JP4056231B2 - 太陽電池装置の交換方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池モジュールを係合してなる太陽電池装置、及び該太陽電池装置の設置方法及び交換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池装置は、例えば個人住宅の屋根の上に、複数の太陽電池モジュールを固定用ビスを用いて夫々屋根面に留め付け、また、隣り合う太陽電池モジュールを互いに係合させて、水下側(軒側)から水上側(棟側)に向けて段葺きに(階段状に)設置してなる。太陽電池装置は、各太陽電池モジュールを段葺きに設置することによって外観を向上し、また、固定用ビスで屋根面に留め付け、更に隣り合う太陽電池モジュールを互いに係合させることによって固定する。
図10は、従来の太陽電池装置を屋根面に設置した状態を示す模式的縦断面図であり、図11は、前記太陽電池装置を構成する太陽電池モジュールの係合部近傍の拡大図である。
【0003】
図中50は太陽電池モジュールであり、該太陽電池モジュール50は、矩形の鋼板を用いてなる基板10を備え、該基板10の一面に、複数の太陽電池素子を接続してなる太陽電池パネル2を、EVA樹脂3を用いて接着してある。
基板10は、水下側の端部に、前記鋼板を折り曲げ加工した様態で一体的に、太陽電池パネル2の積層方向とは逆方向に垂れ下がる垂下部10aを備え、該垂下部10aは、隣り合う水下側の太陽電池モジュール50の第2係合部102と係合する鉤状の第1係合部101を該垂下部10aの端部に有する。また、基板10は、水上側の端部に、前記鋼板を折り曲げ加工した様態で一体的に、前記積層方向に立ち上がる立ち上がり部10bを有し、該立ち上がり部10bは、隣り合う水上側の太陽電池モジュール50の第1係合部101と係合する鉤状の第2係合部102を該立ち上がり部10bの端部に有する。また、基板10は、水上側に、前記鋼板を折り曲げ加工した様態で一体的に第3係合部103を備える。
【0004】
各太陽電池モジュール50は、屋根面44上に設けられた断熱材40,40,…上に夫々配置してあり、各断熱材40の水上側には、固定用ビス42によって屋根面44に留め付けられた係合具41が配置してあり、該係合具41と第3係合部103とが係合している。
【0005】
図12は、前記太陽電池装置の設置方法を説明する説明図である。
前記係合具41に第3係合部103を係合することによって屋根面44に固定された太陽電池モジュール50の水上側に位置する断熱材40上に、新たな太陽電池モジュール50の基板10を、垂下部10aが前記断熱材40の水下側に位置するように載せる。次いで、該太陽電池モジュール50を水上方向へ移動させて、該太陽電池モジュール50の第1係合部101を、既に設置されている太陽電池モジュール50の第2係合部102に当接させ、更に、該第2係合部102と前記第1係合部101とが噛み合うようにして係合するまで押し込む。このとき、第1係合部101と第2係合部102とが互いに圧縮され、第1係合部101が第2係合部102の内側まで押し込まれたとき、第1係合部101と第2係合部102とは弾性によって元の形状に戻るため、第1係合部101と第2係合部102とが噛み合う。このため、太陽電池モジュール50,50は、水上方向及び水下方向(以下、上下方向と言う)に対して固定される。
【0006】
以上のような太陽電池装置は、各太陽電池モジュール50を、第3係合部103と係合具41とを係合することによって、屋根面44に固定してある。また、隣り合う太陽電池モジュール50,50の第1係合部101と第2係合部102とを夫々係合することによって、水下側の太陽電池モジュール50が水上側の太陽電池モジュール50に固定され、太陽電池モジュール50,50,…が水下方向へ落下すること、又は水上方向へずれ上がることを防止する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の太陽電池装置は、該太陽電池装置を構成している各太陽電池モジュール50の基板10に一体に設けられている第1係合部101及び第2係合部102のみを用い、水上側の太陽電池モジュールに備えられた第1係合部101と水下側の太陽電池モジュール50に備えられた第2係合部102とを係合して太陽電池モジュール50,50,…を固定していたため、各太陽電池モジュール50を段葺きに配置する場合に、水上側から水下側へ各太陽電池モジュールを順に配置するときは、水上側の太陽電池モジュールに備えられた垂下部10aが、第1係合部101と第2係合部102との係合、及び第3係合部103と係合具41との係合を阻害するという問題があった。このため、1モジュールの交換時に、交換すべき太陽電池モジュール50より上に配置されている太陽電池モジュール50,50,…を全て取り外す必要があった。
【0008】
また、水下側から水上側へ各太陽電池モジュール50を順に配置していくため、配置された太陽電池モジュール50より水上側の太陽電池モジュール50を配置する際に、作業者の足場が少なく、既に配置されている太陽電池モジュール50を足場にすることがあり、このため、作業者が太陽電池モジュール50に不要な外力を加えてしまうことがあった。
【0009】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、段葺きに配置した太陽電池モジュールを、係止部材を用いて互いに係合してあることにより、任意の太陽電池モジュールを交換する場合に、該太陽電池モジュールのみを取り外し、また、新たな太陽電池モジュールを配置することができる太陽電池装置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、係合部を有する立ち上がり部を両端部に夫々備える太陽電池モジュールを、鉤状の係止部を備える係止部材を用いて互いに係合してあることにより、任意の太陽電池モジュールを交換する場合に、該太陽電池モジュールのみを容易に取り外し、また、新たな太陽電池モジュールを容易に配置することができる太陽電池装置を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、太陽電池モジュールを、容易に破壊できる係止部材を用いて互いに係合してあることにより、任意の太陽電池モジュールを交換する場合に、該太陽電池モジュールのみを、より容易に取り外すことができる太陽電池装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、太陽電池モジュールを、所定の厚みを有する金属板を用いてなる係止部材を用いて互いに係合してあることにより、充分な強度を有する係止部材を、容易に破壊することができる太陽電池装置を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、太陽電池モジュールを段葺きに配置し、係止部材を用いて互いに係合させることにより、太陽電池モジュールを配置する際の作業性を向上することができる太陽電池装置の設置方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、係合部を有する立ち上がり部を両端部に夫々備える太陽電池モジュールを段葺きに配置し、鉤状の係止部を備える係止部材を用いて互いに係合させることにより、太陽電池モジュールを配置する際の作業性を、より向上することができる太陽電池装置の設置方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、太陽電池モジュール同士を係合させている係止部材を破壊して除去し、次いで、交換すべき太陽電池モジュールを取り外し、新たな係止部材を用いて、新たな太陽電池モジュールを、隣り合う太陽電池モジュールに係合させることにより、太陽電池モジュールを交換する際の作業性を向上することができる太陽電池装置の交換方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る太陽電池装置は、複数の太陽電池モジュールを段葺きに配置してなり、各太陽電池モジュールは、前記段葺き方向の両端部に夫々係合部を備える太陽電池装置において、前記段葺き方向に隣り合う太陽電池モジュールの一方の太陽電池モジュールの係合部の下側に、他方の太陽電池モジュールの係合部を配置してあり、両端部に夫々係止部を備える係止部材を用い、上側の太陽電池モジュールの係合部に一方の係止部を係合してあり、下側の太陽電池モジュールの係合部に他方の係止部を係合してあることを特徴とする。
【0013】
第1発明にあっては、各太陽電池モジュールに夫々設けられた係合部同士を直接係合することによって隣り合う太陽電池モジュールを係合してある従来の太陽電池装置とは異なり、前記係合部同士を係止部材を介して係合することによって隣り合う太陽電池モジュールを係合してあるため、太陽電池モジュールが、隣り合う太陽電池モジュールに対して相対移動したときに、係合部が係止部に当接して、相対移動を防止することができる。
また、任意の太陽電池モジュールを交換する場合に、交換すべき太陽電池モジュールと隣り合う太陽電池モジュールとに係合している係止部材を破壊して除去することによって、前記太陽電池モジュールの水上側に太陽電池モジュールが配置されている場合であっても、前記太陽電池モジュールのみを取り外すことができ、また、新たな太陽電池モジュールのみを配置することができるため、作業性を向上し、施工時間を短縮することができる。
【0014】
更に、太陽電池モジュールの各立ち上がり部及び係合部と、係止部材とを夫々同じ材料(鋼板、ステンレス板、又はアルミニウム板等)を用いて形成してある場合は、太陽電池モジュールと係止部材との外観上の違和感を低減することができるため、太陽電池装置の外観を向上することができる。
【0015】
第2発明に係る太陽電池装置は、前記太陽電池モジュールは、矩形の基板の一面に太陽電池素子を積層してなり、前記基板の両端部に、前記太陽電池素子の積層方向に立ち上がる立ち上がり部と、該立ち上がり部の端部を前記太陽電池素子側に折り曲げて形成してなる係合部とを夫々備え、前記係止部材は、矩形の平板の中央部に平面部を残して、前記平板の両端部を同一方向に夫々折り曲げてなる折り曲げ部を備え、一方又は両方の折り曲げ部は、端部を前記平面部側に向けて鉤状に形成してなる係止部を有することを特徴とする。
【0016】
第2発明にあっては、鉤状に形成してなる一方の係止部を有し、鉤状又は鉤状以外に形成してなる他方の係止部を有する係止部材を用いて、各立ち上がり部の端部を折り曲げてなる係合部が夫々形成してある太陽電池モジュールを互いに係合してある。このとき、上側の太陽電池モジュールの係合部に、係止部材の鉤状の係止部を係合し、また、下側の太陽電池モジュールの係合部に、鉤状又は鉤状以外に形成してなる係止部を係合するため、太陽電池モジュールが、隣り合う太陽電池モジュールに対して相対移動したときに、係合部が係止部に当接して、相対移動を防止することができる。
また、下側の太陽電池モジュールの係合部が鉤状に形成してある場合は、該係合部と鉤状に形成してなる係止部とが、より強固に係合することができる。
また、係合部と係止部とを噛み合わせるようにして係合することができるため、例えばビスを用いて隣り合う太陽電池同士を留め付ける場合より強度を向上することができる。
【0017】
また、任意の太陽電池モジュールを交換する場合に、交換すべき太陽電池モジュールと、隣り合う太陽電池モジュールとに夫々係合している係止部材を破壊して除去することによって、交換すべき太陽電池モジュールの水上側に太陽電池モジュールが配置されている場合であっても、交換すべき太陽電池モジュールのみを取り外すことができ、また、新たな太陽電池モジュールのみを配置することができるため、作業性を向上し、施工時間を短縮することができる。
また、前記太陽電池モジュールは基板を備えるため、該基板として鋼板、ステンレス板、又はアルミニウム板等を用い、本発明の太陽電池モジュールを、例えば屋根に設置する場合は、基板によって屋根面の耐火強度を向上し、また、屋根面を雨、露等から防水することができる。また、前記太陽電池モジュールの立ち上がり部が屋根面への浸水を防止することができる。
【0018】
また、例えば前記太陽電池モジュールの係合部と前記係止部材の平面部とが密着し、該係止部材の係合部と前記太陽電池モジュールの立ち上がり部とが密着する場合は、屋根面への浸水経路を遮断することができるため、更に屋根面を防水することができる。
更に、太陽電池モジュールの各立ち上がり部及び係合部、並びに基板と、係止部材とを、夫々同じ材料(鋼板、ステンレス板、又はアルミニウム板等)を用いて形成してある場合は、係止部材となすべき他の材料を準備する必要が無く、また、太陽電池モジュールと係止部材との外観上の違和感を低減することができるため、太陽電池装置の外観を向上することができる。
【0019】
第3発明に係る太陽電池装置は、前記係止部材は、破壊可能に構成してなることを特徴とする。
第3発明にあっては、係止部材を、例えば薄い金属板を用いて形成することによって、金属板カッターを用いて容易に切断することができるため、任意の太陽電池モジュールを交換する場合に、係止部材を容易に破壊して、前記太陽電池モジュールのみを容易に取り外すことができる。
【0020】
第4発明に係る太陽電池装置は、前記係止部材は、所定の厚みを有する鋼板、ステンレス板、又はアルミニウム板を用いてなることを特徴とする。
第4発明にあっては、例えば0.1mm〜1.6mm程度の厚みを有する鋼板、ステンレス板、又はアルミニウム板を用いて係止部材を形成する場合は、係合時は充分な強度を有し、破壊時は金属板カッターで容易に切断し破壊することができるため、充分な強度を有する係止部材を、容易に破壊することができる。
また、太陽電池モジュールの各立ち上がり部及び係合部、並びに基板等が、鋼板、ステンレス板、又はアルミニウム板を用いてなる場合、係止部材となすべき他の材料を準備する必要が無く、また、太陽電池モジュールと係止部材との外観上の違和感を低減することができるため、太陽電池装置の外観を向上することができる。
【0021】
第5発明に係る太陽電池装置の設置方法は、両端部に夫々係合部を備える複数の太陽電池モジュールを、前記両端部方向が段葺き方向になるようにして段葺きに配置する太陽電池装置の設置方法において、前記段葺き方向に隣り合う太陽電池モジュールの一方の太陽電池モジュールの係合部の下側に、他方の太陽電池モジュールの係合部を配置し、両端部に夫々係止部を備える係止部材を用い、上側の太陽電池モジュールの係合部に一方の係止部を係合させ、他方の係止部を下側の太陽電池モジュールの係合部に係合させることを特徴とする。
【0022】
第5発明にあっては、従来同様に水下側から水上側へ太陽電池モジュールを段葺きに配置することができ、また、水上側から水下側へ太陽電池モジュールを段葺きに配置する場合は、太陽電池モジュールを配置し、該太陽電池モジュールの水下側に太陽電池モジュールを配置して、該太陽電池モジュールの水上側端部を固定用ネジで留め付ける場合は水上側の太陽電池モジュールを少し持ち上げて留め付け、次いで、各係合部を、該係合部に係合する2つの係止部を備える係止部材を用いて係合するため、太陽電池モジュールに一体に備えられた係合部同士を係合させてなる従来の太陽電池装置とは異なり、水下側から水上側へだけでなく、水上側から水下側へも太陽電池モジュールを順に配置していくことができ、設置作業の自由度を増すことができる。
また、水上側から水下側へ太陽電池モジュールを順に配置していく場合は、作業者が既に配置されている太陽電池モジュールを足場にして、太陽電池モジュールに不要な外力を加えてしまうことがない。
【0023】
第6発明に係る太陽電池装置の設置方法は、前記太陽電池モジュールとして、矩形の基板の一面に太陽電池素子を積層してなり、前記基板の両端部に、前記太陽電池素子の積層方向に立ち上がる立ち上がり部と、該立ち上がり部の端部を前記太陽電池素子側に折り曲げて形成してなる係合部とを夫々備える太陽電池モジュールを用い、前記係止部材として、矩形の平板の中央部に平面部を残して、前記平板の両端部を同一方向に夫々折り曲げてなる折り曲げ部を備え、一方又は両方の折り曲げ部は、端部を前記平面部側に向けて鉤状に形成してなる係止部を有する係止部材を用いることを特徴とする。
【0024】
第6発明にあっては、例えば第1発明乃至第4発明の何れかに記載の太陽電池装置を構成する太陽電池モジュールを、従来同様に水下側から水上側へ段葺きに配置することができ、また、前記太陽電池モジュールを水上側から水下側へ段葺きに配置する場合は、太陽電池モジュールを配置し、該太陽電池モジュールの水下側に太陽電池モジュールを配置して、水上側の太陽電池モジュールの係合部と、水下側の太陽電池モジュールの係合部とを、前記太陽電池装置を構成する係止部材を用いて係合するため、水下側から水上側へだけでなく、水上側から水下側へも太陽電池モジュールを順に配置していくことができ、設置作業の自由度を増すことができる。
【0025】
また、係止部材の一方の係止部を太陽電池モジュールの係合部に係合し、次いで、他方の係止部を、前記太陽電池モジュールの水下側に配置された太陽電池モジュールの係合部に係合するため、太陽電池モジュールと係止部材との係合が容易であり、また、係合部と係止部とが共に鉤状の場合は、より強固に太陽電池モジュールと係止部材とを係合させることができる。
【0026】
第7発明に係る太陽電池装置の交換方法は、請求項1乃至4の何れかに記載の太陽電池装置を構成する複数の太陽電池モジュールの内、交換すべき太陽電池モジュールを除去して、新たな太陽電池モジュールを配置する太陽電池装置の交換方法において、交換すべき太陽電池モジュールの各係合部に夫々係合している2個の係止部材を破壊して、該係止部材及び前記交換すべき太陽電池モジュールを除去し、2個の新たな係止部材及び新たな太陽電池モジュールを準備し、該新たな太陽電池モジュールを、前記交換すべき太陽電池モジュールが配置されていた位置に配置し、次いで、前記新たな太陽電池モジュールの係合部に、一方の係止部材の一方の係止部を係合させ、次に、前記係止部材の他方の係止部を、隣り合う太陽電池モジュールの、前記係合部の下側に位置する係合部に係合させ、また、隣り合う太陽電池モジュールの係合部に、他方の係止部材の一方の係止部を係合させ、次に、前記係止部材の他方の係止部を、前記新たな太陽電池モジュールの、前記係合部の下側に位置する係合部に係合させることを特徴とする。
【0027】
第7発明にあっては、任意の太陽電池モジュールを交換する場合に、交換すべき太陽電池モジュールと、該太陽電池モジュールに隣り合う太陽電池モジュールとに夫々係合している係止部材を破壊して除去し、太陽電池モジュールの水上側端部を固定用ネジで留め付けている場合は水上側の太陽電池モジュールを少し持ち上げてネジを外し、次いで、太陽電池モジュールを除去するため、前記太陽電池モジュールの水上側に太陽電池モジュールが配置されている場合であっても、前記太陽電池モジュールのみを取り外して、作業性を向上し、施工時間を短縮することができる。
【0028】
また、太陽電池モジュールを取り外した後に、新たな太陽電池モジュールを配置し、該太陽電池モジュールの水上側端部を固定用ネジで留め付ける場合は水上側の太陽電池モジュールを少し持ち上げて留め付け、次いで、新たな係止部材を2個準備し、該係止部材を用いて、水上側の太陽電池モジュールの係合部と、水下側の太陽電池モジュールの係合部とを、新たな太陽電池モジュールの各係合部に係合するため、前記太陽電池モジュールの水上側に太陽電池モジュールが配置されている場合であっても、前記太陽電池モジュールのみを設置して、作業性を向上し、施工時間を短縮することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態 1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る太陽電池装置を屋根面に設置した状態を示す模式的縦断面図であり、図2は、前記太陽電池装置を構成する太陽電池モジュールの係合部近傍の拡大図である。
図中44は屋根面であり、該屋根面44上に断熱材40,40,…が上下方向に並置してあり、各断熱材40上に、前記太陽電池装置を構成する太陽電池モジュール51が夫々配置してある。
【0030】
各太陽電池モジュール51は、矩形の鋼板を用いてなる基板11を備え、該基板11の一面に、互いに電気的に接続された複数の太陽電池素子を有する矩形の太陽電池パネル2を、EVA樹脂3を用いて真空加熱圧着して接着してある。太陽電池パネル2は、例えば透光基板の一面に、透明電極、発電層(非晶質シリコンのpin構成)、及び裏面電極を積層してなる複数の太陽電池素子を直列に接続させて構成された集積型の太陽電池装置であって、該太陽電池装置の裏面電極側を基板11に接着してある。
基板11は、太陽電池パネル2の一端面に沿うようにして前記鋼板の一端部を折り曲げることによって前記太陽電池パネル2の積層方向に立ち上がる立ち上がり部11aを備え、該立ち上がり部11aは、前記一面に略平行になるよう該立ち上がり部11aの端部を太陽電池パネル2側へ折り曲げてなる第1係合部111を有する。
【0031】
また、基板11は、太陽電池パネル2の前記一端面に相対する他端面に沿うようにして前記鋼板の他端部を前記太陽電池パネル2の積層方向に折り曲げ、次いで、前記一面に略平行になるよう前記太陽電池パネル2側の逆側に折り曲げて折り曲げ部11cを形成し、該折り曲げ部11cを更に前記積層方向に折り曲げることによって、前記積層方向に立ち上がる立ち上がり部11bを有し、該立ち上がり部11bは、前記一面に略平行になるよう該立ち上がり部11bの端部を太陽電池パネル2側へ折り曲げ、更に積層方向の逆方向に鉤状に折り曲げてなる第2係合部112を有する。
【0032】
また、基板11は、立ち上がり部11bよりも水上側に、前記鋼板を折り曲げ加工した様態で一体的に、前記一面と略同一平面上に位置する平面部及び該平面部の端部に前記積層方向に折り曲げられてなる第3係合部113を備える。
各太陽電池モジュール51は、各断熱材40上に、第1係合部111を水下側に、第2係合部112及び第3係合部113を水上側にして段葺きに配置してある。
【0033】
係止部材6は厚さ0.1mm〜1.6mm程度の矩形の鋼板を用いてなり、中央部に平面部6cを有し、該平面部6cの両端部に、前記鋼板を同一面側に略垂直に折り曲げてなる折り曲げ部6a,6bを備える。折り曲げ部6a(折り曲げ部6b)は、前記第1係合部111(前記第2係合部112)に係合すべく、前記折り曲げ部6a(折り曲げ部6b)の端部を平面部6c側に向けて鉤状に折り曲げてなる第1係止部61(第2係止部62)を有する。
各断熱材40の水上側には、固定用ビス42によって屋根面44に留め付けられた係合具41が配置してあり、該係合具41と第3係合部113とが係合して太陽電池モジュール51を屋根面44に固定する。
【0034】
隣り合う太陽電池モジュール51,51は、水上側の太陽電池モジュール51の第1係合部111と係止部材6の第1係止部61とが係合し、該係止部材6の第2係止部62と水下側の太陽電池モジュール51の第2係合部112とが係合することによって、上下方向の移動を防止して固定する。
なお、太陽電池パネルは、単結晶シリコン又は多結晶シリコン等の結晶系シリコンを用いてなる複数の太陽電池素子を、銅箔を用いて互いに電気的に接続し、接着剤(例えばEVA樹脂)を用いて透光基板の一面に接着した太陽電池であっても良い。
【0035】
図3は、前記太陽電池装置の設置方法を説明する説明図である。
前記係合具41に第3係合部113を係合することによって屋根面44に固定された太陽電池モジュール51の水上側に位置する断熱材40上に、新たな太陽電池モジュール51を配置し、該太陽電池モジュール51の第3係合部113を該第5係合具113に対応する係合具41に係合し、次いで、水上側の太陽電池モジュール51の第1係止部材111と水下側の太陽電池モジュール51の第2係止部材112とが重なるようにして屋根面44に固定する。又は、前記係合具41に第3係合部113を係合することによって前記断熱材40上に固定された太陽電池モジュール51の水下側に位置する断熱材40上に、新たな太陽電池モジュール51を配置し、水上側の太陽電池モジュール51及び断熱材40を少し持ち上げて、前記新たな太陽電池モジュール51の第3係合部113を該第5係合具113に対応する係合具41に係合し、次いで、水上側の太陽電池モジュール51の第1係止部材111と水下側の太陽電池モジュール51の第2係止部材112とが重なるようにして屋根面44に固定する。
【0036】
次いで、係止部材6を準備し、第1係止部61を水上側の太陽電池モジュール51側に、第2係止部62を水下側の太陽電池モジュール51側に向け、水上側の太陽電池モジュール51の第1係合部111に係止部材6の第1係止部61の鉤状の部分を引っ掛けるようにして係合させる。
【0037】
次に、該係止部材6の第2係止部62を、水下側の太陽電池モジュール51の第2係合部112に当接させ、該第2係合部112の鉤状の部分と前記第2係止部62の鉤状の部分とが噛み合うようにして係合するまで、第2係合部112と折り曲げ部11cとの間に第2係止部62を挿入するようにして、第2係止部62を押し込む。このとき、第2係止部62と第2係合部112とが互いに圧縮され、第2係止部62が第2係合部112の内側まで押し込まれたとき、第2係止部62と第2係合部112とが弾性によって元の形状に戻るため、第2係止部62と第2係合部112とが噛み合って係合する。このため、太陽電池モジュール51,51は上下方向に対して固定される。
【0038】
図4及び図5は、前記太陽電池装置の交換方法を説明する説明図である。
前記太陽電池装置を構成する太陽電池モジュール51,51,…の内、任意の太陽電池モジュール51を交換する場合、該太陽電池モジュール51の第1係合部111及び第2係合部112に夫々係合している係止部材6,6の各平面部6cを例えば金属板カッターを用いて切断し、破壊する(図4(a))。次いで、前記係止部材6,6を除去し(図4(b))、前記太陽電池モジュール51の第3係合部113を係合具41から外して、前記太陽電池モジュール51を除去する(図4(c))。
【0039】
次に、新たな太陽電池モジュール51を準備し、該太陽電池モジュール51の第3係合部113を係合具41に係合して、前記太陽電池モジュール51を断熱材40上に配置する(図5(a))。次に、係止部材6,6を準備し、各係止部材6の第1係止部61を、水上側の太陽電池モジュール51の第1係合部111と前記新たな太陽電池モジュール51の第1係合部111とに係合する(図5(b))。最後に、各係止部材6の第2係止部62を、前記新たな太陽電池モジュール51の第2係合部112と水下側の太陽電池モジュール51の第2係合部112とに係合することによって(図5(c))、前記新たな太陽電池モジュール51の第1係合部111と第2係合部112とを、水下側の太陽電池モジュール51の第2係合部112と水上側の太陽電池モジュール51の第1係合部111とに係合させて固定する。
【0040】
本実施の形態の太陽電池装置は、第1係合部111を形成してある立ち上がり部11a及び第2係合部112を形成してある立ち上がり部11bを両端部に備える太陽電池モジュール51,51,…を段葺きに配置し、第1係合部111に係合すべき第1係止部61と、第2係合部112に係合すべき第2係止部62とを両端部に備える係止部材6を用いて互いに係合してあるため、太陽電池モジュール51が、隣り合う太陽電池モジュール51に対して相対移動したときに、係合部111,112が係止部61,62に当接して、相対移動を防止することができる。
【0041】
また、水上側から水下側へ太陽電池モジュール51,51,…を段葺きに配置していくことができ、設置作業の自由度を増すことができ、作業者が既に配置されている太陽電池モジュール51,51,…を足場にして、太陽電池モジュール51,51,…に不要な外力を加えてしまうことがない。
また、任意の太陽電池モジュール51を交換する場合に、交換すべき太陽電池モジュール51と隣り合う太陽電池モジュール51とに係合している係止部材6を夫々切断し破壊して除去し、前記太陽電池モジュール51のみを取り外し、また、新たな太陽電池モジュール51のみを配置することができるため、作業性を向上し、施工時間を短縮することができる。
【0042】
また、第2係合部112と第2係止部62とが鉤状に形成してあるため、第2係合部112と第2係止部62とが弾性によって噛み合い、強固に係合することができる。
また、係止部材を、厚さ0.1mm〜1.6mm程度の鋼板を用いて形成してあるため、金属板カッターを用いて容易に切断し、破壊することができる。
また、基板11、立ち上がり部11a,11b、係合部111,112と、係止部材6とを夫々鋼板を用いて形成してあるため、太陽電池モジュール61と係止部材6との外観上の違和感を低減することができる。
また、第2係合部112と折り曲げ部11cとの間に第2係止部62を挿入するようにして、第2係合部112と第2係止部62とを係合してあるため、例えば係合作業中に第2係止部62が太陽電池パネル2に当接して該太陽電池パネルが損傷することを防止する。
【0043】
なお、弾性を用いて係合するため、基板、立ち上がり部、第1係合部及び第2係合部等を形成する材料並びに係止部材を形成する材料は鋼板が好適であるが、鋼板の代わりに厚み0.1mm〜1.6mm程度のステンレス板又はアルミニウム板を用いても良い。
また、立ち上がり部及び第2係合部を、基板となる鋼板を折り曲げ加工した様態で一体的に設ける代わりに、別体の鋼板を折り曲げて形成した立ち上がり部及び第2係合部を、基板に接着することによって設けても良い。
【0044】
実施の形態 2.
図6は、本発明の実施の形態2に係る太陽電池装置を屋根面に設置した状態を示す模式的縦断面図であり、図7は、前記太陽電池装置を構成する太陽電池モジュールの係合部近傍の拡大図である。
図中44は屋根面であり、該屋根面44上に断熱材4,4,…が上下方向に並置してあり、各断熱材4上に、前記太陽電池装置を構成する太陽電池モジュール52が夫々配置してある。
各太陽電池モジュール52は、矩形の鋼板を用いてなる基板12を備え、該基板12の一面に、互いに電気的に接続された複数の太陽電池素子を有する矩形の太陽電池パネル2を、EVA樹脂3を用いて真空加熱圧着して接着してある。
【0045】
基板12は、太陽電池パネル2の一端面に沿うようにして前記鋼板の一端部を折り曲げることによって前記太陽電池パネル2の積層方向に立ち上がる立ち上がり部12aを備え、該立ち上がり部12aは、前記一面に略平行になるよう該立ち上がり部12aの端部を太陽電池パネル2側へ折り曲げてなる第1係合部121を有する。
また、基板12は、太陽電池パネル2の前記一端面に相対する他端面に沿うようにして前記鋼板の他端部を前記太陽電池パネル2の積層方向に折り曲げることによって前記積層方向に立ち上がる立ち上がり部12bを有し、該立ち上がり部12bは、前記一面に略平行になるよう該立ち上がり部12bの端部を太陽電池パネル2側へ折り曲げ、更に積層方向の逆方向に鉤状に折り曲げてなる第2係合部122を有する。また、基板12は、立ち上がり部12bよりも水上側に、前記鋼板を折り曲げ加工した様態で一体的に、前記一面と略同一平面上に位置する平面部123を備える。
【0046】
各太陽電池モジュール52は、各断熱材4上に、第1係合部121を水下側に、第2係合部122及び平面部123を水上側にして段葺きに配置してある。
太陽電池モジュール52は、平面部123及び断熱材4を固定用ビス42で貫いて留め付けることによって、屋根面44に固定してある。
隣り合う太陽電池モジュール52,52は、水上側の太陽電池モジュール52の第1係合部121と係止部材6の第1係止部61とが係合し、該係止部材6の第2係止部62と水下側の太陽電池モジュール52の第2係合部122とが係合することによって、上下方向の移動を防止して固定する。
その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0047】
以上のような太陽電池装置を設置する場合、平面部123を固定用ビス42で留め付けることによって屋根面44に固定された太陽電池モジュール52の水上側に位置する断熱材4上に、新たな太陽電池モジュール52を配置し、該太陽電池モジュール52の平面部123を固定用ビス42で留め付けることによって屋根面44に固定し、次いで、水上側の太陽電池モジュール52の第1係止部材121と水下側の太陽電池モジュール52の第2係止部材122とが重なるようにして屋根面44に固定する。又は、平面部123を固定用ビス42で留め付けることによって屋根面44に固定された太陽電池モジュール52の水下側に位置する断熱材4上に、新たな太陽電池モジュール52を配置し、水上側の太陽電池モジュール52及び断熱材4を少し持ち上げて、前記新たな太陽電池モジュール52の平面部123を固定用ビス42で留め付けることによって屋根面44に固定し、次いで、水上側の太陽電池モジュール52の第1係止部材121と水下側の太陽電池モジュール52の第2係止部材122とが重なるようにして屋根面44に固定する。
【0048】
次いで、係止部材6を準備し、第1係止部61を水上側の太陽電池モジュール52側に、第2係止部62を水下側の太陽電池モジュール52側に向け、水上側の太陽電池モジュール52の第1係合部121に係止部材6の第1係止部61の鉤状の部分を引っ掛けるようにして係合させる。
次に、該係止部材6の第2係止部62を、水下側の太陽電池モジュール52の第2係合部122に当接させ、該第2係合部122の鉤状の部分と前記第2係止部62の鉤状の部分とが噛み合うようにして係合するまで、第2係合部122と太陽電池パネル2との間に第2係止部62を挿入するようにして、第2係止部62を押し込む。このとき、第2係止部62と第2係合部122とが互いに圧縮され、第2係止部62が第2係合部122の内側まで押し込まれたとき、第2係止部62と第2係合部122とが弾性によって元の形状に戻るため、第2係止部62と第2係合部122とが噛み合って係合する。このため、太陽電池モジュール52,52は上下方向に対して固定される。
【0049】
図8及び図9は、前記太陽電池装置の交換方法を説明する説明図である。
前記太陽電池装置を構成する太陽電池モジュール52,52,…の内、任意の太陽電池モジュール52を交換する場合、該太陽電池モジュール52の第1係合部121及び第2係合部122に夫々係合している係止部材6,6の各平面部6cを例えば金属板カッターを用いて切断し、破壊する(図8(a))。次いで、前記係止部材6,6を除去し(図8(b))、前記太陽電池モジュール52の水上側に位置する太陽電池モジュール52及び断熱材4を少し持ち上げて、平面部123から固定用ビス42を外す(図8(c))。
【0050】
次に、固定用ビス42を外した太陽電池モジュール52を除去し(図9(a))、新たな太陽電池モジュール52を断熱材4上に配置して、該太陽電池モジュール52の水上側に位置する太陽電池モジュール52及び断熱材4を少し持ち上げて、平面部123に固定用ビス42を留め付け(図9(b))、最後に、係止部材6,6を準備し、各係止部材6の第1係止部61を、水上側の太陽電池モジュール52の第1係合部121と前記新たな太陽電池モジュール52の第1係合部121とに係合し、第2係止部62を、前記新たな太陽電池モジュール52の第2係合部122と水下側の太陽電池モジュール52の第2係合部122とに係合することによって、前記新たな太陽電池モジュール52の第1係合部121と第2係合部122とを、水下側の太陽電池モジュール52の第2係合部122と水上側の太陽電池モジュール52の第1係合部121とに係合させて固定する(図9(c))。
【0051】
本実施の形態の太陽電池装置は、実施の形態1の太陽電池装置と同様の効果を得ることができ、また、該太陽電池装置を構成する太陽電池モジュール51の第2係合部112を有する立ち上がり部11bに比べて、太陽電池モジュール52の第2係合部122を有する立ち上がり部12bの形状が単純であるため、該立ち上がり部12bを、基板12となる鋼板を折り曲げて容易に形成することができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明の太陽電池装置によれば、段葺きに配置した太陽電池モジュールを、係止部材を用いて互いに係合してあることにより、各太陽電池モジュールに夫々設けられた係合部同士を直接係合することによって隣り合う太陽電池モジュールを係合してある従来の太陽電池装置とは異なり、前記係合部同士を係止部材を介して係合することによって隣り合う太陽電池モジュールを係合してあるため、太陽電池モジュールが、隣り合う太陽電池モジュールに対して相対移動したときに、係合部が係止部に当接して、相対移動を防止することができる。
また、任意の太陽電池モジュールを交換する場合に、交換すべき太陽電池モジュールと隣り合う太陽電池モジュールとに係合している係止部材を破壊して除去することによって、前記太陽電池モジュールの水上側に太陽電池モジュールが配置されている場合であっても、前記太陽電池モジュールのみを取り外すことができ、また、新たな太陽電池モジュールのみを配置することができるため、作業性を向上し、施工時間を短縮することができる。
【0053】
また、係合部を有する立ち上がり部を両端部に夫々備える太陽電池モジュールを、鉤状の係止部を備える係止部材を用いて互いに係合してあることにより、鉤状に形成してなる一方の係止部を有し、鉤状又は鉤状以外に形成してなる他方の係止部を有する係止部材を用いて、各立ち上がり部の端部を折り曲げてなる係合部が夫々形成してある太陽電池モジュールを互いに係合してある。このとき、上側の太陽電池モジュールの係合部に、係止部材の鉤状の係止部を係合し、また、下側の太陽電池モジュールの係合部に、鉤状又は鉤状以外に形成してなる係止部を係合するため、太陽電池モジュールが、隣り合う太陽電池モジュールに対して相対移動したときに、係合部が係止部に当接して、相対移動を防止することができる。
また、下側の太陽電池モジュールの係合部が鉤状に形成してある場合は、該係合部と鉤状に形成してなる係止部とが、より強固に係合することができる。
【0054】
また、係合部と係止部とを噛み合わせるようにして係合することができるため、例えばビスを用いて隣り合う太陽電池同士を留め付ける場合より強度を向上することができる。
また、任意の太陽電池モジュールを交換する場合に、交換すべき太陽電池モジュールと、隣り合う太陽電池モジュールとに夫々係合している係止部材を破壊して除去することによって、交換すべき太陽電池モジュールの水上側に太陽電池モジュールが配置されている場合であっても、交換すべき太陽電池モジュールのみを取り外すことができ、また、新たな太陽電池モジュールのみを配置することができるため、作業性を向上し、施工時間を短縮することができる。
【0055】
また、太陽電池モジュールを、容易に破壊できる係止部材を用いて互いに係合してあることにより、係止部材を、例えば薄い金属板を用いて形成することによって、金属板カッターを用いて容易に切断することができるため、任意の太陽電池モジュールを交換する場合に、係止部材を容易に破壊して、前記太陽電池モジュールのみを容易に取り外すことができる。
【0056】
また、太陽電池モジュールを、所定の厚みを有する金属板を用いてなる係止部材を用いて互いに係合してあることにより、例えば0.1mm〜1.6mm程度の厚みを有する鋼板、ステンレス板、又はアルミニウム板を用いて係止部材を形成する場合は、係合時は充分な強度を有し、破壊時は金属板カッターで容易に切断し破壊することができるため、充分な強度を有する係止部材を、容易に破壊することができる。
また、太陽電池モジュールの各立ち上がり部及び係合部等が、鋼板、ステンレス板、又はアルミニウム板を用いてなる場合、係止部材となすべき他の材料を準備する必要が無く、また、太陽電池モジュールと係止部材との外観上の違和感を低減することができるため、太陽電池装置の外観を向上することができる。
【0057】
本発明の太陽電池装置の設置方法によれば、太陽電池モジュールを段葺きに配置し、係止部材を用いて互いに係合させることにより、従来同様に水下側から水上側へ太陽電池モジュールを段葺きに配置することができ、また、水上側から水下側へ太陽電池モジュールを段葺きに配置する場合は、太陽電池モジュールを配置し、該太陽電池モジュールの水下側に太陽電池モジュールを配置して、該太陽電池モジュールの水上側端部を固定用ネジで留め付ける場合は水上側の太陽電池モジュールを少し持ち上げて留め付け、次いで、各係合部を、該係合部に係合する2つの係止部を備える係止部材を用いて係合するため、太陽電池モジュールに一体に備えられた係合部同士を係合させてなる従来の太陽電池装置とは異なり、水下側から水上側へだけでなく、水上側から水下側へも太陽電池モジュールを順に配置していくことができ、設置作業の自由度を増すことができる。
【0058】
また、水上側から水下側へ太陽電池モジュールを順に配置していく場合は、作業者が既に配置されている太陽電池モジュールを足場にして、太陽電池モジュールに不要な外力を加えてしまうことがない。
【0059】
また、係合部を有する立ち上がり部を両端部に夫々備える太陽電池モジュールを段葺きに配置し、鉤状の係止部を備える係止部材を用いて互いに係合させることにより、例えば第1発明乃至第4発明の何れかに記載の太陽電池装置を構成する太陽電池モジュールを、従来同様に水下側から水上側へ段葺きに配置することができ、また、前記太陽電池モジュールを水上側から水下側へ段葺きに配置する場合は、太陽電池モジュールを配置し、該太陽電池モジュールの水下側に太陽電池モジュールを配置して、水上側の太陽電池モジュールの係合部と、水下側の太陽電池モジュールの係合部とを、前記太陽電池装置を構成する係止部材を用いて係合するため、水下側から水上側へだけでなく、水上側から水下側へも太陽電池モジュールを順に配置していくことができ、設置作業の自由度を増すことができる。
【0060】
また、係止部材の一方の係止部を太陽電池モジュールの係合部に係合し、次いで、他方の係止部を、前記太陽電池モジュールの水下側に配置された太陽電池モジュールの係合部に係合するため、太陽電池モジュールと係止部材との係合が容易であり、また、係合部と係止部とが共に鉤状の場合は、より強固に太陽電池モジュールと係止部材とを係合させることができる。
【0061】
本発明の太陽電池装置の交換方法によれば、太陽電池モジュール同士を係合させている係止部材を破壊して除去し、次いで、交換すべき太陽電池モジュールを取り外し、新たな係止部材を用いて、新たな太陽電池モジュールを隣り合う太陽電池モジュールに係合させることにより、任意の太陽電池モジュールを交換する場合に、交換すべき太陽電池モジュールと、該太陽電池モジュールに隣り合う太陽電池モジュールとに夫々係合している係止部材を破壊して除去し、太陽電池モジュールの水上側端部を固定用ネジで留め付けている場合は水上側の太陽電池モジュールを少し持ち上げてネジを外し、次いで、太陽電池モジュールを除去するため、前記太陽電池モジュールの水上側に太陽電池モジュールが配置されている場合であっても、前記太陽電池モジュールのみを取り外して、作業性を向上し、施工時間を短縮することができる。
【0062】
更に、太陽電池モジュールを取り外した後に、新たな太陽電池モジュールを配置し、該太陽電池モジュールの水上側端部を固定用ネジで留め付ける場合は水上側の太陽電池モジュールを少し持ち上げて留め付け、次いで、新たな係止部材を2個準備し、該係止部材を用いて、水上側の太陽電池モジュールの係合部と、水下側の太陽電池モジュールの係合部とを、新たな太陽電池モジュールの各係合部に係合するため、前記太陽電池モジュールの水上側に太陽電池モジュールが配置されている場合であっても、前記太陽電池モジュールのみを設置して、作業性を向上し、施工時間を短縮することができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る太陽電池装置を屋根面に設置した状態を示す模式的縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る太陽電池装置を構成する太陽電池モジュールの係合部近傍の拡大図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る太陽電池装置の設置方法を説明する説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る太陽電池装置の交換方法を説明する説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る太陽電池装置の交換方法を説明する説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る太陽電池装置を屋根面に設置した状態を示す模式的縦断面図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る太陽電池装置を構成する太陽電池モジュールの係合部近傍の拡大図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る太陽電池装置の交換方法を説明する説明図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る太陽電池装置の交換方法を説明する説明図である。
【図10】従来の太陽電池装置を屋根面に設置した状態を示す模式的縦断面図である。
【図11】従来の太陽電池装置を構成する太陽電池モジュールの係合部近傍の拡大図である。
【図12】従来の太陽電池装置の設置方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
11 基板
11a,11b 立ち上がり部
111 第1係合部
112 第2係合部
2 太陽電池パネル
51 太陽電池モジュール
6 係止部材
6a,6b 折り曲げ部
61 第1係止部
62 第2係止部

Claims (3)

  1. 複数の太陽電池モジュールを段葺きに配置してなる太陽電池装置において、当該太陽電池装置を構成する複数の太陽電池モジュールの内、交換すべき太陽電池モジュールを除去して、新たな太陽電池モジュールを配置する太陽電池装置の交換方法であって
    前記太陽電池モジュールは、前記段葺き方向の両端部に夫々係合部を備え、
    前記太陽電池装置は、前記段葺き方向に隣り合う太陽電池モジュールの一方の太陽電池モジュールの係合部の下側に、他方の太陽電池モジュールの係合部を配置し、両端部に夫々係止部を備える係止部材を用い、上側の太陽電池モジュールの係合部に一方の係止部を係合し、下側の太陽電池モジュールの係合部に他方の係止部を係合することで構成されており、
    交換すべき太陽電池モジュールの各係合部に夫々係合している2個の係止部材を破壊して、該係止部材及び前記交換すべき太陽電池モジュールを除去し、2個の新たな係止部材及び新たな太陽電池モジュールを準備し、該新たな太陽電池モジュールを、前記交換すべき太陽電池モジュールが配置されていた位置に配置し、次いで、前記新たな太陽電池モジュールの係合部に、一方の係止部材の一方の係止部を係合させ、次に、前記係止部材の他方の係止部を、隣り合う太陽電池モジュールの、前記係合部の下側に位置する係合部に係合させ、また、隣り合う太陽電池モジュールの係合部に、他方の係止部材の一方の係止部を係合させ、次に、前記係止部材の他方の係止部を、前記新たな太陽電池モジュールの、前記係合部の下側に位置する係合部に係合させることを特徴とする太陽電池装置の交換方法。
  2. 前記太陽電池モジュールは、矩形の基板の一面に太陽電池素子を積層してなり、前記基板の両端部に、前記太陽電池素子の積層方向に立ち上がる立ち上がり部と、該立ち上がり部の端部を前記太陽電池素子側に折り曲げて形成してなる係合部とを夫々備え、前記係止部材は、矩形の平板の中央部に平面部を残して、前記平板の両端部を同一方向に夫々折り曲げてなる折り曲げ部を備え、一方又は両方の折り曲げ部は、端部を前記平面部側に向けて鉤状に形成してなる係止部を有することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池装置の交換方法
  3. 前記係止部材は、所定の厚みを有する鋼板、ステンレス板、又はアルミニウム板を用いてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池装置の交換方法
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