに記載の製版装置において、
上記サーマルヘッドの温度を検出するサーマルヘッド温度検出手段と、該サーマルヘッド温度検出手段が検出したサーマルヘッド温度に応じて、上記サーマルヘッドへの穿孔エネルギーを所定のエネルギーに調整するサーマルヘッド温度別穿孔エネルギー調整手段を有していることを特徴とする製版装置。 - 請求項1乃至4のうちの何れかに記載の製版装置において、
上記サーマルヘッドの発熱部の主走査方向の寸法が、主走査方向における発熱部ピッチの30〜95%の範囲にあり、且つ、上記発熱部の副走査方向の寸法が、上記感熱性孔版マスタの副走査方向送りピッチの30〜95%の範囲にあることを特徴とする製版装置。 - 請求項1乃至5のうちの何れかに記載の製版装置において、
上記サーマルヘッドのグレーズ層の厚みが60μm以下であることを特徴とする製版装置。 - 請求項1乃至6のうちの何れかに記載の製版装置において、
上記感熱性孔版マスタが実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみから成ることを特徴とする製版装置。
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