以下、添付図面を参照して本発明の望ましい実施の形態を詳細に説明する。
以下の実施の形態では、携帯型の情報処理装置を例に説明するが、本発明は他の装置を除くものではない。情報処理装置以外の電子機器も本発明に含まれる。又、電子機器のみならず、電子的な回路等を有さない他の装置にも本発明は適用でき、本発明はそれらを包含するが、本発明の構成を、携帯型の情報処理装置に適用した場合を例に説明する。
図1乃至図3の各々は本発明による情報処理装置の実施形態を示す斜視図である。この装置は、ラップトップ型、ノートブック型、その他の携帯型の情報処理装置(パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等)であり得る。この装置は、装置本体(第2の部材に対応)2と、カバー(第1の部材に対応)4と、装置本体2及びカバー4を連結する連結部材又は連結部6とを備えている。
装置本体2は、装置本体2の上面2A及び下面2Bをそれぞれ提供するための上ハウジング8及び下ハウジング10を含む。上ハウジング8には、データの入力等に供されるキーボードユニット12が設けられている。即ち、装置本体2はその上面2Aにキーボードユニット12を有している。キーボードユニット12はこの装置の入力部又は入力装置を構成する。
尚、“上”及び“下”の語は、図1に示される装置の状態に従って定義される。
カバー4は、カバー4の上面4A及び下面4Bをそれぞれ提供するための上ハウジング14及び下ハウジング16を含む。カバー4の下ハウジング16には、表示及びスタイラス入力に供される表示ユニット18が設けられている。即ち、カバー4は、その下面4Bに表示ユニット18を有している。表示ユニット18は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)パネルと、LCDパネル上に設けられる透明なタッチパネルとを有している。また、スタイラスからの磁気を検出する電磁誘導方式のデジタイザを使用するタッチパネルもある。このデジタイザは、LCDの下に配置され、スタイラスがLCDに触れた際に磁気を発し、その磁気をLCDの下に設けられたデジタイザが検出し、ディスプレイ上でポイント又は入力をするものである。表示ユニット18はこの装置の表示部、表示装置又はタッチ入力装置を構成する。
カバー4が装置本体2に対して閉じた状態を解除可能に維持するために、カバー4はフック機構20を有している。装置本体2及びカバー4の各々は概ね四角平板状であり、フック機構20はカバー4の連結部材6とは反対の側の縁部に位置している。フック機構20の位置をそのように設定しているのは、カバー4が装置本体2に対して閉じた状態を維持するためにフック機構20に作用する力を最小限に抑えるためである。フック機構20の構成及び動作の詳細については後述する。
この実施形態では、図4に良く示されるように、連結部材6は、各々カバー4を装置本体2に対して回転可能に支持するための互いに平行な2つの軸22及び24を有するように、簡単に構成され得る。具体的には、軸22により連結部材6が装置本体2に対して概ね180°の範囲内で回転可能であり、軸24によりカバー4は連結部材6に対して概ね180°の範囲内で回転可能である。その結果、カバー4は装置本体2に対して概ね360°の範囲で回転可能である。軸22及び24の各々は、カバー4及び装置本体2を回転可能に支持している。
このような連結部材6の採用により、図1に示されるようにカバー4の下面4Bが装置本体2に対向してカバー4が装置本体2に対して閉じた状態である第1の状態と、図3に示されるようにカバー4の上面4Aが装置本体2に対向してカバー4が装置本体2に対して閉じた状態である第2の状態との間で、装置本体2及びカバー4が相対的に変位することができる。
図1に示される第1の状態では、カバー4の下面4Bが装置本体2の上面2Aに対向し、図3に示される第2の状態では、カバー4の上面4Aが装置本体2の下面2Bに対向する。
従って、第1の状態では、キーボードユニット12及び表示ユニット18は装置本体2及びカバー4間に閉じ込められるので、キーボードユニット12及び表示ユニット18の保護が可能になる。
また、第2の状態では、キーボードユニット12及び表示ユニット18がこの装置の外に向くので、例えば装置本体2を下にしてこの装置を手に持ちあるいは机の上に載置することによって、表示ユニット18は上を向くことになり、表示ユニット18を見ながらのスタイラスによる入力が容易である。
更に、装置本体2及びカバー4の各々と連結部材6との間の回転運動に対して適切な摩擦を与えることによって、図2に示されるように、第1及び第2の状態の間でカバー4を装置本体2に対して開いた状態でこれらを維持することができるので、表示ユニット18を見ながらのキーボードユニット12による入力が容易になる。図2に示される状態で、表示ユニット18を用いてスタイラスによる入力を行っても良い。
図示はしないが、図1に示される第1の状態からカバー4を概ね180°回転させて、キーボードユニット12及び表示ユニット18が上を向いた状態でこの装置を使用してもよい。
図5の(A)及び(B)はフック機構の第1実施形態を示す断面図、図6はフック機構の第1実施形態の主要部を示す分解斜視図である。具体的には、図5の(A)には図1における5A−5A線に沿ったフック機構20の断面が示されており、図5の(B)には図3における5B−5B線に沿ったフック機構20の断面が示されており、図6にはフック機構20の主要部が示されている。
図6に良く示されるように、フック機構20は、スライダ26と、スライダ26に対して概ね90°の範囲で回転可能に設けられる係合部としてのフック部材28とを含む。スライダ26は、その上部及び底部が開放された箱型のフレーム30と、フレーム30の長手方向の両端から互いに反対の向きにそれぞれ突出する比較的短いスライディングシャフト32及び比較的長いスライディングシャフト34とを有している。フレーム30の一方の側部にはスライドボタン36が設けられている。
フック部材28は、概ね直交するように配置される第1の係合部材としての第1の爪部38及び第2の係合部材としての第2の爪部40を有している。爪部38及び40は実質的に互いに鏡像の関係にある。フック部材28は、更に、フック部材28の回転中心となるシャフト42と、シャフト42の近傍に形成される突起46とを有している。
フック部材28は、その一方の側でシャフト42を囲むようにスプリング44を装着され、シャフト42の両端をフレーム30に形成された一対の穴30A及び30Bに挿入することで、スライダ26に装着される。スプリング44は付勢部又は付勢部材を構成する。
フレーム30の内側には、フック部材28の回転可能な範囲を概ね90°に制限するためのストッパ48が形成されている。スプリング44の一端44Aはフック部材28の突起46に当接しており、スプリング44の他端44Bは、フレーム30の内側に形成された図示しない段差に当接している。スプリング44は、その一端44A及び他端44Bのなす角度を大きくしようとする弾性復元力によって、第1の爪部38の背中がストッパ48に当接する方向にフック部材28を付勢している。
長い方のスライディングシャフト34にはコイルスプリング50が装着される。
図5の(A)に良く示されるように、カバー4の下ハウジング16には、カバー4内に突出する2つのスライダ受け部52及び54が形成されている。スライダ26のスライディングシャフト32及び34は、それぞれ、スライダ受け部52及び54によりスライド可能に支持されている。従って、スライダ26は、カバー4内でスライド可能である。コイルスプリング50は、スライダ受け部54とスライダ26のフレーム30との間に介在しており、従って、コイルスプリング50は、スライダ受け部54からスライダ受け部52へ向かう方向にスライダ26を付勢している。
カバー4の上ハウジング14は、フック部材28の第2の爪部40がカバー4の上面4Aから突出することができるように、開口14Aを有している。カバー4の下ハウジング16は、フック部材28の第1の爪部38がカバー4の下面4Bから突出することができるように、開口16Aを有してる。下ハウジング16における開口16Aの周囲の部分は下に向けて滑らかに湾曲しており、それにより、第1の状態において装置本体2とカバー4との間に予め定められた間隔が得られている。
装置本体2の上ハウジング8は、フック部材28の第1の爪部38が係合すべき被係合部としての穴部又は穴8Aを有している。装置本体2の下ハウジング10は、フック部材28の第2の爪部40が係合すべき被係合部としての穴部又は穴10Aを有している。
スライドボタン36は、例えば図1に示されるように、カバー4の外側に向けられている。スライドボタン36は、カバー4の図示しない開口を介してカバー4の内側のスライダ26に連結されている。従って、スライドボタン36を動かすことによって、コイルスプリング50の付勢力に抗してスライダ26を図5の(A)において左から右に向けて動かすことができる。
図2に示される状態から図1に示される第1の状態にするときのフック機構20の動作を詳細に説明する。図2に示される状態では、スプリング44の付勢力により、フック部材28の第1の爪部38の背中がストッパ48に押し付けられているので、第1の爪部38は、開口16Aを介してカバー4の下面4Bから突出している。このとき、フック部材28の第2の爪部40はカバー4内に位置している。
この状態から図1に示される第1の状態に向けてカバー4を装置本体2に閉じていくと、第1の爪部38の外側のテーパが開口8Aに形成されたテーパに当接し、テーパ同士の摺動によりフック部材28に加わる力の向きが変換され、カバー4を装置本体2に対して閉じようとする力によってコイルスプリング50が僅かに縮む。その後、第1の爪部38の先端が開口8Aのテーパの先端を通過すると、コイルスプリング50の縮みが開放され、図5の(A)に示されるように、第1の爪部38の内側の水平面が開口8Aの近くで装置本体2の上ハウジング8の内面に係止する。このようにしてフック部材28が開口8Aに係合すると、図1に示される第1の状態が維持される。
図1に示される第1の状態から図2に示される状態にする場合には、スライドボタン36を用いてスライダ26をスライドされてコイルスプリング50を縮ませる。そうすると、第1の爪部38の開口8Aへの係合が解除され、第1の爪部38は開口8A内を通過することができる。
次に、図2に示される状態から図3に示される第2の状態にするときのフック部材20の動作を説明する。図2に示される状態では、スプリング44の付勢力により第1の爪部38の背中がストッパ48に当接しており、フック部材28は安定している。スプリング44の付勢力に抗する力を指により第1の爪部38に加えると、第2の爪部40の背中がストッパ48に当接するまでフック部材28を回転させることができる。即ち、フック部材28は図5の(A)に示される状態から時計周りに90°回転する。フック部材28の回転の結果、第1の爪部38はカバー4内に位置し、第2の爪部40がカバー4の上面4Aから開口14Aを介して突出することになる。
従って、指により開口16Aを塞ぐようにしてこの状態を維持しながら、図3に示される第2の状態に向けてカバー4を装置本体2に対して閉じて行くと、図5の(B)に示されるように、第1の状態を得る場合と同じようにして、第2の爪部40を装置本体2の下ハウジング10の開口10Aに係合させることができる。従って、フック機構20により、図3に示される第2の状態を維持することができる。
図3に示される第2の状態から図2に示される状態にする場合には、スライドボタン36を動かすことによりスライダ26をスライドさせてコイルスプリング50を縮ませる。そうすると、フック部材28の第2の爪部40が開口10Aを通過することができるようになるので、カバー4を開けることができる。このとき、カバー4が装置本体2から離れると、スプリング44の付勢力が開放されるので、フック部材28は自動的に90°回転して図2に示される安定な状態に戻る。
この実施形態において、スプリング44を用いてフック部材28を図2に示されるように安定させているのは、通常、図2に示される状態から図1に示される第1の状態に向けてカバー4を閉じる動作の方が、図2に示される状態から図3に示される第2の状態に向けてカバー4を閉じる動作よりも圧倒的に多く行われ、図2に示されるようなフック部材28の安定位置が前者の動作に対して有利だからである。
図1に示される第1の状態を維持することができ、且つ、図3に示される第2の状態を維持することができるようにするために、前述したような従来の単純なフック機構を採用することが提案されるかも知れない。しかし、この場合、第1の状態を維持するために1つのフック機構が必要であり、第2の状態を維持するためにもう1つのフック機構が必要になるので、構成が複雑になる。そればかりでなく、第1の状態においては第2の状態を維持するためのフック機構が邪魔になり、第2の状態においては第1の状態を維持するためのフック機構が邪魔になるので、装置の操作性が悪くなると共に装置の見栄えが悪くなる。
これに対して、本実施形態においてカバー4に設けられたフック機構20では、カバー4の上面4A及び下面4Bのいずれか一方から選択的にフック部材28が突出することができるように、フック部材28は第1の爪部38と第2の爪部40とを有しているので、第1及び第2の状態の各々においてフック機構20を動作させることによって、第1及び第2の状態のいずれにあってもフック部材28が装置の外に突出することがなく、装置の操作性が向上すると共に装置の見栄えが良くなる。
また、フック機構20を用いて第1及び第2の状態の各々を維持することによって、装置の持ち運びが便利になる。
更に、フック機構20を用いて図3に示される第2の状態を維持することにより、図3の状態で装置を手に持ちあるいは装置を机の上に載置して表示ユニット18及びスタイラスを用いて入力を行う場合に、装置の形態の安定性が増し、操作性が向上する。
また、単一部材であるフック部材28を第1及び第2の状態を維持するために兼用しているので、前述したような従来の単純なフック機構を2つ用いる場合と比較して、装置の構成が簡単になる。
また、フック機構20を用いて第1及び第2の状態の各々を維持しているときには、フック部材28は装置の外側に突出しないので、安全性が確保される。
また、フック部材28の回転を戻すためにスプリング44を採用しているので、図2に示されるようなフック部材28が待機しているべき位置にフック部材28を自動的に戻すことができ、操作性が向上すると共に安全性が増す。
以上、図1乃至図6の実施の形態では、フック機構20として、カバー4側に設けたものを説明した。しかし、フック機構20を装置本体2側に設ける変形も可能である。この場合は、フック部材28は、本体2のキーボード側又はキーボードの背面側のいずれかに突出するように、回転可能に、装置本体4に設けられる。そして、フック部材28が係合する穴10A及び8Aがカバー2の両面に設けられる。即ち、カバー4に設けられたフック機構20に関する構成と、装置本体2に設けられたフック機構に関連する構成(フックと係合するもの)を、それぞれ、装置本体2とカバー4側に置き換えて配置すればよい。
また、フック部材28等の第1の係合部(又は係合部)が係合すべき第2の係合部(又は被係合部)として穴(又は開口)を例示したが、突起、凹凸、輪等の他の形状を有する第2の係合部(又は被係合部)も採用可能である。
又、本発明の第1の係合部(又は係合部)の例として、フック部材28を例示したが、カバー4と装置本体2に設けられるものは、両者が係合する関係であればよく、フック部材と穴である必要はない。図で例示したフック部材である必要はなく、何らかの留め具であれば良い。第1の係合部と第2の係合部の関係は、両者が係合すれば良いので、装置本体2側のハウジング内部にフック部材を設けて、カバー4に設けられた前記フック部材28と係合するように構成してもよい。
図7の(a)及び(b)は本発明による情報処理装置の他の実施形態を示す斜視図である。符号111は装置本体を示しており、装置本体111は入力操作を行うためのキーボードユニット112を有している。符号113はカバーを示しており、カバー113は、概略矩形状の板状に形成され、水平な第1の軸114により、装置本体111に開閉可能に支持されている。カバー113は、第1の軸114を中心として閉じた状態で、キーボードユニット112に対向する面(表面)に表示ユニット115を備えている。
また、カバー113は、図7の(b)に示されるように、第1の軸114を中心として開いた状態で、第1の軸114に概ね直交する第2の軸116を中心として、表面と裏面を入れ換えるように概ね180°回転することができるようになっている。
カバー113を第2の軸116を中心として反転した状態で、第1の軸114を中心としてカバー113を閉じることにより、図7の(b)に示されるように、表示ユニット115を上に向けた状態で、キーボードユニット112の上にカバー113が位置するようになっている。
この装置を使用しない場合には、表示ユニット115がキーボードユニット112に対面するようにして、カバー113を閉じておくことにより、表示ユニット115及びキーボードユニット112がカバー113によって保護される。
この装置を使用する場合であって、キーボードユニット112及びスタイラスを用いて入力操作を行う場合には、図7の(a)に示されるように、カバー113を第1の軸114を中心として開いた状態にする。スタイラスのみを用いて入力操作を行う場合には、図7の(b)に示されるように、カバー113を開いた状態から第2の軸116を中心として反転させた後、第1の軸114を中心としてカバー113を閉じた状態にする。
この装置には、持ち運び等の観点から、カバー113を装置本体111に対して閉じた状態を維持するために、図8の(a)及び(b)並びに図9に示されるようなフック機構の第2実施形態が採用されている。
装置本体111のハウジング117におけるキーボードユニット112の両脇には、各々概略矩形状の貫通した長穴である2つの穴118が形成されている。また、カバー113のハウジング119における表示ユニット115の両脇には、各々矩形状の貫通する長穴である2つの穴120が穴118に対応して形成されている。
ハウジング119の表面119aに対して反対側の面(裏面)119bの穴118にそれぞれ対応する位置には、各々概略矩形状の貫通する長穴である穴121が形成されている。
符号122は各穴118に解除可能に係合する係合部材としての爪部122aを有するフック部材(係合部)を表している。フック部材122は、凸部122bを有する弾性部及び矩形状の穴を有する円柱状の突起122cを有している。
符号123はホルダ部材(スライダ)を表しており、ホルダ部材123には軸部材124が一体的に固定されている。ハウジング119の内面の穴120及び121に対応する位置の近傍には、一対の支持部材125が一体的に設けられている。
各支持部材125には貫通穴が形成されており、これらの貫通穴に軸部材124が挿入されることにより、ホルダ部材123がスライド可能に支持されている。
フック部材122は、突起部122cがホルダ部材123の貫通穴123aに挿入された状態で、つまみ部材126がハウジング119の側面に形成された貫通穴に外側から挿入され、更にフック部材122の突起部122cの矩形状の穴に挿入され、反対側からネジ127がつまみ部材126の先端に螺合されることにより、ホルダ部材123に回転可能に取り付けられている。
符号128は、フック部材122を爪部122aが穴118に係合するように付勢するコイルバネを表している。また、ホルダ部材123には、フック部材122の凸部122bが係合可能な凹部123bが形成されている。フック部材122には、一対のスリット122dが形成されることにより、凸部122bが弾性的に支持されている。
この情報処理装置を使用しない場合には、つまみ部材126を回転してフック部材122の爪部122aが穴120を通過して表面(表示ユニット115側の面)119aから突出した状態として、カバー113を表示ユニット115がキーボードユニット112に対面するように第1の軸114を中心として閉じると、フック部材122の爪部122aがコイルバネ128の付勢力により穴118に係合し、カバー113が装置本体111に対して閉じた状態となる。
カバー113を第1の軸114を中心として開く場合には、つまみ部材126をコイルバネ128の付勢力に抗してスライドさせることにより、フック部材122の爪部122aの穴118に対する係合が解除される。
この情報処理装置を使用する場合であって、スタイラスを用いて入力操作を行う場合には、カバー113を開いた状態(図7の(a)の状態)から第2の軸116を中心として反転させ、つまみ部材126を回転してフック部材122の爪部122aが穴121を通過して裏面119b側に突出した状態とする。
そして、カバー113を裏面119bがキーボードユニット112に対面するように第1の軸114を中心として閉じると、フック部材122の爪部122aがコイルバネ128の付勢力により穴118に係合し、図7の(b)に示されている状態で、カバー113が装置本体111に対して閉じた状態となる。
カバー113を第1の軸114を中心として開く場合には、つまみ部材126をコイルバネ128の付勢力に抗してスライドさせることにより、フック部材122の爪部122aの穴118に対する係合が解除される。
フック部材122は、爪部122aが穴120又は穴121から突出した状態で、凸部122bがホルダ部材123の凹部123bに弾性的に係合する。従って、フック部材122を回転したときの位置決めが確実であり、爪部122aの穴118への係合が確実になされるようになっている。
この第2実施形態によると、フック部材122を180°回転させることにより、単一の爪部122aを、穴120又は121から選択的に突出させるように構成したので、表示ユニット115が装置本体111に対面した状態のみならず、表示ユニット115を上に向けた状態でもカバー113を装置本体111にロックすることができるようになり、いずれの状態においても支障なく持ち運びできるようになる。
また、フック部材122の回転により、表示ユニット115を上に向けた状態でもフック部材122の爪部122aをハウジング119内に収容することができ、フック部材122の爪部122aが突出していることによる操作に対する支障もなくなる。
また、図8,9のフック部材を、図1乃至図4で説明したカバー4が装置本体2に対して概ね360°回転可能な装置(又は、連結部材6が2軸を有し、カバー4と装置本体が、それぞれの軸で概ね180°回転可能な装置)のフック機構等の係合部に置き換えることも可能である。図2のカバー4に関して、図8,9のフック機構を、図2,3,5,6のフック機構20のフック部材28及びスライドボタン36等と置き換えれば良い。
この場合、図2の状態で、表示ユニット18とキーボードユニット12を対向させて、装置を閉じる場合(図1の状態)は、置き換えられた図8,9のフック機構の爪部122aを、表示ユニット側に回転させれば、図1の状態で、装置本体2とカバー4をフック機構で固定できる。
また、図3の状態で閉じる場合(キーボードユニット12と表示ユニット18が、背中合わせになる場合)は、置き換えられた図8,9のフック機構の爪部122aを、表示ユニット18の反対側に回転させれば、図3の状態で、装置本体2とカバー4をフック機構で固定できる。
従って、表示ユニット18とキーボードユニット12を対向させて装置を閉じる場合と、キーボード12と表示ユニット18が、背中合わせの状態(図3)で閉じる場合の両方において、フック機構の第2実施形態を利用して、装置本体2とカバー4を固定することができる。
また、フック機構を装置本体2側に配置し、フック機構が係合する開口をカバー4に配置することも可能である。即ち、カバー4側のフック機構に関する構成と、装置本体2側の開口に関する構成を置き換えればよい。この置き換えの構成は、図7の装置に、本フック機構の実施の形態を採用する場合でも適用できる。
また、フック部材122が係合すべき第2の係合部(又は被係合部)として穴(又は開口)を例示したが、突起、凹凸、輪等の他の形状を有する第2の係合部(又は被係合部)も採用可能である。
又、本発明の第1の係合部(又は係合部)の例として、フック部材122を例示したが、カバー4(又は113)と装置本体2(又は111)に設けられるものは、両者が係合する関係であればよく、フック部材と穴である必要はない。図で例示したフック部材である必要はなく、何らかの留め具であれば良い。第1の係合部(又は係合部)と第2の係合部(又は被係合部)の関係は、両者が係合すれば良いので、装置本体2(又は111)側のハウジング内部にフック部材を設けて、カバー4(又は113)に設けられた前記フック部材122と係合するように構成してもよい。
図10の(a)及び(b)並びに図11を参照すると、フック機構の第3実施形態が示されている。
符号131は、ハウジング117の穴118に解除可能に係合する係合部材としての一対の爪部131a及び131bを有するフック部材(係合部)を表している。爪部131a及び131bは概ね互いに直交するように配置されている。フック部材131は、中央部に貫通穴131cを有しており、また、一対の凹部131dを有している。
符号132はホルダ部材(スライダ)を表しており、ホルダ部材132には軸部材124が一体的に固定されている。ホルダ部材132は、円柱状の突起部132a、矩形穴132b及びバネ取り付け用の一対の突起132cを有しており、突起132cには、凸部133aを有するバネ133が取り付けられている。
フック部材131は、その貫通穴131cにホルダ部材132の突起部132aを挿入した状態で、ネジ134が突起部132aの先端に螺合されることにより、ホルダ部材132に回転可能に支持される。
符号135はつまみ部材を表しており、つまみ部材135は、一対の係合突起135aを有しており、各係合突起135aがハウジング119の側面に形成された貫通穴119cに外側から挿入され、更にホルダ部材132の矩形穴132bに挿入・係合されることにより、ホルダ部材132に固定される。符号128は、フック部材131をその爪部131a又は131bが穴118に係合するように付勢するコイルバネを表している。
この情報処理装置を使用しない場合には、フック部材131を回転してフック部材131の一方の爪部131aが穴120を通過して表面(表示ユニット115側の面)119aから突出した状態とする。そして、カバー113を表示ユニット115がキーボードユニット112に対面するように第1の軸114を中心として閉じると、フック部材131の爪部131aがコイルバネ128の付勢力により穴118に係合し、カバー113が装置本体111に対して閉じた状態になる。
カバー113を第1の軸114を中心として開く場合には、つまみ部材135をコイルバネ128の付勢力に抗してスライドさせることにより、フック部材131の爪部131aの穴118に対する係合が解除される。
この情報処理装置を使用する場合であって、スタイラスを用いて入力操作を行う場合には、カバー113を開いた状態(図7の(a)の状態)から第2の軸116を中心として反転させ、フック部材131を回転してフック部材131の他方の爪部131bが穴121を通過して裏面119b側に突出した状態とする。
そして、カバー113を裏面119bがキーボードユニット112に対面するように第1の軸114を中心として閉じると、フック部材131の爪部131bがコイルバネ128の付勢力により穴118に係合し、図7の(b)に示されている状態で、カバー113が装置本体111に対して閉じた状態になる。
カバー113を第1の軸114を中心として開く場合には、つまみ部材135をコイルバネ128の付勢力に抗してスライドさせることにより、フック部材131の爪部131bの穴118に対する係合が解除される。
フック部材131は、一方の爪部131aが穴120から突出した状態又は他方の爪部131bが穴121から突出した状態で、バネ133の凸部133aがフック部材131の凹部131dに弾性的に係合するので、フック部材131を回転したときの位置決めが確実であり、爪部131a又は131bの穴118への係合が確実になされるようになっている。
第3実施形態によると、フック部材131を概ね90°回転させることにより、一方の爪部131aを穴120から、又は他方の爪部131bを穴121から選択的に突出させるように構成したので、表示ユニット115が装置本体111に対面した状態のみならず、表示ユニット115を上に向けた状態でもカバー113を装置本体111にロックすることができるようになり、いずれの状態においても支障なく持ち運びできるようになる。
また、フック部材131の回転により、表示ユニット115を上に向けた状態でもフック部材131の爪部131bをハウジング119内に収容することができ、フック部材131の爪部131bが突出していることによる操作に対する支障もなくなる。
また、図10,11のフック部材を、図1乃至図4で説明したカバー4が装置本体2に対して概ね360°回転可能な装置(又は、連結部材6が2軸を有し、カバー4と装置本体が、それぞれの軸で概ね180°回転可能な装置)のフック機構等の係合部に置き換えることも可能である。図2のカバー4に関して、図10,11のフック機構を、図2,3,5,6のフック機構20のフック部材28及びスライドボタン36等と置き換えればよい。
この場合、図2の状態で、表示ユニット18とキーボードユニット12を対向させて、装置を閉じる場合(図1の状態)は、置き換えられた図10,11のフック機構の爪部131aを、表示ユニット側に回転させれば、図1の状態で、装置本体2とカバー4をフック機構で固定できる。
また、図3の状態で閉じる場合(キーボードユニット12と表示ユニット18が、背中合わせになる場合)は、置き換えられた図10,11のフック機構の爪部131bを、表示ユニット18の反対側に回転させれば、図3の状態で、装置本体2とカバー4をフック機構で固定できる。
従って、表示ユニット18とキーボード12を対向させて装置を閉じる場合と、キーボードユニット12と表示ユニット18が、背中合わせの状態(図3)で閉じる場合の両方において、フック機構の第3実施形態を利用して、装置本体2とカバー4を固定することができる。
また、フック機構を装置本体2側に配置し、フック機構が係合する開口をカバー4に配置することも可能である。即ち、カバー4側のフック機構に関する構成と、装置本体2側の開口に関する構成を置き換えればよい。この置き換えの構成は、図7の装置に、本フック機構の実施の形態を採用する場合でも適用できる。
また、フック部材131が係合すべき第2の係合部(又は被係合部)として穴(又は開口)を例示したが、突起、凹凸、輪等の他の形状を有する第2の係合部(又は被係合部)も採用可能である。
又、本発明の第1の係合部(又は係合部)の例として、フック部材131を例示したが、カバー4(又は113)と装置本体2(又は111)に設けられるものは、両者が係合する関係であればよく、フック部材と穴である必要はない。図で例示したフック部材である必要はなく、何らかの留め具であれば良い。第1の係合部(又は係合部)と第2の係合部(又は被係合部)の関係は、両者が係合すれば良いので、装置本体2(又は111)側のハウジング内部にフック部材を設けて、カバー4(又は113)に設けられた前記フック部材131と係合するように構成してもよい。
図12の(a)及び(b)並びに図13を参照すると、フック機構の第4実施形態が示されている。
符号141は、ハウジング117の穴118に解除可能に係合する係合部材としての一対の爪部141a及び141bを有するフック部材(係合部)を表している。爪部141a及び141bは、互いに反対方向に突出するように形成されており、中央の本体部には貫通する丸穴141cが形成されている。
符号142はホルダ部材(スライダ)を表しており、ホルダ部材142は一対の矩形状の枠部材を一体的に固着してなり、上下に溝142aを有している。ホルダ部材142には軸部材143が一体的に固定されている。軸部材143の先端部143aは先細に形成されている。
ハウジング119の内面の穴120及び121に対応する位置の近傍には、一対の支持部材144及び145が設けられている。支持部材144には、上下に一対の貫通穴144a及び144bが形成されており、支持部材145には溝145aが形成されており、貫通穴144a及び144bのいずれか一方及び溝145aに軸部材143が挿入されることにより、ホルダ部材142がスライド可能に支持されている。
フック部材141は、フック部材141の本体部がホルダ部材142の枠部材の内側に位置し、爪部141a及び141bが溝142aを貫通して上下に突出するように配置されることにより、ホルダ部材142の内側でスライド可能に支持されている。符号146はコイルバネを表しており、コイルバネ146は、フック部材141をホルダ部材142の内側で、爪部141a又は141bが穴118に係合する方向に付勢する。
ハウジング119の側面には、図12の(b)及び図13に示されるように、概略U字又はV字を横向きにしたような形状の切溝147が形成されている。符号148はつまみ部材を表しており、つまみ部材148は、円柱状の突起148aが外側から切溝147に挿入され、フック部材141の本体部の貫通穴141cに挿入され、つまみ部材148の突起148aの先端にネジ149が螺合されることにより、フック部材141に取り付けられている。
符号150は、ホルダ部材142を支持部材144側に付勢するコイルバネを表している。ハウジング119の内部には、ホルダ部材142のスライドを制限するための一対のストッパ部材151及び152が設けられている。
この情報処理装置を使用しない場合には、つまみ部材148を切溝147に沿って表面119a(表示ユニット115)側に移動すると、コイルバネ150の付勢力により、ホルダ部材142の軸部材143の先端143aが支持部材144の表面119a側の穴144aに挿入されると共に、ホルダ部材142がストッパ部材151に当接し、フック部材141の一方の爪部141aが穴120を通過して表面119aから突出した状態となる。
この状態で、カバー113を表示ユニット115がキーボードユニット112に対面するように第1の軸114を中心として閉じると、フック部材141の一方の爪部141aがコイルバネ146の付勢力により穴118に係合し、カバー113が装置本体111に対して閉じた状態となる。
カバー113を第1の軸114を中心として開く場合には、つまみ部材148をコイルバネ146の付勢力に抗してスライドさせることにより、フック部材141がホルダ部材142内でスライドし、フック部材141の爪部141aの穴118に対する係合が解除される。
この情報処理装置を使用する場合であって、スタイラスを用いて入力操作を行う場合には、カバー113を開いた状態(図7の(a)の状態)から第2の軸116を中心として反転させ、つまみ部材148を切溝147に沿って裏面119b側に移動すると、コイルバネ150の付勢力により、ホルダ部材142の軸部材143の先端143aが支持部材144の裏面119b側の穴144bに挿入されると共に、ホルダ部材142がストッパ部材152に当接し、フック部材141の爪部141bが穴121を通過して裏面191bから突出した状態となる。
そして、カバー113を裏面119bがキーボードユニット112に対面するように第1の軸114を中心として閉じると、フック部材141の爪部141bがコイルバネ146の付勢力により穴118に係合し、図7の(b)に示されている状態で、カバー113が装置本体111に対して閉じた状態となる。
カバー113を第1の軸114を中心として開く場合には、つまみ部材148をコイルバネ146の付勢力に抗してスライドさせることにより、フック部材141がホルダ部材142内でスライドし、フック部材141の爪部141bの穴118に対する係合が解除される。
第4実施形態によると、フック部材141の爪部141a及び141bの各々の長さを適切に設定することにより、フック部材141の爪部141aを穴120から、又はフック部材141の爪部141bを穴121から選択的に突出させるように構成したので、表示ユニット115が装置本体111に対面した状態のみならず、表示ユニット115を上に向けた状態でもカバー113を装置本体111にロックすることができるようになり、いずれの状態においても支障なく持ち運びできるようになる。
また、フック部材141は穴120及び121の各々の長手方向にスライドできるのみならず、穴120及び穴121に渡る方向にもスライドできるようにしたので、表示ユニット115を上に向けた状態でもフック部材141の爪部141bをハウジング119内に収容することができ、フック部材141の爪部141bが突出していることによる操作に対する支障もなくなる。
また、図12,13のフック部材を、図1乃至図4で説明したカバー4が装置本体2に対して概ね360°回転可能な装置(又は、連結部材6が2軸を有し、カバー4と装置本体が、それぞれの軸で概ね180°回転可能な装置)のフック機構等の係合部に置き換えることも可能である。図2のカバー4に関して、図12,13のフック機構を、図2,3,5,6のフック機構20のフック部材28及びスライドボタン36等と置き換えればよい。
この場合、図2の状態で、表示ユニット18とキーボードユニット12を対向させて、装置を閉じる場合(図1の状態)は、置き換えられた図12,13のフック機構の爪部141aを、表示ユニット側に回転させれば、図1の状態で、装置本体2とカバー4をフック機構で固定できる。
また、図3の状態で閉じる場合(キーボードユニット12と表示ユニット18が、背中合わせになる場合)は、置き換えられた図12,13のフック機構の爪部141bを、表示ユニット18の反対側に回転させれば、図3の状態で、装置本体2とカバー4をフック機構で固定できる。
従って、表示ユニット18とキーボードユニット12を対向させて装置を閉じる場合と、キーボードユニット12と表示ユニット18が、背中合わせの状態(図3)で閉じる場合の両方において、フック機構の第4実施形態を利用して、装置本体2とカバー4を固定することができる。
また、フック機構を装置本体2側に配置し、フック機構が係合する開口をカバー4に配置することも可能である。即ち、カバー4側のフック機構に関する構成と、装置本体2側の開口に関する構成を置き換えればよい。この置き換えの構成は、図7の装置に、本フック機構の実施の形態を採用する場合でも適用できる。
また、フック部材141が係合すべき第2の係合部(被係合部)として穴(又は開口)を例示したが、突起、凹凸、輪等の他の形状を有する第2の係合部(被係合部)も採用可能である。
又、本発明の第1の係合部(又は係合部)の例として、フック部材141を例示したが、カバー4(又は113)と装置本体2(又は111)に設けられるものは、両者が係合する関係であればよく、フック部材と穴である必要はない。図で例示したフック部材である必要はなく、何らかの留め具であれば良い。第1の係合部(又は係合部)と第2の係合部(又は被係合部)の関係は、両者が係合すれば良いので、装置本体2(又は111)側のハウジング内部にフック部材を設けて、カバー4(又は113)に設けられた前記フック部材141と係合するように構成してもよい。
図14の(a)及び(b)並びに図15を参照すると、本発明による情報処理装置の更に他の実施形態が示されている。ここでは、フック機構を用いることなしに本発明の目的の少なくとも1つを達成するために、図7の(a)及び(b)に示される装置が改造されている。
装置本体111の両側面の各々には、薄板凸状の第1のガイド部材161が固着又は一体的に形成されている。第1のガイド部材161は、切欠き部161aを有すると共に、上下にそれぞれ溝部161bを有している。
カバー113の両側部の各々の切欠き部161aに対応する部分であって、表示ユニット115が設けられた面(表面)119a側には、薄板凸状の第2のガイド部材162が固着又は一体的に形成されている。第2のガイド部材162は溝部162aを有している。
カバー113の両側部の各々の切欠き部161aに対応する部分であって、表示ユニット115が設けられた面に対して反対側の面(裏面)119b側には、第2のガイド部材162と対象的に形成された薄板凸状の第3のガイド部材163が固着又は一体的に形成されている。第3のガイド部材163は溝部163aを有している。
符号164はスライダ部材を表しており、スライダ部材164の上下の縁部164aはそれぞれ概略U字に折り曲げられている。スライダ部材164は、縁部164aが第1のガイド部材161の溝部161b内に入り込んで、第1のガイド部材161を挟み込むように、第1のガイド部材161にスライド可能に嵌合されている。
この情報処理装置を使用しない場合には、スライダ部材164を第1のガイド部材161の切欠き部161aと反対側にスライドした状態で、カバー113を表示ユニット115がキーボードユニット112に対面するように第1の軸114を中心として閉じると、第2のガイド部材162が第1のガイド部材161の切欠き部161aに位置した状態となる。この状態で、スライダ部材164を切欠き部161a側にスライドさせることにより、第1のガイド部材161と第2のガイド部材162がスライダ部材164により挟み込まれ、カバー113が装置本体111に対して閉じた状態が維持される。
カバー113を第1の軸114を中心として開く場合には、スライダ部材164を反対側にスライドさせることにより、ロックを解除することができる。
この情報処理装置を使用する場合であって、スタイラスを用いて入力操作を行う場合には、カバー113を開いた状態(図7の(a)の状態)から第2の軸116を反転させ、カバー113を裏面119bがキーボードユニット112に対面するように第1の軸114を中心として閉じると、第3のガイド部材163が第1のガイド部材161の切欠き部161aに位置した状態となる。この状態で、スライダ部材164を切欠き部161a側にスライドさせることにより、第1のガイド部材161と第3のガイド部材163がスライド部材164により挟み込まれ、カバー113が装置本体111に対して閉じた状態が維持される。
カバー113を第1の軸114を中心として開く場合には、スライダ部材164を反対側にスライドさせることにより、ロックを解除することができる。
この実施形態によると、スライダ部材164により、第1のガイド部材161と第2のガイド部材162又は第1のガイド部材161と第3のガイド部材163を挟み込むことにより、ロックするように構成したので、表示ユニット115が装置本体111に対面した状態のみならず、表示ユニット115を上に向けた状態でもカバー113を装置本体111にロックすることができるようになり、いずれの状態においても支障なく持ち運びできるようになる。
このように、図7乃至図15の実施形態は、図1乃至図6の実施形態と異なるタイプの情報処理装置に本発明を適用したものであるが、図7乃至図15の実施形態を適宜変更して図1乃至図6の実施形態に適用しても良い。そのような変更は当業者であれば極めて容易に行うことができるので、その詳細な説明は省略する。また、図5又は図6の実施形態を図7の実施形態に適用してもよい。
なお、本実施の形態では、携帯型の情報処理装置を例に説明したが、情報処理装置に限定されるものではなく、他の装置への適用も可能である。又、本実施の形態又は本発明の説明に使用した、情報処理装置の語は、いわゆるコンピュータと称されるもののみならず、PDA(personal digital assistance,携帯情報端末)、携帯端末、電子手帳やワードプロセッサ等の実質的になんらかの情報を処理する装置を含むものである。又、上記携帯情報端末や電子手帳と称されるもののみならず、例えば、ビデオカメラ等の装置であっても、何らかの情報処理機能があれば、情報処理装置であることに変わりはない。又、本発明は、情報処理装置のみでなく他の電子機器も含むものである。更に、電子機器のみならず、電子的な回路等を有さない他の装置にも本発明は適用でき、本発明はそれらを包含する。
以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1) 第1面及び第2面を有する第1の部材と、
第2の部材と、
上記第1の部材の第1面が上記第2の部材に対向する第1の状態と上記第1の部材の第2面が上記第2の部材に対向する第2の状態との間で上記第1及び第2の部材が相対的に変位することができるように上記第1及び第2の部材を連結する連結手段とを備え、
上記第1の部材は、上記第1面及び上記第2面のいずれか一方から選択的に突出することができるように設けられるフック部材を有し、
上記第2の部材は、上記フック部材が係合すべき穴を有し、
上記第2の部材は第3面及び第4面を有し、
上記穴は上記第3面及び上記第4面の各々に設けられており、
上記連結手段は、各々上記第1の部材を回転可能に支持する互いに平行な2軸を含み、それにより、上記第1の状態では上記第1面及び上記第3面が互いに対向して上記フック部材が上記第3面の穴に係合し、上記第2の状態では上記第2面及び上記第4面が互いに対向して上記フック部材が上記第4面の穴に係合する情報処理装置。
(付記2) 付記1に記載の装置であって、
上記第1の部材は上記第1面に表示ユニットを有し、
上記第2の部材は上記第3面にキーボードユニットを有し、
それにより、上記第1の状態では上記表示ユニット及び上記キーボードユニットが上記第1及び第2の部材間に閉じ込められ、上記第2の状態では上記表示ユニット及び上記キーボードユニットがそれぞれ上記装置の外に向く装置。
(付記3) 付記1に記載の装置であって、
上記第1の部材は、該第1の部材内でスライド可能に設けられるスライダを更に有し、
上記フック部材は上記スライダに対して概ね90°の範囲で回転可能に設けられ、
上記フック部材は概ね直交するように配置される第1の爪部及び第2の爪部を有し、
それにより、上記第1の状態では上記第1の爪部が上記穴に係合すると共に上記第2の爪部が上記第1の部材内に位置することができ、上記第2の状態では上記第2の爪部が上記穴に係合すると共に上記第1の爪部が上記第1の部材内に位置することができる装置。
(付記4) 付記3に記載の装置であって、
上記第1の部材は、上記フック部材をその回転方向に付勢するスプリングを更に有している装置。
(付記5) 付記1に記載の装置であって、
上記第1の部材は、該第1の部材内でスライド可能に設けられるスライダを更に有し、
上記フック部材は上記スライダに対して概ね180°の範囲で回転可能に設けられ、
上記フック部材は単一の爪部を有している装置。
(付記6) 付記1に記載の装置であって、
上記フック部材は概ね反対方向に向く第1及び第2の爪部を有し、
上記第1及び第2の爪部の各々の長さは、上記第1の爪部が上記第1面から突出したときに上記第2の爪部が上記第1の部材内に位置し上記第2の爪部が上記第2面から突出したときに上記第1の爪部が上記第1の部材内に位置するように設定され、
上記第1の部材は、上記第1の爪部が上記第1面から突出した状態及び上記第2の爪部が上記第2面から突出した状態の各々にて上記フック部材をスライド可能に支持する手段を更に有している装置。
(付記7) 第1面及び第2面を有する第1の部材と、
第3面及び第4面を有する第2の部材と、
上記第1面が上記第3面に対向する第1の状態と上記第2面が上記第4面に対向する第2の状態との間で上記第1及び第2の部材が相対的に変位することができるように上記第1及び第2の部材を連結する連結手段とを備え、
上記第1の部材は、上記第1面及び上記第2面のいずれか一方から選択的に突出することができるように設けられるフック部材を有しており、
上記第2の部材は、上記フック部材が係合すべき穴を上記第3面及び上記第4面の各々に有している情報処理装置。
(付記8) 第1面及び第2面を有する第1の部材と、
第2の部材と、
上記第1の部材の第1面が上記第2の部材に対向する第1の状態と上記第1の部材の第2面が上記第2の部材に対向する第2の状態との間で上記第1及び第2の部材が相対的に変位することができるように上記第1及び第2の部材を連結する連結手段とを備え、
上記第1の部材は、上記第1の部材内にスライド可能に設けられるスライダと、該スライダに対して概ね90°の範囲で回転可能に設けられるフック部材と、該フック部材をその回転方向に付勢するバネとを有しており、
上記第2の部材は、上記フック部材が係合すべき穴を有しており、
上記フック部材は概ね直交するように配置される第1の爪部及び第2の爪部を有しており、
それにより、上記第1の状態では上記第1の爪部が上記穴に係合すると共に上記第2の爪部が上記第1の部材内に位置することができ、上記第2の状態では上記第2の爪部が上記穴に係合すると共に上記第1の爪部が上記第1の部材内に位置することができる情報処理装置。
(付記9) 付記8に記載の装置であって、
上記第2の部材は第3面及び第4面を有し、
上記穴は上記第3面に設けられており、
上記連結手段は、各々上記第1の部材を回転可能に支持する互いに直交する2軸を含み、
それにより、上記第1の状態では上記第1面及び上記第3面が互いに対向して上記フック部材が上記穴に係合し、上記第2の状態では上記第2面及び上記第3面が互いに対向して上記フック部材が上記穴に係合する装置。
(付記10) 付記9に記載の装置であって、
上記第1の部材は上記第1面に表示ユニットを有し、
上記第2の部材は上記第3面にキーボードユニットを有し、
それにより、上記第1の状態では上記表示ユニット及び上記キーボードユニットが上記第1及び第2の部材間に閉じ込められ、上記第2の状態では上記表示ユニットが上記装置の外に向く装置。
(付記11) 第1面及び第2面を有するハウジングと、
該ハウジング内にスライド可能に設けられるスライダと、
該スライダに対して概ね90°の範囲で回転可能に設けられるフック部材と、
該フック部材をその回転方向に付勢するバネとを備え、
上記フック部材は概ね直交するように配置される第1の爪部及び第2の爪部を有しており、
上記第1の爪部は、上記第2の爪部が上記第2面から突出しているときには上記ハウジング内に位置し、上記第2の爪部は、上記第1の爪部が上記第1面から突出しているときには上記ハウジング内に位置しているフック機構。
理装置が提供される。
(付記12) 第1面及び第2面を有する第1の部材と、
第3面及び第4面を有する第2の部材と、
前記第1面が前記第3面に対向する第1の状態と前記第2面が前記第4面に対向する第2の状態との間で前記第1及び第2の部材が相対的に変位することができるように前記第1及び第2の部材を連結する連結部と、
前記第1の部材に設けられ、前記第1面側で係合可能な状態及び前記第2面側で係合可能な状態のいずれかの状態に選択的に変位する第1の係合部と、
前記第2の部材に設けられ、前記第1の係合部と係合する第2の係合部とを有する装置。
(付記13) 第1面及び第2面を有する第1の部材と、
第3面及び第4面を有する第2の部材と、
前記第1面が前記第3面に対向する第1の状態と前記第2面が前記第4面に対向する第2の状態との間で前記第1及び第2の部材が相対的に変位することができるように前記第1及び第2の部材を連結する連結部と、
前記第1の部材に設けられ、前記第1面側で係合可能な状態及び前記第2面側で係合可能な状態のいずれかの状態に選択的に変位する第1の係合部と、
前記第2の部材に設けられ、前記第1の係合部と係合する第2の係合部とを有し、
前記第1の状態では、前記第1の係合部は、前記第1面側で係合可能な状態となり、前記第2の係合部と係合し、
前記第2の状態では、前記第1の係合部は、前記第2面側で係合可能な状態となり、前記第2の係合部と係合することを特徴とする装置。
(付記14) 前記第1の係合部は、前記第1面側及び前記第2面側のいずれか側で選択的に係合するフック部材であることを特徴とする付記12又は13に記載の装置。
(付記15) 前記第2の係合部は、前記第2の部材に設けられた、前記フック部材と係合する穴部であることを特徴とする付記14に記載の装置。
(付記16) 前記連結部は、前記第1の部材が前記第2の部材に対して概ね360°回転可能に、前記第1の部材と前記第2の部材を連結することを特徴とする付記12又は13に記載の装置。
(付記17) 前記連結部は、各々前記第1の部材と前記第2の部材を回転可能に支持する2軸を有することを特徴とする付記12又は13に記載の装置。
(付記18) 前記第1の係合部は、第1係合部材及び第2係合部材を有し、
前記第1の係合部は、前記第1係合部材が前記第1面側に位置する第3の状態と、前記第2係合部材が前記第2面側に位置する第4の状態に変位可能な付記12又は13に記載の装置。
(付記19) 前記第1の係合部が前記第3の状態になるように前記第1の係合部を付勢する付勢部を有する付記18に記載の装置。
(付記20) 前記第1係合部材及び第2係合部材は概ね互いに直交するように配置され、前記第1の係合部は概ね90°の範囲で回転可能な付記18に記載の装置。
(付記21) 前記第1の部材は、前記第1の部材内にスライド可能に設けられるスライダを有し、前記第1係合部材及び第2係合部材は概ね互いに直交するように配置され、前記第1の係合部は該スライダに対して概ね90°の範囲で回転可能に設けられる付記18に記載の装置。
(付記22) 前記第1の係合部をその回転方向に付勢する付勢部材を有する付記20又は21に記載の装置。
(付記23) 前記第1の係合部が第3の状態になるように前記第1の係合部を付勢する付勢部を有する付記20又は21に記載の装置。
(付記24) 前記第1の係合部は係合部材を有し、前記第1の係合部は、前記係合部材が前記第1面に位置する第3の状態と、前記係合部材が前記第2面に位置する第4の状態に変位可能な付記12又は13に記載の装置。
(付記25) 前記係合部材は概ね180°回転可能に、前記第1の係合部に配置される付記24に記載の装置。
(付記26) 前記第1の部材内にスライダを有し、
前記第1の係合部は該スライダに設けられ、前記係合部材は、概ね180°の範囲で回転可能に設けられる付記24に記載の装置。
(付記27) 前記第1の係合部は、互いに反対方向に向く第1係合部材と第2係合部材を有し、前記第1の係合部は、前記第1の部材の第1面と第2面の方向に移動可能に前記第1の部材に配置され、
前記第1の係合部が前記第1面の方向に移動したときに前記第1係合部材が前記第1面の側に位置する第3の状態と、前記第1の係合部が前記第2面の方向に移動したときに前記第2係合部材が前記第2面の側に位置する第4の状態に前記第1の係合部が変位可能な付記12又は13に記載の装置。
(付記28) 前記第1の部材はスライダを有し、
前記第1の係合部は該スライダに設けられることを特徴とする付記27に記載の装置。
(付記29) 前記第1面に表示装置を有する付記12乃至28のいずれか1項に記載の装置。
(付記30) 前記第3面に入力装置を有する付記12乃至28のいずれか1項に記載の装置。
(付記31) 前記第1面にタッチ入力装置を有する付記12乃至28のいずれか1項に記載の装置。
(付記32) 前記第1の係合部はフック部材であり、前記第1係合部材及び第2係合部材はそれぞれ第1の爪部及び第2の爪部である付記18又は27に記載の装置。
(付記33) 第1面及び第2面を有する第1の部材と、
第2の部材と、
前記第1の部材の第1面が前記第2の部材に対向する第1の状態と前記第1の部材の第2面が前記第2の部材に対向する第2の状態との間で前記第1及び第2の部材が相対的に変位することができるように前記第1及び第2の部材を連結する連結部と、
前記第1の部材に設けられた、前記第1面側及び前記第2面側のいずれかに選択的に機能する第1の係合部であって、前記第1面側で機能する第1係合部材と前記第2面側で機能する第2係合部材を有する第1の係合部と、
前記第2の部材に設けられた、前記第1の係合部と係合する第2の係合部と、
前記第1の係合部の前記第1係合部材が前記第1面側で機能する状態に付勢する付勢部とを有することを特徴とする装置。
(付記34) 前記第1の係合部は概ね直交するように前記第1係合部材と前記第2係合部材を配置して構成され、前記第1の係合部は前記第1の部材に概ね90°の範囲で回転可能に配置され、
前記付勢部は前記第1の係合部をその回転方向に付勢することを特徴とする付記33に記載の装置。
(付記35) 第1面及び第2面を有する第1の部材と、
第2の部材と、
前記第1の部材の第1面が前記第2の部材に対向する第1の状態と前記第1の部材の第2面が前記第2の部材に対向する第2の状態との間で前記第1及び第2の部材が相対的に変位することができるように前記第1及び第2の部材を連結する連結部と、
前記第1の部材に位置し、前記第1面側及び前記第2面側のいずれかに選択的に機能する第1の係合部であって、概ね直交するように配置された前記第1面側で機能する第1係合部材と前記第2面側で機能する第2係合部材を有し、前記第1の部材に概ね90°の範囲で回転可能に配置された第1の係合部と、
前記第2の部材に配置され、前記第1の係合部と係合する第2の係合部と、
前記第1の係合部を回転方向に付勢する付勢部とを有することを特徴とする装置。
(付記36) 前記第1の部材はスライダを有し、前記第1の係合部は前記スライダに配置されている付記33乃至35のいずれか1項に記載の装置。
(付記37) 前記第1の部材はスライダを有し、前記第1の係合部は前記スライダに回転可能に配置されている付記33乃至35のいずれか1項に記載の装置。
(付記38) 前記第1の状態では前記第1係合部材が前記第2の係合部と係合すると共に前記第2係合部材が前記第1の部材内に位置し、
前記第2の状態では前記第2係合部材が前記第2の係合部と係合すると共に前記第1係合部材が前記第1の部材内に位置する付記33乃至37のいずれか1項に記載の装置。
(付記39) 前記連結部は、前記第1の部材を回転可能に支持する互いに直交する2軸を有する付記33乃至37のいずれか1項に記載の装置。
(付記40) 前記第2の部材は第3面及び第4面を有し、
前記連結部は、前記第1面が前記第3面に対向する第1の状態と前記第2面が前記第4面に対向する第2の状態との間で前記第1及び第2の部材が相対的に変位することができるように前記第1及び第2の部材を連結する付記33乃至37のいずれか1項に記載の装置。
(付記41) 前記連結部は各々前記第1の部材又は第2の部材を回転可能に支持する2軸を有する付記40に記載の装置。
(付記42) 前記第1の状態では前記第1面及び第3面が互いに対向して前記第1の係合部と第2の係合部が係合し、前記第2の状態では前記第2面及び前記第4面が互いに対向して前記第1の係合部と第2の係合部が係合する付記40に記載の装置。
(付記43) 第1面及び第2面を有するハウジングと、
前記ハウジングに対して概ね90°の範囲で回転可能に設けられる係合部と、
前記係合部をその回転方向に付勢する付勢部とを備え、
前記係合部は概ね直交するように配置される第1係合部材及び第2係合部材を有しており、
前記第1係合部材は、前記第2係合部材が前記第2面側に位置しているときには前記ハウジング内に位置し、前記第2係合部材は、前記第1係合部材が前記第1面側に位置しているときには前記ハウジング内に位置している係合機構。
(付記44) 第1面及び第2面を有するハウジングと、
前記ハウジングに設けられた、前記第1面及び前記第2面のいずれか1方向に選択的に機能する係合部であって、前記第1面側で機能する第1係合部材と前記第2面側で機能する第2係合部材を有する係合部と、
前記係合部の第1係合部材が、前記第1面側で機能する状態に付勢する付勢部とを有することを特徴とする係合機構。
(付記45) 前記係合部はフック部材であり、前記第1係合部材,第2係合部材はそれぞれ第1の爪部及び第2の爪部である付記33乃至44いずれか1項に記載の装置又は係合機構。