JP4056329B2 - X線分析装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被照射体へのX線の照射によって生じる2次X線を検出し、試料の組成が類似する部分の分布を分析するX線分析装置および被照射体の組成が類似する部分の分布をコンピュータに分析させるコンピュータプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
試料の組成を分析する装置として、試料にX線を照射して組成を分析する装置がある。X線を試料に照射した際に生じる蛍光X線などの2次X線を検出器で検出し、検出した蛍光X線のスペクトル線の波長から試料中の元素を分析し、各スペクトル線の強度から各元素の濃度(含有率)を分析する。分析した組成(元素及び含有率)に基づいて、例えば、試料のX線走査領域を、組成が類似する部分(相)に分ける相分離を行う(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
例えば図5(a)に示す多層配線基板の走査領域について相分離を行った相分離図の例を図5(b)に示す。図5(b)の例では、配線パターン形成部分と配線パターンが形成されていない部分とは、組成が異なるために、異なる相に分離されている。また、蛍光X線には多層配線基板の2層目まで透過したものも含まれているため、多層配線基板の1層目(表面)に加えて、2層目の配線パターン形成部分も相分離図に現れている。2層目の配線パターン形成部分は、該配線パターン形成部分上層(1層目)の組成も若干含まれるなど、検出される組成が1層目の配線パターン形成部分と若干異なるため、1層目の配線パターンとは別の相に分離される。相分離により、走査領域内の各相の分布を把握することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−248848号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したように、蛍光X線を用いて相分離を行えるのは試料表面付近のみであり、試料内部の相分離は行えない。図5(a)に示した多層基板では、図5(b)に図示したように、例えば表面(1層目)及び2層目などの試料表面付近の相分離しか行えない。
【0006】
試料表面の相分離は、試料表面の形状、色又は反射率などに基づいて行える場合も多い。例えば図5(b)に示した相分離図においては、多層配線基板の1層目の相分布は、図5(a)に示す多層配線基板表面の配線パターン形状と同様であり、相分離を行わずとも、多層配線基板表面からある程度の相分布を把握することが可能である。しかし、多層配線基板の2層目の相分布は、図5(a)に示す多層配線基板表面から確認できず、相分布を把握するためには、相分離を行う必要がある。試料表面よりも試料内部の方が相分離を行う必要性は高いが、上述したように、蛍光X線を用いた相分離においては、表面付近しか相分離を行うことができず、試料内部の相分離は行えない。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、蛍光X線などの2次X線に加え、透過X線に基づいて、組成が類似する部分(相)の分布を分析することにより、被照射体内部も含めた相分離を行うことができるX線分析装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、分析した相の分布図を作成及び表示することができるX線分析装置を提供することを他の目的とする。
【0009】
また、本発明は、被照射体画像を撮像することにより、被照射体表面の形状、色又は反射率などに基づいて被照射体表面の相を分離することができるX線分析装置を提供することを他の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係るX線分析装置は、被照射体が載置される被照射体ステージと、被照射体ステージに向けて1次X線を照射するX線照射手段と、被照射体のX線照射位置が変化するように、被照射体ステージを移動する移動手段と、被照射体へのX線照射によって生じる2次X線を検出する2次X線検出手段と、被照射体を透過した透過X線を検出する透過X線検出手段と、検出した2次X線の検出データに基づく被照射体のX線照射位置に含まれる元素の含有率に応じた第1パラメータと、検出した透過X線の検出データに基づく被照射体のX線照射位置のX線の透過率に応じた第2パラメータとに基づいて、被照射体内部を含めた被照射体のX線照射領域内の組成が類似する部分を分析する分析手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
第2発明に係るX線分析装置は、第1発明において、2次X線の強度データに基づいて分析されたX線照射領域内の組成が類似する部分の分布図と、透過X線の強度データに基づいて分析されたX線照射領域内の組成が類似する部分の分布図とを同時に重ねて表示するX線照射領域内の組成が類似する部分の分布図を作成する作成手段と、作成した分布図を表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
第3発明に係るX線分析装置は、第1又は第2発明において、被照射体を撮像する撮像手段を備え、前記分析手段は、撮像した被照射体画像に基づいて、被照射体画像内の画素情報が類似する部分を分析するように構成されていることを特徴とする。
【0013】
第4発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、被照射体に1次X線を照射した際に検出される検出データを分析させるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、被照射体へのX線照射によって生じる2次X線の検出データに基づいて、被照射体のX線照射位置に含まれる元素の含有率に応じた第1パラメータを算出させる手順と、コンピュータに、被照射体を透過した透過X線の検出データに基づいて、被照射体のX線照射位置のX線の透過率に応じた第2パラメータを算出させる手順と、コンピュータに、第1パラメータ及び第2パラメータに基づいて、被照射体内部を含めた被照射体のX線照射領域内の組成が類似する部分を分析させる手順とを含むことを特徴とする。
【0014】
第1又は第4発明においては、被照射体ステージに載置された被照射体に、X線照射手段から1次X線を照射する。被照射体のX線照射位置は、移動手段によって被照射体ステージを移動させることで変化する。被照射体へのX線照射によって生じる蛍光X線などの2次X線は、2次X線検出手段で検出し、被照射体を透過した透過X線は、透過X線検出手段で検出する。検出した2次X線及び透過X線に基づいて、分析手段により、X線照射領域内の組成が類似する部分(相)の分布を分析する。
【0015】
例えば、X線照射領域内の2次X線の検出データに基づいて、元素の含有率に応じた第1パラメータを求めると共に、透過X線の検出データに基づいて、X線の透過率に応じた第2パラメータを求め、第1パラメータ及び第2パラメータに基づいて、X線照射領域内の相の分布を分析する。第1パラメータは、スペクトル線の検出強度を用いたり、元素の含有率を用いることが可能である。第2パラメータは、透過したX線の検出強度を用いたり、X線の透過率を用いることが可能である。第1パラメータ及び第2パラメータに、スペクトル線の検出強度及び透過したX線の検出強度を用いる場合は、両者を例えば0〜200の数値範囲に正規化して、相の分析を行う。
【0016】
第2発明においては、作成手段で、X線照射領域内の組成が類似する部分(相)の分布図を作成し、表示手段に、作成した分布図を表示する。例えば、各相を異なる色で表した分布図を作成及び表示する。分布図には、透過X線に基づく、2次X線では検出できない被照射体内部の相も含まれる。
【0017】
第3発明においては、撮像手段で被照射体を撮像する。分析手段により、被照射体画像の画素情報に基づいて、組成が類似する部分(相)を分析する。例えば、被照射体画像から、被照射体表面の形状、色又は反射率などの情報を取得し、相分析に使用する。例えば、緑色の基板に金色(黄色)の配線パターンが形成されている場合、基板表面の撮像画像内の色の違いに基づいて、基板表面の配線パターン形状を取得することができる。配線パターン形成部分(金色)と配線パターンが形成されていない部分(緑)とは組成が異なっており、撮像画像に基づいて相分離を行うことが可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。本説明においては、X線分析装置として、X線を試料(被照射体)に照射した際に生じる蛍光X線(2次X線)を検出し、試料の組成などを分析するX線分析装置を例にして説明する。
【0019】
図1に本発明に係るX線分析装置の例を示す。X線分析装置は、試料20が載置される試料ステージ24と、X線を発生させるX線発生器12と、X線発生器12で発生されたX線を、試料ステージ24近傍の開口部28に導くX線導管14と、開口部28に入射した蛍光X線を検出する蛍光X線検出器(2次X線検出手段)16と、試料20を撮像するCCD(Charge Coupled Device)18と、試料20を透過した透過X線を検出する透過X線検出器(透過X線検出手段)22とを備える。
【0020】
X線発生器12及びX線導管14は、試料20にX線を照射する手段として動作する。開口部28は、X線透過体26で塞がれた閉空間であり、X線導管14,蛍光X線検出器16及びCCD18の各先端部が配置されている。また、開口部28内は真空である。試料ステージ24を挟んで開口部28と対向する位置に透過X線検出器22が配置されている。試料ステージ24はX線の透過率が高い材質のものを用いる。
【0021】
試料ステージ24は、モータ34により、試料ステージ24表面と平行な直交する2方向(x方向、y方向)に移動すると共に、モータ36により、X線透過体26方向に移動する。モータ34,36は、ステージコントローラ38によって制御される。また、X線発生器12で発生するX線の出力強度などは、X線コントローラ32によって制御される。X線コントローラ32及びステージコントローラ38は、データ処理部40から送られる制御信号に基づいて作動する。データ処理部40は、コンピュータ42に接続されている。
【0022】
データ処理部40は、コンピュータ42又は図示しない制御パネルなどからX線発生器12の制御パラメータを受付けた場合、受付けた制御パラメータに応じた制御信号を作成し、X線コントローラ32に送る。X線コントローラ32は、受取った制御信号に基づいてX線発生器12の出力強度などを制御する。
【0023】
また、データ処理部40は、コンピュータ42又は図示しない制御パネルなどから試料ステージ24の制御パラメータを受付けた場合、制御パラメータに応じた制御信号を作成し、ステージコントローラ38に送る。ステージコントローラ38は、受取った制御信号に基づいてモータ34,36を制御して、試料ステージ24を移動させる。例えばモータ(移動手段)34を制御して、試料20がX線でx方向及びy方向に走査されるように試料ステージ24を移動させる。
【0024】
また、データ処理部40は、パルスプロセッサ及びMCA(Multi Channel Analyzer)を有し、蛍光X線検出器16及び透過X線検出器22から、蛍光X線及び透過X線の検出信号を受付け、受付けた蛍光X線のスペクトル線の強度データ、および受付けた透過X線の強度データなどを含む検出データを作成し、コンピュータ42に送る。
【0025】
コンピュータ42は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ハードディスクドライブ(以下、ハードディスクと略す)と、フレキシブルディスクドライブ又はCD−ROMドライブ等の外部記憶装置と、図示していないマウス及びキーボード等の入力装置とを備える。また、コンピュータ42には、ディスプレイ装置44が接続されている。
【0026】
コンピュータ42のCPUは、入力手段から受付けたプログラムもしくはデータ、またはハードディスクもしくは外部記憶手段から読み出したプログラムもしくはデータ等をRAMに記憶し、RAMに記憶したプログラムの実行又はデータの演算等の各種処理を行い、各種処理結果又は各種処理に用いる一時的なデータをRAMに記憶する。例えばCD−ROM等の記録媒体50に記録されたコンピュータプログラム又はデータを外部記憶装置で読み出してハードディスク又はRAMに記憶してCPUに実行させる。RAMに記憶した演算結果等のデータは、CPUにより、ハードディスクに記憶されたり、ディスプレイ装置44に出力される。
【0027】
コンピュータ42は、データ処理部40から送られた検出データをハードディスクなどに記憶し、記憶した検出データに基づいた分析処理又は表示処理などをCPUで実行する。例えば、図5(a)に示す走査領域内のx方向の256点、y方向の256点の各走査位置において、所定元素の分布図などをCPUで作成し、ディスプレイ装置44に表示する。前記分布図は、各走査位置の所定元素の濃度(含有率)の大小を輝度値の大小で表すことが可能である。
【0028】
コンピュータ42は、データ処理部40から送られる蛍光X線及び透過X線の検出データに基づいて、試料20の組成(元素及び元素の含有率)が類似する部分(相)を分析する手段、および、走査領域内の相の分布図(相分離図)を作成する手段として動作する。コンピュータ42は、CPUにより、走査領域内を相に分離する相分離処理を実行する。コンピュータ(CPU)42は、ハードディスクなどに記憶されている蛍光X線及び透過X線の強度データを、指定された範囲内に収まるように夫々正規化し、正規化した値に基づいて、走査領域内での相分離処理を実行する。例えば、強度データは、走査領域内のマッピング画像又は透過画像における各画素の輝度値又は白黒階調値(0〜255)に正規化される。
【0029】
以下、図2(a)に示す走査領域を例にして、蛍光X線に基づいた相分離について説明する。図2(a)に示す走査領域において、領域A1には第1元素が含まれ、領域A2及びA4には第2元素が含まれ、領域A5及びA7には第1元素及び第2元素が含まれ、領域A3及びA6には第1元素及び第2元素の何れも含まれていないものとする。
【0030】
コンピュータ42には、各走査位置に含まれている元素及びスペクトル線の強度データが記憶されており、コンピュータ(CPU)42は、記憶されている各強度データを例えば0〜255の輝度値に正規化し、正規化された強度データ(輝度値)をRAMなどに記憶する。コンピュータ42は、前記輝度値を用いて、例えば図2(b)に示すように、第1元素及び第2元素の相関図を作成する。図2(b)の例では、各走査位置の第1元素及び第2元素の輝度値を夫々横軸及び縦軸にプロットしている。図2(b)の例では、プロットされた各点は、4つのグループG1〜G4に分かれている。
【0031】
グループG1は、ほぼ第2元素だけを含んでいると見なせ、領域A2及びA4に対応する。同様に、グループG2は領域A3及びA6に対応し、グループG3は領域A5及びA7に対応し、グループG4は領域A1に対応する。コンピュータ42は、グループ分けを行った後、各走査位置が属するグループ(相)を記憶する。コンピュータ42は、記憶した各走査位置のグループ(相)に基づいて、例えば図3に示すように、走査領域内の相分離図を作成してRAMに記憶し、ディスプレイ装置44に表示する。
【0032】
グループG1、G2、G3及びG4の夫々に、例えば赤色、白色、緑色及び黄色を割当て、領域A1を黄色、領域A2及びA4を赤色、領域A5及びA7を緑色、領域A3及びA6を白色で表示することが可能である。また、図2(b)の例においては、元素が2種類であるため2次元的に相(グループ)を分析しているが、元素がn種類(n≧3)の場合はn次元的に相(グループ)を分析する。また、図2(b)では説明のために相関図を用いたが、実際はCPU内部で演算処理される。
【0033】
本発明においては、蛍光X線のスペクトル線の強度データに加えて、透過X線の強度データを用いて相分離処理を行う。透過X線の強度データは、CPUにより、例えば透過画像を表示する際の白黒階調値(例えば0〜255)に正規化される。図5(a)に示した多層配線基板の透過画像の概略の例を図4(a)に示す。図4(a)の画像には、3層目以下の配線パターンも現れている。
【0034】
透過X線から得られた強度データは、蛍光X線から得られた強度データと同様に例えば0〜255の値に正規化されており、相分離処理時に、蛍光X線から得られた強度データと同様に扱う。組成が異なる部分は透過率が異なるため、透過X線から得られた強度データの差異に基づいて相を分離する。例えば、配線パターン形成部分と配線パターンが形成されていない部分とでは透過率が異なり、透過X線から得られた強度データの差異に基づいて、配線パターンが形成されている部分と形成されていない部分との相分離を行う。
【0035】
蛍光X線及び透過X線から得られた強度データに基づいて作成される相分離図の例を図4(b)に示す。相分離図には、1層目及び2層目の配線パターン部分の相のように、蛍光X線から得られた強度データと透過X線から得られた強度データとに基づいて分離された相と、3層目以下の配線パターン部分のように、透過X線から得られた強度データに基づいて分離された相が表示される。透過X線を用いることにより、従来(図5(b))は現れていない3層目以下の相も表示される。
【0036】
上述した実施の形態においては、蛍光X線及び透過X線に基づいて、相分離を行ったが、さらに、CCD18による試料20の撮像画像に基づいて相分離を行うことも可能である。撮像画像に含まれる試料20表面の形状、色又は反射率などの情報に基づいて相分離を行う。例えば、各走査位置の色が、R(赤)、G(緑)、B(青)の3成分で表されており、各成分の値が0〜255の場合、各成分の値(以下、R強度データ、G強度データ、B強度データという)を、蛍光X線から得られる強度データと同様に扱う。走査位置の色が、例えばR=15、G=230、B=10の場合、前記走査位置のR強度データは15、G強度データは230、B強度データは10となる。
【0037】
例えば、図5(a)に示す多層配線基板表面の配線パターン部分の色が黄色(例えばR=220、G=230、B=15)、基板部分の色が緑(例えばR=15、G=235、B=10)の場合、R強度データの差異によって黄色部分(配線パターン部分)と緑色部分(基板部分)とは異なる相に分離される。試料表面の相分離に試料の撮像画像を使用することにより、試料表面の相分析時間を短縮することが可能になる。
【0038】
また、CCD18により撮像した像の他に、レーザー顕微鏡像、FTIR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)のマッピング像、またはRamanのマッピング像などの種々の像を相分離に使用することも可能である。
【0039】
上述した実施の形態においては、蛍光X線及び透過X線の強度データを0〜255などの範囲に正規化したが、例えば強度データの代わりに、透過X線及び蛍光X線の検出データに基づく透過率(0〜100%)及び元素の含有率(0〜100%)を用いることも可能である。また、上記実施の形態においては、X線照射手段として、X線導管を用いた例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、X線照射手段としてコリメータを用いてもよい。
【0040】
【発明の効果】
第1及び第4発明によれば、蛍光X線などの2次X線に加え、透過X線に基づいて、分析手段で組成が類似する部分(相)の分布を分析することにより、2次X線により得られる試料表面付近の相に加え、透過X線により得られる試料内部の相も含めた相分離を行うことができる。
【0041】
第2発明によれば、作成手段でX線照射領域内の相の分布図を作成し、表示装置に表示することができる。相の分布を視覚的に把握することができる。
【0042】
第3発明によれば、撮像手段で撮像した被照射体画像を相の分析に使用することにより、試料表面の形状、色又は反射率などの情報に基づいて、分析手段で試料表面の相を分析することができる。被照射体画像を用いることにより、相分布の分析時間を短縮することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線分析装置の例を示す図である。
【図2】(a)は走査領域の例を示す図であり、(b)は(a)における第1元素及び第2元素の相関を示す図である。
【図3】図2(a)における相分離図の例を示す図である。
【図4】(a)は透過画像の例を示す図であり、(b)は相分離図の例を示す図である。
【図5】(a)は走査領域の例を示す図であり、(b)は従来の相分離図の例を示す図である。
【符号の説明】
12 X線発生器(X線照射手段)
14 X線導管(X線照射手段)
16 蛍光X線検出器(2次X線検出手段)
18 CCD(撮像手段)
20 試料(被照射体)
22 透過X線検出器(透過X線検出手段)
24 試料ステージ(被照射体ステージ)
34 モータ(移動手段)
42 コンピュータ(分析手段、作成手段)
44 ディスプレイ装置(表示手段)

Claims (4)

  1. 被照射体が載置される被照射体ステージと、
    被照射体ステージに向けて1次X線を照射するX線照射手段と、
    被照射体のX線照射位置が変化するように、被照射体ステージを移動する移動手段と、
    被照射体へのX線照射によって生じる2次X線を検出する2次X線検出手段と、
    被照射体を透過した透過X線を検出する透過X線検出手段と、
    検出した2次X線の検出データに基づく被照射体のX線照射位置に含まれる元素の含有率に応じた第1パラメータと、検出した透過X線の検出データに基づく被照射体のX線照射位置のX線の透過率に応じた第2パラメータとに基づいて、被照射体内部を含めた被照射体のX線照射領域内の組成が類似する部分を分析する分析手段と
    を備えることを特徴とするX線分析装置。
  2. 2次X線の強度データに基づいて分析されたX線照射領域内の組成が類似する部分の分布図と、透過X線の強度データに基づいて分析されたX線照射領域内の組成が類似する部分の分布図とを同時に重ねて表示するX線照射領域内の組成が類似する部分の分布図を作成する作成手段と、
    作成した分布図を表示する表示手段と
    を備えることを特徴とする請求項1記載のX線分析装置。
  3. 被照射体を撮像する撮像手段を備え、
    前記分析手段は、撮像した被照射体画像に基づいて、被照射体画像内の画素情報が類似する部分を分析するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のX線分析装置。
  4. コンピュータに、被照射体に1次X線を照射した際に検出される検出データを分析させるコンピュータプログラムにおいて、
    コンピュータに、被照射体へのX線照射によって生じる2次X線の検出データに基づいて、被照射体のX線照射位置に含まれる元素の含有率に応じた第1パラメータを算出させる手順と、
    コンピュータに、被照射体を透過した透過X線の検出データに基づいて、被照射体のX線照射位置のX線の透過率に応じた第2パラメータを算出させる手順と、
    コンピュータに、第1パラメータ及び第2パラメータに基づいて、被照射体内部を含めた被照射体のX線照射領域内の組成が類似する部分を分析させる手順と
    を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
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