JP4056282B2 - ゴルフクラブヘッド及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属製の中空ゴルフクラブヘッドとして好適なゴルフクラブヘッド及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、マーキングの形成に起因する耐久性の低下を伴うことなく、美観に優れたゴルフクラブヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフクラブヘッドのフェース面には、打球時のボールスピン量の低下を防止するため、若しくは、アドレスの際の目安とするために、線、点、文字等からなるマーキングが機械加工により彫り込まれている。
【0003】
しかしながら、近年ではゴルフクラブヘッドの大容量化に伴ってフェース部の厚さが薄くなり強度が低下しており、特にフェース中央付近に機械加工によるマーキングを彫り込むことが困難になっている。
【0004】
そこで、フェース面のマーキングをブラスト加工により形成することが提案されている。しかしながら、ブラスト加工ではフェース面にマスクを貼り付けた状態で露出部分に微粒子を当てて粗面を形成するため、複雑なマーキング形状や微細なマーキング形状を綺麗に再現することが困難であるばかりでなく、そのマーキングの色彩が粗面加工によって呈する黒色や灰色にしかならないという不都合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、マーキングの形成に起因する耐久性の低下を伴うことなく、美観に優れたゴルフクラブヘッド及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明のゴルフクラブヘッドは、フェース面にマーキングを備えたゴルフクラブヘッドにおいて、フェース中央付近のマーキングをレーザーマーカーで彫り込み、その周囲のマーキングを機械加工により形成したことを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明のゴルフクラブヘッドの製造方法は、フェース面にマーキングを備えたゴルフクラブヘッドの製造方法において、フェース中央付近のマーキングをレーザーマーカーで彫り込み、その周囲のマーキングを機械加工により形成するようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
このようにフェース中央付近のマーキングをレーザーマーカーで彫り込むことにより、耐久性に影響しない程度の微小な彫り込み深さを有するマーキングを形状や寸法に拘らず鮮明に形成することができる。
【0009】
本発明では、マーキングをレーザーマーカーで彫り込んだ際に、該レーザーマーカーによるマーキングの表面に酸化膜が形成される。この酸化膜の色彩はレーザー出力やマーカー移動速度等の照射条件によって変化するので、その条件を適宜選択することでマーキングの色彩を調整することが可能である。
【0010】
レーザーマーカーによるマーキングの彫り込み深さは、マーキング本来の目的と耐久性を両立するために、0.01〜0.1mmの範囲にすることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明を説明するためのゴルフクラブヘッドを示すものである。図1において、本実施形態のゴルフクラブヘッドは、中空構造を有する金属製のヘッド本体1から構成されている。このヘッド本体1には、シャフトを装着するためのホーゼル部2が設けられている。また、ヘッド本体1のフェース面3には、線、点、文字等からなるマーキング4が形成されている。
【0013】
上記マーキング4は、レーザーマーカーにより彫り込まれたものである。図2の部分断面図に示すように、マーキング4は微小な彫り込み深さhを有すると共に、その表面にレーザー照射時に形成された酸化膜5を有している。レーザーマーカーで彫り込んだマーキング4は、彫り込み深さhが微小であるためゴルフクラブヘッドの耐久性を実質的に低下させることはない。また、レーザーマーカーで彫り込んだマーキング4は、マスク等を要することなく鮮明に形成することが可能であり、その美観が良好である。そのため、複雑なマーキング形状や微細なマーキング形状を綺麗に再現することができる。
【0014】
特に、チタン合金等の金属製のフェース面3にマーキング4を形成する場合、レーザー出力やマーカー移動速度等の照射条件を適宜選択することで、金属酸化膜5に基づくマーキング4の色彩を黒、紺、紫等の任意の色に調整することができる。なお、レーザーマーカーにはフェース面3の指定された位置にレーザーを照射する機能が要求されるが、そのレーザーの種類は特に限定されるものではない。
【0015】
マーキング4の彫り込み深さhは、特に限定されるものではないが、好ましくは0.01〜0.1mm、より好ましくは0.01〜0.03mmとする。この彫り込み深さhが過大であると耐久性の低下に繋がる。一方、レーザーマーカーによる彫り込み深さhを0.01mm以上にすることにより、フェース面3における排水性を向上し、打球時のバックスピン量を十分に確保することが可能になる。特に、レーザーマーカーで彫り込んだマーキング4は、その彫り込み深さhが小さい場合であっても、従来のブラスト加工(粗面加工)の場合に比べて、排水性に優れるという利点がある。
【0016】
上述したマーキング4は、その形状が特に限定されるものではなく、従来の溝に相当する線、従来のディンプルに相当する点、数字やアルファベットを含む文字などを形成することができる。
【0017】
本発明は、フェース面にマーキングをレーザーマーカーで彫り込むものであるが、そのフェース面にはレーザーマーカーによるマーキングと機械加工によるマーキングを同時に設けることも可能である。この場合、フェース中央付近にレーザーマーカーによるマーキングを配置し、その周囲に機械加工によるマーキングを配置すると良い。これにより、ゴルフクラブヘッドの強度低下を最小限に抑えることができる。
【0018】
本発明は、金属製の中空ゴルフクラブヘッドに適用した場合に顕著な作用効果が得られるが、金属製のアイアンゴルフクラブヘッドや他のゴルフクラブヘッドに適用することも可能である。
【0019】
【実施例】
下記従来例及び実施例1〜3の製造方法により、フェース厚さ2.6mmの中空構造を有する金属製のゴルフクラブヘッドを製造した。ゴルフクラブヘッドの素材には、6Al−4Vチタン合金を使用した。
【0020】
従来例:
ゴルフクラブヘッドのフェース中央付近に機械加工により深さ0.3mm、幅0.7mmのマーキングを彫り込んだ。
【0021】
実施例1〜3:
YAGレーザーマーカー(ROFIN-SINAR) を使用し、そのレーザー出力やマーカー移動速度からなる照射条件を種々異ならせて、ゴルフクラブヘッドのフェース中央付近に幅0.7mmのマーキングを彫り込んだ。
【0022】
これら従来例及び実施例1〜3により得られたゴルフクラブヘッドについて、下記の方法により耐久性を評価し、その結果を表1に示した。
【0023】
耐久性:
ゴルフボールに横浜ゴム株式会社製「DATA LONG」を使用し、エアーキャノンを用いて、ボールスピード50m/sの条件でゴルフボールをゴルフクラブヘッドのフェースセンターに打ち込み、そのフェースが破損するまでの打球数を測定した。フェースの破損は、割れ、ヒビ、或いは深さ0.3mm程度の明らかな窪みが確認できたことをもって判定した。評価結果は、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど耐久性が優れていることを意味する。
【0024】
【表1】
【0025】
この表1から判るように、実施例1〜3のゴルフクラブヘッドはいずれも耐久性が優れていた。また、レーザーマーカーの照射条件を変更することで、マーキングの彫り込み深さや色彩を任意に設定することができた。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、フェース中央付近のマーキングをレーザーマーカーで彫り込み、その周囲のマーキングを機械加工により形成したから、マーキングの形成に起因する耐久性の低下を伴うことなく、美観に優れたゴルフクラブヘッドを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を説明するためのゴルフクラブヘッドを示す正面図である。
【図2】図1のX−X矢視断面図である。
【符号の説明】
1 ヘッド本体
2 ホーゼル部
3 フェース面
4 マーキング
5 酸化膜
Claims (6)
- フェース面にマーキングを備えたゴルフクラブヘッドにおいて、フェース中央付近のマーキングをレーザーマーカーで彫り込み、その周囲のマーキングを機械加工により形成したゴルフクラブヘッド。
- 前記レーザーマーカーによるマーキングの表面に酸化膜を形成した請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
- 前記レーザーマーカーによるマーキングの彫り込み深さを0.01〜0.1mmの範囲にした請求項1又は請求項2に記載のゴルフクラブヘッド。
- フェース面にマーキングを備えたゴルフクラブヘッドの製造方法において、フェース中央付近のマーキングをレーザーマーカーで彫り込み、その周囲のマーキングを機械加工により形成するようにしたゴルフクラブヘッドの製造方法。
- 前記レーザーマーカーによるマーキングの表面に酸化膜を形成するようにした請求項4に記載のゴルフクラブヘッドの製造方法。
- 前記レーザーマーカーによるマーキングの彫り込み深さを0.01〜0.1mmの範囲にした請求項4又は請求項5に記載のゴルフクラブヘッドの製造方法。
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