JP4056274B2 - 内面層形成方法および導電接続装置 - Google Patents

内面層形成方法および導電接続装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電金属材料からなる導電接続装置の内側に内面層を形成する方法、および形成された内面層を有する導電接続装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3に示すのは圧縮接続形のスリーブ30の断面による説明図であり、電線等の電気導体の接続に、従来からよく用いられているものである。このスリーブ30は、良導電金属材料からなり、円筒状の細長形状を成し、両端側には互いに異なる方向に開口する電線挿入部(30aと30b)を有する。互いに接続させるための電線31および電線32を挿入したのち、スリーブ30の外周側から機械的な圧縮を施すことにより電気的機械的に接続され、電線31−スリーブ30−電線32とつながる導電接続連結関係が形成される。
【0003】
さて、このような電線どうしをスリーブで導電接続するにあたり、接続される電線31と電線32とが、同じ材料か又は類似する導電材料から成る場合では、スリーブ30の材料として両方の電線に適合する材料が採用されることになるので、とりわけ難しい技術的問題は起きてこない。ところが、電線31と電線32とが異種類の導電材料である場合では、スリーブ30自体は一体物で1種類の材料であるので、少なくともどちらかの電線の電気的接触に関して、電食(電池作用による腐食)などの問題が生じ、技術的な困難を伴うことがある。
【0004】
一例としてここでは、電線31がアルミ(Al)線で、電線32が銅(Cu)線であるものとし、これら2種類の電線をアルミ(Al)製のスリーブ30内に挿入させて圧縮接続することとする。図の左側に示される電線31(Al)と、これに接触して圧縮接続されるスリーブ30(Al)とは、どちらもアルミ(Al)製であるので問題は起きない。しかしながら、図の右側にある電線32(Cu)と、これに接触して接続されるスリーブ30(Al)では、銅(Cu)対アルミ(Al)が直接接触する導電接続となるので、電食問題の発生が懸念される。
【0005】
そこで、このような異種金属材料間で起こる電食問題への対策として、異種金属どうしを直接的に接触させるのではなく、その境界面の間に中間合金層34(内面導電層)を介在(密着)させて圧縮接続を行うという方法が、従来より一般的に行われている。図3の右側にある電線挿入部30bの内部の、電線32(Cu)とスリーブ30(Al)との間には、円筒状層体構造である中間合金層34(錫+亜鉛の合金など)が設けられている。この中間合金層34の各種溶液に対する電位は、銅(Cu)およびアルミ(Al)それぞれの電位のほぼ中間値として設定することとして、銅(Cu)−アルミ(Al)異種金属接触接続によって問題となる電池作用による腐食(電食)を、防止することができる。
【0006】
上記した中間合金層34(内面導電層)は、図に断面によって示すように、円柱体長穴形状の電線挿入部30bの内面に形成される均一な薄膜円筒形状の層である。従来の方法によってこの中間合金層34を形成するには、中間合金層34の元となる材料を溶融して、電線挿入部30bの開口端部を上にして、溶融された材料を電線挿入部30b内に流し込み、これが固体化してから、こんどは穴あけドリルなどの切削手段を用いて、電線32の外径dより若干大きい径を有する電線挿入部となる空間部分(不要となる部分)を削り取って、中間合金層34だけを残すという加工方法が行われてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来方法によって形成された中間合金層34(内面導電層)については、耐食性が劣る、形成される層が均一性に欠ける、剥がれやすい、加工性や製造性が良くない、コストや手間がかかるなどのデメリットがあって、とりわけ上記のような事項に起因して腐食が進んだときには大きな問題となることがある。一例を挙げると、架空送配電線等の電力線のように、野外に暴露されて長期間使用される個所において用いられる圧縮接続スリーブ30がある。このような場所に設置されたスリーブ30は、中間合金層34および隣接個所での腐食の進行することにより、銅(Cu)とアルミ(Al)との間での接触抵抗が増大してオーバーヒートを起こしてしまい、結局はスリーブ30自体が熱で溶断するという大型の電力事故に発展する虞を生じる。
【0008】
本発明による内面層形成方法および導電接続装置は、上記の問題点に鑑みなされたものであり、導電接続装置の中空部の内面に内面導電層を形成するにあたり、その形成作業がきわめて容易であって低コストで効率的に行い得て、また、形成される内面導電層は、均一でムラがなく耐食性や耐剥離性に優れたものと成すよう、信頼性の高い内面導電層形成技術を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するために、本発明による内面層形成方法および導電接続装置では、次のような手段を用いた。
(1)導電本体と、その内側にあって開口端部を有する柱形立体形状の中空部と、を備える導電接続装置において、前記中空部の内面に内面層を形成する方法であって、
前記中空部にめっき液を入れ、
前記中空部の所定位置に、めっき用の母材体を配置させ、
前記母材体と前記導電本体の間で通電することによりめっきを行い、
前記中空部の内面に、めっき層からなる内面層を形成する、
内面層形成方法とした。
なお、中空部の柱形立体形状としては、具体的には、円柱形・多角柱形・円錐立体形状など種々のものが採用されてよい。
【0010】
(2)(1)の内面層形成方法において、
前記導電接続装置は、電気導体(電線、ブスバーなど)を圧縮により接続するための導電接続ユニットであり、前記中空部は電気導体を挿入するための穴部である。
(3)(1)または(2)の内面層形成方法において、
前記導体本体はアルミ材からなり、前記母体材は銅材からなる。
(4)(1)〜(3)のいずれか内面層形成方法において、
前記導体接続装置の前記中空部は、前記開口端部側の内面にテーパー構造を有する。
(5)(1)〜(4)のいずれか内面層形成方法において、
前記中空部に形成されためっき層から成る前記内面層の、その開口端部側のめっき境部に防食剤を塗布する。
【0011】
(6)導電本体と、その内側にあって開口端部を有する柱形立体形状の中空部と、を備える導電接続装置であって、
この装置は、前記中空部の内面に、電気的めっき方法によって形成された内面層を備え、
前記電気的めっき方法は、(1)〜(5)のいずれかの内面層形成方法が適用され、
装置構成される導電接続装置とした。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜3を参照して、本発明による内面層形成方法および導電接続装置の実施の形態を詳細に説明する。図1〜3に示すこれら実施の形態は、いずれも本発明を電線圧縮接続スリーブに適用した例を示すものである。
まず、図1は、本発明の一実施の形態である電線圧縮接続形のスリーブ10を断面で示した図である。このスリーブ10は、基本的には、長手方向の中心軸に対称となる円筒立体形状であって、先の図3で示したスリーブ30に類似する構成である。そして、図1(I)を参照するに、スリーブ10の内部には、両端部側で互いに異なる方向に開口する2つの電線挿入部(A,B)を有する。また、スリーブ10の主体となる導電本体Lは、円筒状の第1圧縮部L1、2つの電線挿入部を隔てる壁状の区分部L3、同じく円筒状の第2圧縮部L2による、連続一体の構成からなる。
【0013】
このスリーブ10は、両端部で開口する電線挿入部(A,B)を有しているが、その両端部(口元部)に行くに従って導電本体Lの肉厚を減少させてゆく立体的なテーパー構造(A3,L2')を備える。このテーパー構造は、電線を圧縮接続する際に口元部における応力を緩和して、電線の変形を防止するためのものである。図1(I)を参照するに、図示されたスリーブ10の上側の第1の電線挿入部A(中空部)は、電線に合わせてその径の大きさ(a1)を一定とした定径形挿入部A1と、開口部A4(口元部)に向けて漸次に拡大径とするテーパー構造を持つ内側テーパー部A3と、区分壁となる底部A2と、を備える。そして、電線挿入部A(上側)の内壁面の形状は、全体として口元開きの円柱立体形状をしており、またその外観形状は、外面にテーパーがなくストレートなので、外径がほぼ一定の円筒形の形状をなしている。
【0014】
また、図の下側にある第2の電線挿入部B(中空部)は、電線に合わせて径の大きさ(b1)を一定とした定径形挿入部B1が、区分壁となる底部B2(天井部)から開口部B3(口元部)まで続いており、電線挿入部Bの内壁面の形状は、径一定の円柱立体形状となる。ところが外観を見るに、この電線挿入部Bの外側にある導電本体Lでは、肉厚・外径・内径(b1)を一定とした定径形圧縮部L2と開口部B3(口元部)に向けて漸次縮小径のテーパー構造を持つ外側テーパー部L2'を備える。そして、電線挿入部B側の外観は、全体として端部側に縮小径のテーパー構造を持った円柱形の立体形状をしている。
【0015】
図1(I)で見るに、スリーブ10では、両側の開口端部(A4,B3)すなわち 口元部における圧縮時の応力緩和のために、内側テーパ(A3)と外側テーパ(L2')の2種類のテーパー構造を備えていて、いずれを用いても、電線圧縮作業におけるスリーブ口元位置での応力緩和設計が可能である。2つのテーパーのうちの外側テーパ(L2')は、従来からよく用いられている一般的なものであるが、本発明では、とりわけ内側テーパ(A3)構造を採用することが特徴のひとつとなっており、これについて次に説明する。
【0016】
図1(I)において、スリーブ10の電線挿入部Aでの圧縮部L1の内径a1と、電線挿入部Bでの圧縮部L2の内径b1とは、挿入される電線の径にそれぞれ合わせられ、それと同じか僅かに大きめにして、その径寸法(a1,b1)が定められる。そして、電線を挿入して圧縮されたときには、電線外面と挿入部内面とは密着されて隙間が生じないような設計がなされる。ところが、本発明では、口元側に開口する内側テーパー(A3)構造を採用することによって、開口端部A4付近では圧縮によっても密着されずにむしろ隙間が生じるような構成にしたものである。口元側にいくほど径を大きくできるので、隙間(環状の空間)が生じやすくなり、そこの位置(開口部A4付近)へ防食剤等を塗布(配設)することができるようになる。なお、この防食剤を塗布する工程は、圧縮接続作業の前に行なっても、また後で行ってもよく、そして極めて簡単な作業であるにも拘わらず、その防食効果はきわめて高く効果的である。
【0017】
さて、図1(II)は、スリーブ10の電線挿入部Aの内壁面にめっきを施す様子を示す説明図である。この図のように、はじめに2つある電線挿入部のうち、内部にめっき層が形成される側である電線挿入部Aを、開口端部A4を上方へ向けて配置しておき、開口端部A4から電線挿入部Aの内部へめっき液11が注入される。つぎに、電線挿入部Aに蓄えられためっき液11中の所定の位置(ここでは電線挿入部Aの中心軸上)に、めっき用母材体12を配置させる。そして、この母材体12と導電本体Lとをリード線(13、13')で接続してその間に電源14を介在させ、母材体12と導電本体L間に電流を流して通電(加電)することにより、電気的なめっき処理を行い、電線挿入部Aの内面(内壁面A1、テーパー面A3、底面A2の3面)に対して、めっき層からなる内面層M(図1(III)参照)が形成される。
【0018】
ここで、めっき用の母材体12をめっき液11中に配置させるにあたり、電線挿入部A中の所定位置として、挿入部Aと挿入電線の共通中心軸上のその位置を、母材体12の設定位置として決定するのが好ましい。それは、母材体12が、めっきする個所のちょうど中間位置を占めることにより、電界分布を均一化させることとなり、ひいては内壁面に形成されるめっき層の厚さと材質の均一化につながるので、大変重要な要素を担っている。なお、電界分布を均一化させる技術に関しては、たとえば、電極となる母材体12自体を軸中心として回転/回動させてもよいし、また逆に、めっき内面層が形成される電線挿入部Aを母材体12(電極)を軸中心として回転/回動させる手段もある。
またここで、材料的事項について述べれば、導電本体Lがアルミ材(Al)であるとして、接続する2種類の異種電線をアルミ(Al)と銅(Cu)とするなら、銅(Cu)と接続する側の電線挿入部(ここでA)には、銅(Cu)からなる内面層Mを形成するのがよいので、めっきでの電極となる母材体12にも銅(Cu)からなる材料を用いるとよい。
【0019】
図1(III)は、めっき処理による内面層Mが形成された一例を、断面により示した説明図である。ところで、スリーブ10の電線挿入部Aに、めっき層による内面層Mが形成されるとき、めっきされた内面層Mとされない個所との間に境界部M1(めっき境部)が当然生じてくる。この境界部M1の個所は、めっき液11が入っていたとき境界となっていたところである。ここは、スリーブ10導電本体L内面(Al)と内面層M(Cu)との境界線であって、それぞれの材質がまったく異なるため、やはり異種金属どおしの接触となるので、雨水などの電解液が貯まると電池作用により腐食(電食)を起こしてしまう虞がある。よって、後に述べるように、ここに防食剤などを塗布して配置するのがよい。
【0020】
図2は本発明にかかり、めっき層が形成された内面層Mを有するスリーブ20(Al)を用いて、異種金属である電線21(Al)と電線22(Cu)とを接続する様子の一例を、断面で示す説明図である。ここでは、スリーブ20の導電本体の材質はアルミ製であって、左右両端に開口する電線挿入部(20A,20B)を有し、その片方の電線挿入部20Bには、銅(Cu)の電線22と接触するために、内部面にめっきをする方法によって、銅(Cu)の内面層Mが形成されている。そして、このスリーブ20の両端部(口元側)では、肉厚を徐々に減少させていって、電線口元に応力集中による負担をかけないためのテーパー構造(20A'と20B')を備えている。これらのふたつのテーパー構造は、内部に内面層がない電線挿入部20Aの側では、スリーブ20外側端部(図2の左端)にテーパー構造20A'が設けられ、また、内部に内面層Mがある電線挿入部20Bの側では、スリーブ20内側端部(図2の右端)にテーパー構造20B'が設けられる。
【0021】
図2において、スリーブ20(Al)を用いて、電線21(Al)と電線22(Cu)とを導電接続するには、電線21(Al)は内面層のない電線挿入部20Aにいれて従来通りに外周から圧縮されて電気的機械的に接続され、そして、電線22(Cu)は内面層(Cu)Mのある電線挿入部20Bに入れられて同様にして接続される。そして、電線挿入部20Bの内面層Mは、テーパー構造20B'のある個所においても当然、そのテーパー形状に密着してテーパー状内面層M'が形成されているが、この内面層(Cu)M'と、下地となるスリーブ20の導電本体(Al)との間で境界部M''ができてくる。ここでの境界部M''は、異種金属(AlとCu)同士が接する個所であるので、ここに雨水などの電解液が貯まると電池作用により腐食を起こす現象、いわゆる電食が危惧されることがある。
【0022】
しかしながら、本発明においては、この電食問題を回避する手段を有しているのが特徴のひとつとなっている。すなわち、本発明では、内面層Mのある電線挿入部20B側のテーパー状内面層M'の境界部M''付近では、テーパー構造20B'を有することによって、その境界部M''付近の内径αは、スリーブ圧縮後であっても、α>d(電線外径)の関係を維持できる構成となっている。このため、電線22(Cu)または内面層(Cu)M'と、スリーブ10の材料(Al)とが直接接触する虞がある、この境界部M''付近の空間となる位置に、グリースなどからなる防食剤Nを塗布(配置)することができ、電食問題の発生を防ぐことができる。この防食剤Nの塗布作業は、スリーブ20の圧縮前時点でも圧縮後時点でも可能であり、また両方の時点に行っても勿論よい。
【0023】
【発明の効果】
このように本発明の内面層形成方法および導電接続装置によれば、次に述べるような優れた効果を発揮する。
・電線等の異種金属の電気導体を接続するスリーブの片側の内面に、圧縮接続される電気導体と同質の内面層が、極めて容易で効率的なめっき方法によって形成されているので、この電気導体(電線)とスリーブとの間の起こる電池作用による腐食の発生を、確実に防止することができる。
・めっきが施されて内面層が形成された側の口元の径は、内側テーパー構造であるので、圧縮された後であっても電線外径より大きく設定できる。よって、電線とスリーブとの間に適切な空間が得られ、ここに防食剤を塗布することができるので、めっき内面層とスリーブ材との境界線の位置での腐食も、容易で適正にして防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である電線圧縮接続形のスリーブ10を断面で示した図であって、(I)はめっき層(内面層)を形成する前、(II)めっき層(内面層)を形成しているとき、(III)はめっき層(内面層)が形成されたあと、の様子をそれぞれ示す説明図である。
【図2】本発明にかかる電線圧縮接続形のスリーブ20を使用して、異種電線どおしを導電接続させる様子を示した、断面による説明図である。
【図3】従来から用いられている電線圧縮接続形のスリーブを、断面によって示した説明図であり、本発明の適用が可能な一例である。
【符号の説明】
10,20,30 スリーブ(導体本体)
A、B 電線挿入部
L 導電本体
L1 第1圧縮部
L2 第2圧縮部
L3 壁状の区分部
A3 内側テーパー構造
a1 電線挿入部Aの径
A1 定径形挿入部
A2 電線挿入部Aの区分壁となる底部
A3 電線挿入部Aの内側テーパー部
A4 電線挿入部Aの開口端部(口元部)
B 電線挿入部B
b1 電線挿入部Bの径
B1 定径形挿入部
B2 電線挿入部Bの区分壁となる底部
B3 電線挿入部Bの開口端部(口元部)
L2 定径形圧縮部
L2' 外側テーパー部
11 めっき液
12 めっき用の母材体
13、13' リード線
14 電源
M めっき層からなる内面層
M1 境界部(めっき境部)
20A,20B 電線挿入部
20A' 外側テーパー構造
20B' 内側テーパー構造
M' テーパー構造での内面層
M'' 境界部
α 内側テーパー構造における電線挿入部の穴径
d 電線外径
21,22 電線
N 防食剤

Claims (6)

  1. 導電本体と、その内側にあって開口端部を有する柱形立体形状の中空部と、を備える導電接続装置において、前記中空部の内面に内面層を形成する方法であって、
    前記中空部にめっき液を入れ、
    前記中空部の所定位置に、めっき用の母材体を配置させ、
    前記母材体と前記導電本体の間で通電することによりめっきを行い、
    前記中空部の内面に、めっき層からなる内面層を形成する内面層形成方法であり、
    前記導電接続装置は、電気導体を圧縮して接続するための導電接続ユニットであり、前記中空部は、前記電気導体を挿入するための穴部であり、
    前記導体接続装置の前記中空部は、前記開口端部側の内面にテーパー構造を有し、
    前記テーパー構造は、
    前記電気導体を圧縮接続する際に、前記中空部の口元部における応力を緩和して前記電気導体の変形を防止するためのものであり、
    前記口元部の開口端部へ行くに従って前記導電本体の肉厚を減少させて、漸次に拡大径とされる内側テーパー部からなり、
    前記内側テーパー部では、前記口元部の開口端部に行くほど、圧縮によっても前記電気導体と導体本体とが密着されずに隙間を生じる構成とし、
    前記中空部の内面にめっき層が形成された内面層の、前記開口端部側のめっき境界部では、前記電気導体を圧縮した後において「内側テーパー部の内径 ( α ) >電気導体の外径 ( ) 」の関係を有する、ことを特徴とする内面層形成方法。
  2. 請求項に記載の内面層形成方法において、
    前記導体本体はアルミ材からなり、前記母体材は銅材からなる、ことを特徴とする内面層形成方法。
  3. 請求項1または2に記載の内面層形成方法において、
    前記めっき境界部に、防食剤を塗布する、ことを特徴とする内面層形成方法。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の内面層形成方法において、
    前記導電接続装置は、電線を圧縮して接続するための電線圧縮接続スリーブである、ことを特徴とする内面層形成方法。
  5. 請求項4に記載の内面層形成方法において、
    前記電線接続スリーブは、それぞれが銅とアルミとからなる異種電線を接続するスリーブである、ことを特徴とする内面層形成方法。
  6. 導電本体と、その内側にあって開口端部を有する柱形立体形状の中空部と、を備える導電接続装置であって、
    この装置は、前記中空部の内面に、電気的めっき方法によって形成された内面層を備え、
    前記電気的めっき方法は、請求項1〜5いずれかに記載の内面層形成方法が適用され、装置構成されることを特徴とする導電接続装置。
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