JP4056969B2 - 油分離器 - Google Patents

Description

本発明は、圧縮機において冷媒から油を分離することに関し、特に、スクリュー圧縮機の吐出端部において冷媒から油を分離することに関する。

スクリュー圧縮機すなわちヘリカル式圧縮機は、空調装置において一般に冷凍サイクルの一部として冷媒を圧縮するために使用されている。スクリュー圧縮機は、噛み合うスクリューロータすなわちヘリカルロータによって構成されている。２つのロータを含む構造が最も一般的な設計であるが、従来技術では、対として協働するように部分的に重なり合ったボアにそれぞれ収容された３つまたはそれ以上のロータを有するスクリュー圧縮機も知られている。典型的なスクリュー圧縮機のロータは、吸入側および吐出側において、ベアリングによって各々の端部でハウジング端部プレートに取り付けられている。冷媒は、吐出側に向かってスクリューロータによって圧縮されるとともに、ポートを通して吐出管に吐出される。

通常の用途では、冷媒が通過して圧縮されるときにスクリュー圧縮機のベアリングおよびロータを潤滑する必要があるため、冷媒に油が混入してしまう。よって、吐出後でかつ冷凍サイクルまたは空調サイクルの残りの部分を通って進む前に油を取り除く必要がある。油と冷媒とを含む混合物は、圧縮サイクルを通った後に油分離器内に吐出され、ここで冷媒から油が取り除かれる。冷媒は、油分離器から凝縮器に流れる。

油分離器には、一般に垂直型と水平型の２種類のものがある。水平型油分離器は、通常、円筒形で、かつ一端に入口が設けられている。水平型油分離器では、油と冷媒とを含む混合物が入口から流入する。この混合物は、油分離器の内側面に接するように導かれ、油の液滴が内側面に衝突してここに収集される。油は、流れと重力の作用によって油分離器の底部の近傍の特定部分に収集され、ここから排油管を通して取り除かれる。油が収集される衝突面を増加させるために、網状のセパレータやバッフルを任意に使用することもできる。冷媒は、油収集領域の上側の油分離器の上部から流出する。

本発明の目的は、スクリュー圧縮機用の改善された油分離装置を提供することである。

本発明の他の目的は、スクリュー圧縮機の吐出管で使用される単純でかつ効果的な油分離装置を提供することである。

本発明のまた他の目的は、分離を達成する手段として吐出管と重力を利用する油分離装置を提供することである。

本発明のさらに他の目的は、単純でかつ安価な設計を有する油分離装置を提供することである。

上述およびその他の目的は、以下で明らかとなるように、冷媒から油を分離する圧縮機用の油分離器を含む本発明によって達成される。この油分離器は、内側面を有する吐出管と、吐出管内で入口および該入口よりも直径が大きい出口を構成する吐出管の内部の構造体と、油が出口から流出するのを防止する流出防止設計と、油を吐出管の外に導く手段と、を含む。１つの実施例では、上記構造体は、実質的に円状の壁であり、上記流出防止設計は、壁の形状および吐出管に対する壁の相対的な向きである。１つの実施例では、上記相対的な向きは、吐出管が水平方向成分を含む流れ方向を有し、かつ壁が水平方向成分に対して垂直な垂直方向成分を有するように設けられている。

図面を参照すると、図１には、スクリュー圧縮機の概略的な断面図が示されている。スクリュー圧縮機は、ハウジング１２、噛み合うロータ１４、および冷媒の吸入口１８と吐出口２０とを有し、吐出口２０は、吐出プレート２２と吐出管２６に連結された吐出ハウジング２４とを含む。作動時には、一方のロータ１４が駆動ロータであると仮定すると、ロータ１４は、他方のロータと係合して回転してこのロータを回転させる。回転するロータ１４の協働により、吸入口１８を介してロータ１４の溝に冷媒ガスが引き込まれ、これらの溝は、噛み合ってガスの容積を捕捉するとともに圧縮し、圧縮された熱い冷媒ガスを吐出ポート２０に送る。

図２に示すように、本発明の油分離器２８は、吐出管２６の内部に位置するように設計されている。油分離器２８は、油ダム３０、逆止弁４９、および油戻り部４８を含む。圧縮されたガス状の冷媒が吐出口２０から吐出管２６に放出されると、油分離器２８は、冷媒が凝縮器に移動する前にこの冷媒から油を取り除くように機能する。

従って、油分離器２８は、円状であることが好ましく、入口３１を含む中央開口部を有し、この中央開口部は、入口３１から出口３４に向かって軸方向でかつ径方向に広がるように曲線状に延在する壁３２によって形成される。図示のように、油分離器２８の水平軸Ｘは、矢印で示した冷媒Ｒの流れと同じ方向に延びている。壁３２は、油分離器２８の面３６から吐出管２６の内側壁３８まで延在しており、油分離器２８は、溶接などの周知の方法によって壁３８に固定されている。冷媒蒸気が吐出管２６を通って流れるのに従って、油Ｏが吐出管２６の壁３８に付着するとともに蒸気の流れの方向に流れる。よって、油Ｏは、壁３２，３８の間に形成されたダム部４０に達するまで壁３８に沿って流れるとともに、ダム４０によってそれより先に移動することが妨げられる。一方、多くの油が取り除かれた冷媒蒸気は、冷凍サイクルまたは空調サイクルを通って移動し続ける。油分離器２８の上端４２では、油がダム部４０に収集されるとともに、図３の矢印によって示すように重力Ｇによって壁３２の外側面および壁３８の内側面に沿って下端４４まで下向きに流れる。続いて、油Ｏは、壁３８の下端４６に沿って、壁３２，３８の間に形成された下方ダム部４１まで流れるとともに、（図３に点線で示す）油戻り部４８の近傍の下方ダム部４１に溜まる。油戻り部４８は、垂直方向下向きに延びており、油分離器２８のダム４０から流れてくる余分な油を重力Ｇを利用して移動させる。油Ｏは、戻り部４８を通って油だめに回収され、スクリューベアリングおよびロータの潤滑に再利用される。重力Ｇとともにまたは重力Ｇとは別に、油分離器２８と油だめとの圧力差を任意に利用して戻り部４８を通って油Ｏを送ることもできる。図２に示すように、油分離器２８は、選択的に逆止弁４９を含むことができ、この逆止弁４９は、装置の停止時に冷媒が圧縮機に逆流するのを防ぐように、出口３４の上部にヒンジ付けされている。

壁３２は、この壁３２の外側にわたって油の流れをさらに保持するために、図４に示すリップ部５０を任意に含むことができる。また、ダム４０が全体的に垂直な向きを有することは必要条件ではない。重力の作用によって戻り管路への下向きの流れを達成するために、油分離器の向きに垂直な成分が含まれる必要があるが、油分離器の向きが傾斜していれば、装置および吐出管設計に必要な構成は得られる。

本発明の好適実施例を開示および説明したが、当業者には他の変更も明らかであろう。従って、本発明の範囲は、請求項の範囲のみによって限定されるものである。

吐出端部と吐出管の接続部を示すスクリュー圧縮機の概略説明図である。 本発明の油分離設計を示す油分離器の断面図である。 油分離器にわたる下向きの油の流れを示す図２の３−３線に沿った断面図である。 図２の油分離器の他の実施例を示す説明図である。

符号の説明

２６…吐出管
２８…油分離器
３１…入口
３２…壁
３４…出口
３６…油分離器の面
３８…吐出管の壁
４０…ダム部
４１…下方ダム部
４２…油分離器の上端
４４…油分離器の下端
４６…壁の下端
４９…逆止弁
Ｇ…重力
Ｏ…油
Ｒ…冷媒流れ
Ｘ…水平軸

Claims (11)

1. 圧縮機において冷媒から油を分離するために使用される油分離器であって、
   内側面を有する吐出管と、
   前記吐出管内に配設されるとともに、入口および該入口よりも直径が大きい出口を有し、かつ油が前記出口から流出するのを防止する流出防止手段を構成する前記吐出管の内部の構造体と、
   前記吐出管の外に油を導く手段と、を有し、
   前記構造体は、実質的に円環状の壁であり、前記壁の形状と前記吐出管に対する前記壁の相対的な向きとによって前記流出防止手段が構成され、
   前記出口は、前記壁によって構成される第１の周縁部を有し、この第１の周縁部は、前記吐出管の内側面と寸法が等しく、かつ該内側面に密着して取り付けられており、
   前記入口は、前記壁によって構成される第２の周縁部を有し、
   前記第１の周縁部と前記第２の周縁部とを接続する前記壁の中間部分が前記流出防止手段として、湾曲した断面形状を有し、油の流れに対する障壁を構成していることを特徴とする油分離器。
2. 前記壁の相対的な向きは、前記吐出管が水平方向成分を含む流れ方向を有し、かつ前記壁が前記水平方向成分に対して垂直な垂直方向成分を有することを含むことを特徴とする請求項１記載の油分離器。
3. 前記壁の形状は、該壁が円環状の周縁部を構成するとともに湾曲した面を有することを含むことを特徴とする請求項２記載の油分離器。
4. 前記壁の相対的な向きは、油が前記入口から離れる方向で前記壁に沿って下向きに流れるように、前記壁が垂直方向成分を有することを含むことを特徴とする請求項１記載の油分離器。
5. 前記吐出管から油を取り除く手段をさらに含むことを特徴とする請求項１記載の油分離器。
6. 前記吐出管は、該吐出管を通る流れが水平方向成分を含むように方向づけられており、前記油を取り除く手段は、前記吐出管を通る流れに対して垂直な垂直方向成分を有する油戻り部を含むことを特徴とする請求項５記載の油分離器。
7. 前記壁は、前記水平方向成分に対して垂直な垂直方向成分を有することを特徴とする請求項６記載の油分離器。
8. 前記油戻り部は、前記壁と実質的に整列しており、油が前記垂直方向成分と重力の作用によって前記壁に沿って前記油戻り部へと流れるようになっていることを特徴とする請求項７記載の油分離器。
9. 前記壁は、油が前記第２の周縁部を越えて流れるのを防止する防止手段をさらに含むことを特徴とする請求項１記載の油分離器。
10. 前記防止手段は、前記壁から延在するリップ部を含むことを特徴とする請求項９記載の油分離器。
11. 圧縮機において冷媒から油を分離するために使用される油分離器であって、
    前記圧縮機は、ハウジングと、噛み合うロータと、冷媒の吸入口と、冷媒の吐出口と、吐出管に連結された吐出ハウジングと、を備えるスクリュー圧縮機を含み、
    内側面を有する前記吐出管と、
    前記吐出管内に配設されるとともに、入口および該入口よりも直径が大きい出口を有し、かつ油が前記出口から流出するのを防止する流出防止手段を構成する前記吐出管の内部の構造体と、
    前記吐出管の外に油を導く手段と、を有し、
    前記構造体は、実質的に円環状の壁であり、前記壁の形状と前記吐出管に対する前記壁の相対的な向きとによって前記流出防止手段が構成され、
    前記出口は、前記壁によって構成される第１の周縁部を有し、この第１の周縁部は、前記吐出管の内側面と寸法が等しく、かつ該内側面に密着して取り付けられており、
    前記入口は、前記壁によって構成される第２の周縁部を有し、
    前記第１の周縁部と前記第２の周縁部とを接続する前記壁の中間部分が前記流出防止手段として、湾曲した断面形状を有し、油の流れに対する障壁を構成していることを特徴とする油分離器。

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