JP4056359B2 - 電解加工装置及び方法 - Google Patents

電解加工装置及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4056359B2
JP4056359B2 JP2002324410A JP2002324410A JP4056359B2 JP 4056359 B2 JP4056359 B2 JP 4056359B2 JP 2002324410 A JP2002324410 A JP 2002324410A JP 2002324410 A JP2002324410 A JP 2002324410A JP 4056359 B2 JP4056359 B2 JP 4056359B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
ion exchanger
processing
discharge
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002324410A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004002955A (ja
Inventor
充彦 白樫
穂積 安田
正行 粂川
厳貴 小畠
治 鍋谷
一人 廣川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2002324410A priority Critical patent/JP4056359B2/ja
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to TW091134719A priority patent/TWI267417B/zh
Priority to PCT/JP2002/012519 priority patent/WO2003046263A1/en
Priority to EP02785985A priority patent/EP1448811A4/en
Priority to CNB028276892A priority patent/CN100346008C/zh
Priority to US10/432,397 priority patent/US7427345B2/en
Priority to KR1020047008256A priority patent/KR100917433B1/ko
Publication of JP2004002955A publication Critical patent/JP2004002955A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4056359B2 publication Critical patent/JP4056359B2/ja
Priority to US12/222,733 priority patent/US8133380B2/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Weting (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解加工装置及び方法に係り、特に半導体ウェハ等の基板表面の導電性材料を加工したり、基板表面に付着した不純物を除去したりするのに使用される電解加工装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体ウェハ等の基板上に回路を形成するための配線材料として、アルミニウムまたはアルミニウム合金に代えて、電気抵抗率が低くエレクトロマイグレーション耐性が高い銅(Cu)を用いる動きが顕著になっている。この種の銅配線は、基板の表面に設けた微細凹みの内部に銅を埋込むことによって一般に形成される。この銅配線を形成する方法としては、CVD、スパッタリング及びめっきといった手法があるが、いずれにしても、基板のほぼ全表面に銅を成膜して、化学機械的研磨(CMP)により不要の銅を除去するようにしている。
【0003】
図22は、この種の銅配線基板Wの一製造例を工程順に示すもので、先ず、図22(a)に示すように、半導体素子を形成した半導体基材1上の導電層1aの上にSiOからなる酸化膜やLow−K材膜等の絶縁膜2を堆積し、この絶縁膜2の内部に、リソグラフィ・エッチング技術によりコンタクトホール3と配線用の溝4を形成し、その上にTaN等からなるバリア膜5、更にその上に電解めっきの給電層としてシード層7を形成する。
【0004】
そして、図22(b)に示すように、基板Wの表面に銅めっきを施すことで、コンタクトホール3及び溝4内に銅を充填するとともに、絶縁膜2上に銅膜6を堆積する。その後、化学機械的研磨(CMP)により、絶縁膜2上の銅膜6及びバリア膜5を除去して、コンタクトホール3及び配線用の溝4に充填させた銅膜6の表面と絶縁膜2の表面とをほぼ同一平面にする。これにより、図22(c)に示すように銅膜6からなる配線が形成される。
【0005】
また、最近ではあらゆる機器の構成要素において微細化かつ高精度化が進み、サブミクロン領域での物作りが一般的となるにつれて、加工法自体が材料の特性に与える影響は益々大きくなっている。このような状況下においては、従来の機械加工のように、工具が被加工物を物理的に破壊しながら除去していく加工法では、加工によって被加工物に多くの欠陥を生み出してしまうため、被加工物の特性が劣化する。従って、いかに材料の特性を損なうことなく加工を行うことができるかが問題となってくる。
【0006】
この問題を解決する手段として開発された特殊加工法に、化学研磨や電解加工、電解研磨がある。これらの加工法は、従来の物理的な加工とは対照的に、化学的溶解反応を起こすことによって、除去加工等を行うものである。従って、塑性変形による加工変質層や転位等の欠陥は発生せず、前述の材料の特性を損なわずに加工を行うといった課題が達成される。
【0007】
電解加工として、イオン交換体を使用したものが開発されている。これは、図23に示すように、被加工物10の表面に、加工電極14に取付けたイオン交換体12aと、給電電極16に取付けたイオン交換体12bとを接触乃至近接させ、加工電極14と給電電極16との間に電源17を介して電圧を印加しつつ、加工電極14及び給電電極16と被加工物10との間に液体供給部19から超純水等の加工用液体18を供給して、被加工物10の表面層の除去加工を行うようにしたものである。この電解加工によれば、超純水等の加工用液体18中の水分子20をイオン交換体12a,12bで水酸化物イオン22と水素イオン24に解離し、例えば生成された水酸化物イオン22を、被加工物10と加工電極14との間の電界と超純水等の加工用液体18の流れによって、被加工物10の加工電極14と対面する表面に供給して、ここでの被加工物10近傍の水酸化物イオン22の密度を高め、被加工物10の原子10aと水酸化物イオン22を反応させる。反応によって生成された反応物質26は、超純水等の加工用液体18中に溶解し、被加工物10の表面に沿った超純水等の加工用液体18の流れによって被加工物10から除去される。
【0008】
ここで、例えばイオン交換体としてカチオン交換基(陽イオン交換基)を付与したカチオン交換体を使用して銅の電解加工を行うと、銅が陽イオン交換基に捕らえられる。このように銅による陽イオン交換基の消費が進むと、継続的な加工が不能になる。また、イオン交換体としてアニオン交換基(陰イオン交換基)を付与したアニオン交換体を使用して銅の電解加工を行うと、イオン交換体(アニオン交換体)の表面に銅の酸化物が生成されて付着し、加工速度の均一性を妨げるおそれがある。
【0009】
そこで、このような場合に、イオン交換体を再生することで、これらの弊害を除去することが考えられる。イオン交換体の再生とは、イオン交換体に捕らえられたイオンを、例えばカチオン交換体の場合は水素イオンに、アニオン交換体の場合は水酸化物イオンにそれぞれ交換することである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
イオン交換体を使用したイオン交換法は、精製、分離、濃縮など様々な目的に利用されており、イオン交換体の再生は、カチオン交換体の場合は酸を、アニオン交換体の場合はアルカリを用い、これらの液体にイオン交換体を浸漬させることで一般に行われる。ここで、例えば、ナトリウムイオンのように、水素イオンとイオン選択係数が近いイオンを捕らえた陽イオン交換体にあっては、酸に浸漬させることによって非常に短時間でイオン交換体を再生することができる。しかし、イオン選択係数の大きいイオンを捕らえたイオン交換体を酸やアルカリを使用して再生すると、この再生速度が非常に遅い。また再生後のイオン交換体には、薬液が高濃度に残留し、このため、イオン交換体の洗浄が必要となる。更に、再生液を溜める再生槽が別途必要となって、かなり広い設置面積を占めてしまうばかりでなく、イオン交換体の再生のために加工を中断する必要があって、スループットの低下に繋がってしまう。
【0011】
なお、被加工物に接するイオン交換体は、表面平滑性と柔軟性を持たせるため、一般に薄いフィルム形状に形成されており、そのため、加工量の目安となるイオン交換容量が一般に小さい。このため、フィルム形状のイオン交換体と電極の間に、イオン交換容量の大きいイオン交換体を積層し、加工生成物の大部分の取込みをこの積層部(積層イオン交換体)で行っていた。しかし、ある程度加工を行うと、それ以上この積層部が加工生成物を取り込めなくなるので、イオン交換体の交換、もしくは再生を要していた。このイオン交換体の交換は、一般に手作業によって行われており、このため、この交換に多大な時間が掛かり、また再生するにしても、その間は加工ができないので、装置のスループットに悪影響を与えていた。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、イオン交換体を、加工を中断することなく、容易かつ迅速に再生し、しかも再生後のイオン交換体の洗浄の負荷を極めて小さくできるとともに、設置面積を減少できるようにした電解加工装置及び方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、被加工物に近接自在な加工電極と、被加工物に給電する給電電極と、前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に取付けたイオン交換体と、前記イオン交換体を再生する再生部であって、イオン交換体とと該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に設けられ、内部に汚染物排出用の排出用液体を流す排出部を有する再生部と、前記加工電極と前記給電電極との間に加工用の電圧を印加する加工用電源と、前記イオン交換体が存在する被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の間に、超純水、純水または電気伝導度が500μS/cm以下の液体からなる電解加工用の加工用液体を供給する電解加工液供給部と、前記排出部に、該排出部内に導かれた不純物イオンを内部に取込んで系外に排出する汚染物排出用の排出用流体を供給する排出液供給部とを有し、前記再生部は、イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に電圧を印加しながら、前記排出部内に排出用液体を流すことで、イオン交換体内に取込まれた不純物イオンを前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方に向けて移動させ前記排出部に導いて排出用液体内に取込み、前記イオン交換体から除去してイオン交換体を再生することを特徴とする電解加工装置である。
請求項2に記載の発明は、被加工物に近接自在な加工電極と、被加工物に給電する給電電極と、前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に取付けたイオン交換体と、前記イオン交換体を再生する再生部であって、イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に設けられ、内部に汚染物排出用の排出用液体を流す排出部を有する再生部と、前記加工電極と前記給電電極との間に加工用の電圧を印加する加工用電源と、前記イオン交換体が存在する被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の間に、電解液からなる電解加工用の加工用液体を供給する電解加工液供給部と、前記排出部に、該排出部内に導かれた不純物イオンを内部に取込んで系外に排出する汚染物排出用の排出用流体を供給する排出液供給部とを有し、前記再生部は、イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に電圧を印加しながら、前記排出部内に排出用液体を流すことで、イオン交換体内に取込まれた不純物イオンを前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方に向けて移動させ前記排出部に導いて排出用液体内に取込み、前記イオン交換体から除去してイオン交換体を再生することを特徴とする電解加工装置である。
【0014】
これにより、被加工物に給電電極により給電しながら加工電極を近接させ、イオン交換体が存在する被加工物と加工電極または給電電極の少なくとも一方の間に電解加工用の加工用液体を供給しつつ、加工電極と給電電極との間に加工用電圧を印加することで、加工電極による電解加工とイオン交換体の再生部による再生を同時に行うことができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、前記再生部は、前記イオン交換体と接触乃至近接した位置に配置され該イオン交換体の再生に伴って該イオン交換体から排出される不純物イオンを通過させ、他のイオンのイオン交換体側への移動を阻止する隔壁を有し、前記排出部は、前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方と前記隔壁との間に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の電解加工装置である。
これにより、イオン交換体を固体電解質としたイオン交換反応により、電解加工に伴ってイオン交換体内に取り込まれたイオン状の加工生成物等の不純物イオンを、加工電極または給電電極に向け移動させて隔壁を通過させ、この隔壁を通過した不純物イオンを排出部に供給される汚染物排出用の排出用液体の流れで系外に排出してイオン交換体を再生することができる。
【0016】
壁は、イオン交換体中の不純物イオンの移動の妨げとなることなく、しかも隔壁で隔てた排出部内を流れる排出用液体(液体中のイオンも含む)のイオン交換体側への透過を阻止できることが望ましい。イオン交換体は、カチオンまたはアニオンの一方を選択的に透過することができ、しかも、膜状のイオン交換体を用いることで、排出部内を流れる排出用液体がイオン交換体側に進入することを防止することができ、これらの要求を満たすことができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、前記隔壁は、前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に取付けたイオン交換体が陽イオン交換体であるときは陽イオン交換体で構成され、前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に取付けたイオン交換体が陰イオン交換体であるときは陰イオン交換体で構成されていることを特徴とする請求項3記載の電解加工装置である。
【0018】
このように、再生に付するイオン交換体と隔壁(イオン交換体)が同じ極性のイオン交換基を有するようにすることで、イオン交換体から出た不純物イオンのみを隔壁を透過させ、排出部内を流れる排出用液体中のイオンが隔壁を透過してイオン交換体側に移動することを防止することができる。
【0019】
ここで、カチオン交換体にあっては、カチオン交換体の内部をカチオン(陽イオン)のみが電気的に移動可能である。そこで、例えば加工電極を陰極とした場合には、この加工電極の表面にカチオン交換体(イオン交換体)を取付け、このカチオン交換体を再生する時には、図1の右側に示すように、カチオン交換体30aと加工電極(陰極)32との間に再生部34aを設ける。一方、アニオン交換体にあっては、アニオン交換体の内部をアニオン(陰イオン)のみが電気的に移動可能である。そこで、例えば給電電極を陽極とした場合には、この給電電極の表面にアニオン交換体(イオン交換体)を取付け、このアニオン交換体を再生する時には、図1の左側に示すように、アニオン交換体30bと給電電極(陽極)36との間に再生部34bを設ける。
【0020】
ここに、再生部34a,34bは、イオン交換体(カチオン交換体30aまたはアニオン交換体30b)と接触乃至近接した位置に配置された隔壁38と、加工電極32または給電電極36と隔壁38との間に形成された排出部40と、この排出部40に汚染物排出用の排出用液体Aを供給する排出液供給部42を有している。そして、イオン交換体(カチオン交換体30a及びアニオン交換体30b)に基板W等の被処理材を近接乃至接触させた状態で、排出部40に排出液供給部42から汚染物排出用の排出用液体Aを、隔壁38とイオン交換体(カチオン交換体30a及び/またはアニオン交換体30b)との間に電解加工液供給部44から電解加工用の加工用液体Bをそれぞれ供給し、同時に、加工電極32と給電電極36との間に、加工電極32を陰極、給電電極36を陽極とした電圧を加工用電源46から印加し、これによって、電解加工を行う。
【0021】
この時、カチオン交換体30aにあっては、この内部に加工中に取り込まれた被加工物の溶解イオンM等のイオンが加工電極(陰極)32側に向かって移動して隔壁38を通過し、この隔壁38を通過したイオンMは、隔壁38と加工電極32との間に供給される排出用液体Aの流れで系外に排出され、これによって、カチオン交換体30aが再生される。この隔壁38として、カチオン交換体を使用することで、カチオン交換体30aから出たイオンMのみを隔壁(カチオン交換体)38を透過させることができる。一方、アニオン交換体30bにあっては、この内部のイオンXが、給電電極(陽極)36側に向かって移動して隔壁38を通過し、この隔壁38を通過したイオンXは、隔壁38と給電電極36との間に供給される排出用液体Aの流れで系外に排出され、これによって、アニオン交換体30bが再生される。この隔壁38として、アニオン交換体を使用することで、アニオン交換体30bから出たイオンXのみを隔壁(アニオン交換体)38を透過させることができる。
【0022】
なお、この例では、汚染物排出用の液体として、単一の液体Aを使用しているが、イオン交換体から排出する不純物イオンの種類に合わせて異なる液体を使用してもよい。
【0023】
こで、超純水は、例えば電気伝導度(1atm,25℃換算値、以下同じ)が0.1μS/cm以下の水で、純水は、例えば電気伝導度が10μS/cm以下の水である。このように、加工用液体として、純水、より好ましくは、超純水を使用して電解加工を行うことで、清浄な加工を行うことができ、これによって、後の洗浄や廃液の処理を簡素化することができる。
【0024】
また、加工用液体として、例えば、純水または超純水に界面活性剤等の添加剤を添加して、電気伝導度が500μS/cm以下、好ましくは、50μS/cm、より好ましくは、0.1μS/cm以下にした液体を使用し、液体中に、イオンの局部的な集中を防ぐ役割を果たす添加剤を存在させることで、イオンの局所的な集中を抑えることができる。
電解液としては、例えば、NaClやNaSO等の中性塩、HClやHSO等の酸、更には、アンモニア等のアルカリが使用でき、被加工物の特性によって、適宜選択して使用すればよい。
【0025】
請求項5に記載の発明は、前記排出用液体は、電気伝導度が50μS/cm以上でかつ前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に取付けたイオン交換体から除去されるイオンとの反応により難溶性もしくは不溶性の化合物を生成しない液体であることを特徴とする請求項1または2記載の電解加工装置である。
【0026】
このように、排出部に電気伝導度(誘電率)が高くかつイオン交換体から除去されるイオンとの反応により不溶性の化合物を生じない排出用液体を供給することで、この排出用液体の電気抵抗を下げて再生部の消費電力を少なく抑え、しかも不純物イオンとの反応で不溶性の化合物(2次生成物)が生成されて隔壁に付着して加工電極と給電電極との間の電気抵抗が変化し、制御が困難となることを防止することができる。この排出用液体は、排出する不純物イオンの種類によって選択されるが、例えば、銅の電解研磨に使用したイオン交換体を再生する時に使用するものとして、濃度が1wt%以上の硫酸を挙げることができる。
【0027】
請求項に記載の発明は、被加工物に近接自在な加工電極と、被加工物に給電する給電電極と、前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に取付けたイオン交換体と、前記イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方に設けられ当該イオン交換体を再生する再生部と、前記加工電極と前記給電電極との間に加工用の電圧を印加する加工用電源と、前記イオン交換体が存在する被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の間に、超純水、純水または電気伝導度が500μS/cm以下の液体からなる電解加工用の加工用液体を供給する電解加工液供給部とを有し、前記再生部は、再生電極と、該再生電極と前記イオン交換体を取付けた加工電極または給電電極との一方との間に形成された排出部とを有し、イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間、及び該加工電極または給電電極の一方と前記再生電極との間に電圧を印加しながら、前記排出部内に排出用液体を流すことで、イオン交換体内に取込まれた不純物イオンを排出部内に導き排出用液体内に取込んでイオン交換体を再生することを特徴とする電解加工装置である。
請求項7に記載の発明は、被加工物に近接自在な加工電極と、被加工物に給電する給電電極と、前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に取付けたイオン交換体と、前記イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方に設けられ当該イオン交換体を再生する再生部と、前記加工電極と前記給電電極との間に加工用の電圧を印加する加工用電源と、前記イオン交換体が存在する被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の間に、電解液からなる電解加工用の加工用液体を供給する電解加工液供給部とを有し、前記再生部は、再生電極と、該再生電極と前記イオン交換体を取付けた加工電極または給電電極との一方との間に形成された排出部とを有し、イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間、及び該加工電極または給電電極の一方と前記再生電極との間に電圧を印加しながら、前記排出部内に排出用液体を流すことで、イオン交換体内に取込まれた不純物イオンを排出部内に導き排出用液体内に取込んでイオン交換体を再生することを特徴とする電解加工装置である。
【0028】
例えば、図2に示す場合にあって、イオン交換体30aを、加工電極兼再生電極とした電極48のみを利用して再生しようとすると、特にイオン交換体30aの厚みが厚い場合には、加工の際に加工生成物の取込み量を多くでき、長時間加工を実現できる反面、加工生成物、不純物等による堆積物の発生や気泡の蓄積状況等によって、電界にバラツキを生じやすい。そのため、イオン交換体30aの内部の微小部分の抵抗値が変化して電流値が変化し、イオン移動効率が左右されることから、イオン交換体30aの均一な再生が困難になる。このような場合に、図2に示すように、加工電極32を独立配置し、この加工電極32の下方に位置する電極48を再生専用の電極(再生電極)とすることで、電界にバラツキが生じることを抑制して、イオン交換体30a内に蓄積したイオン性の加工生成物(不純物イオン)等の除去をより均一に行うことができる。
【0029】
そして、加工電極32のイオン交換体(カチオン交換体)30aと反対側に、再生電極48と該再生電極48と加工電極32との間に区画形成される排出部40aを有し、この排出部40aに沿って排出用流体(流体A)を流すようにした再生部34cを設け、加工電極32と再生電極48との間に、再生用電源49により再生電圧をかけて強制的に電流を流すことにより、イオン交換体30aの再生を行うことができる。加工用電源は、CC(定電流)またはCV(定電圧)の制御を要するため、一般に高価であるが、この再生用電源49としては、このような必要がないので、より安価なものを用いることができる。
【0030】
請求項8に記載の発明は、前記イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方と該イオン交換体との間、もしくは前記イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方と前記再生電極との間に、前記イオン交換体の再生に伴って該イオン交換体から排出される不純物イオンを透過させ、他のイオンのイオン交換体側への移動を阻止する隔壁を有することを特徴とする請求項6または7記載の電解加工装置である。これにより、イオン交換体内に取り込まれたイオン状の加工生成物(不純物イオン)等を、加工電極または給電電極に向け移動させて隔壁を通過させ、この隔壁を通過した不純物イオンを排出部に供給される汚染物排出用の排出用液体に取込み、液体の流れで系外に排出する。これにより連続したイオン交換体の浄化(再生)を行うことができる。
【0031】
請求項9に記載の発明は、前記イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の両面、前記イオン交換体の再生に伴って該イオン交換体から排出される不純物イオンを透過させ、他のイオンのイオン交換体側への移動を阻止する隔壁を有することを特徴とする請求項6または7記載の電解加工装置である。これによれば、加工電極の両面に隔壁を具備する場合、被加工物押し付け力、加工液圧力及び排出用液体の圧力によって隔壁に圧力差が働く場合でも、電極のサポートにより変形することなく、又は破損することなく使用し、継続処理が可能である。さらに何らかの原因で例え1枚の隔壁が破れたとしても、排出用液体が加工用液体側に漏出するのを防止する、さらには被加工物に排出用液体(通常は電解液)が接触することを防止することができる。
【0032】
請求項10に記載の発明は、前記イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方は、前記隔壁に接した状態で、支持体で支持されて固定されていることを特徴とする請求項6または7記載の電解加工装置である。これにより、加工電極を支持体で支持して固定することで、隔壁の位置決め及び固定を行うことができるので、隔壁を保持するための構造体を別途設ける必要がなくなる。
【0033】
請求項11に記載の発明は、前記イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方には、前記排出用液体または加工用液体を通す連通孔が設けられていることを特徴とする請求項乃至10のいずれかに記載の電解加工装置である。これにより、イオン交換体から出たイオン状の加工生成物(不純物イオン)等は、加工電極に設けた連通孔を通過して排出部に達する。この中間電極は、例えばメッシュ電極によって構成することができる。
【0034】
請求項12に記載の発明は、前記イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方と被加工物との間に、中間電極を有することを特徴とする請求項乃至11のいずれかに記載の電解加工装置である。このように、中間電極を設けることで、電位を段階的に変化させることができるとともに、電界を均一にして、安定化させることができる。
【0035】
請求項13に記載の発明は、前記中間電極と、前記イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方、または他の中間電極は、中間電源に接続されていることを特徴とする請求項12記載の電解加工装置である。これにより、電圧を段階的に変化させることができるとともに、電界を均一にして、安定化させることができる。この場合、引出し電極へ印加する電圧は、全体の電圧(再生用電圧)よりも小さくすることが望ましい。
請求項14に記載の発明は、前記中間電極は、電源に接続されていないフローティング電極であることを特徴とする請求項13記載の電解加工装置である。このように、加工電極をフローティング電極としても、電圧を段階的に変化させ、安定な電界を得ることができる。
【0036】
請求項15に記載の発明は、前記中間電極には、前記排出用液体または加工用液体を通す連通孔が設けられていることを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載の電解加工装置である。これにより、イオン交換体から出たイオン状の加工生成物(不純物イオン)等は、中間電極に設けた連通孔を通過して排出部に達する。この中間電極は、例えばメッシュ電極によって構成することができる。
請求項16に記載の発明は、前記中間電極は、イオン交換体または隔壁と積層されていることを特徴とする請求項12乃至15のいずれかに記載の電解加工装置である。このように、中間電極の数を増やすことによって、電位をより均一に段階的に変化させることができる。
【0037】
請求項17に記載の発明は、前記排出部には、該排出部内の排出用液体を強制的に攪拌するための攪拌手段が備えられていることを特徴とする請求項乃至16のいずれかに記載の電解加工装置である。このように、排出部内の排出用液体を攪拌手段で強制的に攪拌することで、例えば電解加工の際に加工電極表面に発生するガス(銅の除去加工の時には、水素ガス)が隔壁や電極に付着し成長して、均一な電界を形成するのを邪魔したり、また、排除するイオンの隔壁付近のイオン濃度を低減することができ、イオン交換自体を邪魔したりすることを防止することができる。
【0038】
請求項18に記載の発明は、前記排出部から流出した排出用液体を脱気する脱気装置を有することを特徴とする請求項乃至17のいずれかに記載の電解加工装置である。前述した様に、電解加工ではガスが発生し、排出部内に流入し排出される排出用液体のガス溶存率も上昇するが、このように排出部から流失した排出用液体を脱気する脱気装置を備えることで、排出用液体の再利用が可能となる。この脱気装置としては、例えば、非通液性の中空糸膜の中に被処理液体(排出用液体)を通して、中空糸膜の外部を減圧とすることにより脱気する、脱気膜式脱気室を用いることができる。なお、排出用液体は、循環して利用するようにしても、バッチ式で再利用するようにしてもよい。
【0039】
請求項19に記載の発明は、被加工物に給電電極により給電しながら加工電極を近接させ、前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面にイオン交換体を取付け、前記イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に電圧を印加することでイオン交換体内に取込まれた不純物イオンを前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方に向けて移動させイオン交換体から除去してイオン交換体を再生する再生部であって、イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に設けられ、前記不純物イオンを内部に取込む汚染物排出用の排出用液体を内部に流す排出部を有する再生部を、前記イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に配置し、前記イオン交換体が存在する被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の間に、超純水、純水または電気伝導度が500μS/cm以下の液体からなる電解加工用の加工用液体を、前記排出部に排出用液体をそれぞれ供給し、前記加工電極と前記給電電極との間に加工用電圧を印加して、前記加工電極による電解加工と前記イオン交換体の前記再生部による再生を同時に行うことを特徴とする電解加工方法である。
請求項20に記載の発明は、被加工物に給電電極により給電しながら加工電極を近接させ、前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面にイオン交換体を取付け、前記イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に電圧を印加することでイオン交換体内に取込まれた不純物イオンを前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方に向けて移動させイオン交換体から除去してイオン交換体を再生する再生部であって、イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に設けられ、前記不純物イオンを内部に取込む汚染物排出用の排出用液体を内部に流す排出部を有する再生部を、前記イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に配置し、前記イオン交換体が存在する被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の間に電解液からなる電解加工用の加工用液体を、前記排出部に排出用液体をそれぞれ供給し、前記加工電極と前記給電電極との間に加工用電圧を印加して、前記加工電極による電解加工と前記イオン交換体の前記再生部による再生を同時に行うことを特徴とする電解加工方法である。
【0040】
請求項21に記載の発明は、前記イオン交換体の再生部による再生を、該イオン交換体から除去される不純物イオンを、他のイオンのイオン交換体側への移動を阻止しつつ隔壁を通過させ前記排出部に導いて行うことを特徴とする請求項19または20記載の電解加工方法である。
【0041】
請求項22に記載の発明は、前記隔壁は、前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に取付けたイオン交換体が陽イオン交換体であるときは陽イオン交換体で構成され、前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に取付けたイオン交換体が陰イオン交換体であるときは陰イオン交換体で構成されていることを特徴とする請求項21記載の電解加工方法である。
【0042】
請求項23に記載の発明は、前記排出用液体は、電気伝導度が50μS/cm以上でかつ前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に取付けたイオン交換体から除去されるイオンとの反応により難溶性もしくは不溶性の化合物を生成しない液体であることを特徴とする請求項19または20記載の電解加工方法である。
【0043】
請求項24に記載の発明は、被加工物に近接自在な加工電極と、被加工物に給電する給電電極と、前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に個別に取付けたイオン交換体と、前記イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に区画形成され、内部に汚染物排出用の排出用液体を流す排出液流路を有する当該イオン交換体を再生する再生部と、前記加工電極と前記給電電極との間に加工用の電圧を印加する加工用電源と、前記排出液流路に沿って流れ該流路から流出した排出用液体を再生する排出液再生部と、前記イオン交換体が存在する被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の間に、超純水、純水または電気伝導度が500μS/cm以下の液体からなる電解加工用の加工用液体を供給する電解加工液供給部とを有し、前記再生部は、イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に電圧を印加しながら、前記排出液流路内に排出用液体を流すことで、イオン交換体内に取込まれた不純物イオンを前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方に向けて移動させ前記排出用流路内に導いて排出用液体内に取込み、前記イオン交換から除去して、イオン交換体を再生することを特徴とする電解加工装置である。
請求項25に記載の発明は、被加工物に近接自在な加工電極と、被加工物に給電する給電電極と、前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に個別に取付けたイオン交換体と、前記イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に区画形成され、内部に汚染物排出用の排出用液体を流す排出液流路を有する当該イオン交換体を再生する再生部と、前記加工電極と前記給電電極との間に加工用の電圧を印加する加工用電源と、前記排出液流路に沿って流れ該流路から流出した排出用液体を再生する排出液再生部と、前記イオン交換体が存在する被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の間に、電解液からなる電解加工用の加工用液体を供給する電解加工液供給部とを有し、前記再生部は、イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に電圧を印加しながら、前記排出液流路内に排出用液体を流すことで、イオン交換体内に取込まれた不純物イオンを前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方に向けて移動させ前記排出用流路内に導いて排出用液体内に取込み、前記イオン交換から除去して、イオン交換体を再生することを特徴とする電解加工装置である。
【0044】
これにより、初期の加工においては、溶解イオン等の加工生成物(不純物イオン)をイオン交換体の内部に取込み、このイオン交換体のイオン交換用量が限界に達した時に、イオン交換体と電極(加工電極または給電電極)との間に区画形成した排出液流路に沿って流れる排出用液体でイオン状の加工生成物(不純物イオン)の取込みを行うことで、消耗部材の交換を容易にすることができる。
【0045】
請求項26に記載の発明は、前記排出液流路の内部に、前記イオン交換体を平坦に支持する支持体を配置したことを特徴とする請求項24または25記載の電解加工装置である。これにより、イオン交換体として、薄いフィルム状のものを使用しても、このイオン交換体を支持体で支持することで、イオン交換体を被加工物に柔軟に接触させることができる。この柔軟とは、被加工物の寸法や相対運動による被加工面のバラツキに対応するために求められるものである。
【0046】
請求項27に記載の発明は、前記イオン交換体は、フィルム形状の表面層と、弾性を有しイオン交換容量の大きな中間層または裏面層を有する2層以上の多層構造からなることを特徴とする請求項24または25記載の電解加工装置である。これにより、表面層のイオン交換体のイオン交換容量が小さくても、中間層または裏面層のイオン交換体を介して、イオン交換体全体としてのイオン交換容量を増大させ、しかもイオン交換体に弾性を持たせて、加工の際にイオン交換体に過度の圧力が加わってイオン交換体が損傷してしまうことを防止することができる。
【0047】
請求項28に記載の発明は、前記排出液流路の内部の前記イオン交換体と接触乃至近接した位置に、該イオン交換体の再生に伴って該イオン交換体から排出される不純物イオンを通過させ、他のイオンのイオン交換体側への移動を阻止する隔壁を配置し、該隔壁には、貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項24または25記載の電解加工装置である。
【0048】
記排出液流路に沿って流れ該流路から流出した排出用液体を再生する排出液再生部を有することにより排出用液体を再利用することで、装置のランニングコストを低く抑えることができる。
請求項29に記載の発明は、前記排出液再生部には液体再生電極が備えられ、この液体再生電極は、再生に付される排出用液体と電気的に分離されていることを特徴とする請求項24または25記載の電解加工装置である。これにより、排出用液体の再生を、短絡を防止しつつ効率よく行うことができる。
【0050】
請求項30に記載の発明は、前記汚染物排出用の排出用液体は、内部にイオン交換基を含むことを特徴とする請求項24または25記載の電解加工装置である。
このイオン交換基を含む液体としては、例えばイオン交換体自体が流動性を有するものや、高イオン交換体容量を有するイオン交換体を粉々に粉砕して、この粉砕物を純水等の液体に混合させて流動性を持たせたもの等が挙げられる。
【0051】
請求項31に記載の発明は、被加工物に給電電極により給電しながら加工電極を近接させ、前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面にイオン交換体を取付け、前記イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に区画形成された排出液流路の内部にイオン交換基を含む汚染物排出用の排出用液体を、前記イオン交換体が存在する被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の間に、超純水、純水、電気伝導度が500μS/cm以下の液体または電解液からなる電解加工用の加工用液体をそれぞれ供給しつつ、前記加工電極と前記給電電極との間に加工用電圧を印加して加工を行い、同時にイオン交換体内に取込まれた不純物イオンをイオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方に向けて移動させて前記排出用流路内に導き排出用液体内に取込んでイオン交換体を再生することを特徴とする電解加工方法である。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、以下の例では、被加工物として基板を使用し、基板の表面に堆積させた銅を除去(研磨)するようにした電解加工装置(電解研磨装置)に適用した例を示しているが、基板以外にも適用でき、更には、他の電解加工にも適用できることは勿論である。
【0053】
図3及び図4は、本発明の実施の形態の電解加工装置50を示す。この電解加工装置50は、水平方向に揺動自在な揺動アーム52の自由端に垂設されて基板Wをその表面を下向き(フェイスダウン)に吸着保持する基板保持部54と、円板状で絶縁体からなり、例えば扇状の加工電極56と給電電極58とを該加工電極56と給電電極58の表面(上面)を露出させて交互に埋設し、これらの加工電極56と給電電極58の表面を膜状のイオン交換体60で一体に覆った電極部62とから主に構成されている。
【0054】
ここに、この例では、加工電極56と給電電極58とを有する電極部62として、基板保持部54で保持する基板Wの直径よりやや大きな直径を有するものを使用し、電極部62をスクロール運転させて、基板Wの表面全域を同時に電解加工するようにしている。
【0055】
イオン交換体60は、例えば、アニオン交換能またはカチオン交換能を付与した不織布で構成されている。カチオン交換体は、好ましくは強酸性カチオン交換基(スルホン酸基)を担持したものであるが、弱酸性カチオン交換基(カルボキシル基)を担持したものでもよい。また、アニオン交換体は、好ましくは強塩基性アニオン交換基(4級アンモニウム基)を担持したものであるが、弱塩基性アニオン交換基(3級以下のアミノ基)を担持したものでもよい。
【0056】
ここで、例えば強塩基アニオン交換能を付与した不織布は、繊維径20〜50μmで空隙率が約90%のポリオレフィン製の不織布に、γ線を照射した後グラフト重合を行う所謂放射線グラフト重合法により、グラフト鎖を導入し、次に導入したグラフト鎖をアミノ化して4級アンモニウム基を導入して作製される。導入されるイオン交換基の容量は、導入するグラフト鎖の量により決定される。グラフト重合を行うためには、例えばアクリル酸、スチレン、メタクリル酸グリシジル、更にはスチレンスルホン酸ナトリウム、クロロメチルスチレン等のモノマーを用い、これらのモノマー濃度、反応温度及び反応時間を制御することで、重合するグラフト量を制御することができる。従って、グラフト重合前の素材の重量に対し、グラフト重合後の重量の比をグラフト率と呼ぶが、このグラフト率は、最大で500%が可能であり、グラフト重合後に導入されるイオン交換基は、最大で5meq/gが可能である。
【0057】
強酸性カチオン交換能を付与した不織布は、前記強塩基性アニオン交換能を付与する方法と同様に、繊維径20〜50μmで空隙率が約90%のポリオレフィン製の不織布に、γ線を照射した後グラフト重合を行う所謂放射線グラフト重合法により、グラフト鎖を導入し、次に導入したグラフト鎖を、例えば加熱した硫酸で処理してスルホン酸基を導入して作製される。また、加熱したリン酸で処理すればリン酸基が導入できる。ここでグラフト率は、最大で500%が可能であり、グラフト重合後に導入されるイオン交換基は、最大で5meq/gが可能である。
【0058】
なお、イオン交換体60の素材の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系高分子、またはその他有機高分子が挙げられる。また素材形態としては、不織布の他に、織布、シート、多孔質材、短繊維、ネット等が挙げられる。
【0059】
ここで、ポリエチレンやポリプロピレンは、放射線(γ線と電子線)を先に素材に照射する(前照射)ことで、素材にラジカルを発生させ、次にモノマーと反応させてグラフト重合することができる。これにより、均一性が高く、不純物が少ないグラフト鎖ができる。一方、その他の有機高分子は、モノマーを含浸させ、そこに放射線(γ線、電子線、紫外線)を照射(同時照射)することで、ラジカル重合することができる。この場合、均一性に欠けるが、ほとんどの素材に適用できる。
【0060】
このように、イオン交換体60をアニオン交換能またはカチオン交換能を付与した不織布で構成することで、通水性があるために、純水または超純水や電解液等の液体が不織布の内部を自由に移動して、液相中のイオンとイオン交換体のイオン交換基の間で容易にイオン交換反応が行える。
【0061】
ここで、イオン交換体60をアニオン交換能またはカチオン交換能の一方を付与したもので構成すると、電解加工できる被加工材料が制限されるばかりでなく、極性により不純物が生成しやすくなる。そこで、イオン交換体60を、アニオン交換能を有するアニオン交換体とカチオン交換能を有するカチオン交換体とを同心状に配置して一体構成としてもよい。また、アニオン交換能を有するアニオン交換体とカチオン交換能を有するカチオン交換体とを重ね合わせたり、扇状に形成して、交互に配置したりしてもよい。更に、イオン交換体60自体にアニオン交換能とカチオン交換能の双方の交換基を付与するようにしてもよい。このようなイオン交換体としては、陰イオン交換基と陽イオン交換基を任意に分布させて存在させた両性イオン交換体、陽イオン交換基と陰イオン交換基を層状に存在させたバイポーラーイオン交換体、更には陽イオン交換基が存在する部分と陰イオン交換基が存在する部分とを厚さ方向に並列に存在させたモザイクイオン交換体が挙げられる。なお、アニオン交換能またはカチオン交換能の一方を付与したイオン交換体60を、被加工材料に合わせて使い分けてもよいことは勿論である。
【0062】
基板保持部54を揺動させる揺動アーム52は、上下動用モータ64の駆動に伴ってボールねじ66を介して上下動し、揺動用モータ68の駆動に伴って回転する揺動軸70の上端に連結されている。また、基板保持部54は、揺動アーム52の自由端に取付けた自転用モータ72に接続され、この自転用モータ72の駆動に伴って回転(自転)するようになっている。
【0063】
電極部62は、中空モータ74に直結され、この中空モータ74の駆動に伴って、スクロール運転(並進回転運動)するようになっている。電極部62の中央部には、貫通孔62aが設けられ、この貫通孔62aは、純水、より好ましくは超純水等の電解加工用の加工用液体を供給する電解加工液供給部76に接続されて中空モータ74の中空部内を延びる電解加工液供給管78に連通している。これによって、純水または超純水等の加工用液体は、この貫通孔62aを通して電極部62の上面に供給された後、吸水性を有するイオン交換体60を通じて加工面全域に供給されるようになっている。
【0064】
ここで、純水は、例えば電気伝導度が10μS/cm以下の水であり、超純水は、例えば電気伝導度が0.1μS/cm以下の水である。なお、純水の代わりに電気伝導度500μS/cm以下の液体や、任意の電解液を使用してもよい。加工中に加工用液体を供給することにより、加工生成物、気体溶解等による加工不安定性を除去でき、均一な、再現性のよい加工が得られる。
【0065】
この例では、電極部62の上面に複数の扇状の電極板80を円周方向に沿って埋設し、この電極板80に、コントロールボックス82を介して、加工用電源84の陰極と陽極とを交互に接続することで、加工用電源84の陰極と接続した電極板80が加工電極56となり、陽極と接続した電極板80が給電電極58となるようにしている。これは、例えば銅にあっては、陰極側に電解加工作用が生じるからであり、被加工材料によっては、陰極側が給電電極となり、陽極側が加工電極となるようにしてもよい。つまり、被加工材料が、例えば銅、モリブデンまたは鉄にあっては、陰極側に電解加工作用が生じるため、加工用電源84の陰極と接続した電極板80が加工電極56となり、陽極と接続した電極板80が給電電極58となるようにする。一方、例えばアルミニウムやシリコンにあっては、陽極側で電解加工作用が生じるため、加工電極の陽極に接続した電極を加工電極となし、陰極側を給電電極とすることができる。
【0066】
このように、加工電極56と給電電極58とを電極部62の円周方向に沿って分割して交互に設けることで、基板の導電体膜(被加工物)等への固定給電部を不要となして、基板の全面の加工が可能となる。更に、パルス状もしくは周期的に(交流)に正負を変化させることで、電解生成物を溶解させ、加工の繰返しの多重性によって平坦度を向上させることができる。
【0067】
ここで、加工電極56及び給電電極58は、電解反応により、電極の酸化または溶出が一般に問題となる。このため、この給電電極58の素材として、電極に広く使用されている金属や金属化合物よりも、炭素、比較的不活性な貴金属、導電性酸化物または導電性セラミックスを使用することが好ましい。この貴金属を素材とした電極としては、例えば、下地の電極素材にチタンを用い、その表面にめっきやコーティングで白金またはイリジウムを付着させ、高温で焼結して安定化と強度を保つ処理を行ったものが挙げられる。セラミックス製品は、一般に無機物質を原料として熱処理によって得られ、各種の非金属・金属の酸化物・炭化物・窒化物などを原料として、様々な特性を持つ製品が作られている。この中に導電性を持つセラミックスもある。電極が酸化すると電極の電気抵抗値が増加し、印加電圧の上昇を招くが、このように、白金などの酸化しにくい材料や酸化イリジウムなどの導電性酸化物で電極表面を保護することで、電極素材の酸化による電極抵抗の増大を防止することができる。
【0068】
ここで、例えばイオン交換体60としてカチオン交換基を付与したものを使用して銅の電解加工を行うと、加工終了後に銅がイオン交換体(カチオン交換体)60のイオン交換基の多くを占有しており、次の加工を行う時の加工効率が悪くなる。また、イオン交換体60としてアニオン交換基を付与したものを使用して銅の電解加工を行うと、イオン交換体(アニオン交換体)60の表面に銅の酸化物の微粒子が生成されて付着し、次の処理基板の表面を汚染するおそれがある。そこで、この例では、イオン交換体60として、カチオン交換体を使用し、加工電極56の表面を覆う位置に位置するイオン交換体(カチオン交換体)60を部分的に再生するようにしている。
【0069】
すなわち、加工電極56は電極部62に設けた凹部62b内に、給電電極58は電極部62に設けた凹部62c内にそれぞれ埋込まれているのであるが、この加工電極56を埋込む凹部62bは、給電電極58を埋込む凹部62cより深く設定され、ここに再生部90が設けられている。
【0070】
この再生部90は、凹部62bの開口端を閉塞する隔壁92を有し、このように凹部62bの開口端を隔壁92で閉塞することで、加工電極56と隔壁92との間に該隔壁92で区画された排出部94が形成されている。更に、電極部62には、汚染物排出用の排出用液体を供給する排出液供給部96に接続されて中空モータ74の中空部内を延びる排出液供給管98に連通し水平方向に延びて排出部94で開口する排出液供給口62dと、排出部94の外周端部から水平方向に延びて電極部62の外周端面で開口する排出液排出口62eが設けられている。これによって、排出用液体は、排出液供給口62dを通して排出部94に内部に供給され、この排出部94内に供給された排出用液体は、排出部94の内部を満たして該液体内に加工電極56を浸漬させながら、排出部94を一方向に流れて排出液排出口62eから順次外部に排出されるようになっている。
【0071】
この隔壁92は、下記のように、再生に付するイオン交換体60から除去される不純物イオンの移動の妨げとなることなく、しかも排出部94の内部の隔壁92と加工電極56との間を流れる排出用液体(液体中のイオンも含む)のイオン交換体60側への透過を防止できることが望ましい。イオン交換体は、カチオンまたはアニオンの一方を選択的に透過することができ、しかも、膜状のイオン交換体を用いることで、隔壁92と加工電極56との間を流れる排出用液体がイオン交換体60側に進入することを防止することができ、これらの要求を満たすことができる。
【0072】
また、排出部94内に供給する排出用液体は、電気伝導度(誘電率)が、例えば50μS/cm以上と高くかつイオン交換体60から除去されるイオンとの反応により不溶性の化合物を生成しない液体であることが望ましい。つまり、この排出用液体は、下記のように、再生に付するイオン交換体60から移動し隔壁92を通過したイオンを該液体の流れで系外に排出するためのもので、このように、電気伝導度(誘電率)が高くかつイオン交換体60から除去されるイオンとの反応により不溶性の化合物を生じない液体を供給することで、この液体の電気抵抗を下げて再生部90の消費電力を少なく抑え、しかも、イオン交換体60との反応で難溶性もしくは不溶性の化合物(2次生成物)が生成されて隔壁92に付着することを防止することができる。この排出用液体は、排出する不純物イオンの種類によって選択されるが、例えば、銅の電解研磨に使用したイオン交換体を再生する時に使用するものとして、濃度が1wt%以上の硫酸を挙げることができる。
【0073】
ここに、隔壁92として、この例では、再生に付するイオン交換体60と同じイオン交換基を有しているイオン交換体、すなわちカチオン交換体を使用している。これにより、イオン交換体(カチオン交換体)60から出たイオンのみを隔壁(イオン交換体)92を透過させ、排出部94内を流れる排出用液体中のイオンが隔壁(イオン交換体)92を透過してイオン交換体60側に移動することを防止することができる。
なお、イオン交換体として、アニオン交換基を有するアニオン交換体を使用している場合には、隔壁(イオン交換体)としてアニオン交換体を使用ことが好ましい。
【0074】
次に、この電解加工装置50による基板処理(電解加工及び再生処理)について説明する。
先ず、電解加工装置50の基板保持部54で基板Wを吸着保持し、揺動アーム52を揺動させて基板保持部54を電極部62の直上方の加工位置まで移動させる。次に、上下動用モータ64を駆動して基板保持部54を下降させ、この基板保持部54で保持した基板Wを電極部62の上面に取付けたイオン交換体60の表面に接触させるか、または近接させる。
【0075】
この状態で、コントロールボックス82を介して、加工電極56と給電電極58との間に加工用電源84から所定の電圧を印加するとともに、基板保持部54を回転(自転)させ、電極部62をスクロール運動させる。つまり、イオン交換体60と基板保持部54で保持した基板Wを接触もしくは近接させ、相対運動を行わせる。また、電極部62は、スクロール運動でなくても、自転型電極でもよく、更に、基板Wとイオン交換体60のどちらか一方のみを運動させてもよい。同時に、貫通孔62aを通じて、電極部62の下側から該電極部62の上面に純水または超純水等の加工用液体を供給し、加工電極56及び給電電極58と基板Wとの間に純水、超純水、500μS/cm以下の液体又は電解液を満たす。これによって、電極反応およびイオン交換体内のイオンの移動が起こり、基板Wに設けられた、例えば図22に示す銅膜6等の電解加工を行う。ここに、純水または超純水等の加工用液体がイオン交換体60の内部を流れるようにすることで、効率のよい電解加工を行うことができる。
【0076】
同時に、排出液供給口62dを通じて、再生部90に設けた排出部94内に汚染物排出用の排出用液体を供給する。これによって、排出部94内に排出用液体を満たして該液体中に加工電極56を浸漬させ、この排出用液体が排出部94内を直径方向外方に向けて一方向に流れて排出液排出口62eから外部に流出するようにする。
【0077】
これによって、イオン交換体60を固体電解質としたイオン交換反応により、イオン交換体60のイオンを加工電極56に向けて移動させ、隔壁92を通過させて排出部94に導き、この排出部94に移動したイオンをこの排出部94内に供給される排出用液体の流れで系外に排出して、イオン交換体60の再生を行う。この時、イオン交換体60として、カチオン交換体を使用した場合には、イオン交換体60に取り込まれたカチオンが隔壁92を通過して排出部94の内部に移動し、アニオン交換体を使用した場合には、イオン交換体60に取り込まれたアニオンが隔壁92を通過して排出部94の内部に移動して、イオン交換体60が再生される。
【0078】
ここに、前述のように、隔壁92として、再生に付するイオン交換体60と同じイオン交換基を有しているイオン交換体を使用することで、イオン交換体60中の不純物イオンの隔壁(イオン交換体)92の内部の移動が隔壁(イオン交換体)92によって妨げられることを防止して、消費電力が増加することを防止し、しかも隔壁92と加工電極56との間を流れる排出用液体(液体中のイオンも含む)のイオン交換体60側への透過を阻止して、再生後のイオン交換体60の再汚染を防止することができる。更に、隔壁92と加工電極56との間に、電気伝導度(導電率)が高くかつイオン交換体60から除去されるイオンとの反応により不溶性の化合物を生成しない排出用液体を供給することで、この排出用液体の電気抵抗を下げて再生部の消費電力を少なく抑え、しかも不純物イオンとの反応で生成された不溶性の化合物(2次生成物)が隔壁92に付着して加工電極56と給電電極58との間の電気抵抗が変化し、制御が困難となることを防止することができる。
【0079】
そして、電解加工完了後、コントロールボックス82を介して、加工用電源84と加工電極56及び給電電極58との電気的接続を切り、基板保持部54の回転及び電極部62のスクロール運動を停止させる。しかる後、基板保持部54を上昇させ、揺動アーム52を揺動させて、電解加工後の基板Wを次工程に搬送する。
【0080】
なお、この例では、電極部62と基板Wとの間に純水、好ましくは超純水を供給するようにした例を示している。このように電解質を含まない純水または超純水を使用して電解加工を行うことで、基板Wの表面に電解質等の余分な不純物が付着したり、残留したりすることをなくすことができる。更に、電解によって溶解した銅イオン等が、イオン交換体60にイオン交換反応で即座に捕捉されるため、溶解した銅イオン等が基板Wの他の部分に再度析出したり、酸化されて微粒子となり基板Wの表面を汚染したりすることがない。
【0081】
超純水は、比抵抗が大きく電流が流れ難いため、電極と被加工物との距離を極力短くしたり、電極と被加工物との間にイオン交換体を挟むことで電気抵抗を低減したりしているが、さらに電解液を組み合わせることで、更に電気抵抗を低減して消費電力を削減することができる。なお、電解液による加工では、被加工物の加工される部分が加工電極よりやや広い範囲に及ぶが、超純水とイオン交換体の組合せでは、超純水にほとんど電流が流れないため、被加工物の加工電極とイオン交換体が投影された範囲内のみが加工されることになる。
【0082】
また、純水または超純水の代わりに、純水または超純水に電解質を添加した電解液を使用してもよい。電解液を使用することで、更に電気抵抗を低減して消費電力を削減することができる。この電解液としては、例えば、NaClやNaSO等の中性塩、HClやHSO等の酸、更には、アンモニア等のアルカリなどの溶液が使用でき、被加工物の特性によって適宜選択して使用すればよい。電解液を用いる場合は、基板Wとイオン交換体60との間に僅かの隙間を設けて非接触とすることが好ましい。
【0083】
更に、純水または超純水の代わりに、純水または超純水に界面活性剤等を添加して、電気伝導度が500μS/cm以下、好ましくは、50μS/cm以下、更に好ましくは、0.1μS/cm以下(比抵抗で10MΩ・cm以上)にした液体を使用してもよい。このように、純水または超純水に界面活性剤を添加することで、基板Wとイオン交換体60の界面にイオンの移動を防ぐ一様な抑制作用を有する層を形成し、これによって、イオン交換(金属の溶解)の集中を緩和して加工面の平坦性を向上させることができる。ここで、界面活性剤濃度は、100ppm以下が望ましい。なお、電気伝導度の値があまり高いと電流効率が下がり、加工速度が遅くなるが、500μS/cm以下、好ましくは、50μS/cm以下、更に好ましくは、0.1μS/cm以下の電気伝導度を有する液体を使用することで、所望の加工速度を得ることができる。
【0084】
また、加工速度を上げるために電圧を上げて電流密度を大きくすると、電極と基板(被加工物)との間の抵抗が大きい場合では、放電が生じる場合がある。放電が生じると、被加工物表面にピッチングが起こり、加工面の均一性や平坦化の確保が困難となる。これに対して、イオン交換体60を基板Wに接触させると、電気抵抗が極めて小さいことから、このような放電が生じることを防止することができる。
【0085】
図5及び図6は、本発明の他の実施の形態の電解加工装置50aを示す。この電解加工装置50aは、図3及び図4に示す例と同様に、加工電極側に再生部を設けたもので、この例では、加工電極56の両面に、前述と同様な隔壁92と第2の隔壁102を取付けて構成した加工電極部104と、加工電極と離間して配置された再生電極100と、加工電極部104と再生電極100との間に区画形成された排出用液体を流す排出部94aからなる再生部90aと、再生用電源106とを備え、加工電極56を加工用電源84の陰極及び再生用電源106の陽極に、再生電極100を再生用電源106の陰極にそれぞれ接続したものを使用している。この第2の隔壁102としては、この例では、前述の隔壁92と同様に、再生に付するイオン交換体60と同じイオン交換基を有しているイオン交換体、すなわちカチオン交換体が使用されている。更に、加工電極56は、隔壁92を挟んでイオン交換体60、即ち被加工物に近接した位置に配置されている。その他の構成は、図3及び図4に示す例とほぼ同様である。この例では、加工電極56は、内部に多数の連通孔としての網目を有するメッシュ状の電極で構成され、これによって、イオン交換体60から出たイオン状の加工生成物(不純部イオン)は、加工電極56の内部の多数の網目(連通孔)を通過して排出部94aに達するようになっている。
【0086】
このように、加工電極56を隔壁92に挟んだイオン交換体60に近接した位置に配置し、この加工電極56を加工用電源84の陰極に接続することで、イオン交換体60に近接乃至接触した位置に配置される加工電極56で加工用電源84の陰極と同電位にすることができ、図1の場合の加工電極32より被加工物に近い位置で同電位にできるため、均一な電解が実現でき、安定した加工が実現できる。さらに、これによって、イオン交換体60内に蓄積したイオン状の加工生成物の除去やイオン交換体60の再生をもより均一に行うことができる。つまり、イオン交換体60と加工電極56との距離が離れていると、その間の堆積物や気泡の蓄積状況等によって、イオン交換体内部の微小各部の抵抗が変化し、加工(再生)時の電流に影響を及ぼしてしまうため、電界にバラツキが生じやすくなり、そのため、このまま電解加工やイオン交換体の再生を行うと、効率的なイオン交換体の再生や、均一なイオン交換体の再生が困難となり、ひいては被加工物の均一な加工ができないことがある。
【0087】
この例では、イオン交換体60により近接した位置に加工電極56を配置して、イオン交換体60のより近傍で同電位となるようにすることで、電界のバラツキを抑制することができ、堆積物や気泡の影響を少なくすることができる。さらに、加工電極56より、低電位の再生用電極106を、給電電極56、加工電極56、再生電極100が電気的に直列になるように配置しているため、加工中にイオン交換体60を同時に再生することができる。
なお、均一な加工、再生プロセスを行うために、被加工物Wの表面と、加工電極56、再生電極100、後述する中間電極105は各々平行であることが好ましい。また、イオン交換体60の厚さも全面に亘って均一であることが望ましい。
【0088】
例えば、再生部90aを備えた加工電極56側のイオン交換体(カチオン交換体)60を再生する場合に、加工電極56と再生電極100との間に、再生用電源106を介して、加工電極56を陽極、再生電極100を陰極とした再生用電圧をかける。これにより、加工電極56と再生電極100との間に強制的に電流を流し、イオン交換体60の内部に蓄積したイオン性の加工生成物(不純物イオン)を、加工電極56及び隔壁92,102を通過させて、排出部94a内に移動させることができる。加工用電源84は、CC(定電流)またはCV(定電圧)の制御を要するため、一般に高価であるが、再生用電源106は、このような必要がないので、一般に安価のものを使用することができる。
【0089】
なお、この再生部90aの排出部94aには、前述のように、電気伝導度(誘電率)が、例えば50μS/cm以上と高くかつイオン交換体60から除去されるイオンとの反応により不溶性の化合物を生成しない排出用液体、例えば濃度が1wt%以上の硫酸が供給される。また、この例では、加工電極56として、加工用電源84の陰極に接続したものを使用した例を示しているが、電源に接続されていない、いわゆるフローティング電極としてもよい。このように、加工電極をフローティング電極としても、フローティング電極で一旦同電位にすることができる。更に、加工電極56を挟んで、イオン交換体からなる2枚の隔壁92,102を配置することで、例え隔壁92,102の一方が破れたとしても、基板Wの表面(被加工物)に向けて排出用液体(通常は電解液)が漏出するのを防止することができる。
【0090】
図7(a)は、加工電極部の他の例を示すもので、これは、例えばメッシュ状の中間電極105を備え、加工電極56と中間電極105との間に隔壁92を挟み込むとともに、中間電極105に引出し電源108の陽極を、加工電極56に引出し電源108の陰極をそれぞれ接続して加工電極部104aを構成したものである。ここで、加工電極とは、加工用電源の加工用電極に接続した電極を言う。この場合、電極56,105のどちらに加工用電源の加工用電極(本実施例では陰極)接続してもよく、加工用電源の陰極を接続した側の電極が加工電極となり、他方の電極が加工電極の被加工物側に位置する時は中間電極、排出部側に位置する時はバッファ電極となる。更に、この例では、加工電極部104aは、排出部94a内に立設した支持体110で支持されるようになっている。
【0091】
このように、被加工物と加工電極56の間に中間電極105を介在させることによって、加工電極56より被加工物に近い距離にある中間電極面で電位を一定にし、被加工物近傍で電位、電界を安定させ、加工効率を安定させることができる。この場合、加工電極56と中間電極105間へ印加する電圧は、被加工物と加工電極56の間の電圧よりも小さくする。
【0092】
また、支持体110で加工電極部104a、すなわち加工電極56、中間電極105、及び隔壁92を支持することで、剛性の高い電極56,105を介して隔壁92の位置決め及び固定を行うことができ、これによって、隔壁92を保持するための構造体を別途設ける必要をなくして、構造の簡素化を図ることができる。
【0093】
図7(b)は、加工電極部の他の例を示す。これは、加工電極56と再生電極100の間にその間の電位を調整する電極としてバッファ電極105aを備えている。この場合、引出し電源を備えることなく、加工電極56とバッファ電極105aとの間に隔壁92を挟み込んで加工電極部104bを構成し、これによって、排出部94a側のバッファ電極105aを、いわゆるフローティング電極としたものである。これによっても、フローティング電極は、被加工物面電位または再生電極面電位との差やその他の環境によって決まる電位を有し、同電位面を形成できる特徴から均一な再生を実現することができる。
【0094】
図8は、再生部の他の例を示す。この例は、イオン交換体として、2つの群構成をしており、表面側第1群イオン交換体60は表面層60aと裏面層60bからなる積層体、第2群イオン交換体92は表面層92a、中間層92b及び裏面層92cの3層からなる積層体であり、総計5層の積層構造である。第2群イオン交換体92は、隔壁の役割も果たしている。これによって、イオン交換体60としての剛性を高めるとともに、イオン交換容量を増大させている。また、加工用電源に接続されていないメッシュ形状のフローティング電極107を中間電極として備えている。
【0095】
そして、このフローティング電極部109を、支持体110で支持し、底部に加工電極兼再生電極111を配置した排出部94bの上端開口部を覆い、排出部94bの内部領域に、モータ112の駆動に伴って回転して排出部94b内の液体を攪拌する攪拌翼114を配置して、再生部90bを構成している。更に、この例では、排出液供給管116から汚染物排出用の排出用液体を排出部94b内に供給し、排出液排出管118から排出部94b内の排出用液体を外部に排出するようにしている。さらに隔壁付近に新たな排出用液体が積極的に供給される構造となっている。
【0096】
さらに図には示していないが、第1群イオン交換体60及び第2群イオン交換体92間にメッシュ状のフローティング中間電極を配置することによっても、新たなフローティング電極の効果でイオン交換体60のより近傍で同電位となるようにすることで、電界のバラツキを抑制することができ、堆積物や気泡の影響を少なくすることができる。
【0097】
また、排出部94bの内部に攪拌翼114を配置し、この攪拌翼114で排出部94b内の排出用液体を強制的に攪拌することで、電解加工の際に加工電極兼再生電極111の表面に発生するガス(銅の除去加工の時には、水素ガス)が隔壁92,102に付着して、均一な電界を形成するのを邪魔したり、また、イオン交換自体を邪魔したりすることを防止することができる。
【0098】
図9は、図8に示す再生部90bを備えた汚染物排出用の排出用液体の循環システムを示す。この循環システムには、排出部94b及び内部に排出用液体を保持して循環させる循環ライン120が備えられ、この循環ライン120に、循環ポンプ122と、電解加工によって発生し排出用液体中に取込まれたガスを脱気して、ガスの溶存率を減少させた状態で排出用液体を排出部94b内に供給する脱気装置124が設置されている。更に、循環ライン120には、排液タンク126から延びる排液ライン128と、供給タンク130から延び、内部に送液ポンプ132を介装した供給ライン134がそれぞれ接続されている。
【0099】
この例では、脱気装置124として、脱気膜式脱気室が使用されている。すなわち、圧力センサ136で検知した圧力を圧力制御回路138に入力し、この圧力制御回路138からの出力信号で、真空ポンプ140と脱気膜式脱気室の間に設置された開閉弁142の開度を制御し、脱気室144内の圧力を一定の減圧した圧力に制御することで、脱気室144内に配置され循環ライン120の一部を構成する脱気膜146を減圧し該脱気膜146に沿って流れる排出用液体中のガスを脱気するようにしている。
【0100】
このように、循環ライン120を備え、この循環ライン120に沿って流れる排出用液体を脱気して排出部94b内に脱気した排出用液体を供給することで、排出用液体の再利用が可能となる。更に、循環ライン120に排液ライン128及び供給ライン134を接続することで、再生能力がなくなった排出用液体を適宜新しい排出用液体に交換することができる。なお、排出用液体は、循環させて使用することなく、バッチ式で使用するようにしてもよい。
【0101】
図10は、本発明の更に他の実施の形態の電解加工装置334を示す平面図、図11は図10の縦断面図である。図10及び図11に示すように、電解加工装置334は、上下動可能かつ水平面に沿って往復運動可能なアーム340と、アーム340の自由端に垂設されて基板Wを下向き(フェイスダウン)に吸着保持する基板保持部342と、アーム340が取付けられる可動フレーム344と、矩形状の電極部346と、電極部346に接続される加工用電源348とを備えている。この実施の形態では、電極部346の大きさは基板保持部342で保持する基板Wの外径よりも一回り大きな大きさに設定されている。
【0102】
図10及び図11に示すように、可動フレーム344の上部には上下動用モータ350が設置されており、この上下動用モータ350には上下方向に延びるボールねじ352が連結されている。ボールねじ352にはアーム340の基部340aが取付けられており、上下動用モータ350の駆動に伴ってアーム340がボールねじ352を介して上下動するようになっている。また、可動フレーム344自体も、水平方向に延びるボールねじ354に取付けられており、往復運動用モータ356の駆動に伴って可動フレーム344及びアーム340が水平面に沿って往復運動するようになっている。
【0103】
基板保持部342は、アーム340の自由端に設置された自転用モータ358に接続されており、この自転用モータ358の駆動に伴って回転(自転)できるようになっている。また、上述したように、アーム340は上下動及び水平方向に往復運動可能となっており、基板保持部342はアーム340と一体となって上下動及び水平方向に往復運動可能となっている。
【0104】
電極部346の下方には中空モータ360が設置されており、この中空モータ360の主軸362には、この主軸362の中心から偏心した位置に駆動端364が設けられている。電極部346は、その中央において上記駆動端364に軸受(図示せず)を介して回転自在に連結されている。また、電極部346と中空モータ360との間には、周方向に3つ以上の自転防止機構が設けられている。
【0105】
図12(a)はこの実施の形態における自転防止機構を示す平面図、図12(b)は図12(a)のA−A線断面図である。図12(a)及び図12(b)に示すように、電極部346と中空モータ360との間には、周方向に3つ以上(図12(a)においては4つ)の自転防止機構366が設けられている。図12(b)に示すように、中空モータ360の上面と電極部346の下面の対応する位置には、周方向に等間隔に複数の凹所368,370が形成されており、これらの凹所368,370にはそれぞれ軸受372,374が装着されている。軸受372,374には、距離eだけずれた2つの軸体376,378の一端部がそれぞれ挿入されており、軸体376,378の他端部は連結部材380により互いに連結される。ここで、中空モータ360の主軸362の中心に対する駆動端364の偏心量も上述した距離eと同じになっている。したがって、電極部346は、中空モータ360の駆動に伴って、主軸362の中心と駆動端364との間の距離eを半径とした、自転を行わない公転運動、いわゆるスクロール運動(並進回転運動)を行うようになっている。
【0106】
電極板346の上面には、複数の電極材料382が並列に等ピッチで配置されており、この電極材料382には、一つ置きに加工用電源348の陰極または陽極の一方に接続されている。これによって、加工用電源348の陰極に接続された電極材料382が加工電極200となり、加工用電源348の陽極に接続された電極材料382が給電電極201となって、この加工電極200と給電電極201が交互に配置されるようになっている。そして、これらの各加工電極200及び給電電極201の表面は、イオン交換体で覆われている。
【0107】
この例は、前述と同様に、加工電極側に再生部を設けたもので、図13は、再生部を有し、前述の加工用電源348の陰極に接続されて加工電極200となる電極材料382を示し、図14は、この再生部における汚染物排出用の排出用液体の流通システムを示す。図13に示すように、長尺状に直線状に延び、加工用電源348の陰極に接続された加工電極(電極材料)200の上部には、両端部を残して切欠いた切欠き部200aが設けられ、この切欠き部200aを覆うように、加工電極200の上部に横断面U字状のイオン交換体202を嵌着することで、この切欠き部200aとイオン交換体202との間に密閉された排出液流路204を有する再生部206が構成されている。つまり、隔壁としてのイオン交換体202を介することにより、前述と同様にして、この排出液流路204内に、例えば電気伝導度が50μS/cm以上でかつ加工電極200の被加工物側表面に取付けたイオン交換体202から除去されるイオンとの反応により難溶性もしくは不溶性の化合物を生成しない排出用液体を流すことで、イオン交換体202を再生するようになっている。
【0108】
加工電極200の両端部には、該加工電極200の端面で一端を開口し、切欠き部200aの端部に他端を開口する連通孔200b,200cが設けられ、この一方の連通孔200bは、供給タンク208から延び、途中に圧送ポンプ210を介装した送液パイプ212に接続され、他方の連通孔200cは、途中に圧力調整弁214を介装した排液パイプ216に接続されている。これにより、圧送ポンプ210の駆動に伴って、供給タンク208内の排出用液体が再生部206の排出液流路204内に圧送され、この排出用液体は、この排出液流路204に沿って一方向に流れた後、系外に流出する開流路が形成されている。
【0109】
この例によれば、基板保持部342で基板Wを保持し、この基板保持部342を下降させて、基板Wを電極部346の表面のイオン交換体に接触乃至近接させる。この状態で、基板保持部342を回転(自転)させ、電極部346をスクロール運動及び前後動させながら、加工電極200と給電電極201との間に電圧を印加し、同時に基板Wの表面に純水等の加工用液体を供給して電解加工を行う。これにより、被加工物と加工電極200を覆いイオン交換体202が接触している範囲で加工が起こる。この時、圧力調整弁214で該圧力調整弁214の上流側の圧力を調整しながら、再生部206の排出液流路204内に排出用液体を圧送して、イオン交換体202内に取込まれた反応生成物を排出用流体内に流出させる。この加工中に排出液流路204内の排出用液体では、水の電気分解により気泡が発生する場合があり、加工中に圧力調整弁214を完全に閉じると、気泡やガスが排出液流路204内に溜まって加工効率を下げ、場合によっては、排出用液体の体積の膨張によりイオン交換体202を破ってしまうことがある。このため、加工中は、発生する気泡やガスが加工に影響を与えない範囲の流量で排出用液体を送り続け、この排出用液体を気泡と共に排出液流路204から排出することが好ましい。
【0110】
なお、発生する気泡やガスの量が多い場合には、排出用液体の流量も多くする必要があり、このため、加工容量が十分に残っている状態で排出用液体が廃液されてしまう場合が生じる。そこで、この流量と単位時間あたりに必要な加工容量を合わせるように排出用液体の濃度を調節することが望ましい。また、下記のように、加工中に同じ排出用液体を循環させることで、廃液が多くなってしまうことを防止することができる。
【0111】
図15は、図13及び図14に示す再生部206を備えた、汚染物排出用の排出用液体の他の流通システムを示す。この例は、加工電極200の両端に設けた連通孔200b,200cを循環ライン220で結び、この循環ライン220の加工電極200を挟んだ両側に設けた圧送ポンプ210と圧力調整弁214との間に、排出用液体を再生する液体再生電極を備えた排出液再生部222と、排出用液体中に取込まれた気泡やガスを脱気する脱気装置224を配置したものである。例えば、銅膜を電解加工した場合は、排出液再生部222では、排出用液体に溶解した銅を析出させる。これにより、圧送ポンプ210の駆動に伴って再生部206に圧送された排出用液体は、排出液再生部222で再生され、脱気装置224で脱気されて圧送ポンプ210に戻る閉回路が形成され、これによって、排出用液体の再利用が可能となる。
【0112】
なお、排出液再生部222の前後には、この内部に設けた液体再生電極と加工電極200の短絡を防ぐ絶縁部が設けられている。これにより、排出液再生部222による液体の再生を、短絡を防止しつつ効率よく行うことができる。
【0113】
図16及び図17は、更に異なる再生部を有する電極部を示す。この例は、加工電極200との間に排出液流路204を構成するイオン交換体202として、表面平滑性と柔軟性を有する表面の薄いフィルム状のイオン交換体からなる表面層202aと、イオン交換容量の大きなイオン交換体からなる裏面層202bの2層構造のものを使用し、更に排出液流路204の内部に、イオン交換体202を平坦に支持する支持体226を配置して再生部206aを構成したものである。この支持体226の所定の位置には、貫通孔226aが設けられている。この例では、表面層202aのイオン交換体が隔壁を形成している。
【0114】
このように、イオン交換体202を積層構造とすることで、イオン交換体からなる裏面層202bを介して、イオン交換体202全体としてのイオン交換容量を増大させ、しかもイオン交換体202に弾性を持たせて、加工の際にイオン交換体202に過度の圧力が加わってイオン交換体202が損傷してしまうことを防止することができる。ここで、イオン交換体からなる表面層202aとしては、排出液流路204に沿って流れる排出用液体として電解液を用いる場合は、非通液性を有し、イオン透過性を有するものが用いられる。排出用液体として、後述するイオン交換液を用いる場合は、表面層202aは、排出液中のイオン交換体が漏れなければ、水は透過してもよい。また、イオン交換体を支える支持体226を設けることにより、排出液流路204を確保することができ、かつその上にイオン交換体を積層することができる。
【0115】
図18は、この変形例を示すもので、この例は、前述の2層構造からなるイオン交換体202の裏面に、イオン交換体からなる膜状の隔壁226bを取付け、この隔壁226bを取付けたイオン交換体202を、排出液流路204内に配置した支持体228で支持したものである。このように、イオン交換体202を支持体228で支持することにより、イオン交換体202として、薄いフィルム状のものを使用しても、イオン交換体202を被加工物Wに柔軟に接触させることができる。この柔軟とは、被加工物の寸法や相対運動による被加工面のバラツキに対応するために求められるものである。
【0116】
ここで、支持体228には、多数の貫通孔228aが設けられている。これにより、イオン交換体202に張りを持たせ、しかもイオン交換体202に弾性を持たせることで、基板等の被加工物Wがその全面に亘ってイオン交換体202の表面に接触するようにすることができる。図18の例では、隔壁の機能を果たすものとして、表面層202aと隔壁226bの二層構造になっており、万が一、一方が破れた場合にも排出用液体がウェハ側へ漏れ出ないので安全である。
【0117】
そして、イオン交換体202の交換容量が限界に達した時に、排出液流路204に供給され該流路204に沿って流れる排出用液体にイオン性の生成加工物が取込まれてイオン交換体202が再生され、これにより、加工電極200の表面を覆っているイオン交換体202の交換等の手間を省くことができることは前述と同様である。なお、ここで、表面層202a、裏面層202bにイオン交換体を用いているのは、電気化学的不活性、弾性、イオンを通す、という条件を兼ね備えているからであり、この条件を満たすものであれば他の材質を用いてもよい。
【0118】
なお、支持体228を、加工電極200と異なる電気化学的に不活性な絶縁物質、例えばテフロン(登録商標)などで構成することにより、被加工物への給電がイオン交換液を通して行われるので、排出用液体への加工生成物の取込みを効率よく行うことができる。また、この隔壁226bをイオン交換体で構成して、その上を純水が、下を排出用液体が、即ち裏面層202bに沿って純水が、排出液流路204に沿って排出用液体がそれぞれ流れるようにしてもよい。これにより、一般的に有害な排出用液体を加工面より遠ざけて、加工面のイオン交換体に破損が起きても隔壁226bにより排出用液体が流れ出ることを防止することができる。ここで、イオン交換体からなる表面層202aとしては、排出液流路204に沿って流れる排出用液体として電解液を用いる場合は、非通液性を有し、イオン透過性を有するものが用いられる。排出用液体として、後述するイオン交換液を用いる場合は、表面層202aは、排出液中のイオン交換体が漏れなければ、水は透過してもよい。
【0119】
図19乃至図21は、電解加工装置の電極部の更に他の例を示す。なお、図示の例は、加工電極と給電電極とを備えた電極部の1単位を示すもので、実際には、例えば図10に示すように、これを横方向に複数個並列に配置して略正方形状となし、これを自転またはスクロール回転させて電解加工に使用される。また、加工電極側のイオン交換体を再生し、更に加工用液体として純水を使用した例を示す。
【0120】
この電極部は、矩形平板状の電極板240を有し、この電極板240の上面に、この例では、長尺状に延び加工用電源の陰極に接続される加工電極242と、長尺状に延び加工用電源の陽極に接続される給電電極244が平行に配置され、この加工電極242を挟んだ両側に、長尺状に延びる一対の純水噴射ノズル246が配置されている。
【0121】
加工電極242の上面には、下方に開口した横断面コ字状で、加工電極242のほぼ全長に亘って延びる支持体248が取付けられおり、この支持体248の凹部で、加工電極242のほぼ全長に延びる排出液流路250が形成されている。この支持体248の上部には、その長さ方向に沿った所定のピッチで開口248aが設けられている。そして、支持体248の上部は、表面層252a及び3層の積層体252bからなるイオン交換体252で被覆されている。このイオン交換体252の表面層252aが隔壁を構成している。更に、加工電極242の長さ方向に沿った所定の位置には、上下方向に延びる液体供給路242aが設けられ、この液体供給路242aは、電極板240の内部に設けた排出液導入・排出路240aに連通している。そして、この排出液導入・排出路240aには、送液パイプまたは排液パイプに接続される排出液導入用プラグ254または排出液排出用プラグ256が取付けられている。
【0122】
これによって、排出液導入用プラグ254に接続された送液パイプから排出液流路250内に排出用液体が導入され、この排出液流路250内に導入された排出用液体は、この排出液流路250に沿って流れるとともに、開口248aを通過してイオン交換体252に達し、排出液排出用プラグ256に接続された排液パイプから外部に排出される。
【0123】
また、加工電極242の両端部には、電極板240の下方に位置して、電極板240の端面で一端を開口し、排出液流路250に面して他端を開口する連通孔242bが設けられ、この連通孔242bには、例えば図13及び図14に示す排液パイプ216が接続される排出液排出用プラグ260がそれぞれ取付けられている。これによって、前述と同様に、加工中に発生する気泡やガスが加工に影響を与えない範囲の流量で排出用液体を排出液流路250の内部に送り続けることで、この排出用液体を気泡やガスと共に排出液流路250から排出できるようになっている。
【0124】
一方、給電電極244の内部には、その全長に亘って延びる純水流路244aが形成されているとともに、この上面は、表面層262a及び3層の積層体262bからなるイオン交換体262で覆われ、長さ方向に沿った所定の位置には、純水流路244aから上面に達する貫通孔244bが設けられている。更に、図示しないが、電極板240の内部及び給電電極244には、純水流路244aに連通する純水通路が設けられ、この純水通路には、純水用の送液パイプに接続される純水導入用プラグ264が取付けられている。
【0125】
これによって、純水導入用プラグ264に接続された送液パイプから純水流路244aに純水が導入され、この純水流路244a内に導入された純水は、この純水流路244aに沿って流れながら、貫通孔244bを通過してイオン交換体262に達して該イオン交換体262の表面から漏出する。
【0126】
また、各純水噴射ノズル246の内部には、長さ方向の全長に亘って延びる純水流路246aが設けられ、更に長さ方向に沿った所定のピッチで、純水流路246aに連通し加工電極242の上面に向けて純水を噴射する純水噴射口246bが設けられている。これによって、この純水流路246a内に純水を供給することで、純水が噴射口246bから、主に加工電極242の上面を覆うイオン交換体252の上面に向けて噴射されるようになっている。
【0127】
イオン交換体252を取付けた加工電極242と、この両側に配置される一対の純水噴射ノズル246は、加工電極242の下部の両側に配置したタップバー270に、純水噴射ノズル246の外側からタップ272を締付けることで一体化されている。この時、イオン交換体252の表面層252aは、加工電極242のほぼ全表面を覆って配置され、この表面層252aの側部を加工電極242と純水噴射ノズル246との間に位置させ、更にこの加工電極242とイオン交換体表面層252aとの間にOリング274を配置して締付けることで、加工電極242とイオン交換体表面層252a(隔壁)の間の排出液流路252が水密的に封止されている。
【0128】
そして、一体化した加工電極242と純水噴射ノズル246は、一対のインサートプレート276に挟持されて電極板240に固定され、一方、加工電極242にあっては、その表面をイオン交換体262の表面層262aで覆った状態で、一対の保持プレート278で挟持されて電極板240に固定されている。
【0129】
この例にあっては、加工電極242のイオン交換体252と給電電極244のイオン交換体262を被加工物に接触乃至近接させ、加工電極242と給電電極244との間に電圧を印加しつつ、給電電極244のイオン交換体262及び加工電極242のイオン交換体252の表面に純水を供給し、更に加工電極242の排出液流路250内を排出用流体で満たしながら、この排出液流路250内に、加工中で発生する気泡やガスが加工に影響を与えない範囲の流量で排出用液体を送り続け、この排出用液体を気泡と共に排出するのであり、これにより電解加工と、加工電極242の表面を覆うイオン交換体252の再生を同時に行うことができる。
【0130】
なお、前述の各例では、排出用液体として、例えば電気伝導度が50μS/cm以上の電解液を使用した例を示しているが、この排出用液体として、内部にイオン交換基を含む液体を使用するようにしてもよい。このイオン交換基を含む液体としては、例えばイオン交換体自体が流動性を有するものや、高イオン交換体容量を有するイオン交換体を粉々に粉砕して、この粉砕物を純水等の液体に混合させて流動性を持たせたもの等が挙げられる。
【0131】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電気化学的作用によりイオン交換体の再生を容易且つ迅速に、しかも電解加工と並行して行うことができ、これによって、イオン交換体の再生のために加工を中断する必要をなくしてスループットを向上させることができる。更に、イオン交換体の薬液による汚染を極力低減して、再生後のイオン交換体の洗浄への負荷を極力低減し、しかも再生部を別途設ける必要をなくして設置面積を狭くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の電解加工装置の加工電極及び/または給電電極を再生する時の原理の説明に付する図である。
【図2】本発明の実施の形態の電解加工装置の再生電極を備えた加工電極を再生する時の原理の説明に付する図である。
【図3】本発明の実施の形態の電解加工装置の加工時における断面図である。
【図4】図3に示す電解加工装置の要部を拡大して示す要部拡大図である。
【図5】本発明の他の実施の形態の電解加工装置の加工時における断面図である。
【図6】図5に示す加工電極部を拡大して示す拡大断面図である。
【図7】加工電極部のそれぞれ異なる他の例を示す図6相当図である。
【図8】本発明の実施の形態の再生部の他の例を示す断面図である。
【図9】図8に示す再生部を備えた排出用液体の循環システムの系統図である。
【図10】本発明の他の実施の形態の電解加工装置を示す平面図である。
【図11】図10に示す電解加工装置の縦断面図である。
【図12】図12(a)は、図10の電解加工装置における自転防止機構を示す平面図、図12(b)は、図12(a)のA−A線断面図である。
【図13】図13(a)は、図10の電解加工装置における再生部のイオン交換体を示す斜視図で、図13(b)は、同じく、電極(加工電極)を示す斜視図で、図13(c)は、図13(b)に示す電極(加工電極)に、図13(a)に示すイオン交換体を取付けた状態を示す斜視図である。
【図14】図13に示す再生部を備えた排出用液体の循環システムの一例を示す系統図である。
【図15】図13に示す再生部を備えた排出用液体の循環システムの他の例を示す系統図である。
【図16】本発明の実施の形態の再生部の更に他の例を示す断面図である。
【図17】図16に示す再生部の要部拡大図である。
【図18】本発明の実施の形態の再生部の更に他の例を示す要部拡大図である。
【図19】本発明の更に他の実施の形態の電解加工装置の平面図である。
【図20】図19に示す電解加工装置の右側面図である。
【図21】図19に示す電解加工装置の要部拡大断面図である。
【図22】銅配線を形成する例を工程順に示す図である。
【図23】イオン交換体を備えた電解加工の原理の説明に付する図である。
【符号の説明】
30b アニオン交換体
30a カチオン交換体
32,56,200,242 加工電極
34a,34b,34c,90,90a,90b,206,206a 再生部
36,58,201,244 給電電極
38,38a、92,102,226b,258 隔壁
40,40a,94,94a,94b 排出部
42,96 排出液供給部
44 電解加工液供給部
46,84 加工用電源
48,100 再生電極
49,106 再生用電源
50,50a,334 電解加工装置
60,202,252,262 イオン交換体
62 電極部
70 揺動軸
72 自転用モータ
74 中空モータ
76 電解加工液供給部
78 電解加工液供給管
80,240 電極板
82 コントロールボックス
48,100,100a,100b,105 中間電極
104,104a,104b 加工電極部
108 引出し電源
110,226,228,248 支持体
114 攪拌翼
120,220 循環ライン
124,224 脱気装置
136 圧力センサ
138 圧力制御回路
144 脱気室
146 脱気膜
214 圧力調整弁
216 排液パイプ
222 排出液再生部
246 純水噴射ノズル
250 排出液流路
274 Oリング
276 インサートプレート
278 保持プレート

Claims (31)

  1. 被加工物に近接自在な加工電極と、
    被加工物に給電する給電電極と、
    前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に取付けたイオン交換体と、
    前記イオン交換体を再生する再生部であって、イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に設けられ、内部に汚染物排出用の排出用液体を流す排出部を有する再生部と、
    前記加工電極と前記給電電極との間に加工用の電圧を印加する加工用電源と、
    前記イオン交換体が存在する被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の間に、超純水、純水または電気伝導度が500μS/cm以下の液体からなる電解加工用の加工用液体を供給する電解加工液供給部と、
    前記排出部に、該排出部内に導かれた不純物イオンを内部に取込んで系外に排出する汚染物排出用の排出用流体を供給する排出液供給部とを有し、
    前記再生部は、イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に電圧を印加しながら、前記排出部内に排出用液体を流すことで、イオン交換体内に取込まれた不純物イオンを前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方に向けて移動させ前記排出部に導いて排出用液体内に取込み、前記イオン交換体から除去してイオン交換体を再生することを特徴とする電解加工装置。
  2. 被加工物に近接自在な加工電極と、
    被加工物に給電する給電電極と、
    前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に取付けたイオン交換体と、
    前記イオン交換体を再生する再生部であって、イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に設けられ、内部に汚染物排出用の排出用液体を流す排出部を有する再生部と、
    前記加工電極と前記給電電極との間に加工用の電圧を印加する加工用電源と、
    前記イオン交換体が存在する被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の間に、電解液からなる電解加工用の加工用液体を供給する電解加工液供給部と、
    前記排出部に、該排出部内に導かれた不純物イオンを内部に取込んで系外に排出する汚染物排出用の排出用流体を供給する排出液供給部とを有し、
    前記再生部は、イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に電圧を印加しながら、前記排出部内に排出用液体を流すことで、イオン交換体内に取込まれた不純物イオンを前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方に向けて移動させ前記排出部に導いて排出用液体内に取込み、前記イオン交換体から除去してイオン交換体を再生することを特徴とする電解加工装置。
  3. 前記再生部は、
    前記イオン交換体と接触乃至近接した位置に配置され該イオン交換体の再生に伴って該イオン交換体から排出される不純物イオンを通過させ、他のイオンのイオン交換体側への移動を阻止する隔壁を有し、
    前記排出部は、前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方と前記隔壁との間に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の電解加工装置。
  4. 前記隔壁は、前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に取付けたイオン交換体が陽イオン交換体であるときは陽イオン交換体で構成され、前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に取付けたイオン交換体が陰イオン交換体であるときは陰イオン交換体で構成されていることを特徴とする請求項3記載の電解加工装置。
  5. 前記排出用液体は、電気伝導度が50μS/cm以上でかつ前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に取付けたイオン交換体から除去されるイオンとの反応により難溶性もしくは不溶性の化合物を生成しない液体であることを特徴とする請求項1または2記載の電解加工装置。
  6. 被加工物に近接自在な加工電極と、
    被加工物に給電する給電電極と、
    前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に取付けたイオン交換体と、
    前記イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方に設けられ当該イオン交換体を再生する再生部と、
    前記加工電極と前記給電電極との間に加工用の電圧を印加する加工用電源と、
    前記イオン交換体が存在する被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の間に、超純水、純水または電気伝導度が500μS/cm以下の液体からなる電解加工用の加工用液体を供給する電解加工液供給部とを有し、
    前記再生部は、再生電極と、該再生電極と前記イオン交換体を取付けた加工電極または給電電極との一方との間に形成された排出部とを有し、イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間、及び該加工電極または給電電極の一方と前記再生電極との間に電圧を印加しながら、前記排出部内に排出用液体を流すことで、イオン交換体内に取込まれた不純物イオンを排出部内に導き排出用液体内に取込んでイオン交換体を再生することを特徴とする電解加工装置。
  7. 被加工物に近接自在な加工電極と、
    被加工物に給電する給電電極と、
    前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に取付けたイオン交換体と、
    前記イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方に設けられ当該イオン交換体を再生する再生部と、
    前記加工電極と前記給電電極との間に加工用の電圧を印加する加工用電源と、
    前記イオン交換体が存在する被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の間に、電解液からなる電解加工用の加工用液体を供給する電解加工液供給部とを有し、
    前記再生部は、再生電極と、該再生電極と前記イオン交換体を取付けた加工電極または給電電極との一方との間に形成された排出部とを有し、イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間、及び該加工電極または給電電極の一方と前記再生電極との間に電圧を印加しながら、前記排出部内に排出用液体を流すことで、イオン交換体内に取込まれた不純物イオンを排出部内に導き排出用液体内に取込んでイオン交換体を再生することを特徴とする電解加工装置。
  8. 前記イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方と該イオン交換体との間、もしくは前記イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方と前記再生電極との間に、前記イオン交換体の再生に伴って該イオン交換体から排出される不純物イオンを透過させ、他のイオンのイオン交換体側への移動を阻止する隔壁を有することを特徴とする請求項6または7記載の電解加工装置。
  9. 前記イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の両面に、前記イオン交換体の再生に伴って該イオン交換体から排出される不純物イオンを透過させ、他のイオンのイオン交換体側への移動を阻止する隔壁を有することを特徴とする請求項6または7記載の電解加工装置。
  10. 前記イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方は、前記隔壁に接した状態で、支持体で支持されて固定されていることを特徴とする請求項6または7記載の電解加工装置。
  11. 前記イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方には、前記排出用液体または加工用液体を通す連通孔が設けられていることを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載の電解加工装置。
  12. 前記イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方と被加工物との間に、中間電極を有することを特徴とする請求項6乃至11のいずれかに記載の電解加工装置。
  13. 前記中間電極と、前記イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方、または他の中間電極は、中間電源に接続されていることを特徴とする請求項12記載の電解加工装置。
  14. 前記中間電極は、電源に接続されていないフローティング電極であることを特徴とする請求項13記載の電解加工装置。
  15. 前記中間電極には、前記排出用液体または加工用液体を通す連通孔が設けられていることを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載の電解加工装置。
  16. 前記中間電極は、イオン交換体または隔壁と積層されていることを特徴とする請求項12乃至15のいずれかに記載の電解加工装置。
  17. 前記排出部には、該排出部内の排出用液体を強制的に攪拌するための攪拌手段が備えられていることを特徴とする請求項乃至16のいずれかに記載の電解加工装置。
  18. 前記排出部から流出した排出用液体を脱気する脱気装置を有することを特徴とする請求項乃至17のいずれかに記載の電解加工装置。
  19. 被加工物に給電電極により給電しながら加工電極を近接させ、
    前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面にイオン交換体を取付け、
    前記イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に電圧を印加することでイオン交換体内に取込まれた不純物イオンを前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方に向けて移動させイオン交換体から除去してイオン交換体を再生する再生部であって、イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に設けられ、前記不純物イオンを内部に取込む汚染物排出用の排出用液体を内部に流す排出部を有する再生部を、前記イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に配置し、
    前記イオン交換体が存在する被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の間に、超純水、純水または電気伝導度が500μS/cm以下の液体からなる電解加工用の加工用液体を、前記排出部に排出用液体をそれぞれ供給し、
    前記加工電極と前記給電電極との間に加工用電圧を印加して、
    前記加工電極による電解加工と前記イオン交換体の前記再生部による再生を同時に行うことを特徴とする電解加工方法。
  20. 被加工物に給電電極により給電しながら加工電極を近接させ、
    前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面にイオン交換体を取付け、
    前記イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に電圧を印加することでイオン交換体内に取込まれた不純物イオンを前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方に向けて移動させイオン交換体から除去してイオン交換体を再生する再生部であって、イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に設けられ、前記不純物イオンを内部に取込む汚染物排出用の排出用液体を内部に流す排出部を有する再生部を、前記イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に配置し、
    前記イオン交換体が存在する被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の間に電解液からなる電解加工用の加工用液体を、前記排出部に排出用液体をそれぞれ供給し、
    前記加工電極と前記給電電極との間に加工用電圧を印加して、
    前記加工電極による電解加工と前記イオン交換体の前記再生部による再生を同時に行うことを特徴とする電解加工方法。
  21. 前記イオン交換体の再生部による再生を、該イオン交換体から除去される不純物イオンを、他のイオンのイオン交換体側への移動を阻止しつつ隔壁を通過させ前記排出部に導いて行うことを特徴とする請求項19または20記載の電解加工方法。
  22. 前記隔壁は、前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に取付けたイオン交換体が陽イオン交換体であるときは陽イオン交換体で構成され、前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に取付けたイオン交換体が陰イオン交換体であるときは陰イオン交換体で構成されていることを特徴とする請求項21記載の電解加工方法。
  23. 前記排出用液体は、電気伝導度が50μS/cm以上でかつ前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に取付けたイオン交換体から除去されるイオンとの反応により難溶性もしくは不溶性の化合物を生成しない液体であることを特徴とする請求項19または20記載の電解加工方法。
  24. 被加工物に近接自在な加工電極と、
    被加工物に給電する給電電極と、
    前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に個別に取付けたイオン交換体と、
    前記イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に区画形成され、内部に汚染物排出用の排出用液体を流す排出液流路を有する当該イオン交換体を再生する再生部と、
    前記加工電極と前記給電電極との間に加工用の電圧を印加する加工用電源と、
    前記排出液流路に沿って流れ該流路から流出した排出用液体を再生する排出液再生部と、
    前記イオン交換体が存在する被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の間に、超純水、純水または電気伝導度が500μS/cm以下の液体からなる電解加工用の加工用液体を供給する電解加工液供給部とを有し、
    前記再生部は、イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に電圧を印加しながら、前記排出液流路内に排出用液体を流すことで、イオン交換体内に取込まれた不純物イオンを前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方に向けて移動させ前記排出用流路内に導いて排出用液体内に取込み、前記イオン交換から除去して、イオン交換体を再生することを特徴とする電解加工装置。
  25. 被加工物に近接自在な加工電極と、
    被加工物に給電する給電電極と、
    前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面に個別に取付けたイオン交換体と、
    前記イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に区画形成され、内部に汚染物排出用の排出用液体を流す排出液流路を有する当該イオン交換体を再生する再生部と、
    前記加工電極と前記給電電極との間に加工用の電圧を印加する加工用電源と、
    前記排出液流路に沿って流れ該流路から流出した排出用液体を再生する排出液再生部と、
    前記イオン交換体が存在する被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の間に、電解液からなる電解加工用の加工用液体を供給する電解加工液供給部とを有し、
    前記再生部は、イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に電圧を印加しながら、前記排出液流路内に排出用液体を流すことで、イオン交換体内に取込まれた不純物イオンを前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方に向けて移動させ前記排出用流路内に導いて排出用液体内に取込み、前記イオン交換から除去して、イオン交換体を再生することを特徴とする電解加工装置。
  26. 前記排出液流路の内部に、前記イオン交換体を平坦に支持する支持体を配置したことを特徴とする請求項24または25記載の電解加工装置。
  27. 前記イオン交換体は、フィルム形状の表面層と、弾性を有しイオン交換容量の大きな中間層または裏面層を有する2層以上の多層構造からなることを特徴とする請求項24または25記載の電解加工装置。
  28. 前記排出液流路の内部の前記イオン交換体と接触乃至近接した位置に、該イオン交換体の再生に伴って該イオン交換体から排出される不純物イオンを通過させ、他のイオンのイオン交換体側への移動を阻止する隔壁を配置し、該隔壁には、貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項24または25記載の電解加工装置。
  29. 前記排出液再生部には液体再生電極が備えられ、この液体再生電極は、再生に付される再生用液体と電気的に分離されていることを特徴とする請求項24または25記載の電解加工装置。
  30. 前記汚染物排出用の排出用液体は、内部にイオン交換基を含むことを特徴とする請求項24または25記載の電解加工装置。
  31. 被加工物に給電電極により給電しながら加工電極を近接させ、
    前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の被加工物側表面にイオン交換体を取付け、
    前記イオン交換体と該イオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方との間に区画形成された排出液流路の内部にイオン交換基を含む汚染物排出用の排出用液体を、前記イオン交換体が存在する被加工物と前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方の間に、超純水、純水、電気伝導度が500μS/cm以下の液体または電解液からなる電解加工用の加工用液体をそれぞれ供給しつつ、
    前記加工電極と前記給電電極との間に加工用電圧を印加して加工を行い、同時にイオン交換体内に取込まれた不純物イオンをイオン交換体を取付けた前記加工電極または前記給電電極の少なくとも一方に向けて移動させて前記排出用流路内に導き排出用液体内に取込んでイオン交換体を再生することを特徴とする電解加工方法。
JP2002324410A 2001-11-29 2002-11-07 電解加工装置及び方法 Expired - Fee Related JP4056359B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002324410A JP4056359B2 (ja) 2002-03-22 2002-11-07 電解加工装置及び方法
PCT/JP2002/012519 WO2003046263A1 (en) 2001-11-29 2002-11-29 Method and device for regenerating ion exchanger, and electrolytic processing apparatus
EP02785985A EP1448811A4 (en) 2001-11-29 2002-11-29 METHOD AND DEVICE FOR REGENERATING ION EXCHANGERS AND DEVICE FOR ELECTROLYTIC PROCESSING
CNB028276892A CN100346008C (zh) 2001-11-29 2002-11-29 用于再生离子交换剂的方法与设备以及电解处理装置
TW091134719A TWI267417B (en) 2001-11-29 2002-11-29 Method and device for regenerating ion exchanger, and electrolytic processing apparatus
US10/432,397 US7427345B2 (en) 2001-11-29 2002-11-29 Method and device for regenerating ion exchanger, and electrolytic processing apparatus
KR1020047008256A KR100917433B1 (ko) 2001-11-29 2002-11-29 이온 교환기를 재생시키는 방법 및 장치, 그리고 전해질처리장치
US12/222,733 US8133380B2 (en) 2001-11-29 2008-08-14 Method for regenerating ion exchanger

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002080975 2002-03-22
JP2002324410A JP4056359B2 (ja) 2002-03-22 2002-11-07 電解加工装置及び方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004002955A JP2004002955A (ja) 2004-01-08
JP4056359B2 true JP4056359B2 (ja) 2008-03-05

Family

ID=30445795

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002324410A Expired - Fee Related JP4056359B2 (ja) 2001-11-29 2002-11-07 電解加工装置及び方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4056359B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005281753A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Ebara Corp 電解加工装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004002955A (ja) 2004-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8133380B2 (en) Method for regenerating ion exchanger
US6743349B2 (en) Electrochemical machining method and apparatus
TW200305470A (en) Electrochemical machining device and electrochemical machining method
US7638030B2 (en) Electrolytic processing apparatus and electrolytic processing method
US20080217164A1 (en) Electrolytic Processing Apparatus
JP4056359B2 (ja) 電解加工装置及び方法
JP2007528933A (ja) 電解加工装置及び電解加工方法
JP4233376B2 (ja) 基板処理方法
JP4172945B2 (ja) 電解加工用イオン交換体の再生方法及び再生装置
US7476303B2 (en) Electrolytic processing apparatus and electrolytic processing method
US20070095659A1 (en) Electrolytic processing apparatus and electrolytic processing method
JP4233403B2 (ja) 電解加工装置及び電解加工方法
JP3995463B2 (ja) 電解加工方法
JP4130073B2 (ja) イオン交換体の再生方法及び再生装置
JP3967207B2 (ja) 電解加工装置
JP4245453B2 (ja) 電解加工装置及び電解加工方法
JP4274714B2 (ja) 加工装置及び加工方法
JP2005199401A (ja) 電解加工装置及び方法
JP2005054205A (ja) 電解加工装置及び電解加工方法
JP2009018289A (ja) 電気脱塩装置の運転方法及び電気脱塩装置
JP2007284800A (ja) 電解加工方法
JP2004195293A (ja) 電気脱イオン処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061024

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061225

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070803

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20071003

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071211

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4056359

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101221

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101221

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111221

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111221

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121221

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121221

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131221

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees