JP3584023B2 - 太陽電池モジュール、太陽電池装置、太陽電池装置の設置方法及び交換方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、第1係合部と第2係合部とを備える太陽電池モジュール、該太陽電池モジュールを係合してなる太陽電池装置、並びに該太陽電池装置の設置方法及び交換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池装置は、例えば個人住宅の屋根の上に、複数の太陽電池モジュールを固定用ビスを用いて夫々屋根面に留め付け、また、隣り合う太陽電池モジュールを互いに係合させて、水下側(軒側)から水上側(棟側)に向けて段葺きに(階段状に)設置してなる。太陽電池装置は、各太陽電池モジュールを段葺きに設置することによって外観を向上し、また、固定用ビスで屋根面に留め付け、更に、水上方向及び水下方向(以下、上下方向と言う)に隣り合う太陽電池モジュールを互いに係合させることによって固定する。
【0003】
図6は、従来の太陽電池装置を屋根面に設置した状態を示す縦断面図であり、図7は、前記太陽電池装置を構成する太陽電池モジュールの係合部近傍の拡大縦断面図である。
図中50は太陽電池モジュールであり、該太陽電池モジュール50は、厚さ0.5mmの矩形の鋼板を用いてなる基板10を備え、該基板10の一面に、複数の太陽電池素子を接続してなる太陽電池パネル2を、EVA樹脂3を用いて接着してある。
【0004】
基板10は、水下側の端部に、前記鋼板を折り曲げ加工した様態で一体的に、太陽電池パネル2の積層方向とは逆方向へ垂下する突出部10aを備え、該突出部10aは、隣り合う水下側の太陽電池モジュール50の第2係合部102と係合する第1係合部101を該突出部10aの端部に有する。
また、基板10の水上側の端部に、厚さ0.5mmの矩形の鋼板を折り曲げて形成した係合部材100をEVA樹脂3を用いて接着してあり、係合部材100は、前記積層方向へ立ち上がる突出部10bを有し、該突出部10bは、隣り合う水上側の太陽電池モジュール50の第1係合部101と係合する第2係合部102を該突出部10bの端部に有する。
各太陽電池モジュール50は、屋根面41上に設けられた断熱材40,40,…上に夫々配置してあり、基板10の水上側の端部と係合部材100と断熱材40とを固定用ビス42で貫いて留め付けることによって、太陽電池モジュール50を屋根面41に固定してある。
【0005】
図8は、前記太陽電池装置の設置方法を説明する説明図である。
断熱材40を介して屋根面41に固定された太陽電池モジュール50の水上側に位置する断熱材40上に、新たな太陽電池モジュール50の基板10を、突出部10aが前記断熱材40の水下側に位置するように載せる。次いで、該太陽電池モジュール50を水上方向(白抜矢符方向)へ移動させて、該太陽電池モジュール50の第1係合部101を、既に設置されている太陽電池モジュール50の第2係合部102に噛み合わせる。このとき、太陽電池モジュール50,50は、上下方向に対して固定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の太陽電池装置は、該太陽電池装置を構成している各太陽電池モジュール50の基板10の両端部に設けられている第1係合部101及び第2係合部102を用い、水上側の太陽電池モジュール50に備えられた第1係合部101と水下側の太陽電池モジュール50に備えられた第2係合部102とを係合して太陽電池モジュール50,50,…を上下方向に対して固定しているため、1モジュールの交換時に、交換すべき太陽電池モジュール50より上に配置されている太陽電池モジュール50,50,…を全て取り外す必要があり、また、交換すべき太陽電池モジュール50のみを除去する場合は、水上側の太陽電池モジュールに備えられた突出部10aが、第1係合部101と第2係合部102との係合の解除を阻害するという問題があった。このため、太陽電池モジュールを交換する際の作業性が悪いという問題があった。
【0007】
特願2001−239777には、太陽電池モジュールとは別体の係止部材を用い、太陽電池モジュールの係合部と、該太陽電池モジュールと隣り合う太陽電池モジュールの係合部とに、1個の係止部材を係止することによって、各太陽電池モジュールを上下方向に係合する太陽電池装置が開示されている。該太陽電池装置を構成する太陽電池モジュールを交換する場合は、係止部材を破壊することによって前記太陽電池モジュールを除去することができる。しかしながら、係止部材を破壊するため、該係止部材を再び利用することができないという問題があった。
【0008】
【0009】
本発明は斯かる問題を解決するためになされたものであり、隣り合う太陽電池モジュールの互いに係合している第1係合部と第2係合部との間に、取っ手を有する介在部材を備えることにより、任意の太陽電池モジュールを交換する場合に、該太陽電池モジュールのみを取り外し、また、介在部材を再利用して新たな太陽電池モジュールを配置できる太陽電池装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、取っ手を有する介在部材を介して第1係合部と第2係合部とを係合させて隣り合う太陽電池モジュールを配置することにより、任意の太陽電池モジュールを交換する場合に、該太陽電池モジュールのみを取り外し、また、介在部材を再利用して新たな太陽電池モジュールを配置できる太陽電池装置の設置方法を提供することにある。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る太陽電池装置は、矩形の基板の一面に太陽電池を積層してある複数の太陽電池モジュールを段葺きに配置してなり、各太陽電池モジュールは、前記段葺き方向の一端部に設けられ、前記太陽電池の積層方向と逆方向へ突出する突出部と、該突出部の端部を前記太陽電池側に、前記基板に略平行に折り曲げてなる第1係合部と、前記基板の他端部に設けられ、前記太陽電池の積層方向へ突出する突出部と、該突出部の端部を前記太陽電池側に、前記基板に略平行に折り曲げてなる第2係合部とを備え、各太陽電池モジュールの第1係合部は、該太陽電池モジュールの下側に隣り合う太陽電池モジュールの第2係合部と係合し、各太陽電池モジュールの第2係合部は、該太陽電池モジュールの上側に隣り合う太陽電池モジュールの第1係合部と係合してなる太陽電池装置において、各第1係合部と、該第1係合部に係合している第2係合部との間に、該第2係合部又は前記第1係合部に沿うような形状に折り曲げられた板状の介在部材が設けられており、該介在部材は、前記基板に略平行に、段葺き方向の下向き側へ突出する取っ手を有することを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、介在部材の厚さを、該介在部材が有する取っ手を作業者が引っ張って第1係合部に当接させた場合に、該介在部材が容易に変形しない剛性を有し、また、互いに係合している第1係合部と第2係合部との間に介在可能な厚さに形成してある。また、各太陽電池モジュールに、第1係合部を備えた突出部(以下、第1突出部と言う)を、該第1突出部に介在部材が当接した場合に該第1突出部が容易に弾性変形する厚さであって、該第1突出部の強度を保てる厚さに形成してある。第1突出部、又は第2係合部を有する突出部(以下、第2突出部と言う)は、夫々基板に対して略垂直に設けられ、第1係合部(第2係合部)は第1突出部(第2突出部)に対して略垂直に設けられている。また、隣り合う太陽電池モジュールは、一方の太陽電池モジュールの第1係合部と、他方の太陽電池モジュールの第2係合部とを係合してある。
【0019】
このため、介在部材に備えられる取っ手を作業者が引っ張ることによって、第1突出部が変形して前記第1係合部と前記第2係合部との係合を解除することができる。また、変形した第1突出部は、作業者が介在部材の取っ手から手を離したとき、又は介在部材を除去したとき、弾性によって元の形状に戻る。
以上のような太陽電池装置は、任意の太陽電池モジュールを交換する場合に、
該太陽電池モジュールのみを取り外し、また、新たな太陽電池モジュールを配置することができる。
また、介在部材を破壊せずに太陽電池モジュールを除去できるため、該介在部材を再利用して新たな太陽電池モジュールを配置することができる。
なお、太陽電池モジュールには、基板の軒方向(棟方向)の長さを有する介在部材を1個だけ設けても良く、前記長さを有する介在部材に、2個の取っ手を前記方向に、適度な間隔で設けることによって、又は、2個の介在部材を前記方向に、適度な間隔で設けることによって、介在部材を形成するための材料を省略しても良い。
【0020】
本発明に係る太陽電池装置の設置方法は、矩形の基板の一面に太陽電池を積層してなり、前記基板の一端部に設けられ、前記太陽電池の積層方向と逆方向へ突出する突出部と、該突出部の端部を前記太陽電池側に、前記基板に略平行に折り曲げてなる第1係合部と、前記基板の他端部に設けられ、前記太陽電池の積層方向へ突出する突出部と、該突出部の端部を前記太陽電池側に、前記基板に略平行に折り曲げてなる第2係合部とを備える太陽電池モジュールを用いて、前記両端部方向が段葺き方向になるよう段葺きに配置し、各太陽電池モジュールの第1係合部を、該太陽電池モジュールの下側に隣り合う太陽電池モジュールの第2係合部と係合させ、各太陽電池モジュールの第2係合部を、該太陽電池モジュールの上側に隣り合う太陽電池モジュールの第1係合部に係合させる太陽電池装置の設置方法において、前記第1係合部又は前記第2係合部に沿うような形状に折り曲げられた板状の介在部材を用い、各介在部材を、各第1係合部と、該第1係合部に対応する第2係合部との間に介在させて前記第1係合部と前記第2係合部とを係合させ、このとき、前記介在部材の一端部を、前記基板に略平行に、段葺き方向の下向き側へ突出させて取っ手となすことを特徴とする。
【0021】
本発明にあっては、太陽電池モジュールを、従来同様に水下側から水上側へ段葺きに配置することができ、また、水上側から水下側へ段葺きに配置する場合は、既に設置された太陽電池モジュールの水下側に太陽電池モジュールを配置するとき、水上側の太陽電池モジュールの第1係合部を有する突出部(以下、第1突出部と言う)を変形させることによって、水下側の太陽電池モジュールの第2係合部及び該第2係合部を有する突出部とが第1突出部に当接して配置を阻害することを防止し、次いで、変形させていた第1突出部の形状を元に戻して前記第1係合部と前記第2係合部とを、介在部材を介して係合させることができるため、水下側から水上側へだけでなく、水上側から水下側へも太陽電池モジュールを順に配置していくことができ、設置作業の自由度を増すことができる。
【0022】
また、介在部材の取っ手を作業者が引っ張ることによって、第1突出部が変形して前記第1係合部と前記第2係合部との係合を解除することができ、変形した第1突出部は、作業者が介在部材の取っ手から手を離したとき、又は介在部材を除去したとき、弾性によって元の形状に戻るため、任意の太陽電池モジュールを交換する場合に、該太陽電池モジュールのみを取り外し、また、新たな太陽電池モジュールを配置することができる。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
本発明に係る太陽電池装置の交換方法は、第1発明の太陽電池装置を構成する複数の太陽電池モジュールの内、交換すべき太陽電池モジュールを除去して、新たな太陽電池モジュールを配置する太陽電池装置の交換方法であって、交換すべき太陽電池モジュールの第2係合部と、該太陽電池モジュールの上側に隣り合う太陽電池モジュールの第1係合部との間に介在する介在部材の取っ手を突出方向へ引っ張ることによって、前記第1係合部と前記第2係合部との係合を解除し、また、交換すべき太陽電池モジュールの第1係合部と、該太陽電池モジュールの下側に隣り合う太陽電池モジュールの第2係合部との間に介在する介在部材の取っ手を突出方向へ引っ張ることによって、前記第1係合部と前記第2係合部との係合を解除し、前記交換すべき太陽電池モジュールを除去し、新たな太陽電池モジュールを準備し、該新たな太陽電池モジュールを、前記交換すべき太陽電池モジュールが配置されていた位置に配置し、次いで、前記新たな太陽電池モジュールの第1係合部と、該新たな太陽電池モジュールの下側に隣り合う太陽電池モジュールの第2係合部とを、前記介在部材を介在させて係合させ、前記新たな太陽電池モジュールの第2係合部と、該新たな太陽電池モジュールの上側に隣り合う太陽電池モジュールの第1係合部とを、前記介在部材を介在させて係合させることを特徴とする。
【0027】
本発明にあっては、任意の太陽電池モジュールを交換する場合に、交換すべき太陽電池モジュールの第1係合部(第2係合部)と、該太陽電池モジュールに隣り合う太陽電池モジュールの第2係合部(第1係合部)とを、介在部材に備えられた取っ手を作業者が引っ張ることによって、該第1係合部を備えた突出部(以下、第1突出部と言う)を変形させて前記第1係合部と前記第2係合部との係合を解除し、次いで、太陽電池モジュールを除去するため、交換すべき太陽電池モジュールの水上側に太陽電池モジュールが配置されている場合であっても、第1突出部が第1係合部と第2係合部との係合の解除を阻害することなく、前記太陽電池モジュールのみを取り外して、作業性を向上し、施工時間を短縮することができる。
【0028】
また、太陽電池モジュールを取り外した後に、新たな太陽電池モジュールを配置し、次いで、該太陽電池モジュールの第1係合部(第2係合部)と、該太陽電池モジュールに隣り合う太陽電池モジュールの第2係合部(第1係合部)とを、第1突出部を変形させることによって水下側の太陽電池モジュールの第2係合部及び該第2係合部を有する突出部とが第1突出部に当接して配置を阻害することを防止し、次いで、変形させていた第1突出部の形状を元に戻して前記第1係合部と第2係合部とを係合させるため、前記新たな太陽電池モジュールの水上側に太陽電池モジュールが配置されている場合であっても、前記新たな太陽電池モジュールのみを設置して、作業性を向上し、施工時間を短縮することができる。
更に、介在部材を破壊することなく太陽電池モジュールを除去できるため、該介在部材を再利用して新たな太陽電池モジュールを配置することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
図1は、本発明の実施の形態に係る太陽電池装置を屋根面に設置した状態を示す縦断面図であり、図2は、前記太陽電池装置を構成する太陽電池モジュール52の係合部近傍の拡大縦断面図である。
図中40は断熱材であり、各断熱材40上に、本実施の形態の太陽電池装置を構成する太陽電池モジュール52が配置してある。
各太陽電池モジュール52は、厚さ0.3mmの矩形の鋼板を用いてなる基板12を備え、該基板12の一面に太陽電池パネル2をEVA樹脂3を用いて接着してある。太陽電池パネル2は、例えば透光基板の一面に、透明電極、発電層(非晶質シリコンのpin構成)、及び裏面電極を積層してなる複数の太陽電池素子を直列に接続させて構成された集積型の太陽電池であって、該太陽電池の裏面電極側を基板12に接着してある。太陽電池パネルは、単結晶シリコン又は多結晶シリコン等の結晶系シリコンを用いてなる複数の太陽電池素子を、銅箔を用いて互いに電気的に接続し、接着剤(例えばEVA樹脂)を用いて透光基板の一面に接着した太陽電池パネルであっても良い。
【0040】
基板12は、水下側の端部に、前記鋼板を折り曲げ加工した様態で一体的に、
太陽電池パネル2の積層方向とは逆方向へ垂下する突出部12aを備え、該突出部12aは、該突出部12aの端部を、太陽電池パネル2側に、基板12に略平行に折り曲げてなる第1係合部121を備える。
また、基板12の水上側の端部に、厚さ0.5mmの矩形の鋼板を折り曲げて形成した係合部材120をEVA樹脂3を用いて接着してあり、係合部材120は、前記積層方向へ立ち上がる突出部12bを備え、該突出部12bは、該突出部12bの端部を、太陽電池パネル2側に、基板12に略平行に折り曲げてなる第2係合部122を備える。
【0041】
隣り合う太陽電池モジュール52,52は、水上側の太陽電池モジュール52の第1係合部121と、水下側の太陽電池モジュール52の第2係合部122とが係合することによって、上下方向の移動を防止して固定する。
また、第1係合部121と、該第1係合部121に係合している第2係合部122との間に、介在部材6が設けられている。該介在部材6は、厚さ0.5mmの矩形の鋼板を、突出部12a及び第1係合部121に沿うような形状に己の字型に折り曲げてなり、一端部は、第1係合部121の長さより長く、また、人間の手で摘まみ易く形成してある取っ手61である。介在部材6の他端部は断熱材40に沿うように配置され、取っ手61と前記他端部との間の折り曲げられた部分は突出部12a及び第1係合部121に沿うように配置され、このとき、取っ手61は第1係合部121と、該第1係合部121を備える太陽電池モジュール52の下側に配置されている太陽電池モジュール52の太陽電池パネル2との間から、段葺き方向の下向き側へ突出する。
【0042】
各太陽電池モジュール52は、屋根面41上に設けられた断熱材40,40,
…上に、第1係合部121を水下側に、第2係合部122を水上側にして段葺きに配置してあり、基板12の水上側の端部と係合部材120と断熱材40とを固定用ビス42で貫いて留め付けることによって、太陽電池モジュール52を屋根面41に固定してある。
その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0043】
図3は、前記太陽電池装置の設置方法を説明する説明図である。
断熱材40を介して屋根面41に固定された太陽電池モジュール52の水上側に位置する断熱材40上に、新たな太陽電池モジュール52の基板12を、第1係合部121が水下側に位置するように載せる。次いで、第1係合部121及び突出部12aに、第1係合部121と既に設置されている太陽電池モジュール52の太陽電池パネル2との間に取っ手61が挟まれるようにして介在部材6を配置し、新たな太陽電池モジュール52を水上方向(白抜矢符方向)へ移動させて、該太陽電池モジュール52の第1係合部121を、既に設置されている太陽電池モジュール52の第2係合部122に、介在部材6を介して噛み合わせる。このとき、太陽電池モジュール52,52は、上下方向に対して固定される。
【0044】
図4及び図5は、前記太陽電池装置の交換方法を説明する説明図である。
前記太陽電池装置を構成する太陽電池モジュール52,52,…の内、任意の太陽電池モジュール52を交換する場合、作業者は、交換すべき太陽電池モジュール52の上側に隣り合う太陽電池モジュール52の第1係合部121に沿って配置してある介在部材6の取っ手61を突出方向(白抜矢符方向)へ引っ張り(図4(a))、前記第1係合部121と、交換すべき太陽電池モジュール52の第2係合部122との係合を解除する(図4(b))。このとき、突出部12aは、外側へ引っ張られて撓むが、介在部材6が除去されたとき、弾性によって元の形状に戻る(図4(c)参照)。
【0045】
同様にして、交換すべき太陽電池モジュール52の第1係合部121に沿って配置してある介在部材6の取っ手61を突出方向へ引っ張り、前記第1係合部121と、交換すべき太陽電池モジュール52の下側に隣り合う太陽電池モジュール52の第2係合部122との係合を解除する。また、上側に隣り合う太陽電池モジュール52及び断熱材40を少し持ち上げて、固定用ビス42を外す(図4(c))。
交換すべき太陽電池モジュール52を除去する。このとき、介在部材6,6は破棄せず残しておく(図5(a))。次いで、新たな太陽電池モジュール52を、第1係合部121が水下側に位置するように断熱材40上に配置し、次いで、該太陽電池モジュール52を水上方向へ移動させて、該太陽電池モジュール52の第1係合部121を、下側に隣り合う太陽電池モジュール52の第2係合部122に、交換すべき太陽電池モジュール52に対して用いていた介在部材6の一方を介して噛み合わせる。また、上側に隣り合う太陽電池モジュール52及び断熱材40を少し持ち上げて、固定用ビス42を留め付ける(図5(b))。
【0046】
最後に、上側に隣り合う太陽電池モジュール52の突出部12aを外側へ撓ませて、前記介在部材6の他方を第2係合部112に沿うようにして配置し(図5(b)参照)、該太陽電池モジュール52の第1係合部121と、新たな太陽電池モジュール52の第2係合部122とを、前記介在部材6を介して係合させることによって(図5(c))、新たな太陽電池モジュール52の第1係合部121と第2係合部122とを、水下側の太陽電池モジュール52の第2係合部122と水上側の太陽電池モジュール52の第1係合部121とに夫々係合させて固定する。
【0047】
以上のような太陽電池モジュールは、1モジュールの交換時に、交換すべき太陽電池モジュール52より上に配置されている太陽電池モジュール52,52,…を全て取り外すことなく、交換すべき太陽電池モジュール52のみを除去することができる。
また、介在部材6を突出部12a及び第1係合部121に沿わせて配置してあるため、介在部材6によって突出部12a及び第1係合部121を補強することができる。
また、介在部材6,6を破壊することなく太陽電池モジュール52を交換することができるため、取り外した介在部材6,6を再び利用することができる。
【0048】
なお、介在部材6の厚さは、取っ手61を引っ張った場合に容易に変形しない剛性を有し、第1係合部121と第2係合部122との間に介在可能な厚さであれば良い。
また、基板12の厚さは、介在部材6の取っ手61を引っ張った場合に突出部12aが容易に弾性変形する厚さであって、基板12の強度を保てる厚さであれば良い。例えば、基板として鋼板を用いる場合には、厚さが0.2〜0.3mmの鋼板を用いる。また、突出部12a(及び第1係合部121)のみ前記厚さであって、他の部分は前記厚さより厚くても良い。
また、太陽電池モジュールには、基板の軒方向(棟方向)の長さを有する介在部材を1個だけ設けても良く、2個の介在部材を前記方向に、適度な間隔で設けることによって、介在部材を形成するための鋼板を省略しても良い。
【0049】
【発明の効果】
本発明の太陽電池モジュールによれば、任意の太陽電池モジュールを交換する場合に、該太陽電池モジュールのみを取り外し、また、新たな太陽電池モジュールを配置できる太陽電池装置を構成することができる。
本発明の太陽電池装置によれば、任意の太陽電池モジュールを交換する場合に、該太陽電池モジュールのみを取り外し、また、新たな太陽電池モジュールを配置できる。
また、本発明の太陽電池装置によれば、任意の太陽電池モジュールを交換する場合に、該太陽電池モジュールのみを取り外し、また、介在部材を再利用して新たな太陽電池モジュールを配置することができる。
本発明の太陽電池装置の設置方法によれば、設置作業の自由度を増すことができ、また、任意の太陽電池モジュールを交換する場合に、該太陽電池モジュールのみを取り外し、また、新たな太陽電池モジュールを配置することができる。
【0050】
本発明の太陽電池装置の交換方法によれば、交換すべき太陽電池モジュールの水上側に太陽電池モジュールが配置されている場合であっても、前記突出部が第1係合部と第2係合部との係合の解除を阻害することなく、前記太陽電池モジュールのみを取り外して、作業性を向上し、施工時間を短縮することができる。
また、本発明の太陽電池装置の交換方法によれば、交換すべき太陽電池モジュールの水上側に太陽電池モジュールが配置されている場合であっても、前記突出部が第1係合部と第2係合部との係合の解除を阻害することなく、前記太陽電池モジュールのみを取り外して、作業性を向上し、施工時間を短縮することができる。
更に、介在部材を再利用して新たな太陽電池モジュールを配置することができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る太陽電池装置を屋根面に設置した状態を示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る太陽電池装置を構成する太陽電池モジュールの係
合部近傍の拡大縦断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る太陽電池装置の設置方法を説明する説明図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る太陽電池装置の交換方法を説明する説明図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る太陽電池装置の交換方法を説明する説明図である。
【図6】従来の太陽電池装置を屋根面に設置した状態を示す縦断面図である。
【図7】従来の太陽電池装置を構成する太陽電池モジュールの係合部近傍の拡大縦断面図である。
【図8】従来の太陽電池装置の設置方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
12 基板
2 太陽電池パネル
12a,12b 突出部
121 第1係合部
122 第2係合部
6 介在部材
61 取っ手
52 太陽電池モジュール
Claims (3)
- 矩形の基板の一面に太陽電池を積層してある複数の太陽電池モジュールを段葺きに配置してなり、各太陽電池モジュールは、前記段葺き方向の一端部に設けられ、前記太陽電池の積層方向と逆方向へ突出する突出部と、該突出部の端部を前記太陽電池側に、前記基板に略平行に折り曲げてなる第1係合部と、前記基板の他端部に設けられ、前記太陽電池の積層方向へ突出する突出部と、該突出部の端部を前記太陽電池側に、前記基板に略平行に折り曲げてなる第2係合部とを備え、各太陽電池モジュールの第1係合部は、該太陽電池モジュールの下側に隣り合う太陽電池モジュールの第2係合部と係合し、各太陽電池モジュールの第2係合部は、該太陽電池モジュールの上側に隣り合う太陽電池モジュールの第1係合部と係合してなる太陽電池装置において、
各第1係合部と、該第1係合部に係合している第2係合部との間に、該第2係合部又は前記第1係合部に沿うような形状に折り曲げられた板状の介在部材が設けられており、該介在部材は、前記基板に略平行に、段葺き方向の下向き側へ突出する取っ手を有することを特徴とする太陽電池装置。 - 矩形の基板の一面に太陽電池を積層してなり、前記基板の一端部に設けられ、前記太陽電池の積層方向と逆方向へ突出する突出部と、該突出部の端部を前記太陽電池側に、前記基板に略平行に折り曲げてなる第1係合部と、前記基板の他端部に設けられ、前記太陽電池の積層方向へ突出する突出部と、該突出部の端部を前記太陽電池側に、前記基板に略平行に折り曲げてなる第2係合部とを備える太陽電池モジュールを複数用いて、前記両端部方向が段葺き方向になるよう段葺きに配置し、各太陽電池モジュールの第1係合部を、該太陽電池モジュールの下側に隣り合う太陽電池モジュールの第2係合部と係合させ、各太陽電池モジュールの第2係合部を、該太陽電池モジュールの上側に隣り合う太陽電池モジュールの第1係合部に係合させる太陽電池装置の設置方法において、
前記第1係合部又は前記第2係合部に沿うような形状に折り曲げられた板状の介在部材を用い、各介在部材を、各第1係合部と、該第1係合部に対応する第2係合部との間に介在させて前記第1係合部と前記第2係合部とを係合させ、このとき、前記介在部材の一端部を、前記基板に略平行に、段葺き方向の下向き側へ突出させて取っ手となすことを特徴とする太陽電池装置の設置方法。 - 請求項1の太陽電池装置を構成する複数の太陽電池モジュールの内、交換すべき太陽電池モジュールを除去して、新たな太陽電池モジュールを配置する太陽電池装置の交換方法であって、
交換すべき太陽電池モジュールの第2係合部と、該太陽電池モジュールの上側に隣り合う太陽電池モジュールの第1係合部との間に介在する介在部材の取っ手を突出方向へ引っ張ることによって、前記第1係合部と前記第2係合部との係合を解除し、また、交換すべき太陽電池モジュールの第1係合部と、該太陽電池モジュールの下側に隣り合う太陽電池モジュールの第2係合部との間に介在する介在部材の取っ手を突出方向へ引っ張ることによって、前記第1係合部と前記第2係合部との係合を解除し、前記交換すべき太陽電池モジュールを除去し、新たな太陽電池モジュールを準備し、該新たな太陽電池モジュールを、前記交換すべき太陽電池モジュールが配置されていた位置に配置し、次いで、前記新たな太陽電池モジュールの第1係合部と、該新たな太陽電池モジュールの下側に隣り合う太陽電池モジュールの第2係合部とを、前記介在部材を介在させて係合させ、前記新たな太陽電池モジュールの第2係合部と、該新たな太陽電池モジュールの上側に隣り合う太陽電池モジュールの第1係合部とを、前記介在部材を介在させて係合させることを特徴とする太陽電池装置の交換方法。
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